説明

シャンプー製剤

本発明は、アニオン界面活性剤と、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドとを含む水性組成物に関する。本組成物、特にシャンプー製剤の形態にあるものは、それで処理される毛髪のボリュームを増加させるのに適している。さらに、そのような組成物は、スタイリング性を与え、毛髪の潤いのある櫛通りを向上させる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、アニオン界面活性剤と、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドとを含む水性組成物に関する。本組成物、特にシャンプー製剤の形態にあるものは、それで処理される毛髪のボリュームを増加させるのに適している。さらに、そのような組成物は、スタイリング性を与え、毛髪の潤いのある櫛通り(wet−combability)を向上させる。
【0002】
毛髪が細いまたは痩せている人は、毛髪にボリュームおよび腰を加えるために「ボリュームアップ(volumizing)」シャンプーを使用することが多い。しかしながら、従来のボリュームアップシャンプーは、特定の欠点(例えば、有効成分が毛髪に対して重すぎて、それにより毛髪を押し下げてしまうため、実質的なボリューム効果をもたらすことができないなど)を有する。ボリュームアップシャンプーに関連する別の欠点は、それで処理された毛髪に、はっきりと分かるほどのスタイリング性および潤いのある櫛通りをもたらすことができないことである。
【0003】
したがって、毛髪にボリュームを付与し、なおその上に、毛髪のスタイリング性を改善し、潤いのある櫛通りを向上させ、かつ毛髪を堅くするまたは過度にべたつかせることのない、ヘアケア組成物の必要性が引き続き存在する。
【0004】
驚くことに、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドを、アニオン界面活性剤と一緒に含む水性組成物が、上記の課題を克服することが見出された。
【0005】
したがって、一実施形態において、本発明は、アニオン界面活性剤と、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドの有効量とを含む水性組成物に関する。
【0006】
特定の実施形態において、水性組成物は、シャンプー製剤、特にボリュームアップシャンプー製剤である。
【0007】
用語「有効量」とは、一般的に、全組成物の重量に基づく重量による少なくとも0.01重量%の少なくとも1つの濃度を意味する。好ましくは、0.01〜20重量%の濃度、最も好ましくは0.05〜10重量%の濃度、特に0.5〜2重量%の範囲内の濃度が用いられる。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、本発明に従う組成物を適用することにより毛髪を処理する方法に関する。特に、本発明は、本発明に従う組成物を毛髪に適用することにより毛髪のボリュームを増加させるための方法に関する。
【0009】
本発明はまた、毛髪のボリュームを増加させるための、本発明に従う組成物の使用に関する。
【0010】
好適なアニオン界面活性剤の例には、アルキルスルファート、アルキルエーテルスルファート、アルキルアリールスルホナート、アルカノイルイソチオナート、アルキルスクシナート、アルキルスルホスクシナート、アルキルエーテルスルホスクシナート、N−アルキルサルコシナート、アルキルホスファート、アルキルエーテルホスファート、およびアルキルエーテルカルボン酸ならびにそれらの塩、特に、それらのナトリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩ならびにモノ、ジおよびトリエタノールアミン塩がある。アルキル基およびアシル基は、一般的には8〜18個、好ましくは10〜16個の炭素原子を含み、不飽和であり得る。アルキルエーテルスルファート、アルキルエーテルスルホスクシナート、アルキルエーテルホスファートおよびアルキルエーテルカルボン酸ならびにそれらの塩は、1分子当たり1〜20個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位を含み得る。
【0011】
特に、アニオン界面活性剤は、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸ナトリウム)、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム(ALS)、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム(ラウレス硫酸アンモニウム)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸およびN−ラウリルサルコシンナトリウムまたはそれらの混合物から選択される。好ましいアニオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO(ここで、nは1〜4であり、特に、nは3である)、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム(n)EO(ここで、nは1〜4であり、特に、nは3である)、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム(n)EO(ここで、nは1〜4であり、特に、nは3である)またはそれらの混合物である。
【0012】
本発明の全ての実施形態において、アニオン界面活性剤は、好ましくは、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ナトリウムラウロイルサルコニサート、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ナトリウムドデシルベンゾールスルホナート(sodium dodecylbenzol sulfonate)および/またはトリエタノールアミンドデシルベンゾールスルホナートまたはそれらの混合物から選択され、特に、アニオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよび/またはラウリルエーテル硫酸アンモニウムから選択される。
【0013】
本発明に従う組成物中のアニオン界面活性剤の総量は、組成物の総重量に基づき、0.5〜45重量%、好ましくは1.5〜35重量%、より好ましくは7〜25重量%、特に7〜15重量%の範囲にわたる。
【0014】
少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有する好適なハイパーブランチポリエステルアミドおよび製造方法は、参照により本明細書に援用される国際公開第2007/144189号パンフレット(例えば、特に、第1頁第17行〜第2頁第17行、第3頁第13行〜第6頁第15行)に開示されている。そのようなハイパーブランチポリエステルアミドの調製に好適なプロセスは、第6頁第22行〜第10頁第24行に開示されている。少なくとも1つの第二級アミド結合を含む第四級化されていないハイパーブランチポリエステルアミドの調製のための典型的なプロセスは、例えば、国際公開第2007/144189号パンフレットの実施例2および3に例示されている。第四級化のための典型的なプロセスは、国際公開第2007/144189号パンフレットの実施例8および9に例示されている。
【0015】
好ましくは、ハイパーブランチポリエステルアミドの少なくとも1つの第二級アミド結合は、それに対してβ位にアルコール基またはエステル基を有する。特に具体的には、第二級アミド結合は、トリスヒドロキシメチル−アミノメタンおよび/または2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールから、特にトリスヒドロキシメチル−アミノメタンから誘導される。
【0016】
少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有する本発明の目的にとって特に興味深いハイパーブランチポリエステルアミドは、一般式HN(R)のジアルキルアミンおよび/または一般式HO−R−N(R)のアルコール官能性アミン(式中、RおよびRはジ−(C1〜20−アルキル)アミノ−C1〜20−アルキル基であるか、またはRおよびRは一緒にN−複素環式環(好ましくは5または6員環)を形成し、RはC1〜20−アルキルであり、酸素基も含み得る)と、ジカルボン酸またはその環状酸無水物と、トリス−ヒドロキシメチル−アミノメタンまたは2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールとの縮合、それに続く国際公開第2007/144189号パンフレットおよび本発明の実施例のそれぞれに開示されるようなプロセスに従うアミノ基の第四級化により得られ得る。ジアルキルアミンおよび/またはアルコール官能性アミンと、ジカルボン酸またはその環状酸無水物と、トリス−ヒドロキシメチル−アミノメタンおよび2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールとの混合物もまた好適である。好ましくは、環状酸無水物が縮合反応において用いられ、最も好ましくは、環状酸無水物は、無水コハク酸およびその誘導体ならびに/または無水フタル酸およびその誘導体から(例えば、特に、無水コハク酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸および/または無水ドデセニルコハク酸から)選択され、ジアルキルアミンは、ビス(ジ(メ)エチルアミノ)エチルアミン、ビス(ジ(メ)エチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジ(メ)エチルアミノヘキシル)アミンおよび/またはN−メチルピペラジンから、特に、ビス(ジ(メ)エチルアミノプロピル)アミンおよび/またはN−メチルピペラジンから選択される。
【0017】
一般式HO−R−N(R)の好ましいアルコール官能性アミンは、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチル−ビスアミノエチルエーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールおよび/またはN,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、特に、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミンである。
【0018】
本発明の全ての実施形態において、本発明の目的に特に好適な第四級化アミン末端基は、第四級化されたジ(メ)エチルアミノエチル基、ジ(メ)エチルアミノプロピル基、ジ(メ)エチルアミノヘキシル基および/またはN−メチルピペラジニル基、特に、第四級化されたジ(メ)エチルアミノプロピル基および/またはN−メチルピペラジニル基である。
【0019】
ハイパーブランチポリエステルアミドの第四級化アミン末端基は、例えばJerry March,「Advanced organic chemistry」,第4版,Wiley−Interscience p.411ffに記載されるような標準的な手順に従い、第四級化されていないハイパーブランチポリエステルアミドの窒素原子と慣用の第四級化剤との反応により調製され得る。
【0020】
好ましくは、ハイパーブランチポリエステルアミドのアミン末端基は、直鎖または分岐の(C〜C)アルキル基、特に、直鎖飽和(C〜C)アルキル基を用いて(例えば、特に、メチル基、および/またはエチル基で)第四級化されるか、またはそれらはベンジル基を用いて第四級化される。対イオンは、通常、第四級化剤から生ずるが、必要であれば交換され得る。好ましくは、対イオンは、塩化物および/またはMeSOおよび/またはEtSOであり、特に、対イオンは、MeSOおよび/またはEtSOである。他の第四級化剤は、エポキシド(例えば、シクロヘキセンオキシドおよびグリシジルエーテル)およびエステル(例えば、グリシドールおよびグリシジルメタクリラート)である。ベタイン基を得るのに適した薬剤は、クロロ酢酸および(メタ)アクリル酸である。本発明の全ての実施形態において、好ましいアミン末端基は、メチル基またはエチル基で第四級化された、第四級化ジ(メ)エチルアミノプロピル基またはN−メチルピペラジニル基であり、特に具体的には、第四級化アミン末端基は、トリ(メ)エチルアンモニウムプロピル基である。
【0021】
別の好ましい実施形態において、好ましいアミン末端基であるジ(メ)エチルアミノプロピルまたはN−メチルピペラジニルは、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドで第四級化されている。
【0022】
少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドのアミン末端基の好ましい第四級化度は、20%と100%との間、より好ましくは50%と100%との間、最も好ましくは80%と100%との間(例えば、特に、約95%〜100%)である。
【0023】
本発明に従うハイパーブランチポリエステルアミドの分子量は、用いられる異なる合成単位の比率により、特に、分岐単位(すなわち、トリス−ヒドロキシメチル−アミノメタン/2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール)とジカルボン酸またはその環状酸無水物との比率によって調節され得、その比率は、当業者により容易に選択され得る。分子量に対する末端ブロック基(すなわち、ジアルキルアミン/アルコール官能性アミン)の影響もまた、計算され得る。しかしながら、分子量が高いほど、ハイパーブランチポリエステルアミドの分子量に対する末端ブロック基の影響は小さくなる。
【0024】
好ましくは、分岐単位とジカルボン酸またはその環状酸無水物との比率は、1.01:1.0〜2.0:1.0の範囲内、好ましくは1.05:1.0〜1.5:1.0の範囲内、最も好ましくは、1.1:1.0〜1.4:1.0の範囲内で選択される。
【0025】
好ましくは、分岐単位とジカルボン酸またはその環状酸無水物との比率によって決定される分子のコアのOH末端基の量の20〜100%、好ましくは50%と98%との間、最も好ましくは80%と95%との間が、末端ブロック基で修飾される。
【0026】
好ましくは、本発明に従う組成物に組み込まれた少なくとも1つの第二級アミド結合を含む第四級化ハイパーブランチポリエステルアミドの重量平均分子量は、600g/モルと50,000g/モルとの間、より好ましくは、800g/モルと25,000g/モルとの間、特に、2000g/モルと25,000g/モルとの間、特に具体的には、5000g/モルと20,000g/モルとの間である。
【0027】
好ましくは、数平均分子量は、500g/モルと15,000g/モルとの間、より好ましくは、700g/モルと4,000g/モルとの間、最も好ましくは1000g/モルと3000g/モルとの間である。
【0028】
好ましくは、1分子当たりの第四級化アミン末端基の平均数は、2と250との間、より好ましくは4と50との間、最も好ましくは6と25との間である。
【0029】
分子量は、GPCによる標準的な手順に従って決定され得る。
【0030】
特定の実施形態において、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドは、無水コハク酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸および/または無水ドデセニルコハク酸、特に、無水コハク酸、無水ヘキサヒドロフタル酸および/または無水ドデセニルコハク酸、とりわけ、無水コハク酸および/または無水ドデセニルコハク酸から選択される環状酸無水物と、ビス(ジ(メ)エチルアミノプロピル)アミンおよび/またはN−メチルピペラジンから選択されるジアルキルアミンおよび/またはN,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミンと、トリス−ヒドロキシメチル−アミノメタンとの縮合、それに続くメチル基での(例えば、ジメチルスルファートでの)アミノ末端基の部分的もしくは完全な第四級化により、またはクロロ酢酸ナトリウムでの第四級化により得られ得る。最も好ましくは、合成単位は、5,000g/モルと20,000g/モルとの間の重量平均分子量が得られるような比率で選択される。
【0031】
特に具体的な実施形態において、本発明に従うハイパーブランチポリエステルアミドは、無水コハク酸および/または無水ドデセニルコハク酸と、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミンと、トリス−ヒドロキシメチル−アミノメタンとの縮合、それに続くメチル基での(例えば、ジメチルスルファートでの)アミノ末端基の完全な(すなわち95%以上の)第四級化により得られ得る。但し、合成単位は、5,000g/モルと20,000g/モルとの間の重量平均分子量が得られるような比率で選択される。
【0032】
縮合反応が、室温または高温での、好ましくは約20℃と約120℃との間での一工程手順で行われて、アミンのアミノ基とジカルボン酸またはその無水物のカルボキシ基との間にアミノ結合を形成し得、その後、高温での、好ましくは120℃と250℃との間での、水分を好ましくは蒸留により除去しながらの重縮合によりポリエステルアミドが得られる。この一工程手順は、溶媒を用いても用いなくても行われ得る。好適な溶媒は、有機溶媒(例えば、メチル−イソブチルケトン、ブチルアセタート、メチルシクロヘキサンまたはトルエン)である。蒸留による水分の除去は、減じた圧力もしくは高めた圧力にて(例えば、1.10Paより高い圧力にて、もしくは低圧(1.10Pa未満)の状態で)または共沸的に行われ得る。
【0033】
本発明に従う組成物は、好ましくは、組成物の総重量に基づき50〜98重量%、好ましくは60〜90重量%の水を含む。
【0034】
本発明の全ての実施形態において、アニオン界面活性剤と、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドとの比率は、好ましくは、20:1〜0.5:1、特に10:1〜5:1の範囲内である。
【0035】
好ましい実施形態において、本発明に従う組成物は、毛髪に適用され、次いで洗い流されることになるシャンプー製剤である。
【0036】
特に好ましい実施形態において、本発明は、アニオン界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよび/またはラウリルエーテル硫酸アンモニウムから選択され、そのアニオン界面活性剤と少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドとの比率が、20:1〜0.5:1、特に10:1〜5:1の範囲内である、シャンプー製剤に関する。
【0037】
別の好ましい実施形態において、本発明は、アニオン界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよび/またはラウリルエーテル硫酸アンモニウムから選択され、ハイパーブランチポリエステルアミド1分子当たりの第四級化されたジ(メ)エチルアミノプロピル末端基および/またはN−メチルピペラジニル末端基、特にジ(メ)エチルアミノプロピル末端基の平均数は3と50との間であり、第四級化度は80〜100%の範囲内である、シャンプー製剤に関する。アミン末端基は、好ましくは、ジメチルスルファートまたはジエチルスルファートで第四級化される。
【0038】
本発明に従う組成物は、性能および/または消費者受容性(consumer acceptability)を高めるためのさらなる成分(例えば、防腐剤、酸化防止剤、脂肪性物質/油脂、シリコーン、増粘剤、軟化剤、乳化剤、遮光剤(light−screening agent)、消泡剤、保湿剤、香料、共界面活性剤(co−surfactant)、賦形剤、金属イオン封鎖剤、カチオン性、非イオン性、もしくは両性のポリマーまたはそれらの混合物、酸性化または塩基性化剤、染料、着色剤、顔料またはナノ顔料、真珠光沢付与剤(pearlizer)または乳白剤、有機または無機粒子、粘度調整剤、および天然毛髪栄養薬(例えば、植物性薬品、果実エキス、糖誘導体および/またはアミノ酸)あるいは洗い流される組成物に通常よく配合される任意の他の成分)を含み得る。補助剤および添加剤の必要量は、所望の製品に基づき当業者により容易に選択され得るものであり、実施例において例示されるがそれらに限定されない。
【0039】
シャンプー製剤は、組成物に美的、物理的または洗浄特性を付与するのを助けるために、好ましくは、共界面活性剤を含む。
【0040】
共界面活性剤の例には、非イオン界面活性剤あり、製剤の総重量に基づき0.5〜8重量%、好ましくは2〜5重量%の範囲にわたる量で含まれ得る。例えば、本発明に従うシャンプー製剤に含まれ得る代表的な非イオン界面活性剤としては、脂肪族(C〜C18)の第一級もしくは第二級の直鎖または分岐鎖のアルコールと、アルキレンオキシド(通常、エチレンオキシド)との縮合生成物(一般的に、6〜30個のエチレンオキシド基を有する)が挙げられる。他の代表的な非イオン界面活性剤としては、モノまたはジアルキルアルカノールアミド(例えば、ココモノまたはジエタノールアミドおよびココモノイソプロパノールアミドなど)が挙げられる。さらに、本発明のシャンプー製剤に含まれ得る非イオン界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)である。典型的に、APGは、1つ以上のグリコシル基から成るブロックに(必要に応じて架橋基を介して)連結されたアルキル基を含むAPG(例えば、Oramix NS 10(Seppic);Plantacare 818UP、Plantacare 1200およびPlantacare 2000(Cognis)など)である。
【0041】
共界面活性剤の別の例には、両性または両性イオン界面活性剤があり、これらは、シャンプー製剤の総重量に基づき0.5〜約8重量%、好ましくは1〜4重量%の範囲にわたる量で含まれ得る。両性または両性イオン界面活性剤の例としては、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシナート、アルキルカルボキシグリシナート、アルキルアンホアセタート、アルキルアンホプロピオナート、アルキルアンホグリシナート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウラートおよびアシルグルタマートであって、アルキル基およびアシル基が8〜19個の炭素原子を有するものが挙げられる。本発明に従うシャンプー製剤における使用のための典型的な両性および両性イオン界面活性剤としては、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン(CAPB)、ココアンホ酢酸ナトリウムおよびココアンホ二酢酸二ナトリウムが挙げられる。本発明のシャンプー製剤において使用されるべき特に好ましい両性または両性イオン界面活性剤は、ココアミドプロピルベタインである。
【0042】
上記の両性または両性イオン界面活性の任意のものの混合物もまた、好適であり得る。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインと、さらなる上記の両性または両性イオン界面活性剤との(例えば、特に、ココアンホ酢酸ナトリウムとの)混合物である。
【0043】
驚くことに、追加量の両性または両性イオン界面活性剤を含むシャンプー製剤が、毛髪のボリュームを増加させるのに特に適しているということが見出された。したがって、特に好ましい局面において、本発明は、アニオン界面活性剤と、両性または両性イオン界面活性剤と、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドとを含むシャンプー製剤に関する。好ましくは、アニオン界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウムおよび/またはラウレス硫酸ナトリウムから選択され、両性または両性イオン界面活性剤は、コカミドプロピルベタインであり、そして第四級化アミン末端基は、第四級化されたジ(メ)エチルアミノプロピル基および/またはN−メチルピペラジニル基から選択される。特に、第四級化アミン末端基は、トリ(メ)エチルアンモニウムプロピル基である。
【0044】
別の特定の好ましい局面において、アニオン界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウムおよび/またはラウレス硫酸ナトリウムから選択され、両性または両性イオン界面活性剤は、コカミドプロピルベタインであり、ハイパーブランチポリエステルアミド1分子当たりのジ(メ)エチルアミノプロピル基および/またはN−メチルピペラジニル基から選択される第四級化アミン末端基の平均数は、3と50との間であり、そして第四級化度は、80〜100%の範囲内である。アミン末端基は、好ましくは、ジメチルスルファートおよび/またはジエチルスルファートで第四級化される。最も好ましくは、第四級化アミン末端基は、トリ(メ)エチルアンモニウムプロピル基である。
【0045】
本発明に従うシャンプー製剤中の界面活性剤(あらゆる共界面活性剤、および/またはあらゆる乳化剤を含む)の総量は、一般的に、組成物の総重量に基づき1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは5〜25重量%、特に9〜15重量%である。
【0046】
さらに好ましい実施形態において、本発明に従う組成物は、ヒドロトロープも含む。ヒドロトロープは、界面活性剤の水への溶解度を改善する物質である。ヒドロトロープの例には、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、クロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、プロリン、ピロガロール、レゾルシノールおよび尿素がある。本発明の全ての実施形態において、好ましくはキシレンスルホン酸ナトリウムが、ヒドロトロープとして使用される。本発明に従う組成物中のヒドロトロープの総量は、組成物の総重量に基づき0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、特に1〜5重量%の範囲にわたる。
【0047】
本発明に従う特定の好ましいシャンプー製剤は、アニオン界面活性剤と、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドと、両性または両性イオン界面活性剤と、ヒドロトロープとを含む。好ましくは、アニオン界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウムおよび/またはラウレス硫酸ナトリウムから選択され、両性または両性イオン界面活性剤は、コカミドプロピルベタインであり、ヒドロトロープはキシレンスルホン酸ナトリウムである。特定の好ましい実施形態において、第四級化アミン末端基は、トリ(メ)エチルアンモニウムプロピル基である。
【0048】
本発明に従うシャンプー製剤はまた、さらにコンディショニング性能を高めるためにカチオン性ポリマーを含み得る。好適なカチオン性ポリマーは、カチオン基で置換された(cationically substituted)ホモポリマーである場合も、2種以上のモノマーから形成されたものである場合もある。これらのポリマーの重量平均分子量(Mw)は、一般的に、100,000ダルトンと2百万ダルトンとの間である。好適なカチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン性アミンまたは第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと水溶性スペーサーモノマー(例えば、(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリラート、ビニルカプロラクトンならびにビニルピロリドン)とのコポリマーが挙げられる。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくはC〜Cアルキル基、より好ましくはC1〜3アルキル基を有する。他の好適なスペーサーとしては、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが挙げられる。
【0049】
カチオン性アミンは、組成物の個々の種類およびpHに依存して、第一級、第二級または第三級アミンであり得る。一般的に、第二級および第三級アミンが好ましく、特に、第三級が好ましい。
【0050】
アミン置換ビニルモノマーおよびアミンは、アミン形態で重合され、次いで第四級化によりアンモニウムに転化され得る。
【0051】
カチオン性ポリマーは、アミン置換および/または第四級アンモニウム置換モノマーおよび/または適合するスペーサーモノマーから誘導されるモノマー単位の混合物を含み得る。
【0052】
好適なカチオン性ポリマーとしては、例えば、
−カチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー(例えば、当業界(CTFA)ではそれぞれポリクオタニウム−6(Polyquaternium 6)およびポリクオタニウム−7(Polyquaternium 7)と呼ばれる、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーおよびアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマーが挙げられる)、
−3〜5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモおよびコポリマーのアミノ−アルキルエステルの鉱酸塩(米国特許第4,009,256号明細書に記載される)、
−カチオン性ポリアクリルアミド(国際公開第95/22311号パンフレットに記載される)
が挙げられる。
【0053】
使用され得る他のカチオン性ポリマーとしては、カチオン性多糖類ポリマー(例えば、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体、およびカチオン性グアーガム誘導体)が挙げられる。
【0054】
別の種類のカチオン性セルロースとしては、トリメチルまたはラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの重合体第四級アンモニウム塩(当業界(CTFA)ではそれぞれポリクオタニウム−10(Polyquaternium 10)およびポリクオタニウム−24(Polyquaternium 24)と呼ばれる)が挙げられる。これらの材料は、Amerchol Corporationから、例えば、Ucare Polymer JRまたはUcare Polymer LMという商品名で入手可能である。
【0055】
他の好適なカチオン性多糖類ポリマーとしては、第四級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許第3,962,418号明細書に記載される)、およびエーテル化されたセルロースおよびデンプンのコポリマー(例えば、米国特許第3,958,581号明細書に記載される)が挙げられる。使用され得るカチオン性多糖類ポリマーの特に好適な種類は、カチオン性グアーガム誘導体(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドまたはヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(RhodiaからJAGUAR商標シリーズで市販されている)である。そのような材料の例には、JAGUAR C13S、JAGUAR C14S、JAGUAR C17;JAGUAR C162およびJAGUAR Excelがある。
【0056】
上記のカチオン性ポリマーのうちの任意のものの混合物が使用され得る。
【0057】
1種または複数種のカチオン性ポリマーは、一般的に、本発明のシャンプー製剤中に、組成物の総重量に基づくカチオン性ポリマーの総重量により、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.08〜0.5重量%のレベルで含まれる。
【0058】
好ましくは、本発明のシャンプー製剤は、懸濁剤をさらに含む。好適な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーおよびアクリル系エステルのコポリマー、アクリル酸およびアクリル酸エステルの架橋コポリマー、ヘテロ多糖類ガム、ならびに結晶質長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアラート、16〜22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアラートおよびポリエチレングリコール3ジステアラートは、組成物に真珠光沢感(pearlescence)を付与するため、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能性の薬剤で架橋させたアクリル酸のポリマーもまた使用され得、それらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941、Carbopol 980およびCarbopol Ultrez 10 Polymerとして市販されている。カルボン酸含有モノマーおよびアクリル酸エステルの好適なコポリマーの例には、Carbopol 1342、Carbopol Ultrez 20またはCarbopol Ultrez 21,Pemulen TR1またはPemulen TR2がある。全てのCarbopolまたはPemulen(商標)材料が、Noveon Consumer Specialitiesから入手可能である。
【0059】
好適なヘテロ多糖類ガムは、キサンタンガムであり、例えば、KelcoのKeltrol型もしくはKelzan型、RT Vanderbilt Inc.のVanzan NFまたはRhodiaのRhodicare型がある。
【0060】
上記の懸濁剤のうちの任意のものの混合物が使用され得る。好ましいものは、アクリル酸の架橋ポリマーと結晶質長鎖アシル誘導体との混合物である。
【0061】
一種または複数種の懸濁剤は、一般的に、本発明のシャンプー製剤中に、組成物の総重量に基づく懸濁剤の総重量により0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜6重量%、より好ましくは0.9〜4重量%のレベルで含まれる。
【0062】
本発明のシャンプー製剤は、さらに湿潤時および乾燥時のコンディショニング効果を最適化するために、さらなるコンディショニング剤を含み得る。
【0063】
特に好ましいさらなるコンディショニング剤は、シリコーンエマルションである。好適なシリコーンエマルションとしては、シリコーン(例えば、ポリジオルガノシロキサン、特に、ジメチコンというCTFA名を有するポリジメチルシロキサン、ジメチコノールというCTFA名を有するヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサン、およびアモジメチコンというCTFA名を有するアミノ官能性ポリジメチルシロキサン)で作られるものが挙げられる。本発明の組成物における使用に好適なシリコーンエマルションは、Dow CorningおよびGE Siliconesなどのシリコーン供給業者から入手可能である。そうした既製の(pre−formed)シリコーンエマルションの使用は、加工およびシリコーン粒子粒径の制御を容易にするために好ましい。そのような既製のシリコーンエマルションは、典型的に、好適な乳化剤(例えば、アニオン性もしくは非イオン性の乳化剤、またはそれらの混合物)をさらに含み、化学的乳化プロセス(例えば、乳化重合)によって、または高剪断ミキサーを用いた機械的乳化によって調製され得る。0.15マイクロメートル未満のSauter平均液滴径(D3,2)を有する既製のシリコーンエマルションは、一般的にマイクロエマルションと呼ばれる。好適な既製のシリコーンエマルションの例としては、エマルションDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788ならびにマイクロエマルションDC2-1865およびDC2−1870が挙げられ、これらは全て、Dow Corningから入手可能である。これらは全て、ジメチコノールのエマルション/マイクロエマルションである。同様に好適であるのは、アモジメチコンエマルション(例えば、DC939(Dow Corning)およびSME253(GE Silicones))である。同様に好適であるのは、例えば国際公開第03/094874号パンフレットに記載されるような、特定の種類の高分子量界面活性ブロックコポリマーをシリコーンエマルション液滴と混合させたシリコーンエマルションである。
【0064】
シリコーンは、一般的に、本発明の組成物中に、組成物の総重量に基づくシリコーンの総重量により0.05〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.5〜2重量%のレベルで含まれる。
【0065】
本発明に従うシャンプー製剤は、抗フケ剤をさらに含み得る。使用され得る抗フケ剤の例には、シンバゾール(cimbazole)、オクトピロックスおよびジンクピリチオンがある。慣用の皮膜形成剤としては、例えば、キトサン、微晶質キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸を高比率で含む第四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸およびそれらの塩ならびに類似の化合物が挙げられる。
【0066】
本発明に従うシャンプー製剤は、UV吸収物質(UV−filter substance)をさらに含み得る。本発明に従う組成物への組み込みに適したUV吸収物質の例としては、ベンゾフェノン(例えば、ベンゾフェノン−4またはベンゾフェノン−3など)、アクリラート(例えば、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン,PARSOL(登録商標)340))、シンナマート誘導体(例えば、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル(PARSOL(登録商標)MCX))、シロキサンに結合されたベンザルマロナート誘導体(例えば、ポリシリコーン−15(PARSOL(登録商標)SLX)など)、サリチラート誘導体(例えば、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチル、サリチル酸エチルヘキシル(PARSOL(登録商標)EHS,Neo Heliopan OS)、サリチル酸イソオクチルまたはサリチル酸ホモメチル(ホモサレート,PARSOL(登録商標)HMS,Neo Heliopan HMS))、ベンゾトリアゾール誘導体(例えば、ベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸ナトリウム)、イミダゾール誘導体(例えば、2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩(PARSOL(登録商標)HS)など)、ジベンゾイルメタン誘導体(例えば、(アボベンゾン,Parsol(登録商標)1789))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
別の実施形態において、本発明は、毛髪のボリュームを増加させるための、先に示された全ての嗜好および定義を満たす少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドの使用に関する。
【0068】
本発明を、以下の非限定的な実施例を参照してさらに説明する。これらの実施例において、特にそれ以外の指定がない限りパーセンテージは全て総重量に基づく重量による。
【0069】
[実施例1]
[少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドの合成]
399gのビス−(N,N−ジメチルアミノプロピル)アミンおよび277gの溶融無水コハク酸を、スターラーおよびコンデンサーを備え、油で加熱され得るガラス反応器に加えた。この混合物を180℃までゆっくりと加熱し、開始から30分後、124gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを加え、それから1時間半後、減圧を利用して反応水を除去した。20時間後、この混合物を冷却し、Mn=1900のガラス状のポリマーを得た。その後、50gのそのポリマーを80.6gの水に溶解させ、室温にて30.6gの硫酸ジメチルをゆっくりと加えた(最高温度は約50℃であった)。24時間後、完全に第四級化されたポリマー溶液が、すぐに使用できる状態であった。
【0070】
[実施例2]
[ボリュームアップ性能]
処方A:水中8重量%のSLES−3、1.3重量%のCAPBおよび2.7重量%のキシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)および1重量%の少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有する実施例1のハイパーブランチポリエステルアミド。
【0071】
処方B:水中8重量%のALS(ラウリル硫酸アンモニウム)、1.15重量%のCAPBおよび0.5重量%の少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有する実施例1のハイパーブランチポリエステルアミド。
【0072】
対照A:水中8重量%のSLES−3、1.3重量%のCAPBおよび2.7重量%のキシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)。
【0073】
対照B:水中8重量%のALSおよび1.15重量%のCAPB。
【0074】
切断した毛髪(管の直径の半分の長さ)を、毛髪2g当たり1mLの14/2 SLES/CAPB溶液を用いて予め2回洗浄した。その後、底に穴を切り抜いた50mLファルコン(Falcon)遠心分離管に0.5gの毛髪を入れた。ナイロンメッシュフィルターを用いて遠心分離管の穴を覆った。試料を脱イオン水(DI)水で予めすすいで毛髪が一様に安定することを可能にした。予めすすいだ後、試料を45分間乾燥させた。管の容量表示(volumetric notation)を用いて初期ボリュームを記録した。次いで、2.5mLのDI水を試料に加え、続いて0.5mLの処方物または対照をそれぞれ加え、続いて別の2.5mLのDI水を加えた。試料を手動で30秒間攪拌し、次いで排水した。次いで、管の容量表示を用いて再度、ボリュームを記録した。次いで、さらに5mLのDI水を加えて30秒間攪拌し、排水することによって試料を希釈した。これを各試料に対して4回行った。管の容量表示を用いてボリュームを記録した。最後に、試料を乾燥器に入れ、18時間にわたり40℃にて乾燥させた。その後、管の容量表示を用いて最終ボリュームを記録した。
【0075】
【表1】



【0076】
表1から分かるように、対照はボリュームの減少を示すが、本発明の処方に従う処方物は、毛髪ボリュームの増加を示す。
【0077】
[実施例3]
[ボリュームアップ性能I]
処方C:水中10重量%の少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有する実施例1のハイパーブランチポリエステルアミド、8.75重量%のSLESおよび1.25重量%のCAPB。
【0078】
処方D:14重量%のラウリル硫酸アンモニウム、2重量%のコカミドプロピルベタインおよび2重量%の少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有する実施例1のハイパーブランチポリエステルアミド。
【0079】
対照C:水中8.75重量%のSLESおよび1.25重量%のCAPB。
【0080】
対照D:14重量%のラウリル硫酸アンモニウムおよび2重量%のコカミドプロピルベタインおよび2重量%。
【0081】
切断した毛髪(管の直径の半分の長さ)を、毛髪2g当たり1mLの14/2 SLES/CAPB溶液を用いて予め2回洗浄した。その後、底に穴を切り抜いた50mLファルコン遠心分離管に0.5gの毛髪を入れた。ナイロンメッシュフィルターを用いて遠心分離管の穴を覆った。試料をDI水で予めすすいで毛髪が一様に安定することを可能にした。予めすすいだ後、試料を45分間乾燥させた。管の容量表示を用いて最初のボリュームを記録した。全ての実験を三重に行った。
【0082】
次いで、毛髪を2.5mLの水および0.5mLの処方物CまたはDのそれぞれで濡らし、続いてさらなる2.5mLのDI水で濡らした。次に、その毛髪の管を約30秒間振盪させ、次いで排水し、ボリュームを測定した。次に管を一晩中乾燥させ、再度、ボリュームを測定した。
【0083】
表2にその結果を示す。
【0084】
【表2】



【0085】
表2から分かるように、対照は両方のシャンプーについてほんの僅かなボリュームの増加を示すに過ぎないが、本発明の処方に従う処方物は、乾燥後の毛髪ボリュームの顕著な増加を示す。
【0086】
[ボリュームアップ性能II]
【0087】
【表3】



【0088】
処方E、Fに従うシャンプーおよび市販のボリュームシャンプーを用いて、以下の手順に従い、視覚的な毛髪ボリュームを検出するボリューム試験を実施した。
【0089】
1製品当たり10個の標準的なヘアピース(hair switch)(4g、長さL=14cm)を用いる。各ヘアピースを15分間予め水で調整し、14%ナトリウムアルキル(C12〜14)ポリエチレングリコールエーテル(2EO)−スルファートで2回洗浄し、1分間浸漬し、1分間十分に水(37℃)ですすぐ。
【0090】
22℃±1℃の温度および55%±5%の相対湿度で24時間にわたり調整した後、6°刻みで回転するヘアピースのデジタル写真を撮る。ヘアピースの関連する個々の形状をデジタル写真解析により計算する(初期値)。
【0091】
その後、試験製品を、1ヘアピース当たりの規定量で適用し、1分間揉み込み、そのまま2分間維持し、1分間水ですすぐ。湿ったヘアピースを24時間室温(22℃±1℃および相対湿度55%±5%)にて調整する。
【0092】
もう一度、ヘアピースを測定し、デジタル画像解析により計算して測定値を得る。
【0093】
洗浄サイクルを5サイクル連続して行い、各毛髪洗浄後に、結果としてもたらされるヘアピースのボリュームを測定した。
【0094】
5サイクル後、以下のボリュームを検出した。
【0095】
【表4】



【0096】
最高のボリューム増加は、本発明に従うシャンプー(すなわち、処方E)について見出された。最も劣るボリュームアップ性能は、市販のボリュームシャンプーについて見出された。
【0097】
[実施例4]
[ボリュームアップ効果を有する透明シャンプー]
【0098】
【表5】



【0099】
部分1)の成分を全て加え、均一な溶液が得られるまで激しく混ぜる。次いで、緩やかな攪拌の下で水を加え、泡が消えるまで待つ。最後に、増粘剤(例えば、塩化ナトリウムまたはCrothix LVR)を注意深く加える。
【0100】
[実施例5]
[ボリュームアップ効果を有する水和シャンプー]
【0101】
【表6】



【0102】
部分1の成分を全て加え、均一な溶液が得られるまで激しく混ぜる。緩やかな攪拌の下で水を加え、泡が消えるまで待つ。次いで、増粘剤(例えば、塩化ナトリウムまたはCrothix LVR)を注意深く加える。
【0103】
[実施例6]
[ボリュームアップ効果を有する色保護のための水和シャンプー]
【0104】
【表7】



【0105】
部分1の成分を全て加え、均一な溶液が得られるまで激しく混ぜる。緩やかな攪拌の下で水を加え、泡が消えるまで待つ。次いで、増粘剤(例えば、塩化ナトリウムまたはCrothix LVR)を注意深く加える。
【0106】
[実施例7]
[ボリュームアップ効果を有する抗フケ用シャンプー]
【0107】
【表8】



【0108】
[実施例8]
[ボリュームアップ効果を有するコンディショナーシャンプー]
【0109】
【表9】



【0110】
[実施例9]
[植物エキスを含みボリュームアップ効果を有するシャンプー]
【0111】
【表10】



【0112】
[実施例10]
[ボリュームアップ効果を有するグロスシャンプー]
【0113】
【表11】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニオン界面活性剤と、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有するハイパーブランチポリエステルアミドの有効量とを含む水性組成物。
【請求項2】
前記水性組成物が、ボリュームアップシャンプー製剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アニオン界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ナトリウムラウロイルサルコニサート、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ナトリウムドデシルベンゾールスルホナートおよび/またはトリエタノールアミドデシルベンゾールスルホナートから選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アニオン界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよび/またはラウリルエーテル硫酸アンモニウムから選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記アニオン界面活性剤の量が、前記組成物の総重量に基づき7〜25重量%の範囲内にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記アニオン界面活性剤と、少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有する前記ハイパーブランチポリエステルアミドとの比率が、10:1〜5:1の範囲内にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有する前記ハイパーブランチポリエステルアミドが、一般式HN(R)のジアルキルアミンおよび/または一般式HO−R−N(R)のアルコール官能性アミン(式中、RおよびRはジ−(C1〜20−アルキル)アミノ−C1〜20−アルキル基であるか、またはRおよびRが一緒にN−複素環式環を形成し、RはC1〜20−アルキルであり、酸素基も含み得る)と、ジカルボン酸またはその環状酸無水物と、トリス−ヒドロキシメチル−アミノメタンまたは2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールとの縮合、それに続くアミノ基の第四級化により得られ得る、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記第四級化アミン末端基が、第四級化されたジ(メ)エチルアミノエチル基、ジ(メ)エチルアミノプロピル基、ジ(メ)エチルアミノヘキシル基、および/またはN−メチルピペラジニル基から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記アミン末端基の第四級化度が、約80〜100%の範囲内である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの第二級アミド結合を含み且つ少なくとも1つの第四級化アミン末端基を有する前記ハイパーブランチポリエステルアミドの量が、前記組成物の総重量に基づき0.05〜10重量%の範囲内である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
追加量の両性または両性イオンの共界面活性剤が存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記両性または両性イオンの共界面活性剤が、コカミドプロピルベタインである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
追加量のヒドロトロープが存在する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記ヒドロトロープが、キシレンスルホン酸ナトリウムである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載される組成物が毛髪に適用される、毛髪を処理する方法。
【請求項16】
毛髪のボリュームを増加させるための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2011−524882(P2011−524882A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514052(P2011−514052)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057646
【国際公開番号】WO2009/153333
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】