説明

シリカ濃度測定方法及びシリカ濃度測定装置

【課題】モリブデン酸イオン等の試薬を用いることなく、簡単な装置構成により、リアルタイムで連続的かつ高精度にシリカ濃度を測定する。
【解決手段】前記溶液に検査光を照射する光照射部2と、前記検査光の光路から退避した位置に配置され、前記検査光の照射により生じる蛍光の波長域の少なくとも一部である蛍光検出波長域及び前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域の少なくとも一部である散乱光検出波長域に検出感度を有する第1光検出素子を有する第1光検出部3と、前記検査光の光路から退避した位置に配置され、前記散乱光検出波長域に検出感度を有する第2光検出素子を有する第2光検出部4と、前記第1光検出部3の光強度信号値及び前記第2光検出部4の光強度信号値をパラメータとしてシリカ濃度を算出するシリカ濃度算出部53とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を照射して溶液中のシリカ濃度を測定する方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造装置や、その装置に用いられる薬液再生装置に使用する例えばリン酸溶液などの溶液中のシリカ濃度を測定する方法として、モリブデンブルー法が用いられている。
【0003】
具体的にこのモリブデンブルー法を用いたものとして、例えば、特許文献1に示すように、シリカを含む水溶液にモリブデン酸イオン等の試薬を加えて、水溶液が発する蛍光を測定し、測定開始から蛍光の光強度信号値が所定値に達する(減衰する)までの時間に基づいて、水溶液中のシリカ濃度を算出する装置が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−61312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の装置では、モリブデン酸イオン等の試薬を加える必要があり、なおかつ、水溶液に試薬を反応させる工程に数分間以上の時間がかかってしまう。従って、連続的な測定には不向きであるという問題がある。また、モリブデン酸イオン等の試薬を用いた場合には、リン酸が妨害物質となるため、リン酸溶液中のシリカ濃度は他の水溶液中のシリカ濃度と同様の方法によって測定することが困難である。
【0006】
このような従来品に対し、本出願人は、上記問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、モリブデン酸イオン等の試薬を加えない状態のシリカに対して、光を照射したシリカから生じる蛍光及び散乱光を直接的に検出することで、シリカを測定できる装置を開発しつつある。
【0007】
ここで、散乱光には、シリカから生じる散乱光及びシリカ以外から生じる散乱光の両方が含まれるため、蛍光及び散乱光の両方の測定では、測定精度を担保できない。一方、光の照射によりシリカから生じる蛍光の光強度に基づいてシリカ濃度を算出することができる。従って、高精度にシリカ濃度を測定するためには、蛍光の光強度のみを得ることが必要である。
【0008】
そこで、蛍光と散乱光との波長域の違いに着目して、蛍光の波長域のみに検出感度を有する光検出器を用いれば、蛍光のみを検出できるとも考えられる。しかしながら、検出素子単体で上記の波長域に検出感度を有するものは一般的に用いられていない。また、分光器によって蛍光を検出することも考えられるが、分光器を用いると、装置が大型かつ複雑となってしまうおそれがあるだけでなく、迅速に測定できないという問題がある。さらに、分光器ではなく、蛍光の波長域の光のみを透過させるフィルタを用いることも考えられるが、高温下の測定であったりすると、フィルタが劣化してしまうことがある。
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題点を解決すべく、モリブデン酸イオン等の試薬を用いることなく、簡易でコンパクトな構成でありながら、リアルタイムで連続的かつ高精度にシリカ濃度を測定することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明に係るシリカ濃度測定装置は、溶液中のシリカ濃度を測定するものであって、前記溶液に検査光を照射する光照射部と、前記検査光の光路から退避した位置に配置され、前記検査光の照射により生じる蛍光の波長域の少なくとも一部である蛍光検出波長域及び前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域の少なくとも一部である散乱光検出波長域に検出感度を有する第1光検出素子を有する第1光検出部と、前記検査光の光路から退避した位置に配置され、前記散乱光波長域に検出感度を有する第2光検出素子を有する第2光検出部と、前記第1光検出部の光強度信号値及び前記第2光検出部の光強度信号値をパラメータとしてシリカ濃度を算出するシリカ濃度算出部とを備えるものである。
【0011】
このようなものであれば、モリブデン酸イオン等の試薬を用いることなく測定できるので、試薬の反応のための時間が不要となり、リアルタイムかつ連続的に測定できる。さらに、検出波長域が互いに異なる2つの光検出部から出力された各光強度信号に基づいてシリカ濃度を算出することができるので、分光器又はフィルタを用いることなく、簡易でコンパクトな構成でありながら、高精度に測定することができる。
【0012】
ところで、蛍光は、イオン状態のシリカ及びコロイド状態のシリカのいずれからも生じる。一方、散乱光は、コロイド状態のシリカからは生じるが、イオン状態のシリカからはほとんど生じない。従って、散乱光の光強度に基づいて、すなわち第2光検出部の光強度信号値をパラメータとしてコロイド状態のシリカ濃度を算出することができる。さらに、イオン状態のシリカ及びコロイド状態のシリカを含むシリカ濃度と、コロイド状態のシリカ濃度との差分から、イオン状態のシリカ濃度を算出することができる。
【0013】
迷光を可及的に低減するためには、前記第1光検出部及び前記第2光検出部を、前記検査光の光路と略直交する方向に、該光路を挟むように対向配置することが望ましい。
【0014】
シリカを含まない基準液に前記検査光を照射して得られた第1光検出部の光強度信号値及び前記第2光検出部の光強度信号値にそれぞれ乗算した値が同一となるような2つの係数を算出する係数算出部を備えるものであれば、より正確にシリカ濃度を測定することができる。
【0015】
また、溶液中に含まれるシリカ濃度を測定する方法であって、前記溶液に検査光を照射する照射工程と、前記検査光により生じる蛍光及び散乱光を検出する第1検出工程と、前記検査光により生じる散乱光を検出する第2検出工程と、前記第1検出工程により検出された光強度値と、前記第2検出工程により検出された光強度値とをパラメータとしてシリカ濃度を算出するシリカ濃度算出工程とを備えるシリカ濃度測定方法であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
かかる構成のシリカ濃度測定装置であれば、検出波長域が互いに異なる2つの光検出部から出力された各光強度信号に基づいてシリカ濃度を測定することができるので、モリブデン酸イオン等の試薬を用いることなく、簡易でコンパクトな構成で、リアルタイムで連続的かつ高精度にシリカ濃度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態におけるシリカ濃度測定装置の斜視図。
【図2】同実施形態における光照射部、各光検出部の配置を示す図。
【図3】同実施形態における演算装置の機器構成図。
【図4】同実施形態における演算装置の機能構成図。
【図5】同実施形態におけるシリカ濃度測定手順を示す図。
【図6】同実施形態におけるシリカの分光感度特性を表すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態に係るシリカ濃度測定装置100は、半導体製造装置又は当該装置に用いられる薬液再生装置に使用する高濃度リン酸中に含まれるシリカ濃度を例えばインライン測定するものであり、図1に示すように、光透過性を有する測定セル中のリン酸溶液に検査光を照射する光照射部2と、検査光の照射により生じる散乱光及び蛍光を検出する第1光検出素子を有する第1光検出部3と、検査光の照射により生じる散乱光を検出する第2光検出素子を有する第2光検出部4と、第1光検出部3の光強度信号及び第2光検出部4の光強度信号を受信してシリカ濃度を算出する演算装置5とを備えている。なお、測定セルは、半導体製造装置又は薬液再生装置等に用いられる、例えば薬液槽に接続された配管上に設けられている。
【0020】
以下、各部について詳述する。
光照射部2は、測定セルを流れるリン酸溶液に検査光としての励起光を照射して、リン酸溶液中のシリカ(二酸化ケイ素)を励起させて蛍光を生じさせるものであり、本実施形態では、紫外領域(例えば波長285nm)の光を射出するLEDを用いて構成されている。そして、このLEDは、その光軸が測定セルの流路方向に略直交するように配置されている。なお、光照射部2としては、LEDの他、キセノンランプ等の光源を用いても良い。
【0021】
第1光検出部3は、検査光の照射によりシリカから生じる蛍光及びリン酸及びシリカから生じる散乱光を検出するものであり、その蛍光の波長域の少なくとも一部である蛍光検出波長域及びその散乱光の波長域の少なくとも一部である散乱光検出波長域に検出感度を有する第1検出素子を備える。なお、蛍光検出波長域及び散乱光検出波長域はそれぞれ連続する波長域であり、蛍光検出波長域及び散乱光検出波長域からなる波長域もまた連続する波長域である。具体的に第1光検出素子は、例えば270nm〜380nmの検出波長域に検出感度を有するフォトダイオード等である。この検出波長域において、270nm〜320nmの波長域(散乱光検出波長域)において散乱光が検出され、320nm〜380nmの波長域(蛍光検出波長域)において蛍光が検出される。
【0022】
第2光検出部4は、検査光の照射によりリン酸及びシリカから生じる散乱光を検出するものであり、その散乱光の波長域の少なくとも一部である散乱光検出波長域に検出感度を有する第2検出素子を備える。具体的に第2光検出素子は、例えば270nm〜320nmの検出波長域に検出感度を有するフォトダイオード等である。つまり、第2光検出素子の検出波長域は、前記第1光検出素子の検出波長域における散乱光検出波長域と同一のものである。
【0023】
そして、第1光検出部3及び第2光検出部4は、前記光照射部2から射出される検査光の光路と異なる位置、すなわち、光路から退避した位置に配置されている。具体的に第1光検出部3及び第2光検出部4は、図1、図2に示すように、迷光の影響を可及的に小さくすべく、前記検査光の光軸及び測定セルの流路方向と略直交すると共に、測定セルを挟み込むように対向配置されている。なお、第1光検出器3及び第2光検出部4は、蛍光の波長域の光のみを透過させるフィルタを備えるものではない。
【0024】
演算装置5は、図3に示すように、CPU501の他に、メモリ502、入出力チャンネル503、キーボード等の入力手段504、ディスプレイ等の出力手段505等を備えた汎用乃至専用のコンピュータであり、入出力チャンネル503にはA/Dコンバータ506、D/Aコンバータ507、増幅器(図示しない)等のアナログ−デジタル変換回路が接続されている。
【0025】
そして、演算装置5は、そのメモリ502に所定のプログラムを格納し、当該プログラムに従ってCPU501やその周辺機器を協働動作させることによって、図4に示すように、信号受付部51、係数算出部52、シリカ濃度算出部53等としての機能を発揮する。
【0026】
信号受付部51は、第1光検出部3からの光強度信号(以下、第1光強度信号とも言う。)を受け付けると共に、第2光検出部4からの光強度信号(以下、第2光強度信号とも言う。)を受け付けるものである。そして、信号受付部51は、それら光強度信号を係数算出部52及びシリカ濃度算出部53に出力する。
【0027】
係数算出部52は、シリカを含まないリン酸溶液(以下、基準液とも言う。)に検査光を照射する測定によって第1光検出部3の光強度信号(以下、第1基準光強度信号とも言う。)及び第2光検出部4の光強度信号(以下、第2基準光強度信号とも言う。)を取得して、各基準光強度信号値にそれぞれ乗算した値が同一となるような2つの係数(K、K)を算出するものである。
【0028】
ここで、基準液に検査光を照射して得られた第1基準光強度信号値及び第2基準光強度信号値は、同一の値となるはずである。しかし、各光検出部3、4の感度特性の違いから誤差が発生し、各基準光強度信号値が同一の値とならないことがあるため、係数算出部52が算出した各係数(K、K)により、ゲインを調整する。
【0029】
具体的には、図6(a)(b)で示すように、まず、溶液が流れていない状態の測定セルに検査光を照射する測定(以下、ゼロ測定とも言う。)によって、第1光強度信号(以下、第1ゼロ測定光強度信号とも言う。)及び第2光強度信号(以下、第2ゼロ測定光強度信号とも言う。)を得る。次に、基準液に検査光を照射する測定によって、第1基準光強度信号及び第2基準光強度信号を得る。そして、各基準光強度信号値と各ゼロ測定光強度信号値との各差分から、2つの係数(K、K、例えば、各差分の逆数)を算出する。
【0030】
なお、ゼロ測定を行わない場合は、各基準光強度信号値から算出した値(例えば、各基準光強度信号値の逆数)を2つの係数(K、K)として算出してもよい。
【0031】
シリカ濃度算出部53は、係数算出部52から取得した2つの係数(K、K)と、第1光強度信号値及び第2光強度信号値とをパラメータとしてシリカ濃度を算出するものである。
【0032】
具体的にシリカ濃度算出部53は、第1光強度信号値及び第2光強度信号値に対応する各係数(K、K)をそれぞれ乗算した値を算出し、その各乗算値の差分を、所定の検量線(関係式)に当てはめることでシリカ濃度を算出する。より詳細には、図6(c)(d)に示すように、シリカ濃度算出部53は、第1光強度信号値(P)及び対応する係数(K)の乗算値と、第2光強度信号値(Q)及び対応する係数(K)の乗算値とを算出する。そして、その各乗算値の差分(PK―QK)、すなわち、蛍光の光強度に起因する値を算出し、その値を検量線に当てはめることによって、シリカ濃度を算出する。
【0033】
以下に、係数算出部52による係数算出工程について、図5を参照しながら説明する。なお、この係数算出工程は、シリカ濃度算出部53によるシリカ濃度算出工程に先立って行われる。
【0034】
まず、測定セルに溶液が流れていない状態での測定すなわちゼロ測定を行う。光照射部2は検査光を照射する(ステップS1)。検査光により生じた散乱光を、各光検出部3、4がそれぞれ検出し、各ゼロ測定光強度信号を係数算出部52に出力する(ステップS2)。
【0035】
次に、オペレータはシリカを含まないリン酸溶液すなわち基準液を測定セルに流す(ステップS3)。光照射部2は検査光を照射する(ステップS4)。検査光により生じた散乱光を、各光検出部3、4がそれぞれ検出し、各基準光強度信号を係数算出部52に出力する(ステップS5)。係数算出部52は、各基準光強度信号値から各ゼロ測定光強度信号値を引いた値から各係数(K、K)を算出し、シリカ濃度算出部53に出力する(ステップS6)。
【0036】
さらに、シリカ濃度算出部53によるシリカ濃度算出工程について図5を参照しながら説明する。
【0037】
半導体製造工程が開始されると、測定セルにシリカを含むリン酸溶液が流れ始める(ステップS7)。この状態において、光照射部2は検査光を照射する(ステップS8)。この検査光により生じた蛍光及び散乱光を第1検出部3で検出し、散乱光を第2光検出部4で検出する。そして、各光検出部3、4は、各光強度信号を、シリカ濃度算出部53にそれぞれ出力する(ステップS9)。
【0038】
シリカ濃度算出部53は、取得した第1光強度信号値(P)及び第2光強度信号値(Q)と対応する各係数(K、K)との乗算値を算出し、その各乗算値の差分(PK―QK)を所定の検量線(関係式)に当てはめて、シリカ濃度を算出する(ステップS10)。算出されたシリカ濃度はディスプレイ等によって表示される(ステップS11)。
【0039】
このように構成した本実施形態におけるシリカ濃度測定装置100によれば、第1検出部3及び第2検出部4を設けるという、極めて簡易かつコンパクトな構成によって、半導体製造装置に使用するリン酸溶液のリアルタイムで連続的かつ高精度な濃度管理が可能となる。
【0040】
また、検出波長域が紫外領域内であるため、他の照明によって発生する誤差を低減することができ、より正確にシリカ濃度を測定できる。
【0041】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば、係数算出工程は測定ごとに行う必要は無く、係数算出工程において算出した2つの係数を格納しておき、その各係数を以後の測定において用いるようにしたものであってもよい。係数算出工程は、定期的に行うものであってもよいし、各シリカ濃度算出工程前に行うものであってもよい。
【0042】
また、係数算出部を備えずに、係数によるゲイン調整を行わないものであってもよい。
【0043】
また、蛍光は、イオン状態のシリカ及びコロイド状態のシリカのいずれからも生じる。一方、散乱光は、コロイド状態のシリカからは生じるが、イオン状態のシリカからはほとんど生じない。従って、散乱光の光強度に基づいて、すなわち第2光検出部の光強度信号値をパラメータとしてコロイド状態のシリカ濃度を算出することもできる。
【0044】
具体的には、シリカを含む溶液の測定で得られた第2光強度信号値を、所定の検量線(関係式)に当てはめることで、コロイド状態のシリカ濃度を算出することができる。なお、シリカを含む溶液に検査光を照射して得られた第2光強度信号値と、シリカを含まない溶液に検査光を照射して得られた第2光強度信号値との差分、すなわちコロイド状態のシリカに起因する値を所定の検量線(関係式)に当てはめることでコロイド状態のシリカ濃度を算出するものであれば、より正確にコロイド状態のシリカ濃度を算出することができる。
【0045】
さらに、イオン状態のシリカ及びコロイド状態のシリカを含むシリカ濃度と、コロイド状態のシリカ濃度との差分から、イオン状態のシリカ濃度を算出することができる。
【0046】
加えて言えば、溶液中のコロイド状態のシリカのみを測定する場合には、光照射部と、第2光検出部と、シリカ濃度算出部とを備えるシリカ濃度測定装置であってもよい。
【0047】
また、光照射部は、LED等の光源と、光源と接続された光ファイバー等からなる光伝達手段とを備えるものであってもよい。
第1光検出部及び第2光検出部は、フォトダイオード等の光検出素子と、光検出器と接続された光ファイバー等からなる光伝達手段とを備えるものであってもよい。
【0048】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0049】
100・・・シリカ濃度測定装置
2 ・・・光照射部
3 ・・・第1光検出部
4 ・・・第2光検出部
5 ・・・演算装置
51 ・・・信号受付部
52 ・・・係数算出部
53 ・・・シリカ濃度算出部
501・・・CPU
502・・・メモリ
503・・・入出力チャンネル
504・・・入力手段
505・・・出力手段
506・・・A/Dコンバータ
507・・・D/Aコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液中のシリカ濃度を測定するものであって、
前記溶液に検査光を照射する光照射部と、
前記検査光の光路から退避した位置に配置され、前記検査光の照射により生じる蛍光の波長域の少なくとも一部である蛍光検出波長域及び前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域の少なくとも一部である散乱光検出波長域に検出感度を有する第1光検出素子を有する第1光検出部と、
前記検査光の光路から退避した位置に配置され、前記散乱光検出波長域に検出感度を有する第2光検出素子を有する第2光検出部と、
前記第1光検出部の光強度信号値及び前記第2光検出部の光強度信号値をパラメータとしてシリカ濃度を算出するシリカ濃度算出部とを備えるシリカ濃度測定装置。
【請求項2】
前記第1光検出部及び前記第2光検出部が、前記検査光の光路と略直交する方向に、該光路を挟むように対向配置されている請求項1記載のシリカ濃度測定装置。
【請求項3】
シリカを含まない基準液に前記検査光を照射して得られた第1光検出部の光強度信号値及び前記第2光検出部の光強度信号値にそれぞれ乗算した値が同一となるような2つの係数を算出する係数算出部を備える請求項1又は2記載のシリカ濃度測定装置。
【請求項4】
溶液中に含まれるシリカ濃度を測定する方法であって、
前記溶液に検査光を照射する照射工程と、
前記検査光により生じる蛍光及び散乱光を検出する第1検出工程と、
前記検査光により生じる散乱光を検出する第2検出工程と、
前記第1検出工程により検出された光強度値と、前記第2検出工程により検出された光強度値とをパラメータとしてシリカ濃度を算出するシリカ濃度算出工程とを備えるシリカ濃度測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−117748(P2011−117748A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273133(P2009−273133)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(592187534)株式会社 堀場アドバンスドテクノ (26)
【Fターム(参考)】