説明

シリカガラス材料

【課題】活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという条件下であっても、失透を発生しがたいシリカガラス材料、および失透が発生しがたく、長寿命化が図られた放電ランプを提供すること。
【解決手段】活性金属またはそのハロゲン化物と接触させて使用する用途に用いられるシリカガラス材料であって、活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層が形成されていることを特徴とするシリカガラス材料、その製造法および失透防止方法、ならびに活性金属またはそのハロゲン化物が封入された発光管を有する放電ランプの前記発光管の内面に前記ハロゲン含有シリカガラス層が形成された放電ランプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカガラス材料に関する。さらに詳しくは、活性金属またはそのハロゲン化物と高温で接触させて使用する用途に用いられるシリカガラス材料、その製造法およびその失透防止方法、ならびに放電ランプに関する。活性金属またはそのハロゲン化物と高温で接触させて使用する用途としては、例えば、高輝度放電ランプなどの放電ランプの発光管をはじめ、半導体の製造装置の炉心管、ガスクロマトグラフィなどが挙げられる。
【0002】
なお、本明細書にいう「活性金属」とは、シリカガラスとの反応性を有する活性な金属を意味し、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などの金属が挙げられる。また、「活性金属のハロゲン化物」とは、シリカガラスとの反応性を有する活性金属のハロゲン化物を意味し、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などの金属のハロゲン化物が挙げられる。ハロゲン化物を構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
金属不純物の含有量が少ない高純度シリカガラスは、これを管球状の発光管に加工し、その内部に金属ハロゲン化物を封入し、高温で蒸発させて放電する放電ランプをはじめ、半導体の製造装置の炉心管、金属ハロゲン化物を溶融混合する際に用いられる石英るつぼなどに用いられている。
【0004】
しかし、シリカガラスは、活性金属イオンと反応することによって結晶化するため、透明性を失う現象、いわゆる失透現象が生じるが、特に高温状態では、その失透現象が著しくなる。
【0005】
失透が抑制されたシリカガラスとしては、非移動性のOH基の含有濃度、アルカリ金属濃度およびアルカリ土類金属濃度を低減させてシリカガラス粘度を高め、酸素欠損型欠陥およびアルミニウム元素の含有量を多くしたシリカガラス(例えば、特許文献1参照)や、水蒸気放出濃度を規定し、金属不純物量を低減し、移動性および非移動性のOH基濃度を制御したシリカガラス(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0006】
しかしながら、前者のシリカガラスは、金属元素であるアルミニウム元素が添加されているとともに酸素欠乏欠陥があるため、紫外領域におけるシリカガラスの透過率の低下が避けられないという欠点を有するのみならず、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下であってもシリカガラスの失透を低減させることができる手段が認識されていない。また、後者のシリカガラスでは、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下であってもシリカガラスの失透を低減させることができる手段が認識されていないのみならず、水蒸気放出濃度を測定するときに1000℃の高温かつ真空という条件を必要とするため、工業的生産性に劣るという欠点がある。
【0007】
また、耐失透性に優れた石英ガラスとして、OH基含有量が1ppm以下、H2含有量が1×1017個/cm3以下、Cl含有量が10ppm以下および金属不純物含有量の総和が1ppm以下である石英ガラス(例えば、特許文献3参照)や、OH基含有量が20ppm以下、H2分子の含有量が1×1017個/cm3以下、Cl含有量が10ppm以下および金属不純物含有量の総和が1ppm以下である合成石英ガラス(例えば、特許文献4参照)が提案されているが、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下であってもシリカガラスの失透を低減させることができる手段が認識されていない。
【0008】
【特許文献1】特開平6−305767号公報
【特許文献2】特開平6−305768号公報
【特許文献3】特開2005−67914号公報
【特許文献4】特開2005−170716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下であっても、失透を発生しがたいシリカガラス材料を提供することを課題とする。本発明は、また、失透が発生しがたく、長寿命化が図られた放電ランプを提供することを課題とする。
【0010】
なお、本明細書にいう高温状態とは、800〜1300℃、就中1050〜1200℃の温度に加熱される状態をいう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、
(1) 活性金属またはそのハロゲン化物と接触させて使用する用途に用いられるシリカガラス材料であって、その活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層が形成されていることを特徴とするシリカガラス材料、
(2) 活性金属またはそのハロゲン化物が封入された発光管を有する放電ランプであって、前記発光管の内面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層が形成されていることを特徴とする放電ランプ、
(3) 活性金属またはそのハロゲン化物と接触させて使用する用途に用いられるシリカガラス材料の失透防止方法であって、シリカガラス材料の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層を形成させることを特徴とするシリカガラス材料の失透防止方法、および
(4) 活性金属またはそのハロゲン化物と接触させて使用する用途に用いられるシリカガラス材料の製造法であって、シリカガラス基材の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層を形成させることを特徴とするシリカガラス材料の製造法
に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下であっても、失透を発生しがたいシリカガラス材料が提供される。また、本発明によれば、失透が発生しがたく、長寿命化が図られた放電ランプが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のシリカガラス材料は、活性金属またはそのハロゲン化物と接触させて使用する用途に用いられる。
【0014】
従来のシリカガラス材料は、活性金属またはそのハロゲン化物と接触したとき、シリカガラスがこれらの活性金属などと反応し、結晶化するため、失透現象が生じる。特に、シリカガラス材料がこれら活性金属などと高温状態で直接接触した場合には、失透現象が顕著に生じる。
【0015】
一方、本発明のシリカガラス材料は、その基材としてシリカガラスが用いられているため、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下では、失透現象が顕著に発生することが予想される。ところが、その予想に反して、本発明のシリカガラス材料は、このような過酷な条件下であっても失透が発生しがたいという優れた効果を発現する。
【0016】
本発明のシリカガラス材料がこのような過酷な条件であっても失透を発生しがたいのは、本発明のシリカガラス材料には、活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層が形成されていることに基づく。
【0017】
本発明のシリカガラス材料がハロゲン含有シリカガラス層を有することにより、このように優れた効果が奏される理由は、定かではないが、本発明に用いられているハロゲン含有シリカガラス層は、結晶化に伴う可視光の透過性の低下や耐熱性の低下を発生しがたい特定量のハロゲンを含有し、さらに特定量で含有されているハロゲンがシリカガラスと活性金属またはそのハロゲン化物との反応を阻害することによるものと考えられる。
【0018】
このように、本発明のシリカガラス基材は、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下であっても失透が発生しがたいという優れた効果を発現することから、このような過酷な条件下で使用される、例えば、放電ランプの発光管をはじめ、半導体の製造装置の炉心管、ガスクロマトグラフィなどの用途に好適に使用することができる。
【0019】
ハロゲン含有シリカガラス層は、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるシリカガラスで構成される。
【0020】
本明細書における金属不純物は、本発明のシリカガラス材料に悪影響を与える金属を意味する。より具体的には、本発明のシリカガラス材料の紫外線に対する耐性を阻害する金属を意味する。
【0021】
金属不純物は、紫外領域に吸収を示すため、シリカガラス基材の紫外領域における透過率を低下させるだけでなく、紫外線の照射によって欠陥を生成し、紫外線に対する耐性を低下させる。
【0022】
一方、チタンは、金属であるが、金属不純物に該当しない。チタンとして、例えば、酸化チタンを本発明のシリカガラス材料に添加した場合、他の金属とは異なり、紫外線に対する耐性がほとんど阻害されず、また、可視光線の透過率の低下や耐熱性の低下が小さいからである。
【0023】
一般に、放電ランプによって放射される紫外線量が多いとき、被照射物の退色や劣化などを生じるおそれがある。しかし、放電ランプの発光管に用いられるシリカガラス材料にチタンとして酸化チタンを添加した場合には、紫外線を効率よく遮断することができるという優れた効果が発現される。この場合、シリカガラス材料における酸化チタンの含有量は、紫外線を効率よく遮断する観点、および可視光線および耐熱性を維持する観点から、好ましくは0.001〜3重量%、より好ましくは0.001〜1重量%である。
【0024】
金属不純物としては、一般にシリカガラスに含まれ、不純物として取り扱われている、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデンなどの遷移金属などが挙げられる。
【0025】
ハロゲン含有シリカガラス層における金属不純物含有量は、ICP−MS分析法で定量された金属含有量の合計値である。ハロゲン含有シリカガラス層における金属不純物含有量は、シリカガラスの失透を防止する観点から、100ppb以下、好ましくは50ppb以下、より好ましくは30ppb以下、より一層好ましくは20ppb以下、さらに好ましくは10ppb以下である。
【0026】
シリカガラスにおける金属不純物含有量は、例えば、シリカガラスを溶媒に溶解させ、得られた試料を高温プラズマ中でイオン化させて質量分析器に導入し、ICP−MS分析法により、定量することができる。
【0027】
ハロゲン含有シリカガラス層に含まれるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。これらのなかでは、失透防止効果に優れていることから、塩素が好ましい。
【0028】
ハロゲン含有シリカガラス層におけるハロゲン含有量は、ハロゲン含有シリカガラス層に含まれているハロゲン原子の含有量を意味する。ハロゲン含有シリカガラス層におけるハロゲン含有量は、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下での耐失透性を高める観点から、100ppm以上、好ましくは300ppm以上、より好ましくは500ppm以上であり、高温状態における低粘度化を回避し、耐熱性を高める観点から、5000ppm以下、好ましくは3000ppm以下、より好ましくは1500ppm以下である。
【0029】
シリカガラスにおけるハロゲン含有量は、例えば、検量線法により蛍光X線測定法で定量することができる。
【0030】
ハロゲン含有シリカガラス層に含まれているOH基は、例えば、放電ランプの発光時などの加熱により、加水分解して酸素を放出し、その酸素によって放電ランプの電極や封入されている活性金属またはそのハロゲン化物と反応するため、失透を生じる可能性があると考えられている。したがって、ハロゲン含有シリカガラス層におけるOH基の含有量は、シリカガラスの失透を防止する観点から、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは3ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。
【0031】
シリカガラスにおけるOH基含有量は、例えば、赤外吸収分析法で測定される波長約2.7μmにおける吸光度から、ジー・ヘザリングトンおよびケイ・エイッチ・ジャック(G. Hetherington and K. H. Jack)、フィジックス・アンド・ケミストリー・オブ・グラスイーズ(Physics and Chemistry of Glasses)、46巻6号(1987年)632−635頁に記載の方法によって定量することができる。
【0032】
ハロゲン含有シリカガラス層の厚さは、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下での耐失透性を高める観点から、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、さらに好ましくは500μm以上、特に好ましくは1mm以上である。なお、ハロゲン含有シリカガラス層の厚さの上限値は、本発明のシリカガラス材料の用途や使用目的などによって異なるので一概には決定することができないため、その用途などに応じて適宜決定することが好ましいが、通常、5mm以下であることが好ましい。
【0033】
本発明のシリカガラス材料は、前記したように、活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面にハロゲン含有シリカガラス層が形成されていることを特徴とする。したがって、本発明のシリカガラス材料は、シリカガラス基材とハロゲン含有シリカガラス層とからなり、シリカガラス基材の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面にのみハロゲン含有シリカガラス層が形成されているシリカガラス材料であってもよく、あるいは基材全体がハロゲン含有シリカガラス層と同一組成で構成されているシリカガラス基材であってもよい。これらのシリカガラス材料の選択は、その用途や使用目的などに応じて決定すればよい。
【0034】
シリカガラス基材とハロゲン含有シリカガラス層とからなり、シリカガラス基材の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面にのみハロゲン含有シリカガラス層が形成されているシリカガラス材料は、シリカガラス基材に要求される性質と、ハロゲン含有シリカガラス層に要求される性質とを併せ持つシリカガラス材料とすることができるという利点を有する。このシリカガラス材料のシリカガラス基材には、その用途や使用目的などに応じて種々のものを用いることができ、例えば、一般に商業的に容易に入手しうるものを用いることもできる。
【0035】
シリカガラス基材における金属不純物含有量は、シリカガラスの失透を防止する観点から、100ppb以下、好ましくは50ppb以下、より好ましくは30ppb以下、より一層好ましくは20ppb以下、さらに好ましくは10ppb以下である。
【0036】
シリカガラス基材におけるハロゲン含有量は、本発明のシリカガラス材料の用途や使用目的などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、高温状態における低粘度化を回避し、耐熱性を高める観点から、5000ppm以下、好ましくは3000ppm以下、より好ましくは1500ppm以下である。
【0037】
なお、シリカガラス基材に塩素が含まれている場合、耐熱性が低下する。したがって、本発明のシリカガラス材料を高温状態で使用される用途に用いる場合には、その耐熱性を維持する観点から、シリカガラス基材における塩素含有量は、好ましくは2000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下である。
【0038】
シリカガラス基材におけるOH基は、高温状態で容易にシリカガラス内に拡散し、シリカガラスの骨格構造と反応し、粘度を低下させるとともにシリカガラスの結晶化を促進するため、シリカガラスの可視光の透過性や耐熱性が低下する。したがって、本発明のシリカガラス材料を高温状態で使用される用途に用いる場合には、シリカガラス基材におけるOH基の含有量は、シリカガラス基材の失透を防止する観点および耐熱性を維持する観点から、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。
【0039】
ハロゲン含有シリカガラス層を有するシリカガラス材料において、シリカガラス基材の厚さは、本発明のシリカガラス材料の用途などによって異なるので一概には決定することができないため、その用途などに応じて適宜決定することが好ましい。例えば、本発明のシリカガラス基材を放電ランプの発光管に用いる場合、その厚さは、好ましくは0.001〜8mm、より好ましくは0.01〜5mmである。
【0040】
本発明のシリカガラス材料がハロゲン含有シリカガラス層で構成されている場合、すなわち、シリカガラス材料全体がハロゲン含有シリカガラス層と同一組成で構成されている場合、シリカガラス材料の厚さは、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触するという過酷な条件下での耐失透性を高める観点から、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上、さらに好ましくは500μm以上、特に好ましくは1mm以上である。なお、このシリカガラス材料の厚さの上限値は、その用途や使用目的などによって異なるので一概には決定することができないため、その用途などに応じて適宜決定することが好ましいが、通常、好ましくは8mm以下、より好ましくは5mm以下である。
【0041】
本発明のシリカガラス材料の形状は、特に限定されず、その用途などに応じて適宜決定することが好ましい。シリカガラス基材の形状の代表例としては、プレート状、ロッド状、その内部が中空である管球状、その内部が充填されている球状、パイプ状、フィラメント状、短繊維状などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、シリカガラス材料の形状がフィラメント状または短繊維状である場合には、シリカガラス材料全体がハロゲン含有シリカガラスで構成される。
【0042】
本発明のシリカガラス材料がシリカガラス基材上にハロゲン含有シリカガラス層が形成されているシリカガラス材料である場合、例えば、シリカガラス基材の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、ハロゲン含有シリカガラス層を形成させることにより、シリカガラス材料を製造することができる。
【0043】
また、本発明のシリカガラス材料がハロゲン含有シリカガラス層のみで構成されている場合、スート法、例えば、気相軸付け法(以下、VAD法という)または外付けCVD法(以下、OVD法という)において、シリカの微粒子(スート)を形成させた後、ハロゲン含有雰囲気中で1200〜1400℃程度の温度で熱処理を施し、焼結ガラス化することにより、シリカガラス材料を製造することができる。
【0044】
本発明のシリカガラス材料がシリカガラス基材上にハロゲン含有シリカガラス層が形成されているシリカガラス材料である場合、そのシリカガラス材料は種々の方法で製造することができる。本発明のシリカガラス材料の製造法の具体例としては、VAD法、OVD法、内付けCVD法(以下、MCVD法という)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの方法のなかでは、工程が簡単であり、連続して製造することができ、生産性、品質安定性および製造コストに優れていることから、OVD法が好ましい。
【0045】
OVD法では、例えば、石英ガラス製バーナーに酸素ガスおよび水素ガスとともに、原料として四塩化珪素などのケイ素化合物を供給し、シリカの微粒子(スート)を、シリカガラスロッドやシリカガラス管などのシリカガラス基材の表面に堆積させる。塩素ガスなどのハロゲンを供給する成分を含有する雰囲気中で、この堆積したケイ素化合物の微粒子からなる多孔質体に1200〜1400℃程度の温度で熱処理を施す。この雰囲気に含まれているハロゲンを供給する成分の含有量を、ヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスなどを用いて調整することにより、ハロゲン含有シリカガラス層におけるハロゲン含有量を調整することができる。この雰囲気中で熱処理を施したときには、多孔質体の脱水が進行するとともに、多孔質体にハロゲンが導入され、ハロゲン含有シリカガラス層が形成される。
【0046】
次に、この多孔質体の外側に前記と同様にして、シリカの微粒子(スート)を堆積させる。新たに形成したシリカの微粒子(スート)層の嵩密度は、ハロゲン含有シリカガラス層よりも低いため、ハロゲンを供給する成分を含有する雰囲気中で熱処理を施したときと同程度の温度で熱処理を施し、全体の嵩密度を均一にする。
【0047】
次に、この多孔質体を回転させながらその端部から1500〜1600℃程度の温度で順次加熱していくと多孔質体が透明ガラス化することにより、ハロゲン含有シリカガラス層が形成されたシリカガラス材料が得られる。このシリカガラス材料の外面にハロゲン含有シリカガラス層が形成されている。
【0048】
また、管球状やパイプ状などの内部に空間を有するシリカガラス基材の内面にハロゲン含有シリカガラス層が形成されたシリカガラス材料を製造する場合には、例えば、MCVD法などによってシリカガラス材料を製造することができる。
【0049】
例えば、パイプ状のシリカガラス基材としてシリカガラス管を用いてMCVD法によってシリカガラス材料を製造する場合、酸素ガスおよび原料として四塩化珪素などのケイ素化合物をガラス基材であるシリカガラス管内に供給しながらシリカガラス管の外周面をバーナーによって加熱し、シリカガラス管の内面にシリカの微粒子(スート)を堆積させる。次に、このシリカガラス管内に塩素ガスなどのハロゲンを供給する成分を含有するガスを導入し、シリカガラス管を回転させながらシリカガラス管を1500〜1600℃程度の温度で加熱していくとスートが透明ガラス化することにより、ハロゲン含有シリカガラス層が形成されたシリカガラス材料が得られる。このハロゲンを供給する成分を含有するガスに含まれているハロゲンを供給する成分の含有量を、ヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスなどを用いて調整することにより、ハロゲン含有シリカガラス層におけるハロゲン含有量を調整することができる。このシリカガラス材料の内面にハロゲン含有シリカガラス層が形成されている。
【0050】
ハロゲンを供給する成分としては、ハロゲン含有シリカガラス層にハロゲンを付与する成分であればよく、本発明は、かかる成分の種類によって限定されない。ハロゲンを供給する成分の代表例としては、塩素ガス、四塩化珪素、オキシハライドガスなどが挙げられる。塩素ガスは、入手が容易であり、比較的安価であるという利点があることから、本発明において好適に使用しうるものである。
【0051】
本発明の放電ランプは、活性金属またはそのハロゲン化物が封入された発光管を有する。発光管の内面には、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層が形成されている。発光管は、本発明のシリカガラス材料を用いて製造することができる。
【0052】
本発明の放電ランプを製造する際には、その内部に活性金属またはそのハロゲン化物が封入されるため、発光管の内面にハロゲン含有シリカガラス層が形成されるようにリカガラス材料が用いられる。
【0053】
以下に、本発明の放電ランプを図1に基づいて説明する。図1は、本発明の放電ランプの一実施態様を示す概略説明図である。
【0054】
発光管1は、その内面にハロゲン含有シリカガラス層1aが形成されるようにシリカガラス材料に加熱加工を施すことによって成形されたものである。発光管1の内部には、放電用バッファガスであるアルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガス(図示せず)と、作動中に蒸気化することによって発光する、活性金属ハロゲン化物5とが封入されている。発光管1の両端には、その内部が気密となるようにした状態で、それぞれ電極2,2が配設されており、電極2,2は、それぞれ電極に電気エネルギーを伝達するモリブデンホイル3,3を介して、それぞれ外側電極4,4と接続されている。
【0055】
放電ランプに所定の電流を加えると、発光管1が加熱され、1000℃程度の温度となる。それに伴って、放電ランプ内に充填されている活性金属ハロゲン化物5は、溶融蒸発し、その一部が熱解離し、生成した金属蒸気が放電によってプラズマとなり、発光する。このとき、放電ランプを水平方向で作動させると、発光管1内で対流により、アークが上方へ湾曲し、発光管1を構成しているシリカガラス材料に接近するため、その表面温度が1050℃を超えるようになる。
【0056】
したがって、ハロゲン含有シリカガラス層を有しないシリカガラスからなる従来の放電ランプでは、この発光管1の上部の管壁が失透して不透明になるとともに、その機械的強度が低下して膨張し、破壊するという不具合が生じるおそれがある。
【0057】
これに対して、本発明の放電ランプでは、発光管1の内面にハロゲン含有シリカガラス層1aが形成されているため、高温状態であっても失透現象が抑制されるとともに膨張や破損が発生しがたくなるという優れた効果が発現される。
【0058】
本発明のシリカガラス材料の失透防止方法は、活性金属またはそのハロゲン化物と接触させて使用する用途に用いられるシリカガラス材料の失透を防止する方法である。
【0059】
本発明の失透防止方法は、シリカガラス材料の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層を形成させることを特徴とする。
【0060】
本発明の失透防止方法は、ハロゲン含有シリカガラス層が形成されていないシリカガラス材料を、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で接触する用途に使用する場合などに適用することができる。例えば、放電ランプの発光管に用いるためにシリカガラス材料を製造したが、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で接触する面に本発明におけるハロゲン含有シリカガラス層が形成されていないため、失透の発生が危惧されるときに、本発明の失透防止方法を適用すれば、失透防止性に優れたシリカガラス材料とすることができる。
【0061】
本発明の失透防止方法に用いられるシリカガラス基材には特に限定がなく、その用途に応じて適宜選択することが好ましい。また、この方法に用いられるハロゲン含有シリカガラス層は、本発明のシリカガラス材料に用いられているのと同様であればよい。シリカガラス基材の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、ハロゲン含有シリカガラス層を形成させる方法は、本発明のシリカガラス材料の製造法と同様であり、例えば、VAD法、OVD法、MCVD法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0062】
本発明のシリカガラス材料の失透防止方法によれば、シリカガラス材料の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面にハロゲン含有シリカガラス層が形成するため、ハロゲン含有シリカガラス層が形成されている面に高温状態で活性金属またはそのハロゲン化物が接触したときに、シリカガラス材料の失透、シリカガラス材料の膨張や破損の発生などを抑制することができるという優れた効果が発現される。
【実施例】
【0063】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0064】
実施例1
シリカガラス基材として、金属不純物含有量が10ppb(検出限界)未満であり、ハロゲン含有量が10ppm(検出限界)未満であるシリカガラスプレート(縦:20mm、横:20mm、厚さ:5mm)を用いた。なお、金属不純物含有量およびハロゲン含有量の測定方法は、以下に示すとおりである。
【0065】
このシリカガラスプレートの表面上に、石英ガラス製バーナーの中心管から原料として四塩化珪素を供給し、バーナーの外管から水素ガスおよび酸素ガスを両者のモル比(水素ガス/酸素ガス)が2.2となるように供給し、四塩化珪素を酸水素火炎中で加水分解させることにより、スートを形成させた。
【0066】
次に、このスートが形成されたシリカガラスプレートを塩素ガス40容量%およびヘリウムガス60容量%からなる混合ガス中で1300〜1350℃に加熱した後、ヘリウムガス中で1500℃に加熱してスートをガラス化させることにより、ハロゲン含有シリカガラス層として塩素含有シリカガラス層(厚さ:0.75mm)を形成させ、室温に放冷し、シリカガラス材料を得た。
【0067】
得られたシリカガラス材料の塩素含有シリカガラス層に含まれているOH基含有量、金属不純物含有量および塩素含有量を以下の方法で測定したところ、OH基含有量が1ppm(検出限界)未満、金属不純物含有量が10ppb(検出限界)未満、塩素含有量が1000ppmであった。
【0068】
(1)OH基含有量の測定方法
赤外吸収分析法で測定された波長約2.7μmにおける吸光度から、ジー・ヘザリングトンおよびケイ・エイッチ・ジャック(G. Hetherington and K. H. Jack)、フィジックス・アンド・ケミストリー・オブ・グラスイーズ(Physics and Chemistry of Glasses)、46巻6号(1987年)632−635頁に記載の方法により、OH基含有量を定量した。この測定方法におけるOH基含有量の検出限界は、1ppmである。
【0069】
(2)金属不純物含有量の測定方法
ICP−MS分析法で金属含有量を定量し、定量された金属含有量の合計量を金属不純物含有量とした。この測定方法における金属不純物含有量の検出限界は、10ppbである。
【0070】
(3)ハロゲン(塩素)含有量の測定方法
検量線法により蛍光X線測定法でハロゲン(塩素)含有量〔ハロゲン(塩素)原子の濃度〕を定量した。この測定方法におけるハロゲン(塩素)含有量の検出限界は、10ppmである。
【0071】
次に、得られたシリカガラス材料の耐失透性を以下の方法にしたがって調べた。
【0072】
〔シリカガラス材料の耐失透性A〕
シリカガラス材料の塩素含有シリカガラス層が形成されている面上に、塩化ナトリウムの結晶粒子1個(約0.1mg)を載せ、これを管状電気炉内に入れ、大気中にて1150℃に加熱し、所定時間経過ごとにシリカガラス材料を電気炉内から取り出し、失透深さを測定した。
【0073】
失透深さは、シリカガラス材料をその裏面(塩素含有シリカガラス層が形成されていない面)から光学顕微鏡(倍率:450倍)で観察し、塩素含有シリカガラス層とシリカガラス材料との接触面から透明性が失われた境界面までの距離を測定し、その測定値に屈折率を乗じた値を塩素含有シリカガラス層の厚さから減ずることによって求めた。その結果を表1に示す。
【0074】
なお、失透深さは、シリカガラス材料の耐失透性の指標であり、失透深さが小さいほど耐失透性に優れている。
【0075】
〔シリカガラス材料の耐失透性B〕
シリカガラス材料の(塩素含有)シリカガラス層が形成されている面上に、塩化ナトリウムの結晶粒子1個(約0.1mg)を載せ、これを管状電気炉内に入れて表2に示す所定温度に8時間加熱し、シリカガラス材料を電気炉から取り出し、失透深さを測定した。
【0076】
なお、失透深さは、前記「シリカガラス材料の耐失透性A」と同様の方法で求めた。その結果を表2に示す。
【0077】
実施例2〜3および比較例1
実施例1において、スートが形成されたシリカガラスプレートを加熱する際の塩素ガスとアルゴンガスとの混合比率を変えてスートを透明ガラス化させたこと以外は、実施例1と同様にしてシリカガラス材料を製造した。なお、比較例1では、塩素ガスとヘリウムガスの混合ガス中で熱処理する代わりに、純粋のヘリウムガスを用いた。得られたシリカガラス材料のOH基含有量、金属不純物含有量および塩素含有量を表1に示す。
【0078】
次に得られたシリカガラス材料の耐失透性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1〜2に示す。
【0079】
比較例2
比較例1において、ヘリウムガス中で1300〜1350℃で熱処理する時間を変更したこと以外は、比較例1と同様にしてシリカガラス材料を製造した。得られたシリカガラス材料のOH基含有量、金属不純物含有量および塩素含有量を表1に示す。
【0080】
次に得られたシリカガラス材料の耐失透性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1〜2に示す。
【0081】
比較例3
実施例1で用いられたものと同様のシリカガラスプレート上に、従来のシリカガラス材料として、天然水晶(石英)を電気溶融することによって製造されたシリカガラスを厚さが0.75mmとなるように平坦に研磨したものを載せ、1150℃で加熱することにより、両者を接合させてシリカガラス材料を得た。得られたシリカガラス材料のOH基含有量、金属不純物含有量およびハロゲン含有量を表1に示す。
【0082】
次に得られたシリカガラス材料の耐失透性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0083】
比較例4
実施例1で用いられたものと同様のシリカガラスプレート上に、従来のシリカガラス材料として、天然水晶を酸水素火炎溶融することによって製造されたシリカガラスを厚さが0.75mmとなるように平坦に研磨したものを載せ、1150℃で加熱することにより、両者を接合させてシリカガラス材料を得た。得られたシリカガラス材料のOH基含有量、金属不純物含有量およびハロゲン含有量を表1に示す。
【0084】
次に得られたシリカガラス材料の耐失透性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0085】
比較例5
実施例1で用いられたものと同様のシリカガラスプレート上に、従来のシリカガラス材料として、四塩化珪素を酸水素火炎溶融することによって製造されたシリカガラスを厚さが0.75mmとなるように平坦に研磨したものを載せ、1150℃で加熱することにより、両者を接合させてシリカガラス材料を得た。得られたシリカガラス材料のOH基含有量、金属不純物含有量およびハロゲン含有量を表1に示す。
【0086】
次に得られたシリカガラス材料の耐失透性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0087】
【表1】

【0088】
表1に示された結果から、各実施例で得られたシリカガラス材料は、いずれも、塩素含有シリカガラス層上に、活性金属ハロゲン化物として塩化ナトリウムの結晶粒子が1150℃で載置されるという非常に過酷な条件であっても、150分間経過時において塩素含有シリカガラス層の20〜25%程度しか失透が生じておらず、耐失透性に優れていることがわかる。
【0089】
これに対して、比較例1〜4で得られたシリカガラス材料は、塩素含有シリカガラス層が形成されていないため、また比較例5で得られたシリカガラス材料は、塩素含有量が50ppmであるが、その量が少ないため、いずれの比較例でも、活性金属ハロゲン化物として塩化ナトリウムの結晶粒子が1150℃で載置されるという非常に過酷な条件で150分間経過した時点で、(塩素含有)シリカガラス層の45〜60%程度も失透しており、耐失透性に劣っていることがわかる。
【0090】
したがって、シリカガラス基材としてシリカガラスプレート上に、特定の塩素含有量で塩素が含有された塩素含有シリカガラス層が形成されている各実施例で得られたシリカガラス材料の耐失透性は、いずれも、各比較例で得られたシリカガラス材料の耐失透性と対比して格段に優れていることがわかる。
【0091】
【表2】

【0092】
表2に示された結果から、各実施例で得られたシリカガラス材料は、いずれも、比較例1および2で得られたシリカガラス材料と対比して、約1050℃までの温度では、耐失透性に大差がないが、1050℃を超える温度では、格段に耐失透性に優れていることがわかる。また、各実施例で得られたシリカガラス材料は、いずれも、加熱温度の温度依存性が小さく、加熱温度の高低にほとんど関わりなく安定して耐失透性に優れていることがわかる。
【0093】
したがって、各実施例で得られたシリカガラス材料は、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で接触した場合であっても失透が生じがたいので、例えば、作動中に蒸気化することによって発光する金属ハロゲン化物が封入され、高温に加熱される放電ランプなどの発光管などに好適に使用しうるものであることがわかる。
【0094】
以上説明したように、本発明のシリカガラス材料は、活性金属またはそのハロゲン化物と高温状態で直接接触した場合であっても失透が生じがたいという優れた効果を発現することから、この材料が用いられた放電ランプなどの発光管は、その長寿命化が図られるという効果を発現する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の放電ランプの一実施態様を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0096】
1 発光管
1a ハロゲン含有シリカガラス層
2 電極
3 モリブデンホイル
4 外側電極
5 活性金属ハロゲン化物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性金属またはそのハロゲン化物と接触させて使用する用途に用いられるシリカガラス材料であって、その活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層が形成されていることを特徴とするシリカガラス材料。
【請求項2】
ハロゲン含有シリカガラス層の厚さが100μm以上である請求項1記載のシリカガラス材料。
【請求項3】
活性金属またはそのハロゲン化物が封入された発光管を有する放電ランプであって、前記発光管の内面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層が形成されていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項4】
ハロゲン含有シリカガラス層の厚さが100μm以上である請求項3記載の放電ランプ。
【請求項5】
活性金属またはそのハロゲン化物と接触させて使用する用途に用いられるシリカガラス材料の失透防止方法であって、シリカガラス材料の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層を形成させることを特徴とするシリカガラス材料の失透防止方法。
【請求項6】
活性金属またはそのハロゲン化物と接触させて使用する用途に用いられるシリカガラス材料の製造法であって、シリカガラス基材の活性金属またはそのハロゲン化物と接触する面に、金属不純物含有量が100ppb以下であり、ハロゲン含有量が100〜5000ppmであるハロゲン含有シリカガラス層を形成させることを特徴とするシリカガラス材料の製造法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−30988(P2008−30988A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205894(P2006−205894)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【出願人】(504145320)国立大学法人福井大学 (287)
【Fターム(参考)】