シリカフュームの特性評価方法
【課題】シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる、シリカフュームの特性評価方法を提供する。
【解決手段】セメントコンクリートに混和したときの流動性を判定するためのシリカフュームの特性評価方法において、シリカフュームを含有するセメントペーストを遠心分離(遠心分離の回転数は7500rpm以上であることが好ましい。)し、上澄み水の量を測定して自由水量を定量することを特徴とする。
【解決手段】セメントコンクリートに混和したときの流動性を判定するためのシリカフュームの特性評価方法において、シリカフュームを含有するセメントペーストを遠心分離(遠心分離の回転数は7500rpm以上であることが好ましい。)し、上澄み水の量を測定して自由水量を定量することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる、シリカフュームの特性評価方法に関する。
本発明におけるセメントコンクリートとは、モルタルやコンクリートを総称するものである。
【背景技術】
【0002】
高強度のセメントコンクリートは、コンクリート構造物の部材断面の縮小や、部材の力学的な高性能化をもたらす。
また、硬化体組織の緻密化による、コンクリート構造物の耐久性向上の観点からも重要である。
【0003】
シリカフュームは、高いポゾラン活性を示し、空隙を充填する効果が大きく、高性能減水剤との併用により、所定の流動性を得るための水結合材比を低減できるため、高強度コンクリートに多く用いられる(特許文献1、非特許文献1参照)。
しかし、使用するシリカフュームによっては、所定の流動性を得るのに多量の水や減水剤を加えなければならず、流動性の良い高強度コンクリートが得られず、施工欠陥が起こりやすくなり、コンクリート構造物の耐久性を損なうという課題があった。そこで、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる、シリカフュームの特性評価方法が求められていた。
【0004】
【特許文献1】PCT2005/087682号パンフレット
【非特許文献1】長滝重義監修、コンクリートの高性能化、技報堂出版、1997年11月7日、第30頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる、シリカフュームの特性評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記課題を解決すべく、種々検討した結果、特定の評価方法を用いることにより、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)セメントコンクリートに混和したときの流動性を判定するためのシリカフュームの特性評価方法において、シリカフュームを含有するセメントペーストを遠心分離し、上澄み水の量を測定して自由水量を定量することを特徴とするシリカフュームの特性評価方法である。
(2)前記遠心分離の回転数が7500rpm以上であることを特徴とする前記(1)のシリカフュームの特性評価方法である。
(3)前記自由水量が一定値以上のシリカフュームを選定することを特徴とする前記(1)又は(2)のシリカフュームの特性評価方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシリカフュームの特性評価方法により、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り、質量基準で示す。
【0010】
本発明で使用するシリカフュームは、アーク式電気炉により金属シリコンやフェロシリコンを製造する際の排気ガス中のダストを、集塵装置により回収したものである。また、ジルコンサンドからジルコニアを製造する過程で副生するシリカフュームや、微粒子球状シリカも使用可能である。
シリカフュームの平均粒径は0.1μm程度、BET比表面積は20m2/g程度、密度は2.2g/cm3程度の球形の超微粉末である。主成分は非晶質のSiO2であり、微量成分としてFe2O3、Al2O3、CaO、MgO、SO3、Na2O、K2O、及びCなどを2〜20%程度含む。
【0011】
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュを混合した各種混合セメント、また、石灰石粉末等や高炉徐冷スラグ微粉末を混合したフィラーセメント、並びに、各種の産業廃棄物を主原料として製造される環境調和型セメント、いわゆる、エコセメントなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が併用可能である。
【0012】
本発明のシリカフュームの特性評価方法は、以下のようにして行うことが可能である。シリカフュームとセメントを1:9で混合したものを結合材とし、水結合材比20%で練混ぜてシリカフュームを含有するセメントペーストを調製する。これを10000rpmで10分間遠心分離し、上澄み水を分取して自由水量を測定する。
通常、水結合材比が低いセメントペーストでは、結合材粒子が完全に分散せず、粒子間の引力と毛細管張力により、凝集体を形成する(団粒という)と考えられている。凝集体内部に取込まれた水は拘束水となり、ペーストの流動性には寄与しない。全ての水から拘束水を差引いたものが自由水となり、この量が多いほどペーストの流動性が高くなる。このため、ペーストの自由水量の測定により、シリカフュームを混和したセメントコンクリートの流動性の良否を判定できる。
また、自由水量が一定値以上(例えば、8%以上)のシリカフュームを選定してセメントコンクリートに混和することにより、流動性の良いセメントコンクリートが得られる。
【0013】
本発明の特性評価方法では、回転数7500rpm以上で遠心分離することが好ましく、10000rpm以上がより好ましい。7500rpm未満では、低水結合材比のセメントペーストの場合、拘束水を含む結合材と自由水が充分に分離せず(上澄み水が少なくなる)、自由水量が定量できない場合がある。
遠心分離する時間は特に制限されないが、拘束水を含む結合材と自由水を充分に分離させるのに10分以上が好ましい。
【0014】
本発明では、セメントペーストの練混ぜを容易にするために、減水剤を適宜使用できる。使用する減水剤としては、ナフタレン系減水剤、メラミン系減水剤、アミノスルホン酸系減水剤、及びポリカルボン酸系減水剤が挙げられる。例えば、ナフタレン系では、エヌエムビー社製商品名「レオビルドSP-9シリーズ」、花王社製商品名「マイティ2000シリーズ」、及び日本製紙社製商品名「サンフローHS-100」などが挙げられる。また、メラミン系としては、日本シーカ社製商品名「シーカメント1000シリーズ」や日本製紙社製商品名「サンフローHS-40」などが挙げられる。さらに、アミノスルホン酸系としては、フローリック社製商品名「FP-200シリーズ」などが挙げられる。そして、ポリカルボン酸系としては、エヌエムビー社製商品名「レオビルドSP-8シリーズ」、グレースケミカルズ社製商品名「スーパー1000Nシリーズ」、及び竹本油脂社製商品名「チューポールHP-8シリーズ」や「チューポールHP-11シリーズ」などが挙げられる。
また、減水剤は液状のものだけでなく粉末状のものも使用可能である。本発明ではこれら減水剤のうちの一種又は二種以上が使用可能であり、その使用量は特に限定されるものではない。
【0015】
シリカフュームを混和したセメントペーストを練混ぜる混合装置としては、既存の装置が使用でき、例えば、水結合材比が小さい場合には、自転・公転プロペラレス混合方式のミキサなどが使用できる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実験例に基づいて、本発明をさらに説明する。
【0017】
実験例1
シリカフューム:セメント=1:9で混合して結合材とし、水結合材比=20%で、結合材に対して減水剤を0.3%添加してセメントペーストを練混ぜた。回転円筒型粘度計により、せん断応力500Paにおける見かけ粘度を測定し、流動曲線よりセメントペーストの降伏応力を求めた。10000rpmで10分間遠心分離し、上澄み水を分取して自由水量を測定した。
また、セメントペーストと同じ水結合材比で、結合材に対して減水剤を2.0%添加し、結合材:砂=1:1のモルタルを練混ぜ、モルタルフロー値を測定した。結果を表1に併記する。
【0018】
<使用材料>
セメント:低熱ポルトランドセメント、密度3.24g/cm3、ブレーン比表面積3300cm2/g
シリカフュームA:金属シリコン副生品、密度2.36g/cm3、BET比表面積20m2/g
シリカフュームB:フェロシリコン副生品、密度2.39g/cm3、BET比表面積21m2/g
シリカフュームC:フェロシリコン副生品、密度2.37g/cm3、BET比表面積20m2/g
シリカフュームD:フェロシリコン副生品、密度2.36g/cm3、BET比表面積19m2/g
シリカフュームE:金属シリコン副生品、密度2.45g/cm3、BET比表面積18m2/g
細骨材:JIS R 5201準拠の標準砂
減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤、市販品
【0019】
<使用装置>
セメントペーストの練混ぜ装置:THINKY製AR-250脱泡コンディショニングミキサー(自転・公転プロペラレス混合方式、公転速度2000rpm、自転速度800rpm)
遠心分離機:コクサン製H-1500FR
回転円筒型粘度計:HAAKE社製RT20Z41TI応力制御型回転二重円筒粘度計
<測定方法>
モルタルフロー値:JIS R 5201に準拠した。
【0020】
【表1】
【0021】
表1より、自由水量が多いほど、ペーストの見かけ粘度と降伏応力が小さく、ペーストの流動性が高いことが分かる。従って、本発明の特性評価方法により、シリカフュームを混和したセメントコンクリートの流動性の良否を判定できる。また、本発明の特性評価方法による自由水量が一定値以上(例えば、8%以上)のシリカフュームを選定して用いることにより、水結合材比が同じモルタルにおいても、モルタルフロー値が大きく、流動性の良いモルタル(セメントコンクリート)が得られる。
【0022】
実験例2
シリカフュームBを用い、表2のように、遠心分離の回転数を変えたこと以外は、実験例1と同様に行い、自由水量を測定した。結果を表2に併記する。
【0023】
【表2】
【0024】
表2に示されるように、遠心分離の回転数が少ないと、拘束水を含む結合材と自由水が分離できず、自由水量が定量できない場合があるから、遠心分離の回転数は7500rpm以上とすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる、シリカフュームの特性評価方法が得られ、土木や建築用途に広範に利用できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる、シリカフュームの特性評価方法に関する。
本発明におけるセメントコンクリートとは、モルタルやコンクリートを総称するものである。
【背景技術】
【0002】
高強度のセメントコンクリートは、コンクリート構造物の部材断面の縮小や、部材の力学的な高性能化をもたらす。
また、硬化体組織の緻密化による、コンクリート構造物の耐久性向上の観点からも重要である。
【0003】
シリカフュームは、高いポゾラン活性を示し、空隙を充填する効果が大きく、高性能減水剤との併用により、所定の流動性を得るための水結合材比を低減できるため、高強度コンクリートに多く用いられる(特許文献1、非特許文献1参照)。
しかし、使用するシリカフュームによっては、所定の流動性を得るのに多量の水や減水剤を加えなければならず、流動性の良い高強度コンクリートが得られず、施工欠陥が起こりやすくなり、コンクリート構造物の耐久性を損なうという課題があった。そこで、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる、シリカフュームの特性評価方法が求められていた。
【0004】
【特許文献1】PCT2005/087682号パンフレット
【非特許文献1】長滝重義監修、コンクリートの高性能化、技報堂出版、1997年11月7日、第30頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる、シリカフュームの特性評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記課題を解決すべく、種々検討した結果、特定の評価方法を用いることにより、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)セメントコンクリートに混和したときの流動性を判定するためのシリカフュームの特性評価方法において、シリカフュームを含有するセメントペーストを遠心分離し、上澄み水の量を測定して自由水量を定量することを特徴とするシリカフュームの特性評価方法である。
(2)前記遠心分離の回転数が7500rpm以上であることを特徴とする前記(1)のシリカフュームの特性評価方法である。
(3)前記自由水量が一定値以上のシリカフュームを選定することを特徴とする前記(1)又は(2)のシリカフュームの特性評価方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシリカフュームの特性評価方法により、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り、質量基準で示す。
【0010】
本発明で使用するシリカフュームは、アーク式電気炉により金属シリコンやフェロシリコンを製造する際の排気ガス中のダストを、集塵装置により回収したものである。また、ジルコンサンドからジルコニアを製造する過程で副生するシリカフュームや、微粒子球状シリカも使用可能である。
シリカフュームの平均粒径は0.1μm程度、BET比表面積は20m2/g程度、密度は2.2g/cm3程度の球形の超微粉末である。主成分は非晶質のSiO2であり、微量成分としてFe2O3、Al2O3、CaO、MgO、SO3、Na2O、K2O、及びCなどを2〜20%程度含む。
【0011】
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュを混合した各種混合セメント、また、石灰石粉末等や高炉徐冷スラグ微粉末を混合したフィラーセメント、並びに、各種の産業廃棄物を主原料として製造される環境調和型セメント、いわゆる、エコセメントなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が併用可能である。
【0012】
本発明のシリカフュームの特性評価方法は、以下のようにして行うことが可能である。シリカフュームとセメントを1:9で混合したものを結合材とし、水結合材比20%で練混ぜてシリカフュームを含有するセメントペーストを調製する。これを10000rpmで10分間遠心分離し、上澄み水を分取して自由水量を測定する。
通常、水結合材比が低いセメントペーストでは、結合材粒子が完全に分散せず、粒子間の引力と毛細管張力により、凝集体を形成する(団粒という)と考えられている。凝集体内部に取込まれた水は拘束水となり、ペーストの流動性には寄与しない。全ての水から拘束水を差引いたものが自由水となり、この量が多いほどペーストの流動性が高くなる。このため、ペーストの自由水量の測定により、シリカフュームを混和したセメントコンクリートの流動性の良否を判定できる。
また、自由水量が一定値以上(例えば、8%以上)のシリカフュームを選定してセメントコンクリートに混和することにより、流動性の良いセメントコンクリートが得られる。
【0013】
本発明の特性評価方法では、回転数7500rpm以上で遠心分離することが好ましく、10000rpm以上がより好ましい。7500rpm未満では、低水結合材比のセメントペーストの場合、拘束水を含む結合材と自由水が充分に分離せず(上澄み水が少なくなる)、自由水量が定量できない場合がある。
遠心分離する時間は特に制限されないが、拘束水を含む結合材と自由水を充分に分離させるのに10分以上が好ましい。
【0014】
本発明では、セメントペーストの練混ぜを容易にするために、減水剤を適宜使用できる。使用する減水剤としては、ナフタレン系減水剤、メラミン系減水剤、アミノスルホン酸系減水剤、及びポリカルボン酸系減水剤が挙げられる。例えば、ナフタレン系では、エヌエムビー社製商品名「レオビルドSP-9シリーズ」、花王社製商品名「マイティ2000シリーズ」、及び日本製紙社製商品名「サンフローHS-100」などが挙げられる。また、メラミン系としては、日本シーカ社製商品名「シーカメント1000シリーズ」や日本製紙社製商品名「サンフローHS-40」などが挙げられる。さらに、アミノスルホン酸系としては、フローリック社製商品名「FP-200シリーズ」などが挙げられる。そして、ポリカルボン酸系としては、エヌエムビー社製商品名「レオビルドSP-8シリーズ」、グレースケミカルズ社製商品名「スーパー1000Nシリーズ」、及び竹本油脂社製商品名「チューポールHP-8シリーズ」や「チューポールHP-11シリーズ」などが挙げられる。
また、減水剤は液状のものだけでなく粉末状のものも使用可能である。本発明ではこれら減水剤のうちの一種又は二種以上が使用可能であり、その使用量は特に限定されるものではない。
【0015】
シリカフュームを混和したセメントペーストを練混ぜる混合装置としては、既存の装置が使用でき、例えば、水結合材比が小さい場合には、自転・公転プロペラレス混合方式のミキサなどが使用できる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実験例に基づいて、本発明をさらに説明する。
【0017】
実験例1
シリカフューム:セメント=1:9で混合して結合材とし、水結合材比=20%で、結合材に対して減水剤を0.3%添加してセメントペーストを練混ぜた。回転円筒型粘度計により、せん断応力500Paにおける見かけ粘度を測定し、流動曲線よりセメントペーストの降伏応力を求めた。10000rpmで10分間遠心分離し、上澄み水を分取して自由水量を測定した。
また、セメントペーストと同じ水結合材比で、結合材に対して減水剤を2.0%添加し、結合材:砂=1:1のモルタルを練混ぜ、モルタルフロー値を測定した。結果を表1に併記する。
【0018】
<使用材料>
セメント:低熱ポルトランドセメント、密度3.24g/cm3、ブレーン比表面積3300cm2/g
シリカフュームA:金属シリコン副生品、密度2.36g/cm3、BET比表面積20m2/g
シリカフュームB:フェロシリコン副生品、密度2.39g/cm3、BET比表面積21m2/g
シリカフュームC:フェロシリコン副生品、密度2.37g/cm3、BET比表面積20m2/g
シリカフュームD:フェロシリコン副生品、密度2.36g/cm3、BET比表面積19m2/g
シリカフュームE:金属シリコン副生品、密度2.45g/cm3、BET比表面積18m2/g
細骨材:JIS R 5201準拠の標準砂
減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤、市販品
【0019】
<使用装置>
セメントペーストの練混ぜ装置:THINKY製AR-250脱泡コンディショニングミキサー(自転・公転プロペラレス混合方式、公転速度2000rpm、自転速度800rpm)
遠心分離機:コクサン製H-1500FR
回転円筒型粘度計:HAAKE社製RT20Z41TI応力制御型回転二重円筒粘度計
<測定方法>
モルタルフロー値:JIS R 5201に準拠した。
【0020】
【表1】
【0021】
表1より、自由水量が多いほど、ペーストの見かけ粘度と降伏応力が小さく、ペーストの流動性が高いことが分かる。従って、本発明の特性評価方法により、シリカフュームを混和したセメントコンクリートの流動性の良否を判定できる。また、本発明の特性評価方法による自由水量が一定値以上(例えば、8%以上)のシリカフュームを選定して用いることにより、水結合材比が同じモルタルにおいても、モルタルフロー値が大きく、流動性の良いモルタル(セメントコンクリート)が得られる。
【0022】
実験例2
シリカフュームBを用い、表2のように、遠心分離の回転数を変えたこと以外は、実験例1と同様に行い、自由水量を測定した。結果を表2に併記する。
【0023】
【表2】
【0024】
表2に示されるように、遠心分離の回転数が少ないと、拘束水を含む結合材と自由水が分離できず、自由水量が定量できない場合があるから、遠心分離の回転数は7500rpm以上とすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、シリカフュームをセメントコンクリートに混和したときの流動性の良否を判定できる、シリカフュームの特性評価方法が得られ、土木や建築用途に広範に利用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントコンクリートに混和したときの流動性を判定するためのシリカフュームの特性評価方法において、シリカフュームを含有するセメントペーストを遠心分離し、上澄み水の量を測定して自由水量を定量することを特徴とするシリカフュームの特性評価方法。
【請求項2】
前記遠心分離の回転数が7500rpm以上であることを特徴とする請求項1に記載のシリカフュームの特性評価方法。
【請求項3】
前記自由水量が一定値以上のシリカフュームを選定することを特徴とする請求項1又は2に記載のシリカフュームの特性評価方法。
【請求項1】
セメントコンクリートに混和したときの流動性を判定するためのシリカフュームの特性評価方法において、シリカフュームを含有するセメントペーストを遠心分離し、上澄み水の量を測定して自由水量を定量することを特徴とするシリカフュームの特性評価方法。
【請求項2】
前記遠心分離の回転数が7500rpm以上であることを特徴とする請求項1に記載のシリカフュームの特性評価方法。
【請求項3】
前記自由水量が一定値以上のシリカフュームを選定することを特徴とする請求項1又は2に記載のシリカフュームの特性評価方法。
【公開番号】特開2008−230891(P2008−230891A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72114(P2007−72114)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】
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