説明

シランを末端基とするポリウレタン

次の化合物(a)及び(b)を組み合わせることによって調製される硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタン組成物:(a)単官能性化合物 i)を2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物 ii)と反応させて得られる生成物を、イソシアネート−反応性基と1若しくは複数の反応性シラン基を有する化合物 iii)と反応させて湿分硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタンを形成させることによって調製させるシランを末端基とする第1ポリウレタン;(b)アルキル単官能性のアルコール、アミン及び/又はチオール i)を2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物 ii)と反応させて得られる生成物をイソシアネート−反応性基と1若しくは複数の反応性シラン基を有する化合物 iii)と反応させることによって調製されるシランを末端基とする第2ポリウレタン。このウレタン組成物は塗料組成物、シーラント組成物及び/又は接着剤組成物において使用することができる。塗料組成物は被覆支持体を形成させるために使用される。シーラント組成物及び/又は接着剤組成物は、第1接着剤と第2接着剤を接合させて接合アセンブリーを形成させるために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルコキシシラン官能性ウレタン組成物、特に、接着剤組成物、シーラント組成物及び塗料組成物において有用なアルコキシシラン官能性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤は、2若しくはそれよりも多数の被着体を接合若しくは固定させるために一般的に使用されている。被着体としては、相互に接合される2若しくはそれよりも多数の素材又は部材(例えば、木材、金属、プラスチック、紙、セラミックス、石材、ガラス及びコンクリート等を含む)が例示される。このような目的のために使用される接着剤は広範囲の材料、例えば、エラストマー/溶剤/樹脂混合物、エポキシド、ラテックス、ポリウレタン、シリコーン、シアノアクリレート、アクリル樹脂、及びホットメルト等に基づいている。この種の接着剤は1又は複数の難点を有している。例えば、この種の接着剤は、毒性若しくは可燃性の溶剤を含有しているだけでなく、1種若しくは複数種の被着体と適合性がなく、又、望ましくない程の長い硬化時間を必要とし、しかも、多くの場合、形成される接着層の強度は不十分である。
【0003】
塗料を支持体に塗布する場合(多くの場合には、複数の塗料が塗布され、最後の塗料は着色若しくは無着色のトップコートが塗布される)、望ましい外観が得られることが望ましい場合が多い。都合の悪いことには、塗装支持体を含む物品においては、通常の磨滅によって発生する掻き傷が、支持体の塗装表面の外観を経時的に悪化させる。
【0004】
しばしばプラスチックを含有することがあるシーラントは一般的には、1若しくは複数の支持体の1若しくは複数の表面に塗布される薄膜であって、液体又は気体が該膜を通過するのを防止する。シーラントは支持体が外部環境に曝されるのを防止するために使用されており、又、支持体中若しくは支持体間に存在する間隙を介して支持体が外部環境に曝されるのを防止するためにしばしば付加的に使用されている。
【0005】
プロブストらによる米国特許第6590028号明細書には、2成分系の水性ポリウレタン系、該ポリウレタン系の製造方法、並びに高い衝撃強さと安定性及び優れた光学的特性をもたらす塗料の製造における該ポリウレタン系の使用が開示されている。
【0006】
レスラーらによる米国特許出願第2003/0039846A1号明細書には、2成分系塗料組成物であって、ポリイソシアネート成分、イソシアネート−反応性成分(該反応性成分は芳香族ポリアミンを3重量%未満含有すると共に、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個のアルコキシシラン基を有する化合物をその他の化合物の重量に基づいて0.1〜1.8重量%含有する)が開示されている。
【0007】
ウーらによる米国特許出願第2003/0173026A1号明細書には、窓ガラスを塗装支持体に接合させるためのシラン官能性接着剤組成物が開示されている。この場合の接合方法には、次の工程 i)〜 iii)が含まれる:i)シラン官能性接着剤組成物ガラス又は支持体に塗布し、ii)ガラスと支持体を接触させ、次いでiii)接着剤を硬化させる。
【0008】
カスズフスキーらによる米国特許出願第2003/0153671A1号明細書には、反応性含ケイ素末端基を有するポリマー、透明フィラー及び脱水剤を含有する湿分硬化性接着剤が開示されている。
【0009】
しかしながら、このような物品の初期状態、及び特に風雨等に曝された後の状態においては、従来から既知の接着剤組成物、シーラント組成物及び塗料組成物は、この種の接着剤等が塗布される支持体に対して十分な引張強さ及び/又は破断点伸び特性を付与しない。この結果、この種の接着剤組成物、シーラント組成物及び塗料組成物から形成される硬化皮膜には亀裂、膨れ及び/又はチップが発生し、風雨等に曝された支持体から剥離する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、当該分野においては、初期状態及び風雨等に曝された後の状態において、優れた引張強さ及び破断点伸びを示す皮膜をもたらす接着剤組成物、シーラント組成物及び塗料組成物が要請されており、本発明はこのような要請に応えるためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、次の化合物(a)及び(b)を組み合わせることによって調製される硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタン組成物に関する:
(a)下記の成分i)と成分ii)を反応させて得られる反応生成物を下記の成分iii)と反応させて湿分硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタンを形成させることによって調製させるシランを末端基とする第1ポリウレタン;
i)ヒドロキシル官能基、アミン官能基若しくはチオール官能基を有するポリスルフィド、アミンを末端基とするポリエーテル、ポリアミン、ポリエーテル及びこれらの任意の混合物から成る群から選択される単官能性化合物(数平均分子量:500〜20000)、
ii)2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、
iii)イソシアネート−反応性基と1若しくは複数の反応性シラン基を有する化合物 。但し、成分iii)の少なくとも10モル%は次式(I)で表される化合物である:
【化1】

式中、Xは、100℃未満の温度においてイソシアネート基に対して不活性な同一又は異なる有機基を示し(但し、これらの基のうちの少なくとも2個はアルコキシ基又はアシロキシ基を示す)、Yは、炭素原子数が1〜8の線状又は分枝状アルキレン基を示し、Rは、100℃においてイソシアネート基に対して不活性な有機基又は次式(II)で表される基を示す:
【化2】

(b)下記の成分i)と成分ii)を反応させて得られる反応生成物を下記の成分iii)と反応させることによって調製させるシランを末端基とする第2ポリウレタン;
i)炭素原子数が1〜20の線状、分枝状若しくは環状のアルキル単官能性のアルコール、アミン及び/又はチオール、
ii)2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、
iii)イソシアネート−反応性基及び前記の式(I)に対応する1若しくは複数の反応性シラン基を有する化合物。
【0012】
本発明は、前記の硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタン組成物と共に、顔料、可塑剤及びフィラーから選択される1種若しくは複数種の成分を含有する塗料組成物、シーラント組成物又は接着剤組成物にも関する。
【0013】
本発明の別の実施態様においては、支持体の表面の少なくとも一部へ前記の塗料組成物を塗布して塗装支持体が製造される。
【0014】
本発明のさらに別の実施態様は、下記の工程 i)〜 iii)を含む第1被着体と第2被着体の接合方法に関する:
i)前記の接着剤組成物を第1被着体の表面の少なくとも一部及び第2被着体の表面の少なくとも一部へ塗布し、
ii)第1被着体の接着剤組成物具有表面及び第2被着体の接着剤組成物具有表面を接触させることによって接合アセンブリーを形成させ、次いで
iii)接合アセンブリーに含まれる接着剤組成物を硬化させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施例及び特に言及する場合以外は、本願の請求の範囲及び明細書において用いる成分の量や反応条件等に関する全ての数値や表示は、全ての場合において、「約」という用語を修飾させて理解されるべきである。本願発明においては、種々の数的範囲が開示されているが、これらの範囲は連続的であるので、該範囲には最大値と最小値の間の全ての数値が含まれる。又、特に言及しない限り、本願発明において特定されている種々の数的範囲は概数を示す。
【0016】
本発明の態様によれば、(a)シランを末端基とする第1ポリウレタン及び(b)シランを末端基とする第2ポリウレタンを組み合わせることによって調製される硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタン組成物が提供される。
【0017】
ここで使用する「シラン基」という用語は、少なくとも2個のアルコキシ基又はアシロキシ基を有するシラン基を意味するものであり、場合によっては、置換基「X」によって定義される。2個若しくは3個のアルコキシ基及び/又はアシロキシ基を有するシラン基は1つの反応性シラン基とみなされる。本発明の1つの態様においては、Xは式−O−R10(式中、R10は線状若しくは分枝状のC〜Cアルキル基を示す)で表される基を示す。
【0018】
ここで使用する「ウレタン」という用語は、1個若しくは複数個のウレタン基及び/又はウレア基を有する化合物を意味する。本発明において使用することができるウレタンとしては、特に限定的ではないが、1個若しくは複数個のウレタン基を有すると共に、所望によりウレア基を有する化合物並びにウレタン基とウレア基の両方を有する化合物が例示される。
【0019】
本発明の1つの態様においては、シランを末端基とする第1ポリウレタン(a)は下記の成分i)と成分ii)を反応させることによって調製することができる:
i)ヒドロキシル官能基、アミン官能基若しくはチオール官能基を有するポリスルフィド、アミンを末端基とするポリエーテル、ポリアミン、ポリエーテル及びこれらの任意の混合物(数平均分子量:500〜20000)から成る群から選択される単官能性化合物、及び
ii)2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物。
【0020】
本発明の1つの態様においては、単官能性化合物は少なくとも500,ある場合には少なくとも1000、また、別の場合には少なくとも1500の数平均分子量を有する。また、単官能性化合物は20000まで、ある場合には17500まで、また、別の場合には15000までの数平均分子量を有する。数平均分子量は、ポリスチレンを標準とするゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて決定した。
【0021】
本発明の1つの態様においては、上記の成分i)とii)の反応生成物は下記成分iii)と反応させる:
iii)イソシアネート−反応性基と1個若しくは複数個の反応性シラン基を有する化合物(但し、成分iii)の少なくとも10モル%は次式(I)で表される化合物である):
【化3】

式中、Xは、100℃未満の温度においてイソシアネート基に対して不活性な同一又は異なる有機基を示す(但し、これらの基のうちの少なくとも2個はアルコキシ基又はアシロキシ基を示す)。本発明の特定の態様においては、1個若しくは複数個のX基は式−O−R10(式中、R10は線状若しくは分枝状のC〜Cアルキル基を示す)で表される基を示す。Yは炭素原子数が1〜8の線状又は分枝状アルキレン基を示し、Rは、100℃の温度においてイソシアネート基に対して不活性な有機基又は次式(II)で表される基を示す:
【化4】

(式中、X及びYは前記と同意義である)
【0022】
ここで使用する「アルキル」という用語は、一般式C2s+1(式中、sは定義される炭素原子数又はその範囲を示す)で表される脂肪族炭化水素鎖を有する1価残基を意味する。「置換されたアルキル」という用語は、アルキル基の1個若しくは複数個の水素原子が炭素原子以外の原子又は基によって置換されたアルキルを意味する。このような原子又は基としては、特に限定的ではないが、ハロゲン化物、アミン、アルコール、酸素原子(例えば、ケトン基又はアルデヒド基等)及びチオール等が例示される。
【0023】
個々で使用する「シクロアルキル」という用語は、一般式C2s−1(式中、sは定義される炭素原子数又はその範囲を示す)で表される環状の脂肪族炭化水素鎖を有する1価残基を意味する。「置換されたシクロアルキル」という用語は、環構造中に1個若しくは複数個のヘテロ原子(特に限定的ではないが、−O−、−NR−(式中、Rは炭素原子数が1〜24のアルキル基を示す)及び−S−等が例示される)を有し、及び/又はシクロアルキル基の1個若しくは複数個の水素原子が炭素原子以外の原子又は基によって置換されたシクロアルキルを意味する。このような原子又は基としては、特に限定的ではないが、ハロゲン化物、アミン、アルコール、酸素原子(例えば、ケトン基又はアルデヒド基等)及びチオール等が例示される。
【0024】
ここで使用する「アリール」という用語は、芳香族炭化水素の1価残基を意味する。芳香族炭化水素には、炭素原子に基づく環状化合物であって、形成される環状の共役π軌道系中に4t+2(式中、tは少なくとも1の整数を示す)個の電子が包含される共役二重結合を有する環状化合物が含まれる。ここで使用するように、アリール基は単一の芳香族環構造、1個若しくは複数個の縮合した芳香族環構造、又は共有結合によって連結した芳香族環構造を含むことができる。これらの環構造はヘテロ原子を含んでいてもよい。芳香族環構造中に含まれていてもよいヘテロ原子としては、特に限定的ではないが、O,N及びSが例示される。
【0025】
ここで使用する「アルキレン」という用語は、非環式又は環式2価炭化水素基であって、C(非環式の場合)若しくはC(環式の場合)〜C25(一般的には、C〜C12)の炭素鎖長を有する炭化水素基を意味する。この種の炭化水素基は置換されていてもよいが、置換されていなくてもよく、また、置換基を有していてもよい。特に限定的な例ではないが、アルキレン基は炭素原子数が1〜12の低級アルキレン基であってもよい。また、特に限定的ではないが、「プロピレン」はn−プロピレン基とイソプロピレン基の両方を含み、また、同様に、「ブチレン」はn−ブチレン基、イソブチレン基及びt−ブチレン基を含む。
【0026】
ここで使用する「オキシアルキレン」という用語は、1個若しくは複数個の酸素原子を有するアルキレン基を意味する。「アラルキレン」という用語は、2価芳香族基を意味し、その環構造は置換されていてもよい。「アルキレンアリール」という用語は、少なくとも1個のアリール基(特に限定的ではないが、フェニル基が例示される)を有するいずれかの非環式アルキレン基を意味する。
【0027】
本発明の態様によれば、前記の成分i)とii)の反応生成物に成分iii)を反応させて得られる生成物であって、湿分硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタンが提供される。
【0028】
本発明の1つの態様においては、前記の(a)に係る成分i)の単官能性化合物は次式(III)で表される構造を有していてもよい:
【化5】

式中、Rは炭素原子数が1〜22の線状、分枝状若しくは環状のアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール及びアルケニルから選択される基を示し、Rは相互に独立してH,メチル及びエチルから選択される基を示し、Zは相互に独立してO、S及び−NR−(式中、RはH、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル及びt−ブチルから選択される基を示す)から選択される基を示す。nは1〜5の整数を示し、ある場合には1〜4の整数を示し、別の場合には1〜3の整数を示し、ある状況下では1又は2を示し、別の状況下では2〜4の整数を示し、さらに又別の場合には2〜5の整数を示す。mは少なくとも1の整数を示し、ある場合には少なくとも2の整数を示し、別の場合には少なくとも3の整数を示し、ある状況下では少なくとも4の整数を示し、さらに別の状況下では少なくとも5の整数を示す。また、mは1000までの数にすることができ、ある場合には750までの数を示し、別の場合には500までの数を示し、ある状況下では250までの数を示す。mの値は、上記のいずれの値であってもよく、あるいは上記のセット値の範囲内の値であってもよい。
【0029】
本発明の特定の実施態様においては、(a)の成分i)における単官能性化合物はモノヒドロキシ官能性ポリエーテルである。1つの態様においては、ポリエーテルはポリ(プロピレンオキシド)及び/又はポリ(エチレンオキシド)であってもよい。
【0030】
本発明において使用することができる適当なポリエーテルは少なくとも250の数平均分子量を有し、該数平均分子量はある場合には少なくとも500であり、別の場合には少なくとも1000である。また、ポリエーテルポリオールの数平均分子量は20000までであり、ある場合には15000までであり、別の場合には12000までである。ポリエーテルポリオールの数平均分子量は上記の値の範囲内で変化してもよく、あるいはこれらの値の範囲内にあってもよい。
【0031】
本発明の1つの実施態様においては、ポリエーテルの全不飽和度(ミリ当量/g[meq/g])の最大値は、0.1以下であり、ある場合には0.04未満であり、別の場合には0.02未満であり、ある状況下では0.01未満であり、別の状況下では0.007以下であり、また特定の状況下では0.005以下である。不飽和度はポリエーテルを調製する方法及びポリエーテルの分子量に応じて変化する。
【0032】
この種のポリエーテル類は既知のポリマーであって、特に限定的ではないが、例えば、適当なスターター分子のエトキシル化及び/又はプロポキシル化によって調製することができる。スターター分子としては、特に限定的ではないが、次の化合物が挙げられる:脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族−脂肪族アルコール、フェノール、及び置換フェノール。この種の化合物としては次の化合物が例示される:メタノール、エタノール、プロパノール異性体、ブタノール異性体、ペンタノール異性体、ヘキサノール異性体、シクロヘキサノール、高分子量化合物、例えば、ノニルフェノール、2−エチルヘキサノール、及び炭素原子数が12〜15の線状の第一アルコールの混合物(例えば、特に限定的ではないが、シェル・ケミカル社(ヒューストン、テキサス州)製の市販品「NEODOL(登録商標)25」が例示される)。また、不飽和アルコール(例えば、アリルアルコール)、及びヒドロキシ官能性エステル(例えば、ヒドロキシエチルアセテート及びヒドロキシエチルアクリレート)等も適当である。高分子量モノヒドロキシ化合物、特にノニルフェノール及び炭素原子数が12〜15の線状の第一アルコールの混合物が好ましい。
【0033】
本発明の1つの実施態様においては、ポリエーテルは、ヨーロッパ特許EP−A283148号明細書及び下記の米国特許明細書に記載された方法によって調製され、これらの特許明細書も本願明細書の一部を成すものである:3278457、3427256、3829505、4472560、3278458、3427334、3941849、4721818、3278459、3427335、及び4355188。特定の態様においては、ポリエーテルは、複金属シアン化物を触媒として使用することによって調製される。
【0034】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(a)の成分i)の含有量は、組成物の重量に基づいて少なくとも40重量%であり、ある場合には少なくとも45重量%であり、また、別の場合には少なくとも50重量%である。また、ポリマー(a)の成分i)の含有量は、組成物の重量に基づいて99重量%までであり、ある場合には95重量%までであり、別の場合には90重量%までであり、ある状況下では85重量%であり、また別の状況下では80重量%までである。組成物中の該成分i)の含有量は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲内の値であってもよい。
【0035】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(a)の成分ii)の含有量は、組成物の重量に基づいて少なくとも0.5重量%であり、ある場合には少なくとも1重量%であり、また、別の場合には少なくとも2.5重量%である。また、ポリマー(a)の成分ii)の含有量は、組成物の重量に基づいて30重量%までであり、ある場合には25重量%までであり、別の場合には20重量%までである。組成物中の該成分ii)の含有量は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲内の値であってもよい。
【0036】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(a)の成分iii)の含有量は、組成物の重量に基づいて少なくとも0.5重量%であり、ある場合には少なくとも1重量%であり、また、別の場合には少なくとも2.5重量%である。また、ポリマー(a)の成分iii)の含有量は、組成物の重量に基づいて35重量%までであり、ある場合には30重量%までであり、別の場合には25重量%までであり、ある状況下では20重量%までである。組成物中の該成分iii)の含有量は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲内の値であってもよい。
【0037】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(a)の成分ii)対成分i)のNCO:OH当量比は少なくとも1.5:1であり、ある場合には少なくとも1.6:1であり、別の場合には少なくとも1.75:1である。また、ポリマー(a)の成分ii)対成分i)のNCO:OH当量比は2.5:1までであり、ある場合には2.4:1までであり、別の場合には2.25:1までであり、また、ある状況下では2.1:1までである。ポリマー(a)の成分ii)対成分i)のNCO:OH当量比は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲の値であってもよい。
【0038】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(a)の成分ii)対成分i)のNCO:NH当量比は少なくとも1.5:1であり、ある場合には少なくとも1.6:1であり、別の場合には少なくとも1.75:1である。また、ポリマー(a)の成分ii)対成分i)のNCO:NH当量比は2.5:1までであり、ある場合には2.4:1までであり、別の場合には2.25:1までであり、また、ある状況下では2.1:1までである。ポリマー(a)の成分ii)対成分i)のNCO:NH当量比は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲の値であってもよい。
【0039】
本発明の1つの実施態様においては、シランを末端基とする第1ポリウレタン(a)の含有量は、組成物の重量に基づいて少なくとも45重量%であり、ある場合には少なくとも50重量%であり、さらに、別の場合には少なくても55重量%である。また、シランを末端基とする第1ポリウレタン(a)の含有量は、組成物の重量に基づいて90重量%までであり、ある場合には85重量%までであり、別の場合には80重量%までであり、ある状況下では75重量%までである。シランを末端基とする第1ポリウレタン(a)の含有量は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲の値であってもよい。
【0040】
本発明の1つの実施態様においては、シランを末端基とする第2ポリウレタン(b)は、下記の成分i)と成分ii)を反応させて得られる反応生成物を下記の成分iii)と反応させることによって調製させる;
i)炭素原子数が1〜20の線状、分枝状若しくは環状のアルキル単官能性のアルコール、アミン及び/又はチオール、
ii)2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、
iii)イソシアネート−反応性基及び前記の式(I)に対応する1若しくは複数の反応性シラン基を有する化合物。
【0041】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(b)の成分i)の含有量は、組成物の重量に基づいて少なくとも2重量%であり、ある場合には少なくとも3重量%であり、また、別の場合には少なくとも5重量%である。また、ポリマー(b)の成分i)の含有量は、組成物の重量に基づいて30重量%までであり、ある場合には25重量%までであり、別の場合には20重量%までである。組成物中の該成分i)の含有量は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲内の値であってもよい。
【0042】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(b)の成分ii)の含有量は、組成物の重量に基づいて少なくとも25重量%であり、ある場合には少なくとも30重量%であり、また、別の場合には少なくとも35重量%である。また、ポリマー(b)の成分ii)の含有量は、組成物の重量に基づいて60重量%までであり、ある場合には55重量%までであり、別の場合には50重量%までである。組成物中の該成分ii)の含有量は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲内の値であってもよい。
【0043】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(b)の成分iii)の含有量は、組成物の重量に基づいて少なくとも20重量%であり、ある場合には少なくとも25重量%であり、また、別の場合には少なくとも30重量%である。また、ポリマー(b)の成分iii)の含有量は、組成物の重量に基づいて65重量%までであり、ある場合には60重量%までであり、別の場合には55重量%までであり、ある状況下では50重量%までである。組成物中の該成分iii)の含有量は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲内の値であってもよい。
【0044】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(b)の成分ii)対成分i)のNCO:OH当量比は少なくとも1.5:1であり、ある場合には少なくとも1.6:1であり、別の場合には少なくとも1.75:1である。また、ポリマー(b)の成分ii)対成分i)のNCO:OH当量比は2.5:1までであり、ある場合には2.4:1までであり、別の場合には2.25:1までであり、また、ある状況下では2.1:1までである。ポリマー(b)の成分ii)対成分i)のNCO:OH当量比は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲内の値であってもよい。
【0045】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(b)の成分ii)対成分i)のNCO:NH当量比は少なくとも1.5:1であり、ある場合には少なくとも1.6:1であり、別の場合には少なくとも1.75:1である。また、ポリマー(b)の成分ii)対成分i)のNCO:NH当量比は2.5:1までであり、ある場合には2.4:1までであり、別の場合には2.25:1までであり、また、ある状況下では2.1:1までである。ポリマー(b)の成分ii)対成分i)のNCO:NH当量比は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲内の値であってもよい。
【0046】
本発明の1つの実施態様においては、シランを末端基とする第2ポリウレタン(b)の含有量は、組成物の重量に基づいて少なくとも10重量%であり、ある場合には少なくとも15重量%であり、さらに、別の場合には少なくとも20重量%である。また、シランを末端基とする第2ポリウレタン(b)の含有量は、組成物の重量に基づいて55重量%までであり、ある場合には50重量%までであり、別の場合には45重量%までである。シランを末端基とする第2ポリウレタン(b)の含有量は上記のいずれの値であってもよく、また、上記のいずれの範囲内の値であってもよい。
【0047】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(a)の成分ii)及びポリマー(b)の成分ii)、即ち、イソシアネート基を2個有するイソシアネート成分には、特に限定的ではないが、次式(IV)で表される有機ジイソシアネートが包含される:
【化6】

式中、Rは、約112〜1000の分子量(ある場合には約140〜400の分子量)を有する有機ジイソシアネートからイソシアネート基を除去することによって得られる有機残基を示す。
【0048】
本発明の1つの実施態様においては、ジイソシアネートは、上記の一般式(IV)において、Rが、炭素原子数が4〜18の2価脂肪族炭化水素基、炭素原子数が5〜15の2価脂環式炭化水素基、炭素原子数が7〜15の2価芳香族−脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数が6〜15の2価芳香族炭化水素基を示す化合物である。
【0049】
この実施態様に関しては、適当な有機ジイソシアネートとして次の化合物及びこれらの任意の混合物が例示される:1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−及び−1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−2−イソシアナトメチルシクロペンタン、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、ビス−(4−イソシアナト−シクロヘキシル)−メタン、1,3−及び1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−メタン、2,4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチル−シクロヘキシル)−メタン、α、α、α’、α’−テトラメチル−1,3−及び/又は−1,4−キシリレンジイソシアネート、1−イソシアナト−1−メチル−4(3)−イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4−及び/又は2,6−ヘキサヒドロ−トルイレンジイソシアネート、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トルイレンジイソシアネート、2,4−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、並びに1,5−ジイソシアナトナフタレン。
【0050】
本発明の一部の実施態様においては、所望により、3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを少量、即ち、イソシアネート含有化合物の全重量に基づいて5重量%まで(ある場合には、0.1〜5重量%、また、別の場合には0.5〜3.5重量%)の量で使用してもよい。使用することができる適当なポリイソシアネートとしては、特に限定的ではないが、つぎの化合物が例示される:4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、例えば、4,4’,4''−トリフェニルメタントリイソシアネート、及びアニリン/ホルムアルデヒド縮合物のホスゲン化によって得られるポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート。
【0051】
本発明の特定の実施態様においては、ジイソシアネートにはビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−メタン、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート、特にビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−メタン及びイソホロンジイソシアネートが含まれる。
【0052】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(b)の成分i)の単官能性化合物は、炭素原子数が1〜20(ある場合には2〜16)の線状、分枝状若しくは環状のアルキル分子であって、該アルキル分子は1個のヒドロキシル基、アミン基又はチオール基を有する。該成分i)として適当な単官能性化合物としては、特に限定的ではないが、次の化合物及びこれらの任意の混合物が例示される:エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン及びt−ブチルメルカプタン。
【0053】
本発明の1つの実施態様においては、ポリマー(a)の成分iii)及びポリマー(b)の成分iii)の化合物には、下記の一般式(V)で表される化合物が含まれる:
【化7】

(式中、Y及びXは前記と同意義である)
【0054】
特定の実施態様においては、ポリマー(a)の成分iii)及びポリマー(b)の成分iii)は相互に独立して、下記の化合物及びこれらの任意の混合物から選択される成分である:N−フェニルアミノプロピル−トリメトキシシラン、ビス−(γ−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−シクロヘキシルアミノプロピル−トリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピル−トリエトキシシラン、N−ブチルアミノプロピル−トリエトキシシラン、N−ブチルアミノプロピル−トリアシロキシシラン、3−(N−エチル)アミノ−2−メチルプロピル−トリメトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−トリメトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−トリエトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−アルキルジメトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−アルキルジエトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−ジアシロキシシラン、3−(N−エチル)アミノ−2−メチルプロピル−メチルジメトキシシラン。
【0055】
本発明の別の実施態様においては、ポリマー(a)の成分iii)及びポリマー(b)の成分iii)の化合物は相互に独立して下記の一般式(VI)で表される1種若しくは複数種の化合物であってもよい:
【化8】

(式中、Y及びXは前記と同意義であり、R及びRは炭素原子数が1〜9の線状若しくは分枝状のアルキル基を示し、R及びRは同一若しくは異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数が1〜9の線状若しくは分枝状アルキル基を示す)
【0056】
本発明の1つの実施態様においては、硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタン組成物は、1種若しくは複数種の可塑剤、1種若しくは複数種の定着剤、1種若しくは複数種の触媒、1種若しくは複数種の乾燥剤、1種若しくは複数種の均展剤、1種若しくは複数種の湿潤剤、1種若しくは複数種の流れ調整剤、1種若しくは複数種の皮張り防止剤、1種若しくは複数種の消泡剤、1種若しくは複数種のフィラー、1種若しくは複数種の粘度調整剤、1種若しくは複数種の顔料、1種若しくは複数種の染料、1種若しくは複数種の紫外線吸収剤、1種若しくは複数種の熱安定剤、及び/又は1種若しくは複数種の酸化防止剤を含有することができる。
【0057】
本発明において使用することができる可塑剤としては、特に限定的ではないが、次の可塑剤が例示される:ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジオクチルアジペート、イソデシルマロネート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、ブチルオレエート、メチルアセチルリシノレエート、トリクレシルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ポリプロピレングリコールアジペート及びポリブチレングリコールアジペート等。これらの可塑剤は単独で使用してもよく、あるいは2種以上併用してもよい。
【0058】
本発明において使用することができる定着剤としては、特に限定的ではないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、当該分野で知られているシラン及びアミノシランカップリング剤、アルキルチタネート及び/又は芳香族ポリイソシアネートが例示される。
【0059】
硬化のために用いてもよい触媒であって、本発明において使用することができる触媒としては、特に限定的ではないが、次の触媒が例示される:チタン酸エステル、例えば、テトラブチルチタネート及びテトラプロピルチタネート;有機錫化合物、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫及びナフテン酸錫;オクチル酸鉛;アミン系化合物並びにこれらの化合物の塩及びカルボキシレート、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン及び1,3−ジアザビシクロ(5,4,6)ウンデセン−7(DBU);過剰量のポリアミンに多塩基酸を反応させて得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰量のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;既知のシラノール縮合触媒、例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤[例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン]。これらの化合物は単独で使用してもよく、適宜併用してもよい。
【0060】
本発明において使用することができる乾燥剤としては、特に限定的ではないが、次のものが例示される:酸化カルシウム、活性アルミナ、塩化カルシウム、シリカゲル、ビニルトリメトキシシラン及び塩化亜鉛。
【0061】
本発明において使用することができる均展剤としては、特に限定的ではないが、セルロース、例えば、ニトロセルロース及びセルロースアセテートブチレート等が例示される。
【0062】
本発明において使用することができる湿潤剤としては、特に限定的ではないが、グリコール、シラン、アニオン性界面活性剤、及び当該分野において知られているその他のいずれかの湿潤剤が例示される。
【0063】
本発明において使用することができる流れ調整剤としては、特に限定的ではないが、次のものが例示される:ポリアクリル酸エステル、非イオン性のフッ素化アルキルエステル界面活性剤、非イオン性アルキルアリールポリエーテルアルコール及びシリコーン等並びに市販品「レジフロー(RESIFLOW)」(登録商標)[エストロン・ケミカル社(パルシッパニー、ニュージャーシー州)製]、「ベンゾイン」(登録商標)[DSM社製]、「モダフロー(MODAFLOW)」(登録商標)[モンサント社製]及び「サーフィノール(SURFYNOL)」(登録商標)[エアープロダクツ社(ベスレヘム、ペンシルバニア州)製]。
【0064】
本発明において使用することができる皮張り防止剤としては、特に限定的ではないが、次の化合物が例示される:レシチン、オキシム(例えば、ブチルアルデヒドオキシム及びメチルエチルケトキシム)、ヒドロキノン類(例えば、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン及びヒドロキノンのメチルエステル)及びアントラキノン。
【0065】
本発明において使用することができる消泡剤としては、特に限定的ではないが、次のものが例示される:「フォーメックス(FOAMEX)」(登録商標)[ローム・アンド・ハース社(フィラデルフィア、ペンシルバニア州)製]、「BYK」(登録商標)[BYK−ヘミーUSA社(ワリングフォード、コネクチカット州)製]及び「ホームブレーキ(FoamBrake)」(登録商標)[BASF社(モントオリーブ、ニュージャーシー州)製]。
【0066】
本発明において使用することができるフィラーとしては、特に限定的ではないが、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、無水ケイ酸、ケイ酸水和物、タルク、カーボンブラック、石灰石粉末、被覆又は非被覆コロイド炭酸カルシウム、被覆又は非被覆重質炭酸カルシウム、被覆又は非被覆沈降炭酸カルシウム、カオリン、ケイ藻土、燃焼クレー、クレー、二酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、繊維状フィラー(例えば、ガラスファイバー又はフィラメント)。フィラーはいずれかの適当な粒径を有していればよく、例えば、本発明の1つの実施態様においては、フィラーの粒径は5nm〜10μmであり、ある場合には10nm〜5μmであり、また、別の場合には25nm〜1μmである。
【0067】
本発明において使用することができる粘度調整剤としては、特に限定的ではないが、次のものが例示される:アルカリ−可溶性又は酸−可溶性のエマルションポリマー、疎水性に変性されたアルカリ−可溶性又は酸−可溶性のエマルションポリマー、「アクリゾル(ACRYSOL)」(登録商標)[ローム・アンド・ハース社製]、セルロース系誘導体、変性セルロース系誘導体、及び天然ゴム(例えば、キサンタンゴム)等。
【0068】
本発明において使用することができる顔料としては、特に限定的ではないが、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラック等が例示される。
【0069】
本発明において使用することができる染料としては、特に限定的ではないが、媒染染料、即ち、植物、昆虫及び藻類から調製される染料、及び直接染料(例えば、ベンジジン若しくはベンジジン誘導体に基づく直接染料)等が例示される。
【0070】
本発明において使用することができる紫外線吸収剤としては、特に限定的ではないが、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤及びニッケル系光安定剤等が例示される。
【0071】
本発明において使用することができる熱安定剤としては、特に限定的ではないが、HCl掃去剤(例えば、エポキシ化大豆油)、β−チオジプロピオン酸のエステル(例えば、ラウリルエステル、ステアリルエステル、ミリスチルエステル、トリデシルエステル)、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチル−ジチオカルバミド酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスルトールテトラキス−(β−ドデシルメルカプト)−プロピオネート及びリン酸鉛。
【0072】
本発明において使用することができる抗酸化剤としては、特に限定的ではないが、次の化合物が例示される:2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、及び市販の抗酸化剤「イルガノックス(IRGANOX)」(登録商標)[チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社(バーゼル、スイス)]。
【0073】
本発明の1つの態様によれば、前記の硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタン組成物と共に、1種若しくは複数種の顔料、1種若しくは複数種の可塑剤及び1種若しくは複数種のフィラーから選択される1種若しくは複数種の添加剤を含有する塗料組成物、シーラント組成物又は接着剤組成物が提供される。
【0074】
本発明においては、驚くべきことには、ジシランの代わりに、モノシランを使用することによって、塗料組成物、シーラント組成物又は接着剤組成物に有用な硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタンを調製できることが判明した。高分子量のポリエーテルモノシランのみを使用する場合には、硬化生成物は実用に供するためには過度に軟らか過ぎることも判明した。一方、低分子量のモノシランのみを使用する場合には、硬化生成物は実用に供するためには過度に硬すぎる。しかしながら、高分子量のポリエーテルモノシランと低分子量モノシランを上記の硬化性組成物中で併用する場合には、硬化生成物に最適な物理的特性を付与する塗料組成物、シーラント組成物及び接着剤組成物が得られた。
【0075】
この実施態様において使用することができる適当な顔料としては、特に限定的ではないが、次の化合物及びこれらの任意の混合物が例示される:ペリレン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリン、ジオキサジン(即ち、トリフェンジオキサジン)、1,4−ジケトピロロピロール、アントラピリミジン、アンタンスロン、フラバンスロン、インダンスロン、ペリノン、ピランスロン、チオインジゴ、4,4’−ジアミノ−1,1’−アンスラキノニル及びアゾ化合物並びにこれらの置換誘導体。
【0076】
この実施態様において使用することができる適当な可塑剤としては、特に限定的ではないが、前述の可塑剤が例示される。同様に、この実施態様において使用することができるフィラーとしては、特に限定的ではないが、前述のフィラーが例示だれる。
【0077】
本発明は、上述の塗料組成物を支持体の表面の少なくとも一部へ塗布することを含む支持体の塗装方法にも関する。また、本発明は、該塗装方法によって調製される被覆支持体にも関する。
【0078】
さらに、支持体は、特に限定的ではないが、木材、金属、プラスチック、紙、セラミックス、鉱物、石材、ガラス及びコンクリートから成る群から選択される1種若しくは複数種の材料を材質とするものであってもよい。特定の実施態様においては、支持体には木材、金属(例えば、鉄及びアルミニウム)及びプラスチックが含まれる。
【0079】
塗料組成物は常套法、例えば、刷毛塗り法、浸漬塗り法、流し塗り法及び噴霧塗り法等によって塗布することができる。塗料組成物を支持体上へ塗布した後、該組成物を凝集させることによって、支持体上に実質上連続的なフィルムが形成される。即ち、塗布膜を加熱乾燥処理又は自然乾燥処理に付して該膜から液状成分を除去することによって、連続フィルムが形成される。
【0080】
本発明は、下記の工程 i)〜 iii)を含む第1被着体と第2被着体の接合方法も提供する:
i)上述の接着剤組成物を第1被着体の表面の少なくとも一部及び第2被着体の表面の少なくとも一部へ塗布し、
ii)第1被着体の接着剤組成物具有表面及び第2被着体の接着剤組成物具有表面を接触させることによって接合アセンブリーを形成させ、次いで
iii)接合アセンブリーに含まれる接着剤組成物を硬化させる。
【0081】
上記の接合方法によってアセンブリーが形成される。このアセンブリーは第1被着体と第2被着体を具有しており、これらの被着体は相互に独立して下記の群から選択される1種若しくは複数種の材料を含有する:木材、金属、プラスチック、紙、セラミックス、鉱物、石材、ガラス及びコンクリート。
【実施例】
【0082】
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を例示的に説明するものであって、これらの実施例における多種多様な修正変更と改変は当業者にとっては明らかな技術的事項である。なお、実施例中において、特に言及しない限り、全ての「部」と「百分率」は重量に基づくものである。
【0083】
実施例1
この実施例においては、本発明によるシラン官能性アスパルテートの調製法を説明する。このアスパルテート樹脂は、クラマーらによる米国特許第4364955号明細書に記載の方法に準拠して調製した。攪拌機、熱電対、窒素ガス導入口、滴下漏斗及び冷却器を具備したフラスコ(5リットル)内へ3−アミノプロピルトリメトキシシラン(1483g;8.27当量) を入れ、次いでジエチルマレエート(1423.2g;8.27当量)を25℃の温度で2時間かけて添加した後、混合物をこの温度で5時間保持した。ヨード滴定によって測定した不飽和価は0.6であり、この値は、反応が約99%完結したことを示す。ブルックフィールド(登録商標)ディジタル粘度計DV−II+型[ブルックフィールド・エンジニアリング社(ミドルボロ、マサチューセッツ州)製]を用いて測定したところ11cpsであった。測定条件は次の通りである:スピンドル52、100rpm、25℃。
【0084】
実施例2
この実施例においては、本発明によるシランを末端基とするポリウレタン(STP1)の調製法を説明する。攪拌機、窒素ガス導入口、滴下漏斗及び冷却器を具備したフラスコ(5リットル)内へイソホロンジイソシアネート(150.9g;1.1当量)、当量が6411のポリエーテルモノオール(3664.1g;0.6当量)(該モノオールは米国特許第4355188号明細書に記載の方法に従って調製した)、及びジブチル錫ジラウレート(0.6g)を導入した。反応を60℃で3時間おこなった後、NCO含有量をNCO滴定によって測定したところ65重量%であった(理論値:63%)。次いで、実施例1で調製したシラン官能性アスパルテート(202.2g;0.57当量)を添加し、得られた混合物を60℃で60分間保持した後では、NCO基はIRによって検出されなかった。この時点で、ビニルトリメトキシシラン(20g)を湿分掃去剤として添加した。粘度は16100cps/25℃であった。
【0085】
実施例3
この実施例においては、本発明によるシランを末端基とするポリウレタン(STP2)の調製法を説明する。攪拌機、窒素ガス導入口、滴下漏斗及び冷却器を具備したフラスコ(5リットル)内へイソホロンジイソシアネート(366.7g;3.3当量)、n−ブタノール(122.7g;0.165当量)及びジブチル錫ジラウレート(0.2g)を導入した。反応を60℃で3時間おこなった後、NCO含有量をNCO滴定によって測定したところ14重量%であった(理論値:14.2%)。次いで、実施例1で調製したシラン官能性アスパルテート(605.1g;1.65当量)を添加し、得られた混合物を60℃で60分間保持した後では、NCO基はIRによって検出されなかった。この時点で、ビニルトリメトキシシラン(5.5g)を湿分掃去剤として添加した。粘度は242000cps/25℃であった。
【0086】
実施例4
この実施例においては、本発明によるシラン系シーラントの調製について説明する。該シーラントの配合処方は次の通りである:
(1)プレポリマーブレンド:37.5重量%
(2)「ジャイフレックス(JAYFLEX)(登録商標)DIDP」[エクソンモビルケミカル社(ヒューストン、テキサス州)製のジイソデシルフタレート]:17.5重量%
(3)「シルケスト(SILQUEST)(登録商標)A−1120」[クロンプトン社(ミドルバリー、コネクチカット州)製のアモノシラン]:0.8重量%
(4)ジブチル錫ジラウレート:0.1重量%
(5)「シルケストA−171」[クロンプトン社製のビニルトリメトキシシラン]:0.5重量%
【0087】
高速遠心ミキサーを用いて上記の配合成分を1分間混合した(混合速度:2200rpm)。フィラーとして、配合物の43.6重量%を構成する量の「ウルトラ・プフレックス(Ultra PFlex)」(登録商標)[ミネラルズ・テクノロジー社(ニューヨーク、ニューヨーク州)製の0.07m被覆沈降炭酸カルシウム]を2回に分けて添加した。即ち、43.6重量%の内の23.6重量%を最初に添加して1分間混合した(混合速度:2200rpm)。次いで、残余のフィラー(43.6重量%の内の20重量%)を添加して1分間混合した(混合速度:2200rpm)。全配合成分をさらに1分間混合した(混合速度:2200rpm)。最終的な配合原料は、真空下(<28mmHg)下で50℃での脱ガス処理に1時間付した。
【0088】
以下の表1に示す成分を混合することによってシーラント組成物を調製した。
【表1】

【0089】
表1に示すデータから明らかなように、高分子量ポリエーテルモノオールを基材とするシラン系シーラントは、実用に供するためには過度に軟らかすぎるが、低分子量モノオールを基材とするシラン系シーラントは、実用に供するためには過度に硬すぎる。しかしながら、これらの2種のモノオールの混合物を基材とするシーラントは、市販のジシランを基材とするシーラントと有利に比較することができる。従来は、このような効果は全く知られていなかった。
【0090】
以上の記載内容においては、本発明を例証のために詳細に説明したが、このような詳細な説明はこのような目的のためのものであって、当業者であれば、特許請求の範囲によって制限される以外は、本発明の範囲と技術的思想を逸脱することなく、これらの説明に関連して多種多様な変形態様を想到することができる。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の化合物(a)及び(b)を組み合わせることによって調製される硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタン組成物:
(a)下記の成分i)と成分ii)を反応させて得られる反応生成物を下記の成分iii)と反応させて湿分硬化性のアルコキシシラン官能性ポリエーテルウレタンを形成させることによって調製させるシランを末端基とする第1ポリウレタン;
i)ヒドロキシル官能基、アミン官能基若しくはチオール官能基を有するポリスルフィド、アミンを末端基とするポリエーテル、ポリアミン、ポリエーテル及びこれらの任意の混合物から成る群から選択される単官能性化合物(数平均分子量:500〜20000)、
ii)2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、
iii)イソシアネート−反応性基と1若しくは複数の反応性シラン基を有する化合物 。但し、成分iii)の少なくとも10モル%は次式(I)で表される化合物である:
【化1】

式中、Xは、100℃未満の温度においてイソシアネート基に対して不活性な同一又は異なる有機基を示し(但し、これらの基のうちの少なくとも2個はアルコキシ基又はアシロキシ基を示す)、Yは、炭素原子数が1〜8の線状又は分枝状アルキレン基を示し、Rは、100℃の温度においてイソシアネート基に対して不活性な有機基又は次式(II)で表される基を示す:
【化2】

(b)下記の成分i)と成分ii)を反応させて得られる反応生成物を下記の成分iii)と反応させることによって調製させるシランを末端基とする第2ポリウレタン;
i)炭素原子数が1〜20の線状、分枝状若しくは環状のアルキル単官能性のアルコール、アミン及び/又はチオール、
ii)2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、
iii)イソシアネート−反応性基及び前記の式(I)に対応する1若しくは複数の反応性シラン基を有する化合物。
【請求項2】
化合物(a)の成分i)が次式(III)で表される構造式を有する化合物である請求項1記載の組成物:
【化3】

式中、Rは炭素原子数が1〜22の線状、分枝状若しくは環状のアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール及びアルケニルから選択される基を示し、Rは相互に独立してH,メチル及びエチルから選択される基を示し、nは1〜5の数を示し、mは10〜1000の数を示し、Zは相互に独立してO、S及び−NR−(式中、RはH、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル及びt−ブチルから選択される基を示す)から選択される基を示す。
【請求項3】
化合物(a)の成分i)がモノヒドロキシ官能性ポリエーテルである請求項1記載の組成物。
【請求項4】
ポリエーテルがポリ(ポリプロピレンオキシド)及びポリ(エチレンオキシド)から選択される化合物である請求項3記載の組成物。
【請求項5】
化合物(b)の成分i)の単官能性化合物がn−プロパノール、n−ブタノール及びt−ブタノールから選択される化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項6】
化合物(a)及び(b)のイソシアネート化合物ii)が相互に独立して次式(IV)で表されるジイソシアネートから選択される化合物である請求項1記載の組成物:
【化4】

式中、Rは、炭素原子数が4〜18の2価脂肪族炭化水素基、炭素原子数が5〜15の2価脂環式炭化水素基、炭素原子数が7〜15の2価芳香族−脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数が6〜15の2価芳香族炭化水素基を示す。
【請求項7】
化合物(a)及び(b)のイソシアネート成分ii)が下記の群から選択される請求項1記載の組成物:1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−及び−1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−2−イソシアナトメチルシクロペンタン、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−シクロヘキシル)−メタン、1,3−及び1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−メタン、2,4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチル−シクロヘキシル)−メタン、α、α、α’、α’−テトラメチル−1,3−及び/又は−1,4−キシリレンジイソシアネート、1−イソシアナト−1−メチル−4(3)−イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4−及び/又は2,6−ヘキサヒドロ−トルイレンジイソシアネート、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トルイレンジイソシアネート、2,4−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ジイソシアナトナフタレン、並びにこれらの任意の混合物。
【請求項8】
化合物(a)及び(b)の成分iii)が次式(V)で表される化合物である請求項1記載の組成物:
【化5】

式中、Y及びXは前記と同意義である。
【請求項9】
化合物(a)及び(b)の成分iii)が下記の群から選択される化合物である請求項1記載の組成物:N−フェニルアミノプロピル−トリメトキシシラン、ビス−(γ−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−シクロヘキシルアミノプロピル−トリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピル−トリメトキシシラン、N−ブチルアミノプロピル−トリメトキシシラン、N−ブチルアミノプロピル−トリアシロキシシラン、3−(N−エチル)アミノ−2−メチルプロピル−トリメトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−トリメトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−トリエトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−アルキルジメトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−アルキルジエトキシシラン、4−(N−エチル)アミノ−3,3−ジメチルブチル−ジアシロキシシラン、及び3−(N−エチル)アミノ−2−メチルプロピル−メチルジメトキシシラン。
【請求項10】
化合物(a)及び(b)の成分iii)が次式(VI)で表される化合物である請求項1記載の組成物:
【化6】

式中、X及びYは前記と同意義であり、R及びRは炭素原子数が1〜9のアルキル基を示し、R及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数が1〜9のアルキル基を示す。
【請求項11】
1種若しくは複数種の可塑剤、1種若しくは複数種の定着剤、1種若しくは複数種の触媒、及び/又は1種若しくは複数種の乾燥剤、1種若しくは複数種の均展剤、1種若しくは複数種の湿潤剤、1種若しくは複数種の流れ調整剤、1種若しくは複数種の皮張り防止剤、1種若しくは複数種の消泡剤、1種若しくは複数種のフィラー、1種若しくは複数種の粘度調整剤、1種若しくは複数種の顔料、1種若しくは複数種の染料、1種若しくは複数種の紫外線吸収剤、1種若しくは複数種の熱安定剤、及び/又は1種若しくは複数種の酸化防止剤。
【請求項12】
組成物中に、化合物(a)の成分i)、化合物(a)の成分ii)、化合物(a)の成分iii)、化合物(b)の成分i)、化合物(b)の成分ii)、及び化合物(b)の成分iii)が該組成物の重量に基づいてそれぞれ40〜99重量%、0.5〜30重量%、0.5〜35重量%、2〜30重量%、25〜60重量%、及び20〜65重量%存在する請求項1記載の組成物。
【請求項13】
化合物(a)の成分ii)対化合物(a)の成分i)のNCO:OH当量比が1.5:1〜2.5:1である請求項1記載の組成物。
【請求項14】
化合物(b)の成分ii)対化合物(b)の成分i)のNCO:OH当量比が1.5:1〜2.5:1である請求項1記載の組成物。
【請求項15】
化合物(a)の成分i)と成分ii)との反応生成物対化合物(a)の成分iii)のNCO:NH当量比が1.5:1〜2.5:1である請求項1記載の組成物。
【請求項16】
化合物(b)の成分i)と成分ii)との反応生成物対化合物(b)の成分iii)のNCO:NH当量比が1.5:1〜2.5:1である請求項1記載の組成物。
【請求項17】
シランを末端基とする第1ポリウレタン(a)及び第2ポリウレタン(b)が組成物の重量に基づいてそれぞれ45〜90重量%及び10〜55重量%存在する請求項1記載の組成物。
【請求項18】
請求項1記載の組成物と共に、1種若しくは複数種の顔料、1種若しくは複数種の可塑剤及び1種若しくは複数種のフィラーから選択される1種若しくは複数種の添加剤を含有する塗料組成物、シーラント組成物又は接着剤組成物。
【請求項19】
請求項18記載の塗料組成物を支持体の表面の少なくとも一部へ塗布することを含む支持体の塗装方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法によって調製される被覆支持体。
【請求項21】
支持体が木材、金属、プラスチック、紙、セラミックス、鉱物、石材、ガラス及びコンクリートから成る群から選択される1種若しくは複数種の材料を含有する請求項19記載の方法。
【請求項22】
支持体が木材、金属、プラスチック、紙、セラミックス、鉱物、石材、ガラス及びコンクリートから成る群から選択される1種若しくは複数種の材料を含有する請求項20記載の被覆支持体。
【請求項23】
下記の工程 i)〜 iii)を含む第1被着体と第2被着体の接合方法:
i)請求項18記載の接着剤組成物を第1被着体の表面の少なくとも一部及び第2被着体の表面の少なくとも一部へ塗布し、
ii)第1被着体の接着剤組成物具有表面及び第2被着体の接着剤組成物具有表面を接触させることによって接合アセンブリーを形成させ、次いで
iii)接合アセンブリーに含まれる接着剤組成物を硬化させる。
【請求項24】
請求項23記載の方法によって形成されるアセンブリー。
【請求項25】
第1被着体及び第2被着体が相互に独立して下記の群から選択される1種若しくは複数種の材料を含有する請求項24記載のアセンブリー:木材、金属、プラスチック、紙、セラミックス、鉱物、石材、ガラス及びコンクリート。
【請求項26】
第1被着体及び第2被着体が相互に独立して下記の群から選択される1種若しくは複数種の材料を含有する請求項23記載の方法:木材、金属、プラスチック、紙、セラミックス、鉱物、石材、ガラス及びコンクリート。




【公表番号】特表2007−514819(P2007−514819A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545359(P2006−545359)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/042033
【国際公開番号】WO2005/061622
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】