説明

シャンプー組成物

【課題】コンディショニング効果が持続するとともに、消費者に特に要求されるハリコシ感を付与することのできるシャンプー組成物を提供する。
【解決手段】第4級アンモニウム基を持つ少なくとも一のシリコーンとシリル化ウレタン系樹脂とが配合されてなり、pHが5〜9であることを特徴とするシャンプー組成物である。さらに、カチオン性ポリマーを配合することにより、美容特性が一層改善されたシャンプー組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャンプー組成物に関し、更に詳しくは、第4級シリコーンとシリル化ウレタン系樹脂とを含む、特に毛髪のコンディショニングの保持効果に優れるとともに、毛髪にハリコシ感をもたらすシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は、大気中の要因による作用、又は機械的もしくは化学的処理、例えば染色、脱色及び/又はパーマネントウエーブ処理の作用により、ダメージを受けたり、脆性化することが知られている。このような毛髪は、もつれをほぐしたりスタイリングすることが困難で、柔軟性に欠くこともよく知られている。毛髪のもつれをほぐれ易くし、毛髪に柔軟性及びしなやかさを付与するために、カチオン性ポリマー、カチオン性シリコーン又はカチオン性界面活性剤を使用することは、毛髪等のケラチン物質を洗浄又は手入れする組成物においては既に推奨されている。
しかしながら、これらの目的のためにカチオン性ポリマー等を使用することには様々な不具合がある。即ち、それらは毛髪に対し高い親和性を有するため、繰り返し使用するうちにかなりの量が毛髪に付着し、好ましくない影響、例えば長く垂れた感じや不快感があり、毛髪がごわつき、毛髪繊維同士が付着してスタイリングにも影響を及ぼすことが問題となっていた。
【0003】
これらの不具合を克服するために、例えば、特許文献1には、第4級アンモニウム基を持つ少なくとも一のシリコーンと少なくとも一の液状脂肪アルコールを配合したアフターシャンプーが提案されている(例えば、0004、0054、0056、および、0057〜0061に記載の実施例1〜5)。また、特許文献2には、シリル化ウレタン系樹脂をヘアシャンプーへ応用することが記載されている(例えば、0012、および、0085、0086に記載の化粧品、実施例5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−35556号公報
【特許文献2】特表2004−521957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、髪につややかさ、しなやかさを与えることを謳いつつも、それらの効果の持続性については何ら言及されていない。また、消費者に特に評価されるハリコシ感の付与については記載が無く、また、現にハリコシ感については十分とは云い難い。特許文献2においては、仕上がりに関する効果については、ハリコシ感も含めて何ら具体的記載が無く、現にハリコシ感については満足し得るものではない。加えて、記載されているシリル化ポリウレタン−ユリアは、加水分解性シリル基の反応性が強いため、水溶媒中での貯蔵性が十分とは言えず、化粧品として配合した際に加水分解シリル基が反応し、十分な効果は発揮されない可能性が高い。
以上のように、従来のシャンプー組成物は、コンディショニング効果の持続性や、特に消費者に特に要求されるハリコシ感において十分に満足できるものとは言いがたい。
【0006】
以上のように、シャンプーが毛髪等のケラチン繊維に適用されてからのコンディショニング効果の持続性及びハリコシ感に優れたシャンプー組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明の特徴は、コンディショニング効果が持続し、なおかつ、同時にハリコシ感が付与されるシャンプー組成物であって、第4級アンモニウム基を持つ少なくとも一のシリコーンとシリル化ウレタン系樹脂とが配合されてなり、pHが5〜9、好ましくは6〜8であることを特徴とするシャンプー組成物である。
【0008】
本発明の他の特徴は、第4級アンモニウム基を持つ前記シリコーンが、次の一般式(1)〜(4):
【0009】
【化1】

【0010】
[上式中:
― R1 は同一又は異なっており、直鎖状又は分枝状のC1 ‐C30アルキル基又はフェニル基を表し;
− R2 は同一又は異なっており、‐Cc 2c‐O‐(C2 4 O)a ‐(C3 6 O)b ‐R5 又は‐Cc 2c‐O‐(C4 8 O)a ‐R5 を表し;
ここでR5 は同一又は異なっており、次の式:
【0011】
【化2】

【0012】
の基から選択され、ここで:
− R8 基は独立して、直鎖状又は分枝状のC1-22アルキル又はC2-22アルケニル基で一又は複数のOH基を担持していてもよいものを表すか、又はCh 2h1 COR9 基を表し;
− R6 、R7 及びR9 は同一又は異なっており、一又は複数のOH基を担持していてもよい直鎖状又は分枝状のC1-22アルキル又はC2-22アルケニル基を表すか、又はR7 はR8 の一部と共に、複素環(N、O、P等の少なくとも一のヘテロ原子を有する環)を形成してよく、該複素環は特にイミダゾリンであり、
− mは0〜20の間で変化し;
− nは0〜500の間で変化し;
− pは1〜50の間で変化し;
− qは0〜20の間で変化し;
− rは1〜20の間で変化し;
− aは0〜50の間で変化し;
− bは0〜50の間で変化し;
− cは0〜4の間で変化し;
− fは0〜4の間で変化し;
− gは0〜2の間で変化し、好ましくは1に等しく;
− hは1〜4の間で変化し、好ましくは3に等しく;
− Z1 は酸素原子又はNHを表し;
− X1 −は、カルボキシラート、スルファート、ハロゲン化物等の一価の無機又は有機アニオンを表す]
の一つに相当するシリコーンから選択されるシャンプー組成物である。
【0013】
本発明の他の特徴は、前記シリコーンが式(3)のものであるシャンプー組成物である。
【0014】
本発明の他の特徴は、前記シリコーンが、次の条件:
− cが2又は3に等しく;
− R1 がメチル基を示し;
− a及びbが0に等しく;
− nが0〜100の間で変化し;
− qが0に等しく;
− f=3;
− g=1;
− R6 及びR7 がメチル基を示し;
− R8 が‐(CH2 )‐NHCOR9 基を示す;
の少なくとも一つを満たす一般式(3)に相当するものであるシャンプー組成物である。
【0015】
本発明の他の特徴は、前記シリコーンがクオタニウム−80である。
【0016】
本発明の他の特徴は、第4級アンモニウム基を持つシリコーンが、水溶液又は水分散液又は水懸濁液の形態で提供される化粧品組成物である。
【0017】
本発明の他の特徴は、0.001〜10質量%の量、好ましくは0.01〜5質量%の量の活性物質として、第4級アンモニウム基を持つシリコーンを含有するシャンプー組成物である。
【0018】
本発明の他の特徴は、特定構造のシリル化ウレタン系樹脂を配合することにより、コンディショニング効果の持続とハリコシ感の付与とが両立することである。
【0019】
本発明の他の特徴は、下記一般式(5)で示されるシリル化ウレタン系樹脂を含むものである。
【0020】
【化3】

【0021】
(但し、A1 はウレタンポリマーの骨格に当たる残基、Nは該ウレタンポリマーのイソシアネート基に由来する窒素原子であり、B1 は下記一般式(6)〜(8)のいずれかで示される基であり、ξは1〜20である。)
【0022】
【化4】

【0023】
(但し、R10は炭素数1〜6個のアルキル基、R11は水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基、R12及びR14は炭素数1〜10個の側鎖があっても良いアルキレン基又はアリーレン基、R13は炭素数1〜20個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基、R15は水素原子又は式−COOR16で示される基であり、R16は炭素数1〜20個のアルキル基である。s は1〜3の整数である。)
【0024】
本発明の他の特徴は、上記一般式(5)で示されるシリル化ウレタン系樹脂が、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を含むものである。
【0025】
本発明の他の特徴は、上記一般式(6)〜(8)におけるRが、エチル基であることを特徴とするものである。
【0026】
本発明の他の特徴は、上記一般式(5)で示されるシリル化ウレタン系樹脂の配合量が、0.005〜10質量%であるものである。
【0027】
本発明の他の特徴は、上記一般式(5)で示されるシリル化ウレタン系樹脂中、X部分のケイ素原子の割合が、0.1〜1.5質量%である。
【0028】
本発明の他の特徴は、前記シリル化ウレタン系樹脂がポリウレタン−24である。
【0029】
本発明の他の特徴は、少なくとも一のカチオン性ポリマーをさらに含有している。
【0030】
本発明の他の特徴は、互いに異なる少なくとも2つのカチオン性ポリマーを含有している。
【0031】
本発明の他の特徴は、カチオン性ポリマーが、ポリマー主鎖の一部を形成可能であるか、又はそこに直接結合される側方置換基により担持され得る、第1級、第2級、第3級及び/又は第4級アミン基を有する単位を含むものから選択される。
【0032】
本発明の他の特徴は、前記カチオン性ポリマーが:
(1)次の式(9)〜(12):
【0033】
【化5】

【0034】
[上式中:
19は同一又は異なっており、水素原子又はCH3 基を示し;
2 は同一又は異なっており、直鎖状又は分枝状で、1〜6の炭素原子のアルキル基、又は1〜4の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基を表し;
20、R21及びR22は同一又は異なっており、1〜18の炭素原子のアルキル基又はベンジル基を表し;
17及びR18は同一又は異なっており、水素又は1〜6の炭素原子を有するアルキル基を表し;
2 - が無機又は有機酸から誘導されたアニオンを示す]
の単位の少なくとも一つを有する、アクリル酸又はメタクリル酸エステル又はアミドから誘導されたホモポリマー又はコポリマー;
(2)カチオン性多糖類;
(3)酸素、硫黄又は窒素原子、もしくは芳香環又は複素環が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状鎖を有する二価のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基とピペラジニル単位からなるポリマー、並びにこれらのポリマーの酸化及び/又は第4級化生成物;
(4)酸化合物とポリアミンとの重縮合により特に調製された水溶性ポリアミノアミド類で、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和の二無水物、二不飽和誘導体、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、アルキルビスハライド、もしくはビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、アルキルビスハライド、エピハロヒドリン、ジエポキシド又は二不飽和誘導体と反応性である二官能性化合物の反応の結果生じたオリゴマーで架橋されていてもよいもので;
ここで架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基当たり0.025〜0.35モルの範囲の割合で使用され;
アルキル化されるか、あるいはそれらが一又は複数の第3級アミン官能基を含む場合には第4級化されてもよいポリアミノアミド類;
(5)ポリカルボン酸とポリアルキレンポリアミン類を縮合させ、続いて二官能性剤でアルキル化して得られるポリアミノアミド類;
(6)3〜8の炭素原子を有する、飽和した脂肪族のジカルボン酸、及びジグリコール酸から選択されるジカルボン酸と、少なくとも一の第2級アミン基と、2つの第1級アミン基を有するポリアルキレンポリアミンとを反応させて得られるポリマー;
(7)ジアルキルジアリルアンモニウム又はアルキルジアリルアミンのシクロポリマー;
(8)次の式(13):
【0035】
【化6】

【0036】
{上式中:
23、R24、R25及びR26は同一又は異なっており、1〜20の炭素原子を有する脂肪族、脂環式又はアリール脂肪族基、もしくは低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を示すか、又はR23、R24、R25及びR26は、共同して又は別々に、それらが結合する窒素原子とともに、窒素以外の第2のヘテロ原子を含有していてもよい複素環を形成するか、又はR23、R24、R25及びR26は、R27がアルキレンで、D1 が第4級アンモニウム基である、‐CO‐NH‐R27‐D1 又は‐CO‐O‐R27‐D1 基、又はニトリル、エステル、アシル、アミドで置換された直鎖状又は分枝状のC1 ‐C6 アルキル基を示し;
3 及びB2 は、スルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第4級アンモニウム、ウレイド、アミド又はエステル基、又は一又は複数の酸素又は硫黄原子、又は一又は複数の芳香環が主鎖に挿入、又は連結して含有されていてもよく、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和であってよい、2〜20の炭素原子を有するポリメチレン基を表し;
3 - は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンを示し;
3 、R23及びR25は、それらが結合する2つの窒素原子とともにピペラジン環を形成可能で;
4 が飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基を示す場合は、B2 がまた‐(CH2 n ‐CO‐D1 ‐OC‐(CH2 n - 基を示してよく、
ここでD1 は:
a)式:‐O‐Z2 ‐O‐のグリコール残基
[上式中、Z2 は、直鎖状又は分枝状の炭化水素基、又は次の式:
‐(CH2 ‐CH2 ‐O)x ‐CH2 ‐CH2
‐[CH2 ‐CH(CH3 )‐O]y ‐CH2 ‐CH(CH3 )‐
(上式中、x及びyは、定まった一つの重合度を表す1〜4の整数を示すか、あるいは、平均重合度を表す1〜4の任意の数を示す)
の一つに相当する基を示す];
b)ピペラジン誘導体等の二第2級ジアミン残基;
c)式:‐NH‐Y1 ‐NH‐の二第1級ジアミン残基
[上式中、Y1 は、次の式:
‐CH2 ‐CH2 ‐S‐S‐CH2 ‐CH2
で示される二価の基、又は直鎖状又は分枝状の炭化水素基を示す];
d)式:‐NH‐CO‐NH‐のウレイレン基;
を示し、
好ましくは、X3 - が一価の無機又は有機のアニオンである}
に相当する繰り返し単位を含有する第4級ジアンモニウムポリマー;
(9)次の式(14):
【0037】
【化7】

【0038】
[上式中:
28、R29、R30及びR31は同一又は異なっており、水素原子、又はメチル、エチル、プロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル又は‐CH2 CH2 (OCH2 CH2 w OH基を表し、
wは0に等しいか、又は1〜6の整数であり、但し、R28、R29、R30及びR31は同時には水素原子を示さず、
t及びvは同一又は異なっており、1〜6の整数であり、
uは0、又は1〜34の整数であり、
4 はハロゲン原子を示し、
4 はジハライドの基を示すか、あるいは好ましくは‐CH2 ‐CH2 ‐O‐CH2 ‐CH2 ‐を示す]
の単位からなるポリ第4級アンモニウムポリマー;
(10)第4級ビニルピロリドン及びビニルイミダゾールポリマー;
(11)「ポリエチレングリコール(15)獣脂ポリアミン」等のポリアミン類;
(12)メタクリロイルオキシ(C1 ‐C4 アルキル)トリ(C1 ‐C4 アルキル)アンモニウム塩の架橋ポリマー;
(13)キチン誘導体、ポリ第4級ウレイレン類、ポリアミン類とエピクロロヒドリンの縮合物、ビニルピリジン又はビニルピリジニウム単位を有するポリマー、ポリエチレンイミン類等のポリアルキレンイミン類;
から選択されるものである。
【0039】
本発明の他の特徴は、前記カチオン性ポリマーが、カチオン性シクロポリマー類、カチオン性多糖類、ビニルイミダゾールとビニルピロリドンの第4級ポリマー、及びそれらの混合物から選択されるものである。
【0040】
本発明の他の特徴は、前記シクロポリマーが、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマー、及びアクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマーから選択されるものである。
【0041】
本発明の他の特徴は、前記カチオン性多糖類が、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩で変性したデンプン、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩で変性したグアーガム、及びトリメチルアンモニウム基で置換したエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースから選択される。
【0042】
本発明の他の特徴は、ビニルイミダゾールとビニルピロリドンの前記第4級ポリマーが、ビニルピロリドンとメチルビニルイミダゾリウム塩のコポリマーから選択される。
【0043】
本発明の他の特徴は、少なくとも一のカチオン性多糖類と少なくとも一のジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマー、及びアクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマーとを含有するものである。
【0044】
本発明の他の特徴は、それぞれのカチオン性ポリマーが、組成物の全質量に対して0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%の範囲の濃度で存在する。
【0045】
本発明の他の特徴は、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤から選択される少なくとも一の界面活性剤を含有しているものである。
【0046】
本発明の他の特徴は、少なくとも一の付加的なコンディショナーをさらに含有している。
【0047】
本発明の他の特徴は、コンディショナーが、シリコーン類、少なくとも12の炭素原子を有するカルボン酸エステル、植物性油、鉱物性油、合成油、及びそれらの混合物から選択される。
【0048】
本発明の他の特徴は、化粧品的に許容可能な媒体が、水、又は水と化粧品的に許容可能な溶媒との混合物からなる。
【0049】
本発明の他の特徴は、化粧品的に許容可能な溶媒が、C1 ‐C4 低級アルコール、アルキレングリコール、ポリオールエーテル、C5 ‐C10アルカン類、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸C1 ‐C4 アルキル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、及びそれらの混合物から選択される。
【0050】
本発明の他の特徴は、アニオン性、非イオン性又は両性ポリマー、酸又は電解質等の非ポリマー増粘剤、粉末成分、油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、保湿剤、天然水溶性高分子、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、多価アルコール、糖類、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、ビタミン類、プロビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、電解質、乳白剤、真珠光沢剤、天然または合成セラミド類等の添加剤をさらに含有している。
【0051】
本発明の他の特徴は、シャンプー、アフターシャンプー、毛髪のパーマネントウエーブ、ストレート化、染色又は脱色用の組成物、パーマネントウエーブ又は毛髪ストレート化の2つの工程の間に適用されてすすがれる組成物の形態で提供される。
【0052】
本発明の他の特徴は、ケラチン繊維を洗浄又はトリートメントするためのものである。
【0053】
本発明の他の特徴は、毛髪をつややかにするためのものである。
【0054】
本発明の他の特徴は、毛髪をしなやかにするためのものである。
【0055】
本発明の他の特徴は、該シャンプー組成物を有効量ケラチン繊維に適用し、ついで場合によってはすすぐことからなる、毛髪等のケラチン繊維のトリートメント方法である。
【発明の効果】
【0056】
本発明によれば、第4級アンモニウム基を持つ少なくとも一のシリコーンと特定構造のシリル化ウレタン系樹脂とを配合することにより、コンディショニング効果が持続し、なおかつ、同時にハリコシ感を付与することに優れたシャンプー組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明のシャンプー組成物は、ケラチン繊維に持続性のあるコンディショニング効果をもたらし、かつ、同時にハリコシ感を付与するシャンプー組成物であって、第4級アンモニウム基を持つ少なくとも一のシリコーンと特定構造のシリル化ウレタン系樹脂とが配合されてなり、pHが5〜9、好ましくは6〜8であることを特徴とするものである。
本発明において、ケラチン繊維とは、毛髪、羊毛等のケラチンを主成分とする繊維が含まれ、前記毛髪には頭髪の他、毛髪からなるウイグ等も含まれる。
【0058】
本発明のシャンプー組成物における第4級アンモニウム基を持つシリコーンとは、一又は複数の第4級アンモニウム基を有する任意のシリコーンを意味するものである。これらの第4級アンモニウム基は、アルファ又はオメガ位に結合しているか、もしくは側方基の形態で結合していてもよい。それらはポリシロキサン骨格に直接結合してもよいし、又は炭化水素鎖により担持されていてもよい。
本発明においては、一般的に許容されているところに従って、シリコーンとは、シロキサン結合(‐Si‐O‐Si‐)と称される結合により、ケイ素と酸素原子とが互いに交互に結合したものをベースにした構造を有し、さらにケイ素−炭素結合の存在により特徴付けられる任意のポリマーを意味すると理解される。これらのシリコーン類又はポリシロキサン類は、一般的に適切に官能化されたシラン類の重縮合により得られる。ケイ素原子により最も一般的に担持される炭化水素基は、低級アルキル、特にメチル基、フルオロアルキル基、アリール、特にフェニル基である。
【0059】
本発明の第4級アンモニウム基を持つシリコーン類は、例えば次の一般式(1)〜(4):
【0060】
【化8】

【0061】
[上式中:
− R1 は同一又は異なっており、直鎖状又は分枝状のC1 ‐C30アルキル基又はフェニル基を表し;
− R2 は同一又は異なっており、‐Cc 2c‐O‐(C2 4 O)a ‐(C3 6 O)b ‐R5 又は‐Cc 2c‐O‐(C4 8 O)a ‐R5 を表し;
ここでR5 は同一又は異なっており、次の式:
【0062】
【化9】

【0063】
の基から選択され、ここで:
− R8 基は独立して、直鎖状又は分枝状のC1-22アルキル又はC2-22アルケニル基で一又は複数のOH基を担持していてもよいものを表すか、又はCh 2h1 COR9 基を表し;
− R6 、R7 及びR9 は同一又は異なっており、一又は複数のOH基を担持していてもよい直鎖状又は分枝状のC1-22アルキル又はC2-22アルケニル基を表すか、又はR7 はR8 の一部と共に複素環(例えばN、O、P等の少なくとも一のヘテロ原子を有する環)を形成してよく、該複素環は特にイミダゾリンであり、好ましくはR6 及びR7 はC1 ‐C6 アルキル基、特にメチル基を示し、R9 は、好ましくはC8 ‐C18アルキル類及びC8 ‐C18アルケニル類から選択される基、特にココイル基を示し;
− mは0〜20の間で変化し;
− nは0〜500の間で変化し;
− pは1〜50の間で変化し;
− qは0〜20の間で変化し;
− rは1〜20の間で変化し;
− aは0〜50の間で変化し;
− bは0〜50の間で変化し;
− cは0〜4の間で変化し;
− fは0〜4の間で変化し;
− gは0〜2の間で変化し、好ましくは1に等しく;
− hは1〜4の間で変化し、好ましくは3に等しく;
− Z1 は酸素原子又はNHを表し;
− X1 −は、カルボキシラート(例えばアセタート、ラクタート、シトラート)、スルファート、ハロゲン化物(塩化物、臭化物)等の一価の無機又は有機アニオンを表す]
に相当する化合物から選択される。
【0064】
好ましくは上述した一般式(3)に相当する第4級アンモニウム含有シリコーン、特に次の条件:
− cが2又は3に等しく;
− R1がメチル基を示し;
− a及びbが0に等しく;
− nが0〜100の間で変化し;
− qが0に等しく;
− f=3;
− g=1;
− R6 及びR7 がメチル基を示し;
− R8 が‐(CH2 )‐NHCOR9 基を示す;
の少なくとも1つ、より好ましくは全てを満たす一般式(3)に相当するものが使用される。
【0065】
このようなシリコーン類は、クオタニウム−80として、例えばゴールドシュミット社(GOLDSCHMIDT)から、アビル・クワット(ABIL QUAT)3272、アビルB9905、アビル・クワット3474及びアビルK3270の名称で、リポ・フランス社(LIPO FRANCE)からシルクワット(SILQUAT)Q−100、シルクワットQ−200WS、シルクワットAX、シルクワットAC、シルクワットAD及びシルクワットAM(全てシルテック社(SILTECH)製造)の名称で、OSI社からマグナソフト・イグゾースト(MAGNASOFT EXHAUST)及びシルソフト(SILSOFT)C−880の名称で、及びUCIB社からペコシル(PECOSIL)14−PQ及びペコシル36−PQ(フェニックス・ケミカル社(PHOENIX CHEMICAL)製造)の名称で販売されている。
これらのシリコーン類は、特に欧州特許第530974号、独国特許第3719086号、独国特許第3705121号、欧州特許第617607号及び欧州特許第714654号に記載されている。
【0066】
本発明で使用される第4級アンモニウム基を持つシリコーン類は、水溶液の形態、又は場合によっては水中への分散形態又はエマルション形態で提供され得る。
【0067】
本発明のシャンプー組成物において、第4級アンモニウム基を持つシリコーン(類)は、0.001〜10質量%の量、好ましくは0.01〜5質量%の量の活性物質として存在する。0.001質量%未満ではコンディショニング効果が得られず、10質量%を超えるとコンディショニング効果が頭打ちになるので不経済である。
【0068】
本発明のシャンプー組成物は、シリル化ウレタン系樹脂をさらに含有する。好ましいシリル化ウレタン系樹脂は下記一般式(5)で示される。
【0069】
【化10】

【0070】
(但し、A2 はウレタンポリマーの骨格に当たる残基、Nは該ウレタンポリマーのイソシアネート基に由来する窒素原子であり、B1 は下記一般式(6)〜(8)のいずれかで示される基であり、ξは1〜20である。)
【0071】
【化11】

【0072】
(但し、R10は炭素数1〜6個のアルキル基、R11は水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基、R12及びR14は炭素数1〜10個の側鎖があっても良いアルキレン基又はアリーレン基、R13は炭素数1〜20個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基、R15は水素原子又は式−COOR16で示される基であり、R6 は炭素数1〜20個のアルキル基である。s は1〜3の整数である。)
【0073】
特に、上記一般式(5)で示されるシリル化ウレタン系樹脂は、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を含むことが好ましく、さらには、上記一般式(6)〜(8)におけるRがエチル基であることが好ましい。
また、R11はメチル基であることが好ましく、R13は炭素数8〜20個のアルキル基であることが好ましく、R15は水素原子であることが好ましい。
【0074】
また、本発明において、上記一般式(5)で示されるシリル化ウレタン系樹脂中、X部分のケイ素原子割合は0.1〜1.5質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、自然な仕上がりが得られないことがあり、1.5質量%を超えると、硬くごわついた仕上がりとなることがある。
【0075】
本発明にかかるシリル化ウレタン系樹脂は、その製造方法を限定するものではないが、好ましい製造方法は、例えば以下の通りである。
先ず、分子内及び/又は分子末端に水酸基を1個以上有するポリオール化合物(化合物(a))と、カルボキシルを含有するポリオール化合物(化合物(b))と、ポリイソシアネート(化合物(c))とのウレタン化反応により得られるウレタンプレポリマーと、下記一般式(15)〜(17)のいずれかで示される化合物とを反応させ、シリル化ウレタン系樹脂を得る。
下記一般式(15)〜(17)で示される化合物は、1種に限らず、2種以上用いても良い。
【0076】
【化12】

【0077】
(但し、R10、R11〜R15及びs は、前述のとおりである。)
【0078】
上記化合物(a)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が例示される。
ポリエーテルポリオールとしては、数平均分子量500〜30,000のものが好ましく、1,000〜10,000のものが特に好ましい。また、官能基数が2以上のポリエーテルポリオールが好ましく、その具体例としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシヘキシレン、ポリオキシテトラメチレン等の単独重合体並びにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド及びテトラヒドロフランよりなる群から選ばれた2種以上のモノエポキシドを開環共重合させてなる共重合体が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸等のジカルボン酸類の一種又は二種以上と、ジオール類の一種又は二種以上とを重縮合して得られる重合体、ε−カプロラクタム、バレロラクトン等を開環重合させてなる開環重合物、活性水素を2個以上有するひまし油等の活性水素化合物が例示される。通常、分子量500〜25,000のものが用いられる。
【0079】
化合物(b)としては、下記式(18)で表されるポリヒドロキシカルボン酸が望ましい。
【0080】
【化13】

【0081】
(但し、Lは炭素数1〜12個のアルキル基を、i及びjは1〜3の整数を示す。)
ポリヒドロキシカルボン酸としては、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等の2,2−ジメチロールアルカン酸が挙げられる。これらの中でも、特に2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が好適である。また、カルボキシル基を含有する低級ポリオール化合物は、1種に限らず2種以上用いることができる。
【0082】
また、本発明においては、化合物(b)以外に、カチオン性基を含有するポリオール(化合物(b−2))等を使用することもできる。
化合物(b−2)としては、分子内に少なくとも1つの第3級アミノ基を含有するポリオール化合物があげられる。例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、等のN、N−ビス(ヒドロキシ−有機基)―N−アルキルアミン、並びに、N−フェニルジエタノールアミン等のN、N−ビス(ヒドロキシ−有機基)―N−アリールアミン等が挙げられる。
化合物(b)及び化合物(b−2)は、化合物(b)単独で用いても良く、もしくは化合物(b)と化合物(b−2)を併用することもできる。
【0083】
化合物(c)としては、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネート化合物としては、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H−MDI)イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等が挙げられる。
芳香脂肪族ジイソシアネート化合物としては、1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート又はそれらの混合物(XDI)が挙げられる。
芳香族ジイソシアネート化合物としては4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)又はそれらの混合物が挙げられ、その他フェニルジイソチオシアネート等が挙げられる。
これら、化合物(c)を単独で用いても良く、もしくは併用することもできる。
上記の中でも、特にイソホロンジイソシアネートが好ましい。又、脂肪族ジイソシアネート化合物を用いると、変色の少ない樹脂を得ることができる。
【0084】
前述の通り、本発明にかかるシリル化ウレタン系樹脂の製造方法は特に限定されず、ウレタンプレポリマーを合成する際の上記化合物(a)と上記化合物(b)と上記化合物(c)との反応も、常法により行うことができる。
上記ウレタンプレポリマー中のカルボキシル基含有量は、0.2〜3.0質量%であることが好ましい。0.2質量%未満であると、水を配合した場合に均一な分散状態にはなり難く、樹脂が分離状態になり、3.0質量%を超えると、高粘度となり安定性が悪化する。
【0085】
また、上記ウレタンプレポリマーと上記一般式(15)〜(17)で示される化合物との反応は、一般に50〜100℃で30分間〜3時間行えばよい。
【0086】
本発明では、上記シリル化ウレタン系樹脂の分散液として毛髪化粧料に配合することが一般的である。シリル化ウレタン系樹脂の分散液は、例えば、シリル化ウレタン系樹脂を塩基性物質で中和し、予めアミン系鎖延長剤を溶解した水分散液を添加して水中に分散させて製造される。また、上記シリル化ウレタン系樹脂に、アミン系鎖延長剤、塩基性物質及び水を配合し、激しく撹拌する等して強固に接触させることにより製造される。
さらに、前記ウレタンプレポリマーと上記一般式(15)〜(17)で示される化合物とを反応させる際に、下記塩基性物質を存在させて反応させ、次いで水を配合して調製しても良い。
【0087】
塩基性物質としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ2−ブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリペンタノールアミン、トリイソペンタノールアミン、トリヘキサノールアミン等のアミン化合物等が挙げられる。これら塩基性物質は、1種に限らず、2種以上用いることができる。
塩基性物質は、シリル化ウレタン系樹脂中のカルボキシル基の化学当量に対して50〜100モル%、好ましくは80〜100モル%配合される。
【0088】
アミン系鎖延長剤としては、エチレンジアミン、1,3−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4´−メチレンビス(3−メチルーシクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、1,3−キシリレンジアミン等の脂肪族、脂環式及び芳香脂肪族ポリアミンや、ヒドラジン、カルボジヒドラジド等のヒドラジン及びその誘導体を用いることができる。これらアミン系鎖延長剤は、1種に限らず、2種以上用いることができる。
また、水の配合量は、該シリル化ウレタン系樹脂100重量部当たり、100〜400重量部、好ましくは150〜350重量部である。
【0089】
さらに、シリル化ウレタン系樹脂は、その水溶液又は分散液の粘度を調整するために、炭素数1〜10個のモノアルコール及び多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上のアルコール類を配合することができる。上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンが特に好ましい。上記アルコール類の配合量は、該ウレタン系樹脂100重量部当たり、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。又、上記アルコール類を配合することにより、上記水溶液又は分散液中での貯蔵安定性が向上するという効果を示す。
【0090】
さらに、本発明においては、該樹脂中の第3級アミン基の化学当量に対して50〜100モル%の酸性物質を配合してもよい。酸性物質としては、塩酸、硝酸、メタンスルホン酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
【0091】
本発明において、シリル化ウレタン系樹脂の配合量は、実分でシャンプー組成物全量中0.005〜10質量%であることが好ましく、特に0.01〜5質量%であることが好ましい。0.005質量%未満であると、ハリコシが感じられず、10質量%を超えると、ごわごわした仕上がりとなり、フレーキングが顕著に起こる。
【0092】
また、本発明においては、特定構造のシリル化ウレタン系樹脂を配合することで、従来の皮膜形成ポリマー等を使用するシャンプー組成物よりも、ハリコシ、感触等が優れたシャンプー組成物を得ることができるが、本発明の効果を損なわない範囲において、従来の皮膜形成ポリマーと組み合わせて使用することも可能である。
【0093】
本発明のシリル化ウレタン系樹脂は、上記一般式(6)〜(8)においてR13で表される部分による立体障害により、あるいはシラノール基の安定化により水溶媒中では反応せず、安定に存在する。そして毛髪への塗布後、溶媒が揮発することにより、エマルジョンの融着と同時に、シリル化ウレタン系樹脂の濃度が上昇し、反応性シリル基の反応により架橋が進行する。
【0094】
好ましい実施態様において、本発明のシャンプー組成物は、少なくとも一のカチオン性ポリマー、好ましくは互いに異なる少なくとも2種のカチオン性ポリマーを含有する。
【0095】
本発明で使用可能なカチオン性ポリマーは、美容特性を改善するために、既にそれ自体公知のもの全て、すなわち特に、欧州特許出願公開第0337354号、及び仏国特許出願公開第2270846号、同2383660号、同2598611号、同2470596号及び同2519863号に記載されているものから選択される。
好ましいカチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖の一部を形成可能であるか、又はそこに直接結合される側方置換基により担持され得る、第1級、第2級、第3級及び/又は第4級アミン基を有する単位を含むものから選択されうる。
一般的に使用されるカチオン性ポリマーは、約500〜5×106 、好ましくは約103 〜3×106 の数平均分子量を有する。
【0096】
カチオン性ポリマーとしては、ポリアミン、ポリアミノアミド及びポリ第4級アンモニウム型のポリマーを特に挙げることができる。これらは公知の生成物である。
本発明で使用可能な、ポリアミン、ポリアミノアミド及びポリ第4級アンモニウム型のポリマーとしては、特に、仏国特許第2505348号又は同2542997号に記載されているものを挙げることができる。これらのポリマーの中でも、次のものを挙げることができる:
(1)次の式(9)〜(12):
【0097】
【化14】

【0098】
[上式中:
17及びR18は同一又は異なっており、水素又は1〜6の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル又はエチルを表し;
19は同一又は異なっており、水素原子又はCH3 基を示し;
3 は同一又は異なっており、直鎖状又は分枝状で、1〜6の炭素原子、好ましくは2又は3の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜4の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基を表し;
20、R21及びR22は同一又は異なっており、1〜18の炭素原子を有するアルキル基又はベンジル基、好ましくは1〜6の炭素原子を有するアルキル基を表し;
2 - は無機又は有機酸から誘導されたアニオン、例えばメトスルファート又はエチルスルファートアニオン、又はハロゲン化物、例えば塩化物又は臭化物を示す]
の単位の少なくとも一つを有する、アクリル酸又はメタクリル酸エステル又はアミドから誘導されたホモポリマー又はコポリマー。
【0099】
ファミリー(1)のコポリマーは、さらに、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、窒素上に低級(C1 ‐C4 )アルキルが置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸又はメタクリル酸又はそのエステル、ビニルラクタム類、例えばビニルピロリドン又はビニルカプロラクタム、ビニルエステルのファミリーから選択されうるコモノマーから誘導される一又は複数の単位を含んでいてもよい。
しかして、ファミリー(1)のこれらのコポリマーとしては、次のもの:
− 硫酸ジメチル又はジメチルハライドで第4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとアクリルアミドのコポリマー、例えばハーキュレス社(HERCULES)からヘルコフロック(HERCOFLOC)の名称で販売されているコポリマー;
− チバ社(CIBA)からビナクアット(BINA QUAT)P100の名称で販売されており、例えば、欧州特許出願公開第080976号に記載されている、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドのコポリマー;
− ハーキュレス社からレテン(RETEN)の名称で販売されている、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルファートとアクリルアミドのコポリマー;
− 第4級化された又は第4級化されていないビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリラート又はメタクリラートのコポリマー、例えばISP社から「ガフクアット(GAFQUAT)」の名称で販売されている製品、例えば、「ガフクアット(登録商標)734」又は「ガフクアット(登録商標)755」、又は「コポリマー845、958及び937」と称される製品(これらのポリマーは、仏国特許第2077143号及び同2393573号に詳細が記載されている);
− ジメチルアミノエチルメタクリラート/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンのターポリマー、例えばISP社からガフィックス(GAFFIX)(登録商標)VC713の名称で販売されている製品;
− 特にISP社からスタイリーズ(STYLEZE)(登録商標)CC10の名称で販売されているビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンのコポリマー;
及び
− 第4級化されたビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのコポリマー、例えばISP社から「ガフクアット(登録商標)HS100」の名称で販売されている製品;
を挙げることができる。
【0100】
(2)カチオン性多糖類、特にカチオン性セルロース、デンプン及びガラクトマンナンガム。カチオン性多糖類としては、特に、第4級アンモニウム基を有するセルロースエーテル、カチオン性セルロースコポリマー又は水溶性の第4級アンモニウムモノマーがグラフトしたセルロース及びカチオン性ガラクトマンナンガムを挙げることができる。
第4級アンモニウム基を有するセルロースエーテルは、仏国特許第1492597号に記載されており、ポリクオタニウム−10として、特にアメルコール社(AMERCHOL)から「JR」(JR400、JR125、JR30M)又は「LR」(LR400、LR30M)の名称で販売されているポリマーである。またこれらのポリマーは、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロース第4級アンモニウムとして、CTFA辞典に定義されている。
【0101】
カチオン性セルロースコポリマー又は水溶性の第4級アンモニウムモノマーがグラフトしたセルロースは、特に米国特許第4131576号に記載されており、例えばメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム又はジメチルジアリルアンモニウムの塩が特にグラフトした、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピルセルロースのようなヒドロキシアルキルセルロースである。
この定義に相当する市販品は、特に、ナショナル・スターチ社(NATIONAL STARCH)から「セルクアット(CELQUAT)(登録商標)H100」及び「セルクアット(登録商標)L200」の名称で販売されている製品である。
【0102】
カチオン性ガラクトマンナンガムは、特に米国特許第3589578号及び同4031307号に記載されており、特にカチオン性トリアルキルアンモニウム基を有するグアーガムである。例えば、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)で変性したグアーガムが使用される。
このような製品は、特にローディア・シミー社(RHODIA CHIMIE)から、ジャガー(登録商標)(JAGUAR)C13S、ジャガー(登録商標)C15、ジャガー(登録商標)C17又はジャガー(登録商標)C162の商品名で販売されている。
また、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)で変性したデンプン、例えばINCI命名法に従えばスターチ−ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(starch hydroxypropyltrimonium chloride)と称され、オンデオ社(ONDEO)からセンソマー(SENSOMER)Ci−50の名称で市販されている製品が使用される。
【0103】
(3)酸素、硫黄又は窒素原子、もしくは芳香環又は複素環が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状鎖を有する二価のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基とピペラジニル単位からなるポリマー、並びにこれらのポリマーの酸化及び/又は第4級化生成物。このようなポリマーは、特に、仏国特許第2162025号及び同2280361号に記載されている。
【0104】
(4)特に、酸性化合物とポリアミンとの重縮合により調製された水溶性のポリアミノアミド類;
これらのポリアミノアミド類は、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和の二無水物、二不飽和誘導体、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、アルキルビスハライド、もしくはビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、アルキルビスハライド、エピハロヒドリン、ジエポキシド又は二不飽和誘導体と反応性である二官能性化合物の反応の結果生じたオリゴマーで架橋可能で;
架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基当たり0.025〜0.35モルの範囲の割合で使用され;
これらのポリアミノアミド類はアルキル化されるか、それらが一又は複数の第3級アミン官能基を含む場合には第4級化されてもよい。
このようなポリマーは、特に仏国特許第2252840号及び同2368508号に記載されている。
【0105】
(5)ポリカルボン酸とポリアルキレンポリアミン類を縮合させ、続いて二官能性剤でアルキル化して得られるポリアミノアミド類。例えば、アルキル基が1〜4の炭素原子を有し、好ましくはメチル、エチル又はプロピルを示す、アジピン酸−ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレントリアミンのポリマーを挙げることができる。このようなポリマーは、特に仏国特許第1583363号に記載されている。
これらの誘導体として、特にサンド社(SANDOZ)から「カルタレチン(CARTARETINE)(登録商標)F、F4又はF8」の名称で販売されている、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンのポリマーを挙げることができる。
【0106】
(6)3〜8の炭素原子を有する、飽和した脂肪族のジカルボン酸、及びジグリコール酸から選択されるジカルボン酸と、少なくとも一の第2級アミン基と、2つの第1級アミン基を有するポリアルキレンポリアミンとを反応させて得られるポリマー。
ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸のモル比は、0.8:1〜1.4:1であり;
そこで得られたポリアミノアミドは、ポリアミノアミドの第2級アミンに対して、0.5:1〜1.8:1のモル比のエピクロロヒドリンと反応させる。
このようなポリマーは、特に、米国特許第3227615号及び同2961347号に記載されている。
この種のポリマーは、特に、アジピン酸/エポキシプロピル/ジエチレントリアミンのコポリマーの場合は、ハーキュレス社から「デルセット(DELSETTE)(登録商標)101」又は「PD170」の名称で、もしくはハーキュレス・インクから「ヘルコセット(HERCOSETT)(登録商標)57」の名称で販売されている。
【0107】
(7)ジアルキルジアリルアンモニウム又はアルキルジアリルアミンのシクロポリマー、例えば、次の式(19)又は(20):
【0108】
【化15】

【0109】
[上式中:
k及びlは0又は1であり、k+lの合計は1であり;
34は、水素原子又はメチル基を示し;
32及びR33は互いに独立して、1〜8の炭素原子を有するアルキル基、アルキル基が好ましくは1〜5の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、又は低級(C1 ‐C4 )アミドアルキル基を示すか、又はR32とR33は、それらが結合している窒素原子と共同して、複素環基、例えばピペリジニル又はモルホリニルを示し得るもので;
5 - は、アニオン、例えば臭化物、塩化物、アセタート、ボラート、シトラート、タートラート、ビスルファート、二亜硫酸塩、スルファート又はホスファートである]
に相当する単位を鎖の主な構成要素として含有するホモポリマー又はコポリマー。
これらのポリマーは、特に仏国特許第2080759号及び追加特許証第2190406号に記載されている。
32及びR33は互いに独立して、好ましくは1〜4の炭素原子を有するアルキル基を示す。
上述したポリマーとしては、特にナルコ社(NALCO)から「メルクアット(MERQUAT)(登録商標)100」の名称で販売されているジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(及びその低重量平均分子量の相同体)、及び、例えぱポリクオタニウム−7、特に、「メルクアット(登録商標)550」の名称で販売されているジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドのコポリマーを挙げることができる。
【0110】
(8)次の式(13):
【0111】
【化16】

【0112】
{上式中、
23、R24、R25及びR26は同一又は異なっており、1〜20の炭素原子を有する脂肪族、脂環式又はアリール脂肪族基、もしくは低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を示すか、又はR23、R24、R25及びR26は、共同して又は別々に、それらが結合する窒素原子とともに、窒素以外の第2のヘテロ原子を含有していてもよい複素環を形成するか、又はR23、R24、R25及びR26は、R27がアルキレンで、D1 が第4級アンモニウム基である、‐CO‐NH‐R27‐D1 又は‐CO‐O‐R27‐D1 基、又はニトリル、エステル、アシル、アミドで置換された直鎖状又は分枝状のC1 ‐C6 アルキル基を示し;
3 及びB2 は、スルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第4級アンモニウム、ウレイド、アミド又はエステル基、又は一又は複数の酸素又は硫黄原子、又は一又は複数の芳香環が主鎖に挿入、又は連結して含有されていてもよく、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和であってよい、2〜20の炭素原子を有するポリメチレン基を表し;
3 - は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンを示し;
3 、R23及びR25は、それらが結合する2つの窒素原子とともにピペラジン環を形成可能で;
3 が飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基を示す場合は、B2 がまた‐(CH2 n ‐CO‐D1 ‐OC‐(CH2 n ‐基を示してよく、
ここでD1 は:
a)式:‐O‐Z2 ‐O‐のグリコール残基
[上式中、Z2 は、直鎖状又は分枝状の炭化水素基、又は次の式:
‐(CH2 ‐CH2 ‐O)x ‐CH2 ‐CH2
‐[CH2 ‐CH(CH3 )‐O]y ‐CH2 ‐CH(CH3 )‐
(上式中、x及びyは、定まった一つの重合度を表す1〜4の整数を示すか、あるいは、平均重合度を表す1〜4の任意の数を示す)
の一つに相当する基を示す];
b)ジ第2級ジアミン残基、例えばピペラジン誘導体;
c)式:‐NH‐Y1 ‐NH‐のジ第1級ジアミン残基
[上式中、Y1 は、次の式:
‐CH2 ‐CH2 ‐S‐S‐CH2 ‐CH2
で示される二価の基、又は直鎖状又は分枝状の炭化水素基を示す];
d)式:‐NH‐CO‐NH‐のウレイレン基;
を示す}
に相当する繰り返し単位を含有する第4級ジアンモニウムポリマー。
好ましくは、X3 - は、一価の無機又は有機のアニオン、例えばハロゲン化物(塩化物又は臭化物)、スルファート、又はカルボキシラート(アセタート、ラクタート、シトラート)である。
これらのポリマーは、一般的に1000〜100000の数平均分子量を有する。
この種のポリマーは、特に、仏国特許第2320330号、同2270846号、同2316271号、同2336434号及び同2413907号、及び米国特許第2273780号、同2375853号、同2388614号、同2454547号、同3206462号、同2261002号、同2271378号、同3874870号、同4001432号、同3929990号、同3966904号、同4005193号、同4025617号、同4025627号、同4025653号、同4026945号及び同4027020号に記載されている。
【0113】
特に次の式(21):
【0114】
【化17】

【0115】
[上式中、R35、R36、R37及びR38は同一又は異なっており、約1〜4の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基を示し、α及びβは約2〜20の範囲の整数であり、X6 - は無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンである]に相当する繰り返し単位からなるポリマーを使用することができる。
特に好ましい式(21)の化合物は、R35、R36、R37及びR38がメチル基を表し、α=3、β=6及びX6 =Clで、INCI(CTFA)命名法に従い、塩化ヘキサジメトリンと称されているものである。
【0116】
(9)次の式(14):
【0117】
【化18】

【0118】
[上式中:
28、R29、R30及びR31は同一又は異なっており、水素原子、又はメチル、エチル、プロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル又は‐CH2 CH2 (OCH2 CH2 w OH基を表し;
wは0に等しいか、又は1〜6の整数であり、但し、R28、R29、R30及びR31は同時には水素原子を示さず;
t及びvは同一又は異なっており、1〜6の整数であり;
uは0、又は1〜34の整数であり;
4 - はハロゲン化物等のアニオンを示し;
4 はジハライドの基を示すか、あるいは好ましくは‐CH2 ‐CH2 ‐O‐CH2 ‐CH2 ‐を示す]
の単位からなるポリ第4級アンモニウムポリマー。
このような化合物は、特に欧州特許出願公開第122324号に記載されている。
このような製品としては、例えば、ミラノール社(MIRANOL)から販売されている「ミラポール(MIRAPOL)(登録商標)A15」、「ミラポール(登録商標)AD1」、「ミラポール(登録商標)AZ1」及び「ミラポール(登録商標)175」を挙げることができる。
【0119】
(10)ビニルピロリドンとビニルイミダゾールの第4級ポリマー、例えばポリクオタニウム(POLYQUATERNIUM)−11、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−44、特にBASF社からルビクアット(LUVIQUAT)(登録商標)FC905、FC550及びFC370、及びルビクアット(登録商標)ケア(CARE)の名称で市販されている製品。
【0120】
(11)ポリアミン類、例えばCTFA辞書で「ポリエチレングリコール(15)獣脂ポリアミン」の名称が付されているコグニス社から販売されているポリクアート(POLYQUART)(登録商標)H。
【0121】
(12)架橋した又は架橋していないメタクリロイルオキシ(C1‐C4アルキル)トリ(C1‐C4アルキル)アンモニウム塩のポリマー、例えば、塩化メチルで第4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルが単独重合、又は塩化メチルで第4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとアクリルアミドとが共重合し、単独重合又は共重合に続いて、オレフィン性不飽和を有する化合物、特にメチレンビスアクリルアミドで架橋することにより得られるポリマー。特に、鉱物性油に50質量%の、架橋したアクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドのコポリマー(重量比 20/80)を含有せしめてなる分散液の形態で該ポリマーを使用することもできる。
この分散液は、チバ社から「サルケア(SALCARE)(登録商標)SC92」の名称で販売されている。また、鉱物性油又は液状エステルに、約50質量%の架橋したメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドのホモポリマーを含有せしめてなるものを使用することもできる。これらの分散液は、チバ社から「サルケア(登録商標)SC95」及び「サルケア(登録商標)SC96」の名称で販売されている。
【0122】
本発明の範疇で使用可能な他のカチオン性ポリマーは、カチオン性タンパク質又はカチオン性タンパク質の加水分解物、ポリアルキレンイミン類、特にポリエチレンイミン類、ビニルピリジン又はビニルピリジニウム単位を有するポリマー、ポリアミン類とエピクロロヒドリンの縮合物、第4級ポリウレイレン類及びキチン誘導体である。
【0123】
本発明の範疇で使用可能な全カチオン性ポリマーのなかでも、第4級セルロースエーテル誘導体、例えばアメルコール社から「JR400」の名称で販売されている製品、カチオン性シクロポリマー類、特にナルコ社から「メルクアット(登録商標)100」、「メルクアット(登録商標)550」及び「メルクアット(登録商標)S」の名称で販売されているジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー又はコポリマー、また、BASF社からルビクアット・ケアの名称で販売されているビニルピロリドン及びメチルビニルイミダゾリウム塩(例えば硫酸メチル又は硫酸エチル)のコポリマー、及びそれらの混合物が好ましく使用される。
【0124】
本発明において、それぞれのカチオン性ポリマーの含有率は0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、特に0.05質量%〜2質量%である。0.01質量%未満では十分な美容特性の効果が得られず、20質量%を超えると髪に対するカチオン性ポリマーの付着量が増大し、スタイリングに影響を及ぼす。
【0125】
本発明のシャンプー組成物は、増粘剤をさらに含有してもよい。この増粘剤は好ましくは非イオン性である。
本発明の非イオン性増粘剤は、天然又は合成由来であってよい。それらは特に:
(i)エステル及び/又はアミド型のエチレン性不飽和モノマーを有する非イオン性のホモポリマー及びコポリマー;
(ii)ビニルピロリドンのホモ−又はコポリマー;
(iii)多糖類;
から選択される。
【0126】
エステル及び/又はアミド型のエチレン性不飽和モノマーを有する非イオン性のホモポリマー及びコポリマーとしては、ポリアミド類、特にサイテック社(CYTEC)からサイアナマー(CYANAMER)P250(ポリアクリルアミド)の名称で販売されている製品;
メタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリラートのコポリマー(USコスメティクス社(COSMETICS)のPMMA・MBX−8C);
メタクリル酸ブチル/メタクリル酸メチルのコポリマー(ローム&ハース社のアクリロイド(ACRYLOID)B66)、ポリメチルメタクリラート(コボ社(KOBO)のBPA500)を挙げることができる。
ビニルピロリドンのホモ−又はコポリマーは、特にビニルピロリドンの架橋したホモポリマー、例えばISP社から販売されているポリマーACP−10から選択される。
【0127】
増粘多糖類は、特にグルカン、変性又は未変性のデンプン(例えば、穀物、例えば小麦、トウモロコシ又は米、野菜、例えば金エンドウ(golden pea)、塊茎(tuber)、例えばポテト又はキャッサバから得られたもの)、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース及びその誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース)、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン(arabans)、ガラクタン(galactans)、ガラクツロナン(galacturonans)、キチン、キトサン、グルクロノキシラン(glucuronoxylans)、アラビノキシラン(arabinoxylans)、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸及びペクチン、アラビノガラクタン、カラゲナン、寒天、アラビアガム、トラガカントガム(gum tragacanths)、ガッチガム(ghatti gums)、カラヤガム、キャロブガム、ガラクトマンナン、例えばグアーガム及びその非イオン性誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)、及びそれらの混合物から選択される。
一般的に、本発明で使用可能なこの種の化合物は、特に、「Encyclopedia of Chemical Technology」Kirk−Othmer,3版,1982,3巻,896−900頁、及び15巻,439−458頁、「Polymers in Nature」E.A. MacGREGOR及びC.T. GREENWOOD編, JohnWiley & Sons,6章,240−328頁,1980,及び「Industrial Gums−Polysaccharides and their Derivatives」Roy L. WHISTLER編,2版,Academic Press Inc.に記載されているものから選択され、これら3つの出版物の内容は、出典明示によって本発明に全体が含まれる。
デンプン、グアーガム、セルロース及びその誘導体が好ましく使用される。
【0128】
多糖類は変性していても未変性であってもよい。
未変性のグアーガムは、例えばユニペクチン社(UNIPECTINE)からヴィドガム(VIDOGUM)GH175の名称で、及びローディア・シミー社からメイプロ(MEYPRO)−グアー50及びジャガーCの名称で販売されている製品である。
【0129】
変性した非イオン性のグアーガムは、特にC1 ‐C6 ヒドロキシアルキル基で変性されている。
ヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチル基を挙げることができる。
これらのグアーガムは従来技術でよく知られており、例えば、ヒドロキシプロピル基で変性したグアーガムを得るためには、プロピレンオキシド等の対応するアルケンオキシドとグアーガムを反応させることによって調製することができる。
グアーガムに存在するフリーのヒドロキシル官能基により消費されるアルキレンオキシド分子の数に相当するヒドロキシアルキル化度は、好ましくは0.4〜1.2の間で変化する。
ヒドロキシアルキル基で変性していてもよいこのような非イオン性のグアーガムは、例えばジャガーHP8、ジャガーHP60及びジャガーHP120、ジャガーDC293及びジャガーHP105の商品名でローディア・シミー社から、又はガラクタソール(GALACTASOL)4H4FD2の名称でアクアロン社(AQUALON)から販売されている。
【0130】
セルロースの中でも、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースが特に使用される。アクアロン社からクリューセル(Klucel)EF、クリューセルH、クリューセルLHF、クリューセルMF、クリューセルG、アメルコール社からセロサイズ(CELLOSIZE)ポリマーPCG−10の名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0131】
本発明において増粘剤は、シャンプー組成物に対して0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。
【0132】
本発明で使用可能な界面活性剤は、従来技術でよく知られている従来からのアニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤、及びそれらの混合物から選択される。
本発明のシャンプー組成物は、アニオン性、カチオン性、両性及び非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも一の界面活性剤、又はそれらの混合物を有利にはさらに含有し、シャンプー組成物に対して、一般的に約0.1〜60質量%、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%である。
【0133】
本発明の実施に適した界面活性剤は、特に以下のものである:
(i)アニオン性界面活性剤(類):
本発明において単独で又は混合物として使用可能なアニオン性界面活性剤の例として、特に(非限定的列挙)、次の化合物:
アルキルスルファート類、アルキルエーテルスルファート類(例えば、ラウレス硫酸Na等)、アルキルアミドエーテルスルファート類、アルキルアリールポリエーテルスルファート類、モノグリセリドスルファート類、アルキルスルホナート類、アルキルホスファート類、アルキルアミドスルホナート類、アルキルアリールスルホナート類、α−オレフィンスルホナート類、パラフィンスルホナート類、アルキルスルホスクシナート類、アルキルエーテルスルホスクシナート類、アルキルアミドスルホスクシナート類(例えば、スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na等)、アルキルスルホシクシナマート類、アルキルスルホアセタート類、アルキルエーテルホスファート類、アシルサルコシナート類、アシルイセチオナート類及びN−アシルタウラート類の塩(特にアルカリ金属、中でもナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩又はマグネシウム塩)で、これら全ての種々の化合物のアルキル又はアシル基が、好ましくは8〜24の炭素原子を有し、アリール基が、好ましくはフェニル又はベンジル基を示すものを挙げることができる。
また、使用可能なアニオン性界面活性剤として、脂肪酸塩、例えば、オレイン酸、リシノレイン酸、パルミチン酸及びステアリン酸の塩、コプラ油酸又は水素化コプラ油酸、アシル基が8〜20の炭素原子を有するアシルラクチラート類を挙げることもできる。
さらに、弱いアニオン性界面活性剤、例えばアルキル−D−ガラクトシドウロン酸及びそれらの塩、並びにポリオキシアルキレン化(C6‐C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6‐C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6‐C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びそれらの塩、特に2〜50のエチレンオキシド基を有するもの、及びそれらの混合物を使用することもできる。
アニオン性界面活性剤として、本発明においてはアルキルスルファート塩及びアルキルエーテルスルファート塩及びそれらの混合物が起泡剤として好ましく使用される。
【0134】
(ii)カチオン界面活性剤(類):
また、本発明のシャンプー組成物はそれ自体よく知られている一又は複数のカチオン性界面活性剤、例えばポリオキシアルキレン化されていてもよい第1級、第2級又は第3級脂肪アミン類の塩、第4級アンモニウム塩、及びそれらの混合物を含有してもよい。
【0135】
第4級アンモニウム塩として、例えば次のものを挙げることができる:
− 次の一般式(22):
【0136】
【化19】

【0137】
を有するもの。
上式中、R39ないしR42は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状で1〜30の炭素原子を有する脂肪族基、又は芳香族基、例えばアリール又はアルキルアリールを示す。前記脂肪族基は、例えば特に酸素、窒素、硫黄及びハロゲン等のヘテロ原子を含んでもよい。脂肪族基は、例えば、アルキル、アルコキシ、(C2 ‐C6 )ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、(C12‐C22)アルキルアミド(C1 ‐C6 )アルキル、(C12‐C22)アルキルアセタート、ヒドロキシアルキルで約1〜30の炭素原子を有するものから選択される;
7 - はハロゲン化物、ホスファート類、アセタート類、ラクタート類、(C2 ‐C6 )アルキルスルファート類、アルキル又はアルキルアリールスルホナート類から選択されるアニオンである;
− イミダゾリンの第4級アンモニウム塩、例えば次の式(23):
【0138】
【化20】

【0139】
のもの。
上式中、R43は、例えば獣脂又はコプラ脂肪酸から誘導される8〜30の炭素原子を有するアルケニル又はアルキル基を表し、R44は水素原子、C1 ‐C4 アルキル基又は8〜30の炭素原子を有するアルケニル又はアルキル基を表し、R45はC1 ‐C4 アルキル基を表し、R46は水素原子、C1 ‐C4 アルキル基を表し、X8 - はハロゲン化物、ホスファート類、アセタート類、ラクタート類、アルキルスルファート類、アルキル又はアルキルアリールスルホナート類を含む群から選択されるアニオンである。
好ましくは、R43とR44は、例えば獣脂脂肪酸から誘導される、12〜21の炭素原子を有するアルケニル又はアルキル基の混合物を示し、R45はメチルを示し、R46は水素を示す。
このような製品は、例えば、ウィトコ社(WITCO)から、「リウォカット(REWOQUAT)(登録商標)」W75、W90、W75PG、W75HPGの名称で市販されている、クオタニウム(QUATERNIUM)−27(CTFA 1997)又はクオタニウム−83(CTFA 1997)である。
− 次の式(24):
【0140】
【化21】

【0141】
の二第4級アンモニウム塩。
上式中、R47は約16〜約30の炭素原子を有する脂肪族基を示し、R48、R49、R50、R51及びR52は同一又は異なっており、水素又は1〜4の炭素原子を有するアルキル基から選ばれ、X9 - はハロゲン化物、アセタート類、ホスファート類、ニトラート類、硫酸エチル及び硫酸メチルを含む群から選択されるアニオンである。このようなエチルスルファート第4級ジアンモニウム塩には、場合によってはプロパン獣脂ジアンモニウムジクロリドが含まれる。
− 少なくとも一のエステル官能基を有する第4級アンモニウム塩、例えば次の式(25):
【0142】
【化22】

【0143】
のもの。
上式中、
− R53は、C1 ‐C6 アルキル基及びC1 ‐C6 ヒドロキシアルキル又はジヒドロキシアルキル基から選択され;
− R54は、
− 次の式:
【0144】
【化23】

【0145】
の基、
− 飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC1 ‐C22炭化水素基であるR58
− 水素原子、
から選択され;
− R55は、
− 次の式:
【0146】
【化24】

【0147】
の基、
− 飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC1 ‐C6 炭化水素基であるR60
− 水素原子、
から選択され;
− R55、R57及びR59は同一又は異なっており、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC7 ‐C21炭化水素基から選択され;
− ε、γ及びδは同一又は異なっており、2〜6の範囲の整数であり;
− ρは1から10の範囲の整数であり;
− πとσは同一又は異なっており、0から10の範囲の整数であり;
− X10−は、有機及び無機の単純又は錯アニオンであり;
但し、π+ρ+σの合計が1から15であり、πが0であればR54はR58を示し、σが0であればR56はR60を示す。
好ましくは、R53アルキル基は直鎖状又は分枝状であり得、特に直鎖状である。
53は、好ましくはメチル、エチル、ヒドロキシエチル又はジヒドロキシプロピル基、さらにはメチル又はエチル基を示す。
有利には、π+ρ+σの合計は1〜10である。
54が炭化水素基R58である場合、それは長くて12〜22の炭素原子を有するか、もしくは短くて1〜3の炭素原子を有する。
56が炭化水素基R60である場合、それは好ましくは1〜3の炭素原子を有する。
有利には、R55、R57及びR59は同一でも異なっていてもよく、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC11‐C21炭化水素基、特に飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC11‐C21アルキル及びアルケニル基から選択される。
好ましくは、π及びσは同一又は異なっており、0又は1である。
有利には、ρは1に等しい。
好ましくは、ε、γ、及びδは同一又は異なっており、2又は3、特に2に等しい。
アニオンX10- は、好ましくはハロゲン化物(塩化物、臭化物又はヨウ化物)又は(C1 ‐C4 )アルキルスルファート、特にメチルスルファートである。しかしながら、メタンスルホナート、ホスファート、ニトラート、トシラート、有機酸から誘導されるアニオン、例えばアセタート又はラクタート、又はエステル官能基を有するアンモニウムと融和性のある任意の他のアニオンを使用することもできる。
アニオンX10- は、特に塩化物又はメチルスルファートである。
【0148】
本発明のシャンプー組成物に使用することができるアンモニウム塩は、式(25)において:
− R53がメチル又はエチル基を示し;
− π及びρが1に等しく;
− σが0又は1に等しく;
− ε、γ及びδが2に等しく;
− R54が、
− 次の式:
【0149】
【化25】

【0150】
の基、
− メチル、エチル、又はC14‐C22炭化水素基、
− 水素原子、
から選択され;
− R56が、
− 次の式:
【0151】
【化26】

【0152】
の基、
− 水素原子、
から選択され;
− R55、R57及びR59は同一又は異なっており、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC13‐C17炭化水素基、好ましくは飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC13‐C17アルキル及びアルケニル基から選択される;
ものである。
有利には、炭化水素基は直鎖状である。
【0153】
式(25)の化合物として挙げられるものは、例えばジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムの塩(特に塩化物又はメチルスルファート)及びそれらの混合物である。アシル基は、好ましくは14〜18の炭素原子を有し、特に植物性油、例えばパーム油又はヒマワリ油から得られるものである。
化合物がいくつかのアシル基を有している場合は、該基は同一でも異なっていてもよい。
これらの生成物は、例えば脂肪酸もしくは植物又は動物由来の脂肪酸の混合物に対してオキシアルキレン化されていてもよいアルキルジイソプロパノールアミン、又はアルキルジエタノールアミン、又はトリイソプロパノールアミン、又はトリエタノールアミンを直接エステル化することによって、又はそれらのメチルエステルのエステル交換により得られる。このエステル化に続いて、アルキル化剤、例えばアルキル(好ましくはメチル又はエチル)ハロゲン化物、ジアルキル(好ましくはメチル又はエチル)スルファート、メタンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸メチル、グリコール又はグリセロールクロロヒドリンを使用して第4級化する。
このよう化合物は、例えばコグニス社(COGNIS)からデハイカート(DEHYQUART)(登録商標)、ステパン社(STEPAN)からステパンカート(STEPANQUAT)(登録商標)、セカ社(CECA)からノキサミウム(NOXAMIUM)(登録商標)、リウォ−ゴールドシュミット社(REWO−GOLDSCHMIDT)からリウォカット(REWOQUAT)(登録商標)WE18の名称で販売されている。
【0154】
本発明のシャンプー組成物は、第4級アンモニウムのモノ−、ジ−及びトリエステル塩の混合物を含むことができ、質量にしてそのほとんどがジエステル塩である。
アンモニウム塩の混合物として、15〜30質量%のアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルファート、45〜60質量%のジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルファート、及び15〜30質量%のトリアシルオキシエチルメチルアンモニウムメチルスルファートを含有する混合物を使用することができ、ここでアシル基は14〜18の炭素原子を有し、部分的に水素化されていてもよいパーム油から得られる。
【0155】
また、米国特許第4874554号及び米国特許第4137180号に記載されているような、少なくとも一のエステル官能基を有するアンモニウム塩を使用することができる。
上述した第4級アンモニウム塩として、式(22)に相当するものが好ましく使用される。特に一方では、テトラアルキルアンモニウムクロリド、例えば、アルキル基が約12〜22の炭素原子を有するアルキルトリメチルアンモニウムクロリド又はジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、特にベヘニルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムのクロリド、又は他方、ヴァンダイク社(VAN DYK)からセラフィル(CERAPHYL)(登録商標)70の商品名で販売されているステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセタート)アンモニウムクロリド、又はパルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを挙げることができる。
【0156】
本発明のシャンプー組成物において特に好ましいカチオン性界面活性剤は、第4級アンモニウム塩、特にベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、クオタニウム−83、ベヘニルアミドプロピル(2,3−ジヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニウムクロリド及びパルミトイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドから選択されうる。
【0157】
好ましいカチオン性界面活性剤は、シャンプー組成物に可溶性のカチオン性界面活性剤、特に水溶性のもの、又は少なくとも一の非イオン性界面活性剤によりシャンプー組成物又は水に溶解されるものである。
組成物又は水に可溶性のカチオン性界面活性剤なる表現は、25℃の水に0.1質量%以上の濃度で組成物又は水に溶解するカチオン性界面活性剤、すなわちこれらの条件下で巨視的に等方性の透明溶液を形成するものであることを意味すると理解される。
【0158】
(iii)非イオン性界面活性剤(類):
非イオン性界面活性剤は、それ自体よく知られている化合物[これに関して、特に、ブラッキー・アンド・サン社(グラスゴー及びロンドン)から出版されているエム・アール・ポーター(M.R. Porter)の「界面活性剤のハンドブック(Handbook of Surfactants)」(1991、116−178頁)を参照]であり、特に(非限定的列挙)、例えば8〜18の炭素原子を有する脂肪鎖を有し、ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化又はポリグリセロール化された脂肪酸、アルキルフェノール類、α−ジオール類又はアルコール類から選択され、エチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数を特に2〜50の範囲、グリセロール基の数を特に2〜30の範囲とすることができる。
また、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー、脂肪アルコールとエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの縮合物;
好ましくは2〜30モルのエチレンオキシドを有するポリエトキシル化脂肪アミド類、平均1〜5、特に1.5〜4のグリセロール基を有するポリグリセロール化脂肪アミド類;
2〜30モルのエチレンオキシドを有するオキシエチレン化されたソルビタンの脂肪酸エステル類;
スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド類、N−アルキルグルカミン誘導体、アミンオキシド類、例えば(C10‐C14)アルキルアミンオキシド類又はN−アシルアミノプロピルモルホリンオキシド類;
を挙げることもできる。
【0159】
具体的には、親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2- エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2- エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);
グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α´−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);
プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);
硬化ヒマシ油誘導体;
グリセリンアルキルエーテル;
等が挙げられる。
【0160】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);
POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);
POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);
POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);
POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);
プルロニック型類(例えば、プルロニック等);
POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);
テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);
POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);
POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);
アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);
POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;
POE−アルキルアミン;
POE−脂肪酸アミド;
ショ糖脂肪酸エステル;
アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;
トリオレイルリン酸;
等が挙げられる。
【0161】
(iv)両性界面活性剤(類):
本発明において、特に(非限定的列挙)、脂肪族基が8〜22の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の鎖であり、少なくとも一の水溶性のアニオン性基(例えば、カルボキシラート、スルホナート、スルファート、ホスファート又はホスホナート)を含有する、脂肪族の第2級又は第3級アミンの誘導体であってよく;
さらに、(C8 ‐C20)アルキルベタイン類(例えば、コカミドプロピルベタイン等)、スルタイン類、(C8 ‐C20)アルキルアミド(C1 ‐C6 )アルキルベタイン類又は(C8 ‐C20)アルキルアミド(C1 ‐C6 )アルキルスルタイン類を挙げることができる。
アミン誘導体としては、次の構造(26):
【0162】
【化27】

【0163】
[上式中:R61は、加水分解されたコプラ油中に存在する酸R61‐COOHから誘導されるアルキル基、ヘプチル、ノニル又はウンデシル基を示し、R62はβ−ヒドロキシエチル基を示し、R63はカルボキシメチル基を示す];
及び
【0164】
【化28】

【0165】
[上式(27)中:
3 は‐CH2 CH2 OX11を示し、Cはτ=1又は2である‐(CH2 )τ‐Y2 を示し、
11は、‐CH2 CH2 ‐COOH基又は水素原子を示し、
2 は、‐COOH又は‐CH2 ‐CHOH‐SO3 H基を示し、
64は、加水分解されたアマニ油又はコプラ油中に存在する酸R65‐COOHのアルキル基、アルキル基、特にC7 、C9 、C111又はC13、C17アルキル基及びそのイソ形、不飽和のC17基を示す];
の構造を有し、米国特許第2528378号及び米国特許第2781354号に記載され、ミラノールの名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0166】
これらの化合物は、ココアンホ二酢酸二ナトリウム(Disodium Cocoamphodiacetate)、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム(Disodium Lauroamphodiacetate)、カプリルアンホ二酢酸二ナトリウム(Disodium Caprylamphodiacetate)、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム(Disodium Capryloamphodiacetate)、ココアンホ二プロピオン酸二ナトリウム(Disodium Cocoamphodipropionate)、ラウロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム(Disodium Lauroamphodipropionate)、カプリルアンホ二プロピオン酸二ナトリウム(Disodium Caprylamphodipropionate)、カプリロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム(Disodium Capryloamphodipropionate)、ラウロアンホ二プロピオン酸、ココアンホ二プロピオン酸の名称で、CTFA辞典、第5版、1993に分類されている。
例えば、ローディア・シミー社からミラノール(登録商標)C2M濃縮物の商品名で市販されている、ココアンホジアセタートを挙げることができる。
【0167】
本発明のシャンプー組成物においては、界面活性剤の混合物、特にアニオン性界面活性剤の混合物、及びアニオン性界面活性剤と両性又は非イオン性界面活性剤との混合物が好ましく使用される。特に好ましい混合物の一つは、少なくとも一のアニオン性界面活性剤と少なくとも一の両性界面活性剤からなる混合物である。
【0168】
本発明のシャンプー組成物は、第4級アンモニウム基を持つシリコーン類以外のシリコーン類、少なくとも12の炭素原子を有するカルボン酸エステル、植物性油、鉱物性油、合成油、例えばポリ(アルファ−オレフィン類)、及びそれらの混合物から選択される少なくとも一のコンディショナーをさらに含有してよい。
【0169】
本発明で使用可能なシリコーン類は、シャンプー組成物に不溶又は溶解するものであってよく、それらは、特に本発明のシャンプー組成物に不溶のポリオルガノシロキサン類である。それらは、油、ロウ、樹脂又はガムの形態で提供される。またそれらは、純粋物、エマルション、分散液、又はマイクロエマルションとして使用され得る。
オルガノポリシロキサン類は、ウォルター・ノール(WALTER NOLL)の「シリコーンの化学と技術(Chemistry and Technology of Silicones)」(1968)、アカデミック・プレス(Academic Press)社版において、より詳細に定義されている。それらは揮発性又は非揮発性であってよい。
【0170】
揮発性である場合は、シリコーン類は、特に60℃〜260℃の沸点を有するもの、特に次のものから選択される:
(i) 3〜7、好ましくは4〜5のケイ素原子を有する環状シリコーン類。それらは、例えば、特に、ローディア社(RHODIA)から「シルビオン(SILBIONE)70045V2」又はユニオン・カーバイド社(UNION CARBIDE)から「揮発性シリコーン7207」の名称で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、ローディア社から「シルビオン70045V5」、ユニオン・カーバイド社から「揮発性シリコーン7158」の名称で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、及びそれらの混合物である。
また、ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロコポリマー、例えば次の構造(28):
【0171】
【化29】

【0172】
を有し、ユニオン・カーバイド社から販売されている「シリコーンボラタイルFZ3109」を挙げることもできる。
さらに、ケイ素から誘導された有機化合物と環状シリコーン類の混合物、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリトリトール(50/50)の混合物、及びオクタメチルシクロテトラシロキサンと1,1´−オキシ(2,2,2´,2´,3,3´−ヘキサトリメチルシリルオキシ)ビスネオペンタンの混合物を挙げることができる。
【0173】
(ii) 2〜9のケイ素原子を有し、25℃で5×10-62 /s以下の粘度を有する直鎖状の揮発性シリコーン類。例えば、特に、東レ・ダウコーニング社から「SH200」の名称で販売されているデカメチルテトラシロキサンがある。また、このクラスに入るシリコーン類は、コスメティクス・アンド・トイレタリー(Cosmetics and Toiletries)の第91巻、1月、76、27−32頁、トッド・アンド・バイヤー(TODD & BYERS)の「化粧品用の揮発性シリコーン流体(Volatile Silicone Fluids for Cosmetics)」において公開されている論文に記載されている。
【0174】
非揮発性シリコーン類としては、特にポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、シリコーンガム及び樹脂、有機官能基で変性したポリオルガノシロキサン類、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0175】
本発明で使用可能な有機変性されたシリコーン類は、それらの構造に、炭化水素基を介して結合する一又は複数の有機官能基を含む、上述したシリコーン類である。
有機修飾されたシリコーン類としては次のものを挙げることができる:
− C6 ‐C244アルキル基を有していてもよい、ポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基を有するポリオルガノシロキサン類、例えばダウ・コーニング社(Dow Corning)からQ2・5200の名称で販売されている、(C12)アルキルメチコーンコポリオール、及びユニオン・カーバイド社の油であるシルウェット(SILWET)(登録商標)L722、L7500、L77及びL711、又はダウ・コーニング社からDC1248の名称で販売されているジメチコーンコポリオールと称される製品;
− 置換又は非置換のアミン含有基を有するポリオルガノシロキサン類、例えばジェネシー社(GENESEE)からGP7100及びGP4シリコーン・フルイドの名称で販売されている製品、又はダウ・コーニング社からQ2・8220及びダウ・コーニング929もしくは939の名称で販売されている製品。置換されたアミン含有基は、特にC1‐C4アミノアルキル基である;
− チオール基を有するポリオルガノシロキサン類、例えばジェネシー社から「GP72A」及び「GP71」の名称で販売されている製品;
− アルコキシル化基を有するポリオルガノシロキサン類、例えばSWSシリコーン社から「シリコーン・コポリマーF−755」の名称で、またゴールドシュミット社からアビルワックス(ABIL WAX)(登録商標)2428、2434及び2440の名称で販売されている製品;
− ヒドロキシル基を有するポリオルガノシロキサン類、例えば仏国特許出願公開第85−16334号に記載されているヒドロキシアルキル官能基を有するポリオルガノシロキサン類;
− アシルオキシアルキル基を有するポリオルガノシロキサン類、例えば米国特許第4957732号に記載されているポリオルガノシロキサン;
− カルボキシル型のアニオン性基を有するポリオルガノシロキサン類、例えばチッソ・コーポレーション(CHISSO CORPORATION)からの欧州特許第186507号に記載されている製品、又はアルキルカルボキシル型のもの、例えば信越シリコーン社製の製品名X−22−3701Eに存在するもの;
2−ヒドロキシアルキル−スルホナートを有するポリオルガノシロキサン類;
2−ヒドロキシアルキルチオスルファートを有するポリオルガノシロキサン類、例えばゴールドシュミット社から「アビル(登録商標)S201」及び「アビル(登録商標)S255」の名称で販売されている製品;
− ヒドロキシアシルアミノ基を有するポリオルガノシロキサン類、例えば欧州特許出願第342834号に記載されているポリオルガノシロキサン類。例えばダウ・コーニング社の製品Q2−8413を挙げることができる。
【0176】
シリコーン類の例として、アミノ又はアルコキシル化基を有するポリジメチルシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリジメチルシロキサン類が好ましく使用される。
【0177】
さらに、本発明のシャンプー組成物には、当該技術でよく知られている従来からの添加剤、すなわち、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、保湿剤、天然水溶性高分子、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、多価アルコール、糖類、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、ビタミン類、プロビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、電解質、乳白剤、真珠光沢剤、天然または合成セラミド類、香料等を必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
本発明のシャンプー組成物の特性が悪影響を受けないように留意して、可能な添加剤及びそれらの量を選択すればよい。
【0178】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母( セリサイト) 、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム( 焼セッコウ) 、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸( 例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム) 、窒化ホウ素等);
有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末( ナイロン粉末) 、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);
無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);
無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄( ベンガラ) 、チタン酸鉄等);
無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);
無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);
無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);
無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);
無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);
無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);
パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);
金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);
ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);
天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等);
等が挙げられる。
【0179】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0180】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0181】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0182】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0183】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0184】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);
分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル( バチルアルコール) 、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等);
等が挙げられる。
【0185】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0186】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0187】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸;
微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);
動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等);
等が挙げられる。
【0188】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);
セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);
アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等);
等が挙げられる。
【0189】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸( 以下、PABAと略す) 、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);
アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);
サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);
桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等);
3−(4´−メチルベンジリデン)−d, l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;
2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;
2,2´−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;
2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;
2 −(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニルベンゾトリアゾール;
ジベンザラジン;
ジアニソイルメタン;
4−メトキシ−4´−t−ブチルジベンゾイルメタン;
5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ジモルホリノピリダジノン;
等が挙げられる。
【0190】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0191】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);
3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);
4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);
5価アルコール(例えば、キシリトール等);
6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);
多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);
2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);
2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);
2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);
グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);
糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);
グリソリッド;
テトラハイドロフルフリルアルコール;
POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;
POP−ブチルエーテル;
POP・POE−ブチルエーテル;
トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;
POP−グリセリンエーテル;
POP−グリセリンエーテルリン酸;
POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン;
等が挙げられる。
【0192】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);
四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);
五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);
六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);
七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);
八炭糖(例えば、オクツロース等);
デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);
アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);
ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等);
等が挙げられる。
【0193】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0194】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0195】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);
塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等);
等が挙げられる。
また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0196】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0197】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0198】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0199】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1 、B2 、B6 、C、Eおよびその誘導体等が挙げられる。
【0200】
プロビタミン類、パントテン酸およびその誘導体、例えば、パンテノール、ビオチン等が挙げられる。
【0201】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0202】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0203】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);
消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);
美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);
各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等);
賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);
血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);
抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);
抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等);
等が挙げられる。
【0204】
上記添加物は、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.3〜5質量%の範囲の量で、本発明のシャンプー組成物に含有される。
【0205】
本発明において許容可能な媒体は好ましくは水性であり、水又は水と化粧品的に許容可能な溶媒、例えばC1 ‐C4 低級アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、n−ブタノール;
ポリオール、例えばプロピレングリコール;
ポリオールエーテル;
5 ‐C10アルカン類;
アセトン、メチルエチルケトン;
1 ‐C4 酢酸アルキル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル;
ジメトキシエタン、ジエトキシエタン;
及びそれらの混合物との混合物を含有してよい。
化粧品的に許容可能な、特に水性媒体は、シャンプー組成物に対して30〜98質量%である。
【0206】
また、本発明のシャンプー組成物のpHは5〜9、好ましくは6〜8である。pHが5未満ではシリル化ウレタン系樹脂が凝集し製剤が不安定となり、9を超えると毛髪等を損傷するおそれがある。
【0207】
また本発明の組成物は、シャンプー、すすがれる又はそのまま残るアフターシャンプー、毛髪のパーマネントウエーブ、ストレート化、染色又は脱色用の組成物、又は毛髪の染色、脱色、パーマネントウエーブ又はストレート化の前後又は毛髪のパーマネントウエーブ又はストレート化の2つの工程の間に適用されてすすがれる組成物の形態で提供されてもよい。
【0208】
また本発明は、上述したシャンプー組成物を有効量、ケラチン物質に適用し、場合によっては任意の放置時間の後にすすぐことからなる、皮膚又は毛髪等のケラチン物質のトリートメント方法を提供する。すすぎは、例えば水で行われる。
【実施例】
【0209】
以下、実施例1〜3および比較例1〜7を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、以下の記載において、%は質量%である。
尚、以下の実施例および比較例において、第4級アンモニウム基を持つシリコーン(A)、シリル化ウレタン系樹脂(B)およびカチオン性ポリマー(C)としては、そざぞれ下記のものを使用した。 第4級アンモニウム基を持つシリコーン(A):
クオタニム−80(商品名:アビル・クワット(ABIL QUAT 3474)、メーカー名:ゴールドシュミット社)
シリル化ウレタン系樹脂(B):
アクアリンカー SU100(商品名、メーカー名:コニシ株式会社)
カチオン性ポリマー(C):
(C1)ポリクオタニム−10(商品名:JR400、メーカー名:アメコール社)
(C2)ポリクオタニム−7(商品名:メルクワット550(登録商標)、メーカー名:ナルコ社)
【0210】
実施例1
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(A)クオタニウム−80 0.50%
(B)アクアリンカー SU100(30%水分散液) 0.50%
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(C2)ポリクオタニウム−7水溶液(8.5%) 1.00%
(1)ココイルグリシンK液(30%) 33.33%
(2)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(3)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%) 10.00%
(4)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(5)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(6)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(7)ジブチルヒドロキシトルエン 0.10%
(8)乳酸 pH6.5とする量
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)精製水 残量
【0211】
実施例2
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(A)クオタニウム−80 0.50%
(B)アクアリンカー SU100(30%水分散液) 0.50%
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(C2)ポリクオタニウム−7水溶液(8.5%) 1.00%
(1)スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na液(30%)
1.00%
(2)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(3)ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(30%) 30.00%
(4)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(5)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(6)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(7)グリチルリチン酸2K 0.50%
(8)乳酸 pH6.5とする量
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)精製水 残量
【0212】
実施例3
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(A)クオタニウム−80 0.50%
(B)アクアリンカー SU100(30%水分散液) 0.50%
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(C2)ポリクオタニウム−7水溶液(8.5%) 1.00%
(1)スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na液(30%)
1.00%
(2)ラウレス硫酸Na液(27%) 44.00%
(3)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%) 8.00%
(4)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 8.00%
(5)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(6)ジステアリン酸グリセリル 0.50%
(7)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(8)パントテニルエチルエーテル 0.10%
(9)乳酸 pH6.5とする量
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
(12)精製水 残量
【0213】
実施例4
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(A)クオタニウム−80 0.50%
(B)アクアリンカー SU100(30%水分散液) 0.50%
(1)ココイルグリシンK液(30%) 30.00%
(2)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(3)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%) 30.00%
(4)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(5)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(6)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(7)ジブチルヒドロキシトルエン 0.10%
(8)乳酸 pH6.5とする量
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)精製水 残量
【0214】
比較例1
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(1)スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na液(30%)
1.00%
(2)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(3)ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(30%) 30.00%
(4)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(5)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(6)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(7)乳酸 pH6.5とする量
(8)防腐剤 適量
(9)香料 適量
(10)精製水 残量
【0215】
比較例2
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(1)ポリアクリル酸Na 0.50%
(2)スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na液(30%)
1.00%
(3)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(5)ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(30%) 30.00%
(4)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(5)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(6)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(7)乳酸 pH6.5とする量
(8)防腐剤 適量
(9)香料 適量
(10)精製水 残量
【0216】
比較例3
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(A)クオタニウム−80 0.50%
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(1)ポリビニルピロリドン 0.50%
(2)スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na液(30%)
1.00%
(3)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(4)ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(30%) 30.00%
(5)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(6)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(7)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(8)乳酸 pH6.5とする量
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)精製水 残量
【0217】
比較例4
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(A)クオタニウム−80 0.50%
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(1)ポリビニルピロリドン 0.50%
(2)スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na液(30%)
1.00%
(3)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(4)ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(30%) 30.00%
(5)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(6)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(7)グリセリン 2.00%
(8)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(9)乳酸 pH6.5とする量
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
(12)精製水 残量
【0218】
比較例5
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(B)アクアリンカー SU100(30%水分散液) 0.50%
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(C2)ポリクオタニウム−7水溶液(8.5%) 1.00%
(1)スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na液(30%)
1.00%
(2)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(3)ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(30%) 30.00%
(4)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(5)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(6)ポリクオタニウム−7水溶液(8.5%) 1.00%
(7)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(8)乳酸 pH6.5とする量
(9)POE硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.50%
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
(12)精製水 残量
【0219】
比較例6
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(B)アクアリンカー SU100(30%水分散液) 0.50%
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(C2)ポリクオタニウム−7水溶液(8.5%) 1.00%
(1)スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na液(30%)
1.00%
(2)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(3)ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(30%) 30.00%
(4)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(5)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(6)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(7)乳酸 pH6.5とする量
(8)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル)
0.50%
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)精製水 残量
【0220】
比較例7
下記の成分及び配合からなるシャンプー組成物を調整した:
(A)クオタニウム−80 0.50%
(C1)ポリクオタニウム−10 0.50%
(C2)ポリクオタニウム−7水溶液(8.5%) 1.00%
(1)スルホコハク酸PEG−5ラウラミド2Na液(30%)
1.00%
(2)ココイルグリシンK液(30%) 33.33%
(3)ラウレス硫酸Na液(27%) 30.00%
(4)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%) 10.00%
(5)ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル 1.00%
(6)ミリスチン酸PPG−3−ベンジルエーテル 1.00%
(7)エデト酸二ナトリウム 0.20%
(8)乳酸 pH6.5とする量
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)精製水 残量
【0221】
(シャンプー組成物の毛髪洗浄テスト)
次に、上記実施例1〜4及び比較例1〜7で得られたのシャンプー組成物を用いて、下記の方法により毛髪の洗浄テストを実施した。
すなわち、被験者であるセミロングの20〜50代の女性50人の頭髪を適量の水で湿らせた後にシャンプー組成物を適用し、ついで毛髪をすすいで乾燥し、シャンプー組成物を適用したときの湿った毛髪の状態および乾燥したときの毛髪の状態を評価した。
【0222】
実施例1〜4のシャンプー組成物を適用した場合は、湿った毛髪は滑らかでしなやかであり、乾燥した毛髪はしなやかであった。さらに、毛髪に対してハリコシ感のある弾力性に富んだ仕上がりを与えると共に、毛髪は自然な風合いでしなやかで滑らかな感触を有していた。また、櫛を通してもフレーキングを起こすことがなく、なおかつ、コンディショニング保持効果が優れていた。さらに、洗髪時においても、発泡性に優れ、きめ細やかで弾力性に富んだ泡質であり、すすぎ時にも指通りの滑らかさがあり、しっとりした感じを与え、かつ、洗浄性に優れるものであった。
尚、コンディショニング保持効果およびハリコシ感についてのテスト結果は、実施例1のシャンプー組成物を適用した時、コンディショニング保持効果を認めた者は被験者50人中47人、ハリコシ感を認めた者は被験者50人中49人、また、実施例2のシャンプー組成物を適用した時、コンディショニング保持効果を認めた者は被験者50人中45人、ハリコシ感を認めた者は被験者50人中45人、さらに、実施例3のシャンプー組成物を適用した時、コンディショニング保持効果を認めた者は被験者50人中45人、ハリコシ感を認めた者は被験者50人中45人であった。さらにまた、実施例4のシャンプー組成物を適用した時、コンディショニング保持効果を認めた者は50人中43人、ハリコシ感を認めた者は50人中43人であった。
【0223】
一方、比較例1のシャンプー組成物を適用した場合は、発泡性や洗浄性は良好であるが、泡質は粗く、すすぎ時にきしみ感を生じた。加えて、風乾時は指通りが悪く、ぱさつき感があった。また、乾いた髪にコンディデョニング保持効果は無く、ハリコシ感も無かった。
尚、コンディショニング保持効果およびハリコシ感についてのテスト結果は、コンディショニング保持効果を認めた者は被験者50人中1人、ハリコシ感を認めた者は被験者50人中4人であった。
【0224】
比較例2のシャンプー組成物は、経時安定性が悪く、製剤として不適であった。
【0225】
比較例3、4のシャンプー組成物を適用した場合は、発泡性、洗浄性は良好、泡質もきめ細やかで弾力性を有していたが、すすぎ時に多少きしみを感じた。風乾時は指通り悪く、乾燥後、髪にコンディデョニング保持効果は無く、また、ごわつきを感じ、自然な風合いを持つ仕上がりでは無かった。さらに、12時間放置した髪はべとついていた。
尚、比較例3のシャンプー組成物を適用した場合の、コンディショニング保持効果およびハリコシ感についてのテスト結果は、コンディショニング保持効果を認めた者は被験者50人中0人、ハリコシ感を認めた者は被験者50人中7人、また、比較例4のシャンプー組成物を適用した場合の、コンディショニング保持効果およびハリコシ感についてのテスト結果は、コンディショニング保持効果を認めた者は被験者50人中0人、ハリコシ感を認めた者は被験者50人中5人であった。
【0226】
比較例5、6のシャンプー組成物を適用した場合は、発泡性、洗浄性は良好、泡質もきめ細やかで弾力性があったが、すすぎ時に明らかなきしみを感じた。風乾時の指通りは良好ではあるが、実施例1〜4と比較すると、髪のコンディショニング保持効果は明らかに弱く、また、ごわつきがあり、自然な風合いを持つ仕上がりと言えるものでは無かった。
尚、比較例5のシャンプー組成物を適用した場合の、コンディショニング保持効果およびハリコシ感についてのテスト結果は、コンディショニング保持効果を認めた者は被験者50人中12人、ハリコシ感を認めた者は被験者50人中15人、比較例6のシャンプー組成物を適用した場合の、コンディショニング保持効果およびハリコシ感についてのテスト結果は、コンディショニング保持効果を認めた者は被験者50人中15人、ハリコシ感を認めた者は被験者50人中9人であった。
【0227】
比較例7のシャンプー組成物を適用した場合は、洗浄性は良好であったものの、実施例1〜4と比較すると、発泡性は明らかに劣り、ついで毛髪をすすいだ時、湿った毛髪のなめらかさ、しなやかさも明らかに劣った。また、乾燥した毛髪も、なめらかさ、しなやかさは、実施例1〜4と比較すると明らかに劣っていた。さらに、毛髪に対して、ハリコシ感のある弾力性に富み、かつ、自然な風合いを持つ仕上がりと言えるものでは無かった。コンディショニング効果の持続という点でも、実施例1〜4と比較して、明らかに劣っていた。
尚、比較例7のシャンプー組成物を適用した場合の、コンディショニング保持効果およびハリコシ感についてのテスト結果は、コンディショニング保持効果を認めた者は被験者50人中19人、ハリコシ感を認めた者は被験者50人中1人であった。
【産業上の利用可能性】
【0228】
叙上のとおり、本発明によれば、第4級アンモニウム基を持つ少なくとも一のシリコーンと特定構造のシリル化ウレタン系樹脂を、必要に応じ、さらに、これらにカチオン性ポリマーを配合することにより、コンディショニング持続効果に優れるとともに、ハリコシ感を付与するシャンプー組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第4級アンモニウム基を持つ少なくとも一のシリコーンとシリル化ウレタン系樹脂とが配合されてなり、pHが5〜9であることを特徴とするシャンプー組成物。
【請求項2】
前記第4級アンモニウム基を持つシリコーンが、次の一般式(1)〜(4):
【化30】

[上式中:
― R1 は同一又は異なっており、直鎖状又は分枝状のC1 ‐C30アルキル基又はフェニル基を表し;
− R2 は同一又は異なっており、‐Cc 2c‐O‐(C2 4 O)a ‐(C3 6 O)b ‐R5 又は‐Cc 2c‐O‐(C4 8 O)a ‐R5 を表し;
ここでR5 は同一又は異なっており、次の式:
【化31】

の基から選択され、ここで:
− R8 基は独立して、直鎖状又は分枝状のC1-22アルキル又はC2-22アルケニル基で一又は複数のOH基を担持していてもよいものを表すか、又はCh 2h1 COR9 基を表し;
− R6 、R7 及びR9 は同一又は異なっており、一又は複数のOH基を担持していてもよい直鎖状又は分枝状のC1-22アルキル又はC2-22アルケニル基を表すか、又はR7 はR8 の一部と共に、複素環(N、O、P等の少なくとも一のヘテロ原子を有する環)を形成してよく、該複素環は特にイミダゾリンであり、
− mは0〜20の間で変化し;
− nは0〜500の間で変化し;
− pは1〜50の間で変化し;
− qは0〜20の間で変化し;
− rは1〜20の間で変化し;
− aは0〜50の間で変化し;
− bは0〜50の間で変化し;
− cは0〜4の間で変化し;
− fは0〜4の間で変化し;
− gは0〜2の間で変化し、好ましくは1に等しく;
− hは1〜4の間で変化し、好ましくは3に等しく;
− Z1 は酸素原子又はNHを表し;
− X1 −は、カルボキシラート、スルファート、ハロゲン化物等の一価の無機又は有機アニオンを表す]
で表わされるシリコーンから選択される請求項1記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
前記シリコーンが一般式(3)で表わされるものである請求項2記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
前記シリコーンが、次の条件:
− cが2又は3に等しく;
− R1 がメチル基を示し;
− a及びbが0に等しく;
− nが0〜100の間で変化し;
− qが0に等しく;
− f=3;
− g=1;
− R6 及びR7 がメチル基を示し;
− R8 が‐(CH2 )‐NHCOR9 基を示す;
の少なくとも一つを満たす一般式(3)に相当するものである請求項3記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
前記シリコーンがクオタニウム−80である請求項4記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
前記第4級アンモニウム基を持つシリコーンが、水溶液又は水分散液又は水懸濁液の形態である請求項1〜5のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
前記第4級アンモニウム基を持つシリコーンの配合量が0.001〜10質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項8】
前記シリル化ウレタン系樹脂が次の下記一般式(5)で表わされる請求項1〜7のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【化32】

(但し、A1 はウレタンポリマーの骨格に当たる残基、Nは該ウレタンポリマーのイソシアネート基に由来する窒素原子であり、B1 は下記一般式(6)〜(8)のいずれかで示される基であり、ξは1〜20である。)
【化33】

(但し、R10は炭素数1〜6個のアルキル基、R11は水素原子又は炭素数1〜6個のアルキル基、R12及びR14は炭素数1〜10個の側鎖があっても良いアルキレン基又はアリーレン基、R13は炭素数1〜20個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基、R15は水素原子又は式−COOR16で示される基であり、R16は炭素数1〜20個のアルキル基である。s は1〜3の整数である。)
【請求項9】
前記一般式(5)で示されるシリル化ウレタン系樹脂が、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を含むものである請求項8記載のシャンプー組成物。
【請求項10】
前記一般式(6)〜(8)におけるRが、エチル基である請求項8記載のシャンプー組成物。
【請求項11】
前記一般式(5)で示されるシリル化ウレタン系樹脂中、X部分のケイ素原子の割合が、0.1〜1.5質量%である請求項8記載のシャンプー組成物。
【請求項12】
前記シリル化ウレタン系樹脂がポリウレタン−24である請求項8記載のシャンプー組成物。
【請求項13】
前記シリル化ウレタン樹脂の配合量が0.005〜10質量%である請求項1〜12のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項14】
前記一般式(5)で示されるシリル化ウレタン系樹脂の配合量が、0.01〜10質量%である請求項8記載のシャンプー組成物。
【請求項15】
更に、少なくとも一のカチオン性ポリマーを含有してなる請求項1〜14のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項16】
前記カチオン性ポリマーが、互いに異なる少なくとも2つのカチオン性ポリマーである請求項15記載のシャンプー組成物。
【請求項17】
前記カチオン性ポリマーが、ポリマー主鎖の一部を形成可能であるか、又はそこに直接結合される側方置換基により担持され得る、第1級、第2級、第3級及び/又は第4級アミン基を有する単位を含むものから選択される請求項15又は16記載のシャンプー組成物。
【請求項18】
前記カチオン性ポリマーが:
(1)次の式(9)〜(12):
【化34】

[上式中:
19は同一又は異なっており、水素原子又はCH3 基を示し;
2 は同一又は異なっており、直鎖状又は分枝状で、1〜6の炭素原子のアルキル基、又は1〜4の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基を表し;
20、R21及びR22は同一又は異なっており、1〜18の炭素原子のアルキル基又はベンジル基を表し;
17及びR18は同一又は異なっており、水素又は1〜6の炭素原子を有するアルキル基を表し;
2 - が無機又は有機酸から誘導されたアニオンを示す]
の単位の少なくとも一つを有する、アクリル酸又はメタクリル酸エステル又はアミドから誘導されたホモポリマー又はコポリマー;
(2)カチオン性多糖類;
(3)酸素、硫黄又は窒素原子、もしくは芳香環又は複素環が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状鎖を有する二価のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基とピペラジニル単位からなるポリマー、並びにこれらのポリマーの酸化及び/又は第4級化生成物;
(4)酸化合物とポリアミンとの重縮合により特に調製された水溶性ポリアミノアミド類で、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和の二無水物、二不飽和誘導体、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、アルキルビスハライド、もしくはビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、アルキルビスハライド、エピハロヒドリン、ジエポキシド又は二不飽和誘導体と反応性である二官能性化合物の反応の結果生じたオリゴマーで架橋されていてもよいもので;
ここで架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基当たり0.025〜0.35モルの範囲の割合で使用され;
アルキル化されるか、あるいはそれらが一又は複数の第3級アミン官能基を含む場合には第4級化されてもよいポリアミノアミド類;
(5)ポリカルボン酸とポリアルキレンポリアミン類を縮合させ、続いて二官能性剤でアルキル化して得られるポリアミノアミド類;
(6)3〜8の炭素原子を有する、飽和した脂肪族のジカルボン酸、及びジグリコール酸から選択されるジカルボン酸と、少なくとも一の第2級アミン基と、2つの第1級アミン基を有するポリアルキレンポリアミンとを反応させて得られるポリマー;
(7)ジアルキルジアリルアンモニウム又はアルキルジアリルアミンのシクロポリマー;
(8)次の式(13):
【化35】

{上式中:
23、R24、R25及びR26は同一又は異なっており、1〜20の炭素原子を有する脂肪族、脂環式又はアリール脂肪族基、もしくは低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を示すか、又はR23、R24、R25及びR26は、共同して又は別々に、それらが結合する窒素原子とともに、窒素以外の第2のヘテロ原子を含有していてもよい複素環を形成するか、又はR23、R24、R25及びR26は、R27がアルキレンで、D1 が第4級アンモニウム基である、‐CO‐NH‐R27‐D1 又は‐CO‐O‐R27‐D1 基、又はニトリル、エステル、アシル、アミドで置換された直鎖状又は分枝状のC1 ‐C6 アルキル基を示し;
3 及びB2 は、スルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第4級アンモニウム、ウレイド、アミド又はエステル基、又は一又は複数の酸素又は硫黄原子、又は一又は複数の芳香環が主鎖に挿入、又は連結して含有されていてもよく、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和であってよい、2〜20の炭素原子を有するポリメチレン基を表し;
3 - は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンを示し;
3 、R23及びR25は、それらが結合する2つの窒素原子とともにピペラジン環を形成可能で;
4 が飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基を示す場合は、B2 がまた‐(CH2 n ‐CO‐D1 ‐OC‐(CH2 n - 基を示してよく、
ここでD1 は:
a)式:‐O‐Z2 ‐O‐のグリコール残基
[上式中、Z2 は、直鎖状又は分枝状の炭化水素基、又は次の式:
‐(CH2 ‐CH2 ‐O)x ‐CH2 ‐CH2
‐[CH2 ‐CH(CH3 )‐O]y ‐CH2 ‐CH(CH3 )‐
(上式中、x及びyは、定まった一つの重合度を表す1〜4の整数を示すか、あるいは、平均重合度を表す1〜4の任意の数を示す)
の一つに相当する基を示す];
b)ピペラジン誘導体等の二第2級ジアミン残基;
c)式:‐NH‐Y1 ‐NH‐の二第1級ジアミン残基
[上式中、Y1 は、次の式:
‐CH2 ‐CH2 ‐S‐S‐CH2 ‐CH2
で示される二価の基、又は直鎖状又は分枝状の炭化水素基を示す];
d)式:‐NH‐CO‐NH‐のウレイレン基;
を示し、
好ましくは、X3 - が一価の無機又は有機のアニオンである}
に相当する繰り返し単位を含有する第4級ジアンモニウムポリマー;
(9)次の式(14):
【化36】

[上式中:
28、R29、R30及びR31は同一又は異なっており、水素原子、又はメチル、エチル、プロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル又は‐CH2 CH2 (OCH2 CH2 w OH基を表し、
wは0に等しいか、又は1〜6の整数であり、但し、R28、R29、R30及びR31は同時には水素原子を示さず、
t及びvは同一又は異なっており、1〜6の整数であり、
uは0、又は1〜34の整数であり、
4 はハロゲン原子を示し、
4 はジハライドの基を示すか、あるいは好ましくは‐CH2 ‐CH2 ‐O‐CH2 ‐CH2 ‐を示す]
の単位からなるポリ第4級アンモニウムポリマー;
(10)第4級ビニルピロリドン及びビニルイミダゾールポリマー;
(11)「ポリエチレングリコール(15)獣脂ポリアミン」等のポリアミン類;
(12)メタクリロイルオキシ(C1 ‐C4 アルキル)トリ(C1 ‐C4 アルキル)アンモニウム塩の架橋ポリマー;
(13)キチン誘導体、ポリ第4級ウレイレン類、ポリアミン類とエピクロロヒドリンの縮合物、ビニルピリジン又はビニルピリジニウム単位を有するポリマー、ポリエチレンイミン類等のポリアルキレンイミン類;
から選択される少なくとも一のカチオン性ポリマーである請求項15〜17のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項19】
前記カチオン性ポリマーが、カチオン性シクロポリマー類、カチオン性多糖類、ビニルイミダゾールとビニルピロリドンの第4級ポリマー、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマーである請求項15〜18のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項20】
前記カチオン性シクロポリマーが、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマー、及びアクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマーから選択される請求項19記載のシャンプー組成物。
【請求項21】
前記カチオン性多糖類が、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩で変性したデンプン、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩で変性したグアーガム、及びトリメチルアンモニウム基で置換したエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースから選択される請求項19記載のシャンプー組成物。
【請求項22】
前記ビニルイミダゾールとビニルピロリドンの第4級ポリマーが、ビニルピロリドンとメチルビニルイミダゾリウム塩のコポリマーから選択される請求項19記載のシャンプー組成物。
【請求項23】
前記カチオン性ポリマーが、少なくとも一のカチオン性多糖類と少なくとも一のジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマー、及びアクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマーとを含有する請求項19記載のシャンプー組成物。
【請求項24】
カチオン性ポリマーの配合量が、0.001〜20質量%である請求項15〜23のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項25】
更に、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有してなる請求項1〜24のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項26】
更に、少なくとも1種の付加的なコンディショナーを含有してなる請求項1〜25のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項27】
前記付加的なコンディショナーが、シリコーン類、少なくとも12の炭素原子を有するカルボン酸エステル、植物性油、鉱物性油、合成油、及びそれらの混合物から選択される請求項26記載のシャンプー組成物。
【請求項28】
媒体が、水、又は水と化粧品的に許容可能な溶媒との混合物からなる請求項1〜27のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項29】
前記溶媒が、C1 ‐C4 低級アルコール、アルキレングリコール、ポリオールエーテル、C5 ‐C10アルカン類、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸C1 ‐C4 アルキル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、及びそれらの混合物から選択される請求項28記載のシャンプー組成物。
【請求項30】
更に、アニオン性、非イオン性又は両性ポリマー、酸又は電解質等の非ポリマー増粘剤、粉末成分、油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、保湿剤、天然水溶性高分子、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、多価アルコール、糖類、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、ビタミン類、プロビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、電解質、乳白剤、真珠光沢剤、天然または合成セラミド類から選択される少なくとも一の添加剤を含有してなる請求項1〜29のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項31】
シャンプー、アフターシャンプー、毛髪のパーマネントウエーブ、ストレート化、染色又は脱色用の組成物、パーマネントウエーブ又は毛髪ストレート化の2つの工程の間に適用されてすすがれる組成物の形態である請求項1〜30のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項32】
ケラチン繊維を洗浄又はトリートメントするためのものである請求項1〜30のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項33】
毛髪をつややかにするためのものである請求項1〜32のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項34】
毛髪をしなやかにするためのものである請求項1〜32のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項35】
毛髪にハリコシを与えるためのものである請求項1〜32のいずれか1項に記載のシャンプー組成物。
【請求項36】
請求項1〜35のいずれか1項に記載のシャンプー組成物を毛髪等のケラチン繊維に適用し、ついで、すすぐ、又は、すすがないことからなる、ケラチン繊維のトリートメント方法。

【公開番号】特開2012−232953(P2012−232953A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104207(P2011−104207)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(505029229)株式会社パイモア (3)
【Fターム(参考)】