説明

シュウ酸塩に関連した症状を治療する方法及び組成物

対象発明は、1つの態様において、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を含むシュウ酸分解組成物に関する。この組成物は、菌のバイオサンプルの不溶性の濃縮成分を含む。また、この組成物は、1.9以上のpHでシュウ酸塩を分解するのに効果的である。この組成物は、ペプシン、トリプシン、及び、キモトリプシンのようなプロテアーゼ分解から保護される。この組成物は、対象の胃、小腸、及び/又は、大腸の条件に耐えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年11月25日出願の米国仮特許出願第61/281,907号、及び、2010年5月20日出願の米国仮特許出願第61/395,929号に関し、35 USC 119の下で優先権が主張される。
【0002】
連邦政府がスポンサーを務める開発に関するステートメント
本発明は、国立補完代替医療センター(NCCAM)、及び、国立衛生研究所(NIH)によって与えられた、許可番号1R43AT006065−01の下、政府支援でなされた。政府は、本発明に一定の権利を有している。
【背景技術】
【0003】
毎年、およそ300万人が、腎臓結石のために医療従事機関を訪れる。米国では、これらの300万人の患者のうち50万以上が、腎臓結石関連の症状に苦しむ。腎臓結石は、非常に一般的で、かつ、痛みを伴う尿路疾患である。最も一般的なタイプの石は、シュウ酸又はリン酸と結合したカルシウムを含んでおり、そのうち約70%は、シュウ酸カルシウムである(ツジハタ,M.(Tsujihata,M.)(2008)シュウ酸カルシウム腎結石形成のメカニズム、及び、尿細管細胞傷害(Mechanism of calcium oxalate renal stone formation and renal tubular cell injury),Int J Urol 15,115−120、ダウドン,M.(Daudon,M.),ドレー,J.C.(Dore,J.C.),ユンガー,P.(Jungers, P.),及び、ラクーア,B.(Lacour,B.)(2004)患者の年齢及び性別による石の組成物の変化:疫学的多変量手法(Changes in stone composition according to age and gender of patients:a multivariate epidemiological approach),Urol Res 32,241−247)。多くの病状は、以下のものを含む、体内での過剰量のシュウ酸塩に関連する。原発性シュウ酸尿症、続発性過シュウ酸尿症、自閉症、外陰部痛、末期腎不全に関連するシュウ酸症、心臓伝導障害、クローン病、炎症性腸疾患、大腸炎、尿石症、末期腎不全に関連するシュウ酸症、サーコイドーシス、喘息、COPD、結合組織炎、ゼルウィガー症候群、肥満手術、及び、他の腸疾患の状態。
【0004】
シュウ酸塩は、通常、植物中で生成され、主として、葉、ナッツ、果物、及び、樹皮で発見される。食品では、シュウ酸塩は、野菜、穀物、ナッツ、豆、及び、飲料を含む植物性食物で特に高レベルで発見される。シュウ酸塩の通常の1日の摂取量は80〜120mg/日であるが、44〜350mg/日の間で変動することができる。食餌性のシュウ酸塩は、食物中で、ナトリウム塩、カリウム塩、又は、カルシウム塩を形成してもよい。
【0005】
シュウ酸塩は、胃、並びに、小腸及び大腸を含む胃腸管(GI管)の全体にわたって吸収され得る。したがって、これらの器官内の食餌性のシュウ酸塩の除去は、シュウ酸エステルの吸収を防ぐのに効果的である。食餌性のシュウ酸塩の吸収は、尿中シュウ酸分泌の10〜70%に寄与する。また、尿中シュウ酸カルシウムの過飽和への重大な寄与の可能性もある(ホームズ,R.P.(Holmes,R.P.)、グッドマン,H.O.(Goodman,H.O.)、及び、アッシーモス,D.G.(Assimos,D.G.)(2001)尿中シュウ酸排泄への食餌性のシュウ酸塩の寄与(Contribution of dietary oxalate to urinary oxalate excretion),Kidney Int 59,270−276)。シュウ酸カルシウム過飽和は、シュウ酸カルシウム結石の決定的な原動力であると考えられている。したがって、シュウ酸カルシウム過飽和を減少させることによって、結石の危険性は、恐らく著しく減少するだろう。
【0006】
システム内の食餌性のシュウ酸塩の吸収を低下させる、あるいは、除去することにより、結石の危険性を著しく減少させることで知られる治療戦略は、たとえあったとしても、極めて少ない。食餌性のシュウ酸エステル吸収を制限する1つの方法は、胃、並びに、小腸及び大腸と接触するシュウ酸分解酵素を経口で投与することだろう。このような治療の提供における課題は、過酷な酸性の胃環境である。これが、低いpH、及び、高いペプシン活性環境で、酵素が残存し、機能することを困難にする。また、小腸及び大腸は、高レベルのトリプシン及びキモトリプシン活性のために、酵素の存続には困難な環境を提供する。胃のpHは、健康に関連する個々の胃症状、並びに、食事の量及び内容を含む、いくつかの因子に影響を受ける。これらの因子は、1.9〜5.5の間の幅広い胃のpH範囲をもたらし得る。ヒトの胃のpHは、酸性ポケットの存在のために非均質である。したがって、この酸性のpH範囲内で安定で、かつ、効き目があるため、ヒトの治療に効果的であるシュウ酸分解酵素を発見することが必須である。さらに、シュウ酸分解酵素は、腸管の条件に耐えることができる5.5〜8.0のpH範囲内で安定してなければならない。シュウ酸分解酵素は、小腸及び大腸におけるトリプシン及びキモトリプシンからだけでなく、胃におけるペプシン消化からも保護されなければならない。
【発明の概要】
【0007】
対象発明は、1つの実施形態において、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を含むシュウ酸分解組成物を提供する。この組成物は、菌のバイオサンプルの不溶性の濃縮成分を含み、1.9以上のpHでシュウ酸塩を分解するのに効果的である。本明細書で使用されるような用語「バイオサンプル」は、興味のある種からの複数の細胞、又は、細胞を含有する組織を指す。通常の実施形態では、バイオサンプルは、均質化される、もしくは、そうでなければ、バイオサンプルの細胞が粉々になる、又は、溶解するように破壊される。OxDC及びOxOxは、細胞の不溶性の成分、すなわち、細胞内の水溶性でないタンパク質や他の構造(細胞壁/細胞膜)、で一般的に見つかる。バイオサンプルの不溶性の成分は、不水溶性の成分から水及び水溶性の細胞成分の少なくとも一部を除去することにより濃縮することができる。不溶性の成分の濃縮は、ろ過、遠心分離、凍結乾燥、及び/又は、単純乾燥のような、この分野で通常の手段によって行われ得る。別の実施形態では、対象のシュウ酸塩の量を減らす方法が提供される。この方法は、対象への少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を含む治療上効果的な量の組成物を投与することを含む。この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、酵素が対象の消化管において可溶のシュウ酸塩を分解するように、pHレベルが1.9〜6.3で活性である酵素を含む。
【0008】
別の実施形態では、対象のシュウ酸関連の病状を予防/治療する方法が提供される。この方法は、必要とする対象への組成物を含む治療上効果的な量の少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を投与することを含む。シュウ酸関連の病状は、次の1つを含む。原発性シュウ酸尿症、自閉症、続発性過シュウ酸尿症、クローン病、炎症性腸疾患、大腸炎、心臓伝導障害、尿石症、外陰部痛、肥満手術、サーコイドーシス、喘息、COPD、結合組織炎、ゼルウィガー症候群、末期腎不全に関連するシュウ酸症、及び、他の腸疾患状態。
【0009】
さらなる実施形態では、包装材料、及び、効果的な量のシュウ酸分解酵素を含む製品が提供される。包装材料は、錠剤、キャンディー、小袋、タブレット、大袋、棒、及び/又は、食品添加物の少なくとも1つを含む。
【0010】
またさらなる実施形態では、シュウ酸関連の病状を治療する方法が提供される。この方法は、このような治療を必要とする対象へ、治療上効果的な量の第1の組成物及び第2の組成物を共投与することを含む。ここで、第1の組成物は、対象の胃において酵素を放出し、第2の組成物は対象の腸管において酵素を放出する。この方法は、酵素が放出される際、第1の組成物は、胃においてシュウ酸塩を分解し、第2の組成物は、腸管においてシュウ酸塩を分解することを提供する。
【0011】
またさらなる実施形態では、菌源由来のシュウ酸分解組成物が提供される。この組成物は、少なくとも第1の組成物及び第2の組成物を含む。第1の組成物は、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を含む。ここで、第1の組成物は、1.9〜6.3のpH範囲内のpHで少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を放出する。第2の組成物は、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を含む。ここで、前記第2の組成物は、5.5〜8.0のpH範囲内のpHで少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を放出する。
【0012】
別の実施形態では、包装材料、及び、効果的な量のシュウ酸分解酵素を備える製品が提供される。この製品は、第1の組成物を含む。ここで、第1の組成物は、第1のpH範囲内のpHで使用可能である。また、この製品は、第2の組成物を含む。ここで、第2の組成物は、第2のpH範囲内のpHで使用可能である。この製品は、少なくとも第1のシュウ酸分解酵素及び第2のシュウ酸分解酵素を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、pH1.9〜6.3における、3つの菌種からのOxDCのpH活性プロファイルを示すグラフを示す。
【0014】
【図2】図2は、3つの菌種からのOxDcの熱的安定性を示す。
【0015】
【図3】図3は、pH5.0〜8.5における、ブーゲンビレア・ブーゲンビリア(Bougainvillea buganvilla)からのOxOxのpH活性プロファイルを示すグラフを示す。
【0016】
【図4】ボレタス・フラヴィポラス(Boletus flaviporus)、コプリヌス・コマタス(Coprinus cometus)からのOxDC、コプリヌス・コマタス(Coprinus cometus)からの配合されたOxDCのためのpH活性プロファイル
【0017】
【図5】2.3、3.4、及び、5.2のpH値を有する3つの食物混合サンプルにおけるアグロキベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)からのOxDCを用いた可溶性シュウ酸塩の分解
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、対象のシュウ酸塩を分解するための新しい組成物を開発するという本発明者らの研究に基づく。実施例2で提供されるような、本発明に必要な120以上の異なるキノコ類で、OxDC活性が評価された。これらの多くは、食用のキノコ、又は、医薬で使用されたキノコである。これらのキノコ菌類の多くからのOxDC活性は、pH1.9〜2.5、2.5〜3.0、3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、5.0〜5.5、5.5〜6.0、6.0〜6.3で安定で、かつ、活性があり、ペプシン消化から保護された。さらに、菌類のいくつかの菌株は、70℃を超える温度で安定で、かつ、OxDC活性を示す。この性質は、安定性を予想するのに非常に有用である。したがって、この本発明は、これらのpH及び熱に対して安定したシュウ酸分解酵素を備える。
【0019】
したがって、対象発明の1つの実施形態では、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を含むシュウ酸分解組成物が提供される。この組成物は、菌のバイオサンプルの不溶性の濃縮成分を含み、1.9以上のpHでシュウ酸塩を分解するのに効果的である。対象発明の別の態様は、配合され、かつ、1.9〜5.5のpH範囲内のpHで活性である酵素を含む少なくとも1つのシュウ酸分解酵素、及び/又は、5.0〜8.0のpH範囲内のpHで活性である第2の酵素、あるいは、第1及び第2の酵素の組み合わせを含む組成物を提供する。対象発明のより具体的な実施形態では、この組成物は、この酵素がシュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、及び/又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備えるように含まれる。
【0020】
シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)は、シュウ酸塩を分解する酵素である。本明細書で開示されたOxDC組成物は、通常は、将来性のある治療・医療食又は栄養補助食品、あるいは、他の治療戦略となる理想的な性質を有する、食用又は無毒の菌類に由来する。というのは、これらが、例示されたpHレベルの1.9〜2.5、2.5〜3.0、3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、5.0〜5.5、5.5〜6.0で安定で、かつ、活性であるためである。本発明のOxDC組成物は、細胞内であるかもしれない。あるいは、膜結合型かもしれず、さもなければ、細胞壁に関係しているかもしれない。ペプシン消化からのOxDC組成物の状態は、胃、小腸、大腸において摂取された大多数のシュウ酸塩を分解することができる。OxDCは、発酵によって増殖された菌類の菌糸体、あるいは、これらの菌類によって形成された子実体又はキノコから調合することができる。OxDCを含む、これらの菌の菌糸体、あるいは、洗浄したキノコ又は子実体は、溶液、粉末、あるいは、挽く、つぶす、懸濁する、混合する、又は、この分野の知識を有する者に知られているような他の適切な処理によって他の配合物にすることができる。菌糸体、キノコ、又は、子実体の調合品は、その後、乾燥させて、タブレット又はカプセルに配合する、あるいは、小袋に包装される、あるいは、棒にする、あるいは、キャンディーにする、あるいは、食品組成物、あるいは、この分野の知識を有する者に知られているような他の適切な流通手段に組み込まれる。1つの態様では、対象発明のシュウ酸分解組成物は、食事及びシュウ酸塩を含むスナックで摂取することができる。このような製品は、ヒト及び非ヒトにおける、シュウ酸カルシウム結石の生じる集団、あるいは、他のシュウ酸塩関連の症状の中で広い応用がある。このような組成物は、1つの個別の態様では、非全身性シュウ酸塩、GI管、とりわけ胃のシュウ酸塩を分解し、かつ、(例えば食物からの)外因性シュウ酸塩が体循環に入るのを予防するために設計される。より具体的な実施形態では、この酵素は、pH1.9〜6で活性で、かつ、安定している。
【0021】
他の実施形態によれば、シュウ酸分解酵素は、細胞壁に関連して見られる場合、pH3.0〜6.5で活性である。しかし、粒子に精製・配合された場合、ph3.0〜7.0で活性である。もう1つの他の実施形態によれば、シュウ酸分解酵素を含む組成物は、胃で安定し、かつ、活性である第1の酵素、及び、胃で安定しているが、腸管でのみ活性である第2の酵素を含む。
【0022】
もう1つのクラスのシュウ酸分解酵素であるシュウ酸オキシダーゼ(OxOx)は、高等植物及び菌類で発現され、シュウ酸塩のCOへの酸素依存の酸化を触媒し、Hを同時形成する。本発明の態様は、安定で、かつ、例示されたpHレベルの1.9〜2.5、2.5〜3.0、3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、及び、5.0〜5.5で、上記のように活性である、植物及び菌類で発見された多数のシュウ酸オキシダーゼ(OxOx)酵素に関する。ブーゲンビレア・ブーゲンビリア(Bouganvillea buganvillea)からの個別のOxOx酵素は、pH5.5〜8.0で活性であることを示されている。
【0023】
これらのOxOx及びOxDCの酵素は、これらの植物又は菌類から、あるいは、OxOx及びOxDCをそれぞれエンコーディングする遺伝子から、これらの遺伝子のクローニングによって、大腸菌、バクテリア、イースト菌、菌類、及び、哺乳類細胞を含む(が、これらに限定されない)組み換え発現システムへのサブクローニングによって、一般的に受け入れられた適切な手法を使用することによって、それぞれ直接的に調合することができる。
【0024】
精製された後、発現されたOxOx酵素は、マイクロカプセル化、PEGのような巨大分子への付着を含む(が、これらに制限されない)様々な方法により、あるいは、OxOx酵素の分子表面の改質により、胃におけるペプシン消化、並びに、小腸及び大腸におけるトリプシン及びキモトリプシンに耐えるよう配合することができる。配合された酵素は、タブレット、カプセル、小袋、キャンディー、棒にできる(が、これらに制限されない)、あるいは、他の食品組成物、あるいは、様々な流通モードのための他の配合物に組み込まれる。したがって、本発明は、これらのシュウ酸分解酵素が、胃条件の下での分解から酵素を保護する高分子材料に埋め込まれる組成物に関する。菌の菌糸体、あるいは、洗浄したキノコ又は子実体、あるいは、OxOxを含む植物原料は、溶液、粉末、あるいは、挽く、つぶす、懸濁する、混合する、又は、この分野の知識を有する者に知られているような他の適切な処理によって他の外見にされる。菌糸体、キノコ、又は、子実体の調合品、あるいは、植物原料は、その後、乾燥させて、タブレット又はカプセルに配合するか、あるいは、小袋に包装される、あるいは、棒にする、あるいは、キャンディーにする、あるいは、他の食品組成物、又は、この分野の知識を有する者に知られているような他の適切な流通手段に組み込まれる。
【0025】
もう1つの実施形態では、包装材料、及び、効果的な量のシュウ酸分解酵素を含む製品が提供される。この包装材料は、錠剤、キャンディー、タブレット、小袋、大袋、棒、及び/又は、食品添加物の少なくとも1つを備える。
【0026】
またさらなる実施形態では、包装材料、及び、効果的な量のシュウ酸分解酵素を備える製品が、提供される。この製品は、第1のpH範囲内のpHで使用可能である第1の組成物、及び、第2のpH範囲内のpHで使用可能である第2の組成物を含む。この製品は、少なくとも第1のシュウ酸分解酵素、及び、第2のシュウ酸分解酵素を含む。第1のシュウ酸分解酵素は、経口単位の第1の成分を含んでもよい。また、第2のシュウ酸分解酵素は、経口単位の第2の成分を含んでもよい。この経口単位の第1の成分は、経口単位の第2の成分を包んでもよく、その逆でもよい。第1のpH範囲は、pH1.9〜5.5である。また、第2のpH範囲は、pH5.5〜8.0である。具体的な実施形態では、この製品は、2成分の錠剤又はタブレットに関する。ここで、第1の成分は、第2の成分の中に含まれる。本明細書で使用されるような用語「経口単位」は、経口投与に合った形状及び大きさの固体、半固体、並びに/又は、液体の形式における個々の所定の投薬量を指す。経口単位の例はカプセル、タブレット、錠剤、液体懸濁液、粉末、トローチ等を含むが、これらに制限されない。また、経口単位は、アンプル又はパック、あるいは、経口投与のためにその内容物を開封して出す他の容器で提供される所定量の組成物を指す。
【0027】
本明細書で用いられている、「対象」及び「患者」という用語は、区別なく使用される。本明細書で用いられている、用語「対象」は動物、好ましくは、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット等)、及び、霊長類(例えば、サル、及び、ヒト)のような哺乳動物、また、最も好ましくは、ヒトを指す。
【0028】
他の実施形態では、本発明は、組み換え発現によって製造することができるOxDCに関する。本発明の態様は、例示されたpHレベルの5.0〜5.5、5.5〜6.0、及び、6.0〜6.5において活性である植物及び菌類に見られる多数のシュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)酵素に関する。これらの菌類からのOxDCをエンコーディングする遺伝子は、この分野の知識を有する者よって一般的に受け入れられた適切な手法を使用して、大腸菌、バクテリア、イースト菌、菌類、又は、哺乳類細胞(これらに制限されない)においてクローニングされ、また、異種発現することができる。大腸菌、バクテリア、イースト菌、菌類、又は、哺乳類細胞(これらに制限されない)によって、クローニングされ、サブクローニングされ、また、発現された組み換えOxDCは、クロマトグラフィー法、及び、この分野の知識を有する者にとって周知の他の多数の利用可能な方法によって精製することができる。この精製されたOxDCは、ペプシン、トリプシン、及び、キモトリプシン消化から保護され、かつ、長い保存可能期間、及び、より幅広いpH活性プロファイルを含む他の有益な性質を達成する製品にさらに配合することができる。配合によって、OxDC酵素は、pHレベルが5.0〜5.5、5.5〜6.0、6.0〜6.5、及び、6.5〜7.0で活性となる。
【0029】
もう1つの実施形態では、本発明は、第2のクラスのシュウ酸分解酵素である、シュウ酸オキシダーゼ(E.C.1.2.3.4,OxOx)に関する。これは、高等植物で発現される。この酵素は、種子発芽の間、あるいは、寄生植物侵入からの防御の間、COへシュウ酸塩の酸素依存性の酸化を触媒し、Hを生成する(40)。いくつかの菌類が、同様にこの酵素を生成すると報告されている(41)。実際、本発明の下で試験されたいくつかの菌類は、OxOx活性を示す。本発明の下で試験されたいくつかの植物及び菌類からのOxOxは、pH1.9〜5.5で安定で、かつ、活性があり、ヒトの胃における食餌性のシュウ酸塩を分解するのに適している。本発明の下で試験されたいくつかの植物及び菌類からの他のOxOx酵素は、pH5.0〜8.5で活性があり、ヒト以外の胃、並びに、小腸及び大腸における食餌性のシュウ酸塩を分解するのに適している。
【0030】
本発明は、植物及び菌類からのOxOx酵素であって、これらの有機体から直接調合することができるOxOx酵素に関する(40)(41)(42)。植物又は菌類は、高いOxOx含有量を達成する条件で生育することができる。製造プロセスは、食品生産プロセスと同様であって、洗浄、衛生、製粉、乾燥、及び、包装を含むが、これらに限定されない。
【0031】
他の実施形態では、本発明は、組み換え発現を通じて生成することができるOxOx酵素に関する。これらの植物又は菌類からのOxOxをエンコーディングする遺伝子は、大腸菌、バクテリア、菌類又はイースト菌(43,44)、及び、他の種類の植物(40,45,46)(これらに制限されない)においてクローニングされ、また、異種発現することができる。組み換えOxOxを備えた植物は、OxOxを本来発現する植物を使用するのと同様の方法で、原料として使用することができる。大腸菌、バクテリア、菌類又はイースト菌、あるいは、他の適切な発現システム(これらに制限されない)によって発現される組み換えOxOxは、一般的に受け入れる手法で精製することができ、さらに、最終生産物に配合することができる。
【0032】
またもう1つの実施形態では、本発明は、OxOx又はOxDC酵素の乾燥粉末、又は、溶液、あるいは、タブレット、カプセル、様々な種類のキャンディー又は棒、小袋を含むが、これらに限定されない、様々な流通手段にして、あるいは、直接的に粉末として製造することができる他の外見に関する。
【0033】
もう1つの実施形態では、組成物は、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素が、次の細胞試料に由来して提供される。デンチナム・レパランダム(Dentinum reparandum)、ルッスラ・ヴィレッセンス(Russula virescens)、アルミラリア・タベスケンス(Armillaria tabescens)、カンタレルス・シンナバリナス(Cantharellur cinnabarinur)、ボレタス・ルベルス・バル・フラテルヌス(Boletur rubellus var fraternus)、コルリビア・アセルバタ(Collybia acervata)、クレピドトゥス・モリス(Crepidotus mollis)、ボレタス・スブグァブリペス(Boletur subglabripes)、ボレタス・オルナチベス(Boletus ornatipes)、ポリポルス・エレガンス(Polyporus elegans)、プルテウス・ケルビヌス(Pluteus cervinus)、スクレロデルマ・キトリヌム(Sderoderma citrinum)、プレウロトゥス・オストレアトゥス(Pleurotus ostreatus)、クセルラ・ラディカタ(Xerula radicata)、テレフォラ・ヴィアリス(Telephoro vlalis)、クリトキベ(Clitocybe)、コルティナリウス・セドレトルム(Cortinarius cedretorun)、ラクタリウス・インディゴ(Lactarius indigo)、ルッスラ・デンシフォリア(Russula densifolia)、アマニタ・ロパロプス(Amanita rhopalopus)、クリトキベ・ヒドログランマ(Clitocybe hydrograma)、アマニタ・ゲンマタ(Amanita gemmata)、コルティナリウス・レビシ(Cortinarius lewisii)、プレウロトゥス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、イノキベ・リモサ(Inocybe rimosa)、ラクタリウス・アトロビリディス(Lactarius atrorividus)、ルッスラ・シアノキサンタ(Russula cyanoxhanth)、スクレロデルマ・ポリリズム(Sderoderma polyrhizum)、レンティヌラ・エドデス(Lentinula edodes)、ヒプシジグス・テッセルラトゥス(Hypsizygus tessellates)、フランムリナ・ベルティペス(Flammulina velutipes)、レウカンギア・カルトゥジアナ(Leucangia carthusiana)、トゥーベル・オレゴネンス(Tuber oregonese)、グリフォラ・フロンドサ(Grifola frondosa)、ボレタス・ルブリシトリナス(Boletus rubricitrinus)、ボレタス・フラテルヌス(Boletus fraternus)、ギロポルス・サブアルベラス(Gyroporus subalbellus)、ルーコアガリクス・アメリカヌス(Leucoagaricus americanus)、オムファロタス・オレアリウス(Omphalotus olearius)、コプリヌス・ディスセミナトゥス(Coprinus disseminates)、アマニタ・ブルネスセンス(Amanita brunnescens)、ルッスラ・ヘテロフィラ(Russula helerophylla)、マイコラピウム・アドゥスタム(Mycorrhaphium adustum)、アルミラリア・タベスケンス(Armillaria tabescense)、ボレタス・フラヴィポラス(Boletus flaviporus)、ルッスラ・ペクチナトイデス(Russula pectintoides)、レンティヌラ・ボルヤナ(Lentinula boryana)、アマニタ・ムタビリス(Amanita mutabilis)、ギロポルス・サブアルベラス2nd(Gyroporus subalbellus 2nd)、コルリビア・ペロナタ(Collybia peronata)、ラクタリウス・コルルギス(Lactarius corrugis)、ロドキベ(Rhodocybe)、マクロサイブ・タイタンズ(Macrocybe titaus)、コルリビア、プルテウス(Collybia, Pluteus)、ラクタリウス・ヤズーエンシス(Lactarius yazooensis)、レッキヌム・インシーネ(Leccinum insigne)、コプリヌス・コマタス(Coprinus comatus)、ポリポルス・ツベラスタ(Polyporus tuberaster)、アグロキベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)、トラメテス・ベルシカラ(Trametes versicolor)、ガノデルマ・ルシダム(Ganoderma lucidum)、ヒプシジグス・ウルマリウス(Hypsizygus ulmarius)、レンティヌラ・エドデス(Lentinula edodes)(温)、レンティヌラ・エドデス(Lentinula edodes)(冷)、レンティヌラ・エドデス(Lentinula edodes)(広範囲)、ルッスラ・アモエノレンス(Russula amoenolens)、ラクタリウス・トメントサ(Lactarius tomentosu)、及び/又は、アガリクス・ブラゼイ(Agaricus blazei)。これらの選択した菌類からのOxDC、及び/又は、OxOxの最適pH範囲は、1.9〜6.3の間で見られた。これらの選択した菌類からのOxDC、及び/又は、OxOxの活性pH範囲は、表1に示されるように、1.9〜6.3の間で見られた。
【0034】
【表1】

【0035】
より具体的な実施形態では、本発明は、菌糸体から直接作ることができるこれらの菌類からのOxDC、及び/又は、OxOxに関する。菌糸体は、発酵技術によって生成することができる。菌類の生育のための発酵プロセスは、十分に開発されており、この分野の知識を有する者によって知られている。発酵プロセスの開発は、培地及び発酵プロセス管理パラメータの最適化、菌の最適な生育を達成する最適化、並びに、OxDC、及び/又は、OxOxの最大の生産を達成するための誘導手段の最適化を含む。培地の最適化、発酵プロセスの最適化、及び、誘導プロセス最適化は、特定の菌種に応じて変化してもよい。異なる菌類が、生育するために、異なる培地組成、温度、及び、pHを必要とし、また、OxDC、及び/又は、pH範囲のような、OxOxを生成するための異なる誘導条件を必要とすることは、この分野の知識を有する者にとって周知である。菌糸体から生成したOxDC、及び/又は、OxOxは、乾燥粉末、溶液、あるいは、挽く、つぶす、懸濁する、混合する、又は、他の適切な処理による他の外見(これらに制限されない)として提供され得る。採取後に、これらの菌糸体は、乾燥、製粉して、粉末又は他の外見にされ得る。
【0036】
より個別の実施形態では、組成物は、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素が、フランムリナ・ベルティペス(Flammulina velutipes)、アグロキベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)、及び、コプリヌス・コマタス(Coprinus comatus)の2以上、あるいは、これらの任意の組み合わせから得られ、1.9〜6.3のpHで活性である場合に提供される。
【0037】
他の実施形態では、対象のシュウ酸塩の量を減らす方法が提供される。この方法は、対象へ少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を含む、治療上効果的な量の組成物を投与することを含む。この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、pHレベルが1.9〜6.3で活性である組成物を含み、この酵素は、対象の消化管において可溶のシュウ酸塩を分解することを特徴とする。より個別の実施形態では、この治療上効果的な量の組成物は、対象に経口で投与される。さらなる実施形態では、この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、及び/又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備える。
【0038】
他の実施形態によれば、本発明は、シュウ酸分解酵素を含む組成物を胃に、その後、小腸及び大腸に投与する方法を備える。また、このような組成物は、全身性のシュウ酸塩だけでなく食餌性のシュウ酸塩も分解し、胃及び腸管からのシュウ酸塩の摂取を予防するのを助けるのに有用である。これは、例えば、シュウ酸過剰尿、原発性シュウ酸尿症、特発性のシュウ酸カルシウム腎臓結石疾患(尿路結石)、吸収性・腸溶性の高シュウ酸尿のような、シュウ酸塩関連の疾患及び障害の治療、並びに、予防のための方法を提供する。この組成物は、ポリマー材料の又はコポリマー材料を含む。このため、投与された酵素は、タンパク質分解、及び/あるいは、胃の胃条件(すなわち、低いpH、及び、小腸及び大腸内のトリプシン及びキモトリプシンと同様、ペプシンの存在及び活性)下で起こるpH又は酸性依存の分解から保護される。
【0039】
具体的な実施形態では、本発明は、シュウ酸塩還元酵素が、高分子材料に結合しているため、胃条件、及び/又は、腸条件下でも分解から保護されることを特徴とする組成物を備える。この組成物は、任意の酵素又は補因子も備えてもよいことが意図され得る。また、本発明は、シュウ酸デカルボキシラーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、オキサリルCoAデカルボキシラーゼ及びホルミルCoAトランスフェラーゼの組み合わせ、あるいは、これらの任意の組み合わせのような、シュウ酸分解酵素を備える組成物を意図する。
【0040】
食餌性のシュウ酸塩の吸収が、尿中シュウ酸カルシウムの過飽和に対して重大な寄与をしていることを示す証拠があるため、結石者における食餌性のシュウ酸塩の吸収を著しく低下させる任意の治療戦略は、結石の危険性を減少させるだろう。カルシウム補助食品を用いて、シュウ酸塩を結合させ、これにより、シュウ酸塩の吸収を制限する臨床試験は、食餌性のシュウ酸塩の吸収の低下を示している(13)。しかしながら、これは、食事からのカルシウム吸収をもたらし、それ故、一定の個体における結石の危険性を増加させる結果となる可能性が高い(14)。本発明者は、本発明の実施形態が、pH又はカルシウム濃度のような尿の化学パラメータを変えないようにする能力を有し、その結果として、尿酸結石又はリン酸塩結石の危険性を減らすことを発見した(15)。
【0041】
O.ホルミゲネス(O.formigenes,動物及びヒトの大腸にコロニーを形成し、その唯一のエネルギー源としてシュウ酸塩を使用する嫌気生物)が、原発性シュウ酸尿症を治療するための治療法として評価されている(16)。しかしながら、O.ホルミゲネスの行動様式は、これが食餌性のシュウ酸塩を阻害するものとして働くのを妨げる。したがって、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)からのOxDCが、食餌性のシュウ酸塩を減少させるために評価された。この酵素の使用による食餌性のシュウ酸塩の吸収の低下は、マウス、ラット、及び、健康な志願者で試験されている(17)。マウス及びラットの両方からの尿中シュウ酸は、対照より著しく低かった(〜50%)。しかし、健康な志願者の二重盲検プラセボ対照用量増加研究においては、尿中シュウ酸の著しい低下はなかった(18,19)。胃の酸性環境のために、この酵素がヒトの胃では不活性化されるというのが有望な説明である。この議論は、絶食ラットの胃が、〜pH4.0である(20)のに対し、絶食ヒトの胃が、〜pH1.5である(21)という事実に裏付けられる。
【0042】
食事の摂取の後に、ヒトの胃のpHは、2.0〜5.5の幅広いpH範囲で増加する。これは、食事内容及び量、個々の胃条件、並びに、胃の中の胃液の量に応じて変化する。さらに、このpHは、酸性ポケットのために非均質であり(21)、酸性ポケットに近い場所のpHは、胃の平均pHよりはるかに低くなり得ることを意味していると広く考えられている。バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)からのOxDCは、pH3.0以下に曝露された場合、1分未満でその活性を失う。
【0043】
したがって、ヒト又は非ヒトに対して効果的な治療であるために、シュウ酸分解酵素は、安定していること、ペプシン耐性があること、トリプシン耐性があること、及び/又は、キモトリプシン耐性があること、活性であること、ヒト及び非ヒトに対して効果的な治療であるために、ヒト又は非ヒトの胃、及び、十二指腸に生じる大多数の状況をカバーするように、1.9〜2.5、2.5〜3.0、3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、5.0〜5.5、5.5〜6.0、及び、6.0〜6.3の酸性のpH範囲において、胃内容排出時間内に胃の中で最も得られる(5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、又は、90〜100%)摂取されたシュウ酸塩を、分解すること、が極めて重要である。さらに、低いpHでは、より多くのシュウ酸塩が、可溶性であり、吸収のために利用可能である。したがって、酵素は、安定しており、プロテアーゼ(ペプシン、トリプシン、キモトリプシン等)耐性があり、低いpHで活性であるが、これは、ヒト及び非ヒトの胃及び十二指腸の酸性環境における可溶性シュウ酸塩を減少させることができ、その結果、シュウ酸エステル吸収を減少させることができることが、極めて重要である。
【0044】
他の実施形態によれば、本発明は2つのクラスのシュウ酸分解酵素の組成物を備える。これは、pH2.0〜5.5、及び/又は、pH5.0〜8.5で、安定でかつ活性である、シュウ酸デカルボキシラーゼ及びシュウ酸オキシダーゼであってもよい(22)。シュウ酸デカルボキシラーゼ(EC4.1.1.2)は、シュウ酸塩をギ酸塩及び二酸化炭素に変換するために、触媒量の酸素に必要とし、また、バクテリア及び菌類に広く分布する。B.サブティリス(B.subtilis)からのOxDCは、最も研究されたバクテリアのOxDCである(23)。この酵素は、B.サブティリス(B.subtilis)において、YvrK遺伝子によってエンコードされる。この遺伝子は、大腸菌でクローニングされ発現し、シュウ酸塩(23)の分解に効き目のあることを実証された。組み換えOxDCは、X線結晶学だけでなく、生物物理学的分析及び生化学分析によっても十分に特徴づけられた(24,25)。しかしながら、この特定のOxDCは、3.2以下のpHで不安定なため、折りたたみを保持して、ヒト胃内で食餌性のシュウ酸塩を分解を可能とすることを困難としている。酵素学レベルにおけるバクテリアのシュウ酸デカルボキシラーゼに関する研究は、概ねYvrK遺伝子産物に制限されている。しかし、用語「シュウ酸デカルボキシラーゼ」のPubmedでの検索では、2010年11月8日時点で、バクテリアから490種、及び、菌類から172種が明らかになっており、これは、バクテリアを通じて、豊富な遺伝子エンコーディングOxDC又は推定OxDCを示す。OxDCは、同様に菌界に広く分布する。本発明で試験された120以上の菌種のうち大多数は、シュウ酸分解活性(特に、OxDC活性)を含むと分かった。本発明における大まかな試験で評価された際にはOxDC活性を示さなかったものでさえ、これらの物質の生成又は保存中に、シュウ酸分解活性が失われるかもしれないと考えれば、あるいは、シュウ酸分解酵素が、ライフサイクルのある期で発現されるだけであれば、これらも同様に、シュウ酸分解活性を含んでいるかもしれない。この所見は、用語「シュウ酸デカルボキシラーゼ」のPubmedでの検索では、2010年11月8日時点で、菌類から172種が明らかになっており、これは、OxDCが、菌界において一般的な酵素であることをさらに示すという文献により、さらに裏付けられる。これらのOxDC酵素、及び、これらの遺伝子の産物のいくつかは、1.9〜2.5、2.5〜3.0、3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、及び、5.0〜5.5のpH範囲で安定で、かつ、活性である、あるいは、5.0〜5.5、5.5〜6.0、6.0〜6.5、6.5〜7.0、7.0〜7.5、及び、7.5〜8.0のpH範囲で安定で、かつ、活性であってもよい。したがって、この本発明は、このような安定したシュウ酸分解酵素を含む組成物を備える。
【0045】
治療上効果的な量の決定
本発明のシュウ酸分解組成物の実施形態は、所望の量、例えば、標準的な食事に通常存在する実質的にすべてのシュウ酸塩を分解するのに十分な量で投与される。食物の選択にもよるが、平均の西洋の食事は、100〜300mg/日のシュウ酸塩を含み得る。
【0046】
治療上効果的な量は、一部のシュウ酸塩の存在を低下させるシュウ酸還元酵素活性の活性単位の量、あるいは、シュウ酸塩の量の低下を開始する、又は、この組成物の投与の前に存在したシュウ酸塩の量と比較して、個体中で低下させた量のシュウ酸塩を維持するシュウ酸還元酵素活性の活性単位のレベルを備えてもよい。単回投与組成物に使用することができる、シュウ酸塩還元酵素活性の活性単位の数は、約0.0001単位〜約10,000単位、約5単位〜100単位、0.05単位〜50単位、0.5〜500単位、約0.01単位〜約50単位、約0.01単位〜約5単位、約1単位〜約100単位、約25単位〜約50単位、約30単位〜約100単位、約40単位〜約120単位、約60単位〜約15単位、約50単位〜約100単位、約100単位〜約500単位、約100単位〜約300単位、約100単位〜約400単位、約100単位〜約10,000単位、約1,000単位〜約5,000単位、約2,500単位〜約10,000単位、約0.001単位〜約2,000単位の範囲、及び、これらに包含されるすべての範囲に及び得る。この酵素の1単位は、37℃で1分当たり1マイクロモルのシュウ酸塩を分解する酵素の量である。また、上記の単位の範囲は、組成物1グラムの当たり単位の数に関する。
【0047】
さらに、本発明による組成物は、シュウ酸還元酵素のシュウ酸分解活性部位を備える領域を使用して形成されたキメラ、あるいは、とりわけ活性部位から構成されるペプチド断片を含むが、これらに限定されない、変形又は変異、欠失、挿入、置換、復帰変異、活性増加のための変異、非天然のアミノ酸を用いた天然に存在するアミノ酸の置換、あるいは、この分野の知識を有する者に知られた他の変形を含むが、これらに限定されない、変形又は変異を備える酵素を備えてもよい。
【0048】
大きな治療指数を示す組成物が一般的に望まれる。細胞培養アッセイ及び動物実験から得られたデータは、ヒトへの使用のための用量の範囲を定めるのに使用される。このような組成物に含まれる用量は、好ましくは、毒性がほとんどない、あるいは、全くないED50を含む血中濃度の範囲内にある。この用量は、利用された剤形、患者の感度、及び、投与経路に依存する範囲内で変化する。
【0049】
方法の実施形態に使用される正確な用量は、十分なレベルの有効成分を提供する、あるいは、所望の効果を維持するために、治療を必要とする対象に関連する因子を踏まえて調節することができる。考慮に入れ得る因子は、病状の重症度、対象の健康状態、対象の年齢、体重、及び、性別、食事、投与の時間及び頻度、薬の組み合わせ、反応感度、並びに、治療に対する耐性/応答を含む。長期作用型薬剤組成物は、個別の配合物の半減期及びクリアランス速度によって、3〜4日ごと、毎週、又は、隔週に1度投与することができる。
【0050】
ある実施形態では、正常な投薬量は、投与経路によって、0.1〜100,000マイクログラム、投与量の合計の約50gまで変化し得る。個別の投薬、及び、送達の方法についての手引きは、文献で提供され、この分野の医師が通常利用可能である。この分野の知識を有する者は、タンパク質又はこれらの阻害剤のためというよりはむしろ、ヌクレオチドのために異なる配合物を利用するだろう。同様に、ポリヌクレオチド又はポリペプチドの送達は、個別の細胞、条件、場所等で特異的である。
【0051】
組成物及び投与
本発明は、治療効果を達成するために患者に投与することができる組成物を提供する。本発明の組成物は、例えば、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、及び/又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)を備えることができる。この組成物は、単独、あるいは、安定化化合物のような少なくとも1つの他の試薬と組み合わせて投与することができる。これは、生理食塩水、緩衝生理食塩水、ブドウ糖、及び、水を含むが、これらに限定されない、任意の滅菌された生物学的適合のある医薬担体で投与することができる。この組成物は、患者に単独で、あるいは、他の試薬、薬物、又は、ホルモンと組み合わせて投与することができる。上記に示されるように、この組成物の実施形態は、投与された酵素が、タンパク質分解、及び/又は、胃の胃条件(すなわち、低いpH、ペプシンの存在及び活性)下で生じるpH又は酸性に依存する分解からさらに保護されるように、ポリマー材料又はコポリマー材料を備えてもよい。
【0052】
有効成分に加えて、これらの医薬組成物は、活性化合物を、薬学的に使用することができる調合品に処理することを促進する、賦形剤及び補助剤を含む、適切な薬学的に許容できる担体を含むことができる。本発明の組成物は、通常は、経口投与を介して投与される。しかし、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管外、局所、舌下、又は、直腸の方法を含むが、これらに限定されない、他の投与経路が同様に開発されることが考えられる。経口投与のために設計された組成物は、経口投与のために適した用量で、この技術分野において周知である薬学的に許容できる担体を使用して配合することができる。このような担体によって、この医薬組成物は、患者による摂取のために、タブレット、錠剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、及び、同種のものとして配合することができる。
【0053】
経口使用のための組成物は、活性化合物を固体の賦形剤と組み合わせて得ることができる。所望の場合、タブレット又は糖衣核を得るために、適切な補助剤を加えた後、結果として生じる混合物を任意に挽いて、顆粒の混合物を処理する。適切な賦形剤は、乳糖、スクロース、マンニトール、又は、ソルビトールを含む糖、トウモロコシ、小麦、米、じゃがいも、又は、他の植物からデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又は、カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース、アラビア及びトラガカントを含むゴム、並びに、ゼラチン及びコラーゲンのようなタンパク質のような炭水化物又はタンパク質の充填剤である。所望の場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、又は、アルギン酸ナトリウムのようなその塩のような、崩壊剤又は可溶化剤が加えられ得る。
【0054】
糖衣核は、高濃度の糖溶液のような適切なコーティング(これらは、また、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は、二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに、適切な有機溶媒、あるいは、溶媒混合液を含むことができる)と併用して使用することができる。染料又は色素は、製品識別のため、あるいは、活性化合物の量(すなわち、用量)を特徴づけるために、タブレット又は糖衣錠のコーティングに加えることができる。
【0055】
経口で使用することができる調合品は、ゼラチンからなるプッシュフィットカプセルと同様、ゼラチンからなる密封された軟カプセル、及び、グリセリン又はソルビトールのようなコーティングを含む。プッシュフィットカプセルは、乳糖又はデンプンのような充填剤又は結合剤、タルク又はステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、並びに、任意に安定剤と混合された有効成分を含むことができる、あるいは、これら自身だけを含む。軟カプセルでは、活性化合物は、脂肪油、液体、あるいは、安定剤を有する、又は、有しない、液体のポリエチレングリコールのような適切な液体で溶解又は懸濁することができる。
【0056】
非経口的投与のために適している医薬配合物は、水溶液、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、又は、生理学的緩衝生理食塩水のような生理学的に適合する緩衝剤で配合することができる。水溶性の注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又は、デキストランのような懸濁液の粘度を増加させる物質を含むことができる。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調合することができる。適切な親油性の溶媒あるいは媒体は、ゴマ油のような脂肪油、あるいは、オレイン酸エチル又はトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、あるいは、リポソームを含む。また非脂質ポリカチオン性アミノポリマーは、送達のために使用することができる。また任意に、この懸濁液は、この化合物の溶解度を増加させて、高濃度溶液の調合品を可能にする適切な安定剤又は試薬を含むことができる。局所又は鼻の投与については、個別の障壁に浸透するに適した浸透剤が配合物で使用される。このような浸透剤は、一般的にこの技術分野において公知である。
【0057】
本明細書で意図されたシュウ酸分解酵素組成物を使用する医薬調合品は、この技術分野において公知である方法、例えば、通常混合、溶解、造粒で、糖衣錠化、研和、乳化、封入、カプセル化、あるいは、凍結乾燥プロセスによって、製造することができる。医薬組成物は、塩として提供することができ、また、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含むが、これらに限定されない、多数の酸で形成することができる。塩類は、対応する遊離塩基の形であるよりも、水溶性又はプロトン性溶媒により溶けやすい傾向がある。他の場合では、好ましい調合品は、次のいずれか又はすべてを含み得る凍結乾燥粉末であり得る。150mMのヒスチジン、0.1%〜2%のスクロース、及び、27%のマンニトール(これは、使用前に緩衝剤と組み合わせる)。
【0058】
配合及び投与のための技術についてのさらなる詳細は、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Maack Publishing Co.,イーストン,ペンシルバニア州)の最新版で調べることができる。医薬組成物が調合された後、これらは適した容器中に置き、示された症状の治療のためにラベル化され得る。このようなラベル化は、投与の量、頻度、及び、方法を含むだろう。
【0059】
上記の実施形態のいずれにおいても、本発明の組成物のいずれも、他の適した治療薬と組み合わせて投与することができる。併用療法で用いる適切な試薬の選択は、通常の薬学原理に従って、この技術分野における通常の知識を有する者が行うことができる。治療薬の組み合わせは上記の様々な障害の治療又は予防を達成するために相乗的に作用することができる。この手法を使用して、各試薬がより低用量で治療効果を達成することができ、したがって、不利な副作用に可能性を低減することができる。
【0060】
上記の治療方法のいずれも、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、及び、最も好ましくは、ヒトのような哺乳動物を含む、このような治療を必要とする任意の対象に適用することができる。
【0061】
個別の実施形態では、この酵素は、シュウ酸オキシダーゼである。さらなる実施形態では、この酵素は、菌源から分離される。もう1つの実施形態では、この酵素は、シュウ酸デカルボキシラーゼである。さらなる実施形態では、この酵素は、菌源又は細菌源から分離される。個別の実施形態では、この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、1.9〜6.3のpHで活性である酵素を備える。もう1つの実施形態では、この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、5.8〜8のpHで活性である酵素を備える。個別の実施形態では、この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、フランムリナ・ベルティペス(Flammulina velutipes)、アグロキベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)、又は、コプリヌス・コマタス(Coprinus comatus)の1つ、あるいは、これらの任意の組み合わせから得られ、前記酵素は、1.9〜6.3のpHで活性であることを特徴とする。
【0062】
もう1つの実施形態では、対象のシュウ酸関連の病状を治療する方法が提供される。この方法は、必要とする対象へ治療上効果的な量の少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を含む組成物を投与することを備える。このシュウ酸関連の病状は、以下のうち1つを含むが、これらに限定されない。原発性シュウ酸尿症、自閉症、続発性過シュウ酸尿症、クローン病、炎症性腸疾患、大腸炎、心臓伝導障害、尿石症、外陰部痛、末期腎不全に関連するシュウ酸症、肥満手術、及び、他の腸疾患状態。さらなる実施形態では、この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、1.9〜6.3のpHで活性である酵素を備える。別の実施形態では、この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、5.5〜8.0のpHで活性である酵素を備える。
【0063】
この酵素が、5.5〜8.0の中性のpHの付近で活性であるが、酸性pHで安定していない場合、酵素を含む組成物、又は、配合された酵素は、カプセル又はタブレットに組み込むことができる。また、このカプセル又はタブレットはカプセル又はタブレットが胃を通過するのを助けるために、酸性の保護フィルム/膜でさらにコーティングすることができる。このカプセル又はタブレットが、pHが胃よりも非常に高い6.5〜7.5である小腸又は大腸に達する時、コーティングされたフィルム/膜は、溶解/分解して、酵素を含む組成物、又は、配合された酵素を放出するだろう。この酵素は、小腸、及び/又は、大腸でシュウ酸塩を分解するだろう。この技術は、この分野の知識を有する者に周知である。
【0064】
もう1つの実施形態では、この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、及び/又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備える。さらなる実施形態では、この少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、フランムリナ・ベルティペス(Flammulina velutipes)、アグロキベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)、又は、コプリヌス・コマタス(Coprinus comatus)の1つ、あるいは、これらの任意の組み合わせから得られ、前記酵素は、1.9〜6.3のpHで活性であることを特徴とする。
【0065】
もう1つの実施形態では、必要とする患者は、患者が示す症状によって決定される。前述したように、正確な用量は、治療を必要とする対象に関連する因子を踏まえて、医師によって決定されるだろう。用法及び用量は、十分なレベルの有効成分を提供するため、あるいは、所望の効果を維持するために調節される。考慮に入れ得る因子は、病状の重症度、対象の健康状態、対象の年齢、体重、及び、性別、食事、投与の時間及び頻度、薬の組み合わせ、反応感度、並びに、治療に対する耐性/応答を含む。長期作用型薬剤組成物は、個別の配合物の半減期及びクリアランス速度によって、3〜4日ごと、毎週、又は、隔週に1度投与することができる。
【0066】
より個別の実施形態では、投与ステップは、経口投与による。経口投与のための組成物は、経口投与に適した用量で、この技術分野において周知である薬学的に許容できる担体を使用して配合することができる。このような担体によって、患者による摂取のために、タブレット、錠剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、及び、同種のものとしてこの医薬組成物を調合することができる。
【0067】
本発明のもう1つの実施形態では、シュウ酸関連の病状を治療する方法が提供される。この方法は、このような治療を必要とする対象へ、治療上効果的な量の第1の組成物及び第2の組成物を共投与することを含む。ここで、第1の組成物は、対象の胃において酵素を放出し、第2の組成物は対象の腸管において酵素を放出する。これらの酵素が放出される場合、第1の組成物は、胃においてシュウ酸塩を分解し、第2の組成物は、腸管においてシュウ酸塩を分解する。この方法は、共投与が連続でも同時にできる場合でも提供される。第1及び第2の組成物は、同一、あるいは、異なる送達様式によって投与されてもよい。第1及び第2の組成物は、OxOx及びOxDCの少なくとも1つをそれぞれ含んでもよく、あるいは、OxDC及びOxOxをそれぞれ含んでもよい。
【0068】
さらなる実施形態において、菌源由来のシュウ酸分解組成物が提供される。この組成物は、少なくとも第1の粉末、及び、第2の粉末を含む。第1の粉末は、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を含む。ここで、第1の粉末は、1.9〜5.5のpH範囲内のpHで、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を放出する。第2の粉末は、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を備え、ここで、第2の粉末は、5.5〜8.0のpH範囲内のpHで、少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を放出する。このシュウ酸分解酵素は、ポリマーと組み合わせられてもよく、また、OxOx、及び/又は、OxDCを備えてもよい。
【0069】
本明細書で含まれたすべての特許、特許出願、及び、参考文献は、これらの全体において、参照によって具体的に盛り込まれる。前述のものが、本発明の例示的な実施形態にのみ関連し、本開示で説明されるように、多数の変形又は変更が、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに行われてもよいことは、もちろん理解されるに違いない。本発明の例示的な実施形態が本明細書で提供されるが、本発明はこれらの実施形態に制限されるわけではない。この分野の知識を有する者に示唆される多数の変形又は変更がある。
【0070】
本発明は、本明細書で含む実施例を通じてさらに示される。これらは、理解が明瞭になるように提供される。これらの例示的な実施形態は、その範囲の制限を強いるようなどのような方法でも解釈されるべきではない。それどころか、様々な他の実施形態、変形、及び、その均等物を用いることができ、かつ、これらは、本明細書の記述を読んだ後、本発明、及び/又は、添付された請求項の範囲の精神から逸脱せずに、この分野の知識を有する者に示唆されることは、明瞭に理解できるであろう。
【0071】
配合物:
マイクロカプセル化は、制御放出、食物又は薬物の風味/味の変形のための腸溶コーティング、あるいは、酸又は酵素不活性化からの薬物成分の保護のために広く適用される(71〜73)。マイクロカプセル化を調合する様々な物理的・化学の手法がある。噴霧乾燥及び凍結乾燥の2つの手法は、長く存在する工業プロセスであり、豊富な知識を有する(74)。このプロセスは、スケールアップするのが比較的簡単で、かつ、比較的安い。
【0072】
キトサン、ゼラチン、アルギン酸塩、ペクチン、及び、L−100−55のようなEudragit(登録商標)のポリマー系を含むマイクロカプセル化の選択開発のための多数の天然及び合成高分子がある(71〜73)。ポリマーの選択のための鍵は、GI管の酵素及び溶解度とこれらの適合性である。例えば、選択されるポリマーは、酵素の安定性を減少させるべきでない。配合された酵素は、GI管全体を通じて働くよう期待されるので、マイクロカプセル化した酵素粒子は、GI管を通じて無傷でいるだけでなく、水及びシュウ酸塩の動きに対する親水性の気孔を有するべきである。粒子形成を維持するために、選択されるポリマーは、pH2〜8で不溶性であるが、シュウ酸塩及び水の動きに対する小さな親水性の気孔を形成できる、あるいは、ポリマーは可溶性であるが、水溶性ポリマーを不溶性にする化学的手法又は物理的方法によって架橋できる。
【0073】
キトサンは、噴霧乾燥によってマイクロカプセル化された粒子を調合するため用いられ成功している(75,76)。また、これは、ゲニピンを含むいくつかの架橋剤によって化学的に架橋するための多くの遊離アミノ基を含む(77〜79)。我々の一次データでは、キトサンは、コプリヌス・コマタス(Coprinus Cometus)からのOxDCのpH6.5〜pH7.0の活性限界の上限を延長することが示された。これは、この酵素がGI管のほとんどの部分で活性であることを可能にする。製造条件及び原料を制御することによって、キトサンは、異なる応用目的に合わせて、広範囲の分子量、及び、様々な脱アセチル度で生成することができる(80,81)。分子量、及び、脱アセチル化度は、キトサン/水の相互作用に著しく影響を与える。キトサンは、通常、酸性のpH(pH<4)で水に溶解する。しかし、水への溶解度は、その分子の大きさ、及び、脱アセチル化度によって、影響を受ける。ここで、低分子量、及び、高脱アセチル化度の場合では、このポリマーは、比較的高いpH(例えば、pH<5)でより可溶性になる。しかし、相対的に低い脱アセチル化度のより大きなキトサンの分子は、非常に酸性のpH(例えば、pH<3)でのみ溶解する。また、キトサンの分子量、及び、脱アセチル化度は、キトサン/酵素の相互作用にも著しく影響を与える。相対的に低い脱アセチル化度のより大きなキトサンの分子は、酵素及びキトサンの分子の間のその疎水的相互作用のために、より効率的に酵素をマイクロカプセル化し得る。例えば、ボレタス・フラヴィポラス(Boletus Flaviporus)、及び、コプリナス・コマタス(Coprinus Cometus)からの2つのOxDC酵素は、両方とも非常に酸性のpH(pH2〜3)で安定している。これにより、相対的に低い脱アセチル化度の大きなキトサンの分子を使用することが可能性となる。これらのキトサン分子は、配合中は非常に低いpH(例えば、pH2.2)でゆっくり溶解し得るが、いったん粒子として配合されると、胃においてでさえ溶解しない。したがって、架橋の必要はなく、小さいキトサン:酵素比が達成可能となって、低い賦形剤:酵素比のために、非常に活性な生成物が生み出される。また、化学的架橋によって活性が損失しない。
【0074】
タンパク質ポリマーの代表としてのゼラチン、又は、植物由来タンパク質も、一般的な配合成分である。タンパク質でマイクロカプセル化された粒子の水への溶解度は、ゲニピンのような適切な化学的架橋剤によって減少させることができる(82,83)。
【0075】
互いに似ているアルギン酸塩及びペクチンは、豊富なカルボキシル基を含むポリマーの代表である。これらは、中性又はアルカリ性のpHにおいて水に溶解することができる。配合された粒子は、同様に水に溶解するが、Ca2+又はゲニピンでの架橋によって配合された粒子の溶解度を制限することができる(82,83)。
【0076】
腸溶コーティング又は徐放性配合物用のEudragit(登録商標)ポリマー系からのポリマーは、プロテアーゼ消化から酵素を保護するのに十分な候補であり、噴霧乾燥法に容易に組み込むことができる(84)。これらのポリマーは、不溶性、あるいは、高いpH(5.5〜7.0)において可溶性であるので、架橋は必要ではない。
【0077】
噴霧乾燥条件は、ポリマーの選択、組成物、及び、噴霧乾燥生成物の要件で変化して得る。したがって、マイクロカプセル化を達成するいくつかの異なる条件の下での噴霧乾燥を評価する必要があるだろう(74)。
【0078】
腸溶コーティング又は徐放性配合物用のEudragit(登録商標)ポリマー系は、プロテアーゼ消化から酵素を保護するのに十分な候補である。酵素は、一連の比でこれらのポリマーと混合される。また、噴霧乾燥法から酵素を保護し、長期保存特性を提供し、かつ/又は、水及びシュウ酸塩の浸透性のような最終粒子の性質を変えるために賦形剤が組み込まれ得る。
【実施例】
【0079】
実施例1:アッセイ
活性アッセイ:上澄み液、抽出物、及び、酵素溶液を含む液体試料は、活性に対するアッセイが直接行われた。しかし、ペレット及び乾燥粉末を含む固体試料は、DI水で再懸濁液の後にアッセイが行われた。40マイクロリットルの液体試料、又は、固体試料の懸濁液は、50mMのクエン酸緩衝剤中、2mMシュウ酸塩360μlと共に、pH3.5、37°Cで、10〜60分間、培養された。この反応は、0.5NのNaOH100μLを加えてクエンチされた。この反応混合物は、直ちに遠心分離機にかけられた。この上澄み液は、10倍に希釈され、その後、シュウ酸塩及びギ酸塩を検出するためにHPLC法によって分析される。1活性単位は、上記の条件下で、1分以内にシュウ酸塩から1μモルのギ酸塩を生成するのに必要な酵素の量として定義される。
【0080】
また、OxOx活性は、呈色反応を触媒するホースラディシュペルオキシダーゼを通じて過酸化水素の生成をモニターすることにより測定された。10μlの液体試料、又は、固体の懸濁液は、50mMリン酸緩衝液中、2μモルのシュウ酸塩990μl、1,4−アミノのアンチピリン0.3mg、フェノール3.0mg、及び、ペルオキシダーゼ5単位と共に、pH7.0、37℃で、5分間、培養された。5分後、510nmにおける吸光度が、対照と共に測定された。1活性単位は、上記の条件下で、1.0μモルの過酸化水素を生成するのに必要な酵素の量として定義される。
【0081】
人工胃液(SGF)における安定性:SGFは、USP(米国薬局方,United States Pharmacopeia)の方法に従って調合された。2gのNaCl、7mlの濃HCl、及び、3.2gのペプシンを水で満たして1リットルにした。サンプル懸濁液は、SGFで処理された:0.4mLサンプルを0.6mLのSGFと37℃で混合して、10分間混合した後、500mMのNaOH0.1mLで中和した。この懸濁液は、上澄み液を取り除くために遠心分離機にかけられた。また、ペレットは前に記載されるように、活性に対する試験が直ちになされた。SGFで処理された溶液試料のために:0.4mLのサンプルを0.6mLのSGFと混合して、37°Cで10分間、培養した後、500mMのNaOHで中和した。また、前に記載されるように、活性に対する試験が直ちになされた。
【0082】
人工腸液(SIF)における安定性:SIFは、USP(米国薬局方,United States Pharmacopeia)に従って調合された:6.8gのリン酸二水素カリウムを250mLの水に混合し、0.2Nの水酸化ナトリウム77mL、及び、500mLの水を加えた。10.0gのパンクレアチンを加えて、混合し、結果として6.8±0.1のpHになるように、0.2Nの水酸化ナトリウム、又は、0.2Nの塩酸で溶液を調節した。水で1000mLに希釈した。サンプル懸濁液は、SIFで処理された:0.4mlのサンプルを0.6mlのSIFと37℃で混合して、10分間かき混ぜた後、500mMのNaOH0.1mlで中和した。この懸濁液は、上澄み液を取り除くために遠心分離機にかけられた。また、ペレットは前に記載されるように、活性に対する試験が直ちになされた。SIFで処理された溶液試料のために:0.4mlのサンプルを0.6mlのSIFと混合して、37℃で10分間、培養した後、500mMのNaOHで中和した。また、前に記載されるように、活性に対する試験が直ちになされた。
【0083】
熱的安定性:熱的安定性を実証するために、懸濁されたペレット又は溶液試料を50〜85℃において5℃間隔で10分間、培養した後、氷で直ちに冷却した。処理されたサンプルは、前に記載されるように、活性に対するアッセイが行われた。
【0084】
酵素の機能的なpH範囲:サンプルは、1.9〜8.0のpH範囲内で一連の緩衝剤が使用されたという点を除けば、以前に記載されたようにアッセイが行われた。これらの緩衝剤は、pH2.0〜5.5に対して50mMのクエン酸塩緩衝剤、又は、pH6.0、6.5、7.0、7.5、及び、8.0に対して50mMのリン酸緩衝液で構成された。
【0085】
実施例2:キノコにおけるOxDC活性
自然界から採集されたキノコが同定された。また、スーパーマーケットから購入されたものは、それらのラテン語の名前に翻訳された。これらのキノコは、洗浄され、脱イオン化(DI)水の存在下で均質化された。均質化されたサンプルは、遠心分離によって上澄み液とペレットの部分に分離された。また、両方の部分は、シュウ酸分解活性に対する試験がなされた。比活性度/乾燥重量のグラムを決定するために、各々あらかじめ量られた10〜15グラムのキノコ株を60℃で乾燥し、一定重量にした。ペレット部分は、さらに水で洗って1:50の希釈係数にし、その後、pH活性プロファイル、SGFにおける安定性、及び、熱的安定性の試験のために水で再懸濁された。
【0086】
およそ100の異なる種のキノコが、表2に示されるように本発明の下で試験された。また、これらのうちの77は、乾燥キノコ材料1グラム当たり0.5単位を超えるシュウ酸分解活性を示した。ほとんどの場合、等しいモル量のギ酸塩が検出されたので、シュウ酸分解活性は、OxDC活性に関連していた。これらのキノコからのシュウ酸分解活性は、キノコの年齢、増殖条件、及び、処理プロセスによって影響を受けることを考慮すると、これらのライフサイクル中にシュウ酸分解酵素を生成し得るキノコの数)は、さらに多いかもしれない。しかしながら、キノコの大多数は、OxDC活性を示し、この酵素が、菌類中の一般的な酵素であることを示した。
【0087】
【表2】

【0088】
実施例3:キノコにおけるOxOx活性
分解したシュウ酸塩と比較して、ギ酸塩の生成をほとんど〜まったく示さなかった実施例2で試験されたサンプルは、OxOx活性の存在を決定するために、過酸化水素の生成に対する試験がさらになされた。OxOx活性は、3つのキノコから検出された:ルッスラ・アモエノレンス(Russula amoenolens)、ラクタリウス・トメントサ(Lactarius tomentosu)、及び、アガリクス・ブラゼイ(Agaricus blazei)はそれぞれ、乾燥キノコ1グラム当たり1.2、4.7、及び、2.1単位の内容である。
【0089】
実施例4:発酵によるOxDCの生成
発酵によって培養されたキノコ菌類は、表3にリストされる。培養物は、3%の麦芽エキス、0.5%の大豆ペプトン、及び、1.5%の寒天を含む麦芽寒天プレート上で生育させ(w/v)、4℃で維持した。すべての菌類は、以下を含む麦芽エキス液体培地(pH6.0)で培養した(w/v)。2.0%のグルコース、0.2%(w/v)の酵母エキス、2%の麦芽エキス、0.1%のKHPO、0.03%のNaHPO・2HO、及び、0.05%のMgSO・7HO。この培地は、121℃で20分間、オートクレーブ滅菌された。OxDCの培養及び生成は、250mLの液体培地を含む1.0Lのフラスコ中で行われた。培養物の1リットル当たり10〜30gの湿菌糸体に達するまで、25℃で10〜20日間、培養された。その後、1.0Mの硫酸、又は、1.3Mのリン酸を加えて、pHを2.0〜3.5に調節し、OxDC生成を誘導した。pHは、2時間ごとの確認するにより維持され、上記の酸性溶液のいずれかを加えることにより調節された。これらの菌類のための実際の誘導pHは、表3にリストされる。3日間の誘導の後、菌糸体は遠心分離によって採取され、水で再懸濁された。この菌糸体の懸濁液は、均質化され、遠心分離機にかけられた。上澄み液及びペレットが両方とも収集された。上澄み液は、OxDC活性に対する試験が直接なされた。上澄み液は、全OxDC活性の5〜15%を通常含んだため、さらなる試験に使用されなかった。ペレットは、水で洗って1:50の希釈係数にし、その後、OxDC活性の試験のために再懸濁された。これらのペレット懸濁液からOxDC活性は、表3に与えられる。
【0090】
【表3】

【0091】
実施例5:植物によるOxOxの生成
ステンレス鋼メッシュに支持された大麦又は小麦種子は、室温での発芽及び生育のために水から半分現された。10〜12日後に、若い植物は採取され、均質化のために小片にカットされた。均質化されたサンプルは、遠心分離機にかけられた。上澄み液及びペレットは、収集され、OxOx活性に対する試験がなされた。
【0092】
ブーゲンビレア・ブーゲンビリア(Bougainvillea buganvilla)からの新鮮な葉100グラム、及び、10日齢のソルガム・ヴァガリス(Sorghum vulgaris)植物50グラムは、冷たい脱イオン化(DI)水で別々に均質化された。均質化されたサンプルは、200ミクロンのふるいを通され、その後、3500gで10分間、遠心分離によって上澄み液及びペレットの部分に分離された。ペレットは水で再懸濁された。また、両方の部分は、シュウ酸分解活性に対する試験がなされた。比活性度/乾燥ペレット重量のグラムを決定するために、10mLの懸濁液からのペレットを、3500gで30分間、遠心分離によって収集され、その後、約60℃で乾燥し、一定重量にした。
【0093】
大麦及び小麦の両方からのOxOxは、2.0〜5.5の範囲内の酸性pHで、安定で、かつ、活性である。しかし、ブーゲンビレア・ブーゲンビリア(Bougainvillea buganvilla)葉からOxOxは、5.5〜8.0の範囲の中性pHの辺りで安定で、かつ、活性である。
【0094】
実施例6:人工胃液における酵素安定性の実証
キノコ又は発酵した菌糸体からのOxDC、並びに、キノコからのOxOxは、実施例1に記載されているようなヒト胃での最も厳しい条件を似せるために、SGFで処理された。SGFでの処理の後に、OxDC又はOxOx活性を保持したキノコあるいは菌糸体が、表4に与えられる。
【0095】
【表4】

【0096】
実施例7:ヒト胃で起こり得る全pH範囲で活性である酵素
キノコ又は発酵した菌糸体からのOxDC、並びに、キノコ及び植物からのOxOxは、pH1.9〜5.5でシュウ酸分解活性に対する試験がなされた。実施例1に記載されているように、これらの酵素の調合品のいくつかは、pH7.5までの活性に対する試験がさらになされた。この結果は、表5に与えられる。最適pH範囲は、その範囲内の任意のpHで最も高い活性の少なくとも40%を有する酵素によって定義される。また、活性pH範囲は、その範囲内の任意のpHで最も高い活性の少なくとも5%を示すこととして定義される。これらの酵素の多くは、pH1.9〜5.3で、あるいはさらに幅広いpH1.9〜6.3で、活性である。したがって、ヒト胃で起こり得る全pH範囲をカバーする。1.9未満のpHでの酵素活性は検討していないことに注意すべきである。しかし、これらの酵素のいくつかが1.9未満のpHで活性であり、pH1.9で最適活性を示と仮定することは合理的である。
【0097】
【表5】

【0098】
図1に示されるように、3この選択されるキノコからのOxDCは、著しく異なるpH活性プロファイルを示す。L.エドデス(L.edodes)からのOxDCは、pH2.0〜5.0で活性を示し、pH2.5〜3.0で最適活性を示す一方、F.ベルティペス(F.velutipes)からのOxDCは、pH2.5〜5.0で活性を示し、pH3.0〜3.5で最適活性を示す。さらに、H.テッセルラトゥス(H.tessellatus)からのOxDCは、pH3.0〜5.0で活性を示し、pH3.5〜4.0で最適活性を示す。
【0099】
実施例8:熱的安定性
キノコ又は発酵した菌糸体からのOxDC、並びに、キノコからのOxOxは、実施例1に記載されているように50〜80℃で熱処理された。最初のOxDC又はOxOx活性の70%以上を保持した温度が、表6に与えられる。
【0100】
【表6】

【0101】
図2に示されるように、L.エドデス(L.edodes)からのOxDCは、55℃で熱的に安定していると決定された。これは、H.テッセルラトゥス(H.tessellates)、及び、F.ベルティペス(F.velutipes)からOxDCより低い(両者はそれぞれ、70°Cまで安定であった)。
【0102】
実施例9:人工胃条件での食物シュウ酸塩の分解
食物混合物は、5%のホウレンソウ、15%調理したチキン、40%のコメ、及び、40%の水を混合し、均質化することにより生成された(w/w)。全シュウ酸塩の内容は、食物混合物100g当たり90mgだった。西洋の食事からの1日の平均シュウ酸塩の摂取量は、50〜250mgである。3つの条件が、スナック及び十分な食事をシミュレートするために評価された。検証実験は、実際の平均量の胃液(150mL)から5倍縮小された。
【0103】
食物混合物は人工胃液と混合された:それぞれ、10、40、及び、200gの食物混合物は、30mlの人工胃液(3.2mg/mlのペプシンを有する84mMのHCl)と混合されて、その後、水で満たして、それぞれ、40、160、及び、800gにした。均質化された菌糸体の懸濁液は、アグロキベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)の発酵から作られ、懸濁液1グラム当たり約15単位の、又は、乾燥菌糸体粉末1グラム当たり150単位のシュウ酸デカルボキシラーゼが含まれるが、これは、これらの食物混合物からのシュウ酸塩を分解するために使用された。5、20、及び、100gの均質化された菌糸体の懸濁液は、これらの食物混合物にそれぞれ追加された。3つの反応混合物の最終pHは、2.3、3.4、及び、5.2だった。混合物はゆっくりと混合され、37℃で維持された。サンプルは、可溶性シュウ酸塩決定のために、0、5、10、20、30、及び、40分で採取された。可溶性シュウ酸塩は、シュウ酸デカルボキシラーゼ活性アッセイのために、実施例1に記載されているようなHPLC方法によって測定された。可溶性シュウ酸塩濃度は、少量から大量の食物混合物の3つの場合での0.82、0.66、及び、0.43mMそれぞれから、10分で0.1mM未満に減少した。また、40分後には、3つの場合すべてで0.03mM未満にさらに減少した。
【0104】
実施例10:
20mgの粗酵素の固定化によって、pH6.5から7.0への機能的なpHシフトが、培養された菌類を均質化した上澄み液から得られた。これは、10単位/mgのタンパク質を含んだ。粗酵素を、1%のキトサン溶液(>92%の脱アセチル)とpH4.0で混合した。その後、ほとんどのキトサンが粒子を形成するまで、0.3%の三リン酸(TPP)溶液を加えた。この粒子は、2000gで10分間、遠心分離することによって収集され、水で再懸濁された。グルタルアルデヒドは、1NのNaOHでpH8.0に調節されたpHで、1%の終末濃度になるよう加えられた。架橋反応は、25℃で10分間であり、その後、水で10倍に希釈された。この架橋粒子は、水で洗って1000の希釈率にして、ほとんどの遊離グルタルアルデヒドを取り除いた。また、洗った粒子は、図4に示される機能的なpHアッセイ及び活性結果のために使用された。
【0105】
カルチャーコレクションにおいて発見された真菌の識別は、表7から、提供される登録番号によって得ることができる。
【0106】
【表7】

【0107】
BPI=米国農務省農業研究局菌類データベース(USDA Agriculture Research Service Fungal Database)
ATCC=米国ティッシュカルチャーコレクション(American Tissue Culture Collection)
PSU=ペンシルバニア州立大学キノココレクションセンター(Penn State University Mushroom Collection Center)
FMRC=フロリダ菌類学研究センター(Florida Mycology Research Center)
FGSC=菌類遺伝子保存センター(Fungal Genetic Stock Center)
FP=ファンジペルフェクチ(FungiPerfecti)
UU=ウプサラ大学植物学セクション(Uppsala University Botany Section)
UA=アルバータ大学ミクロ菌コレクション(University of Alberta Microfungus Collection)
CGMCC=中国普通微生物カルチャーコレクションセンター(China General Microbiological Culture Collection)
CCBAS=担子菌カルチャーコレクション(Culture Collection of Basidiomycetes)
CBS=セントラアルブレアウ・ブーア・シムモレカルチュアーズ,菌類・イースト菌コレクション(Centraalburea voor Schimmelcultures,Fungal and Yeast Collection)
LSID=インデックスファンゴラム(Index Fungorum)
NCIM=国立工業用微生物コレクション(National Collection of Industrial Microorganisms)
BCRC=生物資源保存研究センター(Bioresource Collection and Research Center)
*これらの菌種は、これらのデータベース内に発見される。しかしながら、登録番号は割り当てられていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュウ酸分解組成物であって、前記組成物は、
少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を備え、前記組成物は、菌のバイオサンプルの不溶性の濃縮成分を備え、前記組成物は、1.9以上のpHでシュウ酸塩を分解するのに効果的であることを特徴とするシュウ酸分解組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、1.9〜6.3のpH範囲内のpHで活性である第1の酵素、及び/又は、5.0〜8.0のpH範囲内のpHで活性である第2の酵素、あるいは、前記第1及び第2の酵素の組み合わせを備えることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、及び/又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、
デンチナム・レパランダム(Dentinum reparandum)、ルッスラ・ヴィレッセンス(Russula virescens)、アルミラリア・タベスケンス(Armillaria tabescens)、カンタレルス・シンナバリナス(Cantharellur cinnabarinur)、ボレタス・ルベルス・バル・フラテルヌス(Boletur rubellus var fraternus)、コルリビア・アセルバタ(Collybia acervata)、クレピドトゥス・モリス(Crepidotus mollis)、ボレタス・スブグァブリペス(Boletur subglabripes)、ボレタス・オルナチベス(Boletus ornatipes)、ポリポルス・エレガンス(Polyporus elegans)、プルテウス・ケルビヌス(Pluteus cervinus)、スクレロデルマ・キトリヌム(Sderoderma citrinum)、プレウロトゥス・オストレアトゥス(Pleurotus ostreatus)、クセルラ・ラディカタ(Xerula radicata)、テレフォラ・ヴィアリス(Telephoro vlalis)、クリトキベ(Clitocybe)、コルティナリウス・セドレトルム(Cortinarius cedretorun)、ラクタリウス・インディゴ(Lactarius indigo)、ルッスラ・デンシフォリア(Russula densifolia)、アマニタ・ロパロプス(Amanita rhopalopus)、クリトキベ・ハイドログラマ(Clitocybe hydrograma)、アマニタ・ゲンマタ(Amanita gemmata)、コルティナリウス・レビシ(Cortinarius lewisii)、プレウロトゥス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、イノキベ・リモサ(Inocybe rimosa)、ラクタリウス・アトロビリディス(Lactarius atrorividus)、ルッスラ・シアノキサンタ(Russula cyanoxhanth)、スクレロデルマ・ポリリズム(Sderoderma polyrhizum)、レンティヌラ・エドデス(Lentinula edodes)、ヒプシジグス・テッセルラトゥス(Hypsizygus tessellates)、フランムリナ・ベルティペス(Flammulina velutipes)、レウカンギア・カルトゥジアナ(Leucangia carthusiana)、トゥーベル・オレゴネンス(Tuber oregonese)、グリフォラ・フロンドサ(Grifola frondosa)、ボレタス・ルブリシトリナス(Boletus rubricitrinus)、ボレタス・フラテルヌス(Boletus fraternus)、ギロポルス・サブアルベラス(Gyroporus subalbellus)、ルーコアガリクス・アメリカヌス(Leucoagaricus americanus)、オムファロタス・オレアリウス(Omphalotus olearius)、コプリヌス・ディスセミナトゥス(Coprinus disseminates)、アマニタ・ブルネスセンス(Amanita brunnescens)、ルッスラ・ヘテロフィラ(Russula helerophylla)、マイコラピウム・アドゥスタム(Mycorrhaphium adustum)、アルミラリア・タベスケンス(Armillaria tabescense)、ボレタス・フラヴィポラス(Boletus flaviporus)、ルッスラ・ペクチナトイデス(Russula pectintoides)、レンティヌラ・ボルヤナ(Lentinula boryana)、アマニタ・ムタビリス(Amanita mutabilis)、ギロポルス・サブアルベラス2nd(Gyroporus subalbellus 2nd)、コルリビア・ペロナタ(Collybia peronata)、ラクタリウス・コルルギス(Lactarius corrugis)、ロドキベ(Rhodocybe)、マクロサイブ・タイタンズ(Macrocybe titaus)、コルリビア(Collybia)、プルテウス(Pluteus)、ラクタリウス・ヤズーエンシス(Lactarius yazooensis)、レッキヌム・インシーネ(Leccinum insigne)、コプリヌス・コマタス(Coprinus comatus)、ポリポルス・ツベラスタ(Polyporus tuberaster)、アグロキベ・アエゲリタ( Agrocybe aegerita)、トラメテス・ベルシカラ(Trametes versicolor)、ガノデルマ・ルシダム(Ganoderma lucidum)、ヒプシジグス・ウルマリウス(Hypsizygus ulmarius)、レンティヌラ・エドデス(Lentinula edodes)(温)、レンティヌラ・エドデス(Lentinula edodes)(冷)、レンティヌラ・エドデス(Lentinula edodes)(広範囲)、ルッスラ・アモエノレンス(Russula amoenolens)、ラクタリウス・トメントサ(Lactarius tomentosu)、及び/又は、アガリクス・ブラゼイ(Agaricus blazei)に由来することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、フランムリナ・ベルティペス(Flammulina velutipes)、アグロキベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)、及び、コプリヌス・コマタス(Coprinus comatus)の2以上、あるいは、これらの任意の組み合わせから得られ、前記酵素は1.9〜6.3のpH範囲内のpHで活性であることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
対象のシュウ酸塩の量を減らす方法であって、
前記対象へ少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を備える治療上効果的な量の組成物を投与することを備え、前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、1.9〜6.3のpH範囲内のpHレベルで活性である酵素を備え、前記酵素は、前記対象の消化管において可溶性シュウ酸塩を分解することを特徴とする対象のシュウ酸塩の量を減らす方法。
【請求項7】
前記治療上効果的な量の組成物は、前記対象に経口で投与されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、及び/又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記酵素は、シュウ酸オキシダーゼであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記酵素は、菌源から分離されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記酵素は、シュウ酸デカルボキシラーゼであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記酵素は、菌源又は細菌源から分離されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記酵素は、発酵条件下で生育された菌源又は細菌源から分離されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、1.9〜5.5のpH範囲内のpHで活性である酵素を備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、5.5〜8.0のpH範囲内のpHで活性である酵素を備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、フランムリナ・ベルティペス(Flammulina velutipes)、アグロキベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)、又は、コプリヌス・コマタス(Coprinus comatus)から得られ、前記酵素は、1.9〜5.5のpH範囲内のpHで活性であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項17】
対象のシュウ酸塩関連の病状を治療する方法であって、前記方法は、必要とする対象へ治療上効果的な量の請求項1の組成物を投与することを備えることを特徴とし、前記シュウ酸塩関連の病状は、原発性シュウ酸尿症、自閉症、続発性過シュウ酸尿症、クローン病、炎症性腸疾患、大腸炎、心臓伝導障害、尿石症、外陰部痛、肥満手術、末期腎不全に関連するシュウ酸症、及び、他の腸疾患状態の1つを含むことを特徴とする対象のシュウ酸塩関連の病状を治療する方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、1.9〜6.3のpHで活性である酵素を備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、5.5〜8.0のpHで活性である酵素を備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、フランムリナ・ベルティペス(Flammulina velutipes)、アグロキベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)、又は、コプリヌス・コマタス(Coprinus comatus)、あるいは、それらの任意の組み合わせから得られ、前記酵素は、1.9〜6.3のpHで活性であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
必要とする患者は、該患者が示す症状、及び、該患者の体内におけるシュウ酸濃度のレベルによって決定されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記投与ステップは、経口投与によることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項24】
包装材料、及び、効果的な量のシュウ酸分解酵素を備える製品であって、前記包装材料は、錠剤、キャンディー、小袋、タブレット、大袋、棒、及び/又は、食品添加物の少なくとも1つを備えることを特徴とする製品。
【請求項25】
前記シュウ酸分解酵素は、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、及び/又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項24に記載の製品。
【請求項26】
シュウ酸塩関連の病状を治療する方法であって、
このような治療を必要とする対象に治療上効果的な量の(a)該対象の胃において酵素を放出する第1の組成物、及び、(b)該対象の腸管において酵素を放出する第2の組成物を共投与することを備え、前記酵素が放出される場合、前記第1の組成物は、胃においてシュウ酸塩を分解し、前記第2の組成物は、腸管においてシュウ酸塩を分解するような、シュウ酸塩関連の病状を治療する方法。
【請求項27】
該共投与は、連続であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
該共投与は、同時であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
該第1の組成物、及び、該第2の組成物は、同じ送達様式によって投与されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
該第1の組成物、及び、該第2の組成物は、第1の経口単位、及び、第2の経口単位をそれぞれ備えることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
該第1の組成物は、OxOx、及び/又は、OxDCの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項32】
菌源由来のシュウ酸分解組成物であって、少なくとも第1の組成物、及び、第2の組成物を備え、前記第1の組成物は、第1のシュウ酸分解酵素を備え、前記第1の組成物は、1.9〜6.3のpH範囲内のpHで前記第1のシュウ酸分解酵素を放出することを特徴とし、前記第2の組成物は、第2のシュウ酸分解酵素を備え、前記第2の組成物は、5.5〜8.5のpH範囲内のpHで前記第2のシュウ酸分解酵素を放出することを特徴とする、菌源由来のシュウ酸分解組成物。
【請求項33】
該第1のシュウ酸分解酵素は、1.9〜6.3のpH範囲内のpHで溶解する第1のポリマーと組み合わせられ、前記第2のシュウ酸分解酵素は、5.5〜8.5のpH範囲内のpHで溶解する第2のポリマーと組み合わせられることを特徴とする請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、及び/又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項35】
第1のpH範囲内のpHで使用可能である第1の組成物、及び、第2のpH範囲内のpHで使用可能である第2の組成物を備え、少なくとも第1のシュウ酸分解酵素、及び、第2のシュウ酸分解酵素を備えることを特徴とする経口投与のための一定量のシュウ酸分解酵素を備える製品。
【請求項36】
該第1のシュウ酸分解酵素は、経口単位の第1の成分を備え、かつ、前記第2のシュウ酸分解酵素は、経口単位の第2の成分を備えることを特徴とする請求項35に記載の製品。
【請求項37】
該第1の成分は、該経口単位内で該第2の成分を包むことを特徴とする請求項35に記載の製品。
【請求項38】
該第2の成分は、該経口単位内で該第1の成分を包むことを特徴とする請求項35に記載の製品。
【請求項39】
該第1のpH範囲は、1.9〜6.3のpHを含み、かつ、該第2のpH範囲は、5.5〜8.5のpHを含むことを特徴とする請求項35に記載の製品。
【請求項40】
該第1の組成物、及び、該第2の組成物は、1つの経口単位で投与されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を備え、植物バイオサンプルの不溶性の濃縮成分備え、5.0〜8.0のpH範囲内のpHでシュウ酸塩を分解するのに効果的であることを特徴とするシュウ酸分解組成物。
【請求項42】
前記組成物は、1.9〜6.3のpH範囲内のpHで活性であるもう1つのシュウ酸分解酵素をさらに備えることを特徴とする請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、及び/又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、ブーゲンビレア・ブーゲンビリア(Bouganvillea buganvillea)に由来することを特徴とする請求項41に記載の組成物。
【請求項45】
対象のシュウ酸塩の量を減らす方法であって、
前記対象へ少なくとも1つのシュウ酸分解酵素を備える治療上効果的な量の組成物を投与することを備え、前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、5.0〜8.0のpH範囲内のpHレベルで活性である酵素を備え、前記酵素は、前記対象の腸管において可溶性シュウ酸塩を分解することを特徴とする対象のシュウ酸塩の量を減らす方法。
【請求項46】
前記治療上効果的な量の組成物は、前記対象に経口で投与されることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素は、シュウ酸オキシダーゼ(OxOx)、又は、シュウ酸デカルボキシラーゼ(OxDC)の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記組成物は、前記少なくとも1つのシュウ酸分解酵素が、前記対象の胃で安定していているように配合されることを特徴とする請求項45に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−512249(P2013−512249A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541163(P2012−541163)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/057805
【国際公開番号】WO2011/066282
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512137728)キャプトザイム エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】