説明

シリカ濃度測定装置及びシリカ濃度測定方法

【課題】モリブデン酸イオン等の試薬を用いることなく、簡単な装置構成により、シリカ濃度に対するリン酸の濃度影響を考慮してシリカ濃度を迅速且つ高精度に測定する。
【解決手段】リン酸溶液中のリン酸濃度に基づいて、第1光検出部3の光強度信号及び第2光検出部4の光強度信号とシリカ濃度との対応関係を示す検量線を求め、当該検量線と第1光検出部3の光強度信号及び第2光検出部4の光強度信号とからシリカ濃度を算出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸溶液中に含まれるシリカ濃度を測定するシリカ濃度測定装置及びシリカ濃度測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造装置やその装置に用いられる薬液再生装置に使用する溶液中に含まれるシリカ濃度を測定する場合には、一般的にモリブデンブルー法が用いられている。
【0003】
具体的にこのモリブデンブルー法を用いたものとしては、特許文献1に示すように、酸性条件下で溶液にモリブデン酸イオン等の試薬を添加した後、蛍光性対カチオン色素を添加し、得られた溶液の発する蛍光が所定の強度に減衰するまでの時間を測定することによって試料溶液中のシリカの濃度を測定ものが考えられる。
【0004】
しかしながら、この測定装置を用いたシリカ濃度の測定は、モリブデン酸イオン等の試薬を添加する必要があり、フロー測定には不向きであり、実質的にバッチ測定に限られてしまう。その結果、上記方法を用いてシリカ濃度をインラインで連続測定することが難しいという問題がある。また、リン酸溶液では、リン酸もモリブデン酸イオンに反応することから、とりわけ高濃度リン酸中では不向きである。
【0005】
また、シリカから生じる蛍光の強度がリン酸の濃度によって大きく異なることが分かっており、単純にシリカから生じる蛍光の減衰時間を測定するだけでは、正確にシリカ濃度を測定することができないという問題もある。
【0006】
なお、蛍光の強度におけるリン酸の濃度の影響を考慮して、シリカ濃度を正確に測定するために、既知のリン酸濃度とシリカ濃度との相関をデータベース化してそのデータをもとに多変量解析を行い、シリカ濃度を算出することも考えられるが、多くのデータベースと複雑な演算処理が必要になり、演算処理や計算機に多くの負担をかけてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−61312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、モリブデン酸イオン等の試薬を用いることなく、また、多くのデータベースと複雑な演算処理を必要とせずに、シリカ濃度に対するリン酸の濃度影響を考慮してシリカ濃度を迅速且つ高精度に測定することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係るシリカ濃度測定装置は、リン酸溶液中のシリカ濃度を測定するシリカ濃度測定装置であって、前記リン酸溶液に検査光を照射する光照射部と、前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域と、前記検査光の照射により生じる蛍光の波長域とに検出感度を有する第1光検出部と、前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域に検出感度を有する第2光検出部と、前記リン酸溶液中のリン酸濃度に基づいて、前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とシリカ濃度との対応関係を示す検量線を求め、当該検量線と前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とからシリカ濃度を算出するシリカ濃度算出部とを具備することを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、モリブデン酸イオン等の試薬を用いることなく、第1光検出部及び第2光検出部を設けるという簡単な光学系の構成により、シリカ濃度を測定することができ、インライン等において連続測定が可能となる。また、リン酸濃度に対応した検量線を求めて、当該検量線を用いて第1光検出部及び第2光検出部により得られた各光強度信号によりシリカ濃度を算出することができるので、リン酸の濃度影響を考慮したシリカ濃度の測定を行うことができ、多変量解析を用いることなく迅速かつ高精度にシリカ濃度を測定することができる。
【0011】
リアルタイムにリン酸濃度を測定してシリカ濃度を連続測定できるようにするためには、前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とパラメータとしてリン酸濃度を算出するリン酸濃度算出部とをさらに備えることが望ましい。
【0012】
また、本発明に係るシリカ濃度測定方法は、リン酸溶液に検査光を照射する光照射部と、前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域と、前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域に検出感度を有する第1光検出部と、前記検査光の照射により生じる散乱光を検出するための第2検出波長域を有する第2光検出部と、を備えたシリカ濃度測定装置を用いたシリカ濃度測定方法であって、前記リン酸溶液中のリン酸濃度に基づいて、前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とシリカ濃度との対応関係を示す検量線を求め、当該検量線と前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とからシリカ濃度を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このように構成した本発明によれば、モリブデン酸イオン等の試薬を用いることなく、また、多くのデータベースと複雑な演算処理を必要とせずに、シリカ濃度に対するリン酸の濃度影響を考慮してシリカ濃度を迅速且つ高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るシリカ濃度測定装置の斜視図である。
【図2】同実施形態の光照射部、各光検出部の配置を示す図である。
【図3】同実施形態の演算装置の機器構成図である。
【図4】同実施形態の演算装置の機能構成図である。
【図5】同実施形態のリン酸濃度算出方法を示す模式図である。
【図6】同実施形態のシリカ濃度算出方法を示す模式図である。
【図7】同実施形態のシリカ濃度測定手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明に係るシリカ濃度測定装置100の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態に係るシリカ濃度測定装置100は、半導体製造装置又は当該装置に用いられる薬液再生装置に使用する高濃度リン酸中に含まれるコロイド状及び/又はイオン状のシリカ濃度を例えばインライン測定するものである。
【0017】
具体的にこのものは、図1に示すように、光透過性を有する測定セル中のリン酸溶液に励起光である検査光を照射する光照射部2と、検査光の照射により生じる散乱光及び蛍光を検出する第1光検出部3と、検査光の照射により生じる散乱光を検出する第2光検出部4と、第1光検出部3の光強度信号及び第2光検出部4の光強度信号を受信して、リン酸濃度及びシリカ濃度を算出する演算装置5とを備えている。なお、測定セルは、半導体製造装置又は薬液再生装置等に用いられる例えば薬液槽に接続された配管上に設けられている。
【0018】
以下、各部について詳述する。
光照射部2は、測定セルを流れるリン酸溶液に励起光を照射して、リン酸溶液中のシリカ(二酸化ケイ素)を励起させて蛍光を生じさせるものであり、本実施形態では、紫外領域(例えば波長285nm)の光を射出するLEDを用いて構成されている。そして、このLEDは、その光軸が測定セルの流路方向に略直交するように配置されている。なお、光照射部2としては、LEDの他、キセノンランプ等の光源を用いても良い。
【0019】
第1光検出部3は、検査光の照射によりシリカから生じる蛍光及びリン酸又はシリカから生じる散乱光を検出するものであり、それら散乱光及び蛍光を検出するための第1検出波長を有するものである。具体的に第1光検出部3は、その蛍光の波長域の少なくとも一部である蛍光検出波長域及びその散乱光の波長域の少なくとも一部である散乱光検出波長域に検出感度を有する第1検出素子を備える。なお、蛍光検出波長域及び散乱光検出波長域はそれぞれ連続する波長域であり、蛍光検出波長域及び散乱光検出波長域からなる波長域もまた連続する波長域である。詳細に第1光検出部3は、例えば270nm〜380nmの第1検出波長を有するフォトダイオード等から構成される光検出器である。この第1検出波長において、270nm〜320nmの波長域(散乱光検出波長域)において散乱光が検出され、320nm〜380nmの波長域(蛍光検出波長域)において蛍光が検出される。
【0020】
第2光検出部4は、検査光の照射によりリン酸及びシリカから生じる散乱光を検出するものであり、その散乱光を検出するための第2検出波長を有するものである。具体的に第2光検出部4は、その散乱光の波長域の少なくとも一部である散乱光検出波長域に検出感度を有する第2検出素子を備える。詳細に第2光検出部4は、例えば270nm〜320nmの第2検出波長を有するフォトダイオード等から構成される光検出器である。つまり、第2光検出部4は、前記第1光検出部3の第1検出波長における散乱光検出波長域と同一の検出波長域を有するものである。
【0021】
そして、第1光検出部3及び第2光検出部4は、前記光照射部2から射出される検査光の光路とは異なる位置に配置されている。具体的に第1光検出部3及び第2光検出部4は、図2に示すように、迷光の影響を可及的に小さくすべく、前記検査光の光軸と略直交するすると共に、測定セルを挟み込むように対向配置されている。
【0022】
演算装置5は、図3に示すように、CPU501の他に、メモリ502、入出力チャンネル503、キーボード等の入力手段504、ディスプレイ等の出力手段505等を備えた汎用乃至専用のコンピュータであり、入出力チャンネル503にはA/Dコンバータ506、D/Aコンバータ507、増幅器(図示しない)等のアナログ−デジタル変換回路が接続されている。
【0023】
そして、演算装置5は、そのメモリ502に所定のプログラムを格納し、当該プログラムに従ってCPU501やその周辺機器を協働動作させることによって、図4に示すように、信号受付部51、リン酸濃度算出部52、シリカ濃度算出部53等としての機能を発揮する。
【0024】
信号受付部51は、第1光検出部3からの光強度信号(以下、第1光強度信号とも言う。)を受け付けると共に、第2光検出部4からの光強度信号(以下、第2光強度信号とも言う。)を受け付けるものである。そして、信号受付部51は、それら光強度信号をリン酸濃度算出部52及びシリカ濃度算出部53に出力する。
【0025】
リン酸濃度算出部52は、第1光検出部3の光強度信号及び第2光検出部4の光強度信号とパラメータとしてリン酸濃度を算出するものである。
【0026】
具体的にリン酸濃度算出部52は、図5に示すように、各リン酸濃度における第1光強度信号及び第2光強度信号の関係(具体的には光強度信号量の比)を示す関係データを取得する。そして、リン酸濃度算出部52は、当該関係データと、信号受付部51から取得した第1光強度信号及び第2光強度信号の比とからリン酸濃度を算出する。なお、関係データは関係データ格納部D1に予め格納されている。この関係データは、実験により求めたものであっても良いし、計算により求めたものであっても良い。たとえば、図5に示すように、第1光強度信号値がPであり、第2光強度信号値がQである場合、リン酸濃度算出部52は、関係データからリン酸濃度をB%(例えば88%)と算出する。
【0027】
シリカ濃度算出部53は、前記リン酸濃度算出部52により得られたリン酸濃度と、第1光検出信号及び第2光検出信号とからシリカ濃度を算出するものである。
【0028】
具体的にシリカ濃度算出部53は、得られたリン酸濃度に基づいて、第1光強度信号及び第2光強度信号とシリカ濃度との対応関係を示す検量線(関係式)を求める。そして、シリカ濃度算出部53は、図6に示すように、その検量線と第1光検出信号及び第2光検出信号とからシリカ濃度を算出する。より詳細には、シリカ濃度算出部53は、得られたリン酸濃度に対応する検量線の係数(検量線を特定するための係数であり、リン酸濃度を変数として定められる。)等を示す検量線関連データを検量線関連データ格納部D2から取得する。そして、シリカ濃度算出部53はその検量線関連データから検量線を算出し、その検量線に第1光検出信号及び第2光検出信号を当てはめることによってシリカ濃度を算出する。
【0029】
以下、本実施形態のシリカ濃度測定装置100を用いたシリカ濃度測定方法について図7を参照して説明する。
【0030】
まず光照射部2により検査光をリン酸溶液に照射する(ステップS1)。これによって生じる散乱光及び蛍光を第1光検出部3で検出すると共に、散乱光を第2光検出部4で検出する(ステップS2)。
【0031】
その後、第1光検出部3からの第1光強度信号及び第2光検出部4からの第2光強度信号を取得したリン酸濃度算出部52が、関係データ格納部D1に格納されている関係データを参照してリン酸濃度を算出する(ステップS3)。そして、リン酸濃度算出部52は、そのリン酸濃度を示すリン酸濃度データをシリカ濃度算出部53に出力する。
【0032】
そして、リン酸濃度データ、第1光強度信号及び第2光強度信号を取得したシリカ濃度算出部53は、リン酸濃度データに基づいて、当該リン酸濃度に対応する検量線関連データを検量線関連データ格納部D2から取得して、当該リン酸濃度に対応したシリカ濃度の検量線を算出する(ステップS4)。その後、シリカ濃度算出部53は、算出した検量線により第1光強度信号及び第2光強度信号からシリカ濃度を算出する(ステップS5)。上記により得られたリン酸濃度及びシリカ濃度は、ディスプレイ等の出力手段505に出力される。
【0033】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係るシリカ濃度測定装置100によれば、モリブデン酸イオン等の試薬を用いることなく、第1光検出部3及び第2光検出部4を設けるという簡単な光学系の構成により、リン酸濃度及びシリカ濃度を同時に測定することができ、インライン等において連続測定が可能となる。また、リン酸濃度に対応した検量線を求めて、当該検量線を用いて第1光検出部3及び第2光検出部4により得られた各光強度信号によりシリカ濃度を算出することができるので、リン酸の濃度影響を考慮したシリカ濃度の測定を行うことができ、多変量解析等の複雑な演算処理を用いることなく迅速かつ高精度にシリカ濃度を測定することができる。
【0034】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0035】
例えば、前記実施形態ではリン酸濃度算出部によりリン酸濃度を自動的に算出するものであったが、その他、ユーザがリン酸濃度を演算装置に入力できるように構成しても良い。
【0036】
また、前記実施形態では、演算装置内において第1光強度信号及び第2光強度信号からリン酸濃度を算出するものであったが、演算装置とは別にリン酸濃度を測定するリン酸濃度測定部を設け、当該リン酸濃度測定部からの測定データを演算装置に送信するものであっても良い。
【0037】
さらに、前記実施形態においては、被検液としてリン酸溶液に含まれるシリカ濃度について説明したが、その他の成分を主成分とする成分溶液における不純物の濃度を測定する濃度測定装置であっても良い。このとき、リン酸濃度算出部が主成分濃度算出部に対応し、シリカ濃度算出部が、不純物濃度算出部に対応する。
【0038】
その上、前記実施形態の第1光検出部及び第2光検出部は、光検出器のみから構成されているが、その他、蛍光及び/又は散乱光を導光する光ファイバ等の導光部材と、当該導光部材により導光された蛍光及び/又は散乱光を検出する光検出器とを備えるものであっても良い。
【0039】
加えて、前記実施形態の第1光検出部は検出素子が散乱光検出波長域及び蛍光検出波長域に検出感度を有し、第2光検出部は検出素子が散乱光検出波長域に検出感度を有するものであったが、その他、検出素子に上記の限定が無い場合であっても、分光器又はフィルタを用いて上記散乱光検出波長域及び/又は蛍光検出波長域を検出するように構成しても良い。
【0040】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0041】
100・・・シリカ濃度測定装置
2 ・・・光照射部
3 ・・・第1光検出部
4 ・・・第2光検出部
5 ・・・演算装置
51 ・・・信号受付部
52 ・・・リン酸濃度算出部
53 ・・・シリカ濃度算出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸溶液中のシリカ濃度を測定するシリカ濃度測定装置であって、
前記リン酸溶液に検査光を照射する光照射部と、
前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域と、前記検査光の照射により生じる蛍光の波長域とに検出感度を有する第1光検出部と、
前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域に検出感度を有する第2光検出部と、
前記リン酸溶液中のリン酸濃度に基づいて、前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とシリカ濃度との対応関係を示す検量線を求め、当該検量線と前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とからシリカ濃度を算出するシリカ濃度算出部とを具備するシリカ濃度測定装置。
【請求項2】
前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とパラメータとしてリン酸濃度を算出するリン酸濃度算出部とをさらに備える請求項1記載のシリカ濃度測定装置。
【請求項3】
リン酸溶液に検査光を照射する光照射部と、前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域と、前記検査光の照射により生じる散乱光の波長域に検出感度を有する第1光検出部と、前記検査光の照射により生じる散乱光を検出するための第2検出波長域を有する第2光検出部と、を備えたシリカ濃度測定装置を用いたシリカ濃度測定方法であって、
前記リン酸溶液中のリン酸濃度に基づいて、前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とシリカ濃度との対応関係を示す検量線を求め、当該検量線と前記第1光検出部の光強度信号及び前記第2光検出部の光強度信号とからシリカ濃度を算出するシリカ濃度測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−117747(P2011−117747A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273132(P2009−273132)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(592187534)株式会社 堀場アドバンスドテクノ (26)
【Fターム(参考)】