説明

シラン末端ポリマーに基づく液膜

本発明は、少なくとも1つのシラン官能性ポリマーPと、20重量%〜60重量%の水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムまたはそれらの混合物とを含有する組成物に関する。前記組成物は、DIN53018にしたがって20℃で測定した場合、500mPa・s〜20000mPa・sの粘度を有する。このような組成物は、特に液膜として適しており、非常に良好な燃焼特性を有する。すなわち、前記組成物は、発火するのが困難であるとともに、自然に消火する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物を密閉するための、液体として塗布可能な膜の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物を密閉するための、ポリウレタンまたはアクリレート分散に基づく、液体として塗布可能な膜が知られている。
【0003】
ポリウレタンに基づく液膜のための組成物は、当該組成物が有機溶媒およびイソシアネートを含有し、したがって、環境および毒性上の理由から、どのような利用にでも適しているとは言えないという欠点を有する。
【0004】
さらに、ポリウレタンに基づく液膜は、しばしば、十分な接着を得るために、広範囲の基板の準備を要する。このとき、特に接着促進性組成物、いわゆるプライマーが用いられる。様々な理由から、液膜の塗布に際して、接着促進性組成物を断念することが必要または非常に有利であり得る。例えば、プライマーを用いずに膜を塗布することは、費用面での利点の他に、時間面での利点を有する。なぜなら、接着促進性組成物の塗布および曝気を省略できるからである。さらに、プライマーを用いずに膜を塗布することは、環境面での利点も有する。プライマーには、しばしば非常に大量の揮発性有機溶媒、いわゆるVOCs(揮発性有機化合物)が含まれるからである。
【0005】
ポリウレタンに基づく液膜のさらなる欠点は、ポリウレタン組成物がしばしば比較的短い貯蔵安定性を有するということと、当該組成物が流れ落ちるのを防止するためには、当該組成物を垂直面への塗布のために修正しなければならないということである。
【0006】
それに対して、アクリレート分散に基づく液膜のための組成物は、有機溶媒を含有せず、12ヶ月までの比較的高い貯蔵安定性を有する。しかしながら、当該組成物は、紫外線および気象条件に対する耐性が明らかに低く、接着性に欠けるため、限られた数の基板にのみ利用可能であるという欠点を有する。
【0007】
さらに、従来の液膜はその燃焼特性に関して欠点を有しているので、特に居住用建物を密閉する場合には安全技術上の理由から問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえ、本発明の課題は、先行技術の欠点を克服し、環境および毒性面での改善が行われ、さらに燃焼挙動における特性が改善された液膜を生成するための組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、請求項1に記載された組成物が本課題を解決することが発見された。
【0010】
水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムとシラン末端ポリマーとの組み合わせによって、組成物が生成され得る。当該組成物は、液体の状態において膜として塗布され、揮発性有機溶媒もイソシアネートも含有せず、その燃焼挙動において非常に良好な特性を示すので、建物およびその利用者にとっての安全性は向上する。
【0011】
本発明のさらなる態様は、さらなる独立請求項の対象である。本発明の特に好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の対象は、
a)少なくとも1つのシラン官能性ポリマーP、および、
b)20重量%〜60重量%の水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウム、またはそれらの混合物、
を含有する組成物であり、当該組成物は、DIN53018にしたがって20℃で測定した場合、500mPa・s〜20000mPa・sの粘度を有する。
【0013】
本明細書において、ポリオールまたはポリイソシアネートのような、「ポリ」で始まる物質名は、その名前に現れる官能基を形式的に1分子当り2つ以上有する物質を示す。
【0014】
本明細書において、「ポリマー」との概念は一方では、化学的に均一だが、重合度、モル質量、および鎖長に関して異なる高分子の集合体であって、重合反応(重合、重付加、重縮合)によって生成された集合体を含む。当該概念は他方では、このような重合反応からの高分子の集合体の誘導体も含む。すなわち、例えば所定の高分子における官能基の付加または置換などの変換によって得られた化合物であり、当該化合物は化学的に均一でも均一でなくとも良い。さらに、当該概念はいわゆるプレポリマーも含む。すなわち、反応性オリゴマーのプレポリマーであり、その官能基は高分子の構築に関与する。
【0015】
「ポリウレタンポリマー」との概念は、いわゆるジイソシアネート重付加法で生成される全てのポリマーを含む。当該ポリマーには、略または完全にウレタン基を含まないポリマーも含まれる。ポリウレタンポリマーの例としては、ポリエーテル‐ポリウレタン、ポリエステル‐ポリウレタン、ポリエーテル‐ポリ尿素、ポリ尿素、ポリエステル‐ポリ尿素、ポリイソシアヌレート、およびポリカルボジイミドが挙げられる。
【0016】
本明細書において、「シラン」もしくは「オルガノシラン」とは、一方では少なくとも1つの、一般的には2つか3つの、Si‐O結合を介して直接ケイ素原子に結合されたアルコキシ基またはアシルオキシ基を有し、他方では少なくとも1つの、Si‐C結合を介して直接ケイ素原子に結合された有機基を有する化合物を示す。この種のシランは、当業者には、オルガノアルコキシシランもしくはオルガノアシルオキシシランとしても知られている。
【0017】
対応して、「シラン基」との概念は、Si‐C結合を介して結合されたシランの有機基に結合された、ケイ素を含有する基を示す。シランもしくはシラン基は、湿気と接触すると加水分解するという特性を有する。このとき、オルガノシラノール、すなわち、1つ以上のシラノール基(Si‐OH基)を含有する有機ケイ素化合物と、後続の縮合反応によって、オルガノシロキサン、すなわち1つ以上のシロキサン基(Si‐O‐Si基)を有する有機ケイ素化合物とが形成される。
【0018】
「シラン官能性」との概念は、シラン基を有する化合物を示す。したがって、「シラン官能性ポリマー」とは、少なくとも1つのシラン基を有するポリマーである。
【0019】
「アミノシラン」もしくは「メルカプトシラン」と称されるのは、その有機基がアミノ基もしくはメルカプト基を有するオルガノシランである。「第1級アミノシラン」と称されるのは、第1級アミノ基、すなわち1つの有機基に結合されているNH基を有するアミノシランである。「第2級アミノシラン」と称されるのは、第2級アミノ基、すなわち2つの有機基に結合されているNH基を有するアミノシランである。
【0020】
本明細書において「分子量」として理解されるのは、つねに分子量平均M(数値平均)である。
【0021】
本発明に係る組成物は、少なくとも1つのシラン官能性ポリマーPを含んでおり、ポリマーPは特に以下の式(II)の末端基を有する。
【0022】
【化1】

【0023】
式中、基Rは、炭素数1〜8で直鎖状または分岐状の1価炭化水素基であり、特にメチル基またはエチル基である。
【0024】
基Rは、アシル基または炭素数1〜5で直鎖状または分岐状の1価炭化水素基、特にメチル基、エチル基、もしくはイソプロピル基である。
【0025】
基Rは、炭素数1〜12で直鎖状または分岐状の2価炭化水素基であり、場合によって環状および/または芳香族部分、および場合によって1つ以上のヘテロ原子、特に1つ以上の窒素原子を有する。
【0026】
指数aは0、1、もしくは2であり、特に0である。
【0027】
式(II)のシラン基内では、RおよびRはそれぞれ互いに独立して、記載された基を示す。したがって、例えば、式(II)の末端基を有する化合物でもあり得る。当該末端基は、エトキシ‐ジメトキシシラン末端基(R=メチル、R=メチル、R=エチル)である。
【0028】
第1の実施形態において、シラン官能性ポリマーPは、シラン官能性ポリウレタンポリマーP1である。当該ポリマーは、少なくとも1つの、イソシアネート基に対して反応性の基を有するシランの、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーとの変換によって得られる。当該変換は、好ましくはイソシアネート基に対して反応性の基とイソシアネート基との化学量論比1:1において、または、イソシアネート基に対して反応性の基が多少過剰な状態において行われるので、結果として生じるシラン官能性ポリウレタンポリマーP1には、全くイソシアネート基は含まれない。
【0029】
イソシアネート基に対して反応性の基を少なくとも1つ有するシランの、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーでの変換において、シランは原則的に、たとえ好ましくはなくとも、半化学量論的に使用され得るので、シラン基もイソシアネート基も有するシラン官能性ポリマーが得られる。
【0030】
イソシアネート基に対して反応性の基を少なくとも1つ有するシランは、例えばメルカプトシランまたはアミノシランであり、特にアミノシランである。
【0031】
好ましくは、当該アミノシランは式(III)のアミノシランASである。
【0032】
【化2】

【0033】
式中、R、R、Rおよびaはすでに記載した通りである。Rは水素原子か、場合に応じて環状部分を有する炭素数1〜20で直鎖状もしくは分岐状の1価炭化水素基か、または式(IV)の基である。
【0034】
【化3】

【0035】
式中、基RおよびRは、それぞれ互いに独立に、水素原子か、または‐R11、‐COOR11、および‐CNから成る群からの基である。
【0036】
基R10は、水素原子か、または‐CH‐COOR11、‐COOR11、‐CONHR11、‐CON(R11、‐CN、‐NO、‐PO(OR11、‐SO11、および‐SOOR11から成る群からの基である。
【0037】
基R11は、場合に応じて少なくとも1つのヘテロ原子を有する炭素数1〜20の炭化水素基である。
【0038】
アミノシランASに適しているのは、例えば、3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルジメトキシメチルシランなどの第1級アミノシランと、N‐ブチル‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐フェニル‐3‐アミノプロピルトリメトキシシランなどの第2級アミノシランと、3‐アミノプロピルトリメトキシシランまたは3‐アミノプロピルジメトキシメチルシランなどの第1級アミノシランのマイケル受容体へのマイケル付加からの生成物、例えばアクリロニトリル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、アクリル酸アミドまたはメタクリル酸アミド、マレイン酸ジエステルおよびフマル酸ジエステル、N‐(3‐トリメトキシシリル‐プロピル)‐アミノ‐コハク酸ジメチルエステルおよびN‐(3‐トリメトキシシリル‐プロピル)‐アミノ‐コハク酸ジエチルエステルなどのシトラコン酸ジエステルおよびイタコン酸ジエステルと、ケイ素でのメトキシ基の代わりにエトキシ基またはイソプロポキシ基を有する前記アミノシランのアナログと、である。アミノシランASとして特に適しているのは、第2級アミノシラン、特に式(III)のRがHではないアミノシランASである。好ましいのは、マイケル付加物、特にN‐(3‐トリメトキシシリル‐プロピル)‐アミノ‐コハク酸ジエチルエステルである。
【0039】
本明細書において「マイケル受容体」との概念は、化合物内部に含まれた、電子受容体基によって活性化される二重結合に基づき、マイケル付加に類似した方法で、第1級アミノ基(NH基)と求核付加反応(ヘテロ‐マイケル付加)を行うことができる化合物を示す。
【0040】
シラン官能性ポリウレタンポリマーP1を生成するための、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーとして適しているのは、例えば、少なくとも1つのポリオールの、少なくとも1つのポリイソシアネート、特にジイソシアネートでの変換によって得られるポリマーである。当該変換は、ポリオールとポリイソシアネートとを一般的な方法で、例えば50℃〜100℃において、場合によっては適切な触媒を共に用いて反応させることによって行われる。ポリイソシアネートは、そのイソシアネート基が、ポリオールのヒドロキシル基に対して、化学量論的に過剰になるように計量されている。
【0041】
特に、ポリイソシアネートの過剰は、ポリオールの全てのヒドロキシル基が変換した後に生じたポリウレタンポリマーにおいて、遊離のイソシアネート基の含有量がポリマー全体の0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜2.5重量%、より好ましくは0.2重量%〜1重量%にとどまるように選択される。
【0042】
場合によっては、ポリウレタンポリマーは、軟化剤を共に用いて生成され得る。使用される軟化剤は、イソシアネートに対して反応性の基は含有していない。
【0043】
好ましいのは、遊離のイソシアネート基が前記含有量のポリウレタンポリマーであり、当該ポリウレタンポリマーは、ジイソシアネートを、NCO:OH比1.5:1〜2.2:1において、高分子ジオールで変換することによって得られる。
【0044】
ポリウレタンポリマーの生成に適したポリオールは、特にポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ならびにこれらポリオールの混合物である。
【0045】
ポリオキシアルキレンポリオールまたはオリゴエタロール(Oligoetherole)とも称されるポリエーテルポリオールとしては、特に、酸化エチレン、1,2‐酸化プロピレン、1,2‐酸化ブチレン、もしくは2,3‐酸化ブチレン、オキセタン、テトラヒドロフラン、またはそれらの混合物の重合生成物であるポリエーテルポリオールが適している。当該ポリエーテルポリオールは、場合によっては、2つ以上の活性水素原子を有するスターター分子を用いてポリマー化される。当該スターター分子の例としては、水、アンモニア、または複数のOH基もしくはNH基を有する化合物、例えば1,2‐エタンジオール、1,2‐プロパンジオール、1,3‐プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体のジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール、異性体のブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3‐シクロヘキサンジメタノール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1‐トリメチロールエタン、1,1,1‐トリメチロールプロパン、グリセリン、アニリンなど、ならびに前記化合物の混合物が挙げられる。未飽和度が低く(ASTM D‐2849‐69に基づいて測定し、グラムポリオール当りの不飽和度ミリグラム当量(mEq/g)で表記)、例えばいわゆる複合金属シアン化物錯体触媒(DMC触媒)を用いて生成されたポリオキシアルキレンポリオールも、例えばNaOH、KOH、CsOH、またはアルカリアルコラートなどのアニオン触媒を用いて生成された不飽和度が比較的高いポリオキシアルキレンポリオールも使用することができる。
【0046】
特に適しているのは、ポリオキシエチレンポリオールおよびポリオキシプロピレンポリオールであり、特にポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、およびポリオキシプロピレントリオールである。
【0047】
特に適しているのは、不飽和度が0.02mEq/gより低く、かつ分子量が1000g/mol〜30000g/molの範囲にあるポリオキシアルキレンジオールまたはポリオキシアルキレントリオール、ならびに分子量が400g/mol〜20000g/molの範囲にあるポリオキシエチレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレンジオール、およびポリオキシプロピレントリオールである。
【0048】
同じく特に適しているのは、いわゆる酸化エチレン末端(「EO‐endcapped」、酸化エチレン‐endcapped)ポリオキシプロピレンポリオールである。後者は、例えば純粋なポリオキシプロピレンポリオール、特にポリオキシプロピレンジオールおよびポリオキシプロピレントリオールが、酸化エチレンとのポリプロポキシレーション反応の完了後、さらにアルコキシレート化されることによって得られる、したがって第1級ヒドロキシル基を有する、特別なポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオールである。この場合、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンジオールおよびポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオールが好ましい。
【0049】
他に適しているのは、例えば1,3‐ブタジエンおよびアリルアルコールの重合によって、またはポリブタジエンの酸化によって生成されるヒドロキシル基末端ポリブタジエンポリオール、ならびにその水素化生成物である。
【0050】
他に適しているのは、スチレン‐アクリロニトリルグラフトポリエーテルポリオールであり、例えば、Lupranol(登録商標)という商品名で、ドイツのElastogran GmbHの製品として入手できる。
【0051】
ポリエステルポリオールとしては、特に、少なくとも2つのヒドロキシル基を有し、従来の方法によって、特に2価以上のアルコールとの、ヒドロキシカルボン酸の重縮合によって、または脂肪族および/または芳香族ポリカルボン酸の重縮合によって生成されるポリエステルが適している。
【0052】
特に適しているのは、1,2‐エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4‐ブタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、1,1,1‐トリメチロールプロパン、もしくは前記アルコールと有機ジカルボン酸との混合物などの2価〜3価アルコールから、または例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、2量体脂肪酸、フタル酸、フタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、およびトリメリット酸無水物、もしくは前記酸の混合物など、前記アルコールの無水物もしくはエステルから生成されるポリエステルポリオール、ならびにε‐カプロラクトンなどのラクトンから成るポリエステルポリオールである。
【0053】
特に適しているのはポリエステルジオール、特にジカルボン酸としてのアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、2量体脂肪酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸から、またはε‐カプロラクトンなどのラクトンから、および2価アルコールとしてのエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4‐ブタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、2量体脂肪酸ジオール、1,4‐シクロヘキサンジメタノールから生成されるポリエステルジオールである。
【0054】
ポリカーボネートポリオールとしては、特に例えば前記の、ポリエステルポリオールの生成に用いられるアルコールの、ジメチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート、またはホスゲンでの変換によって得られるポリカーボネートポリオールが適している。特に適しているのは、ポリカーボネートジオール、とりわけ非晶質ポリカーボネートジオールである。
【0055】
さらなる適したポリオールは、ポリ(メタ)アクリレートポリオールである。
【0056】
他に適しているのは、例えば天然脂肪および油、特にヒマシ油などのポリヒドロキシ官能性脂肪および油、もしくは天然脂肪および油の化学修飾から得られる、いわゆる油脂化学的ポリオール、例えば不飽和油のエポキシ化および後続のカルボン酸もしくはアルコールでの開環によって得られるエポキシポリエステルもしくはエポキシポリエーテル、または不飽和油のヒドロホルミル化および水素化によって得られるポリオールである。他に適しているのは、アルコール分解またはオゾン分解などの分解プロセス、および、そうして得られた分解生成物またはそれらの誘導体の後続の化学結合、例えばエステル交換または二量化によって、天然脂肪および油から得られるポリオールである。天然脂肪および油の適切な分解生成物は、特に脂肪酸および脂肪アルコールならびに脂肪酸エステル、特にメチルエステル(FAME)であり、当該分解生成物は、例えばヒドロホルミル化および水素化によって、ヒドロキシ脂肪酸エステルを形成するように誘導体化され得る。
【0057】
他にやはり適しているのは、オリゴハイドロカルボノール(Oligohydrocarbonole)とも称されるポリ炭化水素ポリオールである。例えば、アメリカのKraton Polymers社によって製造されるようなポリヒドロキシ官能性エチレン‐プロピレンコポリマー、エチレン‐ブチレンコポリマー、もしくはエチレン‐プロピレン‐ジエンコポリマー、または1,3‐ブタンジエンもしくはジエン混合物などのジエンと、スチレン、アクリロニトリル、もしくはイソブチレンなどのビニルモノマーとから成るポリヒドロキシ官能性コポリマー、または例えば1,3‐ブタジエンおよびアリルアルコールの共重合によって生成され、水素化も可能なポリヒドロキシ官能性ポリブタジエンポリオールなどである。
【0058】
他に適しているのは、ポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーであり、例えば、エポキシドもしくはアミノアルコール、およびアメリカのEmerald Performance Materials, LLC社のHypro(登録商標)(旧Hycar(登録商標))CTBNという商品名で製品として入手可能なカルボキシル末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーから生成される。
【0059】
前記ポリオールは、好ましくは平均分子量が250g/mol〜30000g/mol、より好ましくは1000g/mol〜30000g/molであり、平均OH官能性は1.6〜3の範囲である。
【0060】
特に適したポリオールはポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールであり、とりわけポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオール、好ましくはポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオールである。
【0061】
前記ポリオールに加えて、低分子の2価以上のアルコールを少量、末端イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを生成する際に使用することができる。当該アルコールは例えば、1,2‐エタンジオール、1,2‐プロパンジオール、1,3‐プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3‐シクロヘキサンジメタノール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、2量体脂肪アルコール、1,1,1‐トリメチロールエタン、1,1,1‐トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、もしくはマンニトールなどの糖アルコール、サッカロースなどの糖、その他の多価アルコール、前記2価以上のアルコールの低分子アルコキシル化生成物、ならびに前記アルコールの混合物である。
【0062】
ポリウレタンポリマーを生成するためのポリイソシアネートとしては、一般的に製品として入手可能な、脂肪族、脂環式、または芳香族ポリイソシアネート、特にジイソシアネートが用いられる。
【0063】
例えば、そのイソシアネート基がそれぞれ脂肪族、脂環式、またはアリール脂肪族の炭素原子に結合した、「脂肪族ジイソシアネート」とも称されるジイソシアネートであり、例えば、1,6‐ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2‐メチルペンタメチレン‐1,5‐ジイソシアネート、2,2,4‐および2,4,4‐トリメチル‐1,6‐ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,12‐ドデカメチレンジイソシアネート、リジン‐およびリジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン‐1,3‐ジイソシアネート、シクロヘキサン‐1,4‐ジイソシアネート、1‐イソシアナート‐3,3,5‐トリメチル‐5‐イソシアナートメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、ペルヒドロ‐2,4’‐ジフェニルメタンジイソシアネートおよびペルヒドロ‐4,4’‐ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4‐ジイソシアナート‐2,2,6‐トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3‐および1,4‐ビス‐(イソシアナートメチル)‐シクロヘキサン、m‐およびp‐キシリレンジイソシアネート(m‐およびp‐XDI)、m‐およびp‐テトラメチル‐1,3‐キシリレンジイソシアネート、m‐およびp‐テトラメチル‐1,4‐キシリレンジイソシアネート、ビス‐(1‐イソシアナート‐1‐メチルエチル)‐ナフタレンなど、ならびに、それぞれ芳香族の炭素原子に結合したイソシアネート基を有する、「芳香族ジイソシアネート」とも称するジイソシアネートであり、例えば、2,4‐および2,6‐トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’‐、2,4’‐、および2,2’‐ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,3‐および1,4‐フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6‐テトラメチル‐1,4‐ジイソシアナートベンゼン、ナフタレン‐1,5‐ジイソシアネート(NDI)、3,3’‐ジメチル‐4,4’‐ジイソシアナートジフェニル(TODI)、ならびに、前記イソシアネートのオリゴマーおよびポリマー、ならびに、前記イソシアネートの任意の混合物である。
【0064】
例えば、適切なシラン官能性ポリマーP1は、ドイツのHanse Chemie AG社のPolymer ST、例えばPolymer ST50という商品名で、ならびに、ドイツのBayer MaterialScience AG社のDesmoseal(登録商標)という商品名で、製品として入手可能である。
【0065】
シラン官能性ポリマーPは、第2の実施形態においては、シラン官能性ポリウレタンポリマーP2であり、イソシアナートシランISの、イソシアネート基に対して反応的な官能性末端基、特にヒドロキシル基、メルカプト基、および/またはアミノ基を有するポリマーでの変換によって得られる。当該変換は、イソシアネート基の、イソシアネート基に対して反応的な官能性末端基との化学量論比が1:1で、またはイソシアネート基に対して反応的な官能性末端基が多少過剰な状態で、例えば20℃〜100℃において、場合によっては触媒を用いて行われる。
【0066】
イソシアナートシランISとして適しているのは、式(V)の化合物である。
【0067】
【化4】

【0068】
式中、R、R、Rおよびaはすでに記載した通りである。
【0069】
式(V)の適切なイソシアナートシランISの例は、イソシアナートメチルトリメトキシシラン、イソシアナートメチルジメトキシメチルシラン、3‐イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3‐イソシアナートプロピルジメトキシメチルシラン、およびケイ素でのメトキシ基の代わりにエトキシ基またはイソプロポキシ基を有するそれらのアナログである。
【0070】
好ましくは、当該ポリマーは、イソシアネート基に対して反応的な官能性末端基としてヒドロキシル基を有している。
【0071】
ヒドロキシル基を有するポリマーとして適しているのは、一方では、すでに挙げた高分子ポリオキシアルキレンポリオール、好ましくは、不飽和度が0.02mEq/gより低く、かつ分子量が4000g/mol〜30000g/molの範囲にあるポリオキシプロピレンジオール、より好ましくは、分子量が8000g/mol〜30000g/molの範囲にあるポリオキシプロピレンジオールである。
【0072】
他方では、式(V)のイソシアナートシランISでの変換のためには、ヒドロキシル基を有する、特にヒドロキシル基末端ポリウレタンポリマーも適している。このようなポリウレタンポリマーは、少なくとも1つのポリイソシアネートの、少なくとも1つのポリオールでの変換によって得られる。当該変換は、ポリオールとポリイソシアネートとを一般的な方法で、例えば50℃〜100℃において、場合によっては適切な触媒を共に用いて反応させることによって行われる。ポリオールは、そのヒドロキシル基が、ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して、化学量論的に過剰になるように計量されている。ヒドロキシル基とイソシアネート基との比は、好ましくは1.3:1〜4:1、より好ましくは1.8:1〜3:1である。
【0073】
場合によっては、ポリウレタンポリマーは、軟化剤を共に用いて生成され得る。使用される軟化剤は、イソシアネートに対して反応性の基は含有していない。
【0074】
当該変換に適しているのは、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを生成するために適しているものとしてすでに言及されたポリオールおよびポリイソシアネートである。当該ポリマーは、シラン官能性ポリウレタンポリマーP1を生成するために用いられる。
【0075】
例えば、適切なシラン官能性ポリマーP2は、アメリカのMomentive Performance Materials Inc.社のSPUR+(登録商標)1010LM、1015LM、1050MMという商品名で、ならびに、ドイツのWacker Chemie AG社のGeniosil(登録商標)STP-E15、STP-10、STP-E35という商品名で、製品として入手可能である。
【0076】
第3の実施形態において、シラン官能性ポリマーPは、シラン官能性ポリマーP3であり、当該ポリマーは、末端二重結合を有するポリマー、例えばポリ(メタ)アクリレートポリマーまたはポリエーテルポリマーの、特にアリル末端ポリオキシアルキレンポリマーのヒドロシリル化反応によって得られ、例えば米国特許第3971751号明細書および米国特許第6207766号明細書に記載されており、その開示は、これをもって本願に組み込まれる。
【0077】
例えば、適切なシラン官能性ポリマーP3は、日本の株式会社カネカのMS-Polymer(登録商標)S203(H)、S303(H)、S227、S810、MA903、S943、およびSilyl(登録商標)SAX220、SAX350、SAX400、SAX725、およびSilyl(登録商標)SAT350、SAT400、およびXMAP(登録商標)SA100S、SA310Sという商品名で、ならびに、日本の旭硝子株式会社のExcestar(登録商標)S2410、S2420、S3430、S3630、W2450、MSX931という商品名で、製品として入手可能である。
【0078】
好ましくは、シラン官能性ポリマーPは、シラン官能性ポリマーP1またはP2である。当該ポリマーは、シラン官能性ポリマーP3に比べて、より容易かつそれゆえに安価に生成できるという利点を有している。
【0079】
一般的に、シラン官能性ポリマーPは、組成物全体の10重量%〜80重量%、好ましくは15重量%〜70重量%、より好ましくは20重量%〜40重量%の量で存在する。
【0080】
さらに、本発明に係る組成物は、20重量%〜60重量%、好ましくは30重量%〜55重量%、より好ましくは40重量%〜50重量%の水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムまたはそれらの混合物を含有する。大抵の場合、好ましくは、本発明に係る組成物は水酸化アルミニウムを含有する。
【0081】
水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムは、特に粉末の形態で存在しており、粉末は粒度0.1μm〜100μmが好ましい。
【0082】
水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムの他に、本発明にかかる組成物は、さらなる充填剤を付加的に含有していても良い。当該充填剤は、硬化しない組成物のレオロジー特性にも、硬化した組成物の機械的特性および表面の状態にも影響を与える。適したさらなる充填剤は、無機および有機充填剤で、例えば天然の、粉末または沈殿した炭酸カルシウムで、場合によっては脂肪酸、特にステアリン酸でコーティングされたもの、硫酸バリウム(BaSO、バライトまたは重晶石とも称される)、か焼カオリン、ケイ酸、特に熱分解による高分散ケイ酸、PVC粉末、または中空球である。好ましくは、本発明に係る組成物は、さらなる充填剤として、コーティングされた炭酸カルシウムを含有している。
【0083】
付加的な充填剤の適切な量は、例えば組成物全体の1重量%〜15重量%、好ましくは2重量%〜10重量%、より好ましくは3重量%〜8重量%である。
【0084】
好ましくは、当該組成物はさらに、式(I)のリン化合物を含有している。
【0085】
【化5】

【0086】
式中、基R12は、式‐OR15の基であり、
基R15は、炭素数1〜18の、直鎖状または分岐状の、1価炭化水素基であり、当該基は、場合によって1つ以上のヘテロ原子と、場合によって1つ以上のC‐C多重結合と、および/または、場合によって脂環式および/または芳香族部分を有しており、
基R13は、水素原子または基R14であり、
基R14は、式‐OR16の基であり、
基R16は、水素原子または炭素数1〜18の、直鎖状または分岐状の、1価炭化水素基であり、当該基は、場合によって1つ以上のヘテロ原子と、場合によって1つ以上のC‐C多重結合と、および/または、場合によって脂環式および/または芳香族部分を有しており、
指数mは0、1、または2であるか、あるいは、
式中、全ての基R12、R13、R14は式‐ONHの基であり、指数mは0〜1000、特に100〜1000である。
【0087】
式(I)のリン化合物は、本発明に係る組成物において、軟化性と、難燃性とを有している。難燃性化合物として、式(I)のリン化合物は、火災に際して、表面上での炭化によって保護層を形成するという利点を有する。
【0088】
全ての基R12、R13、R14が式‐ONHの基である、式(I)のリン化合物は、さらに、火災に際して、気体の状態において酸素を置換するアンモニアを分離するという利点を有する。
【0089】
式(I)の適切なリン化合物は、例えばリン酸トリエチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸ジフェニルイソデシル、リン酸トリス(1,3‐ジクロロ‐2‐プロピル)、リン酸トリス(2‐クロロエチル)、リン酸トリス(2‐エチルヘキシル)、リン酸トリス(クロロイソプロピル)、リン酸トリス(クロロプロピル)、イソプロピル化されたリン酸トリフェニル、様々なイソプロピル化度のリン酸モノ、ビス、トリス(イソプロピルフェニル)、レゾルシノール‐ビス(リン酸ジフェニル)、ビスフェノール‐A‐ビス(リン酸ジフェニル)、およびポリリン酸アンモニアから成る群から選択される。
【0090】
好ましくは、式(I)のリン化合物において、基R12、R13、R14はそれぞれ、炭素数1〜18、好ましくは炭素数4〜16、より好ましくは炭素数6〜12の、直鎖状または分岐状の、1価炭化水素基であり、mは0である。このような式(I)のリン化合物が好まれるのは、当該化合物がその他の一般的な難燃剤に比べて、ハロゲン化された有機基を有しておらず、それゆえに環境および毒性の面から見て有利だからである。
【0091】
例えば、適切な式(I)のリン化合物は、ドイツのLanxess AG社のDisflamoll(登録商標)DPK、Disflamoll(登録商標)TOF、Levagard(登録商標)TEP、Disflamoll(登録商標)TKP、Disflamoll(登録商標)TP、アメリカのFerro CorporationのSanticizer(登録商標)148、またはアメリカのAlbemarle CorporationのAntiblaze(登録商標)Plという商品名で、製品として入手可能である。
【0092】
式(I)のリン化合物の割合は、好ましくは組成物全体の5重量%〜50重量%、より好ましくは5重量%〜30重量%、さらに好ましくは7重量%〜15重量%である。
【0093】
さらに、本発明に係る組成物は、少なくとも1つのオルガノシランを含有しており、その有機基は少なくとも1つの官能基を有している。官能基として適しているのは、好ましくは少なくとも1つのエポキシ基、(メタ)アクリレートエステル基、アミン基、メルカプト基、無水物基、尿素基、またはビニル基である。さらに、前記シランと第1級アミノシランとの付加物も適している。
【0094】
特に、このようなオルガノシランは、すでに式(III)のアミノシランASとして記載されたアミノシラン、3‐メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン、3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシランなどである。
【0095】
最も好ましいオルガノシランは、その有機基が少なくとも1つの官能基を有している、アミノ官能性オルガノシランであり、アミノシランとも称される。最も好ましいアミノシランは、すでに式(III)のアミノシランASとして記載されている。
【0096】
その有機基が少なくとも1つの官能基を有しているオルガノシランの割合は、好ましくは、組成物全体の0.5重量%〜15重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%、さらに好ましくは2重量%〜5重量%である。
【0097】
ここに記載したようなオルガノシランは、本発明に係る組成物において、様々な目的で用いることができる。例えば、オルガノシランは反応希釈剤として機能し、組成物の硬化に際して、特にシラン基との反応によって、ポリマーマトリックスに組み込まれる。さらに、当該オルガノシランは、架橋結合の際の連鎖停止剤として、または乾燥剤として用いられる。
【0098】
さらに、このような化合物の使用は、本発明に係る組成物の、多数の基板への接着の改善につながる。したがって、当該オルガノシランは、接着促進剤としての機能も有する。
【0099】
さらに、本発明に係る組成物は、好ましくは少なくとも1つの、シラン官能性ポリマーPの架橋結合のための触媒を含有する。適切な触媒は、例えばジブチルスズジラウレートおよびジブチルスズジアセチルアセトネートなどの有機スズ化合物、有機ビスマス化合物、またはビスマス錯体、チタン触媒の形態の金属触媒、および、例えば1,4‐ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび2,2’‐ジモルホリノジエチルエーテルなどのアミノ基を含有する化合物、ならびに前記触媒の混合物である。
【0100】
触媒の割合は、好ましくは組成物全体の0.001重量%〜5重量%、より好ましくは0.01重量%〜3重量%、さらに好ましくは0.01重量%〜0.5重量%未満、最も好ましくは0.01重量%〜0.1重量%である。
【0101】
このとき、用いられる触媒の量は、特に用いられるシラン官能性ポリマーPに依存する。シラン官能性ポリマーPがシラン官能性ポリマーP1またはP2である場合、シラン官能性ポリマーPがシラン官能性ポリマーP3である場合よりも少ない量の触媒が用いられる。触媒がより少量になると、特に毒性の面で利点がある。
【0102】
さらに、本発明に係る組成物は、さらなる成分を付加的に含有していても良い。このような成分は、例えば付加的な軟化剤で、有機カルボン酸またはその無水物のエステル、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、もしくはジイソデシルフタレートなどのフタレート、ジオクチルアジペートなどのアジペート、アゼレートおよびセバケート、ポリオキシアルキレンポリオールもしくはポリエステルポリオールなどのポリオール、有機リン酸エステルおよび有機スルホン酸エステル、またはポリブテンなどの軟化剤と、溶媒と、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、またはポリアミド繊維もしくはポリエチレン繊維などの合成樹脂繊維などの繊維と、染料と、顔料と、増粘剤またはチキソトロープ剤などのレオロジー調整剤で、例えば国際公開第02/48228号パンフレットの第9ページから第11ページに、チキソトロープ剤(「チキソトロピー付与剤」)として記載されている種類の尿素化合物、ポリアミドワックス、ベントナイト、または発熱性ケイ酸などのレオロジー調整剤と、シラン官能性オリゴマーおよびポリマーなどの架橋剤と、さらなる乾燥剤で、例えばN‐(シリル‐メチル)‐O‐メチル‐カルバメート、特にN‐(メチルジメトキシシリルメチル)‐O‐メチル‐カルバメート、(メタクリルオキシメチル)シラン、メトキシメチルシラン、N‐フェニルシラン、N‐シクロヘキシルシラン、およびN‐アルキルシランなどのα‐官能性シラン、オルトギ酸エステル、酸化カルシウム、または分子篩などの乾燥剤と、熱、光、および紫外線などに対する安定剤と、湿潤剤、均展剤、通気剤、または発泡防止剤などの界面活性剤と、殺藻剤、殺菌剤、またはかびの生育を抑制する物質などの殺生物剤と、一般的に湿気硬化性組成物に使用されるさらなる物質と、である。
【0103】
場合によって組成物内に存在する挙げられた全ての成分は、当該組成物の貯蔵安定性が、このような成分の存在によってネガティブな影響を受けないように、つまり、当該組成物が貯蔵に際して、その特性、特に塗布特性および硬化性において変化しないか、または変化するとしてもわずかな変化のみにとどまるように選択されると有利である。これによって、記載された組成物の、特にシラン基の化学的硬化をもたらす反応は、貯蔵の間に重大な程度では生じない。したがって、前記成分が、全く水を含まないか、せいぜいわずかな量の水を含んでいる、または、貯蔵時に水を放出すると、特に有利である。それゆえ、ある成分を、組成物内に混入する前に化学的または物理的に乾燥させることは有意義である。
【0104】
本発明に係る組成物は、初期状態において、すなわち架橋プロセス開始前において、DIN53018にしたがって20℃で測定した場合、500mPa・s〜20000mPa・sの粘度を有する。当該粘度は、10s−1および100s−1のせん断率で測定される。特に本発明に係る組成物は、2000mPa・s〜15000mPa・sの粘度、好ましくは4000mPa・s〜10000mPa・sの粘度を有する。特に本発明に係る組成物は、せん断率10s−1において、前記粘度を有する。
【0105】
前記組成物は、好ましくは湿気を排除して生成され、保管される。典型的には、当該組成物は貯蔵安定性を有している。すなわち、当該組成物は、湿気を排除した場合、ドラム缶、袋、またはカートリッジなどの適切な容器または設備内で、数ヶ月から1年かそれ以上まで保管が可能であり、その塗布特性または硬化後の特性は、使用に影響する程度には変化しない。
【0106】
記載された組成物を基板上に塗布する場合、ポリマーのシラン基が湿気に接触する。シラン基は、湿気に接すると加水分解する特性を有する。このときオルガノシラノールが形成され、後続の縮合反応によってオルガノシロキサンが形成される。触媒の使用によって加速され得るこれらの反応の結果、当該組成物は最終的に硬化する。このプロセスは架橋反応とも称される。
【0107】
硬化に必要な水は空気に由来するか(空気湿度)、または前記組成物は、例えば平滑剤などの塗布もしくは噴霧によって、水を含有する成分と接触させられ得るか、または塗布に際して当該組成物には水を含有する要素が、例えば水含有ペーストなどの形態で添加され得る。当該ペーストは、例えば手または静的ミキサーによって混入される。空気湿度による硬化の場合、当該組成物は外側から内側へ向かって硬化する。このとき、硬化の速度は、水の拡散率、温度、環境湿度などの様々な要素によって決定され、一般的に、硬化が進むにつれて遅くなる。
【0108】
さらに、本発明には、前記組成物の、特に構造物を密閉するための、液状で塗布可能な膜としての使用も含まれる。
【0109】
本発明に係る組成物による構造物の密閉は、典型的には、雨、雪、霰、または風などの気象条件に対して、寒さ、暑さ、太陽光線、または氾濫による水などの環境条件に対して、湿気、植物の成長、または根付きなどの土壌条件に対して、また、人間や動物による影響、例えば火災などに対しても行われる。自明のことながら、このような密閉は、所望されない、または不都合な影響が構造物内に侵入することを防ぐだけではなく、このような影響が外に流出することも防ぐものである。これは例えば、工業の工場建物で、環境に放出されてはならないような物質を取り扱っている場合などである。
【0110】
ここで言う構造物とは、地上構造物および地下構造物、例えば建物、屋根、バルコニー、テラス、壁、床、天井、外壁、土台、配管、通路、橋梁、スカイウォーク、道路、滑走路、トンネル、坑道などである。
【0111】
さらに本発明は、基板を密閉するための膜を生成するための方法に関する。当該方法は、
i)ここまでの説明に基づいて組成物を準備するステップと、
ii)密閉されるべき基板上に当該組成物を液体の状態で塗布するステップと、
iii)膜を形成するために、塗布された組成物を湿気によって硬化するステップと、
を有する。
【0112】
本発明に係る組成物を塗布する際、当該組成物は特に、ロール、ブラシ、へら、ローラ、ドクターブレード、ゴム製滑動部を用いて、または噴霧装置、特に無気噴霧装置を用いて基板上に塗布される。
【0113】
このとき基板として適しているのは、特にコンクリート、モルタル、れんが、日干しれんが、石膏、花崗岩または大理石などの天然石、ガラス、ガラスセラミック、金属または金属合金、木材、プラスチック、およびニスから成る群から選択されるものである。さらに適した基板は、例えばしばしば屋根に用いられるような絶縁材料であり、特にグラスウール、ロックウール、発泡スチレン、瀝青質材料、PVC膜またはSPO膜(SPO:フレキシブルポリオレフィン)である。
【0114】
このとき、当該組成物を単層で塗布しても、または多層で塗布しても良い。特に、当該組成物は多層で塗布される。当該組成物が多層で塗布される場合、第2層の塗布は、第1層の塗布直後、または第1層の部分的もしくは完全な硬化後にようやく行われる。同じことは、さらなる層についても当てはまる。
【0115】
膜を生成する方法において、多層で塗布される場合、さらに組成物の層の上および/または下、および/または組成物の層の間に、付加的にシート状の材料を用いても良い。
【0116】
このとき、当該シート状材料は、それ自体が例えばPVCなどのプラスチックから成る膜であっても良い。さらに、当該シート状材料は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などの高強力繊維から成る繊維材料、または例えば織物繊維によるポリマー繊維から成る繊維材料であっても良い。繊維材料として好ましくは、フリースが用いられる。
【0117】
さらに、本発明は、これまでに説明した方法から、本発明に係る組成物と水、特に空気湿度の形態における水との反応によって得られる膜に関する。
【実施例1】
【0118】
以下に、本発明をより詳細に説明するための実施例を記載する。自明のことながら、本発明は本明細書に記載された実施例に限定されるものではない。
【0119】
粘度は、DIN53018に基づき、温度20℃かつせん断率10s−1および100s−1で決定された。粘度が500mPa・s未満または20000mPa・sより大きい組成物は、液膜を生成するには不適切である。
【0120】
引張強度および破断点のびは、DIN EN53504(引張速度:100mm/分)に基づき、7日間に渡り、温度23℃(室温「RT」)かつ50%の相対空気湿度で硬化した厚さ1mmの膜において決定された。
【0121】
ショアA硬度は、DIN53505に基づいて決定された。
【0122】
燃焼特性は、ブリキの蓋に置かれた15×40×1mm大きさの試験片を、それぞれ10秒間、ブンゼンバーナーの炎に曝露することによって決定された。炎に曝露した後に自力では燃焼しなかった試験片を、さらに10秒間、ブンゼンバーナーの炎に曝露した。実験は、試験片がブンゼンバーナーの炎に曝露されずとも燃焼を続けるまで、しかしながら最大で5回まで実施された。炎に曝露した後、次に曝露するまでの間に、試験片は10秒間、炎から離され、空気に曝露される。評価のために、発火するまでに炎に曝露したサイクル数が決定された。さらに、燃焼挙動が質的に決定された。試験結果の評価は、以下のように行われた。
ネガティブ(−):試験片は2サイクルの後燃え続けるか、または、試験片は自然に消火しない、すなわち燃え尽きない。
ポジティブ(+):試験片は最も早くて3サイクルの後に燃焼し、かつ、試験片は自然に消火する。
非常にポジティブ(++):試験片は燃焼しないか、または5サイクルの後にようやく燃焼し、試験片は自然に消火する。
【0123】
ネガティブと評価された組成物は、液膜の生成には好ましくないと見なされる。
【0124】
接着は、作製された試験片において、コーティングに含まれたフリースを、手によって基板から引き離すことによって測定された。接着がネガティブと評価されたコーティングは、力を加えずとも基板から引き離され、全面に渡って純粋な接着破壊が生じた。接着がポジティブと評価されたコーティングの場合、フリースを基板から引き離すためにはある程度の力を必要とした。このとき、コーティング内ではフリースの下で接着破壊が生じた。
【0125】
シラン官能性ポリウレタンポリマーP1の生成
窒素雰囲気下において、1000gのポリオールAcclaim(登録商標)12200(ドイツのBayer MaterialScience社;低モノルポリオキシプロピレンジオール;OH数11.0mgKOH/g;水含有量約0.02重量%)と、45.88gのイソホロンジイソシアネート(IPDI;ドイツのEvonik Degussa GmbH社のVestanat(登録商標)IPDI)と、122gの2,2,4‐トリメチル‐1,3‐ペンタンジオールジイソブチレート(アメリカのEastman Chemical CompanyのEastman TXIB)と、0.14gのジ‐n‐ブチル‐スズジラウレート(スイスのAcima AG社のMetatin(登録商標)K712)とを、つねに攪拌しながら、90℃にまで加熱し、当該温度で放置した。1時間の反応時間の後、滴定を用いて、遊離のイソシアネート基の含有量が、0.7重量%に達した。続いて、66.27gのN‐(3‐トリメトキシシリル‐プロピル)‐アミノ‐コハク酸‐ジエチルエステルを反応混合物に添加し、さらに2時間から3時間、90℃において、赤外分光法(2275−2230cm−1)ではもはや遊離のイソシアネートが認められなくなるまで攪拌を続けた。当該生成物は、室温(23℃)にまで冷却され、湿気を排除して保管された(理論上のポリマー含有量=90.0%)。
【0126】
N‐(3‐トリメトキシシリル‐プロピル)‐アミノ‐コハク酸‐ジエチルエステルは、以下のように生成された。51.0gの3‐アミノプロピル‐トリメトキシシラン(アメリカのMomentive Performance Materials Inc.のSilquest(登録商標)A‐1110)を用意した。室温で攪拌しながら、ゆっくりと49.0gのマレイン酸ジエチルエステル(スイスのFluka Chemie GmbH社)を添加し、当該混合物を2時間に渡り、室温で攪拌した。
【0127】
コーティング組成物1〜3および参照1〜参照4の生成
表1に記載された重量割合にしたがって、シラン官能性ポリウレタンポリマーP1、リン酸トリス‐(2‐エチルヘキシル)(Disflamoll(登録商標)TOF)、2,2,4‐トリメチル‐1,3‐ペンタンジオールジイソブチレート、およびトリメトキシビニルシラン(アメリカのMomentive Performance Materials Inc.のSilquest(登録商標)A‐171)を攪拌し、1リットルの金属製容器に投入した。次に、温度が50℃に上昇するまで、水酸化アルミニウム(ATH;ドイツのNabaltec AG社のApyral(登録商標)16)を分散させた。続いて、3‐(2‐アミノ‐エチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(アメリカのMomentive Performance Materials Inc.のSilquest(登録商標)A‐1120)と、ジ‐n‐ブチル‐スズジラウレート(DBTL、スイスのAcima AG社のMetatin(登録商標)K712)とが添加された。続いて、当該混合物が真空下で5分間攪拌された。完成した生成物は、湿気を排除して保管された。
【0128】
試験片の作製
23cm×30cmの大きさの型にそれぞれコーティング組成物を100g注入し、23℃かつ相対空気湿度50%において7日間硬化した。
【0129】
【表1】

【0130】
コーティング組成物4および参照5〜参照8の生成
コーティング組成物4および参照5〜参照8は、表2に記載された重量割合にしたがって、すでに記載したコーティング組成物と類似の方法で生成された。
【0131】
試験片の作製
事前にエタノールで脱脂した、表2に記載された様々な基板の上に、それぞれコーティング組成物が1kg/mの量において塗布され、均一に広げられた。続いて、フリース(Sika Deutschland GmbH社で得られるSikalastic(登録商標)120布地(100%ポリエステルクロス;120g/cm2))がコーティング内に埋め込まれ、再度それぞれ、1kg/mの量のコーティング組成物で覆われた。当該基板は、23℃かつ相対空気湿度50%において、7日間硬化した。
【0132】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つのシラン官能性ポリマーPと、
b)20重量%〜60重量%の水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムまたはそれらの混合物と、
を含有する組成物において、
前記組成物がDIN53018にしたがって20℃で測定した場合、500mPa・s〜20000mPa・sの粘度を有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記組成物が付加的に少なくとも1つの式(I)のリン化合物を含有しており、
【化1】

式中、基R12は、式‐OR15の基であり、
基R15は、炭素数1〜18の、直鎖状または分岐状の、1価炭化水素基であり、前記基は、場合によって1つ以上のヘテロ原子と、場合によって1つ以上のC‐C多重結合と、および/または、場合によって脂環式および/または芳香族部分を有しており、
基R13は、水素原子または基R14であり、
基R14は、式‐OR16の基であり、
基R16は、水素原子または炭素数1〜18の、直鎖状または分岐状の、1価炭化水素基であり、前記基は、場合によって1つ以上のヘテロ原子と、場合によって1つ以上のC‐C多重結合と、および/または、場合によって脂環式および/または芳香族部分を有しており、
指数mは0、1または2であるか、あるいは、
式中、全ての基R12、R13、R14は式‐ONHの基であり、指数mは0〜1000であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
基R12、R13、R14はそれぞれ、炭素数1〜18、好ましくは炭素数4〜16、より好ましくは炭素数6〜12の、直鎖状または分岐状の、1価炭化水素基であり、mは0であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
式(I)のリン化合物の割合は、前記組成物全体の5重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜30重量%、より好ましくは7重量%〜15重量%であることを特徴とする請求項2または3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は付加的に、その有機基が少なくとも1つの官能基を有する、少なくとも1つのオルガノシラン、特にアミノ官能性オルガノシランを含有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、DIN53018にしたがって20℃で測定した場合、2000mPa・s〜15000mPa・sの粘度、好ましくは4000mPa・s〜10000mPa・sの粘度を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記シラン官能性ポリマーPは、式(II)の末端基を有しており、
【化2】

式中、基Rは、炭素数1〜8で直鎖状または分岐状の1価炭化水素基であり、特にメチル基またはエチル基であり、
基Rは、アシル基または炭素数1〜5で直鎖状または分岐状の1価炭化水素基、特にメチル基、エチル基、もしくはイソプロピル基であり、
基Rは、炭素数1〜12で直鎖状または分岐状の2価炭化水素基であり、場合によって環状および/または芳香族部分、および場合によって1つ以上のヘテロ原子、特に1つ以上の窒素原子を有し、
aは0、1、もしくは2であり、特に0であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物の、液体で塗布可能な膜としての使用。
【請求項9】
構造物を密閉するための請求項8に記載の使用。
【請求項10】
基板を密閉するための膜を生成するための方法であって、
i)請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物を準備するステップと、
ii)密閉されるべき基板上に前記組成物を液体の状態で塗布するステップと、
iii)膜を形成するために、塗布された前記組成物を湿気によって硬化するステップと、
を有する方法。
【請求項11】
前記組成物は、ロール、ブラシ、へら、ローラ、ドクターブレード、ゴム製滑動部を用いて、または噴霧装置、特に無気噴霧装置を用いて前記基板上に塗布されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物は多層で塗布されることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
多層で塗布する場合、前記組成物の層の上および/または下、および/または前記組成物の層の間に、付加的にシート状の材料、特に繊維材料、好ましくはフリースが用いられることを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか一項に記載の方法から得られる膜。

【公表番号】特表2012−512926(P2012−512926A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541483(P2011−541483)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067547
【国際公開番号】WO2010/070109
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】