説明

シャワー装置

【課題】大きく均一な粒径に粒化された水滴を連続して使用者に着水させ、大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受させることができると共に、安定して気泡混入水を生成して散水孔に供給することが可能なシャワー装置を提供すること。
【解決手段】このシャワー装置F1は、給水部21と、通過する水を下流側に噴射するための絞り部22と、絞り部22を通って噴射される水に空気を混入させて気泡混入水と成す空気混入部23と、気泡混入水を吐出するための複数の散水孔243が形成されている散水部24とを備え、絞り部22の絞り流路221それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとするための供給速度変更部を給水部21に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この技術分野において、いわゆるエジェクタ効果を利用して水に空気を混入させ、気泡混入水と成して吐出するシャワー装置が知られている。シャワー装置は、その装置内に流入した水を複数の散水孔に分散して吐水するものであるから、吐水に空気を混入させる場合には、装置内に流入した水に空気を混入させてから各散水孔に分散させるように構成されている。
【0003】
このようなシャワー装置の一例として、下記特許文献1に記載されているようなシャワー装置が提案されている。下記特許文献1に記載されているシャワー装置は、円盤状のハウジングシェルの前面に複数の散水孔が設けられており、ハウジングシェルの後面の中央から流入させた水をそれら複数の散水孔に分配して吐出するものである。このシャワー装置では、ハウジングシェルに水が流入してから空気を混入させて気泡混入水とし、この気泡混入水を円盤状のハウジングシェルの前面全体に分布するように形成されている複数の散水孔に分配するものであるので、気泡混入水の進行方向に乱流発生拡張部を配置し、この乱流発生拡張部に気泡混入水を衝突させて方向を転換させ、気泡混入水をハウジングシェルの前面全体に行き渡るようにしている。
【0004】
また、このようなシャワー装置の別な一例として、下記特許文献2に記載されているようなシャワー装置も提案されている。下記特許文献2に記載されているシャワー装置は、湯水混合栓等のコックを開くと、ホースから水が供給されてオリフィス部材内を水が通過する。このとき、オリフィス部材の下流側に設けられている減圧室においては減圧状態が形成されるので、この減圧室内に開口した内側吸引口から空気が吸引され、水と空気とが混合される。下記特許文献2に記載されているシャワー装置はこのようにして気泡混入水を生成し、シャワーヘッドに設けられた複数の散水孔から吐出するものである。このシャワー装置では、生成後の気泡混入水は、減圧室の下流側に設けられている区画管内のネジ部材や更にその下流側のシャワーヘッド内壁に当たって方向が転換されながら散水孔に向かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2006−509629号公報
【特許文献2】特許第3747323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、水に空気を混入させ気泡混入水と成してシャワー吐水を行うにあたって、その気泡混入水が使用者に当たった際の使用感をどのように設定するかは、シャワーを浴びる使用者が感じる質感として重要なものである。上記特許文献2に記載のシャワー装置では、同文献の段落0015に記載されているように、途切れ途切れに水が使用者に当たる感覚を実現するためのものである。この「途切れ途切れ」とは、不均一な粒径に粒化された水滴が使用者に当たることで、大きな粒径の水滴が当たれば強い水浴び感を使用者に与え、小さな粒径の水滴が当たれば弱い水浴び感を使用者に与えることになり、これら水浴び感の強弱を断続的に使用者に与えることができることを表現しているものと思われる。本発明者らの具体的な考察によれば、生成直後の気泡混入水は水に対して空気が略均一に混入されていると推察されるところ、生成後の気泡混入水がネジ部材やシャワーヘッド内壁に当たって方向が転換されることで気泡同士の衝突が発生し、散水孔に到達した段階では気泡径が不均一になっているものと考えられる。そして、このような気泡混入水を散水孔から吐出することで不均一な粒径の水滴となし、それら不均一な粒径の水滴を使用者に当てることで上述したような感覚を実現しているものと考えられる。
【0007】
一方、上記特許文献1に記載のシャワー装置によって吐出される気泡混入水の性状については同文献に記載がないが、上記特許文献2に記載のシャワー装置同様に気泡径が不均一な気泡混入水を散水孔に供給し吐出することで不均一な粒径の水滴となし、それら不均一な粒径の水滴を使用者に当てているものと考えられる。上記特許文献1に記載のシャワー装置は、気泡混入水の進行方向に乱流発生拡張部を配置し、この乱流発生拡張部に気泡混入水を衝突させて方向を転換させていることからして、上記特許文献2に記載のシャワー装置においても同様の不均一な気泡成長が起こっており、不均一な粒径の水滴を使用者に当てているものと考えられるからである。
【0008】
本発明者らはこのような状況に対して、大粒の雨を浴びているような量感のある心地良い浴び心地のシャワー吐水を可能とするシャワー装置を提供しようと考えた。これに対して上述した従来の技術では、既述の通り不均一な粒径の水滴が使用者に当たる感覚を実現するものであるから、大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワー吐水を提供するものではなかった。
【0009】
本発明者らはこの新しい浴び心地のシャワー吐水を提供するため、散水孔内及び散水孔から吐出された直後の気泡混入水の状態に着目した。散水孔内及び散水孔から吐出された直後の気泡混入水は、気体と液体という異なった2種類の流体が同一流路管内に混在・移動している気液二相流の状態にあるから、代表的な流動様式である気泡流・スラグ流・環状流のいずれかの流動様式で流動しているものと考えられる。これら流動様式はそれぞれ気泡の混在状態が異なることから、散水孔から吐出された後の粒化の状態は異なるものと考えられる。そこで本発明者らは、上述した従来の技術では、散水孔に供給される気泡混入水の気泡径が不均一であるため、これら気泡流・スラグ流・環状流が混在した状態で気泡混入水が吐出され、結果として不均一な粒径の水滴が使用者に当たる感覚となってしまっているのではないかと仮定し、散水孔に供給する気泡混入水の気泡径を均一なものとなるように制御することが必要だと考えた。
【0010】
しかしながら、シャワー装置に水を供給する際には通常一つの供給口から供給するものであり、そのように一つの供給口から供給される水に対して空気を混入させて気泡混入水を生成するものである。これに対して、散水孔は多数設けられるものであるから、気泡混入水の進行方向を転換して各散水孔に分配する際に気泡混入水に刺激を与えることになってしまい、気泡を成長させずに各散水孔から吐出させることは極めて困難である。
【0011】
本発明者らはこのような課題を解決し、気泡径を極力均一に保った気泡混入水を散水孔に供給することで、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴を連続して使用者に着水させ、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができるシャワー装置を提供することを目的として本発明の基本構想に想到したものである。
【0012】
このように本発明者らが想到したシャワー装置は、気泡径を極力均一に保った気泡混入水を散水孔に供給することで、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴を連続して使用者に着水させ、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができるものである。具体的には、水を供給するための給水部と、前記給水部の下流側に設けられ、前記給水部よりも流路断面積を減少させ、通過する水を下流側に噴射するための絞り部と、前記絞り部の下流側に設けられ、前記絞り部を通って噴射される水に空気を混入させて気泡混入水と成すための開口が形成されている空気混入部と、前記空気混入部の下流側に設けられ、気泡混入水を吐出するための複数の散水孔が形成されている散水部とを備えるものである。
【0013】
上述したようなシャワー装置において、気泡径を極力均一に保った気泡混入水を散水孔に供給するため、気泡混入水を生成した後には含まれている気泡が極力相互に衝突しないように乱流を抑える必要がある。しかしながら、乱流を抑制する構成を採用すると、そもそもの気泡混入量も抑制される方向に働いてしまい、散水孔に十分な気泡混入水が供給され難くなるという従来には無かった新たな課題を見出した。
【0014】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、気泡径を極力均一に保った気泡混入水を散水孔に供給することで、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴を連続して使用者に着水させ、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができると共に、安定して気泡混入水を生成して散水孔に供給することが可能なシャワー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために本発明に係るシャワー装置は、空気を混入させた気泡混入水を吐出するシャワー装置であって、水を供給するための給水部と、前記給水部の下流側に設けられ、前記給水部よりも流路断面積を減少させ、通過する水を下流側に噴射するための絞り部と、前記絞り部の下流側に設けられ、前記絞り部を通って噴射される水に空気を混入させて気泡混入水と成すための開口が形成されている空気混入部と、前記空気混入部の下流側に設けられ、気泡混入水を吐出するための複数の散水孔が、前記絞り部から噴射される水の噴射方向に沿って形成されている散水部と、を備え、前記絞り部は、並行に設けられた複数の絞り流路を有し、この複数の絞り流路それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとするための噴射速度変更手段を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、給水部から供給される水が絞り部を通って空気混入部及び散水部に向けて噴射され、空気混入部及び散水部に一時的に貯留された水が散水部の複数の散水孔から外部へと吐出される。絞り部を通って噴射される水は、空気混入部に形成されている開口から取り込まれた空気を伴って、空気混入部及び散水部に一時的に貯留された水と空気との気液界面に突入することで気泡混入水となり、散水部の複数の散水孔から散水される。
【0017】
絞り部を通って噴射された水が気液界面に突入して気泡混入水となる段階では、気泡混入水中の気泡は略均一な径となるように構成できるので、気泡混入水はその略均一な気泡径のまま散水孔が形成された位置まで到達することができる。このように略均一な気泡径の気泡を含む気泡混入水が散水孔に供給されると、散水孔内及び散水孔から吐出された直後において気泡流又はスラグ流を形成することができる。このように略均一な気泡径の気泡を含み気泡流又はスラグ流として形成される気泡混入水が散水孔から吐出されると、環状流のようにミスト化することなく、吐出方向と略直交する方向にせん断されて略均一に粒化される。従って、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴が連続して使用者に着水し、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができる。
【0018】
更に本発明では、絞り部が、並行に設けられた複数の絞り流路を有しているので、それら複数の絞り流路から水を分けて噴射し気泡混入水を生成することになり、水の流れを大きく乱さずに気泡混入水を生成することができる。このように水の流れを大きく乱さずに気泡混入水を生成することに起因し、通常の手法では気泡混入水内の気泡が減少する傾向となる。そこで、本発明では噴射された水によって、気液界面近傍における水の流れを誘発して空気を巻き込むことで気泡の減少を抑制している。具体的には、複数の絞り流路それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとし、この噴射速度差を利用して気液界面での空気を巻き込むような水の流れを誘発して気泡を肥大化させずにその数を増やしている。
【0019】
更に本発明では、複数の絞り流路それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとするための噴射速度変更手段を備えている。噴射速度変更手段によって、複数の絞り流路を水が流れる際にその流速を変化させたり、複数の絞り流路に対する水の供給速度を変化させたりすることが可能となり、結果として複数の絞り流路それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異ならせることができる。
【0020】
また本発明に係るシャワー装置では、前記噴射速度変更手段は、前記複数の絞り流路それぞれに供給される水の供給速度が少なくとも一部において異なるように前記絞り部に水を供給する供給速度変更部を有しており、前記供給速度変更部は、前記給水部に設けられていることも好ましい。
【0021】
この好ましい態様では、複数の絞り流路それぞれに供給される水の供給速度が少なくとも一部において異なるように絞り部に水を供給する供給速度変更部を給水部に設けている。このように給水部に供給速度変更部を設け、複数の絞り流路に供給する水の供給速度を変化させることで複数の絞り流路から噴射される水の噴射速度を異ならせるようにしているので、絞り流路に特段の変更を加えることなく給水部にのみ変更を加えることで、簡易な構成により気泡混入水への気泡混入量を十分に確保することができる。
【0022】
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の絞り流路それぞれから噴射された水が、前記空気混入部及び前記散水部に一時的に貯留される水と空気との気液界面に突入することで気泡混入水が生成されるものであって、前記気液界面は、前記開口よりも下流側であって前記散水孔よりも上流側に形成されることも好ましい。
【0023】
この好ましい態様では、複数の絞り流路から噴射される水は並列した状態で気液界面に突入する。従って、噴射される水によって加わる力を気液界面全体にムラ無く伝えるように構成することが可能となり、安定して気液界面を散水孔と開口との間に位置させることができる。このように安定して気液界面を形成し、その気液界面に複数の絞り流路から噴射される水を突入させて気泡混入水を生成すると共に、絞り流路から噴射される水に速度差をつけているので、安定した気液界面において周囲の空気を巻き込むような水の流れを誘発し気泡を肥大化させずにその数を増やすことができる。
【0024】
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の絞り流路の少なくとも一部は、前記複数の散水孔が配された散水面に沿った横方向に並設されており、前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、中央側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度と、側端側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度とが異なるように噴射されることも好ましい。
【0025】
この好ましい態様では、複数の絞り流路の少なくとも一部は、複数の散水孔が配された散水面に沿った横方向に並設されているので、絞り流路が横方向に広がって分散配置されることになり、並設された横方向における各絞り流路から噴射される水の速度を変化させることが容易になる。更に、この好ましい態様では、複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、中央側に設けられた絞り流路から噴射される水の速度と、側端側に設けられた絞り流路から噴射される水の速度とが異なるように噴射される。従って、例えば中央側の水の速度を基準として側端側の水の速度を異ならせることができるので、容易に速度差をつけた水を噴射することができ、気液界面において周囲の空気を巻き込むような水の流れを誘発し、気泡を肥大化させずにその数を増やすことができる。
【0026】
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、中央側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度が、側端側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射されることも好ましい。
【0027】
この好ましい態様では、複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、中央側に設けられた絞り流路から噴射される水の速度が、側端側に設けられた絞り流路から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射される。従って、速度の速い水を噴射する中央側を基準として側端側の水を噴射する速度を落とすことで、噴射される水の速度の変化を規則性のあるものとすることができ、気液界面近傍における水の乱れを抑制しながら空気を巻き込むことができ、気泡を肥大化させずにその数を増やすことができる。
【0028】
また本発明に係るシャワー装置では、前記給水部の通水路径よりも、前記絞り部の前記絞り流路が並設されている横方向の長さが長くなるように構成することも好ましい。
【0029】
この好ましい態様では、給水部の通水路径よりも、絞り流路が並設されている方向の絞り部の長さが長くなるように構成しているので、絞り部の中央側に給水部から給水することで絞り部内に入った水が側端側に広がり、中央側に設けられた絞り流路から噴射される水の速度が、側端側に設けられた絞り流路から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射される。従って、絞り部の横方向の長さを給水部の通水路径の長さよりも長くするという簡易な構成で、速度差がついた水を絞り流路に供給することができる。
【0030】
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の絞り流路の少なくとも一部は、前記複数の散水孔が配された散水面と直交する上下方向においてずれるように配置されており、前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、前記上下方向において異なる速度となるように噴射されることも好ましい。
【0031】
この好ましい態様では、複数の絞り流路の少なくとも一部が上下方向においてずれるように配置されていると共に、複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、上下方向において異なる速度となるように噴射される。従って、絞り流路が縦方向に広がって分散配置されることで、縦方向にずらして配置されている各絞り流路から噴射される水の速度を変化させることが容易なものとすることができる。
【0032】
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、上側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度が、下側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射されることも好ましい。
【0033】
この好ましい態様では、上側に設けられた絞り流路から噴射される水の速度が、下側に設けられた絞り流路から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射されるので、より速度の速い水流が通る上側からより多くの空気が取り入れられて気泡混入水を生成するものとなる。従って、例えば空気混入部における開口を上側にのみ設けたとしても、より速度の速い水流によって確実に空気を取り入れることが可能となり、絞り流路から噴射される水の流れも円滑なものとすることができる。
【0034】
また本発明に係るシャワー装置では、前記給水部の通水路を構成する壁面の少なくとも下側を、前記通水路内に突出する変曲領域が形成されるように屈曲させることで、上側に設けられた前記絞り流路に供給される水の速度が、下側に設けられた前記絞り流路に供給される水の速度よりも速くなるように供給されることも好ましい。
【0035】
この好ましい態様では、給水部の通水路を構成する壁面の少なくとも下側を、通水路内に突出してなる変曲領域が形成されるように屈曲させているので、この屈曲した部分を水が通過することで見かけ上の流路が急に拡大し、流れの剥離が起こって速度差が生じる。従って、給水部の通水路を屈曲させるという簡単な構成で、絞り部に供給する水の上下方向における速度差を生じさせ、上側に設けられた絞り流路に供給される水の速度が、下側に設けられた絞り流路に供給される水の速度よりも速くなるように供給することができる。
【0036】
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の絞り流路は、前記複数の散水孔が配された散水面に沿った横方向に並設されると共に、前記複数の散水孔が配された散水面と直交する上下方向においてずれるように配置されており、前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、前記横方向においては中央側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度と、側端側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度とが異なるように噴射され、前記上下方向においても異なる速度となるように噴射されることも好ましい。
【0037】
この好ましい態様では、複数の絞り流路は、複数の散水孔が配された散水面に沿った横方向に並設されると共に、複数の散水孔が配された散水面と直交する上下方向においてずれるように配置されており、絞り流路は横方向と上下方向において分散配置されることになる。従って、絞り流路が横方向に広がって分散配置されることで、並設された横方向における各絞り流路から噴射される水の速度を変化させることが容易になる。更に、絞り流路が縦方向に広がって分散配置されることで、縦方向にずらして配置されている各絞り流路から噴射される水の速度を変化させることを容易なものとすることができる。
【0038】
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の絞り流路は、前記上下方向において複数段に分けて配置されていることも好ましい。
【0039】
この好ましい態様では、複数の絞り流路を上下方向において複数段に分けて配置し、複数段に分けて配置することで上下方向においてずれるように複数の絞り流路が配置されているので、上下方向における位置のずれが顕著なものとなる。従って、縦方向にずらして配置されている各絞り流路から噴射される水の速度をより一層顕著に変化させ、空気の取り込む量を増大させることが容易なものとなる。
【0040】
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の絞り流路は、一の段に配置される前記絞り流路と他の段に配置される前記絞り流路との位置がずれて千鳥配置されていることも好ましい。
【0041】
この好ましい態様では、一の段に配置される絞り流路と他の段に配置される絞り流路との位置がずれて千鳥配置されているので、一の段に配置される一対の絞り流路の間の下方又は上方に他の段に配置される絞り流路を配置することができる。従って、一の段に配置される絞り流路から噴射される水流と、他の段に配置される絞り流路から噴射される水流とが衝突しないように所定の距離を確保しやすくなる。結果として、縦方向にずらして配置されている各絞り流路から噴射される水の速度をより一層顕著に変化させ、空気の取り込む量を増大させることが容易なものとしつつ、複数の絞り流路から噴射される水流同士が衝突することを抑制し、気泡の肥大化を抑制できる。
【0042】
また本発明に係るシャワー装置では、前記複数の絞り流路は、互いに等間隔となるように配置されていることも好ましい。
【0043】
この好ましい態様では、複数の絞り流路を互いに等間隔となるように配置することで、複数の絞り流路から噴射される水流同士の干渉を低減させ、気液界面近傍における水の乱れを抑制し気泡の肥大化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、気泡径を極力均一に保った気泡混入水を散水孔に供給することで、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴を連続して使用者に着水させ、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができると共に、安定して気泡混入水を生成して散水孔に供給することが可能なシャワー装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本願発明の実施形態に係るシャワー装置を示す図であって、(A)は平面図を示し、(B)は側面図を示し、(C)は下面図を示している。
【図2】図1の(B)におけるA−A断面を示す断面図である。
【図3】図1の(C)におけるB−B断面を示す断面図である。
【図4】図1の(B)におけるC−C断面を示す図であって、シャワー装置内の水の流れを示す図である。
【図5】図3の絞り部近傍を拡大して示す拡大断面図である。
【図6】図2の絞り部近傍を拡大して示す拡大断面図である。
【図7】本願発明の実施形態に係るシャワー装置内の気泡混入水の発生状態を示す図である。
【図8】本願発明の実施形態に係るシャワー装置において、気泡混入水を吐出する様子の一例を示す図である。
【図9】本願発明の実施形態に係るシャワー装置において、気泡混入水を吐出する様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0047】
本発明の実施形態であるシャワー装置について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシャワー装置F1を示す図であって、図1の(A)は平面図を示し、図1の(B)は側面図を示し、図1の(C)は下面図を示している。図1の(A)に示されるように、シャワー装置F1は直方体の一方の端が絞られた形態を成す本体2Aと、本体2Aの絞られた方の端に繋げられているホース状の本体2Bとによって構成されている。シャワー装置F1における本体2Aの上面2aには開口231が形成されている。
【0048】
図1の(B)に示されるように、シャワー装置F1における本体2Aの上面2aと対向する下面2bには複数の散水突起242が設けられている。各散水突起242には散水孔243が形成されている。図1の(C)に示されるように、本体2Aの下面2bには複数の散水突起242が設けられている。本実施形態の場合、散水突起242は7行×7列に49個形成されている。
【0049】
続いて、図1の(B)のA−A断面図である図2を参照しながらシャワー装置F1について説明を加える。図2に示されるように、シャワー装置F1は、給水部21と、絞り部22と、空気混入部23と、散水部24とを備えている。
【0050】
給水部21は、水を供給するための部分であって、給水ホースや水道管といった外部から導入した水を絞り部22へと供給する部分である。給水部21は本体2Bから本体2Aにかけて形成されており、その内部には本発明に係る供給速度変更部が設けられている。この供給速度変更部の構成については、後に詳述する。
【0051】
絞り部22は、給水部21の下流側に設けられており、給水部21よりも流路断面積を減少させ、通過する水を下流側に噴射するための部分である。絞り部22には、複数の絞り流路221が設けられている。絞り流路221は、図中上下方向に沿って二段に渡って並設されている。絞り流路221の配置の様子を図4に示す。図4は、図1の(B)のC−C断面図である。図4に示すように、絞り流路221は、上段に10個が一列を成すように形成され、下段に9個が一列を成すように形成されている。下段の絞り流路221は上段の各絞り流路221の間に位置するように配置され、上段の絞り流路221と下段の各絞り流路221とは互いに最も近接する絞り流路221への距離が略同一なものとなるように交互に配置されている。換言すれば、上下段の複数段に渡って並設されている複数の絞り流路221それぞれは、隣接する段に設けられている一対の絞り流路221に対して等距離に位置するように交互に配置されている。また、一の段である上段に配置される絞り流路221と、他の段である下段に配置される絞り流路221との位置がずれており、ジグザグ状に千鳥配置されている。
【0052】
図2に戻ってその他の部分の説明を続ける。空気混入部23は、絞り部22の下流側に設けられており、絞り部22を通って噴射される水に空気を混入させて気泡混入水と成すための開口231(図1の(A)参照)が形成されている部分である。空気混入部23は、水の進行方向に沿うように本体2Aの一部分としての側壁23ea,23eb及び側壁23fa,23fbを有している。側壁23eaと側壁23faとは互いに平行になるように配置されている。側壁23ebは側壁23eaの下流側に連続して設けられている壁であって、側壁23eaに繋がっている部分よりも下流側に向かって外側に流路を広げるように斜めに配置されている。同様に、側壁23fbは側壁23faの下流側に連続して設けられている壁であって、側壁23faに繋がっている部分よりも下流側に向かって外側に流路を広げるように斜めに配置されている。
【0053】
散水部24は、空気混入部23の下流側に設けられており、気泡混入水を吐出するための複数の散水孔243が形成されている部分である。散水孔243は、散水突起242に設けられている。
【0054】
図2に示すように、空気混入部23の一部を構成する側壁23eaと側壁23faとは互いに平行に対峙するように配置されている。空気混入部23の残部を構成する側壁23ebは本体2Aの外側側面に向かうように斜めに配置され、散水部24を構成する側壁24eに繋がっている。同様に、空気混入部23の残部を構成する側壁23fbは本体2Aの外側側面に向かうように斜めに配置され、散水部24を構成する側壁24fに繋がっている。
【0055】
続いて、図1の(C)のB−B断面図である図3を参照しながらシャワー装置F1について説明を加える。図3に示されるように、給水部21は、通水路21aを有している。通水路21aは、屈曲した水路である。
【0056】
通水路21aの下流端を越えた領域には絞り部22が設けられている。絞り部22の流路断面は扁平形状となるように形成されている。絞り部22と空気混入部23との境界部分には仕切壁22aが設けられている。仕切壁22aには、複数の貫通孔が穿たれており、それによって複数の絞り流路221が形成されている。
【0057】
仕切壁22aを下流側に越えた領域には空気混入部23が設けられている。空気混入部23は、側壁23ea,23ebと側壁23fa,23fbとを繋ぐ側壁23b、側壁23ea,23ebと側壁23fa,23fbとを繋ぐ側壁であって側壁23bと対向し相対的に側壁23bから遠い位置に配置されている側壁23c、側壁23ea,23ebと側壁23fa,23fbを繋ぐ側壁であって側壁23bと対向し相対的に側壁23bに近い位置に配置されている側壁23dを有している。側壁23cは散水部24側に、側壁23dは絞り部22側に、それぞれ配置されており側壁23cと側壁23dとを繋ぐ段差部23gが形成されている。側壁23b,23c,23dは、水が進行する方向に直交する方向に沿った長さが、側壁23ea,23eb及び側壁23fa,23fbよりも長くなるように形成されている。従って、空気混入部23は流路断面が扁平形状となるように形成されている。
【0058】
側壁23cよりも下流側の領域には散水部24が設けられている。散水部24は、側壁24eと側壁24fとを繋ぐ側壁であって、空気混入部23の側壁23bと同一面を形成する側壁24bを有している。更に散水部24は、側壁24eと側壁24fとを繋ぐ側壁であって、空気混入部23の側壁23cと同一面を形成する側壁24cを有している。側壁24b,24c,24e,24fは、絞り部22の仕切壁22aと対向するように位置し流路の末端として機能する奥側の側壁24aに繋がっている。側壁24cは上述したように散水突起242を有しており、散水突起242の先端部分が本体2Aから突出するように形成されている。それぞれの散水突起242には散水孔243が形成されている。
【0059】
上述した構成の給水部21に給水手段(図示しない)から水が所定圧力以上で供給されると、絞り部22に形成された絞り流路221を通って下流側に噴射される。絞り流路221から下流側の空気混入部23及び散水部24に噴射された水は、空気混入部23の側壁23b,23c,23d,23ea,23eb,23fa,23fb及び散水部24の側壁24b,24c,24d,24eと干渉しないように、最も遠くに位置する散水孔243までその噴射水仮想直線が延びるように噴射される。噴射水仮想直線とは、絞り部22から噴射される水の噴射方向を延伸させた仮想的な直線である。
【0060】
このように絞り部22から水が噴射されると、散水部24及び空気混入部23の少なくとも一部に一時的に水が溜まり、その溜まった水と空気との界面である気液界面が形成される。従って、噴射水仮想直線に沿って噴射された水が気液界面から溜まった水に対して突入し、空気混入部23に存在する空気を巻き込んで気泡混入水が生成される。気泡混入水は各水流に分かれて各散水孔243から外部に吐出される。空気混入部23には開口231が形成されているので、噴射水仮想直線に沿って噴射された水が気液界面から溜まった水に対して突入し、空気混入部23に存在する空気を巻き込んでも、空気が常に供給される状態を維持することができる。
【0061】
このように本実施形態のシャワー装置F1は、気泡径を極力均一に保った気泡混入水を散水孔に供給することで、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴を連続して使用者に着水させ、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができるものである。
【0062】
シャワー装置F1において、気泡径を極力均一に保った気泡混入水を散水孔243に供給するため、気泡混入水を生成した後には含まれている気泡が極力相互に衝突しないように乱流を抑える必要がある。しかしながら、乱流を抑制する構成を採用すると、そもそもの気泡混入量も抑制される方向に働いてしまい、散水孔243に十分な気泡混入水が供給され難くなるおそれがある。
【0063】
そこで本実施形態のシャワー装置F1においては、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴を連続して使用者に着水させ、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができると共に、安定して気泡混入水を生成して散水孔243に供給することを可能とするため、通水路21aに供給速度変更部を設けている。この供給速度変更部は、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとするため、複数の絞り流路221それぞれに供給される水の供給速度が少なくとも一部において異なるように絞り部22に水を供給するものである。
【0064】
供給速度変更部について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、図3の絞り部22近傍を拡大して示す拡大断面図である。図6は、図2の絞り部22近傍を拡大して示す拡大断面図である。
【0065】
図5に示すように、通水路21aは、上流側の側壁21aa,21adと、下流側の側壁21ac,21afとを有している。側壁21aa及び側壁21acは、図中下側の側壁であり、側壁21ad及び側壁21afは、図中上側の側壁である。尚、図中の上下方向は、散水孔243が配された散水面を形成する側壁24cと直交する方向である。側壁21aaと側壁21acとは、通水路21a内に突出する凸部21abを形成するように繋がっている。一方、側壁21adと側壁21afとは、通水路21aから後退し凹部21aeを形成するように繋がっている。従って、給水部21の通水路21aを構成する壁面の少なくとも下側である側壁21aa及び側壁21acを、通水路21a内に突出する変曲領域としての凸部21abが形成されるように屈曲させている。
【0066】
このように通水路21aを屈曲させることで、上側に設けられた絞り流路221に供給される水の速度が、下側に設けられた絞り流路221に供給される水の速度よりも速くなるように供給される。これは、通水路21a内を流れる水が側壁21aaを沿って流れていった後、凸部21abから側壁21acを流れる際に、凸部21abにおいて流れの剥離が発生し、側壁21ac側の流速が低下することに起因するものと考えられる。
【0067】
絞り流路221に供給される水の速度が、上側で速く下側で遅くなるように供給されるので、上側の絞り流路221から噴射される水流W1の速度は速く、下側の絞り流路221から噴射される水流W2の速度は遅くなる。このように速度差のついた水流W1及び水流W2が気液界面BW3に突入すると、気液界面BW3近傍の空気Arを取り込むような水の流れが発生し、効率よく気泡混入水BWが生成される。
【0068】
また、図6に示すように、平面視断面では、通水路21aは、上流側の側壁21aj,21agと、下流側の側壁21am,21aiとを有している。側壁21aj及び側壁21amは、図中下側の側壁であって図5に示した側壁21aa及び側壁21acとの関係では左右方向の一方の側壁を構成している。同様に、側壁21ag及び側壁21aiは、図中上側の側壁であって図5に示した側壁21aa及び側壁21acとの関係では左右方向の他方の側壁を構成している。側壁21ajと側壁21amとは、通水路21a内に突出する凸部21akを形成するように繋がっている。同様に、側壁21agと側壁21aiとは、通水路21a内に突出する凸部21ahを形成するように繋がっている。従って、給水部21の通水路21aを構成する壁面である側壁21ag及び側壁21ajからなる領域から、その流路断面積を広げるように側壁21am及び側壁21aiが配置されている。
【0069】
このように通水路21aを拡幅させることで、中央側に設けられた絞り流路221に供給される水の速度が、側端側に設けられた絞り流路221に供給される水の速度よりも速くなるように供給される。これは、通水路21a内を流れる水が側壁21ajを沿って流れていった後、凸部21akから側壁21amを流れる際に、凸部21akにおいて流れの剥離が発生し、側壁21am側の流速が低下することに起因するものと考えられる。同様に、通水路21a内を流れる水が側壁21agを沿って流れていった後、凸部21ahから側壁21aiを流れる際に、凸部21ahにおいて流れの剥離が発生し、側壁21ai側の流速が低下することに起因するものと考えられる。
【0070】
絞り流路221に供給される水の速度が、中央側で速く側端側で遅くなるように供給されるので、中央側の絞り流路221から噴射される水流W1aの速度は速く、側端側の絞り流路221から噴射される水流W1bの速度は遅くなり、更に側端側の絞り流路221から噴射される水流W1cの速度はより遅くなる。このように速度差のついた水流W1a,W1b,水流W1cが気液界面BW3に突入すると、気液界面BW3近傍の空気Arを取り込むような水の流れが発生し、効率よく気泡混入水BWが生成される。
【0071】
本実施形態の絞り部22を通って噴射された水が気液界面BW3に突入して気泡混入水BWとなる段階では、気泡混入水BW中の気泡は略均一な径となるように構成できるので、気泡混入水BWはその略均一な気泡径のまま散水孔243が形成された位置まで到達することができる。図7に、略均一な気泡径のままの気泡混入水BWが生成されている様子を示す。
【0072】
このように略均一な気泡径の気泡を含む気泡混入水BWが散水孔243に供給されると、散水孔243内及び散水孔243から吐出された直後において気泡流又はスラグ流を形成することができる。このように略均一な気泡径の気泡を含み気泡流又はスラグ流として形成される気泡混入水BWが散水孔243から吐出されると、環状流のようにミスト化することなく、吐出方向と略直交する方向にせん断されて略均一に粒化される。図8及び図9に、略均一な気泡径のままの気泡混入水BWが散水孔243から吐出された状態の一例を示す。図8に示す例は、比較的小さな気泡の気泡混入水BWを散水孔243から吐出した例を示す図であって、散水孔243内及び散水孔243から吐出された直後において気泡流が形成されている例である。図9に示す例は、散水孔243の孔径と略同等の比較的大きな気泡の気泡混入水BWを散水孔243から吐出した例を示す図であって、散水孔243内及び散水孔243から吐出された直後においてスラグ流が形成されている例である。
【0073】
図8及び図9に示すように、本実施形態に係るシャワー装置F1によれば、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴が連続して使用者に着水し、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができる。
【0074】
また本実施形態に係るシャワー装置F1では、絞り部22は、複数の絞り流路221が並設されることで構成されている。このように複数の絞り流路221を並設することで絞り部22を構成しているので、複数の絞り流路221から噴射される水が並行して気液界面BW3に突入し、空気混入部23及び散水部24に一時的に貯留された水を気泡混入水BWと成している。従って、隣接する絞り流路221から噴射された水によって気泡が生成される場合、その突入する水によって形成される水流同士が影響を及ぼし、互いが生成する気泡を引きちぎり、生成される気泡の気泡径を小さくする効果を発揮する。このように略均一であって比較的小径の気泡を含む気泡混入水BWを散水孔243に送り込むことで、上述したような作用効果を発揮させることができ、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある、より良い浴び心地のシャワーを享受することができる。
【0075】
上述したように本実施形態に係るシャワー装置F1は、空気を混入させた気泡混入水BWを吐出するシャワー装置であって、水を供給するための給水部21と、給水部21の下流側に設けられ、給水部21よりも流路断面積を減少させ、通過する水を下流側に噴射するための絞り部22と、絞り部22の下流側に設けられ、絞り部22を通って噴射される水に空気を混入させて気泡混入水BWと成すための開口231が形成されている空気混入部23と、空気混入部23の下流側に設けられ、気泡混入水BWを吐出するための複数の散水孔243が、絞り部22から噴射される水の噴射方向に沿って形成されている散水部24と、を備えている。
【0076】
絞り部22は、並行に設けられた複数の絞り流路221を有し、この複数の絞り流路221それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとするため、複数の絞り流路221それぞれに供給される水の供給速度が少なくとも一部において異なるように絞り部22に水を供給する供給速度変更部を給水部21に設けている。
【0077】
本実施形態においては、給水部21から供給される水が絞り部22を通って空気混入部23及び散水部24に向けて噴射され、空気混入部23及び散水部24に一時的に貯留された水が散水部24の複数の散水孔243から外部へと吐出される。絞り部22を通って噴射される水は、空気混入部23に形成されている開口231から取り込まれた空気を伴って、空気混入部23及び散水部24に一時的に貯留された水と空気との気液界面BW3に突入することで気泡混入水BWとなり、散水部24の複数の散水孔243から散水される。
【0078】
絞り部22を通って噴射された水が気液界面BW3に突入して気泡混入水BWとなる段階では、気泡混入水BW中の気泡は略均一な径となるように構成できるので、気泡混入水BWはその略均一な気泡径のまま散水孔243が形成された位置まで到達することができる。このように略均一な気泡径の気泡を含む気泡混入水BWが散水孔243に供給されると、散水孔243内及び散水孔243から吐出された直後において気泡流又はスラグ流を形成することができる。このように略均一な気泡径の気泡を含み気泡流又はスラグ流として形成される気泡混入水BWが散水孔243から吐出されると、環状流のようにミスト化することなく、吐出方向と略直交する方向にせん断されて略均一に粒化される。従って、比較的大きく均一な粒径に粒化された水滴が連続して使用者に着水し、使用者は大粒の雨を浴びているような量感のある浴び心地のシャワーを享受することができる。
【0079】
更に本実施形態では、絞り部22が、並行に設けられた複数の絞り流路221を有しているので、それら複数の絞り流路221から水を分けて噴射し気泡混入水BWを生成することになり、水の流れを大きく乱さずに気泡混入水BWを生成することができる。このように水の流れを大きく乱さずに気泡混入水BWを生成することに起因し、通常の手法では気泡混入水BW内の気泡が減少する傾向となる。そこで、本発明では噴射された水によって、気液界面BW3近傍における水の流れを誘発して空気を巻き込むことで気泡の減少を抑制している。具体的には、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとし、この噴射速度差を利用して気液界面BW3での空気を巻き込むような水の流れを誘発して気泡を肥大化させずにその数を増やしている。
【0080】
更に本実施形態では、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとするため、複数の絞り流路221それぞれに供給される水の供給速度が少なくとも一部において異なるように絞り部22に水を供給する供給速度変更部を給水部21に設けている。
【0081】
本実施形態の供給速度変更部は、通水路21aを屈曲させたり拡幅したりすることで形成されている。具体的には、図5に示すように、側壁21aa、凸部21ab、側壁21acによって通水路21aを屈曲させる態様の供給速度変更部が形成されている。また、図6に示すように、側壁21aj,21ag、凸部21ak,21ah、側壁21am,21aiによって通水路21aを拡幅させる態様の供給速度変更部が形成されている。
【0082】
このように給水部21に供給速度変更部を設け、複数の絞り流路221に供給する水の供給速度を変化させることで複数の絞り流路221から噴射される水の噴射速度を異ならせるようにしているので、絞り流路221に特段の変更を加えることなく給水部21にのみ変更を加えることで、簡易な構成により気泡混入水BWへの気泡混入量を十分に確保することができる。
【0083】
また本実施形態に係るシャワー装置F1では、複数の絞り流路221それぞれから噴射された水が、空気混入部23及び散水部24に一時的に貯留される水と空気との気液界面BW3に突入することで気泡混入水BWが生成されるものであって、気液界面BWは、開口231よりも下流側であって散水孔243よりも上流側に形成される(図5参照)。
【0084】
図5及び図6に示すように、複数の絞り流路221から噴射される水は並列した状態で気液界面BW3に突入する。従って、噴射される水によって加わる力を気液界面BW3全体にムラ無く伝えるように構成することが可能となり、安定して気液界面BW3を散水孔243と開口231との間に位置させることができる。このように安定して気液界面BW3を形成し、その気液界面BW3に複数の絞り流路221から噴射される水を突入させて気泡混入水BWを生成すると共に、絞り流路221から噴射される水に速度差をつけているので、安定した気液界面BW3において周囲の空気Arを巻き込むような水の流れを誘発し気泡を肥大化させずにその数を増やすことができる。
【0085】
また本実施形態に係るシャワー装置F1では、図6に示すように、複数の絞り流路221の少なくとも一部は、複数の散水孔243が配された散水面である側壁24cに沿った横方向に並設されており、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水は、中央側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度と、側端側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度とが異なるように噴射される。より具体的には、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水は、中央側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度が、側端側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射される。
【0086】
図6に示すように、複数の絞り流路221の少なくとも一部は、複数の散水孔243が配された散水面である側壁24cに沿った横方向に並設されているので、絞り流路221が横方向に広がって分散配置されることになり、並設された横方向における各絞り流路221から噴射される水の速度を変化させることが容易になる。更に、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水は、中央側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度と、側端側に設けられた絞り流路から噴射される水の速度とが異なるように噴射される。従って、中央側の水の速度を基準として側端側の水の速度を異ならせることができるので、容易に速度差をつけた水を噴射することができ、気液界面BW3において周囲の空気Arを巻き込むような水の流れを誘発し、気泡を肥大化させずにその数を増やすことができる。特に、速度の速い水を噴射する中央側を基準として側端側の水を噴射する速度を落とすことで、噴射される水の速度の変化を規則性のあるものとすることができ、気液界面BW3近傍における水の乱れを抑制しながら空気Arを巻き込むことができ、気泡を肥大化させずにその数を増やすことができる。
【0087】
また本実施形態に係るシャワー装置F1は、図6に示すように、給水部21の通水路21aにおける通水路径(側壁21ajと側壁21agとの距離に相当する)よりも、絞り部22の絞り流路221が並設されている横方向(図6においては縦方向になるように図示している)の長さが長くなるように構成されている。
【0088】
このように、給水部21の通水路21の通水路径よりも、絞り流路221が並設されている方向の絞り部22の長さが長くなるように構成しているので、絞り部22の中央側に給水部21から給水することで絞り部22内に入った水が側端側に広がり、中央側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度が、側端側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射される。従って、絞り部22の横方向の長さを給水部21の通水路21aの通水路径の長さよりも長くするという簡易な構成で、速度差がついた水を絞り流路221に供給することができる。
【0089】
また本実施形態に係るシャワー装置F1は、図4に示すように、複数の絞り流路221の少なくとも一部が、複数の散水孔243が配された散水面としての側壁24cと直交する上下方向においてずれるように配置されている。そして、図5に示すように、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水が、上下方向において異なる速度となるように噴射されている。より具体的には、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水は、上側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度が、下側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射される。複数の絞り流路221が上下にずれるように配置される態様は、例えば一段に配置された絞り流路221が、アーチ状に上下にずれるように配置されることも好ましい。また、図5に示すように、複数の絞り流路221が、上下方向において複数段に分けて配置されていることも好ましい。また、図5に示すように、複数の絞り流路221は、一の段に配置される絞り流路221と他の段に配置される絞り流路221との位置がずれて千鳥配置されていることも好ましい。
【0090】
本実施形態では、複数の絞り流路221の少なくとも一部が上下方向においてずれるように配置されていると共に、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水は、上下方向において異なる速度となるように噴射される。従って、絞り流路221が縦方向に広がって分散配置されることで、縦方向にずらして配置されている各絞り流路221から噴射される水の速度を変化させることが容易なものとなっている。
【0091】
また本実施形態では、図5に示すように、上側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度が、下側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射されるので、より速度の速い水流が通る上側からより多くの空気が取り入れられて気泡混入水を生成するものとなる。従って、空気混入部23における開口231を上側にのみ設けているが(図1及び図3参照)、より速度の速い水流によって確実に空気を取り入れることが可能となり、絞り流路221から噴射される水の流れも円滑なものとすることができる。
【0092】
また本実施形態では、図4に示すように、複数の絞り流路221を上下方向において複数段に分けて配置し、複数段に分けて配置することで上下方向においてずれるように複数の絞り流路221が配置されているので、上下方向における位置のずれが顕著なものとなる。従って、縦方向にずらして配置されている各絞り流路221から噴射される水の速度をより一層顕著に変化させ、空気の取り込む量を増大させることが容易なものとなる。
【0093】
また本実施形態では、図4に示すように、一の段である上段に配置される絞り流路221と他の段である下段に配置される絞り流路221との位置がずれて千鳥配置されているので、一の段である上段に配置される一対の絞り流路221の間の下方に他の段である下段に配置される絞り流路221を配置することができる。従って、一の段である上段に配置される絞り流路221から噴射される水流と、他の段である下段に配置される絞り流路221から噴射される水流とが衝突しないように所定の距離を確保しやすくなる。結果として、縦方向にずらして配置されている各絞り流路221から噴射される水の速度をより一層顕著に変化させ、空気の取り込む量を増大させることが容易なものとしつつ、複数の絞り流路221から噴射される水流同士が衝突することを抑制し、気泡の肥大化を抑制できる。
【0094】
また本実施形態では、複数の絞り流路221を互いに等間隔となるように配置することで、複数の絞り流路221から噴射される水流同士の干渉を低減させ、気液界面BW3近傍における水の乱れを抑制し気泡の肥大化を抑制することができるものとしている。
【0095】
また本実施形態に係るシャワー装置では、図5に示すように、給水部21の通水路21aを構成する壁面の少なくとも下側における側壁21aa,21acを、通水路21a内に突出する変曲領域としての凸部21abが形成されるように屈曲させることで、上側に設けられた絞り流路221に供給される水の速度が、下側に設けられた絞り流路221に供給される水の速度よりも速くなるように供給されている。
【0096】
このように、給水部21の通水路21aを構成する壁面の少なくとも下側における側壁21aa,21acを、通水路21a内に突出してなる変曲領域としての凸部21abが形成されるように屈曲させているので、この屈曲した部分を水が通過することで見かけ上の流路が急に拡大し、流れの剥離が起こって速度差が生じる。従って、給水部21の通水路21aを屈曲させるという簡単な構成で、絞り部22に供給する水の上下方向における速度差を生じさせ、上側に設けられた絞り流路221に供給される水の速度が、下側に設けられた絞り流路221に供給される水の速度よりも速くなるように供給することができる。
【0097】
上述したように本実施形態に係るシャワー装置F1では、複数の絞り流路221は、複数の散水孔243が配された散水面としての側壁24cに沿った横方向に並設されると共に、複数の散水孔243が配された散水面としての側壁24cと直交する上下方向においてずれるように配置されており、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水は、横方向においては中央側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度と、側端側に設けられた絞り流路221から噴射される水の速度とが異なるように噴射され、上下方向においても異なる速度となるように噴射されるように構成されている。
【0098】
このように、複数の絞り流路221は、複数の散水孔243が配された散水面である側壁24cに沿った横方向に並設されると共に、複数の散水孔243が配された散水面である側壁24cと直交する上下方向においてずれるように配置されており、絞り流路221は横方向と上下方向において分散配置されることになる。従って、絞り流路221が横方向に広がって分散配置されることで、並設された横方向における各絞り流路221から噴射される水の速度を変化させることが容易になる。更に、絞り流路221が縦方向に広がって分散配置されることで、縦方向にずらして配置されている各絞り流路221から噴射される水の速度を変化させることを容易なものとすることができる。
【0099】
尚、本実施形態では、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとするための噴射速度変更手段として、複数の絞り流路221それぞれに供給される水の供給速度が少なくとも一部において異なるように絞り部22に水を供給する供給速度変更部を構成し、給水部21に配置している。具体的には、通水路21aを屈曲させたり拡幅したりすることで、供給速度変更部を構成している。しかしながら、複数の絞り流路221それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとするための噴射速度変更手段として考えれば、本実施形態で説明したような供給速度変更部に限られず、例えば、複数の絞り流路221を水が流れる際にその流速を変化させる流路流速変更部を、複数の絞り流路221に設けることも好ましいものである。この流路流速変更部としては、複数の絞り流路の長さを互いに異ならせたり、複数の絞り流路の断面積を互いに異ならせたり、といったものが適宜用いられる。
【0100】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0101】
F1:シャワー装置
2A,2B:本体
2a:上面
2b:下面
21:給水部
21a:通水路
21aa,21ac,21ad,21af,21ag,21ai,21aj,21am:側壁
21ab,21ah,21ak:凸部
21ae:凹部
22:絞り部
22a:仕切壁
221:絞り流路
23:空気混入部
23b:側壁
23c:側壁
23d:側壁
23ea:側壁
23eb:側壁
23fa:側壁
23fb:側壁
23g:段差部
231:開口
24:散水部
24a:側壁
24b:側壁
24c:側壁
24e:側壁
24f:側壁
242:散水突起
243:散水孔
BW:気泡混入水
BW3:気液界面
W1,W2,W1a,W1b,W1c:水流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を混入させた気泡混入水を吐出するシャワー装置であって、
水を供給するための給水部と、
前記給水部の下流側に設けられ、前記給水部よりも流路断面積を減少させ、通過する水を下流側に噴射するための絞り部と、
前記絞り部の下流側に設けられ、前記絞り部を通って噴射される水に空気を混入させて気泡混入水と成すための開口が形成されている空気混入部と、
前記空気混入部の下流側に設けられ、気泡混入水を吐出するための複数の散水孔が、前記絞り部から噴射される水の噴射方向に沿って形成されている散水部と、を備え、
前記絞り部は、並行に設けられた複数の絞り流路を有し、
この複数の絞り流路それぞれから噴射される水の噴射速度が少なくとも一部において異なるものとするための噴射速度変更手段を備えることを特徴とするシャワー装置。
【請求項2】
前記噴射速度変更手段は、前記複数の絞り流路それぞれに供給される水の供給速度が少なくとも一部において異なるように前記絞り部に水を供給する供給速度変更部を有しており、
前記供給速度変更部は、前記給水部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシャワー装置。
【請求項3】
前記複数の絞り流路それぞれから噴射された水が、前記空気混入部及び前記散水部に一時的に貯留される水と空気との気液界面に突入することで気泡混入水が生成されるものであって、前記気液界面は、前記開口よりも下流側であって前記散水孔よりも上流側に形成されることを特徴とする請求項2に記載のシャワー装置。
【請求項4】
前記複数の絞り流路の少なくとも一部は、前記複数の散水孔が配された散水面に沿った横方向に並設されており、
前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、中央側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度と、側端側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度とが異なるように噴射されることを特徴とする請求項2又は3に記載のシャワー装置。
【請求項5】
前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、中央側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度が、側端側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射されることを特徴とする請求項4に記載のシャワー装置。
【請求項6】
前記給水部の通水路径よりも、前記絞り部の前記絞り流路が並設されている横方向の長さが長くなるように構成することを特徴とする請求項5に記載のシャワー装置。
【請求項7】
前記複数の絞り流路の少なくとも一部は、前記複数の散水孔が配された散水面と直交する上下方向においてずれるように配置されており、
前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、前記上下方向において異なる速度となるように噴射されることを特徴とする請求項2又は3に記載のシャワー装置。
【請求項8】
前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、上側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度が、下側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度よりも速くなるように噴射されることを特徴とする請求項7に記載のシャワー装置。
【請求項9】
前記給水部の通水路を構成する壁面の少なくとも下側を、前記通水路内に突出する変曲領域が形成されるように屈曲させることで、上側に設けられた前記絞り流路に供給される水の速度が、下側に設けられた前記絞り流路に供給される水の速度よりも速くなるように供給されることを特徴とする請求項8に記載のシャワー装置。
【請求項10】
前記複数の絞り流路は、前記複数の散水孔が配された散水面に沿った横方向に並設されると共に、前記複数の散水孔が配された散水面と直交する上下方向においてずれるように配置されており、
前記複数の絞り流路それぞれから噴射される水は、前記横方向においては中央側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度と、側端側に設けられた前記絞り流路から噴射される水の速度とが異なるように噴射され、前記上下方向においても異なる速度となるように噴射されることを特徴とする請求項2又は3に記載のシャワー装置。
【請求項11】
前記複数の絞り流路は、前記上下方向において複数段に分けて配置されていることを特徴とする請求項10に記載のシャワー装置。
【請求項12】
前記複数の絞り流路は、一の段に配置される前記絞り流路と他の段に配置される前記絞り流路との位置がずれて千鳥配置されていることを特徴とする請求項11に記載のシャワー装置。
【請求項13】
前記複数の絞り流路は、互いに等間隔となるように配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−167355(P2011−167355A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33979(P2010−33979)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】