説明

ショーケース

【課題】ショーケースの店員と対向する面にドロアーを配置しても、ショーケース内の商品を見る際、見難いといった問題が生じないショーケースを提供する。
【解決手段】商品を収容陳列するケースAの店員と対向する面に、ドロアーBが店員側に突出して配置されたショーケースにおいて、前記ドロアーBを、該ケースAの店員と対向する面において幅方向、或いは幅方向と交差する上下方向に移動自在に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース内に惣菜や肉等の商品を収容陳列し、ケース上面に秤等を載せて対面販売に供されるショーケースに関し、更に詳しくは該ショーケースの店員と対向する面に、ドロアー(金銭収納装置)が店員側に向けて設けられたショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやデパートの食品売り場には、惣菜や肉などを対面販売するショーケースが配置されている。そして、このショーケースの上面には商品登録及び精算機能を有する秤装置(商品登録装置)が載置され、更に該ショーケースの店員と対向する面の上部には前記秤装置の近傍に位置してドロアーが、店員側に向けて配置され、対面販売で授受した紙幣や硬貨、金券等を種類毎に分けて収容し得るようになっている。
【0003】
ところで、このドロアーは一般的に平面視矩形状の箱体で、金銭を収納できる程度の厚みを持った収納部が引き出し式に構成されている。
そして、このドロアーは、ショーケースの上面に配置され、更にこのドロアーの上に、前記秤装置が載せられて使用される。
この場合、秤装置はドロアーの上に置かれるため、装置全体の高さが高くなり、店員とお客との対面性が悪くなる、更に、ショーケースの上に高さのある装置を置くことで、お客に圧迫感を与える等の問題点を有する。
そこで、前記問題点を解決するものとして、秤装置とは分離した独立タイプのドロアーが開発され、ショーケースの店員と対向する面(裏側)で、且つショーケース上に載置される秤装置の近傍に位置して配置されている。
【0004】
前記独立タイプのドロアーは、ショーケースの上部に店員側に向けて突出させて固定されており、そのため、店員がショーケース内の商品を見る際、ドロアーによって商品が遮られ、商品が見難いという新たな問題点が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−176335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、ショーケースの店員と対向する面にドロアーを配置しても、ショーケース内の商品を見る際、見難いといった問題が生じないショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のショーケースは、商品を収容陳列するケースの店員と対向する面(裏側)に、ドロアーが店員側に突出して配置されたショーケースにおいて、前記ドロアーを、該ケースの店員と対向する面において幅方向(左右方向)、或いは幅方向と交差する上下方向に移動自在に設けたことを特徴とする。
【0008】
ケースは、内部に商品を陳列する棚が設けられ、且つ冷却装置、照明装置等を備え、更に、店員と対向する面にはガラス扉が開閉可能に設けられ、お客と対向する面(表側)のガラスも上下又は左右方向に開閉可能に設けられた今日周知のショーケースである。
前記ドロアーは、樹脂成形品或いは金属板等で形成された蓋付きのドロアーで、内部には硬貨、紙幣、金券等を種類別に分けて収納する収納ケースが複数個設けられている。
【0009】
前記ドロアーをショーケースの店員と対向する面(裏側)に移動自在に取り付ける方法としては、例えば、ケースの店員と対向する面(裏側)にレール部材を取り付け、そのレール部材にドロアーをスライド可能に取り付ける。前記レール部材の取り付け位置は、ショーケースの店員と対向する面で、ショーケース内部の商品を陳列する棚より商品を取り出すのに邪魔にならない位置であれば(例えば、略上端部、陳列する棚と対応する中間部など)何れの箇所でも良いが、好適な取付け位置としてはショーケースの略上端部が好ましい。
また、前記レール部材はケースに新たに設置するものの他に、該ケースの店員と対向する面(裏側)に左右スライド可能に設けられた最前面のガラス扉自体を利用してもよい。即ち、左右スライド可能なガラス扉にドロアーを取り付け、ガラス扉のスライドによりドロアーを一緒に移動させる。
前記レール部材をケースに設置する場合、その長さはケースの横幅全長、或いは移動させようとする所望の範囲等、任意である。
【0010】
上記手段によれば、ケースの店員と対向する面(裏側)に配置されるドロアーが、該ケースの幅方向或いは幅方向と交差する上下方向に移動自在に設けられている為、仮にショーケース内の商品を見る際、前記ドロアーが商品と重なって見難い場合、ドロアーを左右或いは上下方向に移動することで商品との重なりを解消でき、ショーケース内の商品をしっかり見ることが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のショーケースは、店員と対向する面(裏側)に配置されるドロアーが、ケースの幅方向(左右方向)、或いは左右方向と交差する上下方向に移動自在に設けられている為、仮にショーケース内の商品を見る際、前記ドロアーが邪魔になって見難い場合、ドロアーを左右或いは上下方向に移動することで障害がなくなり、ショーケース内の商品をしっかり見ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るショーケースの実施の形態の一例示し、(a)は背面図、(b)は側面図。
【図2】図1の状態からドロアーを移動させた状態を示す同背面図。
【図3】レール部材をケース背面の枠体に沿って設置した例を示し、(a)は背面図、(b)はレール部材に対するドロアーの取り付け部の拡大断面図。
【図4】ドロアーをケースの幅方向と交差する上下方向に移動自在とした例を示し、(a)は背面図、(b)はレール部材に対するドロアーの取り付け部の拡大断面図。
【図5】ドロアーの構成を示し、(a)は正面図、(b)は縦断側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のショーケースは、ケースの店員と対向する面(裏側)に、ドロアー(金銭収納装置)を該ケースの幅方向(左右方向)、或いは幅方向と交差する上下方向に移動可能に取り付けたことを特徴とする。
以下、そのドロアーを移動可能に取り付けたショーケースの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1乃至図2は、ドロアーをケースの店員と対向する面(裏側)に左右移動可能に設けられたガラス扉に取り付けた例を示し、図中、Aはケース、Bはドロアーである。
ショーケースを構成するケースAは、冷却装置(図示省略)等を収容配置した台部A1の上に、ガラス板又は透明樹脂板と金属製枠とで収納部A2が形成され、その収納部A2内に商品陳列棚11、照明装置等が設置された今日周知のもので、ケースAの収納部A2における店員と対向する面(裏側)には、該ケースAの幅方向(左右方向)に沿ってガラス扉1がスライド可能に設けられ、収納部A2への商品の出し入れを行うことができるようになっている。また、ケースAの収納部A2におけるお客と対向する面(表側)の前面ガラスは、開閉自在(左右スライド、上下回動等)、或いは固定の何れでもよい。
【0015】
前記ケースAの収納部A2における店員と対向する面(裏側)に設けられたガラス扉1の上部にドロアーBが固着され、該ガラス扉1のスライドによりドロアーBも左右方向に移動するように構成されている。
前記ドロアーBは、図5に示すように、合成樹脂材によって側面視略1/4円形状(略扇形状)で横長に形成した収納庫本体2と、その収納庫本体2の上面開口部を開閉する蓋体3とで構成されている。
前記収納庫本体2は、背部2a、底部2b、及び左右側部2c,2c’とで上方が開放した樋状ケースに形成され、その内部は高さ方向中程位置に上下回動可能に設けた釣銭棒金収納部を備えた紙幣収納ケース4と、前記紙幣収納ケース4より上方位置に着脱可能に取り付けた硬貨収納ケース5とで、上・中・下の三段に仕切られている。即ち、上段は前記硬貨収納ケース5による硬貨収納部、中段は釣銭硬貨の棒金を入れる棒金収納部を備えた紙幣収納ケース4による棒金紙幣収納部、下段は前記紙幣収納ケース4の底部と収納庫本体2の底部とで区画される空間で高額紙幣や金券等の収納部として使用される。
【0016】
前記収納庫本体2の開口部を開閉する蓋体3は、合成樹脂材又は金属製平板等によって前記収納庫本体2の開口部を閉鎖する円弧状の蓋部3aと、その蓋部3aの長手方向の両側に連設した側面視1/4円形状(略扇形状)の側部3b,3b’とで構成されている。そして、前記側部3b,3b’が前記収納庫本体2の左右側部2c,2c’の外側に配置され、側部3b,3b’の頂点付近(円弧状の蓋部3aの略中心)が軸6で回動可能に軸支されている。
前記蓋体3の構成によれば、蓋体の開放時に該蓋体は収納部の下方に配置されるので、蓋体が収納部よりも手前に突出することはなく、ケースAと対向して立つ店員の作業に支障をきたすことはない。
【0017】
また、前記蓋体3における蓋部3aの回動方向終端側(蓋体を閉じた時、収納庫本体の底部に近接する側)には、前記収納庫本体2の底部2bと重合する係合部3cが連設形成され、その係合部3cと収納庫本体2の底部2bに亘って該蓋体3の開閉を規制する掛止機構、例えば、ソレノイドを用いた掛止機構(図示省略)が設けられている。その場合、掛止機構のソレノイドは秤装置と電気的に接続し、秤装置で商品を登録し、合計金額を算出し、預かり金額を置数し、秤装置の操作部に設けられた現計キーが押されることで、前記ソレノイドが作動して掛止機構のフックが外れ、蓋体3は自重により軸6を中心として回動し、収納庫本体2の上面開口部は開放状態となる。尚、前記収納庫本体2の上面開口部の開放は、秤装置の操作部に設けられた現計キーの押下に限らず、例えば、操作部に設けられた両替キーや釣銭補充キー等の押下により開放させるようにしても良い。
【0018】
前記ドロアーBの、ガラス扉1に対する取り付けは、該ドロアーBを構成する収納庫本体2の背部2aを前記ガラス扉1に固着して行われる。固着の方法としては、収納庫本体2の背部2aを、ガラス扉1の扉枠1a(例えばステンレス製、アルミ製等)に取り付けた取付部材にネジ止め、或いは接着剤等で取り付ける方法等、ドロアーBが確実に固定され容易に取り外し(持ち去る)ことができない方式であれば何れの方法でもよい。尚、ドロアーBを取り付けるガラス扉1は、複数枚あるガラス扉のうち、外側に位置するガラス扉とし、ガラス扉1をスライドしてもドロアーBが他のガラス扉1に当たらないようにする。尚、ドロアーBの掛止機構であるソレノイドと秤装置とを電気的に接続するケーブルは、ガラス扉1の開閉(水平移動)の邪魔にならない上部に開孔部を設け、該開口部を通しガラス扉1の背面側(正対視する店員が見るガラス扉1の背面)より秤装置へと接続されており、前記ケーブル長と配置は、ガラス扉1の上部に凹部を設け該凹部内にケーブルが折り畳まれ余裕を持って配線され、ショーケース正面の顧客側からの視線に入らない位置で収納されている。前記凹部内に折り畳まれ収納されたケーブルは、ガラス扉1の開動作に伴い前記凹部内でケーブルの折り畳みが解放されてケーブルへのストレスが緩和され、ガラス扉1の閉動作に伴って前記凹部内で解放され伸ばされたケーブルが折り畳まれて縮む構造となっている。これにより、ドロアーBを水平移動させた場所において、棚からの商品の取出し及び計量動作と、秤装置の操作部に設けられた現計キー等を押すことによって、ドロアーBの上面開口部を開放状態にすることができるので、顧客との応対および顧客から受け取った預かり金の収納や顧客に手渡す釣銭の取出し等をスムーズに行なうことができるので客捌きが良くなる。
【0019】
上記構成により、ドロアーとケースA内の商品Wが重なって見難い場合でも、ガラス扉1をスライドしてドロアーBを横に移動させることで、該ドロアーBと重なって見難かった商品Wもしっかり見ることができる(図2参照)。そして、ドロアーBをケースの幅方向(左右方向)に移動するガラス扉1に取り付けたことで、ドロアーを左右方向へ移動させるための特別な手段を設けることなく、ドロアーを移動させることができる。
【実施例2】
【0020】
前記実施例1は、左右方向にスライドするガラス扉1自体をレール部材とみなし、そのガラス扉1にドロアーBを取り付けたが、ガラス扉1とは別にレール部材7をケースAに取り付け、そのレール部材7にドロアーBを取り付けてもよい。尚、レール部材7に取付けたドロアーB、或いは、ドロアーBを取付けたガラス扉1をスライドレールから容易に取り外しが出来ないようにするためにスライドレールの長手方向の両側端部にストッパを備えるレール構造としてもよい。
ケースAに対するレール部材7の取り付けは、図3に示すように、ケースAの収納部A2における店員と対向する面(裏側)に設けられたガラス扉1を収容する金属製(例えば、ステンレス製、アルミ製等)の枠体8の上部辺8aに沿ってレール部材7を取り付け、そのレール部材7に摺動体9をスライド可能に装着し、該摺動体9に前記ドロアーBの収納庫本体2における背部2aを接着又はネジ止めによって固着する。尚、摺動体9は独立した部材に限らず、ドロアーBの背部2aの表面(レール部材と対向する面)に一体に形成してもよい。
前記レール部材7の断面形状は、該レール部材7に係合する摺動体9を、回転することなく所定の姿勢を維持して直線的に案内できる形状であればよい。尚、ドロアーBの掛止機構であるソレノイドと秤装置との電気的な接続は、秤装置側からのケーブルがレール部材7の凹部内側に配線した直線状の導線に接続し、ドロアーBの掛止機構であるソレノイドからのケーブル端子をレール部材7の凹部内側に配設された直線状の導線と接触する構造とする。このような構造にすることによって、ドロアーBをレール部材7に沿って摺動させてもドロアーBが備えるソレノイドの接触端子がレール部7の導線と常時摺動接触させることができるので、ドロアーBのソレノイド(掛止機構)と秤装置との電気的な接続は移動させても常時維持することができる。よって、ドロアーBをレール部材に沿って水平移動させた場所において、秤装置の操作部に設けられた現計キー等を押すことによってドロアーBの上面開口部を開放状態にすることができる、顧客から受け取った預かり金の収納や顧客に手渡す釣銭の取出し等をスムーズに行なうことができるので客捌きが良くなる。
【0021】
また、前記レール部材の取り付け範囲はケースA上に載置される秤装置10の位置等によって決定されるが、図3に示すようにケースAの幅方向全長に亘ってレール部材を取り付けた場合は、秤装置10の位置に応じてドロアーBの原点位置を自由に変更することができる。
レール部材7を枠体8の上部辺に取り付けた場合、該ドロアーBに重なって見難い商品はガラス扉1を開閉動することなくドロアーB自体をレール部材7に沿って左右方向に移動させることで、容易に見通せるようになる。また、枠体8内に取り付けられたガラス扉1の取り外しも支障なく行うことができる。
【実施例3】
【0022】
前記実施例2はレール部材7を枠体8の上部辺8aに沿って取り付け、ドロアーBをケースAの幅方向(左右方向)に移動させる形態について示したが、ドロアーBの移動方向はケースAの幅方向(左右方向)に限らず、ケースAの幅方向と交差する上下方向に移動させるように配置してもよい。その場合、レール部材7は図4に示すように、ガラス扉1の扉枠1aの左右側部辺上に平行に取り付け、その左右のレール部材7,7に亘って前記摺動体を介してドロアーBを取り付ける。
尚、ドロアーBの移動範囲は、ガラス扉1の上端側を原点位置(ドロアー使用位置)とし、移動の終点位置は前記原点位置より下方、例えば、ガラス扉1の高さ方向の中程位置、或いはガラス扉1の下端側等、何れでもよい。
また、ドロアーBをレール部材7に沿って移動させるが、その場合任意の位置で停止できるよう、または、ドロアーBの自重(重力)によって不用意に下方(鉛直方向)に移動しないように、レール部材7と摺動体との間に適度な摩擦抵抗を介在する、或いはブレーキ手段、或いはレール部材7に所定間隔であけられた孔に係止し手動で係止解除することができる係止解除機構をドロアーBに組み付け、前記係止及び手動解除によってドロアーBを所定幅単位で移動係止或いは係止解除できるストッパ手段等を設けてもよい。
また、前記実施例2(図3)に示したレール部材7を枠体8の上部辺8aに沿って取り付け、ドロアーBをケースAの幅方向(左右方向)に移動させる形態と、図4(実施例3)で示した、ガラス扉1の扉枠1aの左右側部辺上に平行に取り付け、その左右のレール部材7,7に亘って前記摺動体を介してドロアーBを取り付け、ドロアーBを上下方向に移動させる形態との2つの形態を合わせた、ドロアーBを左右上下の両方向に移動させることができる構造としてもよい。この場合、ガラス扉1の扉枠1aの左右側部辺上に平行に取り付けたレール部材と、枠体8の上部辺8aに沿って取り付けたレール部材とが直交する位置の枠体8の上部辺8aに沿って取付けたレール部材の下方側にガラス扉1に取付けたレール幅分の開口部(切欠)を設け、この開口部(切欠)によって、ドロアーBを水平移動用レールあるいは鉛直移動用レールの何れかに乗り換えを行なわせ、ドロアーBの移動方向(所謂、T字状に移動)を切替えられるようにしてもよい。
【0023】
前記した各実施例において、ドロアーBの原点位置はケースAの天板上に載置される秤装置10の位置によって決定される。例えば、秤装置10の手前位置、秤装置10の斜め横位置等が好適である。
【0024】
本発明のショーケースは図示した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更可能である。
(1)実施の形態では、ケースにレール部材を取り付ける例としてケースの横幅全長に設置した例を示したが、これに限定されず、レール部材の取り付け範囲(長さ)は、ドロアーの移動距離に応じて決定される。
(2)実施の形態では、ドロアーを移動案内するレール部材をケース側に配置し、レール部材に係合する摺動体をドロアーに取り付けた例を示したが、これに限定されず、例えば、レール部材をドロアー側に取り付け、摺動体をケース側に取り付けてもよい。
(3)実施の形態では、ドロアーとして側面視略1/4円形状(略扇形状)のものを示したが、これに限定されず、例えば、側面視略四角形のものなど、その形状は問わない。
(4)実施の形態では、ドロアーの横幅をガラス扉の横幅と略同じ幅の例を示したが、これに限らず、ドロアーの横幅は問わない。
(5)実施の形態では、ケースに対するレール部材の取り付けを、ガラス扉が収容された金属製の枠体に取り付けた例を示したが、これに限定されず、例えば、ガラス扉のガラス面に吸盤などを用いてレール部材を取り付けてもよい。
(6)ドロアーBをレールに沿って水平(左右)方向或いは鉛直(上下)方向に移動させた場所から所定の初期位置(原点位置)に復帰するようにレール部材側或いはドロアーB側に位置復帰機構を備えるようにしても良い。例えば、レール側に渦巻き(ぜんまい)状のバネ等の附勢手段によってドロアーBの端部に結合したワイヤーを巻き戻す等の構造により、レール部材7に沿って摺動するドロアーB或いはドロアーBを備えたガラス扉1を所定の初期位置に復帰させる方式など、ドロアーBを所定の初期位置に復帰させる方式であれば何れの方法でもよい。
【符号の説明】
【0025】
A…ケース B…ドロアー
1…ガラス扉 7…レール部材
8…枠体 9…摺動体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を収容陳列するケースの店員と対向する面に、ドロアーが店員側に突出して配置されたショーケースにおいて、
前記ドロアーが、該ケースの店員と対向する面において幅方向、或いは幅方向と交差する上下方向に移動自在に設けられていることを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記ドロアーは、ケースにレール部材を介して移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のショーケース。
【請求項3】
前記ドロアーは、ケースの店員と対向する最前面の扉の上端部に取り付けられていることを特徴とする請求項2記載のショーケース。
【請求項4】
前記レール部材は、ケースの店員と対向する面における扉を収容する枠体の上部辺に沿って、該ケースの幅方向全長に亘って設けられ、そのレール部材に前記ドロアーが移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2記載のショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−92906(P2013−92906A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234420(P2011−234420)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】