説明

シラン処理シリカフィルター媒体を用いてサンプル内の成分を分離する方法

【課題】1以上の目的成分をサンプルより分離する方法を提供する。
【解決手段】シラン処理により表面上の活性基が1以上のシランと反応されたもみ殻灰、カラスムギ灰または珪藻土をシリカフィルター媒体として用い、(a)粒子状および可溶性物質を含有するサンプルをシリカフィルター媒体でろ過し、(b)粒子状物質の捕捉および目的とする可溶性成分のシリカフィルター媒体へ結合することにより同時に分離し、(c)次いで、結合した可溶性目的成分をシリカフィルター媒体より溶離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は1以上の目的成分を粒子状物質および可溶性成分を含有するサンプルより分離する方法に関する。より詳細には、本発明はシラン処理シリカフィルター媒体例えば、もみ殻灰をタンパク質の分離および粒子状物質の捕捉を同時に行うために用いる方法に関する。粒子状物質としては微生物が例示される。
【背景技術】
【0002】
生化学分野においての物質の製造には、多くの生物学的成分に取り囲まれている特定の物質を単離、分離および生成する工程が必須である。該物質が発酵生成物、組み換え植物植物体または形質転換ヤギのミルクであるかにかかわらず、目的物質は合理的に純粋な状態で回収されなくてはならない。出発物質が非常に複雑である場合、目的成分の単離は特に困難となり得、コストのかかる作業が必要になりがちである。単離にかかる操作を減らし、回収操作を単純化する技術がバイオテクノロジー及びその他の水処理、食品、飲料、化学品産業を含む産業において望まれている。
【0003】
微生物から製品を分離することは非常に重要である、というのは微生物による汚染は醸造、ワイン製造、ジュースおよび飲料、乳業、工業用酵素医薬を含む多くの産業において共通した問題だからである。加熱滅菌およびサイズによるろ過は間違いなく今まで最もよく用いられてきたその解決手段である。これらの方法のそれぞれは、利点と欠点を有している。加熱滅菌の主な欠点は高温で影響を受けない製品にしか使えないということである。サイズを基準としたろ過は、コストと時間がかかるという欠点を有している。さらに、必要な成分が細菌と同じような大きさの場合、例えば酪農食品工業においては用いることができない。
【0004】
単なる分離のための方法として開発されたものには、膨張層吸着及びクロマトグラフィー法が例示される。膨張層吸着により、可溶性成分と微粒子成分の両方を含む発酵混合物から可溶性成分が捕捉される。この方法はサンプルを膨張層へ適用する前に、前ろ過をする必要がない。発酵混合物は吸収ビーズの層を通って上向きに流される;上向きの流れはビーズを持ち上げ、ビーズが上向きに膨張するに従ってビーズをかき混ぜる。可溶性成分はビーズに捕捉され、一方粒子状物質はビーズの周囲を流れて層の上部より排出される。この技術は今まで広く使われていたわけではない、というのはスケールアップが難しい、安定な層の維持、層の上部からのビーズの持ち出し、発酵混合物によるビーズの汚染、ビーズの洗浄と再利用、ビーズの寿命および吸着工程の種々の圧力低下などさまざまな技術的なハードルがあるからである。
【0005】
固-液クロマトグラフィーは流体と固体吸着体の間への溶質の分配に基づく方法である。多くの異なる固体吸着体(一般に「固定層パッキング」と呼ばれる)がクロマトグラフィーには用いられる。固定層パッキングの相違により、クロマトグラフィーの種類が相違するが、一般に相互作用の機構により分類されている。相互作用は下記のうちの1以上のものであり得る:電荷(イオン交換クロマトグラフィー);ファンデルワールス力(疎水性相互作用クロマトグラフィー);サイズおよび形状(サイズ排除);親和性(例えばタンパク質-A、ビオチン-アビジン、ビオチン-ストレプトアビジン、抗体、レクチン、抗体、ペクチン、染料、リガンド、固定化金属親和性)(参考:"Biochemical Engineering" Harvey W.BlanchおよびDouglas S.Clark、Marcel Dekker Inc、1996;p 502-506)。カスタム親和性クロマトグラフィークロマトグラフィーは特定のタンパク質を捕捉するようデザインされており、各捕捉したいタンパク質それぞれに対する特異的なリガンドを有する特異的なな親和性を有する媒体を必要とする。一般に、クロマトグラフィーは汚れ成分を除去するための前ろ過工程が必要とされる。
【0006】
ろ過は仕込んだ流体を多孔性媒体を通過させることによって粒子を除去するものである。粒子は物理的トラップおよび媒体への結合を含む種々の機構によってフィルター媒体に捕捉される。種々の媒体を用いるろ過方法は廃水処理、ワイン醸造、飲料製造および工業用酵素製造等において粒子状物質を除去するために用いられている。
【0007】
フィルター媒体はフィルターエイドとしても知られ、遊離粒子であっても構造体であってもよい。フィルター媒体はろ過される液体に溶解しない粒子状の固体であってよく。粒子は液体に添加されても、フィルター上もしくはフィルター支持体を被覆してもよい。フィルター媒体を用いる理由は、ろ過のスピードを上げる、フィルター表面の付着物を減少させる、減少させる、フィルター層の割れを減少させる、その他ろ過を改善するというものである。フィルター媒体としてしばしば用いられる物質としては、セルロース繊維、珪藻土、木炭、膨張パーライト、アスベスト繊維などが例示される。
【0008】
フィルター媒体はしばしば、その物理的形状によって説明される。一部のフィルター媒体は本質的に不連続な膜であり、汚染物質を膜表面上に保持することによって機能する(表面フィルタ)。これらのフィルター媒体はそもそも機械的な張力によって機能し、フィルター媒体の孔のサイズが液体から除去しようとする粒子サイズより小さいことが重要である。かかるフィルター媒体は通常低い流速およびすぐに詰まってしまう傾向がある。
【0009】
他のフィルター媒体としては多孔性支持体もしくは基板上に形成した微細な繊維状または粒子状物質の多孔性ケーキもしくは層が例示される。ろ過される溶液は微細な物質の隙間に形成された孔の通り道を通って流れ、粒子状の汚染物質がフィルター媒体に保持される。フィルター媒体の深さのために、係るフィルターは深型フィルターと呼ばれる(表面フィルターの反対の意)。深型フィルターはふるい機構および静電粒子捕捉機構により汚染物質を捕捉する。静電捕捉モードにおいては、フィルター媒体が小さな孔径を有する必要がある。かなり大きな孔の大きさを有するフィルター媒体を用いて要求された懸濁粒子状汚染物質の除去が達成できれば、より速い流速で行うことができ、魅力である。さらに、より高い粒子保持能を有するフィルターであれば、詰まる傾向が減る。
本発明ではシラン処理シリカ媒体を用いて、種々の濁り生成性物質および粒子状物質をアルコール、果実および野菜飲料から除去する。
【0010】
バイオテクノロジーおよびその他の工業において、目的とする成分を単離するコストの安い方法が望まれている。生物分子を分離するために低コストの原材料を用いることが望ましい。
【0011】
もみ殻灰は稲作農業の副産物であり、米は世界の人口の半分にとっての主食である。現在、食べることのできないもみ殻は燃料源、肥料および詰め物として用いられているもみ殻が焼かれると、構成粒子状物質の表面上に酸性ヒドロキシル部分(OH または粒子-OH)の結合した物質であって、非常に粒子状シリカまたはヒュームドシリカの粒子-OHとよく似た物質が副生成物として得られ、これがフィルターエイドとして有用であることが示されている。米国特許第4,645,605号はもみ殻灰をフィルター媒体として用いることを開示する。
【0012】
米国特許第4,645,567は微細な粒子径の汚染物質を流体からろ過するために、種々の多孔性フィルター媒体を用い、汚染流体をこのフィルター媒体に通す方法を開示する。フィルターとして機能するためには、フィルター媒体は流体(通常水)を通し、粒子を押しとどめしなくてはならない。微粒子の押しとどめは複数のろ過メカニズムによって行うことができる、即ち(a)機械的な押しとどめおよび(b)粒子捕捉。機械的な押しとどめにおいては、微粒子は自身より小さい孔を通過しようとした場合に物理的にトラップされる。粒子捕捉においては、粒子は多孔性フィルター媒体内の表面へぶつかり、近距離引力によって表面上へ保持される。
【0013】
WO 02/083270は受動ろ過のフィルター系を開示する。このシステムには:取り入れ口と排出口を有するハウジング;取り入れ口取り入れ口と排出口の間に設置されたプレート状カーボンフィルターが、流入に応じて蒸気ろ過して放出するために設置されている;そしてこのプレート状カーボンフィルターにはシラン組成物を含有する疎水性溶液が分散されており、これによって水の吸着を阻害し、カーボンフィルターの吸着能、特に高い相対湿度環境で行う場合の吸着能を上げるものである。疎水性溶液はカーボンフィルターの吸着能を下げないように選ばれる。
【0014】
米国特許第6,524,489号はより進んだコンポジット媒体を開示する。ここでは不均質の媒体粒子であって、各粒子が:(i)珪藻岩、膨張パーライト、軽石、黒曜石、ピッチストーンおよび火山灰からなる群から選択される機能性成分;および(ii)ガラス、天然および合成結晶鉱物、熱可塑性樹脂、熱にて硬化する熱硬化性樹脂、もみ殻灰、および界面骨針からなる群から選択されるマトリックス成分を含有し;前記マトリックス成分の軟化点が前記機能性成分の軟化点より低い;および前記機能性成分が密接にそして直接前記マトリックス成分に結合しているコンポジット媒体が開示される。この進んでコンポジット媒体をジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザンまたはアミノプロピルトリエトキシシランにて処理してもよい。
【0015】
Snyderらはオルガノシラノール、オルガノジメチルアミンまたはオルガノアルコキシシランと高表面積シリカ支持体とを、重合することなく反応させて得られたクロマトグラフィー結合相パッキングを開示する。(L.R.SnyderおよびJ.J.Kirkland、Introduction to Modern Liquid Chromatography、2nd edition、Wiley-Interscience、N.Y.1979。272-280)
Royらl(J.Chrom.Sci.22:84-86(1984))はイオン交換(DEAE、カルボキシ、およびスルホン)シリカをグリシドキシプロピルシリルシリカのエポキシ官能基を用いて調製するほう法を開示する;イオン交換シリカはカラムクロマトグラフィーにおいて牛血清アルブミンおよびウシγ-グロブリンを分離するのに用いられる。
【0016】
一般にSnyderおよびRoyの開示する処理されたクロマトグラフィー用シリカ大規模の繰り返しろ過および単離工程に用いるには値段が高すぎる。
【0017】
サンプルから目的成分の単離を大規模に行うのに適した改善された抵コストの工程が望まれている。望まれているのは、低コストの原材料が用いられ、大規模製造に適切に用いられ、サンプルの前処理が不要な方法である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は1以上の成分、特に目的とする生物分子を粒子状および可溶性物質を含有するサンプルから分離する方法を提供する。本発明の特徴は、1以上のシランで表面が処理されフィルター媒体でサンプルをろ過することにある。好ましいフィルター媒体はシリカフィルター媒体である。本方法は粒子状物質のろ過による捕捉および可溶性物質のシリカフィルター媒体上への結合を同時に達成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の方法の1態様は下記工程:(a)サンプルを処理されたシリカフィルター媒体でろ過する、(b)シリカフィルター媒体上への粒子の捕捉および目的可溶性成分の結合を同時に行う、および(c)結合された目的可溶性成分をシリカフィルター媒体から溶出する、を含有する。
【0020】
本発明の方法の別の態様は下記工程:(a)サンプルを処理されたシリカフィルター媒体でろ過する、b)シリカフィルター媒体上への粒子の捕捉および望ましくない可溶性成分の結合を同時に行う、および(c)ろ液を回収する、および(d)ろ液より目的可溶性成分を回収する、を含む方法である。
【0021】
さらに別の本発明の方法は、下記工程:(a)サンプルを処理されたシリカフィルター媒体でろ過する、(b)粒子成分の除去およびシリカフィルター媒体上への第1の目的可溶性成分の結合を同時に行う(c)ろ液を集める(d)第2の目的可溶性成分をろ液から回収する、(e)結合された目的可溶性成分をシリカフィルター媒体から溶出する、および(f)第1の目的可溶性成分を回収する、を含む方法である。
【0022】
本発明の実施形態の1つにおいて、粒子状物質は微生物である。シラン処理されたフィルター媒体へ捕捉されるのに加えて、シラン処理されたフィルター媒体に接触した微生物は殺されることがわかっている。
【0023】
本発明はシラン処理されたフィルター媒体に関する。好ましい処理されたシリカフィルター媒体は4級アンモニウム官能基またはスルホネート基を有するシラン処理もみ殻灰である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1Aはタンパク質結合、および図1B はタンパク質放出、未処理珪藻土(FW12)、未処理もみ殻灰、HQ50(市販の第4級アミン陰イオン交換樹脂)および表面処理もみ殻灰(シリカフィルター媒体サンプル4および6)。
【図2】図2はタンパク質結合およびタンパク質放出を表面処理もみ殻灰を用いて行ったものである。図2A はシリカフィルター媒体サンプル7および8の結果。図2B はサンプル9および10の結果。図2C はサンプル11および12の結果である。
【図3】図3はタンパク質結合およびタンパク質放出を表面処理もみ殻灰を用いて行ったものである。図3A はサンプル14の結果。図3B はシリカフィルター媒体サンプル13および15の結果。図3C はサンプル16および17の結果。図3D はサンプル18および19、図3E はサンプル20の結果である。
【図4】図4はタンパク質結合およびタンパク質放出を表面処理もみ殻灰を用いて行ったものである。図4A はシリカフィルター媒体サンプル41および未処理RHAのの結果。図4B は多孔性HS50の結果である。
【図5】図5はタンパク質結合およびタンパク質放出を示す。図5A はシリカフィルター媒体サンプル42の結果。図5B はサンプル40および未処理RHAの結果。図5C はセライト512の結果。図5D はサンプル29および未処理RHAの結果である。
【図6】図6は動的タンパク質結合およびタンパク質放出を表面処理RHA(サンプル9)を用いて行った結果である。
【図7】図7Aは未処理もみ殻灰および図7B はシリカフィルター媒体サンプル19で、粒子ろ過および可溶性成分捕捉/放出を同時に行うためのものを示す。
【図8】図8はシリカフィルター媒体サンプル19および未処理RHAで、粒子ろ過および可溶性成分放出を同時に行うためのものを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は1以上の目的成分をサンプルから分離する方法に関する。本発明の1の実施形態は:下記工程:(a)サンプルを処理されたシリカフィルター媒体でろ過する、(b)シリカフィルター媒体上への粒子の捕捉および目的可溶性成分の結合を同時に行う、および(c)結合された目的可溶性成分をシリカフィルター媒体から溶出する、を含む。この実施形態においては、目的分子は始めにシリカフィルター媒体へ結合し、およびその後溶出により回収される。任意に、不溶性目的成分を粒子状物質から回収してもよい。
【0026】
本発明の別の実施形態においては下記工程:(a)サンプルを処理されたシリカフィルター媒体でろ過する、b)シリカフィルター媒体上への粒子の捕捉および望ましくない可溶性成分の結合を同時に行う、および(c)ろ液を回収する、および(d)ろ液より目的可溶性成分を回収する、を含む方法である。ろ液から得られた可溶性目的成分はさらに精製してもよい。この実施形態において、可溶性目的成分はシリカフィルター媒体へ結合せず、ろ液から回収される。任意に、不溶性目的成分を粒子状物質から回収してもよい。
【0027】
本発明のさらに他の実施形態においては下記工程:(a)サンプルを処理されたシリカフィルター媒体でろ過する、(b)粒子成分の除去およびシリカフィルター媒体上への第1の目的可溶性成分の結合を同時に行う(c)ろ液を集める(d)第2の目的可溶性成分をろ液から回収する、(e)結合された目的可溶性成分をシリカフィルター媒体から溶出する、および(f)第1の目的可溶性成分を回収する、を含む方法を提供する。本実施形態においては、第1の目的成分がシリカフィルター媒体へ結合し、第2の目的成分はシリカフィルター媒体へ結合しない。任意に、不溶性目的成分を粒子状物質から回収してもよい。
【0028】
本発明には任意に更なる工程を有していてもよい。ろ過工程(ステップ(a))に先だって、粒子および可溶性成分を含有するサンプルを最初に処理されたシリカフィルター媒体と、処理されたシリカフィルター媒体表面へ該成分が十分に結合する時間の間、接触させてもよい。サンプルと処理されたシリカフィルター媒体を混合して行う反応は、いかなる機械的混合によって実施してもよく、例えば、かき混ぜ、かくはん、ボルテックスなどが例示される。成分が処理されたシリカフィルター媒体に結合した後、混合物をろ過装置にかけ、サンプルを次いでフィルター媒体でろ過する。
【0029】
「サンプル」の語は液体、溶液、懸濁またはエマルションであって複数の成分の混合物を意味する。サンプルは通常可溶性成分および粒子状成分を含有する。特に対象とされるのは“生物学的サンプル”であり、これは生物組織および/または流体であって、例えば、ポリペプチド、脂質、炭水化物、リポタンパク質、多糖、糖、脂肪酸、ポリヌクレオチドまたはウイルスなどの生物分子を含有するものである。生物学的サンプルには組織切片、例えば組織学評価のための凍結切片が含まれていても良い。本発明に適したサンプルには細胞溶解物、培養液、食品および特に乳製品、血液、飲料(例えばジュース、ビール、ワイン)、および例えば、タンパク質などの生物分子を含有する溶液もしくは懸濁液が例示される。“タンパク質”は天然、合成および操作されたペプチドまたはポリペプチドを意味し、酵素、例えば、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、イソメラーゼ、リガーゼ、およびヒドロラーゼ、抗体、ホルモン、サイトカイン、成長因子その他の生物調節因子が例示される。
【0030】
ろ過は仕込んだ流体を多孔性媒体を通過させることによって粒子を除去するものである。粒子は物理的トラップおよび媒体への結合を含む種々の機構によって媒体に捕捉される。本発明は種々のタイプのシリカ媒体フィルターを用いて以下に限定されるわけではないが、例えば汚水処理、ワイン醸造、ジュースおよび飲料製造、酪農、およびタンパク質例えば酵素の工業的製造など様々な場面で粒子状物質を除去する方法を提供する。
【0031】
「粒子状物質」の語は肉眼で見える不溶性物質もしくは顕微鏡で見える微細な粒子状物質を意味する。
【0032】
肉眼で見える粒子はヒトの目で見えるものをいい、限定するものではないが沈殿物、封入体および結晶が含まれる。封入体は細胞内コンパートメントで不溶性で不正に折りたたまれたタンパク質である。結晶は過飽和溶液より規則的かつ繰り返し生じる分子の凝集によっ形成される。沈殿はランダム凝集の非晶質である。肉眼で見える粒子は有機物起源であっても無機物起源であってもよく、タンパク質とタンパク質、塩とタンパク質、塩と塩、タンパク質とポリマー、などの相互作用によって生成される。微細な粒子は顕微鏡下でのみ視認できる粒子である。粒子の例としては、微生物を含む。本発明の方法により好適に捕捉され、生物的サンプルより除くことができる微生物としてはグラム陽性細菌、グラム陰性細菌、菌、酵母、カビ、ウイルス等が例示される。
【0033】
本発明の特徴はろ過工程において処理されたシリカフィルター媒体を用い、可溶性物質をシリカフィルター媒体へ結合させ、粒子状物質をろ過によって捕捉するところにある。本発明はしばしば粒子を除去するためのクロマトグラフィー手段を用いる前ろ過工程を必要としない。可溶性成分はシラン処理シリカフィルター媒体上へいくつかのメカニズム例えば、親水性、疎水性、親和性および/または静電相互作用、によって結合する。本発明の方法に用いられるシリカフィルター媒体は、その表面がシラン類に処理されるのに適しており、工業的ろ過に用いるのに適した構造特性を有している。シリカフィルター媒体としては、これらに限定されるわけではないが、もみ殻灰、カラスムギ殻灰、珪藻土、パーライト、,タルク、および粘土が例示される。
【0034】
もみ殻灰は稲作農の副産物である。米の穀粒は外殻に守られており、これは収穫重量のおよそ17-24%を占める。籾殻は71-87%(w/w)の有機成分、例えば、セルロースおよび13-29%(w/w)の無機成分からなる。この無機分画のかなりの部分、87-97%(w/w)はシリカ(SiO)である。現在、食べられない籾殻は燃料、燃料、肥料、および詰め物として用いられる。籾殻を焼くと、構成されるシリカ成分(通常90%以上)が副成分として生成する。もみ殻灰(RHA)は他の遊離シリカフィルター媒体と比してより大きな表面領域およびより孔の多い構造を有している。これらの性質によりRHAは本発明において好ましい処理されたフィルター物質である。
【0035】
珪藻土(珪藻岩珪藻岩)はシリカ沈殿物が堆積したものであり、珪藻、即ち海水もしくは真水環境下に蓄積する単細胞藻類様植物の化石化した骨格から構成される。そのハニカム状のシリカ構造のおかげで珪藻岩は例えば、吸収性、表面面積、化学的安定性および低い嵩密度等の有用な性質を有している。珪藻岩は90%のSiO+Al、Fe、Ca およびMg 酸化物を有している。
【0036】
パーライトは天然の薄片状火山岩の総称であり、熱処理により膨張させることができるものである。膨張パーライトとしては2ポンド/立方フィート(32kg/m)もの軽量のものを製造することができる。パーライトは天然ガラスの一形態であり、化学的に不活性として分類され、おおよそ7のpHを有する。パーライトはシリカ、アルミニウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、鉄、酸化カルシウム、およびマグネシウムオキシドを含有する。加工された後、液体から微粒子をろ過して除去するのに好適な多孔質構造を有するパーライトは、深型ろ過に好適に用いられる。
【0037】
タルク(,タルカム)は天然の水和マグネシウムシリケート、3MgO 4SiO HOである。粘土は水和アルミニウムシリケート、AlO SiO xHOである。上記のシリカフィルター媒体物質の混合物を最適なろ過とコストパフォーマンスを達成するために用いるてもよい。もみ殻灰または珪藻土は任意に種々の精製および/または洗浄処理に付した後に表面シラン処理に付してもよい。
【0038】
シリカフィルター媒体を予め定めた量の機能性シラン(またはシラン類)をその表面へ結合させることによって処理する。処理されたシリカフィルター媒体は液体中の成分を、例えば静電、親水性、疎水性、親和性相互作用、および/または物理的捕獲により捕捉する。静電相互作用によって、荷電したシリカフィルター媒体はサンプル中にある反対の電荷を有する成分吐血号する。親水性相互作用によって、シリカフィルター媒体中の水への強い親和性を有する部分がファンデルワールス相互作用により成分の極性基を引きつける。疎水性相互作用によって、シリカフィルター媒体の炭化水素長鎖を有する部分が成分の非極性基を引きつける。処理されたシリカフィルター媒体は選択的に物質(所望の物質または不要な物質)を分離工程において捕捉し、これによって非処理シリカフィルター媒体を用いる場合と比してより良い分離が達成される。処理されたシリカフィルター媒体は非処理シリカフィルター媒体を用いる場合と比べて好適には同等もしくは改善された流速を示す。
【0039】
シリカフィルター媒体の基材物質の形状は適用可能であればどのようなものでもよく球、繊維、フィラメント、シート、厚板、ディスク、ブロック、フィルム等が例示される。シリカフィルター基材物質はカートリッジ、ディスク、プレート、膜、織物、スクリーン等に形成されてもよい。未処理シリカフィルター媒体の比表面積は好ましくは1m/gより大きく、より好ましくは10m/gより大きいものである。より大きな表面積を有するシリカフィルター媒体が好ましいというのは、より広い範囲の表面処理が可能だからである。さらに大きな孔を有する媒体であれば、流速が速くなる。しかしながら、孔大きい物質は比較的低い表面積となる。大きな表面積と大きな孔サイズのバランスにより、表面処理と流速を達成する。これらの基材の表面の性質は例えば、NMR(核磁気共鳴その他の技術)、SEM(走査電子顕微鏡)、BET(Brunauer-Emmett-Teller)表面積測定技術などで分析でき、炭素-水素-窒素含量は当業者に良く知られた燃焼法で測定することができる。
【0040】
シリカフィルター媒体の表面処理に有用なシランとしては、いかなるタイプの有機シランであってもよく、イオン型非イオン型いずれでもよい。好適なシランは一般式(R)xSi(R)3-x で示される:
[式中、Rは典型的にはシリカフィルター媒体表面上の活性基と反応する加水分解性部分(例えば、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、アリールオキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、アミノアシル、またはアシルアミノ、アルキルエステル、もしくはアリールエステル)であり、好ましい加水分解性部分はアルコキシ基、例えばメトキシまたはエトキシ基である;
X 3、1より多いシロキサン結合はフィルター粒子とシランの間に形成される;
は処理工程においてフィルター表面と反応しない炭素含有部分であり、例えば、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルカリル、アルキルシクロアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、複素環、シクロアルカリル、シクロアルケニルアリール、アルキルシクロアルカリル、アルクシクロアルケニルアリール、またはアリールアルカリルである、
は表面の反応が終了した後にシリコン原子に化学的に結合して残る有機部分であり、好ましくはろ過課程において目的成分と相互作用しうるものである;例えばRは水素、アルキル、アルケニル、アルカリル、アルキルシクロアルキル、アリール、シクロアルキル、、ヘテロアリール、複素環、シクロアルカリル、シクロアルケニルアリール、アルクシクロアルカリル、アルクシクロアルケニルアリール、アリールアルカリル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルエステル、アリールエステル、カルボキシ、スルホネート、シアノ、アミノアシル、アシルアミノ、エポキシ、ホスホネート、イソチオウロニウム、チオウロニウム、アルキルアミノ、4級アンモニウム、トリアルキルアンモニウム、アルキルエポキシ、アルキル尿素、アルキルイミダゾール、またはアルキルイソチオウロニウムであってよい;
ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、および複素環基上の水素はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、またはシアノと置換されていてもよい。
【0041】
1以上のシランがヒドロキシル基を有する多孔性シリカフィルター媒体の表面に共有結合することができる。シリカフィルター媒体の表面積によりシランの結合量が決まる。
【0042】
本発明においてシリカを処理するのに有用なシランは好ましくは下記アルコキシ、4級アンモニウム、アリール、エポキシ、アミノ、尿素、メタクリレート、イミダゾール、カルボキシ、カルボニル、イソシアノ、イソチオウロニウム、エーテル、ホスホネート、スルホネート、ウレタン、ウレイド、スルフヒドリル、カルボキシレート、およびイオン性からなる群から選択される部分を有するものである。アルコキシ部分を有するシランとしてはモノ-、ジ-、またはトリアルコキシシランが例示される。
【0043】
4級アンモニウム部分を有するシランとしては3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、または3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)−プロピルトリメトキシシランハイドロクロライドが例示される。アリール部分を有するシランとしては3−(トリメトキシシリル)−2−(p,m−クロロメチル)−フェニルエタン、2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシシリルプロポキシ)−ジフェニルケトン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシランおよびフェニルジメチルエトキシシランが例示される。エポキシ部分を有するシランとしては3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが例示される。アミノ部分を有するシランとしては3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、トリメトキシシリルプロピルポリエチレンイミン、およびビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランが例示される。
【0044】
尿素部分を有するシランとしてはN−(トリエトキシシリルプロピル)ウレアおよびN−1−フェニルエチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレアが例示される。メタクリレート部分を有するシランとしては3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートが例示される。スルフヒドリル部分を有するシランとしては3−メルカプトプロピルトリエトキシシランが例示される。イミダゾール部分を有するシランとしてはN−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]イミダゾールおよびN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールが例示される。イオン性シランとしては3−(トリメトキシシリル)プロピル−エチレンジアミントリ酢酸トリナトリウム塩; トリメトキシシリルプロピル−エチレンジアミン、トリ酢酸トリナトリウム塩および3−(トリヒドロキシシリル)プロピルメチルリン酸ナトリウム塩が例示される。カルボニル部分を有するシランとしては3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物が例示される。イソシアノ部分を有するシランとしてはトリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートおよび3−イソシアナ−トプロピルトリエトキシシランが例示される。エーテル部分を有するシランとしてはビス[(3−メチルジメトキシシリル)プロピル]−ポリプロピレンオキシドが例示される。
【0045】
スルホネート部分を有するシランとしては2−(4−クロロスルホニルフェニル)−エチルトリクロロシランが例示される。イソチオウロニウム部分を有するシランとしてはトリメトキシシリルプロピルイソチオウロニウムクロライド。アミド部分を有するシランとしてはトリエトキシシリルプロピルエチル−カルバメート、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−グルコンアミド、およびN−(トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミドが例示される。ウレタン部分を有するシランとしてはN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタンおよびO−(プロパルギルオキシ)−N−(トリエトキシシリルプロピル)ウレタンが例示される。
【0046】
シリカフィルター媒体さらに1以上のシランにて処理してもよく、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシランとN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;3−トリヒドロシリルプロピルメチルリン酸、ナトリウム塩およびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−Cl、トリメチルアンモニウムクロリドおよび(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン;3−トリヒドロシリルプロピルメチルリン酸、ナトリウム塩およびビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン;3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)−プロピルトリメトキシシランハイドロクロライドおよびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジンおよびN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−グルコンアミド;N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−Cl、トリメチルアンモニウムクロリドおよびN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−グルコンアミド;N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−Cl、トリメチルアンモニウムクロリドおよび2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシシリルプロポキシ)−ジフェニルケトン;3−メルカプトプロピルトリエトキシシランおよびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物およびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;トリメトキシシリルプロピル−エチレンジアミン、トリ酢酸、トリナトリウム塩およびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;2−(4−クロロスルホニルフェニル)−エチルトリクロロシランおよびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;および2−(4−クロロスルホニルフェニル)−エチルトリクロロシランおよびビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのような組合せにより処理してもよい。
【0047】
シラン処理シリカフィルター媒体は一般式
【化1】

[式中、R、R、R、およびxはシリコン(Si)に直接結合する基が4以下である限り、上記と同意;
、R、Rは独立して水素、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルカリル、アルキルシクロアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、複素環、シクロアルカリル、シクロアルケニルアリール、アルクシクロアルカリル、アルクシクロアルケニルアリール、エーテル、エステルまたはアリールアルカリル;
、R、Rは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルカリル、アルキルシクロアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、複素環、シクロアルカリル、シクロアルケニルアリール、アルクシクロアルカリル、アルクシクロアルケニルアリール、またはアリールアルカリル基であって、2つの共有結合を形成できる基である。]
【0048】
シリカフィルター媒体表面のシラノール基は下記一般反応式に沿って処理される:
【化2】

【0049】
[式中、粒子−OHは表面に活性部位を有するフィルター粒子である。Rは例えばメトキシ(CHO−)またはエトキシ(CHCHO−)などの不安定なシランの脱離基であって、粒子表面のヒドロキシ基、または表面に結合していない他の加水分解されたシラン分子の反応性基と相互作用する。13;nは反応したR基の数、およびnx]
【0050】
過剰量の反応性シランを長時間無水条件下で反応させると、多孔性物質の総活性部位の25%から50%のみの反応という結果となる、というのは、さらなる反応は固定化された残基間の立体障害により阻まれ、さらに奥深く埋め込まれた粒子−OH基へのアクセスもまた阻まれているからである。本発明の目的のため、かかる立体的事情より用いることができる部位を「飽和範囲」と名付けるが、この「飽和範囲」は特定の残基の立体的な要求によって決まる。この飽和範囲の名は1以上の不安定な脱離基を有する反応性シランにつけられるものである。無水条件下では、かかるシランはモノレイヤーを形成し不定飽和度の複数層を形成することはない。しかしながら、水性条件下においては、複数層が多官能シランを有する表面上に形成される。
【0051】
シリカフィルター媒体表面のシラン処理は本質的に「ウエット」あるいは本質的に「ドライ」な工程のいずれで行ってもよい。本質的にウエットな工程においては溶媒(有機溶媒または水))中のシリカフィルター媒体表面上へシラン基を、所望により加熱して反応させる。加熱または溶媒の添加は反応に不要である。しかしながら、加熱または溶媒により反応速度が改善され、均一な表面被覆が達成される。本質的にドライな工程はシリカフィルター媒体上へシラン基を蒸気相または高度に攪拌した液体相中で、シランとシリカフィルター媒体を直接混合し、次に加熱することによって反応させる。
【0052】
シリカフィルター媒体をシランで処理する好ましい方法は、反応させるシランを徐々に、直接多孔性シリカフィルター媒体に接触している溶媒を激しく攪拌しているところへ添加するというものである。他の好適な方法は、処理を蒸気相で行うこと、即ち反応性シランの上記がシリカフェイルター媒体へ接触および反応するようにすることである。例えば、多孔性物質を吸引反応槽に置き、吸引下で乾燥する。すばやく反応するシランを次いで、該吸引槽へ蒸気として投入し、該多孔性物質に接触させる;一定の接触時間の後、反応の副生成物を減圧下で除去する。次いで吸引を解消し、多孔性物質を反応槽より取り出す。
【0053】
実際の処理工程は1分から24時間の間に行われる。一般に、本発明の目的のためには処理を約30分から6時間かけて行い、フィルター補助材の表面の均一な処理を確実とすることが好ましい。処理は0〜400℃の温度範囲で行うことが好ましい。好ましい処理温度は室温(22〜28℃)から200°範囲内の温度である。
【0054】
本発明で用いられる反応させるシランの量は表面の反応させようとするヒドロキシル基の数およびシランの分子量によって決まる。典型的には、副反応の可能性を見越して利用可能な表面のヒドロキシル基の化学量論の当量プラス多少の過剰量の反応性シランを表面ヒドロキシル基の処理に用いる。より厚く外側表面処理を行うことが望ましい場合には、さらなる反応性シランを用いればよい。典型的には0から10(好適)、0から20、または1to 50倍過剰量の反応性シランが用いられる。しかしながら、1から500倍過剰を用いることもあり得、この場合には粒子上のより多い処理となる。
【0055】
加水分解性基を有するシランは粒子-OH基と縮合してこれらの基材の有機基と共有結合を形成する。例えばシランのアルコキシ基は粒子表面上の粒子-OH基と反応する。表面-シラン相互作用は速くそして効率的である。例えば4級アンモニウム部分を有するシランが用いられる場合、プロトン化された正荷電シランは静電力により粒子の脱プロトン化された基に効率よく引きつけられ、速くそして効率の良い反応を達成する。
シラン反応シリカフィルター媒体は好ましくは目的とする成分と反応する官能性部分を有している。官能性部分としては4級アンモニウム、エポキシ、アミノ、尿素、メタクリレート、イミダゾール、スルホネートおよびその他の生物分子と反応することが知られている基が例示される。さらに該官能性部分はさらに良く知られた方法によってさらなる新しい官能基を生成して他の相互作用を起こすべく、反応されていてもよい。4級アンモニウムまたはスルホネート基を官能基として有するシラン反応粒子フィルター媒体を得るための一般的な反応式を下記に示す。
【0056】
4級アンモニウム基を有するシラン反応粒子フィルター媒体は1段階で調製することができる。所望により、2段階または3段階の工程を採用してもよい。例えば、2段階方法の第1段階で粒子表面をアミノ-官能基を有するシラン、(R)xSi(R)3-XN(R)、と反応させる。これは以前に記述した方法にて行う。次のステップで二級アミンはグリシジルトリメチルアンモニウムクロリドのエポキシド基と容易に反応する。(スキーム1参照)

スキーム1 4級アンモニウム官能性フィルターエイドの合成
【0057】
【化3】

【0058】
スルホネート官能基を有するシラン反応シリカフィルター媒体も2段階で調製することができる。第一段階では粒子表面を先に説明した方法にてエポキシ−官能基を有するシランと反応させる。次の段階では、エポキシ官能基は容易に重硫酸ナトリウムと反応してスルホネート−官能基を有するシリカフィルター媒体が得られる。(スキーム2参照)。メタ重亜硫酸ナトリウム(Na)は水で分解して重硫酸ナトリウム(NaHSO)となる。

スキーム1 スルホネート−官能性シリカフィルター媒体の合成
【化4】

【0059】
シランで処理された粒子は分離工程において可溶性物質を静電、および/または疎水性、および/または親水性相互作用機能によって捕捉する一方、粒子を除去する。処理されたシリカフィルター媒体の利点はこの分離工程を、ろ過と固相抽出を単一ステップにまとめることによって、手続きを単純化したことにある。望ましい処理されたシリカフィルター媒体の質は、非処理シリカフィルター媒体と比して同等または改善された流速(ろ過性能)を示し、1回の操作で収着により可溶性物質を捕捉することが可能なものである。
【0060】
本発明の1の実施形態においては、シリカ粒子の表面に特別な荷電基を共有結合させ、これによって静電力によって物質を捕捉する。反対の電荷を有する物資が多孔性処理表面上に結合する。静電力による引力に加えて、疎水性または親水性相互作用により疎水性または親水性リガンドを、結合および/または放出性能を改善するために配してもよい。
【0061】
処理されたシリカフィルター媒体の性質は、表面積、孔体積および孔のサイズを当業者に公知の方法、例えば、マイクロメトリクス(登録商標Micrometrics)アナライザーを用いる方法にて解析される。例えば、表面積はBET 法にて特徴付けられる。孔の体積および孔の直径はバレット―ジョイナー―ヘレンダ(Barrett-Joyner-Halenda)分析にて実施可能である。特定の官能基および分子構造はNMR分光分析によって決定される。炭素-水素-窒素含量は燃焼法にて決定される;この分析情報から粒子表面の処理レベルを計算することができる。
【0062】
例えば発酵培養物などのサンプルをシランで処理されたシリカフィルター媒体へ前ろ過処理ナシで適用することができる。1の実施形態において、サンプルは処理されたシリカフィルター媒体と共に何らかの機械的混合手段(例えば、攪拌、かきまぜ、ボルテックスなど)により、成分が処理されたシリカフィルター媒体へ結合するのに十分な時間、混合される。当業者であれば結合のための好適な時間は媒体の孔の特性、標的分子または成分のサイズ、粘度およびその他の大用量輸送制限事項によって決定されることを理解するであろう。一般に、結合が生じるための時間は数分から数時間であるが、結合は1−3日間まで継続し得る。混合物を次いでろ過ユニットを用いてろ過する。他の実施形態においては、サンプルはシランで処理されたシリカフィルター媒体を含有するろ過ユニットを用いて、サンプルとフィルター媒体を先に混合することなく処理することができる。 処理されたシリカフィルター媒体は粒子状物質を捕捉し、特定の可溶性成分を結合する一方で、結合しない可溶性成分は流れ去らせる。結合した成分は溶離溶液をろ過ユニットへ流して溶離させられ、溶離液の流れの中に回収される。有用な溶離液は塩溶液、高 pH(塩基性)溶液、低pH(酸性)溶液、カオトロピック塩およびその他の試薬が例示される。または一般的な有機溶媒またはその混合物を、回収される目的とする成分に悪影響を生じない限り、用いても良い。適当な高濃度塩溶液は NaCl、KCl、LiCl等を含む。適当なカオトロピック塩は過塩素酸ナトリウム、グアニジンハイドロクロライド、グアニジンイソチオシアナート、ヨウ化カリウムなどを含む。その他の剤には尿素および合成洗剤が含まれる。対象によっては上記成分の組合せをもちいてもよい。または、溶離溶液を用いてシリカフィルター媒体表面(粒子成分と結合分子を含む)を何らかの機械的混合手段によって、結合成分が放出されるだけの十分な時間再懸濁し、次いでろ過する方法が例示される。
【0063】
本発明の1の適用態様としてはシラン処理シリカフィルター媒体を微生物を所望の製品より除去するための適用が挙げられる。微生物汚染は醸造所、ワイナリー、ジュースの飲料工業、乳製品、工業用酵素および医薬製造において共通した問題である。出願人は本発明のシラン処理シリカフィルター媒体が抗微生物活性を有することを見いだした。細菌をこのシラン処理シリカフィルター媒体へ接触させることによって、総生細菌カウントが有意に減少する。微生物はまたシラン処理シリカフィルター媒体に捕捉される。即ち、ろ過ステップにより製品よりさらに微生物汚染を除去することが可能なのである。
【0064】
本発明はシランで処理されたシリカフィルター媒体であって、下記一般式:
【化5】

[式中、Rはアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、アリールオキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、アミノアシル、またはアシルアミノ、アルキルエステル、またはアリールエステル;
は独立して置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルカリル、アルキルシクロアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、複素環、シクロアルカリル、シクロアルケニルアリール、アルクシクロアルカリル、アルクシクロアルケニルアリール、またはアリールアルカリル;
は水素、アルキル、アルケニル、アルカリル、アルキルシクロアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、複素環、シクロアルカリル、シクロアルケニルアリール、アルクシクロアルカリル、アルクシクロアルケニルアリール、アリールアルカリル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、アリールオキシ、アミノ、アルキルエステル、アリールエステル、カルボキシ、スルホネート、シアノ、アミノアシル、アシルアミノ、エポキシ、ホスホネート、イソチオウロニウム、チオウロニウム、アルキルアミノ、4級アンモニウム、トリアルキルアンモニウム、アルキルエポキシ、アルキル尿素、アルキルイミダゾール、またはアルキルイソチオウロニウム;(ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、および複素環上の水素は任意にハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、またはシアノで置換されていてもよい);
、RおよびRは独立して水素、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルカリル、アルキルシクロアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、複素環、シクロアルカリル、シクロアルケニルアリール、アルクシクロアルカリル、アルクシクロアルケニルアリール、またはアリールアルカリル;
、R、Rは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルカリル、アルキルシクロアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、複素環、シクロアルカリル、シクロアルケニルアリール、アルクシクロアルカリル、アルクシクロアルケニルアリール、またはアリールアルカリル基であって、2つの共有結合を形成可能な基である;
(ここで前記シリカフィルターはもみ殻灰またはカラスムギ殻灰である)]
からなる群から選択される式で示されるものを提供する。
【0065】
本発明に用いられるシラン反応シリカフィルター媒体は好ましくは目的とする成分と反応可能な官能性部分を有している。この官能性部分は4級アンモニウム、エポキシ、アミノ、尿素、メタクリレート、イミダゾール、スルホネート、および生物学的分子と反応することが知られている他の有機部分からなる群から選択される。
【0066】
下記実施例により本発明をさらに説明する。これらの実施例は単に本発明の説明のために用いられることを意図しており、制限的解釈に用いられるべきではない。実施例1から5はシリカフィルター媒体の表面処理を示す。実施例6-14はシラン処理シリカフィルター媒体を1または複数の目的成分を粒子および可溶性物質を含有するサンプルから分離するのに用いるものである。実施例15-22はシラン処理シリカフィルター媒体の殺菌活性およびろ過の結果を示す。
【実施例】
【0067】
実施例1
バッチ工程における、トリアルコキシシランを用いたもみ殻灰媒体(tRHA)の処理
【0068】
処理はテフロン(登録商標)シャフトの機械式かくはん器、温度計、温度計を備えた2リットル容三首の丸底反応フラスコおよびフラスコ周囲の加熱マントルを有する器具を用いて行った。反応フラスコに挽いていないRHA シリカフィルター媒体(表面積:〜30m/g)50g、および250mlのIPA(イソプロピルアルコール)/トルエン(1:2)の溶媒混合物を投入した。IPAは必ずしも必要であるわけではなく、反応は水のみで行っても良い。表1に各実施例の反応条件を示した。混合物は数分間、室温で攪拌し、次いで正確な量のシランを直接混合物にゆっくりした投入速度で添加する一方、混合作業を続けることを含む表面改質工程を行った。計算上シランが複数層カバー(高レベル処理)を達成するのに必要な250%、または計算上シランが単層カバー(低レベル処理)を達成するのに必要な85%を正確に添加した。シランの量はその純度によって補正した。投入した濃度を表1に示す。次に、主に安全のために用いられ、生成物に他の影響を及ぼさないN2ブランケット下で混合物を加熱および還流した。なお、加熱は特に必要はない。2時間攪拌および還流した後、処理したスラリー状の混合物を放置して冷却させた。次いでワットマン濾紙を敷いた磁器製のブフナー漏斗へ写し、真空フィルターフラッシュにつなげた。処理されたフィルタースラリーをろ過し150mlのトルエンで二回および約150mlのIPAで二回洗浄した。その後、サンプルをフード内で約24時間乾燥した。処理したフィルター媒体をパイレックス(登録商標)容器へ移し、シリンジ針でいくつも穴を空けたパラフィンフィルムで覆った。次いで、サンプルを真空オーブン内で60℃にて2-4時間乾燥した。乾燥したサンプルの表面積、孔の構造および炭素-水素-窒素含量を調べた。
【0069】
表1:処理用組成物および条件のまとめ
【表1A】


【表1B】


【0070】
実施例2
別のタイプの処理ずみシリカフィルター媒体の調製
【0071】
さらなる基材として特に、高炭素もみ殻灰、複数種類の超純度珪藻土(Celpure P1000、Celpure P65)、Celite 545(標準的珪藻土フィルターエイド)、パーライト、およびLRA II(非-シリカベースの脂質吸収剤)を用いた。表2にこれらのサンプルの処理条件および組成を示す。
【0072】
種々の基材の処理条件及び組成
【表2】

【0073】
Z-6032:3-(N-スチリルメチル-2-アミノエチルアミノ)-プロピルトリメトキシシランハイドロクロライド
AEAPTMS:N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
【0074】
実施例3
親水性4級アンモニウム官能性フィルターエイド(フィルター媒体サンプル40および42)製造のための二段階法
【0075】
処理はテフロン(登録商標)シャフトの機械式かくはん器、温度計、温度計を備えた2リットルの三首丸底反応フラスコおよびフラスコ周囲の加熱マントルを有する器具を用いて行った。反応フラスコへ50gのアミノ-官能性基を有する前処理RHA(サンプル17または19)シリカフィルター媒体、および200ml IPA溶媒を投入した。混合物を数分間室温で攪拌し、次いで表面処理工程正確な量のグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.46g サンプル17、または2.02g サンプル19)を直接混合物へ混合物にゆっくりした投入速度で添加する一方、混合作業を続けることを含む表面改質工程を行った。N2ブランケット下で反応混合物を加熱および還流した。4時間攪拌および還流した後、処理したスラリー状の混合物を放置して冷却させた。次いでWhatman濾紙を敷いた磁器製のブフナー漏斗へ写し、真空フィルターフフラスコにつなげた。処理されたフィルターケーキをろ過し、それぞれ約150mlのD1水で4回洗浄した。その後、サンプルをフード内で約24時間乾燥した。次いで処理したシリカフィルター媒体をパイレックス(登録商標)容器へ移し、シリンジ針でいくつも穴を空けたパラフィンフィルムで覆った。次いで、サンプルを真空オーブン内で60℃にて2-4時間乾燥した。乾燥したサンプルの表面積、孔の構造、炭素-水素-窒素含量および29Si NMRを調べた。
【0076】
実施例4
親水性スルホネート-官能性フィルターエイド(フィルター媒体サンプル41)
製造のための二段階法
【0077】
処理はテフロン(登録商標)シャフトの機械式かくはん器、温度計、温度計を備えた500ミリリットルの三首丸底反応フラスコおよびフラスコ周囲の加熱マントルを有する器具を用いて行った。反応フラスコへ50gのエポキシ-官能性基を有する前処理RHA(サンプル15)シリカフィルター媒体、および200ml のIPA:H2O(5:1)溶媒を投入した。混合物を数分間室温で攪拌し、次いでN2ブランケット下で70℃まで加熱した。0.55g のメタ重亜硫酸ナトリウム、0.07の亜硫酸ナトリウム触媒、および5gの水を添加漏斗より混合物へゆっくりした速度で1-2時間かけて添加する一方で混合作業を続けることを含む表面改質工程を行った。温度をその後およそ80℃まで加熱し、反応が完了するまで維持した。反応は残存するNaHSOのヨウ素還元滴定にて行った。おおよそ22時間攪拌および還流した後、処理したスラリー混合物を放置して冷却させた。次いでWhatman濾紙を敷いた磁器製のブフナー漏斗へ写し、真空フィルターフフラスコにつなげた。処理されたフィルターケーキをろ過し、それぞれ約150mlのD1水で4回洗浄した。その後、サンプルをフード内で約24時間乾燥した。次いで処理したシリカフィルターエイドをパイレックス(登録商標)(登録商標)容器へ移し、シリンジ針でいくつも穴を空けたパラフィンフィルムで覆った。次いで、サンプルを真空オーブン内で60℃にて2-4時間乾燥した。乾燥したサンプルの表面積、孔の構造、炭素-水素-窒素含量および29Si NMRを調べた。表3に2段階法の組成および条件をまとめた。
2段階法の処理条件および組成
【0078】
【表3】

【0079】
. 処理されたシリカフィルター媒体の解析:BET 表面積、孔体積および孔直径
表面積および多孔度はマイクロメトリクス(Micrometrics、登録商標)ASAP 2010アナライザーを用いて行った。分析の前にサンプルを吸引下、150℃で圧力が一定になるまで脱気した。分析工程において、Nガスを77°Kにてサンプルに吸着させ表面積を吸着したガスの体積から計算した。BETパラメーターはBET等式をASAP-2010ソフトウエアを用いて積分して求めた。表面積は0.05P/Po 0.3の範囲で等温線の吸着ブランチより計算した。Barrett-Joyner-Halenda 分析を用いて孔体積および孔直径を計算した。
NMR
特定の官能基および分子構造の同定は29Si 固体NMR分光分析をUnity Plus 400MHz 分光分析機でバリアンVT CPMASプローブおよび7mmのモーターを用いて行った。

炭素-水素-窒素(CHN)
CHN含量はロバートソン・マイクロライト・ラボラトリーズによて燃焼分析法を用いて測定した。この分析で得られる情報から、表面上の処理レベルを計算した。
【0080】
炭素-水素-窒素(CHN)
CHN含量はロバートソン・マイクロライト・ラボラトリーズによて燃焼分析法を用いて測定した。この分析で得られる情報から、表面上の処理レベルを計算した。
【0081】
表4:処理されたシリカサンプルの分析結果
【表4】

【0082】
実施例5
シリカフィルターの組成および各種処理条件並びにその特徴分析
表5A-5D はもみ殻灰の各種処理条件および組成、並びにその特性を示す。
表5A-5D はもみ殻灰の各種処理条件および組成、並びにその特性を示す。
【0083】
【表5A−1】


【表5A−2】

【0084】
【表5B】

【0085】
【表5C−1】


【表5C−2】


【表5C−3】

【0086】
リガンド密度は元来のもみ殻灰上の炭素により0.43%Cの補正をした。混合シランサンプルリガンド密度は最初のシランに基づく。
【0087】
実施例6
タンパク質結合および放出のための表面処理もみ殻灰
目的
表面処理もみ殻灰(RHA)を用いてタンパク質の結合および放出を試験する。タンパク質溶液は粒子状物質を含まない、Micrococcus luteus 発酵物より誘導されたものである。
表6にフィルター媒体サンプルおよびその表面処理をまとめた。
【0088】
【表6】

【0089】
手順:
1. 各サンプルを2g秤量して50mLの円錐管へ投入した。
2. 25mL の25mM トリス-HCL、pH 8.4バッファーを添加した。
3. サンプルおよびバッファーを一晩反転させながら混合した。
4. 各ぬらしたサンプルを15mL の円錐チューブへ移し、次いで2500g にて5分間遠心分離し、上清をデカンテーションした。得られたサンプルを以下の結合試験に供した。
5. タンパク質試験溶液の説明および手順:
ソース:下記工程により回収されたMicrococcus luteus 粒子成分フリー濃縮培地:
・発酵培養物を200ppm のリゾチーム(ニワトリ卵白由来)を用いて溶菌した。
・溶菌培養物をポリカチオン性ポリマーを用いて凝集させ、およびろ過して粒子成分を除去した。
・粒子成分を含有する培養物は限外ろ過により水を除いて濃縮した(Prep/Scale(登録商標)TFF、Millipore)。
【0090】
6. 上記溶液を24部の25mM トリス-HCl pH 8.4バッファーで調製した。
7. 5mLのタンパク質試験溶液を表面処理もみ殻灰を含有する各チューブへ添加した。
8. チューブを90分間反転させて混合した。
9. 混合したチューブを2500gにて5分間遠心し、上清をデカンテーションした。回収されたフラクションを「濾液」または「FT」とした。
10. 5mLの25mM トリス-HCl pH 8.4バッファーを各チューブへ添加し、45分間反転により混合した。
11. チューブを2500g で5分間遠心し、上清をデカンテーションした。回収されたフラクションを「洗浄」とした。
12. 5mLの溶離バッファー(25mM トリス-HCl pH 8.4、2M NaCl含有)を添加し、30分間混合した。
13. 0.5mLの0.5M NaOH を各チューブへ添加した。
14. チューブを90分間反転させて混合した。
15. チューブを2500gにて5分間遠心し、上清をデカンテーションした。回収されたフラクションを「溶離物」とした。
16. 全フラクションをSDS-PAGEゲル電気泳動(NuPAGE 電気泳動システム、米国特許第5,578,180、NOVEX electrophoresis GmbH、Germany の手順)にかけた。
【0091】
観察結果:
図1A(未決号成分の結合および分析)
未結合サンプルが濾液および溶離物の分析により検出されたことは、全てのまたは一部の結合サンプルが溶離プロセスにおいて遊離されることを示す。
【0092】
FW12(市販の珪藻土)はフィードしたもの由来ののいずれのタンパク質をも結合しなかった(レーン番号3対レーン番号2)。試験サンプルを事前に濡らすために用いた溶液による希釈により、全てのバンドはほんの少し低い強度となっている。
【0093】
未処理RHAは選択的に6kd以上で14.4kd未満のタンパク質を結合する(レーン番号4対レーン番号2)。試験サンプルを事前に濡らすために用いた溶液による希釈により、全てのバンドはほんの少し低い強度となっている。
【0094】
HQ50(市販4級アミンイオン交換樹脂)は14.4kds以下のものを除いて試験溶液からのタンパク質のほとんどを結合する(レーン番号5対レーン番号2)。
処理RHAサンプル4は選択的に97kd 近傍およびそれ以上のもの55.4と36.5kdの間、21kd近傍および14.4kd近傍のタンパク質を結合する。HQ50の場合と同様14.4kd未満のバンドが結合されなかったのは注目すべきである。全てのタンパク質のバンド強度は未処理もみ殻灰およびFW12と比して低いものであり、処理RHAの結合がより多いことを示す。
【0095】
処理RHAサンプル6はサンプル4と同様のタンパク質結合選択性を示したが、より低い結合能しかなかった。HQ50の場合と同様、14.4kd未満のバンドは捕捉されなかったことは注目に値する。全てのタンパク質のバンド強度は未処理もみ殻灰およびFW12と比して低いものであった。
【0096】
図1B(結合成分の放出および分析)
FW12溶離物は痕跡量のタンパク質であって、物理的にトラップされ、持ち越された液体由来のものであると考えられる(レーン番号2)。
【0097】
未処理RHA に結合していた14.4kd未満で6kd以上のタンパク質のバンドが放出された(レーン番号3)。
HQ50に捕捉されていた全てのタンパク質が放出された(レーン番号4)。
サンプル4からの溶離物は116kd以上、55Kd近傍およびそれ以下および6kd近傍のタンパク質バンドであった。36.5kd以上のバンドは明らかに結合したままである(レーン番号5)。
【0098】
サンプル6からの溶離物には主に116kd以上および55kd近傍のバンドであった。他の成分は結合しているままであるかまたは小さすぎてこの分析では検出できないものである(レーン番号6)。
【0099】
未処理珪藻土はタンパク質-結合能を示さなかった。未処理もみ殻灰は幾ばくかのタンパク質結合能を示した。2種類の処理されたもみ殻灰、サンプル4および6はタンパク質-結合能を示した。
【0100】
実施例7
タンパク質結合および放出のための表面処理もみ殻灰
目的:
さらなる表面処理もみ殻灰を用いてタンパク質の結合および放出を試験する。タンパク質溶液は粒子状物質を含まない、Micrococcus luteus 発酵物より誘導されたものである。
【0101】
表7にフィルター媒体サンプルおよびその表面処理をまとめた。
【表7】

【0102】
手順:
実施例6と同じ。
【0103】
観察結果:
サンプル7タンパク質結合および放出(図2A)
21.5kd近傍を除き、55kd以下の全てのMWのバンドを選択的に結合した(レーン2対レーン3)。
洗浄は濾液と類似のプロファイルを示した。
溶離物は55kd近傍の非常に軽いバンドを有するが、あまり多くのバンドを有していない。他のバンドは明らかに強く結合し、用いた条件では溶離しなかった。
【0104】
サンプル8タンパク質の結合および放出(図2A)
上記サンプル7と同様の結果。7.
【0105】
サンプル9タンパク質の結合および放出(図2B)
14kd未満のものを除きほとんど全てのタンパク質を結合した(レーン1対レーン2)。
洗浄フラクションにはタンパク質バンドが検出できなかった。
溶離物フラクションのほとんどが55kd近傍のバンドであり、他のバンドは結合したままである。これは、55kd近傍のバンドの選択的放出を示し、バンド強度に基づくタンパク質純度は>90+%であった。
【0106】
サンプル10タンパク質の結合および放出(図2B)
上記サンプル9と同様の結果。
サンプル11タンパク質の結合および放出(図2C)
いくつかの低分子量バンドを除きほとんど全てのバンドを結合した。これは選択的なタンパク質の結合を示す。(レーン1対レーン3)洗浄フラクションにはタンパク質バンドは検出されなかった。
【0107】
用いた条件下でほとんどの結合したバンドが溶離された(レーン5)。
明らかに他の表面処理もみ殻灰に比して強い結合能を有する。
サンプル12タンパク質の結合および放出(図2C)
上記サンプル9と同様の結果。
【0108】
結論
ユニークなタンパク質の結合および放出が表面処理もみ殻灰で認められた。選択的結合が観察された(サンプル7およびサンプル8)。選択的放出(サンプル9およびサンプル10)によりタンパク質純度が>90%のフラクションが得られた。
【0109】
実施例8
タンパク質の結合および放出のための表面処理もみ殻灰
目的
さらなる表面処理もみ殻灰を用いてタンパク質の結合および放出の試験を行う。本試験のデザインはイオン交換をベースとする。タンパク質溶液は粒子状物質を含まない、Micrococcus luteus 発酵物より誘導されたものである。
表8にフィルター媒体サンプルおよびその表面処理をまとめた。
【0110】
【表8】

【0111】
手順:
1. 各表面処理もみ殻灰を2g秤量して50mLの円錐管へ投入し、40mLの平衡バッファー(25mM トリス-HCl pH 8.4)を添加した。チューブを30分間反転させて混合した。
2. チューブを2500xg で5分間遠心し、上清をデカンテーションした。
3. タンパク質試験溶液源:粒子成分フリー濃縮培地は実施例1と同様の手順で調製し、次いで1010ppmのプロテアーゼにて消化した。
4. 上記溶液は24部の25mM トリス-HCl pH 8.4バッファーにて調節した。
5. 20mLのタンパク質試験溶液各調製された表面処理もみ殻灰へ添加した。
6. サンプルを反転させて30分間混合した。
7. サンプルを2500xgで5分間遠心し、上清をデカンテーションした。回収されたフラクションを「濾液またはFT」とした。
8. 20mLの25mM トリス-HCl pH 8.4バッファーをサンプルへ添加し、反転により15分間混合した。
9. サンプルを2500xgで5分間遠心し、上清をデカンテーションした。回収されたフラクションを「洗浄」とした。
10. 20mLの溶離バッファー(25mM トリス-HCl pH 8.4、1M NaCl含有)を各サンプルへ添加し、およびサンプルを反転させて30分間混合した。
11. サンプルを2500xgで5分間遠心し、上清をデカンテーションした。回収されたフラクションを“溶離物#1”とした。
12. ステップ9および10を10mLの同じ溶離バッファー+50mM NaOH.を用いて繰り返した。回収されたフラクションを“溶離物#2”とした。
13. 全ての全てのフラクションをSDS-PAGE電気泳動にて分析した。
【0112】
観察結果:
サンプル14タンパク質の結合および放出(図3A)
・ 濾液フラクションは比較的低いタンパク質バンド強度を示した、これはサンプル14が比較的良い結合能を有することを意味する(レーン番号6対レーン番号1)。
・ 14.4kd 未満のバンドは濾液中に残り、選択的結合であることが示された。
・ 結合タンパク質の一部は1M NaClで溶離された。
・ NaOH を1M NaClを含有するバッファーに添加し、結合タンパク質を溶離した。
【0113】
サンプル13タンパク質の結合および放出(図3B)
・ 全ての投入したタンパク質が結合した(レーン番号3対レーン番号2)。
・ 少量の結合タンパク質のみが1M NaClにて溶離された(レーン番号5)、これは結合がイオン交換によって行われたのではないことを示唆する。
・ 苛性成分を1M NaCl 溶離バッファーへ添加したところ、結合タンパク質が溶離できた。
・ 挙動はサンプル14と類似していた。
【0114】
サンプル17タンパク質の結合および放出(図3C)
・ レーン番号7濾液フラクションに見られるように、比較的良好な結合を示した。
・ 選択的に14kd未満のタンパク質を結合しなかった。
・ 溶離には高NaCl/NaOH 比が必要であった。
サンプル18タンパク質の結合および放出(図3C)
・ レーン番号1濾液フラクションに示されるように、比較的良好な結合が得られた。
・ 選択的に14kd未満のタンパク質を結合しなかった。
・ 溶離には高NaCl/NaOH 比が必要であった。
・ 結果はサンプル17と類似していた。
【0115】
サンプル19タンパク質の結合および放出(図3D)
・ 低いタンパク質を有するレーン番号7濾液フラクションに見られるように、比較的良好な結合を示した。
・ 選択的に14kd未満のタンパク質を結合しなかった。
・ ほとんどの結合タンパク質は1MNaClにて溶離された。
・ NaOHを1M NaCl 含有バッファーへ添加すると、さらに55kd 近傍のバンドが溶離された。
【0116】
サンプル20タンパク質の結合および放出(図3E)
・ レーン番号3濾液フラクションの低いタンパク質バンドから、比較的良好な結合であることが示される
・ 洗浄操作において漏出が認められた(レーン番号4)。
・ 選択的に14kd未満のタンパク質を結合しなかった(レーン番号3)。
・ 結合タンパク質は主に1MNaClにて溶離された(レーン番号5)。
・ 結果はサンプル19と類似していた。
【0117】
結論
上記の試験した表面処理もみ殻灰サンプルを、陰イオン交換に基づく結合および高塩濃度および/または高pHによる放出条件下で試験した場合に、3つの一般的な結合/放出挙動が観察された:
比較的良好な結合、溶離剤NaCl/NaOH:
サンプル14(3-(N-スチリルメチル-2-アミノエチルアミノ)-プロピルトリメトキシシランハイドロクロライド処理)
サンプル13(3-(N-スチリルメチル-2-アミノエチルアミノ)-プロピルトリメトキシシランハイドロクロライド処理)
サンプル17(3-アミノプロピルトリメトキシシラン処理)
サンプル18(3-アミノプロピルトリメトキシシラン処理)
比較的良好な結合、溶離剤NaCl:
サンプル19(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン処理)
サンプル20(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン処理)
結合/溶離試験は陰イオン交換挙動を調べるためにデザインしたものである。観察結果はRHA表面処理と関連した。
【0118】
サンプル14およびサンプル13の応答はイオン交換および疎水性の性質に沿ったものである。
サンプル17およびサンプル18についても種々の挙動を調べた。
サンプル19およびサンプル20は陰イオン交換性の作用を結合および溶離において示す。
【0119】
実施例9
タンパク質の結合および放出のための表面処理もみ殻灰(カチオン交換)
目的
表面処理もみ殻灰を用いてタンパク質の結合および放出を試験する。タンパク質溶液はAspergillus niger 発酵産物より得た粒子フリーの溶液である。
表9にサンプルの番号および表面処理についてまとめた。
【0120】
【表9】

【0121】
手順:
1. 2gの各表面処理もみ殻灰を50mLの円錐管へ投入し、40mLの平衡バッファー(100mM 酢酸ナトリウム、pH 4.0)を添加した。チューブを30分間反転させて混合した。
2. チューブを2500xgで5分間遠心し、上清をデカンテーションした。
3. タンパク質試験溶液の説明および調製:
a. ソース:Aspergillus niger 粒子フリーの濃縮培養液で、下記工程にて得たものである:
i 培養液をろ過して細胞を除いた。
ii 細胞フリーの培養液を限外ろ過(脱水(Prep/Scale(登録商標)TFF、Millipore)して脱水した。
b. 上記溶液を14部の100mM 酢酸ナトリウム、pH 4.0バッファーで調節した。
4. 20mLのタンパク質試験溶液を各調製された表面処理もみ殻灰へ添加した。
5. サンプルを反転させて7分間混合した。
6. サンプルを2500xgで5分間遠心し、上清をデカンテーションした。集めたフラクションを「濾液」または「FT」とする。.
7. 20mLの100mM 酢酸ナトリウムpH 4.0バッファーを各サンプルへ添加し、サンプルを15分間反転しながら混合した。
8. サンプルを2500xgで5分間遠心し、上清をデカンテーションした。集められたフラクションを「洗浄#1」と名付けた。
9. ステップ7および8を繰り返し、集めたフラクションを“洗浄#2”と名付けた。
10. 20mLの溶離バッファー(100mM 酢酸ナトリウムpH 4.0buffer、1M NaCl含有)を添加し、サンプルを反転させて60分間混合した。
11. サンプルを2500g にて5分間遠心し、上清をデカンテーションした。集めたフラクションを「溶離物#1」とした。
12. ステップ9および10を10mLの同じ溶離バッファー+50mM NaOHを用いて繰り返した。回収されたフラクションを“溶離物番号2”とした。
全てのフラクションをSDS-PAGE電気泳動にて分析した。
【0122】
観察結果:
サンプル41タンパク質の結合および溶離(図4A)
・ 選択的に97kd近傍および31kd未満のバンドを結合する。
・ 「洗浄#1および#2」それぞれにはタンパク質バンド全く無いあるいは比較的低い強度のものしか認められなかった(レーン番号3およびレーン番号4それぞれ参照)。これは、結合が特異的で強かったことを意味する。
・ 結合タンパク質は1M NaCl含有バッファーにて溶離した。
未処理RHAタンパク質の結合および溶離(図3A)
・ 97kd近傍および31kd未満のバンドは濾液中には存在しなかった。しかしながら、溶離物#1または溶離物#2のいずれにもタンパク質は溶離されなかった。
【0123】
多孔性HS50:タンパク質の結合および溶離(図4B)
・選択的に97kdおよび31kd未満のバンドを結合した。
・ 「洗浄#1および#2」それぞれにはタンパク質バンド全く無いあるいは比較的低い強度のものしか認められなかった(レーン番号3およびレーン番号4それぞれ参照)。これは、結合が特異的で強かったことを意味する。
・ 結合タンパク質は1M NaCl含有バッファーにて溶離した。
【0124】
結論
表面処理もみ殻灰サンプル41はポジティブコントロールと非常に良く似た結合および溶離性能を示した。
【0125】
実施例10
タンパク質の結合および溶離のための表面処理されたシリカフィルター媒体(イオン交換)
目的:
表面処理シリカフィルター媒体を用いてタンパク質の結合および放出の試験を行う。本試験のデザインはイオン交換をベースとする。タンパク質溶液は粒子状物質を含まない、Micrococcus luteus 発酵物より誘導されたものである。
表10にサンプル番号と表面処理をまとめた。
【0126】
【表10】

【0127】
手順:
サンプル29、サンプル30およびCelPure P100は実施例8と同じ手順で行い、下記の変化をつけた:
タンパク質試験溶液は100X(対25X)に希釈した。
ステップ4および5を繰り返し、集めた洗浄フラクションを「洗浄#2」とした。
【0128】
観察結果:
用いた試験条件下ではタンパク質試験溶液の量は過剰であった。その結果、全ての濾液フラクションはフィードした試験溶液と同様のタンパク質バンドパターンを示した。各試験したシリカフィルター媒体サンプルのタンパク質結合能の定性的な解析をする努力はしなかった。下記結果は溶離物フラクションのみのものである。
【0129】
サンプル42(図5A)
ほとんどの結合タンパク質は1M NaClにて溶離された(レーン番号5)。
【0130】
サンプル40(図5B)
ほとんどの結合タンパク質は1M NaClにて溶離された(レーン番号5)。
【0131】
サンプル34(図5C)
有意な量のタンパク質は1M NaClでは溶離されなかった。
【0132】
その後高pHを用いた場合に少量のタンパク質が溶離された。
【0133】
サンプル29(図5D)
両方の溶離物フラクションにはタンパク質を含有しており、その組成は各フラクションで類似しているようである(レーン番号5は1M NaCl溶離物およびレーン番号6は高pH溶離物)。
【0134】
未処理AgriSilica RHA(図5B)
溶離フラクションは特に14.4kd未満のタンパク質を含有していた。
【0135】
Celite 512(図5C)
1Mで溶離して得た溶離物フラクションには97kd近傍、55kd近傍およびそれ未満および特に14.4kdと6kdの間のバンド(レーン番号10)が含まれていた。
【0136】
結論
サンプル40および42(表面処理もみ殻灰)およびサンプル29および34(表面処理珪藻土)は未処理の対象物と比較してより高いタンパク質-結合能を示す。
【0137】
実施例11
動的タンパク質の結合および溶離のための表面処理もみ殻灰(イオン交換)
目的:
表面処理もみ殻灰サンプル9を用いて動的タンパク質の結合および溶離を試験する。本試験はイオン交換に基づきデザインされたものである。タンパク質溶液は粒子状物質を含まない、Micrococcus luteus 発酵物より誘導されたものである。
【0138】
手順:
1. 6gのサンプル9を50mL円錐管へ投入した。
2. 50mLの平衡バッファー(25mM トリス-HCl pH 8.4)を添加し、サンプルを反転させて30分間混合した。
3. サンプルを2500gで5分間遠心し、上清をデカンテーションした。
4. 30mLの平衡バッファーを添加し、サンプルを反転させながら良く混合した。
5. サンプルを重力流カラムへ注いだ。
6. 表面処理もみ殻灰を放置して落ち着かせ、10mL容積にパックした。
7. プレフィルターをパック層上へ載せた。
8.20mlの平衡バッファーを添加した。
9. 25mLのタンパク質試験溶液を添加した(実施例6と同じ方法で調製)。
10. 濾液フラクションを15mL円錐チューブに取った。
11. 30mLの平衡バッファーを添加し、「洗浄」フラクションを15mlの円錐管へ集めた。
12. 下記工程を連続して行って、表11に示した複数の溶離物の選択および回収をした:
a 0.2M NaCl を含む平衡バッファーを添加した。
b 2M NaCl を含む平衡バッファーを添加した。
c 0.1M NaOH を添加した。
13. 全てのフラクションをSDS-PAGE電気泳動にて分析した。
【0139】
観察結果:(図6)
・ 適用した溶液は容量を超えたものであったので、顕著な急騰がFT フラクションに認められた(レーン3、4および5)
・ 表面処理もみ殻灰サンプル9は良好な流動性を有していた。上記全てのステップを重力による流動にて容易に実施可能であった。
・ 図6は10mLをロードした場合に、フィードした溶液は10mL のパックしたサンプル9を明らかに突破したことを示す。
・ 試験した結合条件下において、サンプル9は明らかに選択的に96kd近傍、55kd近傍、55kd未満の2つのバンド、および14.4kdと6kdの近傍およびその間のバンドを選択的に結合した。
. 下記結果が3つの溶離ステップにて観察された:
*3つのバンド(97kd近傍、55kd近傍、および14.4kd未満)が0.2Mで溶離された。
*2M NaClで、97kd近傍および55kd近傍のバンドが溶離された。
*0.1M NaOHで、55kd近傍、31kd未満のバンドおよび14.4kd近傍のタンパク質が溶離された。
表11に結合試験で回収されたフラクションをまとめた。
【0140】
【表11】

【0141】
結論:
本実施例は表面処理もみ殻灰がタンパク質の結合および溶離のための重力流れのみで処理できるパック層クロマトグラフィーの態様で、およびフィルターエイドとして有用であることを示すものである。結合および溶離性質はバッチ態様と同じである。本実施例はまた、複数の溶離バッファーを採用することにより、選択的溶出が可能であることも示す。
【0142】
実施例12
同時に粒子を捕捉し、可溶性成分を捕捉/溶離するための表面処理もみ殻灰
目的:
同時に粒子状物質のろ過とタンパク質の結合および溶離を行う表面処理もみ殻灰の性質を調べる。表面処理もみ殻灰のサンプル番号はサンプル19であり、イオン交換性能を有することを確認したものである(実施例8参照)。未処理もみ殻灰をまた、並べて試験した。
【0143】
バッファー
平衡バッファー:25mM トリス-HCl、pH 8.4.
【0144】
溶離バッファー:25mM トリス-HCl、1M NaCl、pH 8.4;1M NaOH;1M HCl
【0145】
試験溶液
凝集Micrococcus luteus 培養液を「フィード」といい、下記のとおり調製した:
・ 収穫後、培養物を100ppm リゾチーム(ニワトリ卵白)で溶菌した。
・ 溶菌下培養物をポリカチオン性ポリマーにて凝集させた。
・ 試験前に凝集させたサンプルを1部の平衡バッファーで希釈した。
【0146】
手順:
1. 表面処理もみ殻灰試料:
・ 5gの未処理RHAを50mlの円錐管2本にそれぞれ投入した。
・ 40mL の平衡バッファーを添加し、円錐管を反転させながら30分間混合した。
2. 未処理もみ殻灰のステップ番号1でチューブを2500xgで5分間遠心し、上清をデカンテーションしした。
3. 50mLの調製した試験溶液「フィード」を各調製したもみ殻灰へ添加した。
4. チューブを30分間室温にて反転させて混合した。
5. 1mLのサンプルを卓上型遠心分離器を用いて遠心分離し(4min)上清を集めた(「ベンチFT」とする)。
6. 0.45μmの250mL-Nalgenユニットをろ過のために調製した。
・ 該ユニットを家庭用吸引装置のアウトレットにつないだ。
・ 他のもみ殻灰を50mLの平衡バッファーへ懸濁した。
・ 懸濁物をろ過ユニットへ注ぎ、家庭用吸引装置をかけてプレコート(ケーキ)を調製した。
・ ろ液溜めを空にした。
・ ろ液溜めを再度つないでろ過試験に備えた。
7. ステップ4で得たタンパク質溶液もみ殻灰混合物を調製したろ過ユニットに投入し、ろ過を開始するために再度吸引をかけた。回収したろ過サンプルを「FTろ液」とした。
8. 吸引を止め、50mLの平衡バッファーを添加し、攪拌して混合した。再度吸引を行いろ過を開始した。ろ過されたサンプルを集め、「洗浄」とした。
9. ステップ8を50mLの溶離バッファーを用い、15分間混合した後吸引をかけてろ過した。ろ過されたサンプルを集め、「溶離物」とした。
10. 全てのフラクションをMES移動バッファーを用いた4-12%トリス-ビスSDS-PAGE ゲル電気泳動にかけた(操作については別添のエクセルファイル参照)。
11. 未処理もみ殻灰についてステップ1-10を繰り返した。
【0147】
観察結果/コメント
1. 表面処理もみ殻灰サンプル19は明らかに未処理もみ殻灰より薄いケーキ厚を有していた。
2. 両方のもみ殻灰の全ての回収したフラクション(FT濾液、洗浄および溶離物)は清澄で、粒子状物質を含んでいなかった。
3. 表面処理もみ殻灰サンプル19は未処理もみ殻灰のろ過速度に匹敵する粒子ろ過速度有している:
・ サンプル19:12.8mL/分
・ 未処理RHA:14.0mL/分
4. サンプル19は未処理RHAより良い捕捉および溶離を示した:
・ 未処理RHA(図7A)
* 「FT濾液」(レーン番号4)はフィード(レーン番号2)と非常によく似たプロファイルであった。全てのバンドはフィードよりほんの少し薄く、これはもみ殻灰の調整のために用いたバッファーの影響である。
* もみ殻灰内に物理的にトラップされたタンパク質溶液を置き換え、これを「洗浄」フラクション(非常にかすかなタンパク質バンドを含む、レーン番号5参照)とした。
* 溶離物(レーン番号6)中にはタンパク質が痕跡量しかなかった。
5. サンプル19(図7B)
・ タンパク質の良好な結合および結合タンパク質の良好な回収が可能であった。
「FT濾液」フラクション(レーン番号4)中のタンパク質バンドは非常に少ないかまたは全く無かった。「ベンチFT」上清(レーン番号3)には「FT濾液」と比べるとかすかなタンパク質認められ、これはケーキを通り抜ける際にタンパク質が捕捉されたことを示す。
・ 洗浄(レーン番号5)のタンパク質バンドは非常に少ないかまたは全く無かった。
・ 溶離物(レーン番号6)はフィードと類似のパターンであるがほんの少し強度の弱いバンドパターンを示した。
【0148】
結論:
表面処理もみ殻灰は、投入されたタンパク質溶液から可溶性目的タンパク質をイオン交換により捕捉し、同時に粒子状物質を分離した。捕捉されたタンパク質は次いで表面処理もみ殻灰から、高塩濃度バッファーにより溶離して溶出することができる。
【0149】
この結果は表面処理もみ殻灰が粒子状物質含有タンパク質溶液を3つに分けることができることを示した:
表面処理もみ殻灰プレコートおよび本体内にトラップされた粒子状物質、
表面処理もみ殻灰へ結合した非タンパク質成分、および
表面処理もみ殻灰へ結合し、溶離されるタンパク質成分。
【0150】
実施例13
粒子状成分の捕捉と可溶性成分の捕捉/溶離の両方を行うための表面処理もみ殻灰

目的:
・ 実施例12をAspergillus niger 培養液を用い、実施例12と同じ表面処理もみ殻灰(サンプル19)と未処理もみ殻灰を用いて繰り返す。
【0151】
試験溶液:
Aspergillus niger 培養液を4部のDI水で希釈し、pHを8.06へNaOHを用いて調節した。
【0152】
手順:
・ 実施例12と同様の手順。試験溶液の体積は100mLとした。
【0153】
観察結果/コメント
表面処理もみ殻灰サンプル19は未処理もみ殻灰に匹敵するろ過スピードを示した。
【0154】
両方のもみ殻灰での全ての回収されたフラクション(FT濾液、洗浄および溶離物)は透明で粒子状物質フリーであった。
【0155】
試験した条件下で用いた試験溶液の量は結合能を超えていた。その結果サンプル19および未処理RHA両方の濾液フラクション(「ベンチFT」および「ろ過FT」の両方)とフィード溶液との間に顕著な差はなかった。図8参照、レーン番号2、3および4対レーン番号1は未処理RHAおよびレーン番号7、8および9対レーン番号1はサンプル19。
【0156】
以下の結果が観察された:サンプル19は未処理RHAを超えるタンパク質-結合能を有している(図8参照)。
未処理RHA洗浄(レーン番号5)にはサンプル19(レーン番号10)より多くのタンパク質が含まれている。
【0157】
サンプル19(レーン番号11)から溶離されたフラクションは未処理RHA(レーン番号6)から溶離されたフラクションより、より強いバンド強度を有していた。
【0158】
結論:
本実施例は表面処理もみ殻灰はAspergillus niger 由来のフィードタンパク質溶液から、イオン交換による可溶性目的タンパク質の捕捉と粒子状物質の分離を同時に行ったことを示す。捕捉されたタンパク質は次いで表面処理もみ殻灰より高塩濃度のバッファーにて溶離して、抽出することができる。
【0159】
この結果は表面処理もみ殻灰が粒子状成分含有タンパク質溶液を3つに分けることができることを示す:
表面処理もみ殻灰プレコートおよび本体内にトラップされた粒子状物質、
表面処理もみ殻灰へ結合した非タンパク質成分、および
表面処理もみ殻灰へ結合し、溶離されるタンパク質成分。
【0160】
実施例14: タンパク質結合試験
材料
MilliQ HO
タンパク質溶液(ろ過されたカタラーゼDFC)
50mL オークリッジチューブ
Sorval SA600ローターを有するSorval RC 5B プラス遠心分離器
BCA タンパク質アッセイキット(Pierce)
Compat-Able タンパク質アッセイ試薬セット(Pierce)
予め希釈したタンパク質アッセイ標品、牛血清アルブミンフラクションV セット(Pierce)
5μm シリンジフィルター(Sartoris、Minisart、番号17594)
手順:
1. 1gの各シラン処理もみ殻灰サンプル番号54-67を50mLオークリッジチューブへ投入した。
2. 20mLのMilliQ HO を各チューブへ投入した。.
3. 各チューブの内容物を8rpmにて反転させながら10分、室温にて混合した。
4. 各チューブを16,000rpm、にて15分間遠心した。
5. 上清を注意深くプラスチック製の移動ピペットを用いて除いた。.
6. 1部のタンパク質溶液を24部のMilliQ HO(フィード)で希釈した。
7. 10mL フィードを各チューブへ投入した。(10%w/v固形分)。
8. 各チューブを室温にて2時間、8rpmにて反転させつつインキュベートした。
9. 各チューブを16,000rpm、15℃にて30分間遠心した。.
10. 各上清を0.45μm シリンジフィルターでろ過した。
11. フィードおよびろ過上清(ステップ10)中のタンパク質濃度をマイクロタイタープレート法に沿ってBCA アッセイにて測定した。結果を表12として示した。
【0161】
【表12】

【0162】
結果
フィード物質のタンパク質濃度は該フィード物質をサンプル番号54〜67と混合し、遠心し、ろ過した後には減少した。この結果はシラン処理シリカサンプル番号54〜67および未処理RHAの全てがフィードタンパク質溶液からタンパク質を結合させたことを意味する。
【0163】
実施例15
殺菌性活性試験(Bacillus subtilis )
試験微生物:Bacillus subtilis
試験フィルター媒体:フィルター媒体サンプル43、44、4およびFW12(未処理珪藻土)
手順:
Bacillus subtilis培養液を滅菌PBSにて〜10CFU/mLへと希釈した(1OD≒5*10CFU/mL の基準を培養液中の CFU/mL値を決めるのに用いた)。
・ 0.5gフィルター媒体/5mL 液体(10%固形分)を用いた。
・ 希釈培養物サンプルの連続的希釈(滅菌0.9%w/v NaCl中)をLAプレート上に播き、実際に用いたCFU/mLを決定した。プレートを34℃で一晩培養した。
2. フィルター媒体および希釈細菌サンプル(またはPBSコントロール)を滅菌した125mL バッフルフラスコ内で2時間半、30℃、200rpmにて攪拌した。
3. 処理したサンプルの液体部分(2)をLAプレート上に播き(各サンプルにつき5プレート、1のプレートをコントロールとする)一晩34℃にてインキュベートした。
4. プレート上の細菌を計数した。
【0164】
結果:
表13に結果をまとめた。細菌をサンプル4および44のフィルターと混合することによって、CFUは減少したが、これはフィルター媒体サンプル4および44が抗微生物活性を有し、接触することにより細菌を殺したことを意味する。
【0165】
【表13】

【0166】
凡例:
PBS:リン酸緩衝生理食塩水(細胞が浸透圧ショックによって溶菌されるのを防止)
CFU:コロニー形成ユニット(生細胞数)
TFTC:少なすぎてカウント不能
CFU/mLは:平均±差(プレート数)で示す[差は平均と平均から最も遠い値との差である].
20-300コロニーのプレートのみ計数した。
【0167】
実施例16
殺菌性活性試験(Bacillus subtilis)
試験微生物:Bacillus subtilis
被検フィルター媒体:フィルター媒体サンプル1、4、6、44、および45.
【0168】
手順:
Bacillus subtilis の培養液を滅菌PBSで希釈して〜10CFU/mLとした。
0.5g フィルター媒体/5mL 液体(10%固体)を用いた。
1. サンプルの培養液を連続的希釈したもの(滅菌0.9%w/v NaCl)をLAプレートに播き、実際に用いるCFU/mLを決定した。プレートを一晩34℃にてインキュベートした。
2. フィルター媒体および希釈細菌サンプル(15mL 液体)を滅菌した250mL バッフルフラスコ内で混合した。各フィルター媒体それぞれにつき2つのフラスコを用いた。
(細菌サンプルではなくPBSを投入したサンプルもまた下記フィルター媒体サンプルに含まれる:サンプル1、6および45)
3. 上記を2時間、30℃、250rpmにて混合した。
4. 処理サンプル(液体部分)をLAプレート上に播いた(各サンプル4または5プレート)。プレートを一晩、34℃にてインキュベートした。
4. プレート上の細菌を計数した。
【0169】
結果:
結果を表14にまとめた。細菌とフィルター媒体サンプル1、4、6、44、および45とを混合することによってCFUは有意に減少した。
【0170】
【表14】

【0171】
実施例17
殺菌活性およびろ過試験(Lactobacillus brevis)。
試験微生物:Lactobacillus brevis
被検フィルター媒体:サンプル4、43、45およびFW12.
0.5gのフィルター媒体/5mL培養物(10%固体)を用いた。
【0172】
手順:
1. Lactobacillus brevis の一晩培養物を2段階で希釈して〜10CFU/mLとした(1OD600≒2.7*10CFU/mLを基準)―第1段の希釈は滅菌ラクトバチルスMRS培地にて行い、第2段の希釈を滅菌PBSにて行った。
2. 培養物の段階的希釈物(0.9%w/v NaCl内)を調製した(第2段の希釈)。
3. 希釈されたサンプルをラクトバチルスMRS培地プレート上に播き、実際の開始CFU/mLを決定した。
4. フィルター媒体および希釈細菌サンプル(10mL 液体)を滅菌125mL バッフルフラスコ内へ投入し、パラフィルムで密封し、2時間15分室温にてオービットシェイカー上で混合した(~60rpm)。
5. 処理サンプルの段階希釈物(0.9%w/v NaCl内)を調製し、ラクトバチルスMRS培地プレート上に播いた。
6. 選択されたサンプル/サンプル4、43および45の希釈物を5μm フィルターでろ過した。
7. ろ過したサンプルをLactobacillus brevis 培地プレート上に置き、キャンドルジャー内で30℃にて2日間培養した。
8. プレートを計数した。
【0173】
結果:
結果を表15にまとめた。CFUはサンプル4、43、および45と細菌を混合することによって減少した。5μmのフィルターでろ過することにより、CFUはさらに減少した。
【0174】
【表15】

【0175】
実施例18
抗菌活性試験(E.coli)。
試験微生物:E.coli(MG1655)
試験フィルター媒体:FW12、サンプル43、1、4、6、44および45.
【0176】
手順:
0.5g フィルター媒体/5mL フィード(=10%固体)。
1. E.coli 培養物(未だ定常期に至らず)を2段階で希釈して〜10CFU/mL(1OD600≒5*10CFU/mLを基準)とした-第1段の希釈はthe first滅菌LB培地を用い、第2段の希釈は滅菌PBS(これがフィード)にて行った。
2. フィードの段階希釈物(0.9%w/v NaCl)を調製した。
3. 100μLの希釈フィードサンプルをLAプレート上に播き、実際の開始CFU/mLを決定した。
4. フィルター媒体および10mLフィードを滅菌125mL バッフルフラスコ内へ投入し2時間、25℃、200rpm(4分の3インチストローク)にて混合した。
5. 混合サンプルの段階的希釈物(0.9%w/v NaCl内)を調製し、それぞれ100μl をLAプレートに播き、30℃で一晩培養した。
6. プレートの計数を行った。.
【0177】
結果:
結果を表16にまとめた。
【0178】
【表16】

【0179】
実施例19
殺菌活性およびろ過試験(Lactobacillus brevis)。
試験微生物:Lactobacillus brevis 保存株(ATCC番号14869)
試験フィルタ媒体:サンプル43、4、および44
【0180】
手順:
0.5gのフィルター媒体/5mL フィード(=10%固体)
1. Lactobacillus brevis 培養物を〜10CFU/mL(1OD600≒2.7*10CFU/mLを基準)へと、2段階で希釈した。第1段階の希釈は滅菌Lactobacillus MRS 培地で行い、第2段階は滅菌PBS(これがフィードである)で行った。
2. フィードの段階希釈物(0.9%w/v NaCl)を調製した。
3. 希釈したサンプル100μLLactobacillus MRS培地プレート上へ播き、実際の開始CFU/mLを決定した。
4. フィルター媒体および5mLフィードを滅菌した15mL円錐チューブへ投入し、2時間、25℃、250rpm(2分の1インチストローク)混合した。
5. 混合サンプルの段階的希釈物(0.9%w/v NaCl内)を調製し、Lactobacillus MRS 培地プレート上へ播いた(各100μl)。
6. 全サンプルを5μmシリンジフィルターでろ過した。
7. ろ過サンプルの段階的希釈物(0.9%w/v NaCl内)を調製し、Lactobacillus MRS 培地プレート上へ播いた。
8. プレートをキャンドルジャー内で30℃にて2日間インキュベートした。
9. プレートの計数を行った。.
【0181】
結果:
結果を表17にまとめた。CFUはサンプル4、43、および44と細菌を混合することによって減少した。5μmのフィルターでろ過することにより、CFUはさらに減少した。
【0182】
【表17】

【0183】
実施例20
抗菌活性試験(Lactobacillus brevis)
試験した微生物::Lactobacillus brevis
試験したフィルター媒体:サンプル48、50、51、および52.
【0184】
手順:
1. Lactobacillus brevis(グラム陽性)培養物をMRS寒天培地上に画線し、好気条件下26℃にて十分に増殖するまでインキュベートした。
2. MRSプレートから取ったコロニーを0.1%ペプトンで希釈して5x 10CFU/mLとなるようにして作業用種菌菌液を調製した。
3. 0.5gフィルター媒体を30mLガラス管中の接種菌液へ添加した。(5%)。
4. ガラス管を密封し、室温にて30分間、混合(8反転/分)。しながらインキュベートした。
5. 1:10の段階的希釈物を0.9%NaClにて調製し、細菌集団を数えるためにMRS寒天と共に流し平板法にてプレートを作成した。
6. プレートを26℃、好気条件下(GasPak)にて十分な数へと増殖するまでインキュベートした。
7. 20-200コロニーを有するプレートの計数を行った。結果を表18にまとめた。
【0185】
実施例21
抗菌活性試験(Acetobacter pasteurianus(グラム陰性))
試験した微生物::Acetobacter pasteurianus(グラム陰性)
試験したフィルター媒体:サンプル48、50、51、および52。
【0186】
手順
1. Acetobacter pasteurianus(グラム陰性)培養物をMRS寒天上に画線し、好気条件下27℃十分に増殖するまでインキュベートした。
2. 寒天培地上のコロニー1mlループを99mlnoMRS培地へ添加し、27℃でインキュベートして培養物をストックした。
3. 作業用接種菌液をMRS ストック培養物のアリコートをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)または0.1%ペプトンにて希釈して調製した。
4. 0.5gのフィルター媒体を10mL 接種菌液へ30mLのガラス管中で添加した。
5. ガラス管を密封し、室温にて30分間、混合(8反転/分)。しながらインキュベートした。
6. 1:10の段階的希釈物を0.1%ペプトンにて調製し、細菌集団を数えるためにMRS寒天と共に流し平板法にてプレートを作成した。
7. プレートを27℃、好気条件下(GasPak)にて十分な数へと増殖するまでインキュベートした。
20−200コロニーを有するプレートの計数を行った。結果を表18にまとめた。
【0187】
実施例22
抗菌活性試験(Saccharomyces diastaticus(酵母))
試験した微生物::Saccharomyces diastaticus(酵母)
試験したフィルター媒体:サンプル48、50、および51.
【0188】
手順
1. Saccharomyces diastaticus(酵母)培養物をYM寒天培地上へ画線し、好気条件、30℃にて十分に増殖するまでインキュベートした。
2. 作業用接種菌液をYMプレート上のコロニーをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)にて3x 10CFU/mLを目標として希釈し、調製した。
3. 0.5gのフィルター媒体を10mL 接種菌液へ30mLのガラス管中で添加した。
4. ガラス管を密封し、室温にて30分間、混合(8反転/分)。しながらインキュベートした。
5. 1:10の段階的希釈物を0.9%NaClにて調製し、細菌集団を数えるためにMRS寒天と共に流し平板法にてプレートを作成した。
6.プレートを30℃、好気条件下(GasPak)にて十分な数へと増殖するまでインキュベートした。
7. 20-200コロニーを有するプレートの計数を行った。結果を表18にまとめた。
【0189】
【表18】

【0190】
発明の好ましい実施形態と共に発明を説明したが、発明の範囲内でさまざまな改変をし得ることを確認されたい。
【図1A】

【図1B】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】

【図4A】

【図4B】

【図5A】

【図5B】

【図5C】

【図5D】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程:
(a) 粒子状および可溶性物質を含有するサンプルを、表面上の活性基が1以上のシランと反応されているシリカフィルター媒体でろ過する、
(b) 同時に粒子状物質の捕捉および目的とする可溶性成分のシリカフィルター媒体への結合を行う、および
(c) 目的成分をシリカフィルター媒体より溶離する、
を含有する、1以上の目的成分をサンプルより分離する方法。
【請求項2】
下記工程:
(a) 粒子状および可溶性物質を含有するサンプルを、表面上の活性基が1以上のシランと反応されているシリカフィルター媒体でろ過する、
(b) 同時に粒子状物質の捕捉および望ましくない可溶性成分のシリカフィルター媒体上への結合を行う、
(c) ろ液を回収する、および
(d) ろ液より目的可溶性成分を回収する
を含有する、1以上の目的成分をサンプルより分離する方法。
【請求項3】
下記工程:
(a) 粒子状および可溶性物質を含有するサンプルを、表面上の活性基が1以上のシランと反応されているシリカフィルター媒体でろ過する、
(b) 同時に粒子状物質の捕捉および第1の可溶性目的成分のシリカフィルター媒体上への結合を行う、
(c) ろ液を回収する、
(d) 結合している第1の可溶性目的成分をシリカフィルター媒体より溶離させる、および
(e) 第1の可溶性目的成分を回収する
を含有する、可溶性成分をサンプルより分離する方法。
【請求項4】
さらに可溶性目的成分をろ液流から精製する工程を含む、請求項2または3記載の方法。
【請求項5】
前記粒子状物質が物理的封じ込めおよび/またはシリカフィルター媒体への結合により捕捉される、請求項1〜3いずれかに記載の方法
【請求項6】
前記粒子状物質が微生物、沈殿物、封入体または結晶である、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記微生物がグラム陽性細菌、グラム陰性細菌、菌類、酵母、カビ、またはウイルスである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
ろ過工程の前に前記サンプルを前記シリカフィルター媒体と前混合する工程を有する、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記可溶性成分がシリカフィルター媒体へ静電、疎水性、または親水性相互作用によって結合される、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記可溶性成分がポリペプチド、脂質、炭水化物、リポタンパク質、多糖、糖、脂肪酸、またはポリヌクレオチドである、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記表面の活性基がドライまたはウエット工程により1以上のシランと反応されている、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記シリカフィルター媒体がマクロポーラスシリカである、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記シリカフィルター媒体が精製または未精製もみ殻灰、カラスムギ殻灰、または珪藻土である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記シランが下記の群:アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、アリールオキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルキルエステル、アリールエステルから選択され、シリカフィルター媒体上の活性基と反応している1以上の加水分解性部分を有するものである、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記シランが4級アンモニウム、アリール、エポキシ、アミノ、アミド、スルフリル、尿素、イソシアノ、ウレタン、エーテル、メタクリレート、イミダゾール、カルボニル、イソチオリウム、スルホネートおよびホスホネートからなる群から選択されるさらなる官能基部分を有している、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記アリール部分を有するシランが2-ヒドロキシ-4-(3-トリエトキシシリルプロポキシ)-ジフェニルケトンまたは((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシランである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記アミノ部分を有するシランが2-(トリメトキシシリルエチル)ピリミジン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、またはトリメトキシシリルプロピルポリエチレンイミンである請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記尿素部分を有するシランがN-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタンである請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記スルフヒドリル部分を有するシランが3-メルカプトプロピルトリエトキシシランである、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記カルボニル部分を有するシランが3-(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物である、請求項15記載の方法。
【請求項21】
前記イソシアノ部分を有するシランがトリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートまたは3-イソシアナートプロピルトリエトキシシランである請求項15記載の方法。
【請求項22】
前記エーテル部分を有するシランがビス[(3-メチルジメトキシシリル)プロピル]-ポリプロピレンオキシドである請求項15記載の方法。
【請求項23】
前記エポキシ部分を有するシランが2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである、請求項15記載の方法。
【請求項24】
前記イミダゾール部分を有するシランがN-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾールである、請求項15記載の方法。
【請求項25】
前記スルホネート部分を有するシランが2-(4-クロロスルホニルフェニル)-エチルトリクロロシランである、請求項15記載の方法。
【請求項26】
前記イソチオウリウム(isothiourium)部分を有するシランがトリメトキシシリルプロピルイソチオウロニウムクロライドである、請求項15記載の方法。
【請求項27】
前記アミド部分を有するシランがトリエトキシシリルプロピルエチル-カルバメート、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-グルコンアミドまたはN-(トリエトキシシリルプロピル)-4-ヒドロキシブチルアミドである、請求項15記載の方法。
【請求項28】
前記ウレタン部分を有するシランがN-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタンまたはO-(プロパルギルオキシ)-N-(トリエトキシシリルプロピル)ウレタンである、請求項15記載の方法。
【請求項29】
前記シランが下記:3-(トリメトキシシリル)プロピル-エチレンジアミントリ酢酸トリナトリウム塩;トリメトキシシリルプロピル-エチレンジアミントリ酢酸トリナトリウム塩および3-(トリヒドロキシシリル)プロピルメチルリン酸ナトリウム塩、からなる群から選択されるイオン性シランである、請求項15記載の方法。
【請求項30】
前記1以上のシランが3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;3−トリヒドロシリルプロピルメチルリン酸ナトリウム塩およびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−Cl、トリメチルアンモニウムクロリドおよび(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン;3−トリヒドロシリルプロピルメチルリン酸ナトリウム塩およびビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノイソプロピルトリエトキシシラン;3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)−プロピルトリメトキシシランハイドロクロライドおよびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジンおよびN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−グルコンアミド;N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−Cl、トリメチルアンモニウムクロリドおよびN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−グルコンアミド;N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−Cl、トリメチルアンモニウムクロリドおよび2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシシリルプロポキシ)−ジフェニルケトン;3−メルカプトプロピルトリエトキシシランおよびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物およびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;トリメトキシシリルプロピル−エチレンジアミン、トリ酢酸トリナトリウム塩およびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;2−(4−クロロスルホニルフェニル)−エチルトリクロロシランおよびN−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン;および2−(4−クロロスルホニルフェニル)−エチルトリクロロシランおよびビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノイソプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項31】
もみ殻灰またはカラスムギ殻灰の表面活性基が下記2-ヒドロキシ-4-(3-トリエトキシシリルプロポキシ)-ジフェニルケトン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(トリメトキシシリルエチル)ピリミジン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、トリメトキシシリルプロピルポリエチレンイミン、N-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートまたは3-イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、ビス[(3-メチルジメトキシシリル)プロピル]-ポリプロピレンオキシド、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]イミダゾールまたはN-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール、2-(4-クロロスルホニルフェニル)-エチルトリクロロシラン、トリメトキシシリルプロピルイソチオウロニウムクロリド、トリエトキシシリルプロピルエチル-カルバメート、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-グルコンアミドまたはN-(トリエトキシシリルプロピル)-4-ヒドロキシブチルアミド、N-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタンまたはO-(プロパルギルオキシ)-N-(トリエトキシシリルプロピル)ウレタン、3-(トリメトキシシリル)プロピル-エチレンジアミントリ酢酸トリナトリウム塩;トリメトキシシリルプロピル-エチレンジアミン、トリ酢酸トリナトリウム塩および3-(トリヒドロキシシリル)プロピルメチルリン酸ナトリウム塩からなる群から選択される1以上のシランと反応されているシラン処理もみ殻灰またはカラスムギ殻灰。
【請求項32】
もみ殻灰またはカラスムギ殻灰の表面活性基が下記3-アミノプロピルトリメトキシシランおよびN-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタン;3-トリヒドロシリルプロピルメチルホスフォネート、ナトリウム塩およびN-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタン;N-トリメトキシシリルプロピル-N,N,N-Cl、トリメチルアンモニウムクロライドおよび(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン;3-トリヒドロキシシリルプロピルメチルフォスホネート、ナトリウム塩およびビス-(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノイソプロピルトリエトキシシラン;3-(N-スチリルメチル-2-アミノエチルアミノ)-プロピルトリメトキシシランハイドロクロライドおよびN-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタン;2-(トリメトキシシリルエチル)ピリミジンおよびN-(3-トリエトキシシリルプロピル)-グルコンアミド;N-トリメトキシシリルプロピル-N,N,N-Cl、トリメチルアンモニウムクロライドおよびN-(3-トリエトキシシリルプロピル)-グルコンアミド;N-トリメトキシシリルプロピル-N,N,N-Cl、トリメチルアンモニウムクロライドおよび2-ヒドロキシ-4-(3-トリエトキシシリルプロポキシ)-ジフェニルケトン;3-メルカプトプロピルトリエトキシシランおよびN-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタン;3-(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物およびN-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタン;トリメトキシシリルプロピル-エチレンジアミン、トリ酢酸、トリナトリウム塩およびN-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタン;2-(4-クロロスルホニルフェニル)-エチルトリクロロシランおよびN-(トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタン;および2-(4-クロロスルホニルフェニル)-エチルトリクロロシランおよびビス-(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノイソプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される1以上のシランと反応されているシラン処理もみ殻灰またはカラスムギ殻灰。

【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−49054(P2013−49054A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−194495(P2012−194495)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【分割の表示】特願2007−509709(P2007−509709)の分割
【原出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】