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シリカート溶液からの高純度SiO2の製造方法
説明

シリカート溶液からの高純度SiO2の製造方法

本発明は、シリカート溶液からの高純度SiO2の新規の製造方法、特殊な汚染物質プロファイルを有する新規の高純度SiO2並びにその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカート溶液からの高純度SiO2の新規の製造方法、特殊な汚染物質プロファイルを有する新規の高純度SiO2並びにその使用に関する。
【0002】
世界的な電気製造に関する光起電力セルの割合は、数年来連続的に上昇している。この市場割合をさらに拡大することができるためには、光起電力セルのこの製造コストを低下させ、この効率を高めることが必須である。
【0003】
光起電力セルの製造の際の本質的なコスト因子は、高純度ケイ素(ソーラーシリコン)のためのコストである。これは、大工業的に通常の手法で、50年以上前に開発されたジーメンス法に応じて製造される。この方法では、ケイ素をまず気状の塩化水素と300〜350℃で流動層反応器中でトリクロロシラン(シリコクロロホルム)へと反応させる。手間のかかる蒸留工程の後に、このトリクロロシランを水素の存在下で、上述の反応を反転して、加熱した超純度シリコンロッドで1000〜1200℃で再度熱分解させる。この場合に、この元素状シリコンはこのロッド上で成長し、自由になった塩化水素は循環に返送される。副生成物として四塩化ケイ素が発生し、これはトリクロロシランへと反応し、このプロセス中に返送されるか、又は酸素炎中で熱分解ケイ酸へと燃焼される。
【0004】
上述の方法に対する塩素不含の代替策では、モノシランの分解が生じ、これは同様に、この要素から獲得されることができ、かつ、加熱した表面での精製工程後に又は流動層反応器を通じた導通の際に再度崩壊する。このための例は、WO 2005118474 A1に見出すことができる。
【0005】
上記した手法で得られる多結晶ケイ素(ポリシリコン)は、ソーラーパネルの製造のために適しており、かつ、99.99%を超える純度を有する。しかし、前述の方法は、極めて手間がかかり、かつ、エネルギー集約的であり、このため、コストがより安価でより効率的な、ソーラーシリコンの製造方法に関する高い要求が存在する。
【0006】
極めて大量のシリカート溶液が極めて安価な原料として存在しているので、過去、シリカート溶液から高純度SiO2を製造し、還元によりケイ素に変換する試みが必ず存在していた。したがって、US 4,973,462には、高粘度水ガラスを、この反応溶液の低pH値で、酸性化剤を用いてSiO2へと反応させた方法が記載されている。引き続き、このSiO2を濾過し、水で洗浄し、酸、水及びキレート化試薬から構成される混合物中で再懸濁し、複数回濾過し、かつ洗浄した。JP02-311310に、類似の方法が記載されるが、しかし、ここでは、既に沈殿反応の際にキレート化試薬が添加されている。この両方の方法は、極めて手間のかかる後処理手順を含むという欠点を有する。さらに、この沈殿後に得られる沈殿物が部分的に濾過が困難であることが明らかになった。最後に、キレート化試薬のための付加的なコスト及び二酸化ケイ素からのその分離が付随的に発生する。
【0007】
WO 2007/106860 A1は、まず水ガラス及び酸からイオン交換カラムを通じてリン及びホウ素汚染物質を除去し、引き続き、SiO2へと反応させる方法を提案している。この後に、このSiO2を炭素を用いて元素状ケイ素へと反応させる。この方法は、最初にホウ素−及びリン汚染物質だけがこの水ガラスから除去される欠点を有する。しかし、十分な純度でソーラーシリコンを得るためには、特に金属汚染物質も分離されなくてはならない。このために、WO 2007/106860A1は、更なるイオン交換カラムをプロセスにおいて使用することを提案する。しかし、これにより、少ない空時収率を伴う、極めて手間がかかりかつ高価なプロセスを生じる。
【0008】
したがって、効率的でありかつコストが安価な、ソーラーシリコンの製造のために使用されることができる高純度二酸化ケイ素の製造方法に関する要求が依然として存在する。
【0009】
したがって、本発明の課題は、上述の方法の欠点の少なくとも幾つかを示さないか又は減少した形でだけ示す、高純度二酸化ケイ素の新規の製造方法を提供することであった。同様に、ソーラーシリコンの製造のために特別良好に適している、新種の高純度二酸化ケイ素を提供することが課題でもあった。明示されていない更なる課題は、以下の発明の詳細な説明、実施例及び特許請求の範囲の全体の脈絡から明らかである。
【0010】
この課題は、以下の発明の詳細な説明、実施例及び特許請求の範囲に記載された方法及びここに記載された高純度二酸化ケイ素により解決される。
【0011】
本発明者は、意外なことに、特殊な方法の実施により、簡易な手法で、多数の付加的な精製工程、例えば、か焼又はキレート化なしに、かつ、特別な設備の出費なしに、高純度二酸化ケイ素を製造できることを見出した。この場合に、本質的な方法の特徴は、この二酸化ケイ素並びに反応媒体のpH値の制御であり、この反応媒体中には、二酸化ケイ素が様々な方法工程の間に存在している。特定の理論にとらわれることなく、発明者は、極めて低いpH値により、理想的な方法で、遊離の、負に帯電したSiO基が、障害となる金属イオンが結合することがある二酸化ケイ素表面に存在しないことが確実にされるという意見である。極めて低いpH値では、この表面は、それどころか正に帯電にしており、このため、金属カチオンはこのケイ酸表面からはじかれる。金属イオンが洗い流される場合には、このpH値が極めて低いかぎり、この金属イオンが、本発明による二酸化ケイ素の表面に付着することが妨げられることができる。このケイ酸表面が正の電荷を受け取る場合には、さらに、ケイ酸粒子が互いに付着することと、これにより、汚染物質が堆積する可能性がある中空室が形成されること、が妨げられる。本発明による方法は、したがって、キレート化試薬又はイオン交換カラムの使用なしにうまくいく。か焼工程もなしで済ますことができる。したがって、本発明は、先行技術の方法に比較して、本質的に、より簡易で、かつ、よりコストが安価である。
【0012】
本発明の方法の更なる利点は、これが、慣用の設備中で実施されることができることにある。
【0013】
したがって、本発明の主題は、以下の工程:
a.酸性化剤又は酸性化剤及び水から構成され、pH値2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満を有する装入物の製造工程、
b.0.1〜2Poisの粘度を有するシリカート溶液の準備工程、
c.工程b.からのシリカート溶液を工程a.からの装入物中に、この得られる沈殿懸濁物のpH値が常に2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満の値に維持されるように添加する工程、
d.この得られる二酸化ケイ素の分離及び洗浄工程、その際、この洗浄媒体が2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満のpH値を有する、
e.この得られる二酸化ケイ素の乾燥工程
を含む高純度二酸化ケイ素の製造方法である。
【0014】
さらに、本発明の主題は、
a.アルミニウム0.001〜5ppm、
b.ホウ素1ppm未満、
c.カルシウム1ppm以下、
d.鉄5ppm以下、
e.ニッケル1ppm以下、
f.リン1ppm未満、
g.チタン5ppm以下、
h.亜鉛1ppm以下
の含分を有し、この上述の汚染物質+ナトリウム及びカリウムの合計が10ppm未満であることを特徴とする、二酸化ケイ素である。
【0015】
最後に、本発明の主題は、ソーラーシリコンの製造のための、実験室及びエレクトロニクスのための光導波体又はガラス器具のための高純度石英ガラスの製造のための高純度原料としての、及び高純度ケイ素から構成されるウェハ(ウェファ)の研磨のための高純度シリカゾルの製造のための出発材料としての、本発明による二酸化ケイ素の使用である。
【0016】
高純度二酸化ケイ素の製造のための本発明の方法は、以下の工程:
a.酸性化剤又は酸性化剤及び水から構成され、pH値2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満を有する装入物の製造工程、
b.0.1〜2Poisの粘度を有するシリカート溶液の準備工程、
c.工程b.からのシリカート溶液を工程a.からの装入物中に、この得られる沈殿懸濁物のpH値が常に2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満の値に維持されるように添加する工程、
d.この得られる二酸化ケイ素の分離及び洗浄工程、その際、この洗浄媒体が2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満のpH値を有する、
e.この得られる二酸化ケイ素の乾燥工程
を含む。
【0017】
工程a)においては、沈殿容器中で、酸性化剤又は酸性化剤及び水から構成される装入物が製造される。本発明の範囲内において使用される水とは、好ましくは蒸留水又は脱イオン水(VE-Wasser)である。酸性化剤とは、工程d)においてもフィルターケークの洗浄のために使用される酸性化剤であることができる。酸性化剤は、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、クロロスルホン酸、塩化スルフリル又は過塩素酸であって濃縮したか又は希釈した形にあるもの、又は前述の酸の混合物であることができる。特に、塩酸、好ましくは2〜14N、特に好ましくは2〜12N、特にとりわけ好ましくは2〜10N、特別に好ましくは2〜7N、特別とりわけ好ましくは3〜6N、リン酸、好ましくは2〜59N、特に好ましくは2〜50N、特にとりわけ好ましくは3〜40N、特別に好ましくは3〜30N、特別とりわけ好ましくは4〜20N、硝酸、好ましくは1〜24N、特に好ましくは1〜20N、特にとりわけ好ましくは1〜15N、特別に好ましくは2〜10N、硫酸、好ましくは1〜37N、特に好ましくは1〜30N、特にとりわけ好ましくは2〜20N、特別に好ましくは2〜10N、が使用される。特にとりわけ好ましくは硫酸が使用されることができる。
【0018】
本発明の方法の好ましい一変形において、工程a)においては装入物中に酸性化剤の他に過酸化物が添加され、これはチタン(IV)−イオンと酸性条件下で黄/橙の着色を引き起こす。この場合、特に好ましくは、これは過酸化水素又はカリウムペルオキソジスルファートである。この反応溶液の黄/橙の着色により、洗浄工程d)の間のこの精製の度合いが極めて良好に把握されることができる。すなわち、まさしくチタンが極めて頑固な汚染物質であり、これが既に2を超えるpH値で容易にこの二酸化ケイ素に付着することが明らかになった。本発明者は、工程d)におけるこの黄/橙の着色の消失の場合に、通常は二酸化ケイ素の所望の純度が達成され、かつ、この二酸化ケイ素が、この時間点から、この二酸化ケイ素の中性のpH値が達成されるまで、蒸留水又は脱イオン水で洗浄されることができることを見出した。前記過酸化物の指示薬機能を達成するためには、この過酸化物を工程a)においてでなく、工程b)において水ガラスに添加するか、又は工程c)において第3の物質流として添加することも可能である。基本的に、前記過酸化物を初めて工程c)の後にかつ工程d)の前に又は工程d)の間に添加することも可能である。全ての前述の変形並びにこの混合した形態は、本発明の主題である。しかし、好ましくは、前記過酸化物を工程a)又はb)において添加する変形であり、というのも、この場合には、これは、指示薬機能の他に更なる機能を発揮することができるからである。特定の理論にとらわれることなく、本発明者は、幾つかの−特別な炭素含有−汚染物質が過酸化物との反応により酸化され、そして、この反応溶液から除去される、という意見である。他の汚染物質は、酸化によりより良好な溶解性の、したがって、洗い流し可能な形にもたらされる。したがって、本発明による方法は、か焼工程が実施される必要がないという利点を有する、但し、勿論これは選択的には可能である。
【0019】
工程b)においては、粘度0.1〜2Poise、好ましKは0.2〜1.9Poise、特別には0.3〜1.8Poise、特に好ましくは0.4〜1.6Poise、特にとりわけ好ましくは0.5〜1.5Poiseを有するシリカート溶液が準備される。シリカート溶液としては、アルカリ金属−及びアルカリ土類金属シリカート溶液が使用されることができ、好ましくはアルカリ金属シリカート溶液、特に好ましくはケイ酸ナトリウム(水ガラス)及び/又はケイ酸カリウム溶液が使用される。複数のシリカート溶液の混合物も使用されることができる。アルカリ金属シリカート溶液は、このアルカリ金属イオンが容易に洗い流しにより分離されることができる利点を有する。工程b)において使用されるシリカート溶液は、好ましくは、係数(Modul)、すなわち、金属酸化物対二酸化ケイ素の質量比1.5〜4.5、好ましくは1.7〜4.2、特に好ましくは2〜4.0を有する。この粘度は、例えば、市販のシリカート溶液の濃縮により又はこのシリカートの水中への溶解により調整されることができる。
【0020】
本発明による方法の工程c)においては、このシリカート溶液が装入物中に添加され、これにより二酸化ケイ素が沈殿する。この場合に、この酸性化剤が常に過剰量で存在することに注意すべきである。したがって、このシリカート溶液の添加は、この反応溶液のpH値が−常に2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満、特別に好ましくは0.001〜0.5であるように行われる。必要ならば、更なる酸性化剤を添加することができる。この反応溶液の温度はこのシリカート溶液の添加の間に沈殿容器の加熱又は冷却により20〜95℃、好ましくは30〜90℃、特に好ましくは40〜80℃に維持される。
【0021】
本発明者は、このシリカート溶液が液滴の形でこの装入物及び/又は沈殿懸濁物中に入り込む場合に、特別良好に濾過可能な沈殿物が得られることを見出した。したがって、本発明の特別な一実施態様において、このシリカート溶液が液滴の形でこの装入物及び/又は沈殿懸濁物中に入り込むことが配慮される。これは、例えば、このシリカート溶液を滴加によりこの装入物中に導入することにより達成されることができる。この場合に、これは、この装入物/沈殿懸濁物の外側に取り付けられ、かつ/又はこの装入物/沈殿懸濁物中に浸される計量供給装置であることができる。適した装置、例えば、スプレー装置、滴発生器、プリルパン(Prillteller)は当業者に知られている。
【0022】
更なる特に好ましい一実施態様においては、この装入物/沈殿懸濁物は、例えば、ポンプ又は撹拌により、運動下におかれ、この結果、沈殿容器の半分の半径±5cm並びに反応表面の下10cmまでの反応溶液の表面により区切られる範囲内において測定した流速が、0.001〜10m/s、好ましくは0.005〜8m/s、特に好ましくは0.01〜5m/s、特にとりわけ好ましくは0.01〜4m/s、とりわけ特に好ましくは0.01〜2m/s、特殊に好ましくは0.01〜1m/sを有する。特定の理論にとらわれることなく、本発明者は、この低い流速により、この入り込むシリカート溶液が、この装入物/沈殿懸濁物中に入り込んだ直後にわずかしか分散されない、という意見である。
【0023】
これにより、この入り込むシリカート溶液滴の外側シェル又はシリカート溶液流で迅速なゲル化が生じ、この結果、一方では、コロイダルケイ酸の形成が抑制され、かつ濾過可能なSiO2に関する収率が強く高められ、他方では、十分に迅速なpH交換が保証され、これは、高純度の達成のために必要である。
【0024】
したがって、装入物/沈殿懸濁物の流速の最適な選択により、この得られる生成物の純度が改善されることができる。
【0025】
最適化された流速と可能な限り液滴の形のシリカート溶液の取り入れとの組み合わせにより、この作用は再度高められることができ、この結果、液滴の形にあるシリカート溶液が、装入物/沈殿懸濁物中へと流速(沈殿容器の半分の半径±5cm並びに反応表面の下10cmまでの反応溶液の表面に及ぶ範囲内において測定した)0.001〜10m/s、好ましくは0.005〜8m/s、特に好ましくは0.01〜5m/s、特別に好ましくは0.01〜4m/s、特殊に好ましくは0.01〜2m/s、特にとりわけ好ましくは0.01〜1m/sで導入される本発明による方法の一実施態様が好ましい。このようにしてさらに、極めて良好に濾過される二酸化ケイ素粒子を作成することが可能である(図面の1a及び2a参照のこと)。これに対して、高い流速が装入物/沈殿懸濁物において存在する方法においては、むしろ微細粒子が形成され、この粒子は極めて劣悪にだけ濾過される。
【0026】
これにより、本発明の主題は、好ましくは平均粒径d500.1〜10mm、特に好ましくは0.3〜9mm、特にとりわけ好ましくは2〜8mmを有する二酸化ケイ素粒子でもある。本発明の第1の特殊な実施態様においては、この二酸化ケイ素粒子は、リング形を有し、すなわち、この中央に「孔」を有し(図1a及び1b参照のこと)、したがって、その形においてミニチュアの「ドーナッツ」と比較可能である。このリング形の粒子は、十分に丸くあることができるが、むしろ楕円の形をとることもできる。
【0027】
本発明の第2の特殊な実施態様においては、この二酸化ケイ素粒子は、「キノコ頭部(Pilzkopf)」又は「クラゲ」と比較可能な形を有する。すなわち、前に記載した「ドーナッツ」形状の粒子の孔の代わりに、このリング形状の基本構造の中央には、一方へ丸み付けられた、好ましくは薄い、すなわち、リング形状の部分よりも薄い、二酸化ケイ素から構成される層が存在し(図2a及び2b参照のこと)、これは、「リング」の内側開口部をおおっている。この粒子がこの丸み付けされた側を下向きにして床に置き、これに対して上から垂直方向に眺めると、この粒子は、丸み付けされた底部、どちらかといえばずっしりした、すなわち、厚い上部の縁、及び、この円曲部の領域にいくらかより薄い底部を有する貝殻に相当するだろう。
【0028】
前に記載した実施態様1及び2の本発明による粒子は、本発明による方法により製造されることができる。特定の理論にとらわれることなく、本発明者は、装入物/反応溶液中の酸性条件は、シリカート溶液の液滴の形の添加と一緒に、このシリカート溶液の液滴が酸との接触の際にすぐさまその表面でゲル化/沈殿し始めることを導き、同時に、反応溶液/装入物中でのこの液滴の運動により液滴が変形される、という意見である。反応条件に応じて、この場合に、よりゆっくりとした液滴運動の場合は、明らかに、「キノコ頭部」の形状の粒子が、これに対して、より迅速な液滴運動の場合には、「ドーナッツ」形状の粒子が形成される。
【0029】
本発明による沈殿を用いて、様々な物理学的−化学的特性を有する粒子が得られることができる。前に記載した実施態様1(「ドーナッツ」)及び2(「キノコ頭部」)の粒子は既に洗浄工程前に存在するので、汚染物質に関する含量は、場合によって、本発明の方法の工程d)及びe)に応じて粒子が更に後処理されるか又はそうでないかに応じて異なっていることができる。したがって、本発明の主題は、実施態様1(「ドーナッツ」)及び2(「キノコ頭部」)の高純度二酸化ケイ素粒子であり、これは以下のテキストにおいて記載されるとおりであり、また同様に、意図される後の適用を基礎として汚染物質に関するより多くの割合を有する、実施態様1(「ドーナッツ」)及び2(「キノコ頭部」)の二酸化ケイ素粒子でもある。この場合に、汚染物質に関する割合は、市販の沈殿ケイ酸、例えば、Evonik Degussa GmbH社のUltrasil 7000 GR又はRhodia Chimie社のZeosil 1165 MPと匹敵可能であることができる。
【0030】
本発明の主題は、工程c)に応じた二酸化ケイ素粒子、すなわち、実施態様1(「ドーナッツ」)及び2(「キノコ頭部」)の上述の二酸化ケイ素粒子が、少なくとも1の工程において生じさせられるか又は後処理される方法でもある。
【0031】
工程c)に応じて得られる二酸化ケイ素は工程d)において、沈殿懸濁物の残りの成分から分離される。これは、沈殿物の濾過能に応じて、市販の、当業者に知られた濾過技術、例えばフィルタープレス又は回転フィルターにより行われることができる。濾過困難な沈殿物では、この分離は、遠心分離を用いて及び/又はこの沈殿懸濁物の液状成分のデカンテーション分離によっても行うことができる。
【0032】
上清からの分離後に、この沈殿物は洗浄され、その際、適した洗浄媒体により、洗浄の間のこの洗浄媒体のpH値、ひいては二酸化ケイ素のpH値もが、2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満、特別に好ましくは0.001〜0,5であることが確実にされるべきである。洗浄媒体として、好ましくは、工程a)及びc)において使用される酸性化剤又はこの混合物が希釈したか又は希釈してない形で使用される。
【0033】
選択的に−必要でない場合にも−、この洗浄媒体にキレート化試薬を添加すること、又はこの沈殿した二酸化ケイ素を、相応するpH値、2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満、特別に好ましくは0.001〜0.5を有する、キレート化試薬を含有する洗浄媒体において撹拌すること、が可能である。好ましくは、この洗浄を、酸性の洗浄媒体を用いて、しかし、この二酸化ケイ素沈殿物の分離直後に、更なる工程を実施することなく行う。
【0034】
この洗浄は、好ましくは、工程c)に応じた二酸化ケイ素及び洗浄媒体からなる洗浄懸濁物が、黄/橙の着色を視覚的にもはや示さなくなるまで続けられる。本発明による方法が工程a)〜d)において、Ti(IV)−イオンと一緒に黄/橙に着色した化合物を形成する過酸化物の添加なしに実施される場合には、この各洗浄工程では、この洗浄懸濁物の少量の試料が取り出され、かつ、相応する過酸化物と混合されなくてはならない。この過程は、この取り出された試料が過酸化物の添加後に黄/橙の着色を視覚的にもはや示さなくなるまで続けられる。この場合に、この洗浄媒体のpH値が、ひいては二酸化ケイ素のpH値も、この時間点までに2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満、特殊に好ましくは0.001〜0.5であることが確実にされるべきである。
【0035】
このように洗浄された二酸化ケイ素は、好ましくは、中間工程d1)において、すなわち、工程d)及びe)の間に、蒸留水又は脱イオン水を用いて、この得られる二酸化ケイ素のpH値が4〜7.5にあり、かつ/又は、この洗浄懸濁物の導電性が9μS/cm以下、好ましくは5μS/cm以下になるまで更に洗浄される。これにより、場合により二酸化ケイ素に付着する酸基が十分に除去されたことが確実にされる。
【0036】
濾過困難な又は洗浄困難な沈殿物では、この洗浄を、沈殿物の貫流により、例えば、目の細かいふるいかご(Siebkorb)において、洗浄媒体を用いて下から実施することが有利であることができる。
【0037】
この全洗浄工程は、好ましくは、15〜100℃の温度で実施されることができる。
【0038】
過酸化物の指示薬作用(黄/橙の着色)を確実にするために、洗浄媒体と一緒に更なる過酸化物を、黄/橙の着色がもはや認識できなくなるまで添加し、そしてこの後初めて、洗浄媒体を用いて過酸化物なしに更に洗浄することが有用であることができる。
【0039】
このようにして得られる高純度二酸化ケイ素は、乾燥され、かつ後処理されることができるこの乾燥は、当業者に知られている全ての方法、例えば、バンド乾燥器、棚型乾燥器、回転乾燥器その他を用いて行うことができる。
【0040】
この乾燥した二酸化ケイ素を、ソーラーシリコンへの後処理のために最適な粒子スペクトルを得るために、粉砕することが推奨される。本発明による二酸化ケイ素の選択的な粉砕のための技術は、当業者に知られており、そして例えば、Ullmannの第5版、B2、5〜20において参照できる。好ましくは、この粉砕は流動層逆ジェットミル(Fliessbettgegenstrahl)において行われる−ミル壁からの金属摩耗での、高純度二酸化ケイ素の汚染を最小限又は回避するためのミル。この粉砕パラメーターは、この得られる粒子が平均粒径d50 1〜100μm、好ましくは3〜30μm、特に好ましくは5〜15μmを有するように選択される。
【0041】
本発明による二酸化ケイ素は、次の含量:
a.アルミニウム0.001ppm〜5ppm、好ましくは0.01ppm〜0.2ppm、特に好ましくは0.02〜0.1ppm、特にとりわけ好ましくは0.05〜0.8ppm、特殊に好ましくは0.1〜0.5ppm、
b.ホウ素1ppm未満、好ましくは0.001ppm〜0.099ppm、特に好ましくは0.001ppm〜0.09ppm、特にとりわけ好ましくは0.01ppm〜0.08ppm、
c.カルシウム1ppm以下、0.001ppm〜0.3ppm、特に好ましくは0.01ppm〜0.3ppm、特にとりわけ好ましくは0.05ppm〜0.2ppm、
d.鉄5ppm以下、好ましくは0.001ppm〜3ppm、特に好ましくは0.05ppm〜3ppm、特にとりわけ好ましくは0.01ppm〜1ppm、特殊に好ましくは0.01ppm〜0.8ppm、特に特別に好ましくは0.05〜0.5ppm、
e.ニッケル1ppm以下、好ましくは0.001ppm〜0.8ppm、特に好ましくは0.01ppm〜0.5ppm、特にとりわけ好ましくは0.05ppm〜0.4ppm、
f.リン10ppm未満、好ましくは5ppm未満、特に好ましくは1ppm未満、特にとりわけ好ましくは0.001ppm〜0.099ppm、特殊に好ましくは0.01ppm〜0.09ppm、特に特別に好ましくは0.01ppm〜0.08ppm、
g.チタン1ppm以下、好ましくは0.001ppm〜0.8ppm、特に好ましくは0.01ppm〜0.6ppm、特にとりわけ好ましくは0.1ppm〜0.5ppm、
h.亜鉛1ppm以下、好ましくは0.001ppm〜0.8ppm、特に好ましくは0.01ppm〜0.5ppm、特にとりわけ好ましくは0.05ppm〜0.3ppm、
を有し、かつ、上述の汚染物質+ナトリウム及びカリウムの合計が10ppm未満、好ましくは4ppm未満、特に好ましくは3ppm未満、特にとりわけ好ましくは0.5〜3ppm、特別に好ましくは1ppm〜3ppmであることにより特徴付けられる。先行技術の、例えばWO 2007/106860 A1からの二酸化ケイ素とは対照的に、本発明による方法は、汚染物質の幅広いスペクトルに関して極めて高い純度を有する二酸化ケイ素を生じる。
【0042】
本発明による高純度二酸化ケイ素は、前に記載した適用形態において、すなわち、「ドーナッツ」形状の粒子として、又は、「キノコ頭部」形状の粒子として、又は慣用の粒子の形において存在することができる。しかし、これは、当業者に知られている方法により顆粒又はブリケットへとプレス処理されることもできる。この粒子が粉砕される、すなわち、これが慣用の粒子の形にある場合、これは、好ましくは、平均粒径d50 1〜100μm、特に好ましくは3〜30μm、特にとりわけ好ましくは5〜15μmを有することができる。この「ドーナッツ」又は「キノコ頭部」の形状の粒子は、好ましくは、平均粒径d50 0.1〜10mm、特に好ましくは0.3〜9mm、特にとりわけ好ましくは2〜8mmにある。
【0043】
本発明による高純度二酸化ケイ素は、ソーラー産業のための高純度ケイ素へと後処理されることができる。このためには、本発明による二酸化ケイ素は、高純度炭素又は高純度糖と反応させることができる。相応する技術は、当業者に知られており、例えば、WO 2007/106860 A1から知られている。
【0044】
この高純度二酸化ケイ素は、実験室及びエレクトロニクスのための光導波体、ガラス器具のための高純度石英ガラスの製造のための高純度原料として、そして、触媒担体のための出発材料として、そして、高純度ケイ素から構成されるウェハ(ウェファ)の研磨のための高純度シリカゾルの製造に用いられることもできる。さらに、高純度二酸化ケイ素は、次のものの製造のために使用されることができる:
・ガラスブランク、例えばいわゆる「ブール」、
・ガラス成形体、例えば外被付き管、いわゆる「オーバークラッド管」又は心棒、いわゆる「コアロッド」又は「内部クラッド材料」として光導波体において
・平面状導波体におけるコア材料
・るつぼ、例えばいわゆる「crucible」
・光学レンズ及びプリズム及びフォトマスク
・回折格子、電気的、熱的及び磁気的な絶縁体
・化学的、薬学的及び半導体産業及びソーラー産業のための容器及び設備
・ガラスロッド及びガラス管
又は
・金属、プラスチック、セラミック又はガラスのコーティングのため
・金属、ガラス、ポリマー、エラストマー及び塗料における充填材として
・半導体材料及び電気的回路のための研磨材として
・ランプ
・ソーラーセルの製造の際の担体材料。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1a】図1aは、乾燥していないリング状の二酸化ケイ素粒子を示す図である。
【図1b】図1bは、乾燥したリング状の二酸化ケイ素粒子を示す図である。
【図2a】図2aは、乾燥していないキノコ頭部−又はクラゲ形状の二酸化ケイ素粒子を示す図である。
【図2b】図2bは、乾燥したキノコ頭部−又はクラゲ形状の二酸化ケイ素粒子を示す図である。
【0046】
測定方法:
沈殿懸濁物のpH値の測定
DIN EN ISO 787-9に準じた方法を、二酸化ケイ素の水性懸濁物のpH値又は十分にSiO2不含の洗浄液体のpH値の測定のために用いる。
【0047】
pH測定の実施前に、pH測定装置(Knick社、型:766 pH-Meter Calimatic、温度測定器を有する)及びpH電極(Schott社の組み合わせ測定電池(Einstabmesskette)、N7680型)を緩衝溶液を使用して20℃で校正しなくてはならない。校正機能を、この2の使用される緩衝溶液がこの試料の期待されるpH値を含むように選択すべきである(pH4.00及び7.00、pH7.00及びpH9.00及び場合によりpH7.00及び12.00を有する緩衝溶液)。
【0048】
工程a)及びd)においては、このpH値の測定を20℃で行う。工程c)においては、この測定をこの反応溶液のそのつどの温度で行う。pH値の測定のために、電極をまず、脱イオン水で、次いで、この懸濁物の一部で洗浄し、引き続きこの懸濁物中に浸す。このpHメーターが変わらない値を示す場合には、この表示のpH値が読み取られる。
【0049】
レーザー回折装置Coulter LS 230を用いる、70μm未満の粒径のための高純度二酸化ケイ素の平均粒径d50の測定
説明:
粒径の測定のための、フラウンホーファーモデルに応じたレーザー回折の適用は、粒子が異なる強度パターンで全ての方向に単色光を散乱するとの現象を基礎とする。この散乱は、粒径に依存する。この粒子が小さいほど、この散乱角はより大きい。
【0050】
実施:
レーザー回折装置Coulter LS 230は、一定の測定値を得るために、電源を入れた後、1.5〜2.0時間の加熱時間を必要とする。この試料は測定前に、極めて良くふらなくてはならない。まず、プログラム「Coulter LS 230」をダブルクリックしてスタートさせる。この場合に、「光学ベンチ使用」がアクティブになり、Coulter装置の表示が「スピードオフ」を示すことに注意する。ボタン「排水」を押し、測定セル中の水がなくなるまで押し続け、引き続きFluid Transfer Pumpにあるボタン「オン」を押し、同様に、水が装置でオーバーフローするまで押し続ける。この過程を全体で2回実施する。引き続き「充填」を押す。このプログラムは自動的に開始し、場合によって生じる空気泡全てをこのシステムから取り除く。この場合に、この速度は自動で高くなり、再度低くなる。この測定のために選択したポンプ出力は調節すべきである。
【0051】
この測定を開始するために、「測定」、「測定サイクル」を選択する。
【0052】
PIDSなしの測定
測定時間は60秒間であり、待機時間は0秒間である。引き続き、レーザー回折に基づく計算モデルを選択する。基本的に、各測定前に自動的にバックグラウンド測定を実施する。バックグラウンド測定後に、この試料を、測定セル中に入れなくてはならず、これは、8〜12%の濃度が達成されるまでである。これは、上方部に「OK」が現れることにより、このプログラムにより示される。最後に、「終了」をクリックする。このプログラムは、自体で全ての必要な工程を実施し、かつ、測定の経過後に検査される試料の粒径分布を生じる。
【0053】
「ドーナッツ」形の又は「キノコ頭部」形の生成物の平均粒径d50の測定
100個の代表的な粒子を選択し、光学顕微鏡下で各粒子の直径を測定する。この粒子は不均一な形態を有することがあるので、この直径を最大直径を有する部分で測定する。全ての測定した粒径の平均値はd50値に相当する。
【0054】
球体落下粘度計を用いた水ガラスの動的粘度の測定
水ガラスの動的粘度の測定を球体落下粘度計を用いて行う(Thermo Haake社、Hoeppler粘度計)。
【0055】
実施
水ガラス(約45cm3)を泡なく、球体落下粘度計(Thermo Haake、球体落下粘度計C)の落下管中に、この管末端の下側まで充填し、次いで、球体(Thermo Haake、球体セット型800-0182、球体3、密度δk=8.116g/cm3、直径dk=15.599mm、球体相対定数K=0.09010mPa**cm3/g)を導入する。粘度計を、循環サーモスタット(Jalubo 4)を用いて20±0.03℃に正確に温度調節する。測定前に、水ガラスを混合するために、この球体を1回管に導通させる。15分間の休止時間の後、最初の測定を開始する。
【0056】
この測定部を、10°の位置に定義した機器底部で固定する。測定部の180°の方向転換により、球体を測定のための出発位置にする。測定道程A−Bを通る落下時間tを手動ストップウォッチを使用して測定する。下方の球体周辺部が狙いを定めた上側リングマークA(これは、観察者に線として見えなくてはならない)に触れると、測定時間の始めが開始する。測定時間は、下方の球体周辺部が下方リングマークB(同様に、線として見えなくてはならない)に達すると終了する。測定部を新たに180°方向転換することにより、球体は出発位置に再度落下する。15分間の休止時間の後、この第2の測定を記載のとおり行う。測定値が0.5%より多く相互に異ならない場合に、再現性が保証される。
【0057】
数値方程式に応じて、水ガラスの動的粘度(ηWGL)がmPa*sで算出される。
【数1】

球体定数:K=0.09010mPa**cm3/g
球体密度:δK=8.116g/cm3
水ガラス密度:δWGL(g/cm3
t=球体の走行時間(s)
小数点まで正確に。100mPa*sは1Poiseに相当する。
【0058】
洗浄媒体の導電性の測定
二酸化ケイ素の水性懸濁物の電気的伝導性の−又は十分にSiO2不含の洗浄液体の電気的伝導性の−測定を室温でDIN EN ISO 787-14に準じて実施する。
【0059】
流速の測定
流速の測定を水流れセンサーを用いてPCE-Group社の体積流測定装置P-670-Mを用いて行う。センサーを反応器の範囲内に置き、これは、幅が反応器半径の半分±5cmにより、並びに、高さが、装入物/沈殿懸濁物の表面から、装入物/沈殿懸濁物の表面10cm下方まで、で定義されている。測定装置のマニュアルに注意を払うべきである。
【0060】
汚染物質含量の測定:
高解像度の誘導結合プラズマ質量分光器(HR−ICPMS)を用いた、シリカ中の痕跡量元素の測定のための方法の説明(試験レポートA080007580と同様)
試料材料1〜5gを±1mgの正確性でPFAビーカー中に秤量する。マンニトール溶液(約1%)1g並びにフッ酸(約50%)25〜30gを添加する。短期間の振り混ぜ(Umschwenken)後に、このPFAビーカーをヒートブロック中で110℃に加熱し、この結果、試料中に含まれるケイ素がヘキサフルオロケイ酸として、並びに過剰量のフッ酸が、ゆっくりと蒸発される。この残留物を、硝酸(約65%)0.5ml及び数滴の過酸化水素溶液(約30%)を用いておおよそ1時間溶解させ、かつ、超純水を用いて10gに充填する。
【0061】
痕跡量元素の測定のために、この溶解溶液から0.05ml又は0.1mlを取り出し、それぞれ、ポリプロピレン−試料管に移し、内部標準としてのインジウム溶液(c=0.1mg/l)0.1mlと混合し、希釈した硝酸(約3%)で10mlに充填した。様々な希釈にあるこの2つの試料溶液の製造を、内部品質保証、すなわち、この測定又は試料の準備の際に過ちがないかどうかの検証のために用いる。原則的に、試料溶液のみを用いて作業することもできる。
【0062】
多元素(Multielement)−ストック溶液(c=10mg/l)から、ここには全ての分析すべき元素(インジウム除く)が含有されているが、4つの校正溶液(c=0.1;0.5;1.0;5.0μg/l)を作成し、再度、インジウム溶液(c=0.1mg/l)0.1mlの添加で10mlの終体積にする。さらに、ブランク値溶液を、インジウム溶液(c=0.1mg/l)0.1mlを用いて製造し、10mlの終体積にする。
【0063】
このように製造されたブランク値溶液、校正溶液及び試料溶液中の元素含量を、High Resolution Inductively Coupled Mass Spectrometry (HR-ICPMS)を用いて、そして、外部校正を用いて定量化する。この測定を、少なくとも4000又は10000の質量分解能(m/Δm)を用いて、元素カリウム、ヒ素及びセレンのために行う。
【0064】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するものであるが、限定するものではない。
【0065】
比較例1
WO 2007/106860 A1の実施例1に準じて、水ガラス397.6g(SiO2 27.2質量%及びNa2O8.0質量%)を脱イオン水2542.4gと混合する。引き続き、この希釈した水ガラスを、内径41mm及び長さ540mmを有する、水中のアンバーライトIRA 743 700ml(乾燥質量500g)で充填したカラムを通じて、流した。13.5分後に、このカラムの出口で10より大きいpH値を測定し、この結果、この時間点に最初の水ガラスがこのカラムを通過している。この更なる試験のために、50及び74分の間に取り出された試料、全体で981gの精製された水ガラスを使用した。
【0066】
精製前及び後の水ガラスの分析データは、以下の第1表に見出される:
第1表:
【表1】

【0067】
第1表からのデータは、WO2007/106860 A1において本質的であると記載された、アンバーライトIRA 743を介した水ガラスの精製工程は、市販の水ガラスでは大きな精製作用を示さず、単に、チタン含量にわずかな改善をもたらすことを示す。
【0068】
この精製された水ガラスを、WO 2007/106860 A1の実施例5と同様に、SiO2に加工した。このために、水ガラス700gを丸底フラスコ2000ml中で10%の硫酸を用いて撹拌下で酸性化した。この出発pH値は11.26であった。硫酸110gの添加後に、pH7.62でゲル化点に達し、脱イオン水100gを添加し、これは、この懸濁物の撹拌性を再度作成するためである。全体として113gの硫酸の添加後に、pH値6.9に達し、このpH値で10分間撹拌する。この後で、直径150mmを有するブフナー漏斗を介して濾過する。この得られた生成物は極めて濾過しにくかった。そのつど500mlの脱イオン水での5回の洗浄後に、この導電性は140μS/cmであった。この得られたフィルターケークを2.5日間105℃で空気循環乾燥棚中で乾燥させ、この結果、乾燥した生成物25.4gが得られることができた。この分析した結果は第2表に見出される。
【0069】
実施例1(本発明による)
ビーカーガラス3000ml(直径152mm、高さ210mm)に、16.3%の硫酸2500g及び35%のH22 16gを装入し、ゆっくりとした撹拌下で水ガラス(Na2O 8.05%、SiO2 26.7%、密度1.3505g/ml、粘度0.582Pois)750gを滴加した。この撹拌機回転数は50rpmであった。この滴加の間に、すぐさまゲル化した粒子がキノコ頭部の形(クラゲの形)で形成され、これは底部へと落下した。この産物は壁が薄く、極めて良好に沈殿する。この上清の溶液は黄色に着色し、濁りは示さなかった。水ガラス添加後に、20分間50rpmで後撹拌した。
【0070】
この懸濁物の後処理のために、上清の溶液をデカンテーションした。固形物質に対して、脱イオン水1000ml及び96%の硫酸50mlからなる混合物を添加し、ヒートバスにおいて70〜80℃に加熱した。
【0071】
この懸濁物がいくらか冷却した後に、この上清の溶液を再度デカンテーションした。この過程を10回繰り返した。
【0072】
引き続き、それぞれ脱イオン水分1000mlで希釈し、pH値5.5が達成されるまでデカンテーションした。次いで、導電性1μS/cmに調整されるまで再洗浄した。
【0073】
この生成物を磁器シャーレで一晩105℃で循環空気乾燥棚中で乾燥させた。乾燥した生成物193gが得られ、これは収率約96.4%に相当する。この試料の一部を分析に付した。
【0074】
第2表
【表2】

【0075】
第2表からの結果は、この比較例の得られた二酸化ケイ素−すなわち、WO 2007/106860 A1に開示されたもの−が、低いホウ素及びリン含量を有し、しかし、この他の汚染物質は高く、このため、この二酸化ケイ素は、ソーラーシリコンの製造のための出発材料として適さないことを示している。
【0076】
本発明による方法に応じて製造された二酸化ケイ素は、汚染物質含量−最も精製することが困難な多価の元素、鉄、チタン及びアルミニウムに関して−10ppm未満を有した。この汚染物質も、ソーラーシリコンの製造のために重要な元素と共に、第2表に挙げられたように、許容可能な範囲にある。したがって、本発明による方法を用いて−先行技術の教示にもかかわらず−キレート化試薬又はイオン交換カラムの使用なしに、市販の水ガラス及び市販の硫酸から、その汚染物質プロファイルのためソ−ラーシリコンのための出発材料として傑出して適している、二酸化ケイ素が製造できることが明らかになった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
a.酸性化剤又は酸性化剤及び水から構成され、pH値2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満を有する装入物の製造工程、
b.0.2〜2ポアズの粘度を有するシリカート溶液の準備工程、
c.工程b)からのシリカート溶液を工程a)からの装入物中に、この得られる沈殿懸濁物のpH値が常に2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満の値に維持されるように添加する工程、
d.この得られる二酸化ケイ素の分離及び洗浄工程、その際、この洗浄媒体が2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満のpH値を有する、
e.この得られる二酸化ケイ素の乾燥工程
を含む高純度二酸化ケイ素の製造方法。
【請求項2】
前記装入物又は沈殿懸濁物の流速が反応器中で0.001〜10m/sであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程a)における装入物が、酸性化剤の他に過酸化物も含み、これが酸性条件下でチタン(IV)−イオンと黄色/橙色の化合物を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
工程c)におけるシリカート溶液の添加を、このシリカート溶液が液滴の形で前記装入物及び/又は沈殿懸濁物中に入り込むように、好ましくは、このシリカート溶液が適した計量供給装置により前記装入物中に導入されるように、特に好ましくは、この導入を前記装入物/沈殿懸濁物の外側に取り付けられた計量供給装置を用いて及び/又は前記装入物/沈殿懸濁物中に浸された計量供給装置を用いて、行うことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
工程c)に応じて得られる二酸化ケイ素粒子が、リング状の形又はキノコ頭部の形、すなわち、二酸化ケイ素から構成される一方へ丸み付けられた層により内部孔が被われているリング状の基本構造の形を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
工程c)、二酸化ケイ素の分離とpH値2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満を有する洗浄媒体を用いた洗浄との間に、更なる工程が実施されないことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
pH値2未満、好ましくは1.5未満、特に好ましくは1未満、特にとりわけ好ましくは0.5未満を有する洗浄媒体を用いた洗浄後に、この得られる二酸化ケイ素のpH値が4〜7.5にあり、かつ/又は、この洗浄懸濁物の導電性が9μS/cm以下、好ましくは5μS/cm以下になるまで蒸留水を用いて付加的な洗浄を行うことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
酸性化剤が、濃縮したか又は希釈した形にある塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、クロロスルホン酸、塩化スルフリル又は過塩素酸又は前述の酸の混合物であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
この方法が、か焼工程を含まないことを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
リング状の形態を有することを特徴とする二酸化ケイ素。
【請求項11】
キノコ頭部の形、すなわち、二酸化ケイ素から構成される一方へ丸み付けられた層により内部孔が被われているリング状の基本構造を有することを特徴とする二酸化ケイ素。
【請求項12】
a.アルミニウム0.01〜5ppm、
b.ホウ素1ppm未満、
c.カルシウム1ppm以下
d.鉄5ppm以下、
e.ニッケル1ppm以下、
f.リン1ppm未満、
g.チタン5ppm以下、
h.亜鉛1ppm以下
の含分を有し、この上述の汚染物質+ナトリウム及びカリウムの合計が10ppm未満であることを特徴とする、好ましくは請求項10又は11記載の、二酸化ケイ素。
【請求項13】
0.1〜10mmの平均粒径d50を有することを特徴とする請求項10から12までのいずれか1項記載の二酸化ケイ素。
【請求項14】
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により得られる二酸化ケイ素。
【請求項15】
元素状ケイ素の製造のための、又は実験室及びエレクトロニクスのための光導波体又はガラス器具のための高純度石英ガラスの製造のための高純度原料としての、又は高純度ケイ素から構成されるウェハ(ウェファ)の研磨のための高純度シリカゾルの製造のための出発材料としての、又はガラスブランク、例えばいわゆる「ブール」の製造のための、又はガラス成形体、例えば外被付き管、いわゆる「オーバークラッド管」又は心棒、いわゆる「コアロッド」の製造のための、又は光導波体における「内部クラッド材料」としての、又は平面状導波体におけるコア材料の製造のための、又はるつぼ、例えばいわゆる「坩堝」の製造のための、又は光学レンズ及びプリズム及びフォトマスクの製造のための、又は回折格子、電気的、熱的及び磁気的な絶縁体の製造のための、又は化学的、薬学的及び半導体産業及びソーラー産業のための容器及び設備の製造のための、又はガラスロッド及びガラス管の製造のための、又は金属、プラスチック、セラミック又はガラスのコーティングのための、又は金属、ガラス、ポリマー、エラストマー及び塗料における充填材としての、又は半導体材料及び電気的回路のための研磨材としての、又はランプの製造のための、又はソーラーセルの製造の際の担体材料としての請求項10から14までのいずれか1項記載の二酸化ケイ素の使用。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【公表番号】特表2012−504102(P2012−504102A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529518(P2011−529518)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062508
【国際公開番号】WO2010/037705
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】