説明

シャーベット状または粒状氷用の包装袋、それを用いた封入方法および包装体

【課題】包装袋の中にシャーベット状または粒状の氷を簡単に封入することができ、また、包装体を積み重ねた際に塊状となることを防止することができ、更に、使用時に素早く簡単に開封できるシャーベット状または粒状氷用の包装袋、それを用いた封入方法および包装体を提供する。
【解決手段】外袋11と内袋12とからなり、底部1aで外袋11と内袋12とが接合され且つ封鎖されている二重構造を有するシャーベット状または粒状氷用の包装袋1であって、内袋12が外袋の開口部11bからはみ出していて、底部1aに内袋12を開封する易開封手段を有していることを特徴とするシャーベット状または粒状氷用の包装袋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明においては、シャーベット状または粒状氷用の包装袋、それを用いた封入方法および包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、小型漁船等により出漁する場合には、出漁前に漁獲した鮮魚類の鮮度保持用としてシャーベット状または粒状氷を仕入れ、袋詰めして漁船等に運び込み、漁船の保冷庫等に貯蔵する。このシャーベット状または粒状氷は、漁獲した際に袋を開封してトロ箱に入れて使用する。従来、シャーベット状または粒状氷を封入する包装袋としては、単なる一重の包装袋を使用するのが一般的であった。
【0003】
袋詰めしたシャーベット状または粒状の氷は、漁船に積み込むまでの搬送時や、漁船の保冷庫等に保管する際、何段にも積み重ねて取り扱われる。その際、一重の袋では重ねた圧力によって袋の中のシャーベット状または粒状氷は塊状となってしまうという問題がある。これを改善する方法としては、包装袋を二重構造とし、外側の袋と内側の袋の間に緩衝層となる空気層を設けることが考えられる。
しかしながら、単に二重構造としたものではシャーベット状または粒状の氷を封入する包装袋として好適に用いることができない。すなわち、シャーベット状または粒状氷を封入する包装袋は、多量の氷をほぼ一定量ずつ封入していなかければならない。特に、二重構造として空気層を設ける場合には、封入作業に空気を注入する工程も増え作業効率が悪くなるという問題がある。さらに、漁獲した際には、包装体を素早く開封して、包装体の中のシャーベット状または粒状氷を一度に取り出すことが要求され、これらの要求性能を満たすシャーベット状または粒状氷用の包装袋はなかった。
【0004】
なお、従来から、特定の被包装物を入れるために開発された二重構造を有する包装袋は種々提案されている。例えば、特許文献1には、充填時に液状であり取り出し時に固化しているマーガリンなどの食品を入れるのに用いる袋として、外層袋の中に内層袋が挿入され、内層袋の開口部にテープ状層間易剥離材が介在するスパウト付きのバッグインボックス用内袋が提案されている。また、特許文献2には、精密機器などの外部からの衝撃に弱い被包装物を搬送するために用いる包装袋として、外袋と、この外袋の中にヒートシールにより一体的に設けられた内袋とからなり、外袋の周囲の一部をチャックにより開閉自在としたものが提案されている。ただし、シャーベット状または粒状氷に用いる包装袋は提案されていない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−284194号公報
【特許文献2】特開2002−145878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明においては、上述するように、包装袋の中にシャーベット状または粒状の氷を簡単に封入することができ、また、包装体を積み重ねた際に塊状となることを防止することができ、更に、使用時に素早く簡単に開封できるシャーベット状または粒状氷用の包装袋、それを用いた封入方法および包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は、
(1)外袋11と内袋12とからなり、底部1aで外袋11と内袋12とが接合され且つ封鎖されている二重構造を有するシャーベット状または粒状氷用の包装袋1であって、内袋12が外袋の開口部11bからはみ出していて、底部1aに内袋12を開封する易開封手段を有していることを特徴とするシャーベット状または粒状氷用の包装袋。
(2)前記易開封手段が、両外層がシーラント層201で、芯層が易剥離層202であるテープ状易開封材20を、内袋12に介在させて封鎖したものであることを特徴とする、(1)記載のシャーベット状または粒状氷用の包装袋。
(3)(1)または(2)記載の包装袋1の内袋の開口部12bからシャーベット状または粒状の氷を入れた後、内袋の開口部12bをヒートシールし、次いで、外袋の開口部11bを、空気を注入できる程度の未シール部を残してヒートシールし、前記未シール部から外袋11に空気を注入した後、前記未シール部をヒートシールすることを特徴とする封入方法。
(4)(1)または(2)記載の包装袋1の内袋の開口部12bからシャーベット状または粒状氷を入れた後、内袋を開口部12b側から外袋11の中に折り込んで内袋の開口部12bに封をし、次いで、外袋の開口部11bを、空気を注入できる程度の未シール部を残してヒートシールし、前記未シール部から外袋11に空気を注入した後、前記未シール部をヒートシールすることを特徴とする封入方法。
(5)(1)または(2)記載の包装袋1の内袋の開口部12bからシャーベット状または粒状氷を入れた後、次いで、外袋の開口部11bを、空気を注入できる程度の未シール部を残してヒートシールし、前記未シール部から外袋11に空気を注入した後、前記未シール部をヒートシールすることを特徴とする封入方法。
(6)(3)〜(5)のいずれかに記載の封入方法によりシャーベット状または粒状氷が封入された包装体。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るシャーベット状または粒状氷用の包装袋1は、二重構造とした包装袋1の内袋12の中にシャーベット状または粒状氷を入れ、外袋11と内袋12の間に空気を注入して封入する作業を好適に行うことができる。また、搬送時や貯蔵時に積み重ねてもシャーベット状または粒状氷が圧力により塊状となるのを防止することができる。更に、シャーベット状または粒状氷を取り出す際に簡単に開封できるので、シャーベット状または粒状の氷を一度に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシャーベット状または粒状氷用の包装袋の一実施形態の構成を示す概略平面図であり、図2は、図1に示す包装袋の底部の状態を示す概略断面図である。
本発明に係るシャーベット状または粒状氷用の包装袋1は、外袋11と内袋12とからなり、底部1aで外袋11と内袋12とが接合され且つ封鎖されている二重構造を有するシャーベット状または粒状氷用の包装袋1であって、内袋12が外袋の開口部11bからはみ出していて、底部1aに内袋12を開封する易開封手段を有していることを特徴とするものである。
【0010】
外袋11、内袋12に使用されるプラスチックフィルムとしては特に限定がなく透明でも不透明でもよいが、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン系樹脂からなるフィルムやポリアミド系樹脂からなるフィルムなど、約0℃でも柔軟性を有するフィルムが好適に用いられる。また、強度や安全性等の面から複数枚のフィルムを積層したものであってもよい。
【0011】
本発明の包装袋1に用いられる外袋11と内袋12の形状としては、特に限定するものではなく外袋11と内袋12は必ずしも同じ形状である必要はないが、外袋11と内袋12とが共に矩形の袋状体であることが好ましい。また、本発明の外袋11は、幅方向において内袋12よりも長く形成され、幅方向と直交する方向において内袋12よりも短く形成されている。
【0012】
内袋を開封する易開封手段としては、特に限定するものではなく、例えば、(1)包装袋1の底部の側端にV字やI字のノッチなどを設ける方法、(2)カットテープを貼着する方法、(3)テープ状易開封材を内袋に介在させて封鎖する方法などの種々の方法であってもよい。この中でも、(3)テープ状易開封材を内袋の内面に介在させて封鎖する方法は、袋本体を切断せずに開封できることから特に好ましい。
テープ状易開封材20は、図2に示すように、両外層が熱融着可能なシーラント層201と、芯層が融着が困難な難融着樹脂からなり手で剥離可能な易剥離層202とからなる。尚、両最外層のシーラント層201と芯層の易剥離層202との間には、耐熱性に優れた基材層等を設けたものが特に好ましい。又、芯層の易剥離層202は、部分的に比較的接着強度の弱い樹脂からなる樹脂層と接着剤や粘着剤からなる層を積層させたものが用いられる。更に、テープ状易開封材20の包装袋の中央側端部がシーラント層で被覆されていることが好ましい。
【0013】
次に、本発明に係る包装袋1の製袋方法の一例を図1に基づいて説明する。
先ず、2枚のフィルムを重ね合わせ両側縁12cをヒートシールして内袋12となる筒体を形成する。次に、この内袋12となる筒体の両側に、底部が一致するようにフィルムを被せ、両側端11cをヒートシールして外袋11となる筒体を形成する。こうして、外袋11となる筒体の内側に内袋12となる筒体を有する二重構造の筒体が得られる。次いで、内袋12となる筒体の底部12aにテープ状易開封材20を介在させて、外袋11及び内袋12の底部をヒートシールし、外袋11と内袋12とを底部で接合する。
この場合、テープ状易開封材20が、内袋12の袋内に突出するように取り付けるのが好ましい。又、衝撃強度を向上させるために、ヒートシールを複数本設けることが好ましい。更に、衝撃強度を向上させるために、テープ状易開封材20と内袋12とのヒートシール位置を、表裏で異なるようにすることが好ましい。
このときに、内袋12は、外袋11よりも長く作られているので、内袋12が外袋の開口部11bからはみ出した形状になっている。このようにして、本発明の包装袋1を製造することができる。
なお、易開封手段として、V字やI字のノッチを用いる場合は、前記二重構造の筒体の内袋11と外袋12の底部をヒートシールすると共に接合して、袋状に形成した後、V字やI字のノッチを設けることで、本発明の包装袋1を製造することができる。
【0014】
包装袋1にシャーベット状または粒状の氷を封入する際、例えば、以下の方法が挙げられる。
第一の方法としては、先ず、内袋の開口部12bからシャーベット状または粒状氷を入れる。次に、内袋の開口部12bをヒートシールした後、外袋の開口部11bを、空気を注入できる程度の未シール部を残してヒートシールする。ヒートシールした後、未シール部から外袋11に空気を注入して内袋12の周囲を空気層で覆うようにして未シール部をヒートシールすることで、シャーベット状または粒状氷を封入した包装体を得ることができる。
その際、本発明に係る包装袋1は、内袋12が外袋の開口部11bからはみ出していることから、内袋の開口部12bが開けやすくなっており、内袋12の中にシャーベット状または粒状氷を入れやすい。また、本発明に係る包装袋1は、内袋12が外袋の開口部11bからはみ出し、内袋12が露出していることから、内袋の開口部12bをヒートシールする作業を簡便に行うことができる。
また、未シール部からの空気を注入する際はエアーノズル等で行うことが可能である。その際、本発明に係る包装袋1は、外袋11と内袋12とが底部1aで接合され、外袋の側縁11cと内袋の側縁12cとが離間していることから、この離間部分を通って内袋12の表裏を覆うように空気が行き届き、一回の空気注入作業で内袋12を覆う空気層を形成することができる。
なお、未シール部を残してヒートシールする際、未シール部の位置や数は特に限定するものではないが、外袋の側縁11cに隣接して未シール部が残されていることが特に好ましい。
【0015】
第二の方法としては、内袋の開口部12bからシャーベット状または粒状氷を入れた後、内袋12を開口部12b側から外袋11の中に折り込んで内袋の開口部12bに封をし、次いで、空気注入部材が挿入できる程度の未シール部を残して外袋の開口部11bをヒートシールし、未シール部から外袋11に空気を注入した後、未シール部をヒートシールすることで、シャーベット状または粒状氷を封入した包装体を得ることができる。
なお、内袋の開口部12bを封する方法は、特に限定しないが、例えば、テープなどで留めることが好ましい。
この方法の場合、本発明に係る包装袋1は、内袋12が外袋の開口部11bからはみ出しているので、内袋のはみ出し部分が折り曲げ代となり、内袋12内の容量を大きく確保することが可能となる。
【0016】
第三の方法としては、内袋の開口部12bからシャーベット状または粒状氷を入れた後、外袋の開口部11bを、空気を注入できる程度の未シール部を残してヒートシールする。ヒートシール後、未シール部から外袋11に空気を注入して内袋12の周囲を空気層で覆うようにして、未シール部をヒートシールすることで、シャーベット状または粒状氷を封入した包装体を得ることができる。
【0017】
この方法の場合、本発明に係る包装袋1は、内袋12が外袋の開口部11bからはみ出しているので、未シール部に空気を注入する際に、内袋11がガイドとなって外袋11と内袋12の間の開口部分に正確に挿入することができる。そして、この方法の場合には、内袋の開口部12bをヒートシールするなどの工程が必要ないことから、第一の方法や第二の方法に比べて工程数が減り作業効率が向上する。
【0018】
上述する封入方法により得られる包装体は、搬送時や保管時に積み重ねた場合であっても、中のシャーベット状または粒状氷が塊状化することを防止することができ、更に、底部1aに易開封手段を有することで簡単に開封することができて、中のシャーベット状または粒状氷を一度に取り出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明に係るシャーベット状または粒状氷用の包装袋は、小型漁船等により出漁する場合に、漁獲した鮮魚類の鮮度保持するために用いるシャーベット状または粒状氷を搬送するための包装袋として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るシャーベット状または粒状氷用の包装袋の一実施形態の構成を示す概略平面図である。
【図2】図1に示すシャーベット状または粒状氷用の包装袋の底部の状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 袋
1a 底部
11 外袋
11a 外袋の底部
11b 外袋の開口部
11c 外袋の側縁
12 内袋
12a 内袋の底部
12b 内袋の開口部
12c 内袋の側縁
20 テープ状易開封手段
201 シーラント層
202 易剥離層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外袋11と内袋12とからなり、底部1aで外袋11と内袋12とが接合され且つ封鎖されている二重構造を有するシャーベット状または粒状氷用の包装袋1であって、
内袋12が外袋の開口部11bからはみ出していて、底部1aに内袋12を開封する易開封手段を有していることを特徴とするシャーベット状または粒状氷用の包装袋。
【請求項2】
前記易開封手段が、両外層がシーラント層201で、芯層が易剥離層202であるテープ状易開封材20を、内袋12に介在させて封鎖したものであることを特徴とする請求項1記載のシャーベット状または粒状氷用の包装袋。
【請求項3】
請求項1または2記載の包装袋1の内袋の開口部12bからシャーベット状または粒状の氷を入れた後、内袋の開口部12bをヒートシールし、
次いで、外袋の開口部11bを、空気を注入できる程度の未シール部を残してヒートシールし、
前記未シール部から外袋11に空気を注入した後、前記未シール部をヒートシールすることを特徴とする封入方法。
【請求項4】
請求項1または2記載の包装袋1の内袋の開口部12bからシャーベット状または粒状氷を入れた後、
内袋を開口部12b側から外袋11の中に折り込んで内袋の開口部12bに封をし、
次いで、外袋の開口部11bを、空気を注入できる程度の未シール部を残してヒートシールし、
前記未シール部から外袋11に空気を注入した後、前記未シール部をヒートシールすることを特徴とする封入方法。
【請求項5】
請求項1または2記載の包装袋1の内袋の開口部12bからシャーベット状または粒状氷を入れた後、
次いで、外袋の開口部11bを、空気を注入できる程度の未シール部を残してヒートシールし、
前記未シール部から外袋11に空気を注入した後、前記未シール部をヒートシールすることを特徴とする封入方法。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれかに記載の封入方法によりシャーベット状または粒状氷が封入された包装体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−120418(P2008−120418A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306102(P2006−306102)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(000206473)大倉工業株式会社 (124)
【Fターム(参考)】