説明

シリカをベースとする活性化部分トロンボプラスチン時間アッセイにおけるPEG化血液凝固因子の活性の測定方法

提供されるのは、シリカをベースとする活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)アッセイによる、PEG化血液凝固因子の凝固活性の測定方法である。PEG化血液凝固因子は、シリカをベースとするAPTTアッセイでは活性の低下を示すと見出され、APTT反応混合物へのPEGの添加は、その活性を回復させると示された。APTTアッセイにおけるPEG化血液凝固因子の凝固活性の測定方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
提供されるのは、ポリエチレングリコールに結合した(「PEG化」)血液凝固因子の凝固活性の測定方法である。この方法は、PEGを、シリカをベースとする活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)アッセイに加えることを含む。
【背景技術】
【0002】
背景
血液凝固は、血液が活性化物質と接触すると起こる、複雑な化学的および物理的反応である。血液凝固過程の全体は、一般的に、3つの活動として見ることができる:血小板粘着、血小板凝集およびフィブリン血餅の形成。インビボでは、血管の裏層、即ち内皮が、血小板の活性化を防止するので、血小板は不活性化状態で血管中を流れる。しかしながら、血管が損傷を受けると、内皮はその完全性を失い、血小板は損傷を受けた部位の下にある組織と接触することにより活性化される。血小板の活性化は、それらを「粘着性」にさせ、一体となって接着させる。この過程は、血小板の「栓」が形成されるまで継続する。この血小板の栓は、次いで、その上で凝血または凝固が進行するマトリックスとして働く。
【0003】
血液の化学的バランスが適当であるならば、次いで、トロンビンが産生され、それは、フィブリノーゲンを、凝血塊の大部分を形成するフィブリンに変換させる。凝固中に、さらなる血小板が活性化され、形成中の血餅に取り込まれ、血餅形成に寄与する。凝固が進行するにつれて、フィブリンの重合およびクロスリンクは、持続性の血餅をもたらす。凝固は、第XII因子の活性化を伴う内因性経路により、または、組織因子の放出を伴う外因性経路により、開始され得る。
【0004】
いくつかの異なるインビトロアッセイを使用して凝固活性を評価でき、これには発色アッセイ、トロンビン生成アッセイ、全血凝固アッセイおよび活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)アッセイが含まれる。APTTアッセイは、内因性経路の血液凝固因子の活性を測定する。これらの因子には、第I(フィブリノーゲン)、第II(プロトロンビン)、第V、第VIII、第IX、第X、第XIおよび第XII因子が含まれる。内因性経路では、凝固因子は不活性前駆体の形態で循環し、それが活性型に変換され、次の凝固因子を順に活性化する。例えば、プロ酵素の第XII因子は、その酵素の第XIIa因子に変換され、それは、次いで、酵素原の第XI因子を酵素の第XIa因子に変換し、その後、それは、カルシウムの存在下で第IX因子を活性化する。酵素の第IXa因子は、第VIIIa因子およびリン脂質の存在下で、第X因子を活性化する。この反応は、事前の第VIII因子のトロンビンまたは第Xa因子への曝露により、大幅に増大する。従って、APTTアッセイは、血漿に加えていくつかの成分を必要とし、これには、リン脂質の供給源、カルシウムおよび内因性経路の活性化物質、例えば、微粒子化シリカ、エラグ酸またはカオリンが含まれる。微粒子化シリカビーズは、内因性経路の活性化物質として使用され、FXIIからFXIIaへの変換を開始させる。
【0005】
APTTアッセイは、凝固因子の欠乏について患者の血漿をスクリーニングするために、そして、ヘパリンなどの抗凝固剤による処置を監視するために、臨床で一般的に使用される。このアッセイは、また、治療用の凝固因子の製造における品質管理の実施にも使用される。しかしながら、治療用タンパク質の共有結合による修飾は、APTTアッセイに干渉し、臨床適用および製造におけるその使用を制限する可能性がある。例えば、タンパク質のインビボでの半減期を延ばすために使用される共有結合による修飾の1つは、PEG化である。PEG化は、長鎖ポリエチレングリコール(PEG)分子のタンパク質または他の分子への共有結合である。タンパク質の半減期を延ばすことに加えて、PEG化は、抗体の生成を減らし、タンパク質をプロテアーゼ分解から保護し、その物質を腎臓の濾液に入らせないために使用されてきた(Harris et al., 2001, Clinical Pharmacokinetics 40, pp. 539-51)。加えて、PEG化は、タンパク質の包括的な安定性および溶解性も高め得る。
【0006】
多くのタンパク質と同様に、ポリエチレングリコール(PEG)の第VIII因子(FVIII)などの血液凝固因子への結合は、動物における半減期を延長し、治療剤としてのそれらの効力を高める。しかしながら、分子の生物学的活性がPEG化後に維持されていることを確認するために、PEG化凝固因子の分析が必要である。PEG化FVIIIは他の凝固アッセイにおいて正常な生物学的活性を示すが、PEG化第VIII因子の初期の試験は、微粒子化シリカを用いるAPTTアッセイにおいて、APTTアッセイがPEG化血液凝固因子の凝固活性を正確に測定しないことを示した。微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイにおける活性は、非常に信頼性が低い。APTTアッセイは広範に使用されているので、製造および臨床適用を支えるために、このアッセイをPEG化凝血因子の測定に適合させる必要性があった。
【発明の概要】
【0007】
要旨
微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイにおけるPEG化FVIIIの活性の低下は、遊離PEGをアッセイに添加することにより克服され得、他の凝固アッセイで観察されるものと同様のPEG化FVIIIの活性レベルをもたらす。
【0008】
従って、提供されるのは、PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプルの凝固活性の測定方法であって、a)シリカを活性化物質として有するトロンボプラスチン試薬および遊離ポリエチレングリコールを含むトロンボプラスチン試薬混合物を提供すること、および、b)PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプルを、該トロンボプラスチン試薬混合物に添加し、結果的な反応混合物を形成させること、および、c)該結果的な反応混合物の凝固時間を測定し、それにより、該サンプルの凝固活性を測定することを含む方法である。
【0009】
本発明は、また、PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプルの活性化部分トロンボプラスチン時間の測定方法を提供し、それは、a)遊離ポリエチレングリコールを、PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプル、並びに、シリカ粒子を含むトロンボプラスチン試薬を含む活性化部分トロンボプラスチン時間アッセイ反応混合物に添加し、結果的な反応混合物を形成させること、b)該結果的な反応混合物の凝固時間を測定し、それにより、該サンプルの活性化部分トロンボプラスチン時間を測定することを含む。
【0010】
本発明は、さらに、凝固活性化物質としてシリカを使用する活性化部分トロンボプラスチン時間アッセイにおいて、PEGに結合した血液凝固因子の活性を回復させる方法を提供し、それは、遊離ポリエチレングリコールを、a)該PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプル、および、b)シリカ粒子を含むトロンボプラスチン試薬を含む、活性化部分トロンボプラスチン時間アッセイの反応混合物に添加することを含む。
【0011】
加えて、本発明は、PEGに結合した凝固因子で処置された患者における凝固活性の測定方法を提供し、それは、a)患者由来の血液または血漿サンプル、シリカ粒子を活性化物質として含むトロンボプラスチン試薬、および、遊離ポリエチレングリコールを含む活性化部分トロンボプラスチン時間アッセイの反応混合物を提供すること、および、b)該反応混合物の凝固時間を測定し、それにより患者における凝固活性を測定することを含む。
【0012】
いくつかの実施態様では、PEGに結合した血液凝固因子は、PEGに結合した第I、第II、第V、第VIII、第IX、第X、第XIまたは第XII因子である。いくつかの実施態様では、PEGに結合した血液凝固因子は、第VIII因子またはBドメインが除去された第VIII因子である。いくつかの実施態様では、PEGに結合した血液凝固因子は、組換え型のPEGに結合した血液凝固因子である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面の説明
【図1】図1は、位置491および1804でPEG化された(PEG2+14)、Bドメインが除去されたFVIII(BDD)およびBDD変異タンパク質(L491C/K1804C)の凝固時間(APTT時間)を示す。0.025および0.0125IU/mlの2種類の濃度でFVIII活性を試験した。遊離PEGをAPTT試薬に直接(PEG+APTT)、または、FVIIIサンプル(+PEG)に添加した。
【図2】図2は、改変APTTアッセイにおいて微粒子化シリカと共にインキュベートしたBDDおよびPEG化BDD(PEG2+14)のウエスタンブロットを示す。微粒子化シリカを遠心沈降させ、PBSで洗浄し、ウサギ抗−FVIIIポリクローナル抗体を使用するウエスタンブロットで分析した。レーン1および3は、遊離PEGなしのアッセイを示し、一方、レーン2および4は、遊離PEGを最終濃度500μMで添加したアッセイを表す。FVIIIの重鎖(HC)および軽鎖(LC)が、レーン1に見られる。
【図3】図3は、4種の異なる大きさの遊離PEG(2kD、35kD、64kDおよび100kD)を添加した微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイにおける、PEG化BDD(PEG2+14)のFVIII凝固(COAG)活性を示す。遊離PEGを、FVIIIの最終濃度の20万倍および200万倍の最終濃度で添加した。
【図4】図4は、微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイ(BioMerieux)におけるBDDおよび2種のPEG化BDD変異タンパク質(PEG−14およびPEG−2+14)の凝固(COAG)活性を示す。PEG−14は、位置1804でPEG化されているBDD変異タンパク質(K1804C)である。
【図5】図5は、凝血終点試薬 AMAX Alexin(商標)を含有するエラグ酸をベースとするAPTTアッセイにおける、BDDおよび2種のPEG化BDD変異タンパク質(PEG−14およびPEG−2+14)の凝固(COAG)活性を示す。
【図6】図6は、発色アッセイおよび2種の異なるAPTTアッセイにおけるPEG化BDD−PEG14の凝固活性の比較を示す。APTTアッセイの一方は微粒子化シリカ(BioMerieux)を含み、他方は凝血終点試薬 AMAX Alexin(商標)によりもたらされるエラグ酸を含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
提供されるのは、微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイにおいて、PEG化血液凝固因子の活性の信頼性が低いという課題の解決である。それは、微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイの反応混合物に遊離PEGを添加することが、このアッセイにおけるPEG化FVIIIの血液凝固活性を回復させることができるという発見に基づく。活性化FIX(FIXa)またはFXIaおよびFXIIaの添加によりAPTTアッセイにおけるPEG化FVIIIの活性を回復させる以前の試みは成功しなかったので、この発見は予想外のものである。従って、それは、臨床適用および治療剤の製造に幅広く使用されている十分に確立されたアッセイでの、PEG化血液凝固因子の分析を可能にする。
【0015】
本明細書で使用する「PEG」および「ポリエチレングリコール」は、互いに置き換え可能であり、任意の水溶性ポリ(エチレンオキシド)を含む。典型的には、本発明の実施態様に従って使用するためのPEGは、以下の構造「−−(OCHCH−−」を含み、ここで、(n)は2ないし4000である。本明細書で使用されるとき、PEGはまた、末端の酸素が置き換えられているか否かに応じて、「−−CHCH−−O(CHCHO)−−CHCH−−」および「−−(OCHCHO−−」も含む。明細書および特許請求の範囲を通じて、用語「PEG」は、様々な末端または「端部キャッピング」基、例えば、限定ではないが、ヒドロキシルまたはC1−20アルコキシ基などを有する構造を含むことを念頭に置くべきである。用語「PEG」は、また、大部分、即ち、50%より多くの、−−OCHCH−−繰り返しサブユニットを含有するポリマーも意味する。用語「遊離ポリエチレングリコール」または「遊離PEG」は、他の分子に結合していないPEG分子を表す。具体的な形態に関しては、PEGは、無数の様々な分子量、並びに、構造または配置(geometries)、例えば、分枝状、直鎖状、分岐状および多官能性などをとり得る。いくつかの実施態様では、遊離PEGは、PEG化凝固因子の結合に使用されたPEGと同じ物であり得る。いくつかの実施態様では、APTT反応混合物に添加するPEGの分子量は、約2ないし100kDである。いくつかの実施態様では、APTT反応混合物に添加するPEGの分子量は、約2ないし35kDであり、いくつかの実施態様では、PEGの分子量は約35ないし64kDであり、いくつかの実施態様では、PEGの分子量は約64ないし100kDである。さらに、他のポリ(アルキル)グリコール類、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)またはポリブチレングリコール(PBG)の使用も、同様の結果を導き得るという見解である。
【0016】
遊離PEGは、APTT反応混合物に様々な濃度範囲で添加できる。サンプル中のPEG化血液凝固因子の濃度が既知である場合、遊離PEGは、PEG化凝固因子の数倍過剰で反応混合物に添加できる。いくつかの実施態様では、遊離PEGの濃度は、PEGの分子量に逆相関する。低分子量のPEGには、高濃度の遊離PEGを使用できる。一方、高分子量のPEGには、低濃度の遊離PEGを使用できる。本発明のいくつかの実施態様では、反応混合物中の遊離PEGの最終濃度は、PEG化凝固因子の最終濃度よりも、約50ないし100、約100ないし200、約200ないし500、約1000ないし5000、約5000ないし10,000、約10,000ないし200,000、または、約200,000ないし10,000,000倍高い。いくつかの実施態様では、反応混合物中の遊離PEGの最終濃度は、PEG化凝固因子の最終濃度よりも、約200,000ないし2,000,000倍高い。いくつかの場合では、サンプル中のPEG化凝固因子の濃度は、例えば、PEG化凝固因子を投与された対象からサンプルを取る場合に、未知であり得る。従って、遊離PEGは、凝固因子の濃度に依存しない濃度で添加することもできる。ある実施態様では、反応混合物中の遊離PEGの最終濃度は、約1−200nM、200−1000nM、1−10μM、10−1000μMまたはそれ以上である。濃度は、遊離PEGの溶解度を限度として、反応混合物の飽和点に到達するほど高くてもよい。いくつかの実施態様では、反応混合物中の遊離PEGの最終濃度は、約10−200μMである。
【0017】
PEGに結合したタンパク質は、1個またはそれ以上のポリエチレングリコール(PEG)分子に共有結合しているタンパク質である。用語「PEGに結合した」および「PEG化された」は、互換的に使用される。本発明は、PEGに結合した血液凝固因子に関するものである。血液凝固因子のPEG結合の方法は、例えば、米国特許第5,766,897号、米国特許第6,753,165号、WO90/12874および米国出願番号20060115876に記載されている。様々な方法でタンパク質をPEGに結合させることができ、例えば、第一級アミン類(N末端およびリジン)のランダムな修飾により、または、部位特異的な戦略、例えば、非天然アミノ酸の導入と、それに続く、その非天然アミノ酸と特異的に反応するPEG誘導体の添加による。タンパク質の部位特異的PEG結合への他のアプローチは、N末端の骨格のアミンをPEG−アルデヒドで標的化することによる。システインを挿入するか、または他のアミノ酸と置き換え、次いで、スルフヒドリル反応基を有するPEG部分を添加することによっても、タンパク質をPEGに結合させることができる。
【0018】
PEGに結合したタンパク質の例には、BDD−PEG−14およびBDD−PEG−14+2が含まれるが、これらに限定されない。BDD−PEG−14は、アミノ酸位置491(L491C)に変異を有するBDD変異タンパク質である。BDD−PEG−14+2は、アミノ酸位置491(L491C)および1804(K1804C)に変異を有するBDD変異タンパク質である。BDD変異タンパク質のアミノ酸の位置番号は、完全長FVIIIタンパク質での位置を表す。
【0019】
血液凝固因子には、血液凝固および凝血に関与するタンパク質および生理的に活性のあるそれらの断片が含まれる。このアッセイを使用して、第I、第II、第V、第VIII、第IX、第X、第XIおよび第XII因子が含まれるがこれらに限定されない、内因性経路のPEG化血液凝固因子の凝固活性を測定できる。第VII因子は、部分トロンボプラスチン時間により影響を受けない唯一の因子であり、従って、その活性はAPTTアッセイでは検出できない。いくつかの実施態様では、本発明を使用して、FVIIIの凝固活性を測定する。他の実施態様では、Bドメインが除去された(BDD)FVIIIの凝固活性を測定する。いくつかの実施態様では、タンパク質は組換えタンパク質である。
【0020】
血液凝固因子VIII(FVIII)は、肝臓により合成され、血流に放出される糖タンパク質である。循環血中で、それはフォン・ヴィルブランド因子(vWF、第VIII因子関連抗原としても知られている)に結合し、安定な複合体を形成している。トロンビンにより活性化されると、それは複合体から分離し、凝固カスケードの他の凝固因子と相互作用し、最終的に血栓の形成を導く。本明細書で使用される用語「第VIII因子」には、天然産生の第VIII因子の活性のある変異体が含まれる。
【0021】
本明細書で使用されるとき、Bドメインが除去されたFVIII(BDD)は、Bドメインの全部または一部が除去された第VIII因子の分子である。FVIIIのBドメインは、BDDが血友病Aの補充療法として有効であるとも示されたので、不必要である。ある実施態様では、BDDは、Bドメインの最初の4アミノ酸がBドメインの最後の10残基に結合するように、FVIIIのBドメインの14アミノ酸を除く全てのアミノ酸の欠損を含むアミノ酸配列を有することを特徴とする。
【0022】
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)アッセイは、血餅形成時のフィブリノーゲンのフィブリンへの変換に起因するサンプルの濁度または粘度の増加を測定することにより、サンプルの凝固因子活性を試験する。APTTアッセイは、内因性経路に関連する凝固を評価するために、内因性経路の活性化物質、例えば、微粒子化シリカ、エラグ酸またはカオリン、および、トロンボプラスチン試薬のリン脂質成分を用いる(組織因子なし)。血液凝固は、カルシウムの添加により開始される。カルシウムは、患者から抜き取る際にサンプルに典型的に添加されるシュウ酸塩またはクエン酸塩の抗凝固効果を打ち消すように作用する。凝固時間は、目視検査により、または、自動凝固器具により、測定できる。典型的には、殆どの器具は、光学的濁度または電気伝導度を監視することにより、血餅の形成を検出する。光学的濁度は、血餅の形成に起因する光の透過の減少により感知され得、一方、電気伝導度の増加は、血餅の形成に相関し得る。サンプルの凝固活性は、その凝固時間に対応し、短い凝固時間は高い凝固活性を反映する。APTTアッセイの実施方法は、例えば、米国特許第5,506,146号および第5,091,304号に記載されている。APTTアッセイは、様々な方法で、PEG化血液凝固因子の分析に使用できる。本発明の方法は、それが患者に投与される前に、例えば、製造中の品質管理工程の一部として、PEG化血液凝固因子の凝固活性の測定に使用できる。他の実施態様では、本発明は、PEG化血液凝固因子を投与された患者から採取されたサンプルにおいて、凝固活性を試験するのに使用し得る。
【0023】
トロンボプラスチン試薬は、凝固活性化物質、例えば、シリカ、エラグ酸またはカオリン、および、リン脂質供給源、例えば、ウサギ脳リン脂質を含む。場合により、トロンボプラスチン試薬は、また、バッファー、抗菌薬およびカルシウム(血漿または血液サンプルにしばしば添加されるシュウ酸塩またはクエン酸塩の凝固効果を打ち消す)の1種またはそれ以上を含む。トロンボプラスチン試薬を、APTTアッセイで血液凝固活性を測定するサンプルと混合する。本発明は、シリカを含有するトロンボプラスチン試薬を用いて実施されるAPTTアッセイに関する。シリカをベースとするトロンボプラスチン試薬の例には、CEPHALINEX(商標)(Bio/Data Corporation) および Automated APTT 試薬 (BioMerieux)が含まれる。CEPHALINEX(商標)は、ウサギ脳リン脂質(セファリン)および粒子状微小シリカ活性化物質の凍結乾燥調製物である。Automated APTT 試薬は、ウサギ脳リン脂質および微粒子化シリカを適当なバッファー中に含有する。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語血漿は、一般的に、APTT試薬と組み合わせられると凝血原活性を有するタンパク質を含む溶液を表す。血漿中のタンパク質には、血液凝固因子、トロンビンおよびフィブリノーゲンが含まれる。血漿は、また、他の血漿タンパク質、糖および/または塩も含有する。血漿は、ヒトまたは他の動物から得られる全血漿であり得る。血漿は、また、1種またはそれ以上の血液凝固因子を欠くもの、例えば、血友病A患者に由来するFVIII欠損血漿であり得る。血漿は、また、凝血原活性を有し、1種またはそれ以上の全血漿に由来する、血漿派生物であり得る。血漿派生物は、例えば、精製またはその他の処理によりいくつかのタンパク質、糖、塩または他の成分を除去した血漿画分または血漿であり得る。あるいは、血漿は、天然または人工成分を含む別々の供給源から得られる成分から形成される血漿置換物であり得る。例示的な人工成分には、天然の供給源から実質的に単離および/または精製された血漿タンパク質、および、組換え技術を使用して製造された血漿タンパク質が含まれる。使用し得る血漿の1つは、霊長類の血漿であり、いくつかの実施態様では、ヒトの血漿である。本明細書で使用されるとき、「血液」は、一般的に、全血、クエン酸血、濃縮血小板または血漿と血液細胞の制御混合物を表す。
【実施例】
【0025】
実施例
実施例1. 微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイへの遊離PEGの添加は、測定されるPEG化第VIII因子の活性を高める。
PEG化FVIII分子は、発色(FXa−基質)アッセイにおいて、正常な生物学的活性または正常に近い生物学的活性を有する。しかしながら、それらの活性は、Automated APTT 試薬(BioMerieux)を Automatic Coagulation Analyzer(Electra 1800C または ACL Advance, Instrumentation Laboratory Co)で使用する、微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイでは、非常に信頼性が低い。BDD−PEG14などのPEG化FVIIIは、他のインビトロアッセイ(例えば、トロンビン生成アッセイ)および血友病の動物の薬力学モデルでは正常なFVIII活性を示すので、微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイにおけるPEG化FVIIIの活性の欠如は、アッセイに特異的なものと思われた。APTTアッセイにおいてPEG化FVIIIの生物学的活性を阻害するメカニズムを理解するために、高濃度の遊離PEGをアッセイに添加する効果を測定した。
【0026】
APTTアッセイのために、使用した試薬は、1%ヒト血清アルブミンを含むトリス緩衝食塩水、血友病A患者由来のFVIII−欠損血漿、25mM CaCl、2種のAPTT試薬、即ち、微粒子化シリカを活性化物質として含む Platelet Factor 3 reagent Automated APTT (BioMerieux) またはエラグ酸を活性化物質として含む凝血終点(clot endpoint)試薬 AMAX ALEXIN(商標) (Trinity Biotech)のいずれかであった。Bドメインが除去されたFVIIIおよび2種のPEG化BDD分子、BDD−PEG14およびBDD−PEG2+14をこの研究で使用する。この実験では、0.0250IU/mlおよび0.0125IU/mlの2つの異なる最終濃度でFVIIIサンプルを試験した。64kD遊離PEG(Sigma-Aldrich)を、最終濃度43μMで使用した。遊離PEGを、FVIIIサンプルに直接、または、反応混合物にFVIIIを添加する前のAPTT試薬に、添加した。Automatic Coagulation Analyzer (Electra 1800C, Instrumentation Laboratory Co)の製造業者の指示に従ってアッセイを実施した。各サンプルの凝固時間を測定し、装置により自動的に収集した。
【0027】
図1および表1に示す結果は、FVIIIサンプルまたはAPTT試薬への遊離PEGの添加が、微粒子化シリカをベースとするアッセイにおけるPEG化FVIIIの生物学的活性を回復させたことを示す。微粒子化シリカをベースとするアッセイに添加した遊離PEGがPEG化FVIIIの活性を回復させるという観察は、PEG化FVIIIのPEG部分が微粒子化シリカに吸着することを示唆する。本発明をどのようにも限定しないが、このシリカへの吸着が、FVIII分子が第X因子活性化複合体で集合および/または機能するのを妨げ得ると考えられる。
【0028】
実施例2. 遊離PEGの添加は、PEG化第VIII因子の微粒子化シリカへの結合を妨げる
微粒子化シリカをベースとするAPTT試薬のBDDおよびBDD−PEG2+14への結合に対する遊離PEGの効果を、改変したAPTTアッセイで測定した。遊離PEGを含有するサンプル中で、微粒子化シリカをベースとするAPTT試薬を、100kD直鎖状遊離PEGと、最終PEG濃度500μMで混合した。次いで、FVIIIをサンプルに、発色アッセイで測定される最終濃度12IU/mlで添加した。APTTアッセイを、CaClの添加を省略することにより改変し、微粒子化シリカのアッセイ混合物からの分離を阻害するであろう迅速な凝固を回避した。3分間室温でインキュベートした後、微粒子化シリカを遠心沈降させ、PBSで洗浄し、ウサギ抗−FVIIIポリクローナル抗体を使用するウエスタンブロットで分析した。
【0029】
図2に示す通り、遊離PEGの非存在下で、BDDおよびPEG化BDD−PEG2+14は両方とも微粒子化シリカに結合したが、PEG化FVIIIはより強く結合した(レーン1および3)。500μM遊離PEGの存在下で、BDDもBDD−PEG2+14も有意に微粒子化シリカに結合しなかった(レーン2および4)。これは、遊離PEGが微粒子化シリカへの結合と競合するならば、予想し得ることである。
【0030】
実施例3. 微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイでのPEG化FVIIIの活性の回復における遊離PEGの効果は、PEGの大きさと濃度に依存する
このAPTTアッセイでは、BDD−PEG2+14を最終濃度0.077nM(0.1IU/mL)で使用した。4つの異なる大きさのPEG(2、35、64および100kD)の1つを、BDD−PEG2+14が大過剰の7つの異なる濃度倍率(50、100、200、500、1,000、5,000および10,000倍高い)で添加した。これらの7つの異なる濃度倍率は、各々、最終PEG濃度3.8、7.7、15.4、38.5、77.0、385および770nMに相当する。加えて、4つの異なる大きさのPEGを、BDD−PEG2+14が大過剰の200,000および2,000,000の濃度倍率で添加した(図3に示す通り)。実施例1に記載の通りに反応を実施した。各サンプルの凝固時間を、微粒子化シリカ産物(Automated APTT, BioMerieux)をAPTT試薬として使用して測定した。非PEG化BDDを対照として使用した。
【0031】
図3は、微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイでのPEG化FVIIIの活性の回復における遊離PEGの効果が、PEGの大きさおよび濃度に依存し、大きいPEG分子および高い濃度が最大の効果を示すことを示す。PEGは同一部分の繰り返しからなるポリマーであるので、PEG化FVIIIの活性の回復における遊離PEGの効果は、恐らく、PEG部分(CHCHO−)の濃度に応じて決まる。PEG化FVIIIに対して百万倍の範囲で高い割合の遊離PEGが、BDD−PEG2+14の活性を回復させるために必要であり、これは、遊離PEGの微粒子化シリカとの相互作用は、比較的低い結合親和性であり得ることを示す。PEG化FVIIIの量に対して、微粒子化シリカビーズ上にPEGと相互作用し得るかなり過剰の表面積があったという可能性もある。
【0032】
実施例4. APTTアッセイにおけるPEG化FVIIIの活性の低下は、微粒子化シリカをベースとするアッセイに特異的である
APTTアッセイにおけるPEG化FVIII活性の測定に伴う問題を克服するために、接触活性化物質として微粒子化シリカを使用しないAPTTアッセイ試薬を調べた。微粒子化シリカを含有する Automated APTT 試薬(BioMerieux)および微粒子化シリカを含まない凝血終点試薬 AMAX ALEXIN(商標)(Trinity Biotech)をこの調査に使用した。様々な希釈のBDD、BDD−PEG14およびBDD−PEG2+14をこの研究で使用し、それらの凝固活性をこれらの2つのアッセイ系により測定した。全てのFVIIIサンプルについてのAPTTアッセイは、MLA1800装置で実施した。実施例1に記載の通りにアッセイを実施した。
【0033】
結果は、微粒子化シリカをベースとする Automated APTT アッセイは、非PEG化BDD活性を検出し得たことを示す(図4)。しかしながら、Automated APTT アッセイは、PEG化FVIII分子の活性を正確に測定する能力を失った。一方、微粒子化シリカの代わりにエラグ酸を使用する凝血終点試薬 AMAX ALEXIN(商標) APTT アッセイは、PEG化のある、またはない、全ての3種のFVIII分子の活性を測定することができた(図5)。微粒子化シリカを用いないAPTTアッセイにおけるPEG化FVIII分子の正常な活性の立証は、PEG化FVIII分子についての発色アッセイとAPTTアッセイの不一致は、微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイに特異的であったことを示す。
【0034】
Automated APTT アッセイ(図4)および凝血終点試薬AMAX ALEXIN(商標) APTT アッセイ(図5)の両方で測定された様々な濃度でのBDD−PEG14の活性を、それらの発色活性に対して編集した(図6)。結果は、Automated APTT アッセイはPEG化FVIIIには役に立たないが、凝血終点試薬 AMAX ALEXIN(商標) APTT アッセイにより測定されたBDD−PEG14のCoag単位は、それらの発色単位の20%以内にあることを示す。従って、PEG化FVIIIの正常な活性は、接触活性化物質として微粒子化シリカではなくエラグ酸を使用する凝血終点試薬 AMAX ALEXIN(商標) アッセイで観察された。リン脂質(ウサギ脳セファリン)は、微粒子化シリカまたはエラグ酸を使用するAPTT試薬の少なくともいくつかで同等であるので、微粒子化シリカがPEG化FVIIIの凝固活性を妨げる原因であると見込まれる。
【0035】
表1. 微粒子化シリカをベースとするAPTTアッセイにおけるPEG化FVIIIの活性に対する遊離PEGの効果。全てのサンプルは、希釈倍率1であった。ダッシュは、値が検出範囲外であったことを示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプルの凝固活性の測定方法であって、
a)シリカを活性化物質として有するトロンボプラスチン試薬および遊離ポリエチレングリコールを含むトロンボプラスチン試薬混合物を提供すること、
b)PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプルを、該トロンボプラスチン試薬混合物に添加し、結果的な反応混合物を形成させること、および、
c)該結果的な反応混合物の凝固時間を測定し、それにより、該サンプルの凝固活性を測定すること、
を含む方法。
【請求項2】
該PEGに結合した血液凝固因子が、PEGに結合した第I因子、第II因子、第V因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子または第XII因子である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該PEGに結合した血液凝固因子が、PEGに結合した第VIII因子である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該PEGに結合した血液凝固因子が、PEGに結合した、Bドメインが除去された第VIII因子である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該PEGに結合した血液凝固因子が、組換え型のPEGに結合した血液凝固因子である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
遊離ポリエチレングリコールが、約2ないし100kDaの分子量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
遊離ポリエチレングリコールが、約64ないし100kDaの分子量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
反応混合物中の遊離ポリエチレングリコールの最終濃度が、反応混合物中のPEGに結合した血液凝固因子の最終濃度よりも約50ないし10,000,000倍高い、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
反応混合物中の遊離ポリエチレングリコールの最終濃度が、反応混合物中のPEGに結合した血液凝固因子の最終濃度よりも約200,000ないし2,000,000倍高い、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
反応混合物中の遊離PEGの最終濃度が約10μMないし200μMである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該トロンボプラスチン試薬が、さらにリン脂質、バッファーおよびカルシウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプルの活性化部分トロンボプラスチン時間の測定方法であって、
a)遊離ポリエチレングリコールを、
i)PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプル、および、
ii)シリカ粒子を含むトロンボプラスチン試薬
を含有する活性化部分トロンボプラスチン時間アッセイ反応混合物に添加し、結果的な反応混合物を形成させること、および、
b)該結果的な反応混合物の凝固時間を測定し、それにより、該サンプルの活性化部分トロンボプラスチン時間を測定すること、
を含む方法。
【請求項13】
反応混合物中の遊離ポリエチレングリコールの最終濃度が、反応混合物中のPEGに結合した血液凝固因子の最終濃度よりも約200,000ないし2,000,000倍高い、請求項12に記載の方法。
[請求項13]
反応混合物中の遊離PEGの最終濃度が約10μMないし200μMである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
該PEGに結合した血液凝固因子が、PEGに結合した第I因子、第II因子、第V因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子または第XII因子である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
PEGに結合した血液凝固因子が第VIII因子である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
該PEGに結合した血液凝固因子が、PEGに結合した、Bドメインが除去された第VIII因子である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
該PEGに結合した血液凝固因子が、組換え型のPEGに結合した血液凝固因子である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
凝固活性化物質としてシリカを使用する活性化部分トロンボプラスチン時間アッセイにおいて、PEGに結合した血液凝固因子の活性を回復させる方法であって、遊離のポリエチレングリコールを、
a)該PEGに結合した血液凝固因子を含有するか、または含有する疑いのあるサンプル、および、
b)シリカ粒子を含むトロンボプラスチン試薬
を含む、活性化部分トロンボプラスチン時間アッセイの反応混合物に添加することを含む、方法。
【請求項19】
反応混合物中の遊離ポリエチレングリコールの最終濃度が、結果的な反応混合物中のPEGに結合した血液凝固因子の最終濃度よりも約200,000ないし2,000,000倍高い、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
得られた反応混合物中の遊離PEGの最終濃度が約10μMないし200μMである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
該PEGに結合した血液凝固因子が、PEGに結合した第VIII因子である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
該PEGに結合した血液凝固因子が、PEGに結合した、Bドメインが除去された第VIII因子である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
該PEGに結合した血液凝固因子が、組換え型のPEGに結合した血液凝固因子である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
PEGに結合した凝固因子で処置された患者における凝固活性の測定方法であって、
a)i)患者由来の血液または血漿サンプル、
ii)シリカ粒子を活性化物質として含むトロンボプラスチン試薬、および、
iii)遊離ポリエチレングリコール
を含有する活性化部分トロンボプラスチン時間アッセイの反応混合物を提供すること、および、
b)該反応混合物の凝固時間を測定し、それにより患者における凝固活性を測定すること、
を含む。
【請求項25】
患者が血友病Aに罹患しており、PEGに結合した凝固因子が第VIII因子である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
該PEGに結合した血液凝固因子が、PEGに結合した、Bドメインが除去された第VIII因子である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
該PEGに結合した血液凝固因子が、組換え型のPEGに結合した血液凝固因子である、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−510060(P2012−510060A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537713(P2011−537713)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/065732
【国際公開番号】WO2010/060081
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】