シラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体、その製造法、作製した膜及びその膜の製造方法

【課題】高い機械強度および低い屈折率と比誘電率を示す電気絶縁膜の材料として好適なジシロキサン誘導体及びその製造法、作製した膜及びその膜の製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)


(式中、nは4または5を表し、nが4のときRはブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基等を表し、nが5のときRは炭素数2〜6のアルキル基等を表す。Rは水素原子またはメチル基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体及びその製造法、さらに該ジシロキサン誘導体を材料としてプラズマ誘起化学気相蒸着法によって成膜し、それを絶縁膜として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子や有機エレクトロニクス素子などに使用される、機械的強度に優れ、屈折率及び比誘電率の低い電気絶縁性の膜を製造するための材料として好適に用いられる、シラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体とその製造法、シラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体を用いて作製した膜及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の微細化が進むにつれて、配線間の絶縁膜への漏れ電流の影響が無視できなくなってきており、この絶縁膜の更なる低誘電率化が求められている。絶縁膜の作製方法の一つとして、例えば低分子量の有機シラン類などの前駆体(プリカーサー)をプラズマ誘起化学気相蒸着(PECVD)法によりシリコン基板上に架橋体として堆積させる方法が知られている。絶縁膜をポーラスなあるいは分子間隙の大きな構造にすることが絶縁膜の低誘電率化に有効とされているが、一般にそのような構造は膜の機械強度に乏しいため、集積回路の製造プロセスの一つである化学機械研磨(CMP)プロセスに適していない。
【0003】
絶縁膜の物性にはプリカーサーの化学構造上の特徴が反映され、特に絶縁膜の低誘電率化には例えばPECVDプロセスにおいてプリカーサー中の有機成分が膜中に取り込まれやすい構造的特徴を有するプリカーサーを用いることが重要である。
【0004】
これまでプリカーサーとして用いられる有機ケイ素化合物として、例えば非特許文献1乃至3にはヘキサメチルジシロキサン(HMDS)、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのようなジシロキサン誘導体が開示されているが、これらのプリカーサーから製造される絶縁膜は、機械的強度の点で必ずしも満足できる性能を有するものではない。
【0005】
これまでにシラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体として、例えば非特許文献4乃至7には1,3−ジメチル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,4−ジイル)ジシロキサン、1,3−ジエチル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン、1,3−ジブチル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンが開示されている。しかしながら、これら既存のシラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体が、絶縁膜製造のプリカーサーとして用いられた例は無く、まして誘電率などの絶縁膜に関する報告例は無い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】M.Creatoreら、Thin Solid Films、516巻、8547−8553頁(2008年)。
【0007】
【非特許文献2】Toshiaki Fujiiら、Thin Solid Films、343−344巻、457−460頁(1999年)。
【0008】
【非特許文献3】Shigeo Yasuharaら、Journal of Physics D:Applied Physics、43巻、065203頁(2010年)。
【0009】
【非特許文献4】Robert West、Journal of the American Chemical Society、76巻(23号)、6012頁(1954年)。
【0010】
【非特許文献5】Jean Paul Quintardら、Journal of Organometallic Chemistry、266巻(2号)、123頁(1984年)。
【0011】
【非特許文献6】A.F.Plateら、Doklady Akademii Nauk SSSR、97巻、847−850頁(1954年)。
【0012】
【非特許文献7】A.F.Plateら、Bulletin of the Academy of Sciences of the USSR,Division of Chemical Science、1956年、1101−1105頁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
無機半導体素子、有機エレクトロニクス素子、ディスプレーなどの素子として実装される電気絶縁性の膜には、屈折率や比誘電率が低いといった光学的特長や電気的特長が要求されるだけではなく、機械強度が優れていることが求められている。従来技術で製造することができる絶縁膜に比べて更に高い機械強度を有する電気絶縁膜およびその製造方法の開発が求められている。本発明の課題は、従来の絶縁膜に比べて強度に優れ、且つ従来の絶縁膜と同等程度の屈折率及び比誘電率を示す電気絶縁性の膜、及びその製造方法、上記の膜を製造するためのプリカーサーとして好適なジシロキサン誘導体およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記一般式(1)で示されるジシロキサン誘導体が、機械的強度に優れ、屈折率及び比誘電率の低い電気絶縁性の膜の製造に適している事を見出した。更にそのジシロキサン誘導体を対応するシラン誘導体から合成できることを見出した。
【0015】
更に下記一般式(6)で示されるシラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体を用いると強度に優れ且つ屈折率及び比誘電率の低い電気絶縁性の膜を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0016】
すなわち、本発明は一般式(1)
【0017】
【化1】

(式中、nは4または5を表し、nが4のとき、Rはブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリルオキシ基または水素原子を表し、nが5のときRは炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリルオキシ基または水素原子を表す。[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体である。
【0018】
また本発明は、一般式(2)
【0019】
【化2】

(式中、nは4または5を表し、n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。nが4のときRはブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表し、nが5のときRは炭素数2〜6のアルキル基、または炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表す。Xは塩素原子、臭素原子またはジ(C〜Cアルキル)アミノ基を表す。(但し、C〜Cアルキルは炭素数1〜4のアルキル基を表す。))で表されるシラン誘導体と、水、スルホキシド誘導体および金属酸化物からなる群から選ばれる酸化剤とを反応させることを特徴とする、一般式(3)
【0020】
【化3】

(式中、nは4または5を表し、nが4のとき、Rはブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表し、nが5のときRは炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表す。[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体の製造法である。
【0021】
更に本発明は、一般式(4)
【0022】
【化4】

(式中、nは4または5を表し、[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体に触媒存在下、一般式R−OH(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基を表す。)で表されるアルコールを反応させることを特徴とする、一般式(5)
【0023】
【化5】

(式中、nは4または5を表し、[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。Rは炭素数1〜3のアルコキシ基またはアリルオキシ基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体の製造法に関するものである。
【0024】
更に本発明は、一般式(6)
【0025】
【化6】

(式中、nは4または5を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリルオキシ基または水素原子を表し、[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体を材料として用いることを特徴とする膜の製造方法である。
【0026】
また本発明は、上述の方法により得られる膜である。さらに本発明は、上述の膜から成ることを特徴とする絶縁膜である。さらに本発明は、上述の膜を含有することを特徴とする低屈折率材料である。
【0027】
さらに本発明は、上述の膜を含有することを特徴とする低誘電率材料である。さらに本発明は、上述の膜を含有することを特徴とする電子デバイスである。
【0028】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。一般式(1)で表されるジシロキサン誘導体において、nが4のとき、Rはブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリルオキシ基または水素原子を表す。ブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基としてプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、セカンダリブチル基、ターシャリーブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。炭素数2〜4のアルケニル基としてビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルビニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基等を挙げることができる。炭素数2〜4のアルキニル基としてエチニル基、プロパルギル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基等を挙げることができる。炭素数1〜3のアルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基等を挙げることができる。
【0029】
またnが5のときRは炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリルオキシ基または水素原子を表す。炭素数2〜6のアルキル基として、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、セカンダリブチル基、ターシャリーブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。炭素数2〜4のアルケニル基としてビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルビニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基等を挙げることができる。炭素数2〜4のアルキニル基としてエチニル基、プロパルギル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基等を挙げることができる。炭素数1〜3のアルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基等を挙げることができる。
【0030】
一般式(1)で表されるジシロキサン誘導体において、Rは水素原子、メトキシ基、エトキシ基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基であることがPECVD法で成膜したときの絶縁膜の機械的強度に優れ、生産性が良い点で好ましい。一般式(1)、(3)、(4)および(5)で表されるジシロキサン誘導体および一般式(2)で表されるシラン誘導体において、一つのシラシクロアルキル基のn個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表すが、一つのシラシクロアルキル基のn個のRはすべて水素原子であるか一つがメチル基で残りがすべて水素原子であることが、原料の入手が容易である点、およびPECVD法で成膜したときの絶縁膜の生産性が良い点で好ましい。
【0031】
一般式(2)で表されるシラン誘導体においてXは塩素原子、臭素原子またはジ(C〜Cアルキル)アミノ基を表し、ジ(C〜Cアルキル)アミノ基としてジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等を挙げることができる。また、シラン誘導体(2)を本発明の製造に用いる場合には、Xが塩素原子、臭素原子またはジ(C〜Cアルキル)アミノ基であるシラン誘導体(2)を任意の割合で混合して用いても良い。
【0032】
一般式(2)で表されるシラン誘導体および一般式(3)で表されるジシロキサン誘導体において、nが4のときRはブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表す。ブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基としてプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、セカンダリブチル基、ターシャリーブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。炭素数2〜4のアルケニル基としてビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルビニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基等を挙げることができる。炭素数2〜4のアルキニル基としてエチニル基、プロパルギル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基等を挙げることができる。
【0033】
またnが5のときRは炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表す。炭素数2〜6のアルキル基として、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、セカンダリブチル基、ターシャリーブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。炭素数2〜4のアルケニル基としてビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルビニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基を例示することができる。炭素数2〜4のアルキニル基としてエチニル基、プロパルギル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基等を挙げることができる。
【0034】
一般式(5)で表されるシラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体において、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基またはアリルオキシ基を表し、炭素数1〜3のアルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基等を挙げることができる。
【0035】
一般式(2)で表されるシラン誘導体から一般式(3)で表されるジシロキサン誘導体を製造する際、酸化剤を用いることが必須である。用いることのできる酸化剤として、水、スルホキシド誘導体および金属酸化物などを例示することができる。酸化剤の使用量に特に制限はないが、収率の点でシラン誘導体(2)に対し0.5当量以上用いることが望ましい。
【0036】
酸化剤として水を用いるとき、反応溶液の液性は中性、酸性および塩基性のいずれでもよく、目的とする生成物の安定性や製造の効率を考慮して決めればよい。酸性水溶液の調製には塩酸、硫酸などを、塩基性水溶液の調製には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどを用いることができるが、ことさら酸や塩基を加えなくてもシラン誘導体(2)が加水分解する際に発生する酸またはアミンによって酸性または塩基性としてもよい。Xが塩素原子または臭素原子の場合は副生する酸を中和するためにトリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を用いることもできる。
【0037】
酸化剤として用いることのできるスルホキシド誘導体としては、反応が進行すれば特に制限は無いが、ジアルキルスルホキシドまたはジアリールスルホキシドを用いることができ、ジアルキルスルホキシドとしてジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジオクチルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド等を挙げることができる。ジアリールスルホキシドとしてジフェニルスルホキシド、ジ−p−トリルスルホキシド、ビス−(p−クロロフェニル)スルホキシドなどを例示することができる。反応が速やかに進行する点でジアルキルスルホキシドが好ましく、安価である点でジメチルスルホキシドが更に好ましい。
【0038】
酸化剤として用いることのできる金属酸化物としては、反応が進行すれば特に制限は無いが、副生物が少なく、所望の形状の金属酸化物の入手の容易さ、収率の点で、酸化亜鉛、酸化第二銅及び酸化マグネシウムが好適に用いられる。このときの金属酸化物の形状としては、反応が進行すれば塊状、フレーク状、粉末状など特に制限は無いが、反応が速やかに進行する点で粉末状が望ましく、粒径1mm程度より細かい粉末が好適に用いられる。
【0039】
シラン誘導体(2)と酸化剤を反応させるときの添加の方法はシラン誘導体(2)に酸化剤を添加しても、酸化剤にシラン誘導体(2)を添加しても良い。反応温度はシラン誘導体(2)と酸化剤を混合できれば特に制限は無いが、概ね−50〜150℃の範囲で行うことができるが、RおよびRの置換基や酸化剤の種類により反応速度が大きく異なるので、それぞれの組み合わせにおいて製造効率を考慮して決めればよい。
【0040】
反応には溶媒を用いることができ、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエ−テル系溶媒、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性の極性溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒などを例示できる。
【0041】
一般式(2)で表されるシラン誘導体から一般式(3)で表されるジシロキサン誘導体を製造する際、シラン誘導体(2)を製造したのちシラン誘導体(2)を精製することなくジシロキサン誘導体(3)を製造する工程に用いることもできる。
【0042】
一般式(4)で表されるジシロキサン誘導体に触媒存在下、一般式R−OH(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基を表す。)で表されるアルコールを作用させて一般式(5)で表されるジシロキサン誘導体を製造する際、鉄、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金などの遷移金属原子を含む触媒を用いるが、触媒の調製や扱いの容易さおよび製造効率の点でパラジウム担持炭素粉末が好適に用いられる。反応は溶媒中で行うことができ、先に挙げた、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒またはハロゲン系溶媒が好適に用いられる。反応の進行に伴って発生した水素ガスは、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物を反応系中に加えることによって吸収することができる。一般式R−OHで表されるアルコールとして、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等を挙げることができる。
【0043】
一般式(6)で表されるシラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体は、前述の一般式(1)で表されるジシロキサン誘導体を含むものである。
【0044】
この一般式(6)で表されるシラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体において、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリルオキシ基または水素原子を表す。炭素数1〜6のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、セカンダリブチル基、ターシャリーブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。炭素数2〜4のアルケニル基としてビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルビニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基等を挙げることができる。炭素数2〜4のアルキニル基としてエチニル基、プロパルギル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基等を挙げることができる。炭素数1〜3のアルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基等を挙げることができる。PECVD法で成膜したときの絶縁膜の機械的強度に優れ、生産性が良い点で、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基であることが好ましい。
【0045】
一般式(6)で表されるシラシクロアルカン構造を有するジシロキサン誘導体において、一つのシラシクロアルキル基のn個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表すが、n個のRがすべて水素原子、もしくは一つがメチル基で残りが水素原子であることが、原料入手の容易さ、PECVD法で成膜したときの絶縁膜の生産性が良い点で好ましい。
【0046】
一般式(6)で表されるジシロキサン誘導体は、例えば以下のようにして製造することができる。即ち、Rが炭素数1〜3のアルコキシ基またはアリルオキシ基である一般式(6)で表されるジシロキサン誘導体は、Rが水素原子である一般式(6)で表されるジシロキサン誘導体を、パラジウム触媒の存在下、炭素数1〜3のアルコール又はアリルアルコールを反応させることにより得られる。Rがそれ以外の一般式(6)で表されるジシロキサン誘導体は、一般式(6)中のシラシクロアルカン構造、即ち[ ]内の構造を有し、更にSi上に臭素原子が結合した化合物を酸化亜鉛等の酸化剤と反応させることにより得られる。
【0047】
本発明のジシロキサン誘導体を用いた成膜方法に特に制限はないが、例えばディップコーティング法、スピンコーティング法、溶媒キャスティング法、エレクトロスプレー法、印刷法などを用いて膜状にした後、熱処理、紫外線照射処理、電子線照射処、ガンマ線照射処理などを行うことによって絶縁膜を製造できる。処理の際、必要に応じて真空下、不活性ガス雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、オゾンガス雰囲気下、水素ガス雰囲気下、メタンガス雰囲気下およびこれらのガスを二種以上併せて処理することができる。また該ジシロキサン誘導体を原料として用いプラズマ誘起化学気相蒸着(PECVD)法を用いることによって成膜することができ、必要に応じて上記雰囲気下で上記処理を併用することができる。
【0048】
このようにして製造された膜は、電気絶縁性を示し、弾性率が概ね7.9GPa以上であり、機械的強度に優れるものである。またその膜は屈折率が概ね1.61以下、および比誘電率が概ね2.6以下という低い値を示すため、その膜を電気絶縁材料、低屈折率材料または低誘電率材料として使用することができ、例えば半導体集積回路や表示素子、タッチパネル、太陽電池などの電子デバイスを構成する部材として用いることができる。さらに本発明の絶縁膜は、電子デバイス以外の用途にも用いることができる。例えば屈折率が低く機械強度が高いことから、汎用的な保護フィルムや梱包材料などにも用いることができる。さらに、比誘電率が低いことから、帯電防止材料としても用いることができる。さらに、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、アルミニウム、ガリウム及びインジウムなどの金属との複合酸化物として、光触媒や高誘電率材料、透明導電膜の素材として用いることもできる。
【発明の効果】
【0049】
本発明の一般式(1)で表されるジシロキサン誘導体は、PECVDプロセスの原料ガスとして用いることができる。また、一般式(6)で表されるジシロキサン誘導体を原料ガスとして用いることにより、機械的強度として弾性率が概ね7.9GPa以上、屈折率が概ね1.61以下、且つ比誘電率が概ね2.6以下の電気絶縁膜を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例−30〜48及び比較例−1の成膜に用いたPECVD成膜装置の概略図である。
【図2】実施例−49の成膜に用いたPECVD成膜装置の概略図である。
【実施例】
【0051】
以下、参考例及び実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
参考例−1の合成
【0053】
【化7】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた3L3口フラスコに削り状マグネシウム78.5g(3.23グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル300mLを収め、1,4−ジブロモブタン324g(1.50mol)のエーテル1000mL溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて加え、室温に戻して12時間撹拌し、ブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液を調製した。別に、撹拌子、500mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた3L3口フラスコ内をアルゴンで置換し、脱水ジエチルエーテル500mLおよびトリクロロシラン203g(1.50mol)を収め、氷浴で0℃に冷却した。この溶液に先に調製したブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液を滴下ロートを用いて4時間かけて滴下し、14時間撹拌した。この混合物を2時間加熱還流し、室温に戻した。ろ過してマグネシウム塩を除き、濃縮後蒸留(沸点:106℃)することにより、1−クロロ−1−シラシクロペンタンを無色液体として80.5g(収率:44.5%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):120(M,93),105(100)。IR,ν(neat,cm−1):2937,2864,2168,2139,1402,1032,955,839,768。
【0054】
実施例−1
【0055】
【化8】

撹拌子およびリービッヒ冷却管を備えた200mL2口フラスコにテトラヒドロフラン50mLおよび蒸留水25mL(1.39mol)を収め、激しく撹拌しながら1−クロロ−1−シラシクロペンタン9.23g(76.5mmol)をシリンジを用いて30分かけて加えた。これを4時間撹拌した。得られた溶液にヘキサン50mLを加えて分液ロートに移し、飽和食塩水および蒸留水で洗浄し、有機層を無水塩化カルシウムで乾燥させた。これをロータリーエバポレーターで濃縮し、減圧蒸留(沸点:53℃/300Pa)することにより、1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン(化合物1)を無色液体として5.30g(収率:74.4%、GC純度:99%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):186(M,17),185(14),184(12),158(49),130(100),102(22)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.59(quint,4H,J=6.7Hz),0.68(quint,4H,J=6.7Hz),1.45〜1.55(m,4H),1.61〜1.68(m,4H),4.90(s,2H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):12.8,25.7。29Si−NMR(99MHz,CDCl,ppm)10.5。IR,ν(neat,cm−1):2935,2854,2129,1450,1404,1248,1074,1049,1026,1016,854,845,789。
【0056】
実施例−2
【0057】
【化9】

撹拌子およびリービッヒ冷却管を備えた30mL2口フラスコにパラジウム担持活性炭350mg(10%Pd)を収め、1時間減圧下で乾燥した。このフラスコ内をアルゴンで置換し、脱水エタノール12.0mL(206mmol)を収め、1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン8.00g(42.9mmol)をシリンジを用いて30分かけて滴下した。この反応混合物を1時間撹拌し、ガスクロマトグラフィーにより反応の完結を確認した。減圧下で過剰のエタノールを留去し、減圧蒸留(沸点:82℃/120Pa)することにより、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン(化合物2)を無色液体として11.8g(収率:77.0%、GC純度:97%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):274(M,16),245(100),232(25),218(54),190(33),189(31)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.43〜0.50(m,4H),0.52〜0.60(m,4H),1.21(t,6H,J=7.0Hz),1.58(quint,8H,J=3.4Hz),3.77(q,4H,J=7.0Hz)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):10.1,18.3,24.8,58.7.29Si−NMR,δ(CDCl):3.3。IR,ν(neat,cm−1):2925,2858,1452,1390,1250,1105,1074,1045,951,808,762,690。
実施例−3
【0058】
【化10】

撹拌子を備えた30mLシュレンク管に10%パラジウム担持活性炭132mg(0.124ミリグラム当量Pd)を収め、減圧下で乾燥させた。この装置内をアルゴンで置換し、アリルアルコール4.58g(78.9mmol)を加え、1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン1.02g(5.48mmol)をシリンジを用いてゆっくり加えた。これを2時間撹拌し、減圧下で過剰のアリルアルコールを留去した。残分をヘキサン50mLに溶解し、ろ過後濃縮した。これをクーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:130℃/50Pa)することにより、1,3−ジアリルオキシ−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色透明液体として0.883g(収率:53.9%、GC純度:90%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):257([M−C,7),241([M−CO],39),201(100),161(89),145(82),105(45)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.45〜0.68(m,8H),1.55〜1.64(m,8H),4.27(dt,4H,J=1.6,4.9Hz),5.10〜5.15(m,2H),5.23〜5.32(m,2H),5.90〜5.99(m,2H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):14.1,25.5,87.5,93.7,94.0。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):−1.6。IR,ν(neat,cm−1):2925,2856,1452,1404,1250,1076,1051,1014,916,829,696。
【0059】
参考例−2
【0060】
【化11】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム24.6g(1.01グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。これに脱水ジエチルエーテル200mLを収め、1,4−ジブロモブタン100g(463mmol)の脱水ジエチルエーテル300mL溶液を2時間かけて滴下し、さらに14時間撹拌してブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液を調製した。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた2L3口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロプロピルシラン76.3g(430mmol)および脱水ジエチルエーテル500mLを収めた。これに、先に調製したブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液をキャヌラーを用いて2時間かけて滴下し、2日間撹拌した。反応混合物を吸引ろ過して塩を除き、濃縮後減圧蒸留(沸点:125℃/19kPa)することにより、1−クロロ−1−プロピル−1−シラシクロペンタンを無色透明の液体として37.6g(収率:53.7%、GC純度:98%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):162(M,2),134(81),119(100),106(71)。IR,ν(neat,cm−1):2929,2868,1452,1400,1076,1030,1018,810,704。
【0061】
実施例−4
【0062】
【化12】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた100mL2口フラスコにジエチルエーテル40mLおよび1−クロロ−1−プロピル−1−シラシクロペンタン6.50g(40.0mmol)を収め、撹拌しながら蒸留水20mL(1.11mol)および水酸化ナトリウム2.12g(52.9mmol)を加えた。これを15時間撹拌した。加熱して溶媒を留去し、ヘキサン50mLおよび蒸留水50mLを加え、分液ロートに移して蒸留水250mLで洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。これをロータリーエバポレーターで濃縮し、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:100℃/50Pa)することにより、1,3−ジプロピル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン(化合物3)を無色液体として3.93g(収率:72.6%、GC純度:97%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):270(M,2),227(38),185(100),131(15)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.46〜0.54(m,8H),0.62〜0.67(m,4H),0.97(t,6H,J=7.0Hz),1.40(quint,4H,J=8.0Hz),1.44〜1.54(m,4H),1.57〜1.66(m,4H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):13.1,17.3,18.2,19.6,26.4。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):24.2。IR,ν(neat,cm−1):2922,2856,1450,1404,1248,1074,1045,1018,698。
【0063】
実施例−5
【0064】
【化13】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた100mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、これに脱水トルエン40mLおよび1−クロロ−1−プロピル−1−シラシクロペンタン6.50g(40.0mmol)を収め、撹拌しながら脱水ジメチルスルホキシド4.56g(58.3mmol)をシリンジを用いて加えた。これを8時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、ヘキサン50mLおよび蒸留水50mLを加え、分液ロートに移して蒸留水250mLで洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。これをロータリーエバポレーターで濃縮し、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:100℃/50Pa)することにより、1,3−ジプロピル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色液体として2.74g(収率:50.6%)得た。実施例4と同様にして、EI−MS、H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、IRを測定したところ、それらの結果はすべて実施例4と一致した。
【0065】
実施例−6
【0066】
【化14】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた100mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、これに酸化亜鉛1.71g(21.0mmol)および脱水酢酸エチル40mLを収め、撹拌しながら1−クロロ−1−プロピル−1−シラシクロペンタン6.51g(40.0mmol)をシリンジを用いて加えた。これを12時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、ヘキサン50mLおよび蒸留水50mLを加え、反応混合物をろ過した。得られた溶液を分液ロートに移し、蒸留水250mLで洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。これをロータリーエバポレーターで濃縮し、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:94℃/30Pa)することにより、1,3−ジプロピル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色液体として3.32g(収率:61.3%)得た。実施例4と同様にして、EI−MS、H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、IRを測定したところ、それらの結果はすべて実施例4と一致した。
【0067】
実施例−7
【0068】
【化15】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた100mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、これにジエチルエーテル40mL、トリエチルアミン4.05g(40.0mmol)および1−クロロ−1−プロピル−1−シラシクロペンタン6.51g(40.0mmol)を収め、撹拌しながら蒸留水373mg(20.7mmol)をシリンジを用いて加えた。これを14時間撹拌した。この混合物を分液ロートに移して蒸留水250mLで洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。これをロータリーエバポレーターで濃縮し、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:100℃/50Pa)することにより、1,3−ジプロピル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色液体として3.11g(収率:57.5%)得た。実施例4と同様にして、EI−MS、H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、IRを測定したところ、それらの結果はすべて実施例4と一致した。
【0069】
参考例−3
【0070】
【化16】

撹拌子、200mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた200mL3口フラスコに削り状マグネシウム3.74g(154ミリグラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。これに脱水ジエチルエーテル10mLを収め、1,4−ジブロモペンタン13.0g(60.0mmol)の脱水ジエチルエーテル100mL溶液を1時間かけて滴下し、さらに2時間撹拌してブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液を調製した。別に、撹拌子、200mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた300mL3口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロイソプロピルシラン9.50g(53.5mmol)および脱水ジエチルエーテル110mLを収めた。これに、先に調製したジグリニャール試薬をキャヌラーを用いて1時間かけて滴下し、40時間撹拌した。反応混合物を吸引ろ過して塩を除き、濃縮後減圧蒸留(沸点:69℃/5.5kPa)することにより、1−クロロ−1−イソプロピル−1−シラシクロペンタンを無色透明の液体として5.53g(収率:63.5%)得た。生成物には約30%の1−ブロモ−1−イソプロピル−1−シラシクロペンタンを含んでいた。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):162(M,2),134(81),119(100),106(71)。IR,ν(neat,cm−1):2929,2868,1452,1400,1076,1030,1018,810,704。
【0071】
実施例−8
【0072】
【化17】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた100mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、1−クロロ−1−イソプロピル−1−シラシクロペンタン5.00g(30.7mmol)、水酸化ナトリウム2.25g(56.25mmol)、蒸留水31mL(1.72mol)およびジエチルエーテル31mLを収めた。これを11時間加熱還流した。加熱して溶媒を留去した。この反応混合物にヘキサン150mLを加え、分液ロートに移して有機層を水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これに水酸化ナトリウム71mgを加えクーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:105℃/80Pa)することにより、1,3−ジイソプロピル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色液体として3.19g(収率:76.7%、GC純度:99%)を得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):270(M,1),227(100)、199(38)、185(85)、145(34)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.44(quint,4H,J=7.8Hz),0.57(quint,4H,J=7.4Hz),0.85(sept,2H,J=7.6Hz),0.98(d,12H,J=7.6Hz),1.45〜1.54(m,4H),1.58〜1.67(m,4H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl3-,ppm):11.2,14.9,17.4,26.5。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):26.5。IR,ν(neat,cm−1):2937,2862,1462,1248,1074,1047,1018,881,787,690。
【0073】
実施例−9
【0074】
【化18】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム20.0g(0.823グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル130mLを収め、1,4−ジブロモブタン71.3g(330mmol)の脱水ジエチルエーテル200mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液)の容量は220mLであった。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロビニルシラン8.08g(50.0mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液37mL(55.0mmol)を滴下し、18時間撹拌した。これを水100mL(5.55mmol)および水酸化ナトリウム2.94g(73.6mmol)の中に撹拌しながらゆっくりと加え、10時間加熱還流し、溶媒を留去した。この反応混合物にヘキサンおよび水を加え、分液ロートに移して有機層を水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)で粗分取し、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:85℃/100Pa)することにより、1,3−ジビニル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン(化合物4)を無色液体として0.959g(収率:16.1%、GC純度:96%)を得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):238(M,4),210(37)、197(36)、182(100)、169(56),155(61),129(31)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.55〜0.68(m,8H),1.50〜1.71(m,8H),5.81(dd,2H,J=4.0,20.0Hz),5.99(dd,2H,J=4.0,15.0Hz),6.16(dd,2H,J=15.0,20.0Hz)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):13.1,26.3,132.9,137.7。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):13.5。IR,ν(neat,cm−1):3051,2935,2854,1404,1248,1074,1045,1005,955,795。
【0075】
参考例−4
【0076】
【化19】

撹拌子、200mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル250mLおよび1,1−ジクロロ−1−シラシクロペンタン15.5g(100mmol)を収め、ジエチルアミン7.35g(101mmol)およびトリエチルアミン11.6g(114mmol)の混合物を滴下ロートを用いて1時間かけて加え、室温で12時間撹拌した。アルゴン雰囲気下で析出した塩をろ別し、ろ液を濃縮後、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:65℃/120Pa)することにより、1−クロロ−1−(ジエチルアミノ)−1−シラシクロペンタンを無色液体として14.6g(収率:75.9%、GC純度:99%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):191(M,9),176(100),156(7),119(44)。H−NMR,δ(500MHz,アセトン−d,ppm):0.75〜0.98(m,4H),1.08(t,6H,J=7.2Hz),1.57〜1.77(m,4H),2.97(q,4H,J=7.2Hz)。13C−NMR,δ(126MHz,アセトン−d,ppm):15.2,15.7,26.0,41.7。29Si−NMR,δ(99MHz,アセトン−d,ppm):28.1。IR,ν(neat,cm−1):2964,2931,2864,1450,1377,1205,1167,1076,1030,935,802,704。
【0077】
実施例−10
【0078】
【化20】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水テトラヒドロフラン50mLおよび1−クロロ−1−ジエチルアミノ−1−シラシクロペンタン7.96g(41.5mmol)を収め、アリルマグネシウムクロリド2Mテトラヒドロフラン溶液25mL(50.0mmol)をシリンジを用いてゆっくり加え、2時間加熱還流した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−アリル−1−ジエチルアミノ−1−シラシクロペンタンが主生成物として生成していることが確認できた。この混合物に、蒸留水20.0g(1.11mol)をシリンジを用いてゆっくり加え、さらに水酸化ナトリウム90mg(2.2mmol)を加えた後、14時間加熱還流した。これにヘキサン50mLを加え、分液ロートに移して50mLの水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをクーゲルロールを用いて粗蒸留し、得られた留分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)によって分取した。得られた画分を再度クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:110℃/50Pa)することにより、1,3−ジアリル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色液体として2.82g(収率:50.9%、GC純度:98%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):225([M−C,100),197(39),183(21),169(40),143(20),129(23)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.45〜0.62(m,8H),1.44〜1.65(m,8H),1.68(d,4H,J=8.0Hz),4.83〜4.93(m,4H),5.73〜5.83(m,2H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):12.2,24.6,26.1,113.7,133.9。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):21.8。IR,ν(neat,cm−1):3078,2935,2854,1630,1248,1153,1076,895,802,762。
【0079】
実施例−11
【0080】
【化21】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム20.0g(0.823グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル130mLを収め、1,4−ジブロモブタン71.3g(330mmol)の脱水ジエチルエーテル200mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液)の容量は220mLであった。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口フラスコをアルゴンで置換し、トリクロロシクロペンチルシラン10.2g(50.0mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液37mL(55.0mmol)を滴下し、18時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−シクロペンチル−1−シラシクロペンタンが主生成物として生成していることが確認できた。これを水酸化ナトリウム4.31g(108mmol)の水100mL(5.55mol)溶液にゆっくりと加え、11時間加熱還流し、次いで溶媒を留去した。この反応混合物にヘキサン150mLおよび水を加え、分液ロートに移して有機層を水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをクーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:155℃/60Pa)することにより、1,3−ジシクロペンチル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色液体として4.03g(収率:50.0%、GC純度:99%)を得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):322(M,0.6),253(28),185(100),129(15)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.47(quint,4H,J=6.8Hz),0.52(quint,4H,J=6.8Hz), 1.01(tt,2H,J=8.5,10.5Hz),1.27〜1.36(m,4H),1.46〜1.67(m,16H), 1.73〜1.80(m,4H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):11.9,26.2,26.4,27.2,27.8。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):24.5。IR,ν(neat,cm−1):2937,2856,1450,1248,1074,1036,1018,785,685。
【0081】
実施例−12
【0082】
【化22】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水テトラヒドロフラン25mLおよび1−クロロ−1−ジエチルアミノ−1−シラシクロペンタン4.90g(25.5mmol)を収め、エチニルマグネシウムクロリド0.5Mテトラヒドロフラン溶液75mL(37.5mmol)をシリンジを用いてゆっくり加え、室温で24時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−エチニル−1−ジエチルアミノ−1−シラシクロペンタンが主生成物として生成していることが確認できた。この混合物に、蒸留水20.0g(1.11mol)をシリンジを用いてゆっくり加え、14時間室温で撹拌した。これにヘキサン100mLを加え、分液ロートに移して150mLの水で洗浄した。これを無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをクーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:90℃/40Pa)することにより、1,3−ジエチニル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン(化合物5)を無色液体として670mg(収率:22.4%、GC純度:91%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):234(M,2),206(30),193(16),178(100),150(37)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.68〜0.82(m,8H),1.56〜1.73(m,8H),2.50(s,2H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):14.1,25.5,87.5,93.8。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):−1.6。IR,ν(neat,cm−1):3286,2935,2858,2036,1400,1250,1076,1047,1014,798,669。
【0083】
参考例−5
【0084】
【化23】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた100mL3口フラスコ内をアルゴンで置換した。これにリチウム細片1.23g(177ミリグラム当量)および脱水ジエチルエーテル50mLを収めた。容器を0℃に冷却し、40分かけてブロモシクロプロパン10.8g(88.9mmol)をシリンジを用いて滴下し、1時間撹拌してシクロプロピルリチウム溶液を調製した。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた100mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、1,1−ジクロロ−1−シラシクロペンタン9.64g(62.2mmol)および脱水ジエチルエーテル50mLを収めた。これを0℃に冷却し、先に調製したシクロプロピルリチウム溶液を1時間かけて滴下し、14時間撹拌した。反応混合物をろ過して塩を除き、濃縮後減圧蒸留(沸点:76℃/1.7kPa)することにより、1−クロロ−1−シクロプロピル−1−シラシクロペンタンを無色透明の液体として7.19g(収率:71.9%)得た。生成物には30%の1,1−ジシクロプロピル−1−シラシクロペンタンが含まれていた。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):160(M,6),132(42),119(100),104(46)。
【0085】
実施例−13
【0086】
【化24】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた100mL2口フラスコにジエチルエーテル50mL、水15.0g(832mmol)および水酸化ナトリウム2.35g(58.8mmol)を収め、1−クロロ−1−シクロプロピル−1−シラシクロペンタン7.19g(44.7mmol)をシリンジを用いて加えた。これを13時間撹拌し、加熱してジエチルエーテルおよび水を留去した。残分をヘキサン50mLに溶解し、水150mLで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。これに粒状水酸化ナトリウムを80mg加え、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:97℃/30Pa)することにより、1,3−ジシクロプロピル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン(化合物6)を無色透明液体として2.83g(収率:47.5%、GC純度:99%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):266(M,7),238(11),225(86),210(36),197(68),183(34),169(100)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl3-,ppm):−0.32(tt,2H,J=6.9,9.7Hz),0.27(ddd,4H,J=1.7,6.8,8.8Hz),0.46(m,8H),0.58(ddd,4H,J=1.7,9.6,9.7Hz),1.43〜1.65(m,8H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):−4.8,1.2,11.7,26.2。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):24.1。IR,ν(neat,cm−1):3072,2997,2935,1404,1286,1248,1074,1053,1018,897,785,692。
【0087】
参考例−6
【0088】
【化25】

撹拌子、500mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた3L3口フラスコに削り状マグネシウム52.9g(2.18グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル300mLを収め、1,5−ジブロモペンタン230g(0.999mol)のエーテル200mL溶液を滴下ロートを用いて2時間かけてゆっくりと加え、室温に戻して12時間撹拌し、ペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液を調製した。別に、撹拌子、500mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた3L3口フラスコ内をアルゴンで置換し、脱水ジエチルエーテル400mLおよびトリクロロシラン136g(1.00mol)を収め、氷浴で0℃に冷却した。この溶液に先に調製したペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液を滴下ロートを用いて4時間かけて滴下し、14時間撹拌した。この混合物をろ過してマグネシウム塩を除き、濃縮後蒸留(沸点:136℃)することにより、1−クロロ−1−シラシクロヘキサンを無色液体として87.2g(収率:64.8%)得た。生成物中には約35%の1−ブロモ−1−シラシクロヘキサンを含んでいた。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):134(M,36),133(16),119(4),106(100)。IR,ν(neat,cm−1):2922,2856,2162,1446,1178,991,908,814。
【0089】
実施例−14
【0090】
【化26】

撹拌子およびリービッヒ冷却管を備えた200mL2口フラスコにジエチルエーテル 130mLおよび蒸留水50mL(2.78mol)を収め、激しく撹拌しながら1−クロロ−1−シラシクロへキサン49.3g(366mmol)をシリンジを用いて30分かけて加えた。これを14時間撹拌した。得られた溶液を分液ロートに移し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをロータリーエバポレーターで濃縮し、減圧蒸留(沸点:83℃/300Pa)することにより、1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサン(化合物7)を無色液体として22.9g(収率:58.4%、GC純度:99%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):214(M,33),213(100),212(75),185(31),171(16),157(36),143(57),115(52)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.67〜0.73(m,4H),0.76〜0.81(m,4H),1.31〜1.38(m,2H),1.39〜1.46(m,2H),1.54〜1.63(m,4H),1.73〜1.80(m,4H),4.60(t,2H,J=3.0Hz)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):14.9,23.8,29.6。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):−7.6。IR,ν(neat,cm−1):2912,2852,2119,1444,1178,1059,985,906,825,769。
【0091】
実施例−15
【0092】
【化27】

撹拌子、200mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム5.10g(206ミリグラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した、フラスコ中に脱水ジエチルエーテル15mLを収め、1,5−ジブロモペンタン23.5g(102mmol)の脱水ジエチルエーテル85mL溶液を滴下ロートを用いて1時間かけて滴下し、次いで2時間撹拌してペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液を調製した。別に、撹拌子、200mL滴下ロート、ジムロート冷却管を備えた300mL3口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロシラン13.9g(102mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。先に調製したペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて加え、10時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−シラシクロへキサンが主生成物として生成していることが確認できた。これに、蒸留水5.04g(0.280mol)とジエチルエーテル100mLをゆっくりと加え、12時間撹拌した。これを分液ロートに移して水250mLで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをクーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:65℃/80Pa)することにより、1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサンを無色液体として4.24g(収率:38.7%、GC純度:99%)得た。
【0093】
実施例−16
【0094】
【化28】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた50mL2口フラスコに10%パラジウム担持活性炭357mgを収め、1時間減圧下で乾燥させた。フラスコ内をアルゴンで置換し、脱水エタノール10.0mL(171mmol)を収め、1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサン7.95g(37.1mmol)をシリンジを用いて30分かけて滴下した。この反応混合物を2時間撹拌し、ガスクロマトグラフィーにより反応の完結を確認した。減圧下で過剰のエタノールを留去し、減圧蒸留(沸点:91℃/40Pa)することにより、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサン(化合物8)を無色液体として10.5g(収率:94.0%、GC純度:99%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):302(M,29),273(9),259(100),246(20),232(25),215(36)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.60(quint,4H,J=6.9Hz),0.69(quint,4H,J=6.9Hz),1.20(t,6H,J=7.0Hz),1.35〜1.42(m,4H),1.65〜1.73(m,8H),3.76(q,4H,J=7.0Hz)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):14.1,18.5,24.9,29.8,57.9。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):−17.4。IR,ν(neat,cm−1):2972,2914,2854,1444,1390,1200,1178,1107,1055,987,949,906,769。
【0095】
実施例−17
【0096】
【化29】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム24.3g(1.00グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル150mLを収め、1,5−ジブロモペンタン99.3g(432mmol)の脱水ジエチルエーテル280mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液)の容量は350mLであった。別に、撹拌子およびリービッヒ冷却管を備えた300mL3口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロエチルシラン16.6g(102mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液117mL(144mmol)を滴下し、14時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−エチル−1−シラシクロへキサンが主生成物として生成していることが確認できた。これを水酸化ナトリウム6.67g(166.8mmol)の150mL水溶液の中に撹拌しながら加え、8時間加熱還流し、溶媒を留去した。この反応混合物にヘキサンを加え、分液ロートに移して有機層を水150mLで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これを減圧蒸留(沸点:85℃/90Pa)することにより、1,3−ジエチル−1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサン(化合物9)を無色液体として5.56g(収率:40.4%、GC純度:97%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):270(M,1),241(100),213(45),185(32),173(19)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.54(q,4H,J=8.0Hz),0.59〜0.63(m,8H),0.95(t,6H,J=8.0Hz),1.31〜1.48(m,4H),1.58〜1.74(m,8H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):6.7,7.5,14.6,24.6,30.1。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):3.3。IR,ν(neat,cm−1):2910,2852,1444,1180,1057,906,758。
【0097】
実施例−18
【0098】
【化30】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム24.3g(1.00グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル150mLを収め、1,5−ジブロモペンタン99.3g(432mmol)の脱水ジエチルエーテル280mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液)の容量は350mLであった。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた300mL3口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロビニルシラン16.9g(105mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液117mL(144mmol)を滴下し、14時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−ビニル−1−シラシクロへキサンが主生成物として生成していることが確認できた。これを水酸化ナトリウム6.67g(166.8mmol)の150mL水溶液の中に撹拌しながら加え、8時間加熱還流し、溶媒を留去した。この反応混合物にヘキサンを加え、分液ロートに移して有機層を水150mLで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これを減圧蒸留(沸点:103℃/160Pa)することにより、1,3−ジビニル−1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサンを無色液体として5.57g(収率:39.8%、GC純度:95%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):266(M,26),238(33),225(49),211(100),197(86),183(88),169(55),141(56)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.67〜0.73(m,8H),1.38〜1.44(m,4H),1.58〜1.78(m,8H),5.79(dd,2H,J=4.0,20.0Hz),5.99(dd,2H,J=4.0,15.0Hz),6.13(dd,2H,J=15.0,20.0Hz)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):15.3,24.7,30.1,132.8,137.8。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):−8.2。IR,ν(neat,cm−1):3049,2914,2852,1444,1404,1180,1053,1005,906,758。
【0099】
参考例−7
【0100】
【化31】

機械式撹拌翼、100mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール108g(0.918mol)を収め、−10℃に冷却した。これを激しく撹拌しながら、三臭化リン231g(0.852mol)を2時間かけて滴下し、室温に昇温し14時間撹拌した。これにヘキサン200mLを加え、水100mLで5回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。これを減圧蒸留(沸点:91℃/900Pa)することにより、1,5−ジブロモ−3−メチルペンタンを無色透明液体として125g(収率:55.8%、GC純度:99%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):162([M−HBr],100),135(52),121(27),107(62)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,pmm):0.94(d,3H,J=6.5Hz),1.65〜1.97(m,5H),3.35〜3.51(m,4H)。IR,ν(neat,cm−1):2964,2929,2871,1439,1381,1259,1225,644。
【0101】
参考例−8
【0102】
【化32】

撹拌子、200mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた300mL3口フラスコに削り状マグネシウム5.00g(206ミリグラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。これに脱水ジエチルエーテル50mLを収め、1,5−ジブロモ−3−メチルペンタン24.4g(100mmol)の脱水ジエチルエーテル150mL溶液を滴下ロートを用いて1.5時間かけて滴下し、さらに4時間撹拌して3−メチルペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液を調製した。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロメチルシラン14.9g(100mmol)および脱水ジエチルエーテル200mLを収めた。これに、先に調製した3−メチルペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液をキャヌラーを用いて2時間かけて滴下し、14時間撹拌した。反応混合物をろ過して塩を除き、濃縮後、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:55℃/100Pa)することにより、1−クロロ−1,4−ジメチル−1−シラシクロヘキサンを無色透明の液体として4.15g(収率:25.5%)得た。生成物はGC−MSより、2種の幾何異性体混合物であった。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):異性体1;162(M,36),147(22),134(100),119(48),106(98),異性体2;162(M,35),147(19),134(94),119(47),106(100)。IR,ν(neat,cm−1):2951,2902,2852,1458,1255,845,816,787,746。
【0103】
実施例−19
【0104】
【化33】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口フラスコに水50.0g(2.78mol)、ジエチルエーテル50mL、水酸化ナトリウム4.21g(105mmol)を収め、1−クロロ−1,4−ジメチル−1−シラシクロヘキサン4.00g(24.6mmol)をシリンジよりゆっくりと加え、14時間撹拌した。これを加熱してジエチルエーテルおよび水を蒸留して除いた。これにジエチルエーテル50mLで抽出し、水150mLで有機層を洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。これを、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:75℃/80Pa)することにより、1,3−ジメチル−1,1,3,3−ジ(3−メチルペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサンを無色液体として1.65g(収率:49.5%、GC純度:99%)得た。生成物は3つの幾何異性体の1:2:2の混合物であった。
EI−MS(70eV),m/z(相対強度):異性体1;270(M,10),255(100),227(47),199(29),157(28),143(21),異性体2;270(M,10),255(100),227(47),199(30),157(28),143(22),異性体3;270(M,10),255(100),227(49),199(31),157(28),143(22)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):−0.02(s),0.03(s),0.07(s),0.10(s),0.30〜0.41(m),0.48〜0.60(m),0.69〜0.78(m),0.82〜0.87(m),1.04〜1.15(m),1.20〜1.38(m),1.72〜1.86(m).13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):−1.9,−1.8,0.3,15.7,23.2,32.7,33.6,35.8。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):1.5,2.4,2.7,3.7。IR,ν(neat,cm−1):2951,2893,2844,1458,1252,1053,987,843,814,768。
【0105】
実施例−20
【0106】
【化34】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム12.1g(0.498グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル100mLを収め、1,5−ジブロモペンタン37.1g(161mmol)の脱水ジエチルエーテル200mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液)の容量は135mLであった。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口フラスコをアルゴンで置換し、トリクロロシクロペンチルシラン12.9g(63.3mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液60mL(71.6mmol)をゆっくり滴下し、15時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−シクロペンチル−1−シラシクロへキサンが主生成物として生成していることが確認できた。これを水酸化ナトリウム8.59g(215mmol)の水100mL(5.55mol)溶液にゆっくりと加え、14時間加熱還流し、次いで溶媒を留去した。この反応混合物にヘキサン150mLおよび水を加え、分液ロートに移して有機層を水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをクーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:140℃/55Pa)することにより、1,3−ジシクロペンチル−1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサンを無色液体として4.35g(収率:39.2%、GC純度:98%)を得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):281([M−C,19),213(100),157(10).H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.55〜0.67(m,8H),0.92(tt,2H,J=8.5,10.6Hz),1.25〜1.38(m,6H),1.45〜1.59(m,10H),1.62〜1.75(m,12H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):14.0,24.6,25.7,27.2,27.4,30.2。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):1.5。IR,ν(neat,cm−1):2910,2852,1444,1180,1063,906,750。
【0107】
実施例−21
【0108】
【化35】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム20.0g(0.823グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル130mLを収め、1,4−ジブロモブタン71.3g(330mmol)の脱水ジエチルエーテル200mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液)の容量は220mLであった。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロヘキシルシラン11.0g(50.0mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液37mL(55.0mmol)を滴下し、18時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−ヘキシル−1−シラシクロペンタンが主生成物として生成していることが確認できた。これを水100mLおよび水酸化ナトリウム3.05g(76.3mmol)の中に撹拌しながらゆっくりと加え、20時間加熱還流した。加熱して溶媒を留去した。この反応混合物にヘキサンおよび水を加え、分液ロートに移して有機層を水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをクーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度140℃/80Pa)することにより、1,3−ジヘキシル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色液体として1.71g(収率19.2%、GC純度99%)を得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):354(M,0.5),269(34),185(100),131(13),129(14)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.44〜0.76(m,8H),0.62〜0.68(m,4H),0.89(t,6H,J=6.9Hz),1.25〜1.38(m,16H),1.44〜1.56(m,4H),1.58〜1.67(m,4H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):12.9,14.1,16.8,22.6,23.5,26.2,31.7,33.0。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):24.4。IR,ν(neat,cm−1):2920,2852,1458,1404,1248,1074,1051,1018,796,698。
【0109】
実施例−22
【0110】
【化36】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム12.1g(0.498グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル100mLを収め、1,5−ジブロモペンタン37.1g(161mmol)の脱水ジエチルエーテル200mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液)の容量は135mLであった。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロシクロヘキシルシラン12.5g(57.4mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液55mL(65.6mmol)をゆっくり滴下し、15時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−シクロヘキシル−1−シラシクロへキサンが主生成物として生成していることが確認できた。これを水酸化ナトリウム8.66g(217mmol)の水100mL(5.55mol)溶液にゆっくりと加え、14時間加熱還流し、次いで溶媒を留去した。この反応混合物にヘキサン150mLおよび水を加え、分液ロートに移して有機層を水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをクーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:160℃/55Pa)することにより、1,3−ジシクロヘキシル−1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサンを無色液体として5.10g(収率:46.9%、GC純度:96%)を得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):295([M−C11,19),213(100),185(10),157(11)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.60(t,8H,J=6.4Hz),0.61〜0.68(m,2H),1.12〜1.24(m,8H),1.24〜1.33(m,4H),1.45〜1.53(m,2H),1.60〜1.74(m,18H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):13.4,24.5,26.3,26.9,27.1,28.1,30.2。29Si−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.8。IR,ν(neat,cm−1):2914,2846,1444,1180,1065,908,754。
【0111】
参考例−9
【0112】
【化37】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた1L3口フラスコに削り状マグネシウム12.0g(0.494グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル150mLを収め、1,4−ジブロモペンタン47.6g(0.207mol)の脱水ジエチルエーテル150mL溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて加え、室温に戻して5時間撹拌し、ペンタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液を調製した。別に、撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた1L3口フラスコ内をアルゴンで置換し、脱水ジエチルエーテル300mLおよびトリクロロシラン28.0g(0.207mol)を収め、氷浴で0℃に冷却した。この溶液に先に調製したペンタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて滴下し、5時間室温で撹拌した。この混合物を2時間加熱還流し、室温に戻した。ろ過してマグネシウム塩を除き、濃縮後蒸留(沸点:80℃/2.0kPa)することにより、1−クロロ−2−メチル−1−シラシクロペンタンを無色液体として10.7g(収率:38.4%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):134(M,21),119(4),106(100)。IR,ν(neat,cm−1):2951,2910,2852,2164,1591,1458,1059,816,793。
【0113】
実施例−23
【0114】
【化38】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口ナスフラスコにジエチルエーテル100mLおよび蒸留水50mL(2.78mol)を収め、激しく撹拌しながら1−クロロ−2−メチル−1−シラシクロペンタン9.55g(70.9mmol)をシリンジを用いて15分かけて加えた。これを3時間撹拌した。反応混合物溶液を分液ロートに移し、蒸留水50mLで5回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをロータリーエバポレーターで濃縮し、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度80℃/80Pa)することにより、1,1,3,3−ジ(1−メチルブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色液体として2.30g(収率:30.2%、GC純度:99%)得た。生成物は3つの幾何異性体の3:3:1の混合物であった。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):異性体1;214(M,30),186(51),144(100),116(60),103(32),異性体2;214(M,29),186(52),144(100),116(58),103(33),異性体3;214(M,29),186(51),144(100),116(56),103(30)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.54〜1.01(SiCH,5H),1.03〜1.07(CH,6H),1.12〜1.37(3H),1.53〜1.86(6H),4.69〜4.86(SiH,2H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):12.3〜15.3(SiC),19.3〜20.7,23.2〜24.7,34.8〜35.8。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):7.1,15.3,16.1,16.7。IR,ν(neat,cm−1):2924,2864,2123,1450,1250,1049,820,769,683。
【0115】
参考例−10
【0116】
【化39】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた1L3口フラスコに削り状マグネシウム11.0g(0.452グラム当量)を収め、アルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル200mLを収め、滴下ロートより3−メチル−1,5−ジブロモペンタン48.8g(0.200mol)のエーテル200mL溶液を滴下ロートを用いて2時間かけてゆっくりと加え、室温に戻して4時間撹拌し、3−メチルペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液を調製した。別に、撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた1L3口フラスコをアルゴンで置換し、脱水ジエチルエーテル400mLおよびトリクロロシラン27.0g(0.199mol)を収め、氷浴で0℃に冷却した。この溶液に先に調製した3−メチルペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて滴下し、室温で15時間撹拌した。ろ過してマグネシウム塩を除き、濃縮後蒸留(沸点:90℃/1.0kPa)することにより、1−クロロ−4−メチル−1−シラシクロヘキサンを無色液体として15.4g(収率:51.9%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):148(M,42),146(32),120(100),105(70)。IR,ν(neat,cm−1):2929,2868,2162,1460,1088,820,798,760,681。
【0117】
実施例−24
【0118】
【化40】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた500mL2口フラスコに水150g(8.32mol)およびジエチルエーテル200mLを収め、激しく撹拌しながら1−クロロ−4−メチル−1−シラシクロヘキサン29.4g(198mmol)をシリンジを用いて15分かけて加えた。これを1時間撹拌した。得られた混合物を分液ロートに移し、蒸留水50mLで5回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、クーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:90℃/50Pa)することにより、1,1,3,3−ジ(3−メチルペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサンを無色液体として19.5g(収率:81.2%、GC純度:99%)得た。生成物は3つの幾何異性体の1:2:2の混合物であった。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):異性体1;242(M,40),241(98),212(49),186(44),159(81),157(99),143(51),129(100),103(49),異性体2;242(M,36),241(94),212(48),186(47),159(84),157(99),143(54),129(100),103(50),異性体3;242(M,36),241(90),212(49),186(47),159(83),157(100),143(54),129(99),103(49)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.47〜0.67(SiCH,4H),0.85〜0.89(CH,6H),0.89〜1.02(4H),1.13〜1.39(6H),1.78〜1.88(4H),4.54〜4.67(SiH,2H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):13.4〜14.1(SiCH),22.8〜23.4(CH),31.3〜32.5(CH),35.0〜35.2(CH)。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):−10.0,−9.4,−7.0,−6.4。IR,ν(neat,cm−1):2951,2897,2844,2121,1458,1176,1055,985,816,746。
【0119】
実施例−25
【0120】
【化41】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム20.0g(0.823グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル130mLを収め、1,4−ジブロモブタン71.3g(330mmol)の脱水ジエチルエーテル200mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液)の容量は220mLであった。別に、撹拌子およびリービッヒ冷却管を備えた200mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロメチルシラン7.30g(48.8mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液37mL(55.0mmol)をゆっくり滴下し、18時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−メチル−1−シラシクロペンタンが主生成物として生成していることが確認できた。これを水酸化ナトリウム2.21g(55.3mmol)の100mL水溶液の中に撹拌しながら加え、10時間加熱還流した。これを分液ロートに移し、水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、クーゲルロールで減圧蒸留(蒸留温度:65℃/100Pa)することにより、1,3−ジメチル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン(化合物10)を無色液体として1.94g(収率:37.0%、GC純度:98%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):214(M,18),199(100),171(49),158(49),145(58),143(50)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.19(s,6H),0.44〜0.59(m,8H),1.45〜1.64(m,8H)。13C−NMR,(126MHz,CDCl,ppm):0.3,14.0,26.1。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):24.3。IR,ν(neat,cm−1):2935,2854,1402,1250,1074,1045,1018,816,766。
【0121】
実施例−26
【0122】
【化42】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム20.0g(0.823グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル130mLを収め、1,4−ジブロモブタン71.3g(330mmol)の脱水ジエチルエーテル200mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液)の容量は220mLであった。別に、撹拌子およびリービッヒ冷却管を備えた200mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロエチルシラン8.18g(50.0mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したブタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液37mL(55.0mmol)をゆっくり滴下し、18時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−エチル−1−シラシクロペンタンが主生成物として生成していることが確認できた。これを水酸化ナトリウム3.04g(76.0mmol)の100mL(5.55mol)水溶液に撹拌しながら加え、10時間加熱還流した。加熱して溶媒を留去し、100℃まで昇温した。この反応混合物にヘキサンおよび水を加え、分液ロートに移して有機層を水で洗浄した。この有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをクーゲルロールで減圧蒸留(蒸留温度:85℃/100Pa)することにより、1,3−ジエチル−1,1,3,3−ジ(ブタン−1,4−ジイル)ジシロキサン(化合物11)を無色液体として1.81g(収率:29.8%、GC純度:99%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):242(M,2),213(100),185(63),159(33),131(27)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.49(quint,4H,J=7.2Hz),0.52(quint,4H,J=7.2Hz),0.62(q,4H,J=7.9Hz),0.96(t,6H,J=7.9Hz),1.45〜1.54(m,4H),1.58〜1.66(m,4H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):7.0,8.4,12.3,26.3。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):25.7。IR,ν(neat,cm−1):2935,2854,1450,1408,1248,1074,1049,1004,793,694。
【0123】
参考例−11
【0124】
【化43】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた300mL3口フラスコに、削り状マグネシウム5.51g(227ミリグラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。これに脱水ジエチルエーテル100mLを収め、1,4−ジブロモペンタン23.0g(100mmol)の脱水ジエチルエーテル200mL溶液を2時間かけて滴下し、さらに14時間撹拌してペンタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液を調製した。別に、撹拌子およびジムロートを備えた500mL3口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロメチルシラン15.9g(106mmol)および脱水ジエチルエーテル200mLを収めた。これに、先に調製したペンタン−1,4−ジグリニャール試薬溶液をキャヌラーを用いて2時間かけて滴下し、14時間撹拌した。反応混合物を吸引ろ過して塩を除き、濃縮後減圧蒸留(沸点130℃/10kPa)することにより、1−クロロ−1,2−ジメチル−1−シラシクロペンタンを無色透明の液体として6.63g(収率44.6%)得た。1−クロロ−1,2−ジメチル−1−シラシクロペンタンは2種類の幾何異性体の1:1混合物として得られた。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):異性体1;148(M,26),120(100),105(51),異性体2;148(M,27),120(100),105(51)。IR,ν(neat,cm−1):2927,2866,1450,1254,1088,781,748,658。
【0125】
実施例−27
【0126】
【化44】

撹拌子およびジムロート冷却管を備えた200mL2口フラスコにジエチルエーテル50mL、水10.0g(555mmol)および水酸化ナトリウム2.30g(57.5mmol)を収め、1−クロロ−1,2−ジメチル−1−シラシクロペンタン5.55g(57.5mmol)をシリンジを用いて加えた。これを3時間撹拌し、加熱してジエチルエーテルおよび水を留去した。残分をヘキサン50mLに溶解し、水150mLで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。これに粒状水酸化ナトリウムを90mg加え、減圧下でクーゲルロールを用いて蒸留(蒸留温度:95℃/100Pa)することにより、1,3−ジメチル−1,1,3,3−ジ(1−メチルブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンを無色透明液体として1.75g(収率:38.7%、GC純度:99%)得た。1,3−ジメチル−1,1,3,3−ジ(1−メチルブタン−1,4−ジイル)ジシロキサンは3種類の幾何異性体混合物であることが分光学的測定より確認できた。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):異性体1;242(M,41),227(44),214(26),173(100),157(46),145(44),131(66),異性体2;242(M,41),227(44),214(26),173(100),157(46),145(44),131(65)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.11(s),0.12(s),0.14(s),0.39〜0.87(m),0.97(d),1.00(t),1.02〜1.57(m),1.67〜1.92(m)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):−2.3,0.2,14.4,14.9,20.7,21.3,23.7,24.1,36.2。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):20.4,20.6,23.7,24.2。IR,ν(neat,cm−1):2937,2864,1452,1252,1043,777,760。
【0127】
実施例−28
【0128】
【化45】

撹拌子、300mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム24.3g(1.00グラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した。フラスコ中に脱水ジエチルエーテル150mLを収め、1,5−ジブロモペンタン99.3g(432mmol)の脱水ジエチルエーテル280mL溶液を滴下ロートを用いてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。得られた二層系溶液の下層(ペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液)の容量は350mLであった。別に、撹拌子およびリービッヒ冷却管を備えた300mL2口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロメチルシラン17.2g(115mmol)および脱水ジエチルエーテル100mLを収めた。これに、先に調製したペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液117mL(144mmol)を滴下し、14時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−エチル−1−シラシクロへキサンが主生成物として生成していることが確認できた。これを水酸化ナトリウム6.67g(166.8mmol)の150mL水溶液の中に撹拌しながら加え、8時間加熱還流し、溶媒を留去した。この反応混合物にヘキサンを加え、分液ロートに移して有機層を水150mLで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これを減圧蒸留(沸点:62℃/75Pa)することにより、1,3−ジメチル−1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサン(化合物12)を無色液体として5.74g(収率:41.2%、GC純度:99%)得た。EI−MS(70eV),m/z(相対強度):242(M,10),227(100),199(29),171(37),143(24)。H−NMR,δ(500MHz,CDCl,ppm):0.08(s,6H),0.58(ddd,4H,J=4.5,8.9,14.1Hz),0.65(ddd,4H,J=4.5,9.0,14.2Hz),1.35〜1.44(m,4H),1.54〜1.63(m,4H),1.69〜1.78(m,4H)。13C−NMR,δ(126MHz,CDCl,ppm):−1.0,16.7,24.7,30.1。29Si−NMR,δ(99MHz,CDCl,ppm):2.8。IR,ν(neat,cm−1):2910,2852,1444,1400,1252,1180,1047,985,906,812,787,754。
【0129】
実施例−29
【0130】
【化46】

撹拌子、200mL滴下ロートおよびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコに削り状マグネシウム4.96g(204ミリグラム当量)を収め、フラスコ内をアルゴンで置換した、フラスコ中に脱水テトラヒドロフラン50mLを収め、1,5−ジブロモペンタン23.0g(100mmol)の脱水テトラヒドロフラン150mL溶液を滴下ロートを用いて40分かけて滴下し、次いで1時間撹拌した。別に、撹拌子およびジムロート冷却管を備えた500mL3口フラスコ内をアルゴンで置換し、トリクロロメチルシラン15.0g(100mmol)および脱水テトラヒドロフラン50mLを収めた。これに、先に調製したペンタン−1,5−ジグリニャール試薬溶液をキャヌラーを用いてゆっくり加え、4時間撹拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−1−メチル−1−シラシクロヘキサンが主生成物として生成していることが確認できた。次いで蒸留水40mL(2.22mol)をシリンジを用いてゆっくりと加え、12時間撹拌した。さらに、水酸化ナトリウム7.70g(193mmol)を加え、4時間撹拌した。この混合物にヘキサン100mLおよび塩化ナトリウム50gを加え、分液ロートに移して有機層を水150mLで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。これをクーゲルロールを用いて減圧蒸留(蒸留温度:80℃/80Pa)することにより、1,3−ジメチル−1,1,3,3−ジ(ペンタン−1,5−ジイル)ジシロキサンを無色液体として7.21g(収率:59.4%、GC純度:99%)得た。
【0131】
成膜
実施例30〜48及び比較例1については、図1に示す、50mmの間隔で対向電極を上部電極(3)、下部電極(4)として配した平行平板容量結合型PECVD装置を用い、片方の電極に基板(2)として用いたシリコンウェーハを張付け、チャンバー(1)内に原料(6)として環状シロキサン化合物約1gを設置して真空ポンプ(7)で減圧し、原料の蒸気圧のみで原料を供給する方法で成膜を検討した。チャンバー内は実施例−36ではヒーター(11)で45℃に保持して、それ以外の実施例では室温であった。電源周波数13.56MHzのRF電源(9)出力を所定の値にセットし、所定時間成膜を行った。
【0132】
実施例49については、図2に示す対向電極を上部電極(14)、下部電極(15)として配した平行平板容量結合型PECVD装置を用い、下部電極上に基板(13)としてシリコンウェーハを設置した。系内を真空ポンプ(18)で減圧した。恒温槽(16)内に原料容器(17)を設置した。原料容器(17)内に導入したヘリウムガスで原料をバブリングし、このガスをチャンバー(12)に供給する方法で原料を供給し、成膜を実施した。チャンバー内は160℃に保持して成膜を実施した。電源周波数13.56MHzのRF電源(20)の出力を所定の値にセットし、所定時間成膜を行った。
【0133】
膜厚、屈折率および比誘電率測定
成膜された膜について日本分光株式会社製のエリプソメーター(型式:MEL−30S)を用いて膜厚と屈折率を測定した。実施例30〜48及び比較例1については屈折率を二乗することによって比誘電率とした。実施例49については、シリコンウェーハの上に上記絶縁膜を成膜し、アルミ電極を蒸着法によって成膜した後、Agilent社製の4284AプレシジョンLCRメータにより25℃、周波数1kHzの静電容量を測定し、比誘電率を計算した。
【0134】
弾性率および硬度測定
Hysitron社製のTRIBOSCOPEを用いてナノインデンテ−ション法により弾性率および硬度を測定した。検量線はBerkovich型の圧子を用い、溶融石英を参照サンプルとして作成した。測定は膜厚に対して押し込み深さを10%として行った。
【0135】
上記方法に示した成膜条件、作製した膜の膜厚、弾性率、硬度および比誘電率を表1に示した。
【0136】
【表1】

本発明を用いれば、弾性率が概ね7.9GPa以上、屈折率が概ね1.61以下、比誘電率が概ね2.6以下の電気絶縁膜を製造することが可能である。
【符号の説明】
【0137】
1.PECVDチャンバー
2.基板
3.上部電極
4.下部電極
5.原料ガラス容器
6.原料
7.真空ポンプ
8.マッチング回路
9.RF電源
10.アース
11.ヒーター
12.PECVDチャンバー
13.基板
14.上部電極
15.下部電極
16.恒温槽
17.原料容器
18.真空ポンプ
19.マッチング回路
20.RF電源
21.アース
22.ヒーター
23.マスフローコントローラー
24.ヘリウムガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、nは4または5を表し、nが4のとき、Rはブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリルオキシ基または水素原子を表し、nが5のときRは炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリルオキシ基または水素原子を表す。[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体。
【請求項2】
nが4または5であり、Rが水素原子、[ ]内n個のRがすべて水素原子または任意の一つがメチル基で残りが水素原子である、請求項1に記載のジシロキサン誘導体。
【請求項3】
nが4または5であり、Rがメトキシ基、エトキシ基、[ ]内n個のRがすべて水素原子または任意の一つがメチル基で残りが水素原子である、請求項1に記載のジシロキサン誘導体。
【請求項4】
nが4または5であり、Rがビニル基、アリル基、エチニル基またはプロパルギル基であり、[ ]内n個のRがすべて水素または任意の一つがメチル基で残りが水素原子である、請求項1に記載のジシロキサン誘導体。
【請求項5】
一般式(2)
【化2】

(式中、nは4または5を表し、n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。nが4のときRはブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表し、nが5のときRは炭素数2〜6のアルキル基、または炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表す。Xは塩素原子、臭素原子またはジ(C〜Cアルキル)アミノ基を表す。(但し、C〜Cアルキルは炭素数1〜4のアルキル基を表す。))で表されるシラン誘導体と、水、スルホキシド誘導体および金属酸化物からなる群から選ばれる酸化剤とを反応させることを特徴とする、一般式(3)
【化3】

(式中、nは4または5を表し、nが4のとき、Rはブチル基を除く炭素数3〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表し、nが5のときRは炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または水素原子を表す。[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体の製造法。
【請求項6】
一般式(4)
【化4】

(式中、nは4または5を表し、[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体に触媒存在下、一般式R−OH(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基を表す。)で表されるアルコールを反応させることを特徴とする、一般式(5)
【化5】

(式中、nは4または5を表し、[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。Rは炭素数1〜3のアルコキシ基またはアリルオキシ基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体の製造法。
【請求項7】
一般式(6)
【化6】

(式中、nは4または5を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリルオキシ基または水素原子を表し、[ ]内n個のRは同一または相異なって水素原子またはメチル基を表す。)で表されるジシロキサン誘導体を材料として用いることを特徴とする膜の製造方法。
【請求項8】
プラズマ誘起化学気相蒸着法により成膜することを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の方法により得られる膜。
【請求項10】
請求項9に記載の膜から成ることを特徴とする絶縁膜。
【請求項11】
請求項9に記載の膜を含有することを特徴とする低屈折率材料。
【請求項12】
請求項9に記載の膜を含有することを特徴とする低誘電率材料。
【請求項13】
請求項9に記載の膜を含有することを特徴とする電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−126706(P2012−126706A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236278(P2011−236278)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【Fターム(参考)】