説明

ショーケース

【課題】特に棚前部を容易に、且つ、効果的に照明することができる照明装置を備えたショーケースを提供する。
【解決手段】本発明のショーケース1は、棚9が架設された陳列室5の前面開口6の扉7と、扉が当接する支柱8と、この支柱の後面8Aに上下に渡って取り付けられた照明装置15とを備え、照明装置は、陳列室内後方に向けて光を照射するLED素子17が上下に渡って複数設けられた基板18と、支柱の水平方向における一側方若しくは他側方の陳列室内に位置する棚前部に向けLED素子からの光を反射する第1及び第2の反射部材24、25とを備え、これら反射部材は、各LED素子に対応して上下方向において交互に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品陳列用の棚が架設された陳列室と、この陳列室の前面開口を開閉自在に閉塞する透視可能な扉と、陳列室の開口部に設けられ、前面に扉が当接する支柱と、この支柱の後面に上下に渡って照明装置を取り付けて成るショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種のショーケースにおいては、前面が開口する断面略コ字状の断熱箱体により本体が構成されており、内部に商品陳列用の棚が複数段架設された陳列室が形成されている。この断熱箱体の前部には、左右両側及びこれら両側部と所定間隔を存して複数の支柱が立設されている。それぞれの支柱間には、陳列室の前面開口を開閉自在に閉塞する内部を透視可能な扉が設けられている。この扉は、一側端を回動可能に支柱に支持され、当該一側を中心として回動させることにより、開放可能とされている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
そして、この支柱の後面には、上下に渡って陳列室照明用の蛍光灯が設置されている。これにより、陳列室内の棚上に陳列収納される商品は、蛍光灯により照明される。
【0004】
ここで、蛍光灯により照射される光は、当該蛍光灯を構成する蛍光管外面より拡散されて陳列室内を照明する。この蛍光灯からの光は陳列室方向に向かって拡散するため、棚の前部中央まで十分な光量を照射することができない。そのため、棚中央周辺に陳列される商品は、十分な光量が供給されず、他よりも暗くなってしまう問題があった。
【0005】
そこで、最近では、当該蛍光灯に代わって、指向性の高いLED素子を用いた照明装置が採用されている。係る照明装置は、例えば複数のチップタイプのLED素子が配設された基板により構成されている。そして、係るLED素子が設けられた基板を陳列室の前両角隅部に上下に渡って取り付ける。このとき、基板は、支柱後面に対し所定の角度を成すように取り付けられ、これによって、LED素子からの光が直接棚前部に照射される。
【0006】
同様に、陳列室の前両角隅部と所定間隔を存して設けられる支柱には、係るLED素子が設けられた基板を備えた照明装置が背中合わせとされた状態で、上下に設けられる。一方の照明装置のLED素子は、支柱の一側(左右方向の一側)の陳列室内に位置する棚前部に向けて光を照射すると共に、他方の照明装置のLED素子は、支柱の他側(左右方向の他側)の陳列室内に位置する棚前部に向けて光を照射する構成とされていた。
【特許文献1】特開平8−224150号公報
【特許文献2】実用新案登録第2546302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように照明装置としてLED素子を採用することで、光の指向性が向上し、陳列室内の商品の照明効果の向上を図ることが可能となる。しかし、上述したように、陳列室の両側部間に設けられるそれぞれの支柱には、各支柱の水平方向一側及び他側のそれぞれに光を照射するための照明装置を設ける必要がある。
【0008】
そのため、各LED素子が支柱後面から水平方向一側(若しくは他側)に位置する棚前部を照明するように支柱後面に対し所定角度を成して基板を配置する必要があるため、支柱後面に配置される照明装置自体の寸法が大きくなる問題があった。
【0009】
また、係る照明装置では、主としてLED素子からの照射光を直接、棚前部に向けて照射すると共に、LED素子の扉側に設けられる反射板部からの反射光を陳列室内に照射する構成としていたが、LED素子から直接照射される光は、照射方向(若しくは照射範囲)を制御することが困難となり、最適な照明を実現するには、煩雑な調整作業が必要となる。
【0010】
そこで、本発明は、従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、特に棚前部を容易に、且つ、効果的に照明することができると共に、支柱後面に配置される照明装置の小型化を実現することで、限られた陳列室内の領域をより有効に使用することが可能となり、扉が開放された際に支柱側面からの美感向上を図ることができる照明装置を備えたショーケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のショーケースは、商品陳列用の棚が架設された陳列室と、この陳列室の前面開口を開閉自在に閉塞する透視可能な扉と、陳列室の開口部に設けられ、前面に扉が当接する支柱と、この支柱の後面に上下に渡って取り付けられた照明装置とを備えたものであって、照明装置は、陳列室内後方に向けて光を照射するLED素子が上下に渡って複数設けられた基板と、支柱の水平方向における一側方の陳列室内に位置する棚前部に向け、LED素子からの光を反射する第1の反射部材と、支柱の水平方向における他側方の陳列室内に位置する棚前部に向け、LED素子からの光を反射する第2の反射部材とを備え、第1の反射部材と第2の反射部材は、各LED素子に対応してそれぞれ設けられると共に、上下方向において交互に配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明のショーケースは、上記発明において、LED素子は、上下方向において略一直線上に配置され、第1の反射部材は、その中心が基板の水平方向における一側に偏って配置されていると共に、第2の反射部材は、その中心が基板の水平方向における他側に偏って配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明のショーケースは、上記請求項1の発明において、LED素子は、上下方向において基板の水平方向における一側と他側に交互に偏って配置され、第1の反射部材は、基板の他側に偏って配置されたLED素子に対応して設けられていると共に、第2の反射部材は、基板の一側に偏って配置されたLED素子に対応して設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明のショーケースは、上記各発明において、LED素子からの光を反射する各反射部材の反射面は、照明装置の水平方向における一側及び他側で、上下方向における明るさが略均等となる形状とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、商品陳列用の棚が架設された陳列室と、この陳列室の前面開口を開閉自在に閉塞する透視可能な扉と、陳列室の開口部に設けられ、前面に扉が当接する支柱と、この支柱の後面に上下に渡って取り付けられた照明装置とを備えたショーケースにおいて、照明装置は、陳列室内後方に向けて光を照射するLED素子が上下に渡って複数設けられた基板と、支柱の水平方向における一側方の陳列室内に位置する棚前部に向け、LED素子からの光を反射する第1の反射部材と、支柱の水平方向における他側方の陳列室内に位置する棚前部に向け、LED素子からの光を反射する第2の反射部材とを備え、第1の反射部材と第2の反射部材は、各LED素子に対応してそれぞれ設けられると共に、上下方向において交互に配置されているので、単一の基板に配置される複数のLED素子からの照射光を、上下方向において交互に配置される第1の反射部材と第2の反射部材のそれぞれによって対応する棚前部に向けて反射させることができ、支柱の水平方向における一側及び他側とで光量を均一がすることが可能となる。
【0016】
これにより、単一の基板に配置される複数の指向性の高いLED素子からの光を異なる方向に照射させることができ、棚上、特に最前部の商品を良好に照明することが可能となり、照明効果の向上を図ることができる。
【0017】
また、LED素子から陳列室内後方に向けて照射される光は、それぞれの反射部材によって対応する棚前部に向けて反射される構成とされていることから、直接対象となる方向に向けて光を照射する場合に比較して、光の照射方向や、照射範囲の制御を容易に行うことが可能となる。これにより、円滑に、且つ、最適な照明を実現することが可能となる。
【0018】
特に、照明装置を構成する基板は、LED素子が陳列室内後方に向けて光を照射するように支柱後面に設けられることから、照明装置自体の奥行き寸法を縮小することができ、限られた陳列室内の領域をより有効に使用することが可能となる。また、扉が開放された際に支柱側面からの照明装置の美感向上を図ることができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、上記発明に加えて、LED素子は、上下方向において略一直線上に配置され、第1の反射部材は、その中心が基板の水平方向における一側に偏って配置されていると共に、第2の反射部材は、その中心が基板の水平方向における他側に偏って配置されているので、各LED素子をそれぞれの反射部材の奥部に配置することが可能となり、光の反射方向の制御能力(光の指向性)を向上させることができる。これにより、より効果的な照明を実現することができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、上記請求項1の発明に加えて、LED素子は、上下方向において基板の水平方向における一側と他側に交互に偏って配置され、第1の反射部材は、基板の他側に偏って配置されたLED素子に対応して設けられていると共に、第2の反射部材は、基板の一側に偏って配置されたLED素子に対応して設けられているので、各LED素子をそれぞれの反射部材の奥部に配置することが可能となり、光の反射方向の制御能力(光の指向性)を向上させることができると共に、基板自体の幅寸法を狭小化することが可能となる。
【0021】
請求項4の発明によれば、上記各発明において、LED素子からの光を反射する各反射部材の反射面は、照明装置の水平方向における一側及び他側で、上下方向における明るさが略均等となる形状とされているので、照明装置の一側及び他側において上下方向における明るさ(光量又は光照射量)をムラ無く、略均等とでき、照明効果の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態として各実施例について詳述する。
【実施例1】
【0023】
まずはじめに、図1及び図2を参照して実施例1としてのショーケース1について説明する。図1は本発明を適用したショーケース1の正面図、図2はショーケース1の部分拡大断面図を示している。ショーケース1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどに設置される低温ショーケースで、前面に開口した断熱箱体(断熱壁)2により本体が構成されている。
【0024】
この断熱箱体2は、前面に開口する鋼板製の外箱3と、この外箱3内に間隔を存して組み込まれ、前面に開口する鋼板若しくは硬質樹脂製の図示しない内箱と、外箱3及び内箱間に発泡充填された発泡ポリウレタンからなる断熱材にて構成されている。
【0025】
この内箱内に陳列室5が構成されると共に、陳列室5の前面開口6の上端から下端に渡って内部を透視可能とされる複数(本実施例では3つ)の回動式のガラス扉7、7、7にて開閉自在に閉塞されている。このガラス扉7は、扉縁部を構成する枠体7Aと、当該枠体7A内に設けられる内部を透視可能なガラス板7Bとから構成されており、枠体7Aの後面には、ガスケット7Cが設けられている。
【0026】
断熱箱体2の前面開口6縁には、所定間隔を存して複数(この場合、扉7が3つ設けられているため、2つ)の支柱8が上下に渡って設けられている。係る支柱8は、例えば断熱材によって構成される柱状の部材である。そのため、各ガラス扉7は、後面のガスケット7Cが前面開口6縁部と、支柱8前面とに密着することにより、陳列室5内を閉塞している。また、本実施例において当該支柱8の後面8Aは、陳列室5を構成する断熱箱体2の背面と略平行となる水平面を有している。
【0027】
また、陳列室5の背面及び前部には、上下に渡って棚支柱10が立設されており、当該棚支柱10には、複数段の棚9が架設されている。なお、当該棚支柱10には、所定間隔を存して複数の係合孔が形成されており、棚9を架設する係合孔を変更することにより、棚9の高さ位置を変更することができる。
【0028】
なお、本実施例では、前記支柱8の後方に対応して陳列室5の背面及び前部に棚支柱10が設けられている。そのため、各棚9は、各ガラス扉7の後方に対応してそれぞれ複数段架設されている。
【0029】
また、陳列室5内上部には、図示しない冷却装置の冷却器と送風機が設置されている。冷却器は、別置きで設置される図示しない圧縮機及び凝縮器等と所謂冷凍サイクルを構成する冷却装置を構成するものであり、この冷却器からの冷気を送風機にて陳列室5に強制循環することによって、陳列室5内は所定の温度に冷却される。
【0030】
次に、上記図2及び図3乃至図8を参照して陳列室5内に設けられる照明装置15について詳述する。図3は照明装置15の一部の透視平面図、図4は図3の側面図、図5は図3の断面図、図6は照明装置15のLED照明部材16の分解斜視図、図7は同じくLED照明部材16の分解斜視図、図8はLED素子による照射光の状態を説明する基板の概略説明図をそれぞれ示している。
【0031】
本実施例において、本体を構成する断熱箱体2の開口6縁内側、具体的には、支柱8の後面8Aには、上下に渡って照明装置15が設けられている。尚、陳列室5の前両側部の隅角には、詳細は後述する図示しない照明装置が設けられている。
【0032】
支柱8の後面8Aに設けられる照明装置15は、複数のLED照明部材16を上下に複数並設して構成される。図3では、当該LED照明部材16が2つ並設した状態を示しているが、実際には、当該照明装置15が設けられるショーケース1の支柱8の上下に渡って、それぞれが近接した状態で、複数個(例えば4、5個)並設される。
【0033】
このLED照明部材16は、複数のLED素子17が配設された基板18と、それぞれのLED素子17から照射された光を所定の方向に反射させる複数の反射部材24・・、25・・と、カバー部材26により構成されている。
【0034】
基板18は、長手方向に延在して構成されると共に、少なくとも前述した如き支柱8の後面8Aの幅寸法よりも所定寸法だけ小さく構成されている。当該基板18には、所定間隔を存して複数のLED素子17が上下方向において略一直線上に配置されている。本実施例におけるLED素子17は、チップタイプの白色のLED素子である。
【0035】
基板18上に配置される第1の反射部材24は、支柱後面8Aに取り付けられた状態で、支柱8の水平方向における一側方(例えば、ショーケース1の正面から向かって右側方)に開口し、支柱後面8Aに略平行に設けられる基板18に対向する面に開口を有する部材であって、当該内面は、所定角度にて湾曲、若しくは複数回、折曲された反射面24Aが形成されている。
【0036】
本実施例では、当該反射部材24は、外形が例えば球体を1/4等分したような形状に形成されており、内面に形成される反射面24Aは、陳列室5内後方に向けて照射されるLED素子17からの指向性の高い光を、当該反射部材24内において複数回反射させることにより、効果的に支柱8の水平方向における一側方の陳列室5内に位置する棚9前部に向けて照射(反射)可能とされている。
【0037】
基板18上に配置される第2の反射部材25は、支柱後面8Aに取り付けられた状態で、支柱8の水平方向における他側方(例えば、ショーケース1の正面から向かって左側方)に開口し、支柱後面8Aに略平行に設けられる基板18に対向する面に開口を有する部材であって、当該内面は、所定角度にて湾曲、若しくは複数回、折曲された反射面25Aが形成されている。
【0038】
本実施例では、当該反射部材25は、上記反射部材24と同様に、外形が例えば球体を1/4等分したような形状に形成されており、内面に形成される反射面25Aは、陳列室5内後方に向けて照射されるLED素子17からの指向性の高い光を、当該反射部材25内において複数回反射させることにより、効果的に支柱8の水平方向における他側方の陳列室5内に位置する棚9前部に向けて照射(反射)可能とされている。
【0039】
そして、各反射部材24、25は、基板18に設けられる各LED素子17に対応してそれぞれ設けられ、これらは上下方向において交互となるように配置される。このとき、第1の反射部材24は、その中心が基板18の水平方向における一側、即ち、照射光(反射光)が陳列室5側に照射される開口が形成される側、本実施例では、ショーケース1の正面から向かって右側に偏って配置される。そして、反射部材24に対し、交互に配置される第2の反射部材25は、その中心が基板18の水平方向における他側、即ち、照射光(反射光)が陳列室5側に照射される開口が形成される側、本実施例では、ショーケース1の正面から向かって左側に偏って配置される。
【0040】
そのため、図5や図8に示すように、各LED素子17は、それぞれの反射部材24、25の奥部に配置することが可能となり、LED素子17から陳列室5内後方に向けて照射される指向性の高い光の殆どを、反射部材24、25内それぞれの反射面24A、25Aにて反射(角度によっては複数回反射)させて、それぞれに対応する陳列室5内に位置する棚9前部に向けて照射できる。従って、LED素子17からの光を直接照射対象に向けて照射する場合に比べて、光の反射方向の制御能力(光の指向性)を向上させることができ、より効果的な照明を実現することができる。
【0041】
また、上記構成とすることで、単一の基板18上には、図8に示すように上下方向に略一直線上に配置された複数のLED素子17・・・と、各LED素子17のそれぞれに対し所謂千鳥状に異なる向きにLED素子17からの照射光を反射させて照明を行う反射部材24、25が配置されることとなる。
【0042】
このとき、各反射部材24及び25内面に形成される反射面24A及び25Aをそれぞれ略同様に構成した場合、水平方向(左右)において照射光(反射光)が上下方向でずれた状態で各陳列室5の棚9前部に向けて照射されることとなる。
【0043】
そのため、本実施例では、各反射部材24、25の反射面24A及び25Aを、各LED照明部材16の水平方向における一側及び他側(左右側方)で、上下方向における明るさが略均等となるように、それぞれの取付位置に応じて反射面24A及び25Aの湾曲形状や複数の傾斜面から成る各傾斜角度が決定されているものとする。
【0044】
これにより、LED照明部材16の一側及び他側において上下方向における明るさ(光量又は光照射量)を図8において照射範囲を点線にて示しているように、ムラ無く、略均等とでき、照明効果の向上を図ることができる。
【0045】
尚、係る場合には、各反射部材24、25は、それぞれの取付位置によって反射面24Aや25Aの形状が異なることから、本実施例では、図6及び図7に示すように、各反射部材24・・・は、それぞれが連結辺27・・にて一体に構成し、各反射部材25・・・は、それぞれが連結辺28・・にて一体に構成する。これにより、確実に適切な位置にそれぞれに対応する反射部材24、25を取り付けることが可能となる。
【0046】
一方、カバー部材26は、基板18、LED素子17、反射部材24、25を外方から被覆するため透光性材料によって構成された矩形体により構成されている。このカバー部材26は、前面が開口されており、この開口内縁には、開口側から挿入される反射部材24、25、基板18を着脱自在に保持するための係合爪29が形成されている。
【0047】
また、本実施例では、このカバー部材26の上端及び下端には、基板18等が保持されたカバー部材26を前記支柱8の後面8Aにネジ止めによって固定するための取付片が当該カバー部材26と一体に形成されている。尚、図6及び図7では当該取付片を省略している。
【0048】
即ち、図3及び図4に示すように、カバー部材26の支柱8の後面8Aに当接する開口縁上端には、水平方向における一側(この場合図3の向かって左側)から上方に延出して上取付片20が形成されている。そして、当該開口縁下端には、水平方向における他側(この場合図3の向かって右側)から下方に延出して下取付片21が形成されている。
【0049】
このとき、これら上取付片20及び下取付片21は、上下方向において重複することのない位置において延出して形成されており、これら取付片20、21のそれぞれには支柱8への固定に用いるためのねじ穴20A、21Aが形成されている。
【0050】
また、上取付片20の一側部(この場合図3の向かって左側部)には、当該取付片20を側方から隠蔽する隠蔽壁22が、カバー部材26の当該一側方の側面と面一となるように形成されている。同様に、下取付片21の他側部(この場合図3の向かって右側部)には、当該取付片21を側方から隠蔽する隠蔽壁23が、カバー部材26の当該他側方の側面と面一となるように形成されている。
【0051】
係る構成により、当該実施例におけるLED照明部材16の組立手順及び取付手順について説明する。まずはじめに、基板18のLED素子17が配設された面の上に複数が一体形成された反射部材24及び複数が一体形成された反射部材25を配置する。そして、基板18に対し当該反射部材24、25側からカバー部材26を被覆し、当該カバー部材26に各反射部材24、25、LED素子17、基板18を内包させる。
【0052】
このとき、カバー部材26の内側の寸法は、基板18の板厚及び反射部材24、25の奥行き寸法を考慮し、基板18及び反射部材24、25がカバー部材26内に略きっちり収納された状態で、カバー部材26の開口内縁に形成される係合爪29が基板18のLED素子17が配設される面と対向する面に係止する構成とされている。係る構成により、容易にLED照明部材16を組み立てることができる。
【0053】
組み立てられたLED照明部材16は、カバー部材26の開口側(基板18側の面)を照明装置15を取り付ける支柱8の後面8Aに当接し、当該カバー部材26の上下端に形成される取付片20、21を用いてネジ(固定具)31、31によって、支柱8の後面8Aに固定する。
【0054】
照明装置15は、複数のLED照明部材16を上下方向に並設して支柱8の後面8Aに取り付ける。この場合、一方のLED照明部材16のカバー部材26、例えば下側に位置するLED照明部材16のカバー部材26の上取付片20と、他方のLED照明部材16のカバー部材26、この場合上側に位置するLED照明部材16のカバー部材26の下取付片21とが水平方向で重複(並設)して支柱8に固定することが可能となる。
【0055】
そのため、隣接するLED照明部材16、16を上下方向でより近接して直列配置することができるようになる。従って、照明装置15を構成する各LED照明部材16によるカバー部材26を透過する照明の明るさ(光量、照射量)の連続性を向上させることが可能となる。
【0056】
特に、本実施例のように、異なる方向に光を照射する光源となるLED素子17が交互に配置されることで、一方向のみに光を照射するLED素子17のみが設けられている場合や蛍光灯の場合に比べて照明の連続性が低下するが、このように隣接するLED照明部材16が上下方向でより近接して配置することで、カバー部材26を透過する照明の連続性を向上でき、適切な照明を実現することが可能となる。
【0057】
また、各LED照明部材16を構成するカバー部材26は、上方に延出して形成された上取付片20と、下方に延出して形成された下取付片21によって、支柱後面8Aに固定されるため、取付を考慮した照明装置15自体の幅寸法を狭小化することができ、照明装置15の幅寸法に応じて支柱後面8Aの幅寸法を拡大することなく、当該照明装置15を取り付けることが可能となる。これにより、陳列効果の向上を図ることができる。
【0058】
また、本実施例では、上取付片20の一側部、及び、下取付片21の他側部には、各取付片20、21を隠蔽する隠蔽壁22、23が形成されているので、照明装置15を側面からみた場合に、LED照明部材16同士が隣接する部分における各取付片20、21がそれぞれの隠蔽壁22、23により隠蔽され、即ち、照明装置15の一側(図3の向かって左側)は、隠蔽壁22によって隠蔽され、他側(図3の向かって右側)は、隠蔽壁23によって隠蔽される。これにより、各LED照明部材16、16の連続性を向上でき、美感向上を図ることができる。
【0059】
尚、陳列室5の前両側部の隅角には、上下に渡って図示しない照明装置が設けられる。係る照明装置は、支柱8の後面8Aに設けられる照明装置15と略同様に構成すると共に、基板18に設けられるLED素子17の数を減らし、陳列室5内に位置する棚9前部に向けて光を反射させる反射部材24又は25の何れかを設けた構成としてもよい。
【0060】
これにより、照明装置に対し水平方向における一側方(若しくは他側方)にしか存在しない陳列室5内に位置する棚9前部を照明することが可能となる。尚、当該前両側部の隅角に設けられる照明装置は、支柱8後面8Aの寸法に制限されるものではなく、一方向にのみ照明を行うものであるため、これに限定されるものではなく、従来と略同様に、LED素子17が上下方向に設けられた基板18を当該隅角に対し所定角度を成すように配設する構成としてもよい。
【0061】
係る構成により、支柱8の後面8Aに略平行に取り付けられる基板18に配設される各LED素子17による光は、陳列室5内後方に向けて照射される。各LED素子17には、それぞれ第1の反射部材24又は第2の反射部材25が対応して設けられているため、第1の反射部材24が設けられたLED素子17からの照射光は、その反射面24Aに一回、若しくは複数回反射して、カバー部材26を透過し、支柱8の水平方向における一側方の陳列室5内に位置する棚9前部に向けて照射される。また、第2の反射部材25が設けられたLED素子17からの照射光は、その反射面25Aに一回、若しくは複数回反射して、カバー部材26を透過し、支柱8の水平方向における他側方の陳列室5内に位置する棚9前部に向けて照射される。
【0062】
同様に、陳列室5の前両側部の隅角に配設される照明装置によって、陳列室5の両側部から陳列室5内に位置する棚9前部が照明される。これにより、陳列室5内に位置する商品が載置された棚9前部は、支柱8の後面8Aに設けられる照明装置15によりその支柱8の水平方向における一側方及び他側方に向けて照射される光及び陳列室5の前両側部の隅角に設けられる照明装置から照射される光によって照明することができ、陳列室5内の商品及びショーケース自体の照明効果の向上を図ることができる。
【0063】
特に、本発明の構成では、各反射部材24、25は、上述したように上下方向において交互となるように配置されているため、支柱8の後面8Aから支柱8の水平方向における一側及び他側とで光量を均一に、異なる方向(当該支柱8の水平方向における両側方)の陳列室5内に位置する棚9前部を照射することが可能となる。
【0064】
また、本実施例では、単一の基板18に配置される複数の指向性の高いLED素子17からの照射光を異なる方向に照射されることができ、棚9上、特に最前部の商品を良好に照明することが可能となり、照明効果の向上を図ることができる。
【0065】
更に、LED素子17から陳列室5内後方に向けて照射される光は、それぞれの反射部材24、25によって対応する棚9前部に向けて反射される構成とされていることから、直接対象となる方向に向けて光を照射する場合に比較して、光の照射方向や、照射範囲の制御を容易に行うことが可能となる。これにより、円滑に、且つ、最適な照明を実現することが可能となる。
【0066】
特に、照明装置15の各LED照明部材16を構成する基板18は、LED素子17が陳列室5内後方に向けて光を照射するように支柱後面8Aに設けられることから、照明装置15自体の奥行き寸法を縮小することができ、限られた陳列室5内の領域をより有効に使用することが可能となる。また、扉7が開放された際に支柱8側面からの照明装置15の美感向上を図ることができる。
【0067】
尚、上記実施例1では、LED照明部材16を構成する単一の基板18上に、図8に示すように上下方向に略一直線上に配置された複数のLED素子17・・・と、各LED素子17のそれぞれに対し所謂千鳥状に異なる向きにLED素子17からの照射光を反射させて照明を行う反射部材24、25を配置しているが、LED素子17の配置及び各反射部材24、25の配置はこれに限定されない。
【0068】
例えば、図9に示すLED照明部材33は、単一の基板34上に複数のLED素子35(構成はLED素子17と同様)を上下方向において水平方向における一側と他側に交互に偏って配置し、上記実施例と同様に構成される第1の反射部材24を、基板34の他側に偏って配置されたLED素子35に対応して設けると共に、同じく上記実施例と同様に構成される第2の反射部材25は、基板34の一側に偏って配置されたLED素子35に対応して設ける。
【0069】
これにより、各LED素子35をそれぞれの反射部材24、25の奥部に配置することが可能となり、光の反射方向の制御能力(光の指向性)を向上させることができると共に、上記実施例に比べて基板34自体の幅寸法を狭小化することが可能となる。尚、図9では、上記実施例1と同様に反射部材24、25の反射面24A、25AをLED照明部材33の水平方向における一側及び他側で、上下方向における明るさが略均等となるような形状とされている状態を、点線にて示す照射範囲により示している。
【0070】
また、これ以外にも、例えば、図10に示すLED照明部材36は、単一の基板37上に上下方向における水平方向一側に向けて光を反射させる第1の反射部材24と水平方向他側に向けて光を反射させる第2の反射部材25を上下方向に略一直線上に配置し、それぞれの反射部材24、25の奥部にLED素子38を配置する。この場合、LED素子38はを上下方向において水平方向における一側と他側に交互に図9よりも偏って配置されることとなる。
【0071】
これにより、各LED素子38をそれぞれの反射部材24、25の奥部に配置されることで、光の反射方向の制御能力(光の指向性)を向上させることができると共に、上記実施例よりも更に基板37自体の幅寸法を狭小化することが可能となる。尚、図10では、上記実施例1や図9の場合との比較として、各反射部材24、25の反射面24A、25Aを略同一の形状とされている状態を、照射範囲として示している。
【実施例2】
【0072】
次に、図11及び図12を参照して上記ショーケース1に設けられる実施例2としての照明装置40について説明する。図11は照明装置40を採用したショーケース1の部分拡大断面図、図12は照明装置40の一部の透視平面図である。当該照明装置40は、上記実施例1の照明装置15のLED照明部材16と略同様に構成される複数のLED照明部材41により構成される。係るLED照明部材41も支柱8の後面8Aに上下に複数並設して構成されるものであり、複数のLED素子17が配設された基板18と、それぞれのLED素子17から照射された光を所定の方向に反射させる複数の反射部材24・・、25・・と、カバー部材42により構成される。当該実施例では、カバー部材42以外の構成は、上記実施例1と略同一の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0073】
カバー部材42は、基板18、LED素子17、反射部材24、25を外方から被覆するため透光性材料によって構成された矩形体により構成されている。このカバー部材42は、前面が開口されており、この開口内縁には、開口側から挿入される反射部材24、25、基板18を着脱自在に保持するための係合爪29が形成されている。
【0074】
係る実施例では、このカバー部材42の支柱8の後面8Aに当接する開口縁であって上部側面及び下部側面には、それぞれ水平方向に延出して形成された取付片43、43が形成されている。これら取付片43、43のそれぞれには支柱8への固定に用いるためのねじ穴43A、43Aが形成されている。
【0075】
係る構成により、LED照明部材41を取り付ける場合には、上記実施例1と同様にまず、基板18のLED素子17が配設された面の上に複数が一体形成された反射部材24及び複数が一体形成された反射部材25を配置する。そして、基板18に対し当該反射部材24、25側からカバー部材42を被覆し、当該カバー部材42に各反射部材24、25、LED素子17、基板18を内包させる。
【0076】
この場合も、カバー部材42の内側の寸法は、基板18の板厚及び反射部材24、25の奥行き寸法を考慮し、基板18及び反射部材24、25がカバー部材42内に略きっちり収納された状態で、カバー部材42の開口内縁に形成される係合爪29が基板18のLED素子17が配設される面と対向する面に係止する構成とされている。係る構成により、容易にLED照明部材41を組み立てることができる。
【0077】
組み立てられたLED照明部材41は、カバー部材42の開口側(基板18側の面)を照明装置40を取り付ける支柱8の後面8Aに当接し、当該カバー部材42の上部側面及び下部側面に形成される取付片43、43を用いてネジ(固定具)44、44によって、支柱8の後面8Aに固定する。
【0078】
係る場合には、上下方向に直列配置されるLED照明部材41のカバー部材42の上面及び下面には、上方又は下方に延出する取付片が設けられていないため、カバー部材42相互の上面及び下面を近接した状態で支柱8の後面8Aに固定することが可能となる。
【0079】
これにより、照明装置40を構成する各LED照明部材41、41による照明の明るさ(光量、照射量)の連続性を向上させることが可能となる。
【0080】
特に、本実施例において採用されるLED照明部材41は、異なる方向に光を照射する光源となるLED素子17が交互に配置されることで、一方向のみに光を照射するLED素子17のみが設けられている場合や蛍光灯の場合に比べて照明の連続性が低下するが、このように隣接するLED照明部材41が上下方向でより近接して配置することで、係る照明の連続性を向上でき、適切な照明を実現することが可能となる。
【実施例3】
【0081】
次に、図13を参照して上記ショーケース1に設けられる実施例3としての照明装置45について説明する。図13は照明装置45の一部の透視平面図である。当該実施例における照明装置45は、上記実施例1と同様に、支柱8の後面8Aに上下に複数並設して構成されるLED照明部材46により構成されるものであり、このLED照明部材46は、複数のLED素子17が配設された基板48と、それぞれのLED素子17から照射された光を所定の方向に反射させる複数の反射部材24・・、25・・と、カバー部材47により構成される。
【0082】
LED照明部材46を構成する単一の基板48には、上記実施例1と同様に上下方向に略一直線上、又は、水平方向における一側と他側に交互に偏って複数のLED素子17が配置され、LED素子17から陳列室5内後方に向けて照射される光を支柱8の水平方向における一側方の陳列室5内に位置する棚9前部に向けて反射する第1の反射部材24と、LED素子17から陳列室5内後方に向けて照射される光を支柱8の水平方向における他側方の陳列室5内に位置する棚9前部に向けて反射する第2の反射部材25とが各LED素子17に対応してそれぞれ設けられ、上下方向において交互に配置される。
【0083】
このとき、第1の反射部材24は、その中心が基板48の水平方向における一側に偏って配置され、第2の反射部材25は、その中心が基板48の水平方向における他側に偏って配置されている。そして、この基板48の上端には、反射部材24又は25を回避した位置に切欠49が形成されている。図13に示す如き実施例では、LED照明部材46を構成する基板48の上端部に位置する反射部材24は、水平方向における一側(図13の向かって右側)に偏って配置されているため、当該切欠49は、水平方向における他側(図13の向かって左側)の角隅部に形成されている。
【0084】
また、この基板48の下端にも反射部材24又は25を回避した位置に切欠50が形成されている。図13に示す如き実施例では、LED照明部材46を構成する基板48の下端部に位置する反射部材25は、水平方向における他側(図13の向かって左側)に偏って配置されているため、当該切欠50は、水平方向における他側(図13の向かって右側)の角隅部に形成されている。
【0085】
一方、カバー部材47は、基板48、LED素子17、反射部材24、25を外方から被覆するため透光性材料によって構成された前面が開口する矩形体により構成されており、この開口内縁には、図示しない係合爪が形成されている。
【0086】
そして、このカバー部材47の上端には、基板48の前記切欠49に対応する箇所に内方に突出した上取付部51が形成されている。本実施例では、当該上取付部51は、カバー部材47の後壁から前面開口縁部に渡って柱状に形成されており、当該上取付部51には前後にわたってネジ穴51Aが形成されている。但し、当該上取付部51の形状はこれに限定されるものではなく、前面開口縁部のみに形成される上取付片(この場合、対応する後壁にネジ穴が形成されているものとする)により構成してもよい。
【0087】
本実施例では、基板48に形成される切欠49は、基板48の上端部に水平方向における一側(図13の向かって右側)に偏って反射部材24が配置されているため、水平方向における他側(図13の向かって左側)の角隅部に形成されている。そのため、これに対応するカバー部材46の上取付部51も水平方向における他側(図13の向かって左側)に形成される。このとき、切欠49は、カバー部材46を取り付けた際に当該上取付部51を回避する形状とされている。
【0088】
そして、カバー部材47の下端には、基板48の前記切欠50に対応する箇所に内方に突出した下取付部52が形成されている。本実施例では、当該下取付部52は、カバー部材47の後壁から前面開口縁部に渡って柱状に形成されており、当該下取付部52には前後にわたってねじ穴52Aが形成されている。但し、当該下取付部52の形状はこれに限定されるものではなく、前面開口縁部のみに形成される下取付片(この場合、対応する後壁にねじ穴が形成されているものとする)により構成してもよい。
【0089】
本実施例では、基板48に形成される切欠50は、基板48の下端部に水平方向における他側(図13の向かって左側)に偏って反射部材25が配置されているため、水平方向における一側(図13の向かって右側)の角隅部に形成されている。そのため、これに対応するカバー部材47の下取付部52も水平方向における一側(図13の向かって右側)に形成される。このとき、切欠50は、カバー部材47を取り付けた際に当該下取付部52を回避する形状とされている。
【0090】
係る構成により、LED照明部材46を取り付ける場合には、上記実施例1と同様にまず、基板48のLED素子17が配設された面の上に複数が一体形成された反射部材24及び複数が一体形成された反射部材25を配置する。そして、基板18に対し当該反射部材24、25側からカバー部材47を被覆し、当該カバー部材47に各反射部材24、25、LED素子17、基板48を内包させる。
【0091】
この場合も、カバー部材47の内側の寸法は、基板48の板厚及び反射部材24、25の奥行き寸法を考慮し、基板48及び反射部材24、25がカバー部材47内に略きっちり収納された状態で、カバー部材47の開口内縁に形成される係合爪が基板48のLED素子17が配設される面と対向する面に係止する構成とされている。係る構成により、容易にLED照明部材46を組み立てることができる。
【0092】
この状態で、カバー部材47内に内方に突出して形成される上取付部51又は下取付部52に対応した位置に基板48の切欠49、50が形成されているため、支障なく係る上取付部51及び下取付部52がカバー部材47の前面開口に面した状態で、基板48を取り付けることが可能となる。
【0093】
組み立てられたLED照明部材46は、カバー部材47の開口側(基板48側の面)を照明装置45を取り付ける支柱8の後面8Aに当接し、当該カバー部材47の上端部及び下端部に形成される上取付部51及び下取付部52を用いてねじ(固定具)によって、支柱8の後面8Aに固定する。
【0094】
係る場合には、上下方向に直列配置されるLED照明部材46のカバー部材47の上面及び下面には、上方又は下方に延出する取付片が設けられていないため、カバー部材47相互の上面及び下面をより近接した状態で支柱8の後面8Aに固定することが可能となる。
【0095】
これにより、照明装置45を構成する各LED照明部材46による照明の明るさ(光量、照射量)の連続性を向上させることが可能となる。
【0096】
また、係る実施例では、基板48の切欠49、50は、各反射部材24、25を回避した位置に形成されているので、LED照明部材46を構成するLED素子17からの光を各方向に反射させる各反射部材24、25を、各LED照明部材46、46間においてより近接することが可能となり、当該LED照明部材46、46間において各反射部材24、25によって交互に異なる方向に照射される光をそれぞれの側の上下方向において近接することができる。
【0097】
従って、照明装置45からの各方向への照射光をより連続的なものとすることができ、最適な照明を実現することが可能となる。
【実施例4】
【0098】
次に、図14を参照して上記ショーケース1に設けられる実施例4としての照明装置55について説明する。図14は照明装置55の一部の部分透視平面図である。当該実施例における照明装置55は、上記実施例3と同様に、支柱8の後面8Aに上下に複数並設して構成されるLED照明部材56により構成されるものであり、このLED照明部材56は、上述した如く切欠49、50が形成され、複数のLED素子17が配設された基板48と、それぞれのLED素子17から照射された光を所定の方向に反射させる各反射部材24・・、25・・と、カバー部材57により構成される。尚、基板48、LED素子17、各反射部材24、25の構成は、上記実施例3と略同様であるため説明を省略する。
【0099】
カバー部材57は、基板48、LED素子17、反射部材24、25を外方から被覆するため透光性材料によって構成された前面が開口する矩形体により構成されており、この開口内縁には、図示しない係合爪が形成されている。
【0100】
そして、このカバー部材57の開口縁の上端の水平方向一側(当該LED照明部材56の上端部に設けられている反射部材24が偏って配置されている側。図14では、当該反射部材24が向かって右側に配置されているため、向かって右側。)には、上方に延出した上取付片61が形成されている。
【0101】
また、カバー部材57の開口縁の下端の水平方向他側(当該LED照明部材56の下端部に設けられている反射部材25が偏って配置されている側。図14では、当該反射部材25が向かって左側に配置されているため、向かって左側。)には、下方に延出した下取付片62が形成されている。
【0102】
そして、このカバー部材57の上縁は、上取付片61が形成されている側とは水平方向反対側(即ち、水平方向他側)には、上側に隣接して直列に配設される他のLED照明部材56のカバー部材57の下取付片61が進入可能とされる上切欠63が形成されている。この上切欠63は、当該カバー部材57内に保持される基板48に形成される切欠(上切欠)49と対応して形成されており、これにより、当該基板48に形成される上切欠49内に他のLED照明部材56の下取付片62が進入可能とされる。
【0103】
同様に、このカバー部材57の下縁は、下取付片62が形成されている側とは水平方向反対側(即ち、水平方向一側)には、下側に隣接して直列に配設される他のLED照明部材56のカバー部材57の上取付片61が進入可能とされる下切欠64が形成されている。この下切欠64は、当該カバー部材57内に保持される基板48に形成される切欠(下切欠)50と対応して形成されており、これにより、当該基板48に形成される下切欠50内に他のLED照明部材56の上取付片61が進入可能とされる。
【0104】
各取付片61、62には、支柱8の後面8Aにネジ止めにより固定するためのねじ穴61A、62Aが形成されている。
【0105】
係る構成により、LED照明部材56を取り付ける場合には、上記実施例1と同様にまず、基板48のLED素子17が配設された面の上に複数が一体形成された反射部材24及び複数が一体形成された反射部材25を配置する。そして、基板18に対し当該反射部材24、25側からカバー部材57を被覆し、当該カバー部材57に各反射部材24、25、LED素子17、基板48を内包させる。
【0106】
この場合も、カバー部材57の内側の寸法は、基板48の板厚及び反射部材24、25の奥行き寸法を考慮し、基板48及び反射部材24、25がカバー部材57内に略きっちり収納された状態で、カバー部材57の開口内縁に形成される係合爪が基板48のLED素子17が配設される面と対向する面に係止する構成とされている。係る構成により、容易にLED照明部材56を組み立てることができる。
【0107】
組み立てられたLED照明部材56は、カバー部材57の開口側(基板48側の面)を照明装置55を取り付ける支柱8の後面8Aに当接し、当該カバー部材57の上端及び下端に形成される上取付片61及び下取付片62を用いてネジ(固定具)によって、支柱8の後面8Aに固定する。
【0108】
係る場合には、カバー部材57の上縁水平方向一側に形成される上取付片61は、上側に隣接して直列に配設される他のLED照明部材56のカバー部材57の下切欠64及び当該カバー部材57内に保持される基板48の下切欠50内に進入される。また、カバー部材57の下縁水平方向他側に形成される下取付片62は、下側に隣接して直列に配設される他のLED照明部材56のカバー部材57の上切欠63及び当該カバー部材57内に保持される基板48の上切欠49内に進入される。この状態で支柱8の後面8Aに固定される。
【0109】
そのため、隣接するLED照明部材56を上下方向でより近接して直列配置することができるようになる。これにより、照明装置55を構成する各LED照明部材56、56による照明の明るさ(光量、照射量)の連続性を向上させることが可能となる。
【0110】
この場合も、基板48の切欠49、50及びこれらに対応するカバー部材56の切欠63、64は、各反射部材24、25を回避した位置に形成されているので、LED照明部材56を構成するLED素子17からの光を各方向に反射させる各反射部材24、25を、各LED照明部材56、56間においてより近接することが可能となり、当該LED照明部材56、56間において各反射部材24、25によって交互に異なる方向に照射される光をそれぞれの側の上下方向において近接することができる。
【0111】
従って、照明装置55からの各方向への照射光をより連続的なものとすることができ、最適な照明を実現することが可能となる。
【0112】
なお、上記各実施例では、LED素子からの光を反射部材24又は25によって、対応する棚9前部に向けて照射可能としているが、これに限定されるものではなく、ガラス扉7に対し光を照射するように反射面24A及び25Aを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明を適用したショーケースの正面図である。
【図2】図1のショーケースの部分拡大断面図である。
【図3】照明装置の一部の透視平面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図3の断面図である。
【図6】照明装置のLED照明部材の分解斜視図である。
【図7】同じくLED照明部材の分解斜視図である。
【図8】LED素子による照射光の状態を説明する基板の概略説明図である。
【図9】他の実施例のLED照明部材のLED素子による照射光の状態を説明する基板の概略説明図である。
【図10】他の実施例のLED照明部材のLED素子による照射光の状態を説明する基板の概略説明図である。
【図11】ショーケースの部分拡大断面図である。(実施例2)
【図12】照明装置の一部の透視平面図である。(実施例2)
【図13】照明装置の一部の透視平面図である。(実施例3)
【図14】照明装置の一部の部分透視平面図である。(実施例4)
【符号の説明】
【0114】
1 ショーケース
2 断熱箱体(本体)
5 陳列室
6 前面開口
7 ガラス扉(扉)
8 支柱
8A 後面
9 棚
15、40、45、55 照明装置
16、33、36、41、46、56 LED照明部材
17、35、38 LED素子
18、34、37、48 基板
20 上取付片
21 下取付片
22、23 隠蔽壁
24 第1の反射部材
24A 反射面
25 第2の反射部材
25A 反射面
26、42、47、57 カバー部材
27、28 連結辺
43 取付片
49、50 切欠
51 上取付部
52 下取付部
61 上取付片
62 下取付片
63 上切欠
64 下切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品陳列用の棚が架設された陳列室と、該陳列室の前面開口を開閉自在に閉塞する透視可能な扉と、前記陳列室の開口部に設けられ、前面に前記扉が当接する支柱と、該支柱の後面に上下に渡って取り付けられた照明装置とを備えたショーケースにおいて、
前記照明装置は、前記陳列室内後方に向けて光を照射するLED素子が上下に渡って複数設けられた基板と、
前記支柱の水平方向における一側方の前記陳列室内に位置する前記棚前部に向け、前記LED素子からの光を反射する第1の反射部材と、
前記支柱の水平方向における他側方の前記陳列室内に位置する前記棚前部に向け、前記LED素子からの光を反射する第2の反射部材とを備え、
前記第1の反射部材と第2の反射部材は、前記各LED素子に対応してそれぞれ設けられると共に、上下方向において交互に配置されていることを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記LED素子は、上下方向において略一直線上に配置され、
前記第1の反射部材は、その中心が前記基板の水平方向における一側に偏って配置されていると共に、
前記第2の反射部材は、その中心が前記基板の水平方向における他側に偏って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
前記LED素子は、上下方向において前記基板の水平方向における一側と他側に交互に偏って配置され、
前記第1の反射部材は、前記基板の他側に偏って配置された前記LED素子に対応して設けられていると共に、
前記第2の反射部材は、前記基板の一側に偏って配置された前記LED素子に対応して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項4】
前記LED素子からの光を反射する前記各反射部材の反射面は、前記照明装置の水平方向における一側及び他側で、上下方向における明るさが略均等となる形状とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−279133(P2009−279133A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133218(P2008−133218)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】