説明

シラン系ポリエーテルコポリマーを含有するシランコート剤組成物、金属表面をコートする方法、ならびにそれらから作製される製品

シリコン系コポリマーを含有するコート剤組成物、地金もしくはペイントされた金属の耐食性および/もしくは金属の接着特性を高める均一な化成処理および/もしくは不動態化コーティングの形成をもたらすために鋼鉄、亜鉛コートした鋼鉄もしくはアルミニウムのような金属の表面を処理する方法、ならびにその上に化成処理および/もしくは不動態化コーティングを持つ金属が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は参照によりそのすべてをここに組み入れる、2009年1月9日出願の米国仮出願番号61/143,647号の優先権する。
【0002】
本発明は、無機基材に対する非クロム含有コーティング剤、無機基材をコーティングする方法および前記硬化したコーティング剤を含有する製品に関する。特に、本発明は非リンス、非クロム酸塩、非金属リン酸塩のコーティング剤であって、鋼鉄、亜鉛コートされた鋼鉄、およびアルミニウムの表面を含む金属のためのコーティング剤に関し、少なくとも一つのシランおよび少なくとも一つのシリコン系コポリマーを含有し、平滑化、流動性、美観および外観、ならびにペイントその他のコーティング剤の金属表面への接着を向上させ、そして改善された金属の耐食性による保護をもたらす。
【背景技術】
【0003】
無機基材への接着を向上させ、そして金属の耐腐食性による保護を高める、市販の用途のための、さまざまな組成物が知られている。例えば、クロム酸塩および重金属リン酸塩の化成処理は、市販の用途においてペイント操作の前に金属表面を準備するために用いられる。しかしながら、クロム酸塩の毒性プロファイルならびに、工業的プロセスの廃液の流れからの川および水路へと放流されるクロム酸塩、リン酸塩および重金属による汚染影響について関心が高まってきている。シラン系化成処理はこれらのクロム酸塩および重金属リン酸塩の化成処理にとって代わるが、これらのシラン系コート剤はしばしば、不均一のフィルムの厚さを示し、不適切な接着および金属表面の耐腐食保護が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って当分野において、金属表面の腐食を阻止し、表面上に塗布され得るペイントもしくは他のコーティング剤の接着を高めるために、適切な箇所で乾燥した化成処理もしくは不動態化コーティングをもたらす均一なフィルムの厚さでの効果的な処理をもたらす必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はシラン系コポリマーを含有するシランコーティング剤組成物、鋼鉄、亜鉛コートされた鋼鉄およびアルミニウムのような金属の表面を処理し、均一なコーティング、特に、地金もしくはペイントされた金属の耐食性および/もしくは金属基材の接着特性を高める化成処理および/もしくは不動態化コーティングの形成をもたらすための方法、ならびに金属基材、化成処理および/もしくは不動態化コーティングならびにペイントもしくは他のコーティングを含有する製品に関する。本発明の方法は、要求される金属表面をシラン化合物及びシリコン系のポリエーテルコポリマーの水性溶液と接触させることを含有する。金属表面と上述の処理剤の接触の後、当該処理剤はその場で乾燥され、所望のコーティングを得る。好ましくは、その処理剤はクロム酸塩およびリン酸塩を実質的に含まない。
【0006】
一実施態様において、本発明は
(a)一般式(1):
[[(RO)3−a−b(−O−)0.5aSi−R−]Y] (1)
の少なくとも一つのシランであって、
式中、Rの各々は独立して、水素原子または、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アシル、一価のヒドロカルビルもしくはアルコキシ置換アルキル基であり、
の各々は独立して、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アルキル、アルコキシ置換アルキル、アリールもしくはアラルキル基であり、
の各々は独立して、共有化学結合、または1から12個の炭素原子の直鎖の、分岐のもしくは環状の、二価の有機基であり、
Yの各々は独立して、一価の、二価のもしくは価数mの多価の有機官能基であり、
下付文字a、b、mおよびnの各々は独立して整数であり、ここでaが0から3、bが0から2、mが1から4、そしてnが1から50であるシラン、
(b)一般式(2):
(R)(R)(R)SiRSi(R)(R)[OSi(R10)(R11)]12(CO)(CO)(CO)13 (2)
の少なくとも一つのシリコン系ポリエーテルコポリマーであって、
式中、R、R、R、R、R、R10およびR11の各々は独立して、1から10個の炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、
の各々は独立して1から3個の炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であり、
12の各々は独立して、構造:
−CH−(CH(R14)(R15O−
を持つ二価の有機基であり、
構造中、R14の各々は独立して、水素原子もしくはメチルであり、
15の各々は独立して、1から6個の炭素原子の二価のアルキレンラジカルであり、そして下付文字gは0もしくは1であり、
13の各々は独立して、水素原子、1から6個の炭素原子の一価の炭化水素基、ならびに1から6個の炭素原子のアシル基からなる群より選択され、そして、
下付文字d、e、fおよびxの各々は整数であり、ここでdは2から20であり、eは0から18であり、fは0から18であり、そしてxは0もしくは1であり、但し、2≦d+e+f≦20という条件である、シリコン系ポリエーテルコポリマー、ならびに
(c)水
を含有するコート剤組成物を指向する。
【0007】
他の実施態様において、本発明は金属表面を上述のコート剤組成物と接触させることを含有する、金属表面を処理して、その上にコーティングを形成するための方法を指向する。
【0008】
他の実施態様において、本発明は上述のコート剤組成物をその上に塗布されている金属、ならびにその上にコート剤組成物を持つペイントされた金属を指向する。
【0009】
実施例以外において、もしくは他に示されていなければ、物質の量、反応条件、時間、物質の定量化された性質などを表す、明細書および請求項に述べられるすべての数字は、単語「約」が表現に使用されていてもされていなくても、すべての場合において単語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。
【0010】
ここで列挙される任意の数値範囲は、その範囲中のすべてのサブ範囲(sub−range)とそのような範囲もしくはサブ範囲のさまざまな終点の任意の組み合わせとを含むこともまた理解されよう。
【0011】
構造的、構成的ならびに/または機能的に関連した化合物、物質もしくは基質の群に属するとして、明細書に明確にもしくは暗に開示される、ならびに/または請求項に引用される任意の化合物、物質もしくは基質は、その群の個々の要素およびそれらのすべての組み合わせを含むことはまた理解されるべきである。

【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によると、クロム酸塩を含まない、そして好ましくはリン酸塩を含まない化成処理もしくは不動態化コーティングがもたらされ、そしてそれらの化成処理もしくは不動態化コーティングを持つ電気亜鉛めっき鋼、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼、アルミニウム、および他の金属の表面が、所望の表面を、一つ若しくはそれ以上の、非加水分解の、部分的に加水分解された、もしくは加水分解されたシラン、加水分解に安定のシリコン系ポリエーテルコポリマー、水、および任意選択で酸化金属ゾルもしくはシリカゾルのようなコロイド酸化物を含有するゾル、安定化剤、有機ケイ素化合物、ならびに/または有機界面活性剤を含有する水性溶液と接触させることによって提供され得る。本発明の態様において、安定化剤は製品の安定性および保存期間を増大させるためにシラン混合物へと添加される。本発明の水性の前処理組成物は、地金およびペイントされた金属の向上した耐食性、ならびに塗布されるコート剤のペイントされた金属への向上した接着をもたらす。本発明の化成処理もしくは不動態化コーティングを持つ金属の表面を、さらにペイントもしくは他のコーティングによって処理することが出来、ペイントもしくは他のコーティングと地金との間の良好な接着をペイントされた表面にもたらす。
【0013】
「平滑化」という用語は、ブラシもしくはローラーのような塗布器によって残された不完全さが乾燥プロセスの最中に消失するような、塗布されたコーティングが平滑なフィルムを形成できる性能を指すとここでは定義される。「流動性」という用語は、コート剤の展開可能なことおよびコート剤が容易に塗布され得ることを指すとここでは定義される。「湿潤」という用語は、配合物がピンホールや不具合なしに、基材表面を効率的に湿潤する性能であるとここでは記載される。
【0014】
本発明の文脈において、「地金」という用語は、本発明の化成処理もしくは不動態化コーティングによって処理される金属表面であって、しかも未だペイントされていないものを指す。
【0015】
本発明のシランコート剤組成物は、
(a)一般式(1):
[[(RO)3−a−b(−O−)0.5aSi−R−]Y] (1)
の少なくとも一つのシランであって、
式中、Rの各々は独立して、水素原子または、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アシル、一価のヒドロカルビルもしくはアルコキシ置換アルキル基であり、
の各々は独立して、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アルキル、アルコキシ置換アルキル、アリールもしくはアラルキル基であり、
の各々は独立して、共有化学結合、または1から12個の炭素原子の直鎖の、分岐のもしくは環状の、二価の有機基であり、
Yの各々は独立して、一価の、二価のもしくは価数mの多価の有機官能基であり、
下付文字a、b、mおよびnの各々は独立して整数であり、ここでaが0から3、bが0から2、mが1から4、そしてnが1から50であるシラン、
(b)一般式(2):
(R)(R)(R)SiRSi(R)(R)[OSi(R10)(R11)]12(CO)(CO)(CO)13 (2)
の少なくとも一つのシリコン系ポリエーテルコポリマーであって、
式中、R、R、R、R、R、R10およびR11の各々は独立して、1から10個の炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、
の各々は独立して1から3個の炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であり、
12の各々は独立して、構造:
−CH−(CH(R14)(R15O−
を持つ二価の有機基であり、
構造中、R14の各々は独立して、水素原子もしくはメチルであり、
15の各々は独立して、1から6個の炭素原子の二価のアルキレンラジカルであり、そして下付文字gは0もしくは1であり、
13の各々は独立して、水素原子、1から6個の炭素原子の一価の炭化水素基、ならびに1から6個の炭素原子のアシル基からなる群より選択され、そして、
下付文字d、e、fおよびxの各々は整数であり、ここでdは2から20であり、eは0から18であり、fは0から18であり、そしてxは0もしくは1であり、但し、2≦d+e+f≦20という条件である、シリコン系ポリエーテルコポリマー、ならびに
(c)水
を含有するシリコン系コポリマーを含有する。
【0016】
ここで用いるとき、「(−O−)0.5」という表記は、シロキサン基、Si−O−Siの2分の1を指す。つまり、(−O−)0.5シロキサン基は2つの別々のケイ素原子と化学結合を形成し、それら2つの別々のケイ素原子を一緒に保持し、ここでそれらのケイ素原子は分子間もしくは分子内に存在する。(−O−)0.5はシロキサン基、Si−O−Siの2分の1を指すので、一般式(1)において、(−O−)0.5基は、2つの(−O−)0.5基がSi−O−Si基を形成するように結合するように、他の(−O−)0.5基と常に一緒になっているべきである。
【0017】
ここで使用されるとき、一価の炭化水素基は、直鎖の、分岐のおよび環状の、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基、アラルキル基、ならびにアリール基を含む。アルキル基の非限定的な具体例は、メチル、エチル、プロピルおよびイソブチルを含む。アルケニルの非限定的な具体例は、ビニル、プロペニル、アリルおよびメタリルを含む。アルキニルの非限定的な具体例は、アセチレニル、プロパルギルおよびメチルアセチレニルを含む。アラルキルの非限定的な具体例はベンジルおよびフェネチルを含む。アリールの非限定的な具体例はフェニルを含む。
【0018】
ここで使用されるとき、二価の炭化水素基は、直鎖の、分岐のおよび環状の、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレン基、アラルキレン基、ならびにアリーレン基を含む。アルキレンの非限定的な具体例は、メチレン、エチレン、プロピレンおよびイソブチレンを含む。アルケニレンの非限定的な具体例は、エテニレンおよびプロピレンを含む。アルキニレンの非限定的な具体例は、アセチレニレン、プロパルギレンおよびメチルアセチレニレンを含む。アラルキレンの非限定的な具体例は、キシレニレンを含む。アリーレンの非限定的な具体例はフェニレンを含む。
【0019】
「置換した」脂肪族もしくは芳香族という用語は、炭素骨格が骨格内に存在するヘテロ原子、または炭素骨格へと結合するヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基を持つような脂肪族基もしくは芳香族基を指す。
【0020】
「有機基」という用語は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または置換した脂肪族基もしくは置換した芳香族基を指す。
【0021】
コート剤組成物の一般式(1)のシラン
コート剤組成物の一般式(1)のシランは、接着を提供し、そして腐食を阻害するために金属表面と相互作用し、そして地金との接着を向上させるためにペイントもしくは他のコート剤と相互作用する。
【0022】
式(1)中のシンボルYは、金属、ペイントもしくは他のコート剤と相互作用できる有機官能基である。有機官能基は1から4の価数を持ち、二価のR基を通じてケイ素原子と結合する。
【0023】
ここでの一価の有機官能基は、アミノ(−NR16)、ジアミノ(−N(R16)RNR16)、メルカプト(−SH)、アクリロキシ(CH=CHCO−)、メタクリロキシ(CH=C(CH)CO−)、アセトキシ(CHCO−)、グリシドキシ(−OCH−CO)、エポキシシクロヘキシル(−CO)、エポキシ(−CR16(−O)CR16)、ヒドロキシ(HO−)、ジチオカルボナート(−SC(=O)SR16)、トリチオカルボナート(−SC(=S)SR16)、カルバマート(−NR16(C=O)OR16)、チオエステル(−S(C=O)R16)、チオカルバマート(−NR16(C=O)SR16)、ジチオカルバマート(−NR16(C=S)SR16)、ウレタン(−O(C=O)NR1616)、一価のウレイド(−NR16(C=O)NR16)、シリル(−Si(R(OR3−a−b(−O−)0.5a)およびイソシアヌラート((−N)(NR16)(NR16)C)を含むがそれらに限定されず、式中、R16の各々は独立して水素、および1から6個の炭素原子の直鎖、分岐のおよび環状のアルキル、アルケニル、もしくはアリールからなる群より選択され、そしてaおよびbは上に定義される通りである。
【0024】
ここでの二価の有機官能基は、スルフィド(−S−)、ジスルフィド(−SS−)、トリスルフィド(−SSS−)、テトラスルフィド(−SSSS−)、カルバマート((−)N(C=O)OR16もしくは−R16N((C=O)O−)、ウレイド((−)(C=O)NR16もしくは(−)NR16(C=O)N(−)R16)、ならびにイソシアヌラート((−N)(NR16)Cを含むがそれらには限定されず、式中、R16の各々は独立して、水素、1から6個の炭素原子の直鎖、分岐のおよび環状のアルキル、アルケニルもしくはアリールからなる群より選択され、そしてaおよびbは上に定義される通りである。
【0025】
ここでの三価の有機官能基は、カルバマート((−)N(C=O)O(−))、ウレイド((−)NR16(C=O)N(−))およびイソシアヌラート((−N)))を含むがそれらには限定されない。
【0026】
ここでの四価の有機官能基は、ウレイド((−)N(C=O)N(−))を含むがそれらには限定されない。
【0027】
の非限定的な代表例は、水素、エチル、メチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびアセチルである。Rの非限定的な代表例は、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、フェニルおよびベンジルである。Rの非限定的な代表例は、化学結合、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、ならびにデシレン、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ヘキセニレン、フェニレン、3−オキサペンチレン、および4−オキサヘプチレンである。
【0028】
シラン(a)の例示的な例は、Rが水素、メチルもしくはエチルであり、Rがメチルであり、Rがメチレン、エチレンおよびプロピレンであり、そしてYがウレイド、エポキシもしくはテトラスルフィドであるものである。例示的に、Yは、R16が水素もしくはメチルであるウレイドである。
【0029】
シラン(a)の非限定的な代表例は、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシシラン)、スチリルエチルトリメトキシシラン、ガンマ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−(アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピル−トリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−チオオクタノイルプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−チオオクタノイルプロピルトリエトキシシラン、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルファン、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)ジスルファン、ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルジメトキシエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメトキシジエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメチルメトキシエトキシシラン、ガンマ−カルバマトプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−カルバマトプロピルトリエトキシシラン、N,N’,N’’−トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)尿素、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)尿素、およびそれらの部分的もしくは完全な加水分解物を含む。
【0030】
例示的に、シラン(a)は、ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルジメトキシエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメトキシジエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメチルメトキシエトキシシラン、N、N’−ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、N,N’−ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、N,N’−ビス−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N’−ビス−(3−ジイソプロポキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N−ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、N,N−ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、N,N−ビス−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N−ビス−(3−ジイソプロポキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N,N’−トリス−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、N,N,N’−トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、N,N,N’−トリス−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N,N’−トリス−(3−ジイソプロポキシシリルプロピル)尿素、N,N,N’,N’−テトラキス−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、N,N,N’,N’−テトラキス−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、N,N,N’,N’−テトラキス−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N,N’,N’−テトラキス−(3−ジイソプロポキシメチルシリルプロピル)尿素、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、およびそれらの部分的もしくは完全な加水分解物を含んでもよい。
【0031】
例えば、シラン(a)は、加水分解していない、部分的に加水分解した、および加水分解した、ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシランおよびガンマ−ウレイドプロピルトリエトキシシランを含む。ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシランおよびガンマ−ウレイドプロピルトリエトキシシランは、Momentive Performance MaterialsからそれぞれSilquestA−1524およびSilquestA−1160の名称で市販されており、メタノール中50%の活性シランで販売されている。
【0032】
ここに記載されるコート剤組成物は、シラン(a)を、具体的に0.01から80重量パーセント、より具体的には0.1から60重量パーセント、そしてもっとも具体的には1から40重量パーセントの量で含んでいてよく、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0033】
コート剤組成物の一般式(2)のシリコン系ポリエーテルコポリマー(b)
シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)は金属表面に、均一な化成処理もしくは不動態化コーティングをもたらす。シリコン系ポリエーテルコポリマーの調製は当分野に既知である。例えば、それらに相当するものの調製は、ここでの参照によりそのすべての内容を組み入れる米国特許第7,507,775号、米国特許出願公開番号2007/024950A1に記載される。
【0034】
本発明の組成物を製造する一つの方法は下記の式(3)もしくは(4):
(R)(R)(R)SiRSi(R)(R)OSi(R10)(R11)(H) (3)
(R)(R)(R)SiRSi(R)(R)(H) (4)
〔式中、
、R、R、R、RおよびR10の各々は独立して、1から10個の炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、
の各々は独立して、1から3個の炭素原子の二価のヒドロカルビレン基である〕
の分子をヒドロシリル化条件においてオレフィン修飾されたポリアルキレンオキシドと反応させることである。ここで使用されるとき、「オレフィン修飾されたポリアルキレンオキシド」というフレーズは、一つもしくはそれ以上の末端もしくは、ペンダントの炭素−炭素二重結合を含有するアルキレンオキシド基を一つもしくはそれ以上保持している分子を指す。ポリエーテルはオレフィン修飾されたポリアルキレンオキシドであり、一般式(5):
CH=CH(R14)(R15O(CO)(CO)(CO)13 (5)
で記載され、
式中、
13の各々は独立して、水素、1から6個の炭素原子の一価の炭化水素基および1から6個の炭素原子のアシル基からなる群より選択され、
14の各々は独立して、水素原子もしくはメチルであり、
15の各々は独立して、1から6個の炭素原子の二価のアルキレンラジカルであり、
下付き文字e、fおよびgの各々は整数であり、ここでdは2から20であり、eは0から18であり、fは0から18であり、そしてgは0もしくは1であり、但し、2≦d+e+f≦20という条件である
【0035】
ポリエーテルが混合のオキシアルキレンオキシド基(すなわち、オキシエチレン、オキシプロピレン、およびオキシブチレン)からなるとき、そのユニットはブロック化されているかもしくはランダムに分布しているであろう。当業者はブロック化されているかもしくはランダムの構造の利点を理解するであろう。
【0036】
ポリエーテルの例示的な例は以下に与えられるが、それらには限定されない:CH=CHCHO(CHCHO)H;CH=CHCHO(CHCHO)CH;CH=CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)H;CH=CHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)H;CH=C(CH)CHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)C(=O)CH;およびCH=CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H。
【0037】
ポリエーテル修飾したシロキサンは、本発明のジシロキサンの水素化物(SiH)中間体上に、オレフィン修飾(すなわちビニル、アリルもしくはメタリル)されたポリアルキレンオキシドをグラフトするヒドロシリル化反応の使用を介するような当分野に既知のように調製してもよい。
【0038】
ポリエーテル置換シロキサンを作製するのに好適な貴金属触媒は、また当分野に周知であり、そしてロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、または白金の錯体を含有する。このSiHのオレフィン付加反応のための白金触媒の多くの種類が既知であり、そしてそのような白金触媒を本発明の組成物を作製するのに用いてよい。この白金化合物は、参照によりここに組み入れる米国特許第3,159,601号に記載されるように、式(PtClオレフィン)およびH(PtClオレフィン)を有する化合物から選択してよい。さらなる白金含有物質は、参照によりここに組み入れる米国特許第3,220,972号に記載されるように、塩化白金酸と、白金グラム当たり2モルまでの、アルコール、エーテル、アルデヒド、およびそれらの混合物からなる類から選択される構成要素との錯体であってよい。本発明において有用な白金含有物質のさらに他の群は、米国特許第3,715,334号、第3,775,452号、および第3,814,730号(Karstedt)に記載される。技術に関する補足的な背景は、F. G. A. StoneおよびR. West編、「Advances in Organometallic Chemistry」、第17巻、407ページから447ページ、Academic Press発行(ニューヨーク、1979年)におけるJ. L. Spier著「Homogeneous Catalysis of Hydrosilation by Transition Metals」に見出すことができよう。当業者は、白金触媒の効果的な量を容易に定めることができる。一般的に、白金触媒の効果的な量は、有機修飾されたジシロキサン組成物の全量の約0.1から50ppmまでの範囲である。
【0039】
シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)の式(2)の置換物は上述される。例示的に、シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)において、R、R、R、RおよびRは、1から6個の炭素原子のアルキル基であり、Rは1から3個の炭素原子のアルキレンであり、R12は、−CHCHCHO−もしくは−CHCH(CH)CHO−であり、R13は、水素原子、1から6個の炭素原子のアルキル基、もしくはアセチル基であり、dは3から10であり、eは0から10であり、そしてfは0から8である。例示的に、シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)は、R、R、R、RおよびRがメチル、エチル、プロピル、イソプロピルもしくはイソブチルであり、Rがエチレンであり、R12が−CHCHCHO−であり、R13が水素原子、メチルもしくはアセチル基であり、dが5から8であり、eが0から5であり、fが0から2であるものである。シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)のさらに他の例は、R、R、R、RおよびRがメチルであり、dが5から8であり、eが0から3であり、fが0であり、そしてxが0であるものである。
【0040】
シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)の非限定的な代表例は、(CHSiCHSi(CHCHCHO(CHCHO)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)20CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCH(CH)CHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHCHSiCHCHSi(CHCHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CH(CHCHCH)SiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CH(CCHCH)SiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)15(CHCH(CH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)18CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)10(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)10(CHCH(CHCH)O)10C(=O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)C(=O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)20CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCH(CH)CHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHSi(CHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)H、(CHCHCHSiCHCHSi(CHCHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CH(CHCHCH)SiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CH(CCHCH)SiCHCHSi(CH
OSi(CH)CHCHO−(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)15(CHCH(CH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)18CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)−(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)10−(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)10−(CHCH(CHCH)O)10C(=O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)−(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH3)(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)C(=O)CH、(CHSi(CHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHCHSi(CHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、およびそれらの混合物である。
【0041】
ここに記載される組成物は、シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)を、具体的に0.001から10重量パーセント、より具体的に0.01から3重量パーセント、そしてもっとも具体的には0.1から0.5重量パーセントの量で含有でき、ここで前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0042】
水(c)
水は。水道水、井戸水、蒸留水、脱イオン水などを含む様々な源からのものであって良い。水道水や井戸水でしばしば見られるような炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような塩を避けるために、水は蒸留されているか脱イオン化されているのが好ましい。それらの塩はシラン(a)およびシリコン系ポリエーテル(b)と金属表面との相互作用を阻害するかも知れない。
【0043】
ここに記載される組成物は水(c)を1から99.99重量パーセント、より具体的には2から99.9重量パーセント、そしてもっとも具体的には80から95重量パーセントの量で含有でき、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0044】
他の成分
シラン(a)、シラン系ポリエーテルコポリマー(b)および(c)水に加えて、化成処理もしくは不動態化コーティングの接着をさらに促進し、腐食を阻害し、そして保存期間を加えるために他の成分を本発明のコート剤組成物に用いる事が出来る。他の成分は、コロイド酸化物、安定化剤、有機ケイ素化合物、および有機界面活性剤を含むがそれらに限定されない。
【0045】
コロイド酸化物
化成処理もしくは不動態化コーティング組成物の成分として有用なコロイド酸化物は、安定化水性コロイダルシリカ(シリカゾルとも呼ばれる)もしくはコロイド金属酸化物を含む。コロイド金属酸化物はまた、金属酸化物ゾルとも呼ばれ、酸化セリウム(CeO)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化チタニウム(TiO)、酸化アルミニウム、(Al)、およびそれらの組み合わせのような非限定的例を含む。
【0046】
シリカゾル物質は、好ましくは酸性pHを持つ、水性のコロイダルシリカを含有する。例示的なシリカゾル物質は、Cabot CorporationならびにWacker Chemie、Degussa、Nissan ChemicalおよびNalco Chemical Companyのような他の供給元より購入できる。シリカゾルの例である、Cab−O−SperseA205は高純度のヒュームドシリカの脱イオン水中の水性の分散液である。ゾルは約5〜7のpHと固形分含量は約12%を持つ。粘度は100cPs以下であり、そして比重は約1.07である。
【0047】
例示的な酸化セリウムはまた市販されている。一般的にそれらの酸化セリウム粒子は水性のコロイド状懸濁液である。例示的に述べられ得る市販の酸化セリウムゾルは、コロイド状の硝酸酸化セリウムおよび酢酸酸化セリウムを含み、両者はRhodiaより入手可能であり、そしてそれらはNyacol Nano Technologies Inc.より入手可能である。好ましい酢酸酸化セリウムゾルは約20重量パーセントの酸化セリウム粒子を含む。例示的な酸化セリウムゾルは、具体的には約100ナノメートル(nm)未満、より具体的には約50ナノメートル未満、そしてもっとも具体的には約20ナノメートル未満の粒子サイズを持つものを含む。酸化セリウムゾルの非限定的な例示的pHは、約1から9の、より具体的には1から6の、そしてもっとも具体的には2から4のpH値を持つものである。コロイド状の酸化金属は、上述のシリカ粒子、すなわちナノサイズのシリカ粒子、酸化亜鉛粒子、すなわちナノサイズの酸化亜鉛粒子、および/もしくは酸化アルミニウム粒子、すなわちナノサイズの酸化アルミニウム粒子以外の、任意の他のコロイド状の酸化金属を持つことができる、水性の酸化金属のコロイド状懸濁液はさらにシリカ、より具体的にはシリカゾルを含有する事ができる。
【0048】
ここに記載される組成物はコロイド酸化物を、0.001から36重量パーセント、より具体的には0.01から30重量パーセント、そしてもっとも具体的には0.1から20重量パーセントの量で含有する事ができ、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0049】
安定化剤
ここで使用される「安定化剤」は、水中で可溶性であり、そして濃縮物の沈殿やゲル化を遅らせる物質であると理解されよう。安定化剤の水中の可溶性は、安定化剤と水性の組成物の少なくとも少なくとも2つの異なる層の形成の結果生じる相分離が可視化できないようなものである。
【0050】
安定化剤の水中の可溶性は1重量パーセントから完全な混和性までであり、そしてより具体的には約2から約50重慮パーセントであり、前記重量パーセントは安定化剤の全重量に基づく。濃縮物の沈殿もしくはゲル化の遅延は、前記安定化剤以外は同等の組成物が沈殿もしくはゲル化を持つ期間において、同じ期間で組成物から可視の沈殿もしくはゲル化を完全に消失させる事を含む。
【0051】
安定を増加させる量において使用される安定化剤は、前記組成物に対して、安定化剤の添加のない同等の組成物の少なくとも2倍の安定化の期間をもたらす。さらにより具体的な実施態様において、安定化剤は、前記組成物に対して、安定化剤の添加のない同等の組成物の少なくとも3倍の安定化の期間をもたらす。もっとも具体的な実施態様において、安定化剤は、前記組成物に対して、安定化剤の添加のない同等の組成物の少なくとも5倍の安定化の期間をもたらす。安定化剤は約1時間から約5年間の、より具体的には約48時間から約3年間の、さらにより具体的には96時間から約2年間の、そしてもっとも具体的には約1週間から約18ヶ月の組成物の安定化の期間をもたらす。
【0052】
安定化剤のホストを例示的に挙げることができ、例えばアルコール、グリコール、トリオオール、ポリオール、グリコールエーテル、エステル、ケトン、ピロリドンおよびポリエーテルシランを含む。
【0053】
具体的な安定化剤は:エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール(i−ブタノール)、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブタノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、1,5−ペンタンジオール、エステルジオール204、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセロール、グリセロールエトキシラート、グリセロールエトキシラート−co−プロポキシラートトリオール、グリセロールプロポキシラート、ペンタエリトリトールのようなグリコール、1−メトキシ−2−プロパノール(プロピレングリコールメチルエーテル)、1−エトキシル−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−プロポキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(ブチルカルビトール)、ジ(プロピレングリコール)ブチルエーテル、メトキシトリグリコール(トリ(エチレングリコール))モノメチルエーテル、エトキシトリグリコール(トリ(エチレングリコール)モノエチルエーテル)、ブトキシトリグリコール(トリ(エチレングリコール)モノブチルエーテル)、メトキシポリエチレングリコール(ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル)、ポリ(エチレングリコール)ブチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)モノブチルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテル、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテルを含むグリコールエーテル、酢酸メチル、酪酸エチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセタート、グリコールジアセタート、トリエチレングリコールジアセタート、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(1−メトキシ−2−プロパノールアセタート)、プロピレングリコールエチルエーテルアセタートを含むエステル、ならびに、アセトン、メチルエチルケトン、2,4−ペンタンジオン、ジアセトンアルコールを含むケトン、ならびに一般式R17O−(CHCHO−)(CH−Si−(OR18のポリエーテルシランであって、式中R17が水素原子、もしくは1から6個の炭素原子の直鎖の、分岐のもしくは環状の、アルキル、アリール、アラルキルもしくはアシル基、R18が1から6個の炭素原子の直鎖の、分岐のもしくは環状のアルキル基、uが1から約20であって、そしてvが1から12であるものであり、Momentive Performance MaterialsからSilquestA−1230の商標名で販売されている例示的なポリエーテルシランを含む。
【0054】
「安定性を増加する量」は、ここに記載されるような組成物の濃縮物の沈殿もしくはゲル化を、上に定義される安定化の期間の間、そのような量より少ない同じ安定化剤を使用する同等の組成物と比較して、遅らせることをもたらす安定化剤の量であると理解されるべきである。安定化を増加する量は、ここに記載されるような安定化剤、シラン(a)、および他の組成物の成分に応じて大きく変化するということは理解されよう。
【0055】
ここに記載される組成物は、1から50重量パーセント、より具体的には2から40重量パーセント、そしてもっとも具体的には3から30重量パーセントの量で安定化剤を含有でき、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0056】
有機ケイ素化合物
化成処理もしくは不動態化コーティングは有機ケイ素化合物、金属表面の接着を促進し、そして腐食を阻止する、追加のシロキサン官能性(Si−O−Si結合)を提供する。有機ケイ素化合物は一般式(6):
20Si(OR19 (6)
の化合物を含み、式中、R19の各々は独立して1から4個の炭素原子のアルキル基より選択され、R20は1から10個の炭素原子を持つ一価の炭化水素基または−OR20基である。有機ケイ素化合物は水の存在下で加水分解し、シロキサン結合の源をもたらす。
【0057】
有機ケイ素化合物の非限定的な代表例は、テトラエチルオルソシリカート、テトラ−n−プロピルオルソシリカート、テトラ−イソプロピルオルソシリカート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランおよびそれらの混合物を含む。
【0058】
ここに記載される組成物は、有機ケイ素組成物を0.01から15重量パーセントの量で、より具体的には0.1から10重量パーセントの量で、そしてもっとも具体的には1から5重量パーセントの量で含有でき、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0059】
有機界面活性剤
有機界面活性剤は化成処理もしくは不動態化コーティングの湿潤および平滑化を補助するために用いられ得る。有機界面化生剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性、両性、両性イオン性、ポリマー界面活性剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む。有機界面活性剤は典型的には炭化水素系、シリコーン系、もしくはフッ化炭素系である。短鎖疎水性物質を持つ有機界面活性剤は有用であり、参照によりここに組み入れる米国特許5,558,806に記載される。他の有用な有機界面活性剤は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびそれらの混合物のコポリマーを含むアルコキシラート、特にエトキシラート含有ブロックコポリマー、アルキルフェノールエトキシラートを含むアルキルアリールアルコキシラート、特にエトキシラートもしくはプロポキシラートならびにそれらの誘導体、アリールアリールアルコキシラート、特にエトキシラートもしくはプロポキシラートならびにそれらの誘導体、アミンアルコキシラート、特にアミンエトキシラート、脂肪酸アルコキシラート、脂肪族アルコールアルコキシラート、アルキルスルホナート、アルキルベンゼンおよびアルキルナフタレンスルホナート、硫酸化脂肪族アルコール、アミンもしくは酸アミド、イセチオン酸ナトリウムの酸エステル、ナトリウムスルホコハク酸塩のエステル、硫酸化もしくはスルホン化脂肪族酸エステル、石油スルホナート、N−アシルザルコシナート、アルキルポリグリコシド、アルキルエトキシル化アミンおよびそれらの混合物を含む。
【0060】
有機界面活性剤の非限定的な代表例は、SURFONYLの商標名でAir Productsにより販売されているアルキルアセチレンジオール、SURFADONE−LP100の商標名でISPにより販売されているピリロドン系界面活性剤、RhodiaによりRHODASURF DA 530の商標名で販売されている2−エチルヘキシルサルファート、イソデシルアルコールエトキシラート、ClariantによりGENAPOL X−020の商標名で販売されているoxo−トリデシルアルコールエトキシラート、BASFによりTETRONICSの商標名で販売されているエチレンジアミンアルコキシラート、BASFによりPLURONICSの商標名で販売されているエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、Dow Chemical CorporationによりDOWFAXの商標名で販売されているジフェニルエーテルジェミニ型界面活性剤、Henkel CorporationによりDEHYDOL(登録商標)04の商標名で販売されているオクチルアルコールエトキシラート、Rhone−PoulencによりEMULPHOGENE(登録商標)DA−530の商標名で販売されているデシルアルコールエトキシラート、Dow Chemical CorporationによりTERGITOL(登録商標)RMN−6の商標名で販売されているトリメチルノナノールエトキシラート、Dow Chemical CorporationによりTRITON(登録商標)CG−100の商標名で販売されている、アルキルポリグルコシドを含む。
【0061】
ここでの組成物は、有機界面活性剤を0.01から5重量パーセントの量で、より具体的には0.05から2重量パーセントの量で、そしてもっとも具体的には0.1から1重量パーセントの量で含有でき、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0062】
着色剤、染料、干渉剤、有機溶媒などのような他の組成物もまた本発明の組成物へと混合できる。
【0063】
化成処理もしくは不動態化コーティングの調製
化成処理もしくは不動態化コーティングは、個々の成分(例えば、一般式(1)のシラン、一般式(2)のシリコン系ポリエーテルコポリマー、および他の追加的な成分)を一緒に混合する事によって調製される。添加の順番は重要ではないが、典型的な手順は、最初にシラン(a)および追加の有機ケイ素化合物を水へと添加し、1〜60分間、5℃〜80℃の間の温度で攪拌し、その後、シリコン系ポリエーテルコポリマー、任意選択でのコロイド酸化物、任意選択での安定化剤ならびに任意選択での有機界面活性剤の添加がそれに続くことを含む。手順は、シラン(a)および有機ケイ素化合物を水へと溶解させ、それらが他の成分と接触する前に反応するように出来る。シラン(a)もしくは任意選択の有機ケイ素化合物が低い水への溶解性を持つ場合、同時に安定化剤を溶液へと添加する事は有利である。典型的には、刃の機械的スターラーが用いられる。高いせん断がコート剤のゲル化を生じる可能性があるため、ブレンダーのような高いせん断混合は典型的には避けられる。化成処理もしくは不動態化コーティングの蒸発、散布もしくは蒸留を、有害大気汚染物質(HAPもしくはHAPs)ならびに揮発性有機化合物(VOCs)を除去するために用いることができる。追加の水もしくは他の非揮発性成分を、蒸発、散布もしくは蒸留のステップにおいて除去される水もしくは他の非揮発性の成分を補充するために化成処理もしくは不動態化コーティングへと添加できる。低沸点の成分が用いられるとき、有害大気汚染物質および揮発性有機化合物の除去は、シランと水の混合の後であるが他の成分の添加の前になし得る。
【0064】
有害大気汚染物質(HAPもしくはHAPs)ならびに揮発性有機化合物(VOCs)が実質的に含まれていない化成処理もしくは不動態化コーティングは有利である。有害大気汚染物質および揮発性有機化合物は、化成処理もしくは不動態化コーティングと接することになる労働者へと健康及び安全の危険をもたらし、大気汚染の一因となり、そしてしばしば地方自治体の局による製造施設の許可を必要とする。
【0065】
有害大気汚染物質は、1990年の大気汚染防止法改正においてそのような物質として特定されている、ペイントに使われる任意の化合物である。有害大気汚染物質は、化成処理もしくは不動態化コーティングに混合されるシラン(a)、安定化剤溶媒もしくは他の成分の加水分解から生成する副生成物であり得る。1990年の大気汚染防止法改正は、アセトアミド、アクリルアミド、アクリル酸、アクリロニトリル、塩化アリル、アニリン、ベンゼン、1,3−ブタジエン、カプロラクタム、カテコール、クメン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロエチルエーテル、ジエタノールアミン、ジメチルアミノ−アゾベンゼン、ジメチルホルムアミド、フタル酸ジメチル、エピクロロヒドリン、アクリル酸エチル、エチルベンゼン、二臭化エチレン、エチレンイミン、ホルムアルデヒド、ヘキサクロロベンゼン、n−ヘキサン、ヒドロキノン、イソホロン、無水マレイン酸、メタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、塩化メチレン、ナフタレン、ニトロベンゼン、2−ニトロプロパン、ペンタクロロフェノール、フェノール、酸化プロピレン、スチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トルエン、2,4−トルエンジイソシアナート、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、2,4,6−トリクロロフェノール、酢酸ビニル、塩化ビニル、キシレン、m−キシレン、o−キシレン、p−キシレン、およびそれらの組合せを含むものを有害大気汚染物質と認定した。
【0066】
「有害大気汚染物質が実質的に含まれない」というのは、有害大気汚染物質のレベルが、約1重量パーセント未満であり、より具体的には約0.2重量パーセント未満であり、さらにより具体的には約0.05重量パーセント未満であり、そしてもっとも具体的には約0.01重量パーセント未満であり、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0067】
揮発性有機化合物は、大気中の任意の光化学反応に関与する任意の有機化合物であり得、光化学反応性を無視できるとして米国環境保護庁(EPA)が指定する化合物以外すべての揮発性有機化合物である。典型的な揮発性有機化合物は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、およびそれらの組合せを含む。
【0068】
化成処理もしくは不動態化コーティング中の揮発性有機化合物について、揮発性有機化合物が低レベルというのは、約10重量パーセント未満、より具体的には約5重量パーセント未満、さらにより具体的には約2重量パーセント未満、そして最も具体的には約1重量パーセント未満であるレベルであり、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。コート剤中の揮発性有機化合物の量は、EPA Method 24に従い、溶媒と水を除く補正をして非揮発成分のパーセントから計算される。非揮発成分の含量は、ASTM規格、D2369およびD3960に基づいて測定される。典型的には物質の試料は、試験皿に置かれ、対流式オーブンの中に110℃で1時間置かれる。次に、皿に残った重量が測定する。
【0069】
汚染物質もしくは化合物を含まない成分もしくは成分が混合されるときの化学反応を通じてそのような汚染物質もしくは化合物を生成するものを含まない成分を使用する事によって、有害大気汚染物質および揮発性有機化合物が実質的に含まれない化成処理もしくは不動態化コーティングが調製できる。有害大気汚染物質もしくは揮発性有機化合物を含む成分が使用されるとき、それらの化合物は成分が混合されたあとに除去され得る。有害大気汚染物質及び揮発性有機化合物の除去は、コート剤を例えば非限定的な例として窒素のような不活性ガスの散布により達成出来る。散布は約2から約96時間までの、より具体的には約4から約72時間までの、さらに具体的には約6から約48時間までの、そして最も具体的には約8から約24時間までの期間で実施される。HAPの除去は、減圧および/または蒸留によって実行できる。蒸留による有害大気汚染物質および揮発性有機化合物の除去に用いられる温度は、5℃から95℃、より具体的には30℃から80℃、そしてもっとも具体的には50℃から70℃であってよい。使用できる減圧は、13.3Pa(0.1torr)〜66.7kPa(500torr)であり、そしてより具体的には2kPa(15torr)〜40kPa(300torr)である。
【0070】
上述のように調製される例示的な化成処理もしくは不動態化コーティング組成物は実質的にクロム酸塩を含まず、好ましくはリン酸塩を含まず、そして:
(a)0.01から80重量パーセントのシラン(a);
(b)0.001から10重量パーセントのシリコン系ポリエーテルコポリマー(b);
(c)1から99.99重量パーセントの水;
(d)任意選択で0.001から36重量パーセントのコロイド酸化物;
(e)任意選択で1から50重量パーセントの安定化剤;
(f)任意選択で0.01から15重量パーセントの有機ケイ素化合物;
(g)任意選択で0.01から5重量パーセントの有機界面活性剤
を含み、ここで重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0071】
他の例示的な化成処理もしくは不動態化コーティング組成物は:
(a)0.1から60重量パーセントのシラン(a);
(b)0.01から3重量パーセントのシリコン系ポリエーテルコポリマー(b);
(c)2から99.9重量パーセントの水;
(d)任意選択で0.01から30重量パーセントのコロイド酸化物;
(e)任意選択で2から40重量パーセントの安定化剤;
を含み、ここで重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0072】
本発明の組成物を用いる金属表面を処理する方法
クロム酸塩含まず、そしてリン酸塩を含まない化成処理もしくは不動態化コーティング組成物は、金属表面へともたらし得る。金属は、冷延鋼板;亜鉛コートされた鉄鋼;アルミニウム、亜鉛−アルミニウムコートされた鉄鋼、スズめっきされた鉄鋼、ステンレス鋼、そしてマグネシウム、ならびに上述の金属の合金(Fe、Al、Zn、Sn、Mgなど(たとえばガルバリウム(Zn−Al合金))を含む合金を含むがそれらに限定されない。
【0073】
必要な金属表面は、スプレー、浸漬またはローラーの塗布の処理によってコート剤組成物と接触させてよい。処理すべき表面へと上述された組成物を塗布する他の方法は、ブラシ、スプレーコート、浸漬、静電気コート、ロールコート、具体的にはリバースロールコート、ディップコート、フラッドコート、ドロップダウンコート、およびリンスコートを含むがそれらには限定されない。コート剤組成物が乾燥すると、金属表面はペイントもしくは他のコート剤塗布を受け入れ可能となる。金属表面の処理は、参照によりそのすべての内容をここに組み入れる米国特許出願公開番号2006/0228470A1および2008/0268146A1に開示される。
【0074】
本発明の化成処理もしくは不動態化処理は、処理すべき表面へと処理される表面の平方メートル当たり約1ミリグラム(平方フィート当たり約0.1ミリグラム)、より具体的には処理される表面の平方メートル当たり5から5400ミリグラム(平方フィート当たり0.5から500ミリグラム)、そしてもっとも具体的には処理される表面の平方メートル当たり1から3200ミリグラム(平方フィート当たり1から300ミリグラムの重量になるような化成処理コート重量が生じるように塗布され得る。
【0075】
市販の用途に用いられるために、希釈標準溶液を化成処理もしくは不動態化コーティング組成物を水でさらに希釈することによって調整できる。希釈標準溶液は、0.1から100重量パーセントの、具体的には0.5から70重量パーセントの、そしてより具体的には1から50重量パーセントの化成処理もしくは不動態化コーティング組成物を含有し、ここで重量パーセントは希釈標準溶液の全重量に基づく。希釈標準溶液は所望の金属表面と接触させるために利用できる。
【0076】
ここに記載される組成物および/もしくは方法は、例えば非限定的にペイントなどのような、さらにその上のコーティングへの接着性の向上させるために、そして同様に前記金属の耐腐食性の向上を提供するために、鋼鉄およびアルミニウムのような金属に化成または不動態化コーティングを施すために使用できる。ここでの組成物および/または方法によって処理された金属は、建設などで利用されるシート金属のようなコートされた金属シートの、市販のもしくは工業用の用途を含む製品の分野において利用できる。例えば、組成物は、白物家電/大型家庭電化製品、オフィス家具、装飾ブラインド、建築物の雨樋および装飾品、自動車および機械部品、ならびに小型電化製品などの用途における使用のための、電気亜鉛めっき鋼、冷延鋼板、ステンレス鋼、およびアルミニウムを含むがそれらに限定されない金属に対して優れた耐食性を提供すると予想される。
【実施例】
【0077】
本発明はここで、以下の実施例に関連して記載されるが、それらは本発明の一部の実施態様の例示と見なされるべきであり、本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0078】
実施例1
シリコン系ポリエーテルコポリマー、(CHSi(CHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)7.5CHの調製
200mlの丸底フラスコは、マグネチックスラーラーバー、窒素注入口を持つ還流冷却器、サーモカップル、添加ロートおよび加熱マントルを備えられた。ビニルトリメチルシラン(25.7グラム、0.257モル)およびカールステット触媒(10ppm)がフラスコへと添加され、窒素下において30℃にされた。ジクロロメチルシラン(24.3グラム、0.257モル)が添加ロートへと重点され、丸底フラスコへと滴下された。すぐに発熱が見られ、添加は1時間以上続けられた。添加の後、反応は40℃1時間維持され、そしてその後にガスクロマトグラフィー(GC)によって分析された。98%をこえるペンタメチルクロロジカルボジシランへと転換が見出された。産物はトルエン(100グラム)に取り込まれ、500mlの丸底フラスコへと充填され、溶液は0℃に冷却された。
【0079】
ソジウムジヒドロ−ビス−(2−メトキシエトキシ)アルミナート(Vitride、トルエン中70%;39.3グラムの溶液、0.135モル)が、添加ロートへと充填され、溶液は反応温度が5℃未満を維持するような速度で滴下された(全添加が2時間未満である)。添加が完了した後、反応は室温まで加温され、さらに2時間攪拌された。反応サンプルが取得され、中和され、GCで分析され、ペンタメチルジカルボシランの還元産物への定量的な転換が見出された。反応混合物は0.5NのHClによってゆっくりと中和され、水(3×100ミリリットル)で抽出され、そしてMgSO上で乾燥され、ろ過され、そしてトルエン(110グラム)中22%溶液としてビンに入れられた。
【0080】
200mlの丸底フラスコは、マグネチックスラーラーバー、窒素注入口を持つ還流冷却器、サーモカップル、添加ロートおよび加熱マントルを備えられた。アリル開始の、メチル保護されたポリエチレンオキシド(CH=CHCHO(CHCHO)7.5CH3.5;33.7グラム、0.0810モル)、塩化白金酸(10ppm)およびソジウムプロピナート(50ミリグラム)が、丸底フラスコへと充填され、攪拌され、そして80℃にされた。トルエン中のシラン溶液(22%溶液が44.5グラム;10グラム、0.0623モル)が添加ロートへと充填され、フラスコへと滴下された。少しの発熱が見出され、添加は45分をこえて続けられた。添加が完了したあと、反応は85℃1時間続けられた。反応サンプルはSi−H含量について試験され、0ml(cc)H/グラムが残っているのを見出された。混合物は、トルエンを除去するために1.5時間蒸発され(1.3kPa(10mmHg)未満、100℃)、40℃未満まで冷却され、セライトおよび重炭酸ナトリウムによって処理され、攪拌され、加圧ろ過され、そしてビンに入れられた。産物は42.1グラムの透明で淡黄色の液体であった。
【0081】
実施例2
構造(CHSi(CHSi(CHOSi(CHCHCHCHO(CHCHO)9.4CHのシリコン系ポリエーテルコポリマーの調製
250mlの丸底フラスコに、テトラメチルジシロキサン(51.6グラム、0.4モル)およびウィルキンソン触媒が充填され、窒素下で攪拌され、60℃にされた。トリメチルビニルシラン(25.6グラム、0.25モル)が添加ロートへと充填され、冷却して反応温度を70℃未満に維持しながら、おおよそ分当たり1グラムの速度で滴下された。反応は1時間65℃で維持され、その後ガスクロマトグラフィー(GC)のサンプルとされ、残余のテトラメチルジシロキサンが94:6、M’M:Mであると見出された。残りの物質は真空下(おおよそ4kPa(30mmHg))で分留され、51.6グラムの、99.1%のGC純度の、((2−トリメチルシリル)シリル)テトラメチルジシロキサン産物を得た。産物はガス圧滴定によって96ml(cc)H/グラムのSi−H含量を持つと見出された。
【0082】
250mlの丸底フラスコは、マグネチックスラーラーバー、窒素注入口を持つ還流冷却器、サーモカップル、添加ロートおよび加熱マントルを備えられた。二重アリル開始のポリエチレンオキシドポリマー、CHCH=CHCH(OCHCH7.5−OH(OH含量でのMW=389グラム/モル;34.4グラム、0.0884モル)およびCH=CHCH(OCHCH11.2−OH(OH含量で561グラム/モル、49.6グラム、0.0884モル)、イソプロパノール(15グラム)、ソジウムプロピオナート(0.10グラム)、塩化白金酸溶液(0.0213グラム)が窒素下でフラスコへと充填され、攪拌され、そして60℃にされた。((2−トリメチルシリル)エチル)テトラメチルジシロキサン(234.5グラム/モル;32.0グラム、0.136モル)が添加ロートへと充填され、そして滴下された。すぐに発熱が観察された。反応温度はアイスバス中で95℃未満になるよう制御された。添加が完了した後、反応は90℃で1時間維持された。反応サンプルはSi−H含量について試験され、5ml(cc)H/グラム残っているのを見出した。反応はサンプルされ、Si−H含量によって完了したと見出された。混合物は、イソプロピルアルコールを除去するために1.5時間蒸発され(1.3kPa(10mmHg)未満、70℃)、40℃未満に冷却され、セライトおよび重炭酸ナトリウムで処理され、攪拌され、加圧ろ過され、そしてビンに入れられた。産物は100グラムの透明で淡黄色の液体であった。
【0083】
実施例3〜9、比較例1〜8
異なる金属表面への化成処理コーティングの均一性
化成処理もしくは不動態化コーティングの性能に対するシリコン系ポリエーテルコポリマー(b)および有機界面活性剤の効果は、二つの異なる塗布方法を用いて溶融亜鉛めっき鋼(HDG)、ステンレス鋼(SS)および冷延鋼板(CRS)において測定された。表1に示される配合は、シラン(a)、シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)、有機界面活性剤、コロイド酸化セリウムおよび水を混合する事によって調製された。100mlのガラスビンへと、蒸留水、ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、コロイド酸化セリウム、および有機界面活性剤および溶液が添加され、常温で30分間攪拌された。
【0084】
比較例において、Triton X−100は、下に示されるようにpが5〜15であり、Dow Chemical Corporationより入手可能であるオクチルフェノールエトキシラート界面活性剤である。Tergitol NP−12は下に示す量にノニルフェノールエトキシラート界面活性剤であり、pが5から15であり、Dow Chemical Corporationより入手可能である。Surfynol485は、Air Productsより入手可能なエトキシル化された2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールである。Silwet L−8610は、下に示されるように、yが5から30であり、zが5から15である、直鎖のシリコーンポリエーテルコポリマーであり、Momentive Performance Materialsより入手可能である。
【0085】
【化1】

【0086】
【表1】

【0087】
溶融亜鉛めっき鋼(HDG)パネル(LLC、ACTテストパネル、10.16センチメートル(4インチ)×20.32センチメートル(8インチ)×0.8ミリメートル(0.032インチ))が、標準的なアルカリ洗浄液による2分間の浸漬によって洗浄された。パネルはバスより取り出され、蒸留水でリンスされた。パネルは糸くずのないタオルによってふきとられ、再び蒸留水でリンスされ、そして窒素ガスによって乾燥された。パネルは洗浄に続いて「水切れなし」の状態にされた。それぞれのパネルは、それぞれシランコート剤組成物によって#3ドローダウンバーおよび自動フィルム塗布器を用いて50ミリリットル/秒で処理された。パネルは平坦にされ、10分間乾燥させられた。シラン層はそののちパネル上で、150℃にセットされた空気循環オーブン内で2分間硬化された。室温に冷却されたのち、パネルは3つのピースに切断された。一つのピースは、10.16センチメートル(4インチ)×5.08センチメートル(2インチ)であった。他の2つのものは10.16センチメートル(4インチ)×7.62センチメートル(3インチ)であった。10.16センチメートル(4インチ)×5.08センチメートル(2インチ)の部分は廃棄され、そして2つの10.16センチメートル(4インチ)×7.62センチメートル(3インチ)のピースは蛍光X線分光分析によって、それぞれ3ヶ所ずつで分析された。
【0088】
ステンレス鋼パネル(Q−Lab Corporation、SS−36、7.62センチメートル(3インチ)×15.24センチメートル(6インチ)×0.9ミリメートル(0.037インチ))が受容物として使用された。パネルはそれぞれシランコート剤組成物のバスへと2分間ディップされた。それぞれのパネルはホットエアガンを用いて乾燥され、シラン層は、150℃にセットされた空気循環オーブン内で2分間硬化された。室温に冷却されたのち、パネルは蛍光X線分光分析によって、それぞれ2ヶ所ずつで分析された。
【0089】
CRSパネル(LLC、ACTテストパネル、10.16センチメートル(4インチ)×20.32センチメートル(8インチ)×0.8ミリメートル(0.032インチ))が、標準的なアルカリ洗浄液による2分間の浸漬によって洗浄された。パネルはバスより取り出され、蒸留水でリンスされた。パネルは糸くずのないタオルによってふきとられ、再び蒸留水でリンスされ、そして窒素ガスによって乾燥された。パネルは洗浄に続いて「水切れなし」の状態にされた。「水切れなし」試験(ASTM F22−02(2007))を通過しなかったパネルは上述のプロトコールを用いて2度目の洗浄をされた。それぞれのパネルは、それぞれシランコート剤組成物によって#3ドローダウンバーおよび自動フィルム塗布器を用いて50ミリリットル/秒で処理され、その後にスクイーズによるワイプが続いた。パネルは平坦にされ、1分間乾燥させられた。シラン層はそののちパネル上で、150℃にセットされた空気循環オーブン内で2分間硬化された。室温に冷却されたのち、パネルは3つのピースに切断された(一つのピースは、10.16センチメートル(4インチ)×5.08センチメートル(2インチ)で2つは10.16センチメートル(4インチ)×7.62センチメートル(3インチ))。10.16センチメートル(4インチ)×5.08センチメートル(2インチ)の部分は廃棄され、そして2つの10.16センチメートル(4インチ)×7.62センチメートル(3インチ)のピースは蛍光X線分光分析によって分析された。
【0090】
蛍光X線分光分析は、マトリックス表面上もしくはマトリックス中のケイ素を排他的に検出するための定量的な方法である。シリコンの毎秒計数は基材表面に存在するケイ素の全量に比例する。結果は表1に示される。3つすべての基材(HDG、SS、CRS)に対し、シリコン系ポリエーテルコポリマーの混合は、パネルの表面にわたってシランコート剤組成物の優れた均一性をもたらす。さらに、シリコン系ポリエーテルコポリマーの混合は、試験された他の有機界面活性剤と比較して、HDGおよびSSのような、湿潤が困難である表面上のシランコーティングの均一性を向上させる。
【0091】
実施例10−17、比較例9−17
様々な化成コーティングの腐食性の評価
化成コーティングは、以下の混合手順によって調製された:100mlガラスビンへと蒸留水、ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、コロイド酸化セリウム(20重量パーセント水性溶液を13.0グラム)、ならびに示されるような、シリコン系ポリエーテルコポリマーおよび有機界面活性剤が添加された。溶液は常温で30分間攪拌された。シラン、シリコン系ポリエーテルコポリマー、および有機界面活性剤の量は表2に示される。
【0092】
【表2】

【0093】
溶融亜鉛めっき鋼(HDG)パネル(10.16センチメートル(4インチ)×20.32センチメートル(8インチ)×0.8ミリメートル(0.032インチ))が、標準的なアルカリ洗浄液による60℃2分間の浸漬によって洗浄された。パネルはバスより取り出され、蒸留水でリンスされた。パネルは糸くずのないタオルによってふきとられ、再び蒸留水でリンスされ、そして窒素ガスによって乾燥された。パネルは洗浄に続いて「水切れなし」の状態にされた。「水切れなし」試験(ASTM F22−02(2007))を通過しなかったパネルは上述のプロトコールを用いて2度目の洗浄をされた。
【0094】
CRSパネル(LLC、ACTテストパネル、10.16センチメートル(4インチ)×20.32センチメートル(8インチ)×0.8ミリメートル(0.032インチ))が、標準的なアルカリ洗浄液による60℃2分間の浸漬によって洗浄された。パネルはバスより取り出され、蒸留水でリンスされた。パネルは糸くずのないタオルによってふきとられ、再び蒸留水でリンスされ、そして窒素ガスによって乾燥された。パネルは洗浄に続いて「水切れなし」の状態にされた。「水切れなし」試験(ASTM F22−02(2007))を通過しなかったパネルは上述のプロトコールを用いて2度目の洗浄をされた。
【0095】
HDGパネルは、いずれもPPG Industriesより入手可能なポリウレタン下塗剤(1PMY5650)およびDuranar Light Sea Wolfeトップコート(5MA8133)によってペイントされた。これらの2つのコート剤は製造者の推奨どおりに塗布され硬化された。
【0096】
CRSパネルは、PRG IndustriesからのWhite Polycron III(AG452W3223)によってペイントされた。ペイントは製造者の仕様書どおりに塗布され硬化された。
【0097】
ペイントののち、HDGは、ASTM B−117に従い500時間のNeutral Salt Spray Testing(NSST)へと供され、そして、ASTM D 1654に従うクリープで評価された(表2)。CRSパネルは同じ条件で300時間試験された。ミリメートルで測定されるクリープ値は、ペイント層の端に付けられた線からの距離として定義される。付けられた線付近の腐食およびペイント接着の喪失が大きいほど、クリープ値は大きくなる。それゆえ、クリープ値の現象は、腐食性防護における向上と解される。
【0098】
結果は表2に示される。シランコート剤組成物におけるシリコン系ポリエーテルコポリマーの使用は、耐食性における有意な向上をもたらす。2つの基材(HDGおよびCRS)にとって、有機界面活性剤を用いるシランコート剤組成物と比較して、クリープ値が50%にまで減少する。
【0099】
本発明はそれらの特定の実施態様に関連して詳細に記載されるが、本発明はそのような開示される実施態様に限定されないことは容易に理解されよう。本発明は、ここに記載されていないが、本発明の精神および範囲に相当する任意の数の、変更、代替、置換、等価物の配置物を含むように改良出来る。従って、本発明は上述の記載によって限定されない。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一般式(1):
[[(RO)3−a−b(−O−)0.5aSi−R−]Y] (1)
の少なくとも一つのシランであって、
式中、Rの各々は独立して、水素原子または、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アシル、一価のヒドロカルビルもしくはアルコキシ置換アルキル基であり、
の各々は独立して、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アルキル、アルコキシ置換アルキル、アリールもしくはアラルキル基であり、
の各々は独立して、共有化学結合、または1から12個の炭素原子の直鎖の、分岐のもしくは環状の、二価の有機基であり、
Yの各々は独立して、一価の、二価のもしくは価数mの多価の有機官能基であり、
下付文字a、b、mおよびnの各々は独立して整数であり、ここでaが0から3、bが0から2、mが1から4、そしてnが1から50であるシラン、
(b)一般式(2):
(R)(R)(R)SiRSi(R)(R)[OSi(R10)(R11)]12(CO)(CO)(CO)13 (2)
の少なくとも一つのシリコン系ポリエーテルコポリマーであって、
式中、R、R、R、R、R、R10およびR11の各々は独立して、1から10個の炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、
の各々は独立して1から3個の炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であり、
12の各々は独立して、構造:
−CH−(CH(R14)(R15O−
を持つ二価の有機基であり、
構造中、R14の各々は独立して、水素原子もしくはメチルであり、
15の各々は独立して、1から6個の炭素原子の二価のアルキレンラジカルであり、そして下付文字gは0もしくは1であり、
13の各々は独立して、水素原子、1から6個の炭素原子の一価の炭化水素基、ならびに1から6個の炭素原子のアシル基からなる群より選択され、そして、
下付文字d、e、fおよびxの各々は整数であり、ここでdは2から20であり、eは0から18であり、fは0から18であり、そしてxは0もしくは1であり、但し、2≦d+e+f≦20という条件である、シリコン系ポリエーテルコポリマー、ならびに
(c)水
を含有する、コート剤組成物。
【請求項2】
Yがアミノ(−NR16)、ジアミノ(−N(R16)RNR16)、メルカプト(−SH)、アクリロキシ(CH=CHCO−)、メタクリロキシ(CH=C(CH)CO−)、アセトキシ(CHCO−)、グリシドキシ(−OCH−CO)、エポキシシクロヘキシル(−CO)、エポキシ(−CR16(−O)CR16)、ヒドロキシ(HO−)、ジチオカルボナート(−SC(=O)SR16)、トリチオカルボナート(−SC(=S)SR16)、カルバマート(−NR16(C=O)OR16)、チオエステル(−S(C=O)R16)、チオカルバマート(−NR16(C=O)SR16)、ジチオカルバマート(−NR16(C=S)SR16)、ウレタン(−O(C=O)NR1616)、一価のウレイド(−NR16(C=O)NR16)、シリル(−Si(R(OR3−a−b(−O−)0.5a)およびイソシアヌラート((−N)(NR16)(NR16)C)からなる群より選択され、式中、R16の各々が独立して水素、および1から6個の炭素原子の直鎖、分岐のおよび環状のアルキル、アルケニル、もしくはアリールからなる群より選択される一価の有機官能基である、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項3】
Yが、スルフィド(−S−)、ジスルフィド(−SS−)、トリスルフィド(−SSS−)、テトラスルフィド(−SSSS−)、カルバマート((−)N(C=O)OR16もしくは−R16N((C=O)O−)、ウレイド((−)(C=O)NR16もしくは(−)NR16(C=O)N(−)R16)、ならびにイソシアヌラート((−N)(NR16)C)からなる群より選択され、式中、R16の各々は独立して、水素、1から6個の炭素原子の直鎖、分岐のおよび環状のアルキル、アルケニルもしくはアリールからなる群より選択される二価の有機官能基である、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項4】
Yが、カルバマート((−)N(C=O)O(−))、ウレイド((−)NR16(C=O)N(−))およびイソシアヌラート((−N)))からなる群より選択され、R16の各々は独立して、水素、1から6個の炭素原子の直鎖、分岐のおよび環状のアルキル、アルケニル、アリールもしくはアルカリールからなる群より選択される三価の有機官能基である、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項5】
Yが、四価の有機官能基であるウレイド((−)N(C=O)N(−))である、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項6】
シラン(a)が、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシシラン)、スチリルエチルトリメトキシシラン、ガンマ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−(アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピル−トリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−チオオクタノイルプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−チオオクタノイルプロピルトリエトキシシラン、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルファン、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)ジスルファン、ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルジメトキシエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメトキシジエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−ウレイドプロピルメチルメトキシエトキシシラン、ガンマ−カルバマトプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−カルバマトプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、N,N’−ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、N,N’−ビス−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N’−ビス−(3−ジイソプロポキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N−ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、N,N−ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、N,N−ビス−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N−ビス−(3−ジイソプロポキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N’,N’’−トリス−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、N,N’,N’’−トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、N,N’,N’’−トリス−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N’,N’’−トリス−(3−ジイソプロポキシシリルプロピル)尿素、N,N,N,’N’−テトラキス−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、N,N,N,’N’−テトラキス−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、N,N,N,’N’−テトラキス−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N,N,’N’−テトラキス−(3−ジイソプロポキシメチルシリルプロピル)尿素、N,N’,N’’−トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラートならびにそれらの部分的もしくは完全な加水分解物からなる群より選択される、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項7】
シラン(a)が、加水分解していないもの、部分的に加水分解したもの、および加水分解した、ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシランおよびガンマ−ウレイドプロピルトリエトキシシランからなる群より選択される、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項8】
シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)が、(CHSiCHSi(CHCHCHO(CHCHO)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)20CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCH(CH)CHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHCHSiCHCHSi(CHCHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CH(CHCHCH)SiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CH(CCHCH)SiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)15(CHCH(CH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)18CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)10(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)10(CHCH(CHCH)O)10C(=O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)C(=O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)20CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCH(CH)CHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHSi(CHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)H、(CHCHCHSiCHCHSi(CHCHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CH(CHCHCH)SiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CH(CCHCH)SiCHCHSi(CH(OSi(CH
)CHCHO−(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)15(CHCH(CH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)18CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)−(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)10−(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)10−(CHCH(CHCH)O)10C(=O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)−(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH3)(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)C(=O)CH、(CHSi(CHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHCHSi(CHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項9】
シリコン系ポリエーテルコポリマー(b)が、(CHSiCHSi(CHCHCHO(CHCHO)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)20CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCH(CH)CHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHCHSiCHCHSi(CHCHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CH(CHCHCH)SiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CH(CCHCH)SiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)15(CHCH(CH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)18CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)10(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)10(CHCH(CHCH)O)10C(=O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)C(=O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)20CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCH(CH)CHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHSi(CHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)H、(CHCHCHSiCHCHSi(CHCHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CH(CHCHCH)SiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CH(CCHCH)SiCHCHSi(CH(OSi(CH
)CHCHO−(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)15(CHCH(CH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)18CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)−(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)10−(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)10−(CHCH(CHCH)O)10C(=O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)−(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH3)(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)C(=O)CH、(CHSi(CHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHCHSi(CHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項7に記載のコート剤組成物。
【請求項10】
シリカ(SiO)、酸化セリウム(CeO)、硝酸酸化セリウム、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化チタニウム(TiO)、酸化アルミニウム、(Al)およびそれらの混合物からなる群より選択されるコロイド酸化物をさらに含有する、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項11】
シリカ(SiO)、酸化セリウム、硝酸酸化セリウム、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化チタニウム(TiO)、酸化アルミニウム、(Al)およびそれらの混合物からなる群より選択されるコロイド酸化物をさらに含有する、請求項9に記載のコート剤組成物。
【請求項12】
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソ−プロパノール)、2−メチル−1−プロパノール(イソ−ブタノール)、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブタノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、1,5−ペンタンジオール、エステルジオール204、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセロール、グリセロールエトキシラート、グリセロールエトキシラート−co−プロポキシラートトリオール、グリセロールプロポキシラート、ペンタエリトリトールのようなグリコール、1−メトキシ−2−プロパノール(プロピレングリコールメチルエーテル)、1−エトキシル−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−プロポキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(ブチルカルビトール)、ジ(プロピレングリコール)ブチルエーテル、メトキシトリグリコール(トリ(エチレングリコール))モノメチルエーテル、エトキシトリグリコール(トリ(エチレングリコール)モノエチルエーテル)、ブトキシトリグリコール(トリ(エチレングリコール)モノブチルエーテル)、メトキシポリエチレングリコール(ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル)、ポリ(エチレングリコール)ブチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)モノブチルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテル、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテルを含むグリコールエーテル、酢酸メチル、酪酸エチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセタート、グリコールジアセタート、トリエチレングリコールジアセタート、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(1−メトキシ−2−プロパノールアセタート)、プロピレングリコールエチルエーテルアセタートを含むエステル、ならびに、アセトン、メチルエチルケトン、2,4−ペンタンジオン、ジアセトンアルコールを含むケトン、ならびに一般式R17O−(CHCHO−)(CH−Si−(OR18のポリエーテルシランであって、式中R17が水素原子、もしくは1から6個の炭素原子の直鎖の、分岐のもしくは環状の、アルキル、アリール、アラルキルもしくはアシル基、R18が1から6個の炭素原子の直鎖の、分岐のもしくは環状のアルキル基、uが1から約20であって、そしてvが1から12であるものからなる群より選択される安定化剤をさらに含有する、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項13】
コロイド酸化物、安定化剤、有機ケイ素化合物、有機界面活性剤、緩衝財、着色剤、占領および有機溶媒からなる群より選択される添加剤の少なくとも一つをさらに含有する請求項2に記載のコート剤組成物。
【請求項14】
前記有機界面活性剤が、
アルキルアセチレニックジオール、ピロリドン系界面活性剤、2−エチルヘキシルサルファート、イオデシルアルコールエトキシラート、オキソ−トリデシルアルコールエトキシラート、エチレンジアミンアルコキシラート、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ジフェニルエーテルジェミニ型界面活性剤からなる群より選択される、請求項13に記載のコート剤組成物。
【請求項15】
前記有機界面活性剤が、前記コート剤組成物の全重量の0.01から5重量パーセントの量で存在する、請求項14に記載のコート剤組成物。
【請求項16】
前記有機界面活性剤が、前記コート剤組成物の全重量の0.05から2重量パーセントの量で存在する、請求項15に記載のコート剤組成物。
【請求項17】
前記コート剤組成物が、リン酸塩を実質的に含まず、かつ、クロムを実質的に含まない、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項18】
前記コート剤組成物が、揮発性有機化合物を2重量パーセント未満含み、前記重量パーセントが組成物の全重量に基づく、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項19】
前記コート剤組成物が、有害大気汚染物質を1重量パーセント未満含み、前記重量パーセントが組成物の全重量に基づく、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項20】
前記組成物が、
(a)0.01から80重量パーセントのシラン(a);
(b)0.001から10重量パーセントのシリコン系ポリエーテルコポリマー(b);
(c)1から99.99重量パーセントの水;
を含有し、前記重量パーセントが組成物の全重量に基づく、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項21】
前記組成物が、
(a)1から40重量パーセントのシラン(a);
(b)0.1から0.5重量パーセントのシリコン系ポリエーテルコポリマー(b);および
(c)1から99.99重量パーセントの水;
を含有し、前記重量パーセントが組成物の全重量に基づく、請求項20に記載のコート剤組成物。
【請求項22】
前記組成物が、
(a)0.1から60重量パーセントのシラン(a);
(b)0.01から3重量パーセントのシリコン系ポリエーテルコポリマー(b);
(c)2から99.9重量パーセントの水;
(d)0.01から30重量パーセントのコロイド酸化物;
(e)2から40重量パーセントの安定化剤;
を含有し、前記重量パーセントが組成物の全重量に基づく、請求項1に記載のコート剤組成物。
【請求項23】
金属表面を処理してその表面にコーティングを形成する方法であって、金属表面を、
(a)一般式(1):
[[(RO)3−a−b(−O−)0.5aSi−R−]Y] (1)
の少なくとも一つのシランであって、
式中、Rの各々は独立して、水素原子または、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アシル、一価のヒドロカルビルもしくはアルコキシ置換アルキル基であり、
の各々は独立して、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アルキル、アルコキシ置換アルキル、アリールもしくはアラルキル基であり、
の各々は独立して、共有化学結合、または1から12個の炭素原子の直鎖の、分岐のもしくは環状の、二価の有機基であり、
Yの各々は独立して、一価の、二価のもしくは価数mの多価の有機官能基であり、
下付文字a、b、mおよびnの各々は独立して整数であり、ここでaが0から3、bが0から2、mが1から4、そしてnが1から50であるシラン、
(b)一般式(2):
(R)(R)(R)SiRSi(R)(R)[OSi(R10)(R11)]12(CO)(CO)(CO)13 (2)
の少なくとも一つのシリコン系ポリエーテルコポリマーであって、
式中、R、R、R、R、R、R10およびR11の各々は独立して、1から10個の炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、
の各々は独立して1から3個の炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であり、
12の各々は独立して、構造:
−CH−(CH(R14)(R15O−
を持つ二価の有機基であり、
構造中、R14の各々は独立して、水素原子もしくはメチルであり、
15の各々は独立して、1から6個の炭素原子の二価のアルキレンラジカルであり、そして下付文字gは0もしくは1であり、
13の各々は独立して、水素原子、1から6個の炭素原子の一価の炭化水素基、ならびに1から6個の炭素原子のアシル基からなる群より選択され、そして、
下付文字d、e、fおよびxの各々は整数であり、ここでdは2から20であり、eは0から18であり、fは0から18であり、そしてxは0もしくは1であり、但し、2≦d+e+f≦20という条件である、シリコン系ポリエーテルコポリマー、ならびに
(c)水
を含有する、コート剤組成物と接触させる事を含有する、方法。
【請求項24】
前記金属表面と前記接触させることが、ブラシ、スプレーコート、浸漬、静電気コート、ロールコート、リバースロールコート、ディップコート、フラッドコート、ドロップダウンコート、およびリンスコートを含有する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記金属が冷延鋼板、亜鉛コートされた鉄鋼;アルミニウム、亜鉛−アルミニウムコートされた鉄鋼、スズめっきされた鉄鋼、ステンレス鋼、およびマグネシウムからなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
その上に塗布されるコート剤組成物を持つ金属であって、前記コート剤組成物が、
(a)一般式(1):
[[(RO)3−a−b(−O−)0.5aSi−R−]Y] (1)
の少なくとも一つのシランであって、
式中、Rの各々は独立して、水素原子または、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アシル、一価のヒドロカルビルもしくはアルコキシ置換アルキル基であり、
の各々は独立して、それぞれ1から16個の炭素原子を持つ、アルキル、アルコキシ置換アルキル、アリールもしくはアラルキル基であり、
の各々は独立して、共有化学結合、または1から12個の炭素原子の直鎖の、分岐のもしくは環状の、二価の有機基であり、
Yの各々は独立して、一価の、二価のもしくは価数mの多価の有機官能基であり、
下付文字a、b、mおよびnの各々は独立して整数であり、ここでaが0から3、bが0から2、mが1から4、そしてnが1から50であるシラン、
(b)一般式(2):
(R)(R)(R)SiRSi(R)(R)[OSi(R10)(R11)]12(CO)(CO)(CO)13 (2)
の少なくとも一つのシリコン系ポリエーテルコポリマーであって、
式中、R、R、R、R、R、R10およびR11の各々は独立して、1から10個の炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、
の各々は独立して1から3個の炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であり、
12の各々は独立して、構造:
−CH−(CH(R14)(R15O−
を持つ二価の有機基であり、
構造中、R14の各々は独立して、水素原子もしくはメチルであり、
15の各々は独立して、1から6個の炭素原子の二価のアルキレンラジカルであり、そして下付文字gは0もしくは1であり、
13の各々は独立して、水素原子、1から6個の炭素原子の一価の炭化水素基、ならびに1から6個の炭素原子のアシル基からなる群より選択され、そして、
下付文字d、e、fおよびxの各々は整数であり、ここでdは2から20であり、eは0から18であり、fは0から18であり、そしてxは0もしくは1であり、但し、2≦d+e+f≦20という条件である、シリコン系ポリエーテルコポリマー、ならびに
(c)水
を含有する、金属。
【請求項27】
前記金属が冷延鋼板、亜鉛コートされた鉄鋼;アルミニウム、亜鉛−アルミニウムコートされた鉄鋼、スズめっきされた鉄鋼、ステンレス鋼、マグネシウム、および金属合金からなる群より選択される、請求項26に記載の金属。
【請求項28】
前記コート剤組成物のシラン(a)が、加水分解していないもの、部分的に加水分解したもの、および加水分解した、ガンマ−ウレイドプロピルトリメトキシシランおよびガンマ−ウレイドプロピルトリエトキシシランからなる群より選択される、請求項26に記載の金属。
【請求項29】
前記コート剤組成物のシリコン系ポリエーテルコポリマー(b)が、(CHSiCHSi(CHCHCHO(CHCHO)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)20CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCH(CH)CHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHCHSiCHCHSi(CHCHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CH(CHCHCH)SiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CH(CCHCH)SiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)15(CHCH(CH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)18CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)10(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)10(CHCH(CHCH)O)10C(=O)CH、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)C(=O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CHCHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)20CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCH(CH)CHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHSi(CHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)H、(CHCHCHSiCHCHSi(CHCHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CH(CHCHCH)SiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CH(CCHCH)SiCHCHSi(CH
(OSi(CH)CHCHO−(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)15(CHCH(CH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)18CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)−(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)10−(CHCH(CHCH)O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)10−(CHCH(CHCH)O)10C(=O)CH、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)−(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)(CHCH(CHCH)O)H、(CHSiCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH3)(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)C(=O)CH、(CHSi(CHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)(CHCH(CH)O)CH、(CHCHSiCHCHCHSi(CHCH(OSi(CH)CHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、(CHSiCHCHCHSi(CH(OSi(CH)CHCHCHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)CH、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項26に記載の金属。
【請求項30】
前記コート剤組成物が、シリカ(SiO)、酸化セリウム(CeO)、硝酸酸化セリウム、酢酸酸化セリウム、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化チタニウム(TiO)、酸化アルミニウム、(Al)およびそれらの混合物からなる群より選択されるコロイド酸化物をさらに含有する、請求項26に記載の金属。
【請求項31】
その上に塗布されるペイントをさらに含有する、請求項26に記載の金属。
【請求項32】
その上に塗布されるペイントをさらに含有する、請求項30に記載の金属。
【請求項33】
請求項26に記載のコートされた金属を含有する製品。


【公表番号】特表2012−514686(P2012−514686A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545443(P2011−545443)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/020450
【国際公開番号】WO2010/080965
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】