説明

ショーケース

【課題】冷気の漏洩を防止若しくは抑制しながら、陳列商品の販売促進を図ることができるショーケースを提供する。
【解決手段】ショーケース1は商品を冷却しながら陳列する。商品を貯蔵する閉鎖された貯蔵室21と、貯蔵室内を冷却する冷却装置27と、貯蔵室に貯蔵された商品の画像を陳列状態で表示する液晶ディスプレイ14と、この液晶ディスプレイ14に表示された商品を選択するタッチパネルと、商品を提供する商品取出口16と、タッチパネルで選択された商品を貯蔵室内から商品取出口に搬送するショーケース側搬送装置28を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を冷却しながら陳列するためのショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種ショーケースは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗内に複数台設置されており、その陳列室内には複数段の棚が架設され、各棚上に販売する商品が陳列される。そして、この陳列室内には冷却装置の蒸発器と熱交換した冷気が供給され、所定温度(冷蔵、若しくは、冷凍温度)に冷却されるものであった。
【0003】
このショーケースには、陳列室の前面等が開放された所謂オープンショーケースと(例えば、特許文献1参照)、前面の開口が透明ガラス扉で開閉自在に閉塞された所謂クローズドタイプ(リーチインショーケースと称される)のショーケースとがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−79675号公報
【特許文献2】特開2009−279133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この場合、オープンショーケースは陳列室の前面等が開放されているため、商品の視認性と取り出し易さに優れている。しかしながら、開口部分にエアーカーテンを形成しているものの、どうしても定常的に冷気は漏洩してしまうため、冷却効果の低下と消費エネルギーの増加は否めない。
【0006】
一方、ガラス扉で閉塞されたショーケースは、冷気漏洩を極力抑えることができるものの、顧客が陳列商品を取り出すためには重い透明ガラス扉を開け閉めしなければならず、買い物籠等を持った状態では特に商品を取り出し難くなり、商品販売に支障を来す問題があった。
【0007】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、冷気の漏洩を防止若しくは抑制しながら、陳列商品の販売促進を図ることができるショーケースを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のショーケースは商品を冷却しながら陳列するためのものであって、商品を貯蔵する閉鎖された貯蔵室と、この貯蔵室内を冷却する冷却装置と、貯蔵室に貯蔵された商品の画像を陳列状態で表示する表示装置と、この表示装置に表示された商品を選択する入力装置と、商品を提供する商品提供部と、入力装置で選択された商品を貯蔵室内から商品提供部に搬送する搬送装置とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明のショーケースは、上記において表示装置は、入力装置で選択された商品に関する情報を表示することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明のショーケースは、上記各発明において表示装置及び入力装置は、タッチパネル式液晶ディスプレイにて構成されることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明のショーケースは、上記各発明において商品提供部には、商品を取り出し可能な開閉扉を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明のショーケースは、上記各発明において商品提供部を複数備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明のショーケースは、上記各発明において貯蔵室は、当該貯蔵室内に商品を納出するために人体が進入可能な出入口を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、商品を冷却しながら陳列するためのショーケースにおいて、商品を貯蔵する閉鎖された貯蔵室と、この貯蔵室内を冷却する冷却装置と、貯蔵室に貯蔵された商品の画像を陳列状態で表示する表示装置と、この表示装置に表示された商品を選択する入力装置と、商品を提供する商品提供部と、入力装置で選択された商品を貯蔵室内から商品提供部に搬送する搬送装置とを備えているので、表示装置に画像で陳列表示された商品を入力装置で選択することで、当該商品は搬送装置により貯蔵室から商品提供部に搬送される。
【0015】
これにより、表示装置にて商品を画像で陳列し、且つ、顧客に円滑に提供することができるようになり、商品の販売促進を図ることができるようになると共に、貯蔵室は閉鎖されているので、冷却装置により冷却される貯蔵室内からの定常的な冷気漏洩も防止、若しくは、抑制され、省エネ化を図ることが可能となるものである。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、上記に加えて表示装置は、入力装置で選択された商品に関する情報を表示するようにしたので、商品の材料や素材、原産地等の情報も顧客に提供することができるようになり、より一層の販売促進を図ることが可能となるものである。
【0017】
また、請求項3の発明によれば、上記各発明に加えて表示装置及び入力装置を、タッチパネル式液晶ディスプレイにて構成したので、情報表示機能と顧客による操作性を担保しながら設置スペースの縮小を図ることができるようになるものである。
【0018】
また、請求項4の発明によれば、上記各発明に加えて商品提供部に、商品を取り出し可能な開閉扉を設けたので、商品提供部からの冷気漏洩も防止、若しくは、必要最小限に抑えることができるようになり、更なる省エネ化を図ることができるようになるものである。
【0019】
この場合、請求項5の発明の如く商品提供部を複数設ければ、複数の顧客が一台のショーケースの商品を選択する場合にも支障無く商品を提供することが可能となる。
【0020】
また、請求項6の発明の如く貯蔵室に、当該貯蔵室内に商品を納出するために人体が進入可能な出入口を設ければ、貯蔵室内の商品の搬入/搬出も円滑に行えるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した実施例のショーケースの斜視図である。
【図2】図1のショーケースのもう一つの斜視図である。
【図3】図1のショーケースの他の実施例の斜視図である。
【図4】本発明を適用したショーケースを含む店舗システム全体の制御系を説明する電気回路のブロック図である。
【図5】図1のショーケースの縦断側面図である。
【図6】図1のショーケースの平断面図である。
【図7】本発明を適用した実施例の店舗システムにおける店舗の見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1乃至図3に示すショーケース1は、図7に示す店舗2の売場3に一台、若しくは、図に示すように複数台設置される。店舗2の売場3にはショーケース1の他、商品購入のための決済(会計)を行うレジ4が設置されており、店舗2の店員は通常ここで待機する。尚、実施例のレジ4には読取手段を構成する図示しないバーコードリーダが設けられている。
【0023】
また、店舗2には売場3に並設してストック室(冷蔵倉庫)6が設けられている。このストック室6内は図示しない出入口以外は閉ざされており、出入口も扉で閉じられるので、内部は閉鎖された空間とされ、後述するストック室側冷却装置7により所定の温度に冷却される。尚、ストック室6内には全てのショーケース1に貯蔵されている商品が貯蔵されているものとする。また、ストック室6には後述するストック室側搬送装置8が設けられ、このストック室側搬送装置(搬送装置)8はレジ6まで延在している。これらショーケース1、レジ4、ストック室6、ストック室側冷却装置7、ストック室側搬送装置8等によって本発明の店舗システム9が構築される。尚、10は売場3に設置された他のショーケース(非冷棚等)である。
【0024】
実施例のショーケース1は、前面、上下面、及び、左右側面が断熱パネルにて構成された本体12と、この本体12の後面に内部が連通して連結された前面が開口するプレハブ冷蔵庫(冷蔵、冷凍、又は、冷蔵冷凍の何れの温度帯も含む)13とから構成されている。本体12前面の略全面には、表示装置及び入力装置を構成するタッチパネル式液晶ディスプレイ14が取り付けられている。
【0025】
この液晶ディスプレイ14には、プレハブ冷蔵庫13及び/又はストック室6に貯蔵されて販売が可能な複数個、複数種の商品の画像(写真、又は、イラスト等)が、あたかも当該商品が通常のオープンショーケースの陳列棚に陳列されているが如き状態(陳列状態)で表示される。尚、図1及び図2はキャビアやチーズ等の冷蔵食品Rを表示した例を示し、図3は冷凍ピザFを表示した例を示している。
【0026】
また、液晶ディスプレイ14の向かって右側には、商品提供部を構成する商品取出口16が形成されており、この商品取出口16は商品を取り出し可能な開口寸法を有しており、自動開閉扉17にて開閉されて商品を取り出し可能に閉塞されている。また、本体12内にはプリンタ18が取り付けられており、このプリンタ18のジャーナル排出口19が商品取出口16の向かって右側に構成されている。
【0027】
プレハブ冷蔵庫13内には貯蔵室21が構成されており、この貯蔵室21の前部に商品R、Fを、種類別に所定位置に貯蔵する棚22が設けられている。また、プレハブ冷蔵庫13の棚22の後側には人体が移動可能な空間23が構成されており、この空間23の側方に対応して人体が進入可能な出入口24が形成され、この出入口24は断熱扉26にて開閉自在に閉塞されている。そして、これら貯蔵室21と前記ストック室6が何れも店舗システム9において商品を冷却貯蔵する冷却貯蔵装置を構成している。
【0028】
本体12及びプレハブ冷蔵庫13の連結体は周囲が断熱パネルにて囲繞されており、商品取出口16は扉17にて閉塞され、出入口24は断熱扉26にて閉塞されているので、係る構成により、商品Rを貯蔵する貯蔵室21内は閉鎖空間となる。そして、プレハブ冷蔵庫13の天面にはショーケース側冷却装置27が設けられ、このショーケース側冷却装置27から供給される冷気により、貯蔵室21内及び本体12内は所定の温度(図1、図2の場合は冷蔵温度、図3の場合は冷凍温度)に冷却される。
【0029】
また、棚22の前側に対応する本体12内にはショーケース側搬送装置(搬送装置)28が設けられている。このショーケース側搬送装置28は左右方向のX軸31、上下方向のY軸32、X軸駆動部33、Y軸駆動部34、及び、マジックハンド36等から構成されており、このマジックハンド36をX軸駆動部33によりX軸31方向に移動させ、Y軸駆動部34によりY軸32方向に移動させることにより、棚22上の最前列の任意の商品Rをマジックハンド36にて取り出し、且つ、Y軸駆動部34を反転させて商品取出口16に搬送可能とされている。尚、前記ストック室6にも同様の棚が設けられ、ストック室側搬送装置8もショーケース側搬送装置28と同様のX−Y軸移動機構を備え、更にレジ4まで搬送するための通路とこの通路内に設けられたコンベア(冷気漏洩を防止するシャッタ等を備える)を有しているものとする。
【0030】
次に、図4において41はショーケース1に設けられたショーケースコントローラであり、メモリ(記憶装置)42を有するマイクロコンピュータにて構成される。このショーケースコントローラ41の入力には前記液晶ディスプレイ14のタッチパネル14T(入力装置)と、各種設定等を行うための入力スイッチ43が接続されている。また、ショーケースコントローラ41の出力には前記プリンタ18、ショーケース側搬送装置28、ショーケース側冷却装置27、液晶ディスプレイ14(表示装置)の他、前記商品取出口16を開閉する扉17の開閉機構44が接続されている。メモリ42には貯蔵室21に貯蔵された商品(販売可能な商品)に関する情報、表示画像の情報、棚22における商品の位置情報等の全ての情報が記憶されている。
【0031】
また、46は前記ストック室6のストック室コントローラであり、これもマイクロコンピュータにて構成される。このストック室コントローラ46の出力には前記ストック室側搬送装置8及びストック室側冷却装置7が接続されている。そして、これらショーケースコントローラ41、ストック室コントローラ46とレジ4は相互にデータの送受信を行う。尚、このストック室コントローラ46にもストック室6内に貯蔵された商品に関する情報、ストック室6内における商品の位置情報等の全ての情報が記憶された図示しないメモリが設けられているものとする。
【0032】
以上の構成で、次に店舗システム9の動作について説明する。各ショーケース1のショーケースコントローラ41は、貯蔵室21に貯蔵された商品R又はFを前述した如く液晶ディスプレイ14に陳列状態で表示する(図1乃至図3)。この陳列表示を見て顧客は所望の商品を選択することができる。そして、顧客が何れかの商品Rの画像を選択して指で触れると(タッチ)、タッチパネル14Tがそれを検出し、ショーケースコントローラ41は当該選択した商品Rを液晶ディスプレイ14上で拡大してウインドウ表示する(図1、図2にD1で示す)。
【0033】
また、ショーケースコントローラ41はこのとき、当該商品Rの情報(名称、原産地、材料、素材、容量、重量、賞味期限等)を文字及び/又は画像で液晶ディスプレイ14上にウインドウ表示する(図1、図2にD2で示す)。このような商品情報の表示により、顧客の購買意欲が増進されるので、販売促進を図ることができる。
【0034】
また、ショーケースコントローラ41は拡大ウインドウ表示D1内に、購入ボタンB1とレジ送りボタンB2を表示する。これらのボタンB1、B2の表示によりショーケース1は商品選択装置を構成することになる。この拡大ウインドウ表示D1内の各ボタンB1、B2以外の部分を顧客が指で触れた場合、或いは、所定時間が経過すると、ショーケースコントローラ41はウインドウD1及びD2を消すものとする。
【0035】
(1)ショーケースから商品を取り出す場合
次に、顧客が購入ボタンB1に触れた場合、タッチパネル14Tがそれを検出し、ショーケースコントローラ41はメモリ42に記憶された当該選択商品Rの位置情報に基づき、ショーケース側搬送装置28のX軸駆動部33及びY軸駆動部34を駆動し、マジックハンド36を棚22の最前列の当該商品Rの前方に移動させる。そして、マジックハンド36を延ばして商品Rを取り、次に、X軸駆動部33及びY軸駆動部34を駆動して商品取出口16の位置までマジックハンド36及び商品Rを移動させる。そして、マジックハンド36を水平面上で180度回転させ、且つ、延ばして商品取出口16にて商品Rを離す。これにより、商品Rは棚22から商品取出口16に搬送される。
【0036】
商品Rが商品取出口16まで搬送されたら、ショーケースコントローラ41は扉開閉機構44を駆動して扉17を開く。そして、顧客はこの商品取出口16に搬送された商品Rを取り出し、カートや買い物籠に入れてレジ4に持って行って会計を行う。このように、ショーケース側搬送装置28は最前列の商品Rを取り出すと共に、商品の補充は後側の空間23から行われるので、商品Rは後から補充され、前から順に販売されることになる。
【0037】
ここで、商品Rが商品取出口16に搬送されてから所定時間以内に取り出されない場合、ショーケースコントローラ41は顧客が購入をやめたものと判断して扉17を閉じ、ショーケース側搬送装置28により上記とは逆の動作を行って再び当該商品Rを元の棚22の位置に戻す。尚、このようにショーケース側搬送装置28により戻さなくとも、別途返却口を設けておいて顧客が返却するようにしても良い。
【0038】
このようにショーケース1によれば、液晶ディスプレイ14に画像で陳列表示された商品Rをウインドウ表示D1や表示ボタンB1とタッチパネル14Tで選択することで、当該商品Rはショーケース側搬送装置28により貯蔵室21から商品取出口16に搬送される。
【0039】
これにより、液晶ディスプレイ14にて商品Rを画像で陳列し、且つ、ガラス扉付きショーケースに比して顧客に商品Rをより円滑に提供することができるようになり、商品の販売促進を図ることができるようになると共に、貯蔵室21は閉鎖されているので、冷却装置27により冷却される貯蔵室21内からの定常的な冷気漏洩も防止、若しくは、抑制され、通常のオープンショーケースに比して著しい省エネ化を図ることが可能となる。
【0040】
また、液晶ディスプレイ14には、ウインドウ表示D1やタッチパネル14Tで選択された商品Rに関する情報をウインドウ表示D2で表示するので、商品Rの材料や素材、原産地等の情報も顧客に提供することができるようになり、より一層の販売促進を図ることが可能となる。特に、実施例のように表示装置及び入力装置としてタッチパネル式液晶ディスプレイ14を用いれば、情報表示機能と顧客による操作性を担保しながら設置スペースの縮小(薄型化)を図ることができるようになる。
【0041】
また、実施例のように商品取出口16には、商品Rを取り出し可能な扉17を設けているので、商品取出口16からの冷気漏洩も防止、若しくは、必要最小限に抑えることができるようになり、更なる省エネ化を図ることができる。また、プレハブ冷蔵庫13には貯蔵室21内に商品Rを納出するために人体が進入可能な出入口24を設けているので、貯蔵室21内の商品の搬入/搬出も円滑に行えるようになる。
【0042】
(2)レジに直接搬送させる場合
例えば、チーズ等のように比較的小型で軽い商品の場合には、上述のように貯蔵室21から商品取出口16に搬送させ、ショーケース1にて取り出すものであるが、例えば大容量のペットボトル入り飲料のような重い商品の場合には、レジ4まで運ぶことも困難となる。そこで、顧客が商品Rをショーケース1にて取り出さず、レジ4に直接搬送したいと判断した場合、液晶ディスプレイ14のレジ送りボタンB2に指で触れると、タッチパネル14Tがそれを検出し、ショーケースコントローラ41は選択された商品Rに関する情報(当該顧客を識別するための顧客識別情報を含む。これらが選択された商品とレジ4に搬送された商品とをレジ4にて関連付けるための情報となる)を通信データとしてストック室コントローラ46、及び、レジ4に送信する。
【0043】
また、ショーケースコントローラ41はプリンタ18により、選択された商品Rに関する情報(当該顧客を識別するための顧客識別情報を含む)をジャーナルに印字して打ち出し、ジャーナル排出口19より排出する。尚、ジャーナルには顧客識別情報をバーコードにて印字する。
【0044】
ストック室コントローラ46はショーケースコントローラ41から通信データを受信すると、データ中の情報に基づいて顧客により選択された商品Rをストック室側搬送装置8によりストック室6から取り出し、レジ4に搬送する。レジ4には複数の保管区画47A〜47Dが設けられており、ストック室コントローラ46は特定の保管区画47A〜47Dに当該商品Rを搬送する。また、ストック室コントローラ46は搬送した商品Rに関する顧客識別情報と搬送した保管区画47A〜47Dに関する情報を通信データとしてレジ4に送信する。
【0045】
次に、顧客はプリンタ18により打ち出されたジャーナルを持ってレジ4に向かう。そして、店員はジャーナルに印字されたバーコードをバーコードリーダで読み取る。レジ4には読み取られた顧客識別情報から商品Rに関する情報が表示され、且つ、当該情報に該当する商品Rが搬送された保管区画47A〜47Dを特定する情報が表示される。店員はこの情報を見て保管区画47A〜47Dから商品Rを取り出し、会計を行って顧客に手渡す。
【0046】
このような店舗システム9を構築することで、購入したい商品をショーケース1からレジ4に運ぶこと無く、ショーケース1の液晶ディスプレイ14の表示D1、D2、B2及びタッチパネル14Tで選択し、ストック室6から直接レジ4に搬送させ、プリンタ18により打ち出されたジャーナルを用いて当該商品の会計を行うことが可能となる。これにより、顧客による商品運搬の手間を省き、商品販売において著しい利便性の向上を図ることができるようになる。
【0047】
特に、ショーケース1で選択された商品に関する情報をプリンタ18で打ち出し、打ち出されたジャーナルで識別手段を構成すると共に、レジ4にはジャーナルのバーコードを読み取るバーコードリーダを設けたので、顧客が選択してストック室6からレジ4に搬送された商品と当該顧客とを簡単な構成で関連付けることができるようになり、会計時の作業も著しく簡素化される。
【0048】
そして、上記のようにショーケース1で貯蔵室21内の商品Rを取り出す購入方法と、ストック室6からレジ4に直接商品Rを搬送させる方法とを選択できるようにしているので、顧客による商品購入の利便性が著しく向上する。
【0049】
尚、実施例ではショーケース1に商品取出口16を一箇所設けたが、商品取出口16を複数形成しても良い。係る構成によれば、複数の顧客が一台のショーケース1の商品を選択する場合にも支障無く商品を提供することが可能となる。但し、その場合には当該顧客が選択した商品Rが搬送される取出口を特定する表示等を行うと良い。
【0050】
また、実施例ではショーケース1にプリンタ18を設けて商品Rに関する情報(顧客識別情報を含む)をジャーナルに打ち出し、このジャーナルを用いてレジ4にて選択商品と購入顧客との関連付けを行うようにしたが、それに限らず、例えば当該店舗2の会員カード等を用いて識別するようにしても良い。その場合は、ショーケース1とレジ4に会員カードの情報を読み取る読取手段を設ける。そして、会員カードの情報と選択商品とを関連付けてストック室側搬送装置8による搬送とレジ4における会計を行うようにする。
【0051】
このようにすれば、店舗2の会員カードを利用してストック室6からレジ4に搬送された商品と当該顧客とを関連付けることができるようになり、店舗2における顧客サービス(ポイント等)との関連付けも容易となる。
【0052】
また、実施例ではレジ4に商品Rを直接搬送する場合、ストック室6からストック室側搬送装置8を用いて搬送したが、それに限らず、小型の店舗2等ではショーケース1の貯蔵室21(冷却貯蔵装置)から選択商品Rをショーケース側搬送装置28を用いてレジ4に直接搬送しても良い。その場合には、ショーケース1とレジ4間に所定の断熱通路を構成し、ショーケース側搬送装置28にはコンベア(冷気漏洩を防止するシャッタ等を備える)等を追加し、通路内に配設すると良い。そして、マジックハンド36により商品Rをコンベアに載せてレジ4に搬送することになる。
【0053】
但し、実施例のように店舗システム9の冷却貯蔵装置を、商品を冷却貯蔵するストック室6と、ショーケース1に設けられて商品を冷却貯蔵する閉鎖された貯蔵室21とから構成し、搬送装置を、ストック室6内から商品をレジ4に搬送するストック室側搬送装置8と、ショーケース1に設けられて貯蔵室21内から商品を商品取出口16に搬送するショーケース側搬送装置28とから構成すれば、ショーケース1の商品取出口16にて商品を取り出す場合とレジ4に直接搬送する場合とで搬送装置を変更し、上記のようにショーケース1からレジ4に搬送する場合や、逆にストック室6からショーケース1の商品取出口16に搬送する場合に比して搬送経路を簡素化し、円滑に商品の搬送を行うことができるようになる。
【0054】
更に、実施例ではタッチパネル式液晶ディスプレイ14にて入力装置と表示装置を構成したが、それに限らず、表示装置として通常の液晶ディスプレイを用い、適所に商品選択用の押しボタンを設けて入力装置を構成しても良い。
【符号の説明】
【0055】
1 ショーケース
2 店舗
4 レジ
6 ストック室
7 ストック室側冷却装置
8 ストック室側搬送装置
9 店舗システム
14 液晶ディスプレイ(表示装置)
14T タッチパネル(入力装置)
16 商品取出口(商品提供部)
17 扉
18 プリンタ
21 貯蔵室
22 棚
24 出入口
26 断熱扉
27 ショーケース側冷却装置
28 ショーケース側搬送装置
41 ショーケースコントローラ
46 ストック室コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を冷却しながら陳列するためのショーケースにおいて、
前記商品を貯蔵する閉鎖された貯蔵室と、
該貯蔵室内を冷却する冷却装置と、
前記貯蔵室に貯蔵された商品の画像を陳列状態で表示する表示装置と、
該表示装置に表示された商品を選択する入力装置と、
前記商品を提供する商品提供部と、
前記入力装置で選択された商品を前記貯蔵室内から前記商品提供部に搬送する搬送装置とを備えることを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記表示装置は、前記入力装置で選択された商品に関する情報を表示することを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
前記表示装置及び入力装置は、タッチパネル式液晶ディスプレイにて構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のショーケース。
【請求項4】
前記商品提供部には、商品を取り出し可能な開閉扉を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載のショーケース。
【請求項5】
前記商品提供部を複数備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載のショーケース。
【請求項6】
前記貯蔵室は、当該貯蔵室内に商品を納出するために人体が進入可能な出入口を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載のショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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