説明

ショーケース

【課題】ショーケース本体の側壁と前壁を構成する断熱壁の外板が破損や汚損が生じても修繕に手間がかからず、使用寿命を長くするショーケースを得る。
【解決手段】断面略コ字形に開口し、前面および側面を断熱壁で箱状に形成し、前記断熱壁は、壁面を形成する外板8および内板7と、前記外板8と内板7の上部が挿入される断面コ字形の飾り枠12と外板8および内板7とが形成する空間に断熱材が注型され、外板8と内板7が断熱材と一体化し前記飾り枠12により保持されるショーケースにおいて、前記飾り枠12と前記断熱壁の断熱壁保持部14の外側に隙間を形成させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットなどの店舗に設置されるショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ショーケースは、上面に商品出し入れ用の開口を有し断熱壁で形成された断面略コ字形のショーケース本体内を仕切り板で商品収納庫と冷気循環ダクトとに区画し、開口の端部に商品収納庫内を照射する蛍光灯などの照明灯と照明灯スイッチを配設し、冷気循環ダクト内には冷気を開口や庫内に送風するための送風機を配設している。
【0003】
また、ショーケース本体の下方には機械室を設け、機械室内に圧縮機や凝縮器、送風機などからなる冷凍ユニット・電装ボックスを配設しているものもある。
【0004】
ところで、ショーケースの断熱壁の外面となる外板は、内板とともにショーケースを組立てる過程で、発泡ウレタン樹脂などの断熱材を注型することで樹脂の接着力によって断熱壁の壁面に固着され、断熱壁と一体化した状態となり、さらに断熱壁の端部は、断面コ字形の飾り枠により保持される。(例えば特許文献1)
【特許文献1】特開2003−259947
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外板は化粧板として側壁と前壁の外側、表面に取り付けられるものであるため、他物がぶつかったりして損傷したり、汚損されることも多い。かかる場合、前記のように従来の断熱壁の外板は断熱壁と一体化したものであったため、損傷や汚損などが生じても交換ができず、破損、汚損したままの状態で使用を継続するか、外板の表面パテ埋めや研磨した後に塗装して修繕するなど非常に手間を要するものであった。
【0006】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消するものとして、ショーケース本体の側壁と前壁を構成する断熱壁の外板の上に後付用化粧板を重ねて取り付ける構造とし、外板や後付化粧板に破損や汚損が生じても修繕に手間がかからず、使用寿命を長くするショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、断面略コ字形に開口し、前面および側面を断熱壁で箱状に形成し、前記断熱壁は、壁面を形成する外板および内板と、前記外板と内板の上部が挿入される断面コ字形の飾り枠と外板および内板とが形成する空間に断熱材が注型され、外板と内板が断熱材と一体化し前記飾り枠により保持されるショーケースにおいて、前記飾り枠と前記断熱壁の断熱壁保持部の外側に隙間を形成させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上述べたように本発明のショーケースは、断面略コ字形に開口し、前面および側面を断熱壁で箱状に形成し、前記断熱壁は、壁面を形成する外板および内板と、前記外板と内板の上部が挿入される断面コ字形の飾り枠と外板および内板とが形成する空間に断熱材が注型され、外板と内板が断熱材と一体化し前記飾り枠により保持されるショーケースにおいて、前記飾り枠と前記断熱壁の保持部の外側に隙間を形成させたことにより、外板が破損、汚損した場合、後付用化粧板を挿入することで外板の上から新たに化粧板を装着することができるためショーケースの外観の見栄えが低下することを防ぐとともに、修繕に手間がかからず、使用寿命を長くするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明のショーケースの実施形態を示す分解斜視図、図2は同上要部であるショーケース本体の断熱壁の縦断正面図、図3は本発明の第二実施形態を示す同上要部であるショーケース本体の断熱壁の縦断正面図で、ショーケースの全体構造は前記したとおりであるからここでの詳細な説明は省略する。
【0010】
本発明が実施されるショーケースは、図1のように上面に商品出し入れ用の開口2を有し断熱壁で形成され断面略コ字形のショーケース本体1を仕切板3で商品収納庫4と冷気循環ダクトとに区画した平型タイプのものに代表される。
【0011】
前記ショーケース本体1の側壁を構成する断熱壁は、図2にも示すように内板7と外板8との間に断熱材としてウレタン樹脂9を注型したものであり、この外板8の外側に後付用化粧板10が取り付けられる。
【0012】
前記の側壁と同様にショーケース本体1の前壁においても同様の構造を採用することは可能であり、本発明は、側壁の断熱壁に限定されるものではない。
【0013】
後付用化粧板10を断熱壁に取り付ける具体的方法は、図2に示すように断熱壁の上面にステンレス製で断面コ字形の飾り枠12を装着する。この場合、内板7の側は飾り板12の垂直部を隙間なしで内板7に密着させ、外板8の側は、外板8と飾り枠12の垂直部との間に後付用化粧板10の板厚に合わせ約1mmの隙間を設け、この隙間に軟質PVCなどを使用する帯状のスペーサー(シール材13)を挿入する。このスペーサー(シール材13)は挿入するだけであり、接着などにより固定しない。こうして飾り枠12およびスペーサー13とにより断熱壁保持部14が形成される。
【0014】
そして、外板8が破損または汚損し、後付用化粧板10を取り付ける場合は、スペーサー(シール材13)が挿入された隙間に後付用化粧板10の上部を差込む。これにより後付用化粧板10が外板8の外側に取り付けが可能となる。
【0015】
また、後付用化粧板10の下部の保持方法として、図1に記載のショーケースでは、後付用化粧板10の下端部をL字形のコーナーパネル11を被せ、前面、側面の後付用化粧板10の下端部を保持する構造を記載しており、断熱壁の側壁側の外板8の外側に後付用側壁側化粧板10a前壁側化粧板10bの付き合わせ端部がL字形のコーナーパネル11で結合する。
【0016】
さらに、後付用化粧板10が破損、汚損し再び新たな後付用化粧板10を挿入する場合は、コーナーパネル11と後付用化粧板10を外した後、前記の方法で後付用化粧板10に交換することが可能である。
【0017】
また、前記のように隙間を形成する方法として、スペーサー(シール材)13に代えて、図3に示すように、断面コ字形の飾り枠12の外側の内コーナー部に突起15を設け、断熱材を注型し断熱壁が保持される際に外板8が外側へ膨らまないように抑えることで隙間を形成させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のショーケースの実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】本発明のショーケースの第1実施形態の要部であるショーケース本体の断熱壁の側壁部分の縦断正面図である。
【図3】本発明のショーケースの第2実施形態の要部であるショーケース本体の断熱壁の側壁部分の縦断正面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ショーケース本体 2 開口
3 仕切板 4 商品収納庫
5 機械室 6 点検蓋
7 内板 8 外板
9 ウレタン樹脂 10 後付用化粧板
10a 後付用側壁側化粧板 10b 後付用前壁側化粧板
11 コーナーパネル 12 飾り枠
13 シール材 14 断熱壁保持部
15 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面略コ字形に開口し、前面および側面を断熱壁で箱状に形成し、
前記断熱壁は、壁面を形成する外板および内板と、前記外板と内板の上部が挿入される断面コ字形の飾り枠と外板および内板とが形成する空間に断熱材が注型され、外板と内板が断熱材と一体化し前記飾り枠により保持されるショーケースにおいて、前記飾り枠と前記断熱壁の断熱壁保持部の外側に隙間を形成させたことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記飾り枠と前記断熱壁の保持部の隙間は着脱自在なスペーサーを挿入し形成させることを特徴とする請求項1記載のショーケース。
【請求項3】
前記飾り枠と前記断熱壁の保持部の隙間は断面コ字形の飾り枠の外側の内コーナー部に突起を設けて形成させることを特徴とする請求項1記載のショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−254686(P2009−254686A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109220(P2008−109220)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】