説明

シュレッダー

【課題】シュレッダーのメンテナンス情報の管理を、安価に、かつ容易に行うことができるようにする。
【解決手段】シュレッダー1の筐体2に、このシュレッダー1のメンテナンス情報を非接触で書き込み可能なICタグ10を設け、該ICタグ10内に格納されている情報の読み出し及び書き換えを非接触ICタグ用外部携帯端末14を用いて行いうるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細断機を駆動して紙葉を切り刻むシュレッダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、モータの回転により細断機を駆動して、不要な紙葉を切り刻むように構成されたシュレッダーは数多く知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のシュレッダーは、使用に伴い、細断機構における剪断刃等の各種部品が摩耗するので、定期的あるいは必要に応じて、点検及び交換が行われる。
【0003】
しかし、従来のシュレッダーでは、点検や部品交換等のメンテナンスに関する記録は、その都度、整備記録票等に書き込むようにして、書面で残す方法がとられている。
【特許文献1】実開昭61−121951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来のシュレッダーでは、シュレッダーのメンテナンスに関する記録は、整備記録票等に書き込むようにしており、紙以外に記録するような手段は設けられていない。このため、整備記録を紛失したり、メンテナンス先に持参し忘れたりすることがあり、不便であった。また、情報の管理が面倒で、メンテナンスのコストを高めている原因にもなっている。
【0005】
本発明は、上述のような従来の課題を解決するためになされたものであって、シュレッダーのメンテナンス情報の管理を、安価に、かつ容易に行うことが可能なシュレッダーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)シュレッダーの筐体に、このシュレッダーのメンテナンス情報を非接触で書き込み可能なICタグを設け、該ICタグ内に格納されている情報の読み出し及び書き換えを非接触ICタグ用外部携帯端末を用いて行いうるようにした。
【0007】
(2)上記(1)項において、ICタグを、シュレッダーの筐体上部に取り付けた合成樹脂製操作パネルの裏側に隣接させて設ける。
【0008】
(3)上記(1)または(2)項のいずれかにおいて、ICタグ内に、固体識別番号、製造番号、製造年月日、版数、初期納入先、前回点検日付、作業内容、担当者、連絡先、前回点検時稼働時間の各情報を記録する。
【0009】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、シュレッダー内に、ICタグ内に格納されている情報の書き換えを非接触で行うICタグ用通信手段を設ける。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によると、シュレッダーのメンテナンスを行う毎に、そこで行ったメンテナンスの情報を、シュレッダーに設けたICタグに非接触ICタグ用外部携帯端末を用いて書き込み、更新を行うので、従来、紙等で用意されていた整備記録票等が不要になる。また、読み出しも非接触ICタグ用外部携帯端末を用いて行い、該端末を通して見ることができるので、管理の簡略化が行え、安価に管理することができる。また、整備記録用紙が紛失したり、持参し忘れたりする不都合も解消できる。
【0011】
請求項2記載の発明によると、ICタグを、信号の読み出し・書き込みに影響を与えることのない、合成樹脂製の操作パネルの裏側に隣接して設けているので、情報の読み書きを確実に行うことができ、信頼性が向上する。
【0012】
請求項3記載の発明によると、ICタグ内の情報から、固体識別番号、製造番号、製造年月日、版数、初期納入先、前回点検日付、作業内容、担当者、連絡先、前回点検時稼働時間の各情報を知りうることができ、メンテナンスの管理が容易になる。
【0013】
請求項4記載の発明によると、シュレッダーのICタグ用通信手段を用いて、シュレッダーの稼働時間等をICタグ内に記憶できるので、メンテナンス時にシュレッダーの稼働時間情報、エラー処理情報、安全センサ稼動情報等も参考にして適切な処理が行え、また、その情報の収集も、シュレッダーに接近するだけで容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるシュレッダー外観斜視図を示す。
【0015】
図1において、シュレッダー(1)は、筐体(2)の上面中央部分に文書投入口(3)を有し、上面前側部分に合成樹脂製の操作パネル(4)を設けている。また、筐体(2)の前面には、扉(5)を設けている。操作パネル(4)には、図示せぬ細断機を駆動させるモータを緊急停止するストップスイッチ(6)と、モータを正方向に、手動操作で回転させるスタートスイッチ(7)及びモータを逆方向に回転させる逆転スイッチ(8)と、運転状態をランプで発光表示する表示部(9)とを設けている。
【0016】
操作パネル(4)の裏面側には、この操作パネル(4)と隣接させて、ICタグ(10)を設けている。ICタグ(10)は、一般によく知られた非接触型の無線ICタグであり、例えばRFID(Radio Frequency Identification )タグである。そのICタグ(10)は、例えば図2及び図3に示すように、薄いカード状のタグ筐体(11)にICユニット(12)とループコイルアンテナ(13)が埋め込まれてなる。また、ICタグ(10)を操作パネル(4)の直ぐ裏側に隣接して設ける理由は、ICタグ(10)を金属製の部品に近づけて設置すると、その金属製部品からの磁気ノイズを受ける虞があり、その影響を防ぐためである。
【0017】
そして、ICユニット(12)には、非接触ICタグ用外部携帯端末(14)から発信された無線信号形式の要求信号等が、アンテナ(13)で受信されると、これをデコードして、この要求に応じた応答信号をICタグ(10)の記憶部から読み出し、これをアンテナ(13)によって無線信号形式の信号にして外部携帯端末(14)に送信する。反対に、外部携帯端末(14)から発信された無線信号形式の書き込み信号がアンテナ(13)で受信されると、この受信された信号をデコードしてICタグ(10)の記憶部内の所定の場所に書き込み、データの更新を行う。非接触ICタグ用外部携帯端末(14)も一般に良く知られたものであり、例えば特開平11−283123号公報等でも知ることができる。
【0018】
なお、ここでICタグ(10)内に記憶される情報としては、固体識別番号、製造番号、製造年月日、版数、初期納入先、前回点検日付、作業内容、担当者、連絡先、前回点検時稼働時間の各情報等である。また、作業内容の中には、カッター刃の交換日等も含まれる。
【0019】
このように構成されたシュレッダー(1)では、ICタグ(10)内にメンテナンスに必要な情報が記憶され、メンテナンスに訪問したサービスマンが持参する非接触ICタグ用外部携帯端末(14)で読み出すことにより、メンテナンスの履歴を簡単に知ることができる。また、所定のメンテナンスが終了したら、今回行ったメンテナンスの情報を外部携帯端末(14)を用いてICタグ(10)に記録すると、メンテナンスの履歴を更新することができる。
【0020】
したがって、シュレッダーのメンテナンスの記録には、従来のように紙で用意される整備記録票等を使うことがないので、整備記録を紛失したり、あるいはメンテナンス先に持参し忘れたりすることがなくなる。これにより、情報の管理が簡略化でき、メンテナンスのコストを下げることができる。
【0021】
なお、上記実施の形態では、ICタグ(10)への情報の記録は、非接触ICタグ用外部携帯端末(14)を用いて行う場合について説明したが、例えば図1中に一点鎖線で示すように、1筐体(2)内に別のICタグ用通信手段としての非接触ICタグ用受発信機(15)を設けておき、シュレッダー(1)の稼働時間の情報、並びにエラー処理情報、安全センサ稼動情報等を検出し、その情報を非接触ICタグ用受発信機(15)でその都度ICタグ(10)に書き込んでおき、上記メンテナンス情報と同時に稼働情報も外部携帯端末(14)で読み出すようにしてもよい。これにより、外部携帯端末(14)は、メンテナンスの技術者以外に、営業サービスマンが携帯して、シュレッダー(1)に係る最新の稼動状況情報の収集が容易にできる。
も参考にして適切な処理が行え、また、その情報の収集も、シュレッダーに接近するだけで容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態におけるシュレッダーと外部携帯端末の外観斜視図である。
【図2】同上シュレッダに内蔵しているICタグの一例を示す平面図である。
【図3】同上ICタグの側面図である。
【符号の説明】
【0023】
(1)シュレッダー
(2)筐体
(3)文書投入口
(4)操作パネル
(5)扉
(6)ストップスイッチ
(7)スタートスイッチ
(8)逆転スイッチ
(9)表示部
(10)ICタグ
(11)タグ筐体
(12)ICユニット
(13)アンテナ
(14)非接触ICタグ用外部携帯端末
(15)非接触ICタグ用受発信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュレッダーの筐体に、このシュレッダーのメンテナンス情報を非接触で書き込み可能なICタグを設け、該ICタグ内に格納されている情報の読み出し及び書き換えを非接触ICタグ用外部携帯端末を用いて行いうるようにしたことを特徴とするシュレッダー。
【請求項2】
ICタグを、シュレッダーの筐体上部に取り付けた合成樹脂製操作パネルの裏側に隣接させて設けた請求項1記載のシュレッダー。
【請求項3】
ICタグ内に、固体識別番号、製造番号、製造年月日、版数、初期納入先、前回点検日付、作業内容、担当者、連絡先、前回点検時稼働時間の各情報を記録するようにした請求項1または2のいずれかに記載のシュレッダー。
【請求項4】
シュレッダー内に、ICタグ内に格納されている情報の書き換えを非接触で行うICタグ用通信手段を設けた請求項1〜3のいずれかに記載のシュレッダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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