説明

シャワー装置

【課題】捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量を低減できるシャワー装置を提供する。
【解決手段】複数の分岐配管を有する導水配管部と、前記複数の分岐配管の先端にそれぞれ設けられた複数のシャワー吐水部と、前記複数の分岐配管の途上にそれぞれ設けられ、前記複数のシャワー吐水部からの吐水と止水とを切り替える複数の電磁弁と、前記複数の電磁弁の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のシャワー吐水部のいずれかから第1の排水量の水を排水させた後、他の前記複数のシャワー吐水部から前記第1の排水量よりも少ない第2の排水量の水を排水させることにより、前記導水配管部内に存在していた水を、前記導水配管部よりも上流側に配置された給湯源から供給される高温の水に置換する捨て水モードを実行することを特徴とするシャワー装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、シャワー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シャワー装置では、一般的に、シャワー装置を使用した後しばらく使用しないと、給湯機から電磁弁などの開閉弁を介してシャワー吐水部に至るまでの配管内の温水は、時間経過とともに冷えて冷水となる場合がある。そのため、時間がしばらく経過してから再びシャワー装置を使用すると、しばらくはこの配管内に溜まった冷水がシャワー吐水部から吐水され、使用者の身体にかかるおそれがある。
【0003】
そこで、配管内に存在していた冷水を、給湯機から供給される高温の水に置換する捨て水を行うシャワー装置がある(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載されたシャワー装置では、複数のシャワー吐水部(噴出口)から同時に捨て水を行うと、捨て水の量が多くなる。すなわち、給湯機からの配管経路が短い場所に設置されたシャワー吐水部では、捨て水の動作がすでに完了し、温水が吐水されているにもかかわらず、給湯機からの配管経路が長い場所に設置されたシャワー吐水部では、捨て水の動作が完了せず、まだ冷水が吐水されている場合がある。
【0004】
このような場合には、シャワー装置は、捨て水の動作を継続する必要があるため、捨て水の量は多くなる。したがって、特許文献1に記載されたシャワー装置では、捨て水の動作を効率的に行うという点において改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−125127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量を低減できるシャワー装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、複数の分岐配管を有する導水配管部と、前記複数の分岐配管の先端にそれぞれ設けられた複数のシャワー吐水部と、前記複数の分岐配管の途上にそれぞれ設けられ、前記複数のシャワー吐水部からの吐水と止水とを切り替える複数の電磁弁と、前記複数の電磁弁の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のシャワー吐水部のいずれかから第1の排水量の水を排水させた後、他の前記複数のシャワー吐水部から前記第1の排水量よりも少ない第2の排水量の水を排水させることにより、前記導水配管部内に存在していた水を、前記導水配管部よりも上流側に配置された給湯源から供給される高温の水に置換する捨て水モードを実行することを特徴とするシャワー装置が提供される。
【0008】
また、本発明の他の一態様によれば、分岐部から先端までの配管長が異なる複数の分岐配管を有する導水配管部と、前記複数の分岐配管の先端にそれぞれ設けられた複数のシャワー吐水部と、前記複数の分岐配管の途上にそれぞれ設けられ、前記複数のシャワー吐水部からの吐水と止水とを切り替える複数の電磁弁と、前記複数の電磁弁の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のシャワー吐水部からの排水を開始させた後に、前記配管長のより短い前記分岐配管の先端に設けられた前記シャワー吐水部から第3の排水量の水を排水させ、前記配管長のより長い前記分岐配管の先端に設けられた前記シャワー吐水部から前記第3の排水量よりも多い第4の排水量の水を排水させることにより、前記導水配管部内に存在していた水を、前記導水配管部よりも上流側に配置された給湯源から供給される高温の水に置換する捨て水モードを実行することを特徴とするシャワー装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様によれば、捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量を低減できるシャワー装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態にかかるシャワー装置を備えた浴室を例示する斜視模式図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるシャワー装置を備えた浴室を例示する斜視模式図である。
【図3】本実施形態にかかるシャワー装置の構成を例示するブロック図である。
【図4】本実施形態にかかるシャワー装置の動作の具体例を表すフローチャートである。
【図5】本具体例のヘッドシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
【図6】本具体例のボディシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
【図7】本具体例のハンドシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
【図8】本実施形態にかかるシャワー装置の動作の他の具体例を表すフローチャートである。
【図9】本実施形態にかかるシャワー装置の動作のさらに他の具体例を表すフローチャートである。
【図10】本具体例のボディシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
【図11】本具体例のハンドシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
【図12】本具体例のヘッドシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
【図13】本実施形態にかかるシャワー装置の動作のさらに他の具体例を表すフローチャートである。
【図14】本実施形態の操作パネルの表示内容について説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、複数の分岐配管を有する導水配管部と、前記複数の分岐配管の先端にそれぞれ設けられた複数のシャワー吐水部と、前記複数の分岐配管の途上にそれぞれ設けられ、前記複数のシャワー吐水部からの吐水と止水とを切り替える複数の電磁弁と、前記複数の電磁弁の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のシャワー吐水部のいずれかから第1の排水量の水を排水させた後、他の前記複数のシャワー吐水部から前記第1の排水量よりも少ない第2の排水量の水を排水させることにより、前記導水配管部内に存在していた水を、前記導水配管部よりも上流側に配置された給湯源から供給される高温の水に置換する捨て水モードを実行することを特徴とするシャワー装置である。
このシャワー装置によれば、捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量を低減することができる。
【0012】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記導水配管部の途上に設けられ、前記導水配管部内の水の温度を検知する水温検知部をさらに備え、前記制御部は、前記第1及び第2の排水量の水の少なくともいずれかを排水させる際に、前記電磁弁を開放した時間が第1の所定時間を経過したときと、前記水温検知部が所定温度以上を検知した時間が前記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間を経過したときと、のいずれか早いときに前記電磁弁を閉止することを特徴とするシャワー装置である。
このシャワー装置によれば、設定された捨て水の動作時間を経過する前であっても、捨て水の動作を終了することができる。そのため、捨て水の動作をより効率的に行い、捨て水の量をより低減することができる。
【0013】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記捨て水モードを実行させる指令を入力可能な操作部をさらに備え、前記制御部は、前記操作部に前記指令が入力された場合には、前記電磁弁を閉止させた状態で待機し、前記待機の時間が第3の所定時間を経過したときに前記捨て水モードを実行することを特徴とするシャワー装置である。
このシャワー装置によれば、例えば、使用者が操作部を操作することにより捨て水の動作を入力した場合であっても、直ぐに捨て水が実行されることはない。そのため、使用者に冷水がかかることを防止することができる。
【0014】
また、第4の発明は、第3の発明において、前記待機の時間が前記第3の所定時間を経過するまでの状態を報知することを特徴とするシャワー装置である。
このシャワー装置によれば、使用者は、捨て水が排出されるタイミングを認識することができ、その捨て水が使用者自身にかかることを回避できる。
【0015】
また、第5の発明は、第3または第4の発明において、前記捨て水モードの実行が終了したことを報知することを特徴とするシャワー装置である。
このシャワー装置によれば、使用者は、捨て水の実行が終了し、シャワー吐水部からの吐水が可能な状態であることを認識することができる。
【0016】
また、第6の発明は、分岐部から先端までの配管長が異なる複数の分岐配管を有する導水配管部と、前記複数の分岐配管の先端にそれぞれ設けられた複数のシャワー吐水部と、前記複数の分岐配管の途上にそれぞれ設けられ、前記複数のシャワー吐水部からの吐水と止水とを切り替える複数の電磁弁と、前記複数の電磁弁の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のシャワー吐水部からの排水を開始させた後に、前記配管長のより短い前記分岐配管の先端に設けられた前記シャワー吐水部から第3の排水量の水を排水させ、前記配管長のより長い前記分岐配管の先端に設けられた前記シャワー吐水部から前記第3の排水量よりも多い第4の排水量の水を排水させることにより、前記導水配管部内に存在していた水を、前記導水配管部よりも上流側に配置された給湯源から供給される高温の水に置換する捨て水モードを実行することを特徴とするシャワー装置である。
このシャワー装置によれば、複数の電磁弁を開放して捨て水を実行するため、複数のシャワー吐水部のそれぞれから排出される捨て水の水量は、より低下する。そのため、捨て水の動作の際の水跳ねを低減することができる。また、捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量を低減することができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1および図2は、本発明の実施の形態にかかるシャワー装置を備えた浴室を例示する斜視模式図である。
なお、図2は、浴室の壁面の一部を省略し、本実施形態にかかるシャワー装置が設けられた部分の壁の内部を表している。
【0018】
本実施形態にかかるシャワー装置100は、内部に空間を有する筐体101と、使用者が吐水温度を調整可能な温調操作部110と、使用者が吐水流量などを調整可能な操作パネル(操作部)120と、後述する導水配管部からの湯水を吐水するボディシャワー(シャワー吐水部)130、ヘッドシャワー(シャワー吐水部)140、およびハンドシャワー(シャワー吐水部)150と、を備える。筐体101の内部には、後に詳述する電磁弁などが設けられている。また、温調操作部110と、操作パネル120と、ボディシャワー130と、ヘッドシャワー140と、ハンドシャワー150と、の少なくとも一部は、図1に表したように浴室の壁面10から前側に露出している。言い換えれば、温調操作部110、操作パネル120、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150以外のシャワー装置100の部分は、浴室の壁面10の後側(裏側)に設けられている。
【0019】
シャワー装置100は、下端部において給湯源410(図3参照)からの配管に接続されており、その給湯源410から加熱された湯が供給される。これと同様に、シャワー装置100は、下端部において給水源420(図3参照)からの配管に接続されており、その給水源420から水が供給される。そのため、本実施形態にかかるシャワー装置100は、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150から水や加熱された湯を吐水できる。
【0020】
ボディシャワー130は、壁面10から前側に露出しているため、壁面10の前側に吐水できる。つまり、使用者は、壁面10の前に立ったり座ったりすることにより、ボディシャワー130からの湯水を身体に浴びることができる。また、ヘッドシャワー140は、ボディシャワー130の上側の壁面10に設置されているため、ボディシャワー130の上側から下側に吐水できる。つまり、使用者は、壁面10の前に立ったり座ったりすることにより、ボディシャワー130からの湯水を頭上から身体に浴びることができる。また、ハンドシャワー150は、柔軟性を有するホースの先端に設けられている。そのため、使用者はハンドシャワー150を手に持って移動させることにより、ハンドシャワー150からの湯水を意図した箇所に吐水できる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0021】
使用者は、温調操作部110を操作することにより、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150から吐水される水の温度(吐水温度)を調整できる。また、使用者は、操作パネル120を操作することにより、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150から吐水される水の流量(吐水流量)を調整できる。
【0022】
また、使用者は、操作パネル120を操作することにより、ボディシャワー130からの吐水箇所を制御することもできる。例えば、使用者は、図1および図2に表した上段のボディシャワー130を止水し、中段および下段のボディシャワー130から吐水させることができる。これにより、成人男性よりも背の低い子供や女性、あるいは座った状態で使用する使用者などは、上段のボディシャワー130からの水が不本意に顔にかかることを防止できる。なお、本実施形態では、6つのボディシャワー130が設けられた場合を例に挙げて説明するが、ボディシャワー130の設置数は、これだけに限定されない。ボディシャワー130の設置数は、例えば4つであってもよいし9つであってもよい。
【0023】
図3は、本実施形態にかかるシャワー装置の構成を例示するブロック図である。
図3に表したように、まず、給湯源410からの加熱された湯は、導水配管部310の内部に導かれ、サーモ115に供給される。一方、給水源420からの水は、導水配管部320の内部に導かれ、サーモ115に供給される。そして、サーモ115は、使用者からの温調操作部110の操作に基づいて加熱された湯と水とを混合し、その混合水を設定温度に保持する。なお、サーモ115は、温調操作部110に対して機械的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていてもよい。
【0024】
続いて、サーモ115からの水は、導水配管部180によりシャワー装置100の内部に導かれる。その導水配管部180は、下流側において分岐配管181、182、183、184に分岐されている。より具体的には、導水配管部180は、分岐部181a、182a、183a、184aにおいて分岐配管181、182、183、184にそれぞれ分岐されている。また、分岐配管184は、下流側において分岐配管185にさらに分岐されている。より具体的には、分岐配管184は、分岐部185aにおいて分岐配管185にさらに分岐されている。つまり、導水配管部180は、分岐配管181、182、183、184、185を有する。なお、本実施形態にかかるシャワー装置100において、給湯源410からの配管経路の長さについては、ヘッドシャワー140に向かう配管経路が最も長い。続いて、ハンドシャワー150に向かう配管経路がヘッドシャワー140に次いで長く、ボディシャワー130に向かう配管経路が最も短い。
【0025】
但し、配管経路の長さについては、これだけに限定されるわけではなく、ボディシャワー130に向かう配管経路が最も長くともよい。以下、説明の便宜上、ヘッドシャワー140に向かう配管経路が最も長く、ハンドシャワー150に向かう配管経路がヘッドシャワー140に次いで長く、ボディシャワー130に向かう配管経路が最も短い場合を例に挙げて説明する。
【0026】
導水配管部180の途上には、導水配管部180を流れる水の水温を検知する温度センサ(水温検知部)176と、導水配管部180を流れる水の水量(流量)を検知する水量センサ177と、導水配管部180を流れる水の水量を調整する水量比例弁178と、が設置されている。なお、温度センサ176としては、例えばサーミスタなどである。
【0027】
ここで、操作パネル120は、制御部160を内蔵する。そして、温度センサ176および水量センサ177は、検知結果(水温、水量)を検知信号として制御部160に送信する。また、制御部160は、使用者からの吐水流量に関する操作内容などに基づいて、水量比例弁178に制御信号を送信し、水量比例弁178の動作を制御する。
【0028】
分岐配管181の途上には、電磁弁171が設置され、分岐配管181の先端(下流端)には、ヘッドシャワー140が設置されている。制御部160は、使用者からの吐水箇所に関する操作内容などに基づいて、電磁弁171に制御信号を送信し、電磁弁171の動作を制御できる。そして、電磁弁171が開放されると、導水配管部180および分岐配管181の内部を導水された水は、ヘッドシャワー140から吐水される。
【0029】
分岐配管182の途上には、電磁弁172が設置され、分岐配管182の先端(下流端)には、上段のボディシャワー130が設置されている。制御部160は、使用者からの吐水箇所に関する操作内容などに基づいて、電磁弁172に制御信号を送信し、電磁弁172の動作を制御できる。そして、電磁弁172が開放されると、導水配管部180および分岐配管182の内部を導水された水は、上段のボディシャワー130から吐水される。
【0030】
分岐配管183の途上には、電磁弁173が設置され、分岐配管183の先端(下流端)には、ハンドシャワー150が設置されている。制御部160は、使用者からの吐水箇所に関する操作内容などに基づいて、電磁弁173に制御信号を送信し、電磁弁173の動作を制御できる。そして、電磁弁173が開放されると、導水配管部180および分岐配管183の内部を導水された水は、ハンドシャワー150から吐水される。
【0031】
分岐配管184の途上には、電磁弁174が設置され、分岐配管184の先端には、中段のボディシャワー130が設置されている。また、前述したように、分岐配管184は、下流側において分岐配管185にさらに分岐されており、その分岐配管185の先端には、下段のボディシャワー130が設置されている。制御部160は、使用者からの吐水箇所に関する操作内容などに基づいて、電磁弁174に制御信号を送信し、電磁弁174の動作を制御できる。そして、電磁弁174が開放されると、導水配管部180および分岐配管184、185の内部を導水された水は、中段および下段のボディシャワー130から吐水される。また、シャワー装置100は、電源部190を備える。この電源部190は、制御部160を介して電磁弁171や操作パネル120などに電力を供給する。
【0032】
ここで、使用者がシャワー装置100を使用し、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150から加熱された湯(温水)が吐水されている場合、導水配管部310、180と、分岐配管181、182、183、184と、の内部には、温水が存在している。一方、使用者がシャワー装置100の使用を止め、時間がしばらく経過すると、導水配管部310、180と、分岐配管181、182、183、184と、の内部の温水は時間経過とともに冷えて冷水となる場合がある。
【0033】
そのため、使用者がシャワー装置100の使用を止め、時間がしばらく経過してから再びシャワー装置100を使用すると、導水配管部310、180と、分岐配管181、182、183、184と、の内部に溜まった冷水は、ボディシャワー130やヘッドシャワー140やハンドシャワー150などから吐水され、使用者の身体にかかるおそれがある。
【0034】
そこで、本実施形態にかかるシャワー装置100は、使用者がシャワー装置100を使用する前に、捨て水モード(以下、単に「捨て水」ともいう)の動作を行うことができる。そして、捨て水の動作中では、導水配管部310、180と、分岐配管181、182、183、184と、の内部に溜まった冷水は、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150から排出される。
【0035】
ここで、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150から同時に捨て水を開始し、同時に捨て水を終了すると、捨て水の量が多くなる。すなわち、給湯源410からの配管経路が短い場所に設置されたボディシャワー130では、捨て水の動作により、すでに温水が吐水されているにもかかわらず、給湯源410からの配管経路が長い場所に設置されたヘッドシャワー140では、まだ冷水が吐水されている場合がある。
【0036】
これは、給湯源410からの配管経路の長さの相違だけではなく、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150の形状の相違によっても生ずる。つまり、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150の形状が相違すると、それぞれのシャワーに生ずる圧力損失が相違する。圧力損失が相違すると、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の水量が相違する。その結果、いずれかのシャワーからはすでに温水が吐水されているにもかかわらず、他のいずれかのシャワーからはまだ冷水が吐水されている場合がある。そのため、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150から同時に捨て水を開始し、同時に捨て水を終了すると、捨て水の動作を効率的に行うことが困難である。
【0037】
これに対して、本実施形態にかかるシャワー装置100は、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の開始および終了の少なくともいずれかのタイミングをずらすことができる。これによれば、捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量を低減することができる。以下、本実施形態にかかるシャワー装置100の捨て水の動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
【0038】
図4は、本実施形態にかかるシャワー装置の動作の具体例を表すフローチャートである。
まず、使用者が操作パネル120に表示された「捨て水」スイッチを押すと(ステップS101)、まず電磁弁171、172、173、174を閉じたままの状態で待機する。より具体的には、まず待機時間のカウントダウンを開始する(ステップS103)。そして、制御部160は、電磁弁171、172、173、174を閉じたままの待機時間が所定時間(第3の所定温度:例えば10秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS105)。続いて、待機時間が所定時間を経過した場合には(ステップS105:YES)、配管経路が長いヘッドシャワー140からの捨て水の動作を行う(ステップS110)。
【0039】
このように、使用者が操作パネル120に表示された「捨て水」スイッチを押した場合には、直ぐに電磁弁171を開放することなく所定時間だけ電磁弁171、172、173、174を閉じたままの状態で待機するため、シャワー装置100は、使用者に冷水がかかることを防止できる。なお、操作パネル120の表示内容については、図14に関して後述する。
【0040】
さらに、本実施形態にかかるシャワー装置100は、電磁弁171、172、173、174を閉じたままの状態から捨て水が排出されるまでの時間を報知することができる。つまり、シャワー装置100は、待機時間のカウントダウンの経過を報知できる。この報知方法は、例えば音や光や操作パネルの表示などによるものである。そのため、使用者は、捨て水が排出されるタイミングを認識することができ、ヘッドシャワー140からの冷水が使用者自身にかかることを回避できる。なお、待機時間のカウントダウンの経過の報知方法については、図14に関して後述する。
【0041】
ヘッドシャワー140からの捨て水の動作は、電磁弁171が開放されることにより開始され、捨て水の動作時間あるいは温度センサ176の検知温度に基づいて電磁弁171が閉止されることにより終了する。このヘッドシャワー140からの捨て水の動作については、図5に関して後述する。
【0042】
続いて、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作が終了すると、ボディシャワー130からの捨て水の動作を行う(ステップS140)。このとき、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作により、導水配管部310および導水配管部180の内部の残水(冷水)は、給湯源410から供給された温水に置換されている。そのため、ボディシャワー130からの捨て水の動作では、分岐配管182、184、185の内部の残水を給湯源410から供給される温水に置換すればよい。さらに、分岐配管182、184、185の長さは、導水配管部310、180および分岐配管181の合計長さよりも短い。
【0043】
そのため、ヘッドシャワー140からの捨て水の量(第1の排水量)よりも少ない量(第2の排水量)を排出することにより、ボディシャワー130からの捨て水の動作を終了することができる。また、ボディシャワー130からの捨て水の動作時間を、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作時間よりも短縮することができる。したがって、本実施形態にかかるシャワー装置100は、ボディシャワー130からの捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量を低減できる。なお、ボディシャワー130からの捨て水の動作については、図6に関して後述する。
【0044】
続いて、ボディシャワー130からの捨て水の動作が終了すると、ハンドシャワー150からの捨て水の動作を行う(ステップS170)。このとき、前述したように、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作により、導水配管部310および導水配管部180の内部の残水は、温水に置換されている。そのため、ハンドシャワー150からの捨て水の動作では、分岐配管183の内部の残水を温水に置換すればよい。さらに、分岐配管183の長さは、導水配管部310、180および分岐配管181の合計長さよりも短い。
【0045】
そのため、ヘッドシャワー140からの捨て水の量(第1の排水量)よりも少ない量(第2の排水量)を排出することにより、ハンドシャワー150からの捨て水の動作を終了することができる。また、ハンドシャワー150からの捨て水の動作時間を、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作時間よりも短縮することができる。したがって、本実施形態にかかるシャワー装置100は、ハンドシャワー150からの捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量を低減できる。なお、ハンドシャワー150からの捨て水の動作については、図7に関して後述する。
【0046】
続いて、ハンドシャワー150からの捨て水の動作が終了すると、シャワー装置100は、捨て水の動作を終了させ、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150の少なくともいずれかからの吐水が可能な待機状態となる(ステップS107)。このとき、本実施形態にかかるシャワー装置100は、捨て水の動作が終了し、吐水が可能な待機状態となったことを報知できる。つまり、シャワー装置100は、残水(冷水)の排出が終了し、温水を吐水可能であることを報知できる。この報知方法は、前述したように、例えば音や光や操作パネルの表示などによるものである。この報知方法については、図14に関して後述する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態にかかるシャワー装置100は、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の動作を同時ではなく個別に行うことができる。そのため、例えば、ボディシャワー130ではすでに温水が吐水されているにもかかわらず、ヘッドシャワー140ではまだ冷水が吐水されているために、シャワー装置100の捨て水の動作を終了できないという状態を回避できる。したがって、本実施形態にかかるシャワー装置100は、捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量および動作時間を低減できる。
【0048】
また、本実施形態にかかるシャワー装置100は、まずヘッドシャワー140からの捨て水の動作を行うため、捨て水の動作の初期において浴室のドアや、壁面10に対向した壁面に向かって水跳ねすることを抑制できる。そのため、捨て水の動作の初期において、排出された水(捨て水)が使用者にかかることを抑制することができる。
【0049】
なお、図4に表したフローチャートでは、ヘッドシャワー140と、ボディシャワー130と、ハンドシャワー150と、の順序で捨て水の動作を行う場合を例に挙げて説明したが、これだけに限定されるわけではない。例えば、給湯源410からの配管経路の長さが長い順序に従い、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作を行った後に、ハンドシャワー150と、ボディシャワー130と、の順序で捨て水の動作を行ってもよい。あるいは、給湯源410からの配管経路の長さが短い順序に従い、ボディシャワー130と、ハンドシャワー150と、ヘッドシャワー140と、の順序で捨て水の動作を行ってもよい。これらによっても、捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量および動作時間を低減することができる。
【0050】
次に、本具体例のヘッドシャワー140と、ボディシャワー130と、ハンドシャワー150と、からの捨て水の動作の詳細ついて、図面を参照しつつ説明する。
図5は、本具体例のヘッドシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
【0051】
ヘッドシャワー140からの捨て水の動作が開始されると、制御部160は、まず捨て水の動作時間のカウントダウンを開始し(ステップS113)、電磁弁171を開放する(ステップS114)。これにより、導水配管部310、180および分岐配管181の内部の残水が、ヘッドシャワー140から捨て水として排出される(ステップS115)。
【0052】
続いて、水量比例弁178は、制御部160からの制御信号に基づき、導水配管部180を導水される水の水量を調整する(ステップS116)。このときの水量は、例えば約10リットル/分程度である。続いて、制御部160は、水量センサ177からの検知結果(水量)が所定流量以上であるか否かを判断する(ステップS117)。この所定流量は、例えば3リットル/分程度である。水量センサ177からの検知結果が所定流量以上である場合には(ステップS117:YES)、制御部160は、温度センサ176からの検知結果(水温)が所定温度以上であるか否かを判断する(ステップS118)。この所定温度は、例えば約40℃程度である。
【0053】
温度センサ176からの検知結果が所定温度以上である場合には(ステップS118:YES)、その所定温度以上の継続時間のカウントダウンを開始する(ステップS119)。続いて、制御部160は、その継続時間が所定時間(第2の所定時間:例えば15秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS121)。所定温度以上の継続時間が所定時間を経過した場合には(ステップS121:YES)、制御部160は、電磁弁171を閉止する(ステップS123)。これにより、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作が終了する(ステップS124)。
【0054】
一方、ステップS118において、温度センサ176からの検知結果が所定温度以上でない場合には(ステップS118:NO)、制御部160は、所定温度以上の継続時間に関する所定時間(15秒間)をリスタートし(ステップS120)、捨て水の動作時間が所定時間(第1の所定時間:例えば30秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS122)。これと同様に、ステップS121において、所定温度以上の継続時間が所定時間を経過していない場合には(ステップS121:NO)、制御部160は、捨て水の動作時間が所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS122)。そして、捨て水の動作時間が所定時間を経過した場合には(ステップS122:YES)、制御部160は、電磁弁171を閉止する(ステップS123)。これにより、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作が終了する(ステップS124)。
【0055】
以上説明したように、本具体例にかかるシャワー装置100は、導水配管部180を導水される水が所定流量以上であって、所定温度以上である継続時間が所定時間(例えば15秒間)を経過すると、電磁弁171を閉止してヘッドシャワー140からの捨て水の動作を終了する。あるいは、本具体例にかかるシャワー装置100は、捨て水の動作時間が所定時間(例えば30秒間)を経過すると、電磁弁171を閉止してヘッドシャワー140からの捨て水の動作を終了する。すなわち、本具体例にかかるシャワー装置100は、所定温度以上である継続時間が所定時間(例えば15秒間)を経過したときと、捨て水の動作時間が所定時間(例えば30秒間)を経過したときと、のいずれか早いときに電磁弁171を閉止してヘッドシャワー140からの捨て水の動作を終了できる。
【0056】
このとき、所定温度以上である継続時間が所定時間(例えば15秒間)を経過したか否かの判断の方が、捨て水の動作時間が所定時間(例えば30秒間)を経過したか否かの判断よりも優先的に行われる。すなわち、捨て水の水温の方が、捨て水の動作時間よりも優先的に判断される。
【0057】
これによれば、ヘッドシャワー140から温水が吐水されると、設定された動作時間を経過する前に、捨て水の動作を終了することができる。そのため、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作をより効率的に行い、捨て水の量をより低減することができる。なお、温度センサ176は、導水配管部180の途上に設置されているため、ヘッドシャワー140から吐水される水の温度を直接的に検知しているわけではない。そのため、所定温度以上である継続時間に関する所定時間(例えば15秒間)は、温度センサ176が所定温度を検知してから、温度センサ176よりも下流側の導水配管部180と、分岐配管181と、の内部の残水がヘッドシャワー140から全て排出されるまでの時間を想定した時間である。したがって、所定温度以上である継続時間に関する所定時間(例えば15秒間)については、適宜変更することができる。
【0058】
また、使用者からの温調操作部110の操作によっては、サーモ115からの水の設定温度が、ステップS118における所定温度(例えば40℃)よりも低い場合がある。この場合には、温度センサ176は、導水配管部180を導水される水が所定温度(例えば40℃)以上になることを検知できない。この場合には、捨て水の動作時間が所定時間(例えば30秒間)を経過したときに、制御部160は、電磁弁171を閉止できる。これにより、シャワー装置100は、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作をより確実に終了できる。なお、捨て水の動作時間に関する所定時間(例えば30秒間)については、適宜変更することができる。
【0059】
図6は、本具体例のボディシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
ボディシャワー130からの捨て水の動作では、捨て水の動作時間に関する所定時間(例えば15秒間)は、図5に関して前述したヘッドシャワー140からの捨て水の動作における所定時間(例えば30秒間)よりも短い(ステップS143およびステップS152)。また、所定温度以上である継続時間に関する所定時間(例えば5秒間)は、図5に関して前述したヘッドシャワー140からの捨て水の動作における所定時間(例えば15秒間)よりも短い(ステップS149、ステップS150、およびステップS151)。
【0060】
そして、制御部160は、所定温度以上である継続時間が所定時間(例えば5秒間)を経過したときと、捨て水の動作時間が所定時間(例えば15秒間)を経過したときと、のいずれか早いときに電磁弁172、174を閉止し(ステップS153)、ボディシャワー130からの捨て水の動作を終了させる(ステップS154)。なお、水量比例弁178により調整される水量は、例えば約17リットル/分程度である。その他の動作については、図4に関して前述した動作と同様である。
【0061】
これによれば、ボディシャワー130からの捨て水の動作時間を、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作時間よりも短縮することができる。すなわち、ボディシャワー130からの捨て水の量を、ヘッドシャワー140からの捨て水の量よりも少なくすることができる。
【0062】
これは、図4に関して前述したように、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作により、導水配管部310および導水配管部180の内部の残水は、温水に置換されているためである。さらに、分岐配管182、184、185の長さは、導水配管部310、180および分岐配管181の合計長さよりも短いためである。したがって、ボディシャワー130からの捨て水の動作をより効率的に行い、捨て水の量をより低減することができる。また、図5に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0063】
図7は、本具体例のハンドシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
ハンドシャワー150からの捨て水の動作では、捨て水の動作時間に関する所定時間(例えば15秒間)は、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作における所定時間(例えば30秒間)よりも短い(ステップS173およびステップS182)。また、所定温度以上である継続時間に関する所定時間(例えば5秒間)は、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作における所定時間(例えば15秒間)よりも短い(ステップS179、ステップS180、およびステップS181)。
【0064】
そして、制御部160は、所定温度以上である継続時間が所定時間(例えば5秒間)を経過したときと、捨て水の動作時間が所定時間(例えば15秒間)を経過したときと、のいずれか早いときに電磁弁173を閉止し(ステップS183)、ハンドシャワー150からの捨て水の動作を終了させる(ステップS184)。なお、水量比例弁178により調整される水量は、例えば約8リットル/分程度である。その他の動作については、図4に関して前述した動作と同様である。
【0065】
これによれば、ハンドシャワー150からの捨て水の動作時間を、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作時間よりも短縮することができる。すなわち、ハンドシャワー150からの捨て水の量を、ヘッドシャワー140からの捨て水の量よりも少なくすることができる。
【0066】
これは、図4に関して前述したように、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作により、導水配管部310および導水配管部180の内部の残水は、温水に置換されているためである。さらに、分岐配管183の長さは、導水配管部310、180および分岐配管181の合計長さよりも短いためである。したがって、ハンドシャワー150からの捨て水の動作をより効率的に行い、捨て水の量をより低減することができる。また、図5に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0067】
次に、本実施形態にかかるシャワー装置100の捨て水の動作の他の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図8は、本実施形態にかかるシャワー装置の動作の他の具体例を表すフローチャートである。
【0068】
図4〜図7に関して前述した具体例では、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の動作をそれぞれ個別に行っているが、本具体例では、電磁弁171、172、173、174を同時に開放し、それぞれの捨て水の動作を同時に開始する。そして、制御部160は、分岐部181a、182a、183a、184a(図3参照)からシャワー吐水部(ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150)までの配管経路の長さに応じて適宜設定された動作時間に基づき、電磁弁171、172、173、174を個別に閉止し、それぞれの捨て水の動作を個別に終了させる。
【0069】
すなわち、本具体例の動作は、分岐部181a、182a、183a、184aからシャワー吐水部(ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150)までの配管経路の長さが異なる場合に有効である。本具体例の捨て水の動作について、図8に表したフローチャートを参照しつつ説明する。なお、本具体例においては、分岐部181aからヘッドシャワー140までの配管経路の長さが、分岐部182aからハンドシャワー150までの配管経路の長さ、および分岐部183a、184aからボディシャワー130までの配管経路の長さよりも長い場合を例に挙げて説明する。
【0070】
まず、使用者が操作パネル120に表示された「捨て水」スイッチを押すと(ステップS201)、電磁弁171、172、173、174を閉じたままの状態で待機する(ステップS203およびステップS205)。この待機動作は、図4に関して前述したステップS103およびステップS105の待機動作と同様である。
【0071】
続いて、待機時間が所定時間(例えば10秒間)を経過した場合には(ステップS205:YES)、制御部160は、捨て水の動作時間のカウントダウンを開始し(ステップS207)、電磁弁171、172、173、174を全て開放する(ステップS209)。これにより、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の動作が同時に開始され、導水配管部310、180および分岐配管181、182、183、184、185の内部の残水が捨て水としてそれぞれ排出される(ステップS211)。
【0072】
続いて、制御部160は、図5に関して前述したステップS116と同様に、水量比例弁178の動作を制御して導水配管部180を導水される水の水量を調整し(ステップS213)、捨て水の動作時間が所定時間(例えば17秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS215)。そして、捨て水の動作時間が所定時間を経過した場合には(ステップS215:YES)、制御部160は、電磁弁172、173、174を閉止し、ボディシャワー130およびハンドシャワー150からの捨て水の動作を終了させる(ステップS217)。
【0073】
続いて、制御部160は、捨て水の動作時間が所定時間(例えば32秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS219)。そして、捨て水の動作時間が所定時間を経過した場合には(ステップS219:YES)、制御部160は、電磁弁171を閉止し、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作を終了させる(ステップS221)。これにより、シャワー装置100は、捨て水の動作を終了させ、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150の少なくともいずれかからの吐水が可能な待機状態となる(ステップS223)。
【0074】
以上説明したように、本具体例にかかるシャワー装置100は、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の動作を同時に開始し、一方で、分岐部181a、182a、183a、184aからシャワー吐水部(ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150)までの配管経路の長さに応じて適宜設定された動作時間に基づき、それぞれの捨て水の動作を個別に終了させる。つまり、それぞれのシャワーからの捨て水の動作を終了させるタイミングをずらすことができる。
【0075】
そのため、ボディシャワー130およびハンドシャワー150からの捨て水の動作時間を、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作時間よりも短縮することができる。すなわち、ボディシャワー130およびハンドシャワー150からの捨て水の量(第3の排水量)を、ヘッドシャワー140からの捨て水の量(第4の排水量)よりも少なくすることができる。したがって、図4〜図7に関して前述したように、捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量および動作時間を低減することができる。
【0076】
さらに、本具体例にかかるシャワー装置100では、電磁弁171、172、173、174を同時に開放して捨て水の動作を開始するため、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150のそれぞれから排出される捨て水の水量は、図4〜図7に関して前述した具体例の場合よりも低下する。そのため、捨て水の動作の際の水跳ねを低減することができる。これによれば、捨て水の動作により水跳ねした冷水が使用者にかかることを抑制できる。
【0077】
なお、捨て水の動作時間に関する所定時間(例えば17秒間および32秒間)が図4〜図7に関して前述した所定時間(例えば15秒間および30秒間)よりも長いのは、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150のそれぞれから排出される捨て水の水量が低下することを考慮したためである。但し、この所定時間は、これだけに限定されるわけではない。例えば、水量比例弁178を制御することにより、図4〜図7に関して前述した具体例と同等の水量で排出することができれば、捨て水の動作時間に関する所定時間を図4〜図7に関して前述した所定時間と同等に設定してもよい。
【0078】
次に、本実施形態にかかるシャワー装置100の捨て水の動作のさらに他の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図9は、本実施形態にかかるシャワー装置の動作のさらに他の具体例を表すフローチャートである。
【0079】
図8に関して前述した具体例では、分岐部181a、182a、183a、184aからシャワー吐水部(ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150)までの配管経路の長さに応じて適宜設定された動作時間に基づき、電磁弁171、172、173、174を個別に閉止し、それぞれの捨て水の動作を個別に終了させる。これに対して、本具体例では、図5〜図7に関して前述した捨て水の動作と同様に、所定温度以上である継続時間が所定時間を経過したときと、捨て水の動作時間が所定時間を経過したときと、のいずれか早いときに電磁弁を閉止して捨て水の動作を終了させる。つまり、捨て水の動作時間だけではなく、導水配管部180を導水される水の温度についても判断される。
【0080】
但し、本具体例においても、電磁弁171、172、173、174を同時に全て開放させるため(ステップS309)、本具体例の動作は、分岐部181a、182a、183a、184aからシャワー吐水部(ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150)までの配管経路の長さが異なる場合に有効である。本具体例の捨て水の動作について、図面を参照しつつ説明する。
【0081】
図9に表したステップS301、S303、S305、S307、S309、S311、S313の動作については、図8に関して前述したステップS201、S203、S205、S207、S209、S211、S213の動作と同様である。
【0082】
続いて、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の終了動作が並列的に行われる(ステップS320、S350、S380、)。つまり、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水を終了させるタイミングは、個別的に判断される。そして、図10〜図12に関して後述するように、制御部160は、捨て水の動作時間だけではなく、導水配管部180を導水される水の温度についても判断し、電磁弁171、172、173、174を個別に閉止してそれぞれの捨て水の動作を個別に終了させる。
【0083】
続いて、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の動作が終了すると、シャワー装置100は、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150の少なくともいずれかからの吐水が可能な待機状態となる(ステップS315)。
【0084】
本具体例によれば、捨て水の動作時間だけではなく、導水配管部180を導水される水の温度についても判断されるため、いずれかのシャワーから温水が吐水されると、設定された動作時間を経過する前に、そのシャワーからの捨て水の動作を終了することができる。そのため、捨て水の動作をより効率的に行い、捨て水の量動作時間をより低減することができる。さらに、電磁弁171、172、173、174を同時に開放して捨て水の動作を開始するため、図8に関して前述した具体例と同様に、捨て水の動作の際の水跳ねを低減することができる。
【0085】
次に、本具体例のボディシャワー130と、ヘッドシャワー140と、ハンドシャワー150と、からの捨て水の動作の詳細ついて、図面を参照しつつ説明する。
図10は、本具体例のボディシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
【0086】
本具体例のボディシャワー130からの捨て水の終了動作では、捨て水の動作時間に関する所定時間(例えば17秒間)は、図6に関して前述した具体例のボディシャワー130からの捨て水の動作における所定時間(例えば15秒間)よりも長い(ステップS332)。また、所定温度以上である継続時間に関する所定時間(例えば7秒間)は、図6に関して前述した具体例のボディシャワー130からの捨て水の動作における所定時間(例えば5秒間)よりも長い(ステップS329、ステップS330、およびステップS331)。
【0087】
これらは、図8に関して前述したように、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150のそれぞれから排出される捨て水の水量が低下することを考慮したためである。すなわち、電磁弁171、172、173、174を同時に開放して捨て水の動作を開始するため、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150のそれぞれから排出される捨て水の水量は、図4〜図7に関して前述した具体例の場合よりも低下するためである。その他の動作については、図6に関して前述したステップS147、S148、S149、S150、S151、S152、S153、S154の動作と同様である。
【0088】
本具体例のボディシャワー130からの捨て水の終了動作によれば、所定温度以上である継続時間が所定時間(例えば7秒間)を経過したときと、捨て水の動作時間が所定時間(例えば17秒間)を経過したときと、のいずれか早いときに電磁弁172、174が閉止されボディシャワー130からの捨て水の動作が終了する。このとき、所定温度以上である継続時間が所定時間(例えば7秒間)を経過したか否かの判断の方が、捨て水の動作時間が所定時間(例えば17秒間)を経過したか否かの判断よりも優先的に行われる。すなわち、捨て水の水温の方が、捨て水の動作時間よりも優先的に判断される。
【0089】
そのため、ボディシャワー130から温水が吐水されると、設定された動作時間を経過する前に、捨て水の動作を終了することができる。したがって、ボディシャワー130からの捨て水の動作をより効率的に行い、捨て水の量および動作時間をより低減することができる。さらに、電磁弁171、172、173、174を同時に開放して捨て水の動作を開始するため、図8に関して前述した具体例と同様に、捨て水の動作の際の水跳ねを低減することができる。なお、図5および図8に関して前述したように、ステップS332における所定時間(例えば17秒間)と、ステップS329、ステップS330、およびステップS331における所定時間(例えば7秒間)と、については、適宜変更することができる。
【0090】
図11は、本具体例のハンドシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
本具体例のハンドシャワー150からの捨て水の終了動作では、捨て水の動作時間に関する所定時間(例えば17秒間)は、図7に関して前述した具体例のハンドシャワー150からの捨て水の動作における所定時間(例えば15秒間)よりも長い(ステップS362)。また、所定温度以上である継続時間に関する所定時間(例えば7秒間)は、図7に関して前述した具体例のハンドシャワー150からの捨て水の動作における所定時間(例えば5秒間)よりも長い(ステップS359、ステップS360、およびステップS361)。その他の動作については、図7に関して前述したステップS177、S178、S179、S180、S181、S182、S183、S184の動作と同様である。
【0091】
本具体例のボディシャワー130からの捨て水の終了動作によれば、所定温度以上である継続時間が所定時間(例えば7秒間)を経過したときと、捨て水の動作時間が所定時間(例えば17秒間)を経過したときと、のいずれか早いときに電磁弁173が閉止されハンドシャワー150からの捨て水の動作が終了する。そのため、図10に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0092】
図12は、本具体例のヘッドシャワーからの捨て水の動作を例示するフローチャートである。
本具体例のヘッドシャワー140からの捨て水の終了動作では、捨て水の動作時間に関する所定時間(例えば32秒間)は、図5に関して前述した具体例のヘッドシャワー140からの捨て水の動作における所定時間(例えば30秒間)よりも長い(ステップS392)。また、所定温度以上である継続時間に関する所定時間(例えば17秒間)は、図5に関して前述した具体例のヘッドシャワー140からの捨て水の動作における所定時間(例えば15秒間)よりも長い(ステップS389、ステップS390、およびステップS391)。その他の動作については、図5に関して前述したステップS117、S118、S119、S120、S121、S122、S123、S124の動作と同様である。
【0093】
本具体例のヘッドシャワー140からの捨て水の終了動作によれば、所定温度以上である継続時間が所定時間(例えば17秒間)を経過したときと、捨て水の動作時間が所定時間(例えば32秒間)を経過したときと、のいずれか早いときに電磁弁171が閉止されヘッドシャワー140からの捨て水の動作が終了する。そのため、図10に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0094】
次に、本実施形態にかかるシャワー装置100の捨て水の動作のさらに他の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図13は、本実施形態にかかるシャワー装置の動作のさらに他の具体例を表すフローチャートである。
【0095】
図8〜図12に関して前述した具体例では、電磁弁171、172、173、174を同時に開放してボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の動作を同時に開始し、一方で、適宜設定された動作時間および所定温度における継続時間の少なくともいずれかに基づき、それぞれの捨て水の動作を個別に終了させる。これに対して、本具体例では、給湯源410からの配管経路の長さに応じて電磁弁171、172、173、174を個別に開放し、それぞれの捨て水の動作を個別に開始する。そして、制御部160は、適宜設定された動作時間が経過すると、電磁弁171、172、173、174を同時に閉止し、それぞれの捨て水の動作を同時に終了する。本具体例の捨て水の動作について、図13に表したフローチャートを参照しつつ説明する。
【0096】
まず、使用者が操作パネル120に表示された「捨て水」スイッチを押すと(ステップS401)、電磁弁171、172、173、174を閉じたままの状態で待機する(ステップS403およびステップS405)。この待機動作は、図4に関して前述したステップS103およびステップS105の待機動作と同様である。続いて、待機時間が所定時間(例えば10秒間)を経過した場合には(ステップS405:YES)、制御部160は、捨て水の動作時間のカウントダウンを開始する(ステップS407)。
【0097】
続いて、制御部160は、給湯源410からの配管経路の長さが最も長いヘッドシャワー140からの捨て水の動作を開始する(ステップS409)。すなわち、制御部160は、電磁弁171を開放する。そして、制御部160は、図5に関して前述したステップS116と同様に、水量比例弁178の動作を制御して導水配管部180を導水される水の水量を調整し(ステップS411)、捨て水の動作時間が所定時間(例えば10秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS413)。
【0098】
捨て水の動作時間が所定時間(例えば10秒間)を経過した場合には(ステップS413:YES)、制御部160は、給湯源410からの配管経路の長さがヘッドシャワー140に次いで長いハンドシャワー150からの捨て水の動作を開始する(ステップS415)。すなわち、制御部160は、電磁弁173を開放する。続いて、制御部160は、捨て水の動作時間が所定時間(例えば15秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS417)。そして、捨て水の動作時間が所定時間(例えば15秒間)を経過した場合には(ステップS417:YES)、制御部160は、給湯源410からの配管経路の長さが最も短いボディシャワー130からの捨て水の動作を開始する(ステップS419)。すなわち、制御部160は、電磁弁172、174を開放する。
【0099】
続いて、捨て水の動作時間が所定時間(例えば30秒間)を経過したか否かを判断し(ステップS421)、その動作時間が所定時間(例えば30秒間)を経過した場合には(ステップS421:YES)、電磁弁171、172、173、174を全て閉止する(ステップS423)。これにより、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の動作が同時に終了される。そして、シャワー装置100は、捨て水の動作を終了させ、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150の少なくともいずれかからの吐水が可能な待機状態となる(ステップS425)。
【0100】
以上説明したように、本具体例にかかるシャワー装置100は、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の動作を個別に開始し、一方で、適宜設定された動作時間が経過すると、それぞれの捨て水の動作を同時に終了する。そのため、ハンドシャワー150からの捨て水の動作時間を、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作時間よりも短縮することができる。すなわち、ハンドシャワー150からの捨て水の量を、ヘッドシャワー140からの捨て水の量よりも少なくすることができる。さらに、ボディシャワー130からの捨て水の動作時間を、ハンドシャワー150からの捨て水の動作時間よりも短縮することができる。すなわち、ボディシャワー130からの捨て水の量を、ハンドシャワー150からの捨て水の量よりも少なくすることができる。
【0101】
図13に例示した所定時間を参照すると、ヘッドシャワー140からの捨て水の動作時間は、30秒間となる。また、ハンドシャワー150からの捨て水の動作時間は、20秒間となる。またさらに、ボディシャワー130からの捨て水の動作時間は、15秒間となる。このように、それぞれのシャワーからの捨て水の動作を開始させるタイミングをずらし、一方で、それぞれの捨て水の動作を同時に終了させることにより、その捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量および動作時間を低減できる。
【0102】
次に、操作パネル120の表示内容について、図面を参照しつつ説明する。
図14は、本実施形態の操作パネルの表示内容について説明する模式図である。
まず、本実施形態にかかるシャワー装置100の電源が「入」の状態であって、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150から水が吐水されていない状態では、操作パネル120の表示内容は、図14に表した「停止」の状態の如くである。
【0103】
あるいは、このような状態であっても、所定時間(例えば10分間)の間に操作パネル120が使用者により操作されなかった場合には、図14に表した「表示OFF」の状態に遷移する。一方、図14に表した「表示OFF」の状態において、使用者が操作パネル120に触れると、操作パネル120の表示内容は、図14に表した「停止」の状態に遷移する。
【0104】
そして、操作パネル120の表示内容が「停止」の状態にあるときに、使用者が操作パネル120に表示された「捨て水(Cold water redidue)」スイッチを押すと、操作パネル120の表示内容は、図14に表した「捨水」の状態に遷移する。そして、図4、図8、図9、および図13に関して前述したように、待機時間のカウントダウンが開始される。
【0105】
このとき、例えば図14に表した「捨水」の状態のように、操作パネル120は、待機時間のカウントダウンの経過を報知する。つまり、例えば、捨て水が排出されるまでの残り時間が、操作パネル120に表示される。これにより、使用者は、捨て水が排出されるタイミングを認識することができ、その捨て水が使用者自身にかかることを回避できる。なお、このとき、音による報知を同時に行うと、使用者は、捨て水が排出されるタイミングを視覚的だけではなく聴覚的にも認識できるため、より効果的である。
【0106】
そして、捨て水の動作が終了すると、操作パネル120の表示内容は、図14に表した「待機」の状態に遷移する。つまり、操作パネル120の表示内容は、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150の少なくともいずれかからの吐水が可能な待機状態の表示内容に遷移する。このとき、音による報知を同時に行うと、使用者は、捨て水が終了したタイミングを視覚的だけではなく聴覚的にも認識できるため、より効果的である。さらに、待機時間のカウントダウンの経過を報知する音と、捨て水の動作が終了したことを報知する音と、の音色や大きさや高さなどを互いに相違するように設定すると、使用者はその違いを認識しやいため、より効果的である。
【0107】
また、操作パネル120の表示内容は、「捨水」の状態において、待機時間のカウントダウンの経過を報知しているとき、あるいは捨て水の動作中に、「On/Off」スイッチを操作されると、「停止」の状態に遷移する。つまり、使用者は、待機時間のカウントダウン中、あるいは捨て水の動作中であっても、「On/Off」スイッチを操作することにより、捨て水の動作を停止できる。そして、操作パネル120の表示内容は、「停止」の状態において、「On/Off」スイッチを操作されると、「待機」の状態に遷移する。
【0108】
以上説明したように、本実施形態によれば、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の開始および終了の少なくともいずれかのタイミングをずらすことができる。そのため、いずれかのシャワーからはすでに温水が吐水されているにもかかわらず、他のいずれかのシャワーからはまだ冷水が吐水されているために、シャワー装置100の捨て水の動作を終了できないという状態を回避できる。したがって、本実施形態にかかるシャワー装置100は、捨て水の動作を効率的に行い、捨て水の量および動作時間を低減できる。
【0109】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、シャワー装置100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、ボディシャワー130、ヘッドシャワー140、およびハンドシャワー150からの捨て水の動作の順序などは、本発明の特徴を含む限り、例示したものに限定されず適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0110】
10 壁面、 100 シャワー装置、 101 筐体、 110 温調操作部、 115 サーモ、 120 操作パネル、 130 ボディシャワー、 140 ヘッドシャワー、 150 ハンドシャワー、 160 制御部、 171、172、173、174 電磁弁、 176 温度センサ、 177 水量センサ、 178 水量比例弁、 180 導水配管部、 181、182、183、184、185 分岐配管、 181a、182a、183a、184a、185a 分岐部、 190 電源部、 310、320 導水配管部、 410 給湯源、 420 給水源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分岐配管を有する導水配管部と、
前記複数の分岐配管の先端にそれぞれ設けられた複数のシャワー吐水部と、
前記複数の分岐配管の途上にそれぞれ設けられ、前記複数のシャワー吐水部からの吐水と止水とを切り替える複数の電磁弁と、
前記複数の電磁弁の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記複数のシャワー吐水部のいずれかから第1の排水量の水を排水させた後、他の前記複数のシャワー吐水部から前記第1の排水量よりも少ない第2の排水量の水を排水させることにより、前記導水配管部内に存在していた水を、前記導水配管部よりも上流側に配置された給湯源から供給される高温の水に置換する捨て水モードを実行することを特徴とするシャワー装置。
【請求項2】
前記導水配管部の途上に設けられ、前記導水配管部内の水の温度を検知する水温検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1及び第2の排水量の水の少なくともいずれかを排水させる際に、前記電磁弁を開放した時間が第1の所定時間を経過したときと、前記水温検知部が所定温度以上を検知した時間が前記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間を経過したときと、のいずれか早いときに前記電磁弁を閉止することを特徴とする請求項1記載のシャワー装置。
【請求項3】
前記捨て水モードを実行させる指令を入力可能な操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記操作部に前記指令が入力された場合には、前記電磁弁を閉止させた状態で待機し、前記待機の時間が第3の所定時間を経過したときに前記捨て水モードを実行することを特徴とする請求項1または2に記載のシャワー装置。
【請求項4】
前記待機の時間が前記第3の所定時間を経過するまでの状態を報知することを特徴とする請求項3記載のシャワー装置。
【請求項5】
前記捨て水モードの実行が終了したことを報知することを特徴とする請求項3または4に記載のシャワー装置。
【請求項6】
分岐部から先端までの配管長が異なる複数の分岐配管を有する導水配管部と、
前記複数の分岐配管の先端にそれぞれ設けられた複数のシャワー吐水部と、
前記複数の分岐配管の途上にそれぞれ設けられ、前記複数のシャワー吐水部からの吐水と止水とを切り替える複数の電磁弁と、
前記複数の電磁弁の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記複数のシャワー吐水部からの排水を開始させた後に、前記配管長のより短い前記分岐配管の先端に設けられた前記シャワー吐水部から第3の排水量の水を排水させ、前記配管長のより長い前記分岐配管の先端に設けられた前記シャワー吐水部から前記第3の排水量よりも多い第4の排水量の水を排水させることにより、前記導水配管部内に存在していた水を、前記導水配管部よりも上流側に配置された給湯源から供給される高温の水に置換する捨て水モードを実行することを特徴とするシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−184071(P2010−184071A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31369(P2009−31369)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】