シリコーンゴム成形体の洗浄方法及びシリコーンゴム成形体

【解決手段】シリコーンゴム成形体を、50℃での飽和蒸気圧が0.01〜30mmHgである洗浄用オルガノポリシロキサン中に浸漬させて、上記シリコーンゴム成形体が含有するオルガノポリシロキサンの低分子体を低減させることを特徴とするシリコーンゴム成形体の洗浄方法。
【効果】本発明によれば、シリコーンゴム成形体を50℃での飽和蒸気圧が0.01〜30mmHgである洗浄用オルガノポリシロキサン中に浸漬させて、上記シリコーンゴム成形体が含有するオルガノポリシロキサンの低分子体を低減させたシリコーンゴム成形体を得ることができる。また、シリコーンゴム成形体のバックアップ材として樹脂フィルムを用いた場合でも樹脂フィルムの溶解、変形の無いものとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンゴム成形体中に含まれる低分子シロキサンを除去、低減するためのシリコーンゴム成形体の洗浄方法に関し、また、この洗浄方法を用いることにより、低分子シロキサンが除去、低減されたシリコーンゴム成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコーンゴム成形体は、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性等に優れ、多くの電気・電子機器に使用されている。しかし、シリコーンゴム成形体(硬化物)には、揮発性を有する低分子シロキサンが通常数千ppm〜数万ppm含有され、電気接点の接点障害を引き起こすことがあった。これは、シリコーンゴム成形体中に残留しているオルガノポリシロキサンの低分子体(以下、「低分子シロキサン」という。)が、電気・電子機器内で揮発して電気接点に付着し、絶縁皮膜を形成するためである。また、オフセット印刷用のブランケット材やマイクロコンタクトプリント用の版材などに用いた場合、低分子シロキサン成分が被転写材(ガラス基板やプラスチック基板など)に移行し、シロキサン汚染によるインク材の導電性の低下やバラツキなどを発生させるきらいがあった。
【0003】
そのため、シリコーンゴム成形体から、上記低分子シロキサンを低減させるために、通常、200℃以上の環境で数時間加熱処理を行うことが知られている。しかし、その効果は十分ではなく、特に、分子量が大きい上記低分子シロキサンほど低減されにくいという問題があった。また、シリコーンゴム成形体の形状、使用用途によっては高温に曝しにくいという問題もある。
【0004】
そこで、加熱処理よりも低分子シロキサンの低減効果が大きい方法として、上記低分子シロキサンを溶媒で洗浄・抽出する溶剤抽出法が用いられる。この溶剤抽出法としては、その溶解度パラメーター(以下、「SP値」と略す。)がシリコーンゴムの主成分であるオルガノポリシロキサンのSP値に近く、かつ低沸点である有機溶剤を溶媒として使用する方法が、特許文献1(特公平7−62084号公報)に記載されている。また、オルガノポリシロキサンのSP値に近すぎると、相溶性が良すぎるために、洗浄しようとするシリコーンゴム製品が大きく膨張してしまうことがあるため、SP値が9.3を超えて15.0以下であり、かつ沸点が50〜90℃である有機溶剤を使用する方法が、特許文献2(特開2005−139394号公報)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平7−62084号公報
【特許文献2】特開2005−139394号公報
【0006】
しかしながら、オフセット印刷用のブランケット材やマイクロコンタクトプリント用の版材などでは、シリコーンゴム成形体のバックアップ材として、樹脂フィルムなどに接着固定しているため、有機溶剤に浸漬してしまうとバックアップ材である樹脂フィルムが溶解してしまったり、変形してしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、樹脂フィルムに接着固定されているようなシリコーンゴム成形体もこのバックアップ材を溶解、変形させることなく、効率よく洗浄・抽出を行うことができ、低分子シロキサンを十分に低減させることができるシリコーンゴム成形体の洗浄方法及びこれにより得られるシリコーンゴム成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、シリコーンゴム成形体を50℃での飽和蒸気圧が0.01〜30mmHgである洗浄用オルガノポリシロキサン中に浸漬させて、上記シリコーンゴム成形体が含有するオルガノポリシロキサンの低分子体を低減させることにより、上記の課題を解決したものである。
【0009】
従って、本発明は、下記シリコーンゴム成形体の洗浄方法及びこれによって得られるシリコーンゴム成形体を提供する。
請求項1:
シリコーンゴム成形体を、50℃での飽和蒸気圧が0.01〜30mmHgである洗浄用オルガノポリシロキサン中に浸漬させて、上記シリコーンゴム成形体が含有するオルガノポリシロキサンの低分子体を低減させることを特徴とするシリコーンゴム成形体の洗浄方法。
請求項2:
洗浄用オルガノポリシロキサンが、下記式(2)
【化1】


(式中、R1、R2は同一又は異種の炭素数1〜6の一価炭化水素基、mは3〜8の整数である。)
で示される環状オルガノポリシロキサンである請求項1記載の洗浄方法。
請求項3:
1、R2がメチル基、mが5である請求項2記載の洗浄方法。
請求項4:
シリコーンゴム成形体が、フィルム状又はシート状である請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄方法。
請求項5:
シリコーンゴム成形体に合成樹脂フィルムからなるバックアップ材が接着積層された複合体を洗浄するようにした請求項4記載の洗浄方法。
請求項6:
合成樹脂フィルムが、ポリエチレンナフタレート又はポリエチレンテレフタレートである請求項5記載の洗浄方法。
請求項7:
シリコーンゴム成形体が、オフセット印刷用のブランケット材である請求項1〜6のいずれか1項記載の洗浄方法。
請求項8:
シリコーンゴム成形体が、マイクロコンタクトプリント用の版材である請求項1〜6のいずれか1項記載の洗浄方法。
請求項9:
請求項1〜8のいずれか1項記載の洗浄方法により得られたシリコーンゴム成形体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シリコーンゴム成形体を50℃での飽和蒸気圧が0.01〜30mmHgである洗浄用オルガノポリシロキサン中に浸漬させて、上記シリコーンゴム成形体が含有するオルガノポリシロキサンの低分子体を低減させたシリコーンゴム成形体を得ることができる。また、シリコーンゴム成形体のバックアップ材として樹脂フィルムを用いた場合でも樹脂フィルムの溶解、変形の無いものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明にかかるシリコーンゴム成形体の洗浄方法は、50℃での飽和蒸気圧が0.01〜30mmHgである洗浄用オルガノポリシロキサン中に浸漬させて、上記シリコーンゴム成形体の含有する低分子シロキサンを低減させるものである。
【0012】
シリコーンゴム成形体は、下記式(1)
【化2】


で示されるシロキサン骨格を有するオルガノポリシロキサンをベースポリマーとするオルガのポリシロキサン組成物を硬化することによって得られる。このオルガノポリシロキサンとしては、例えば上記式(1)中におけるRの全てがメチル基であるジメチルポリシロキサンや、Rの一部が他のアルキル基、ビニル基、フェニル基、フルオロアルキル基などの1種又は2種以上の置換基によって置換された各種のオルガノポリシロキサンが挙げられる。これらのオルガノポリシロキサンは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なお、式(1)中、nは通常10以上、好ましくは10〜100,000、更に好ましくは100〜10,000の整数である。
【0013】
上記のオルガノポリシロキサン組成物を架橋(硬化)する方法は、特に限定されるものではなく、従来から公知の方法を用いてよい。例えば、ヒドロシリル基のビニル基への付加反応で架橋する反応、上記オルガノポリシロキサンのメチル基又はビニル基をラジカル反応で架橋する方法、シラノール末端を有するオルガノポリシロキサンと、加水分解可能な官能基を有するシラン化合物との縮合反応で架橋する方法などが挙げられる。
【0014】
より具体的には、上記シリコーンゴム成形体は、付加反応架橋型、ラジカル反応架橋型(有機過酸化物架橋型)、縮合反応架橋型等の各種シリコーンゴム組成物を成形、硬化することによって得られる。付加反応架橋型のシリコーンゴム組成物は、ビニル基等のアルケニル基を一分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンをベースポリマーとし、これに一分子中に2個以上、好ましくは3個以上のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと付加反応触媒として白金族金属系触媒を配合したものが用いられ、有機過酸化物架橋型シリコーンゴム組成物の場合は、ジメチルポリシロキサンやビニル基含有オルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンに架橋剤として有機過酸化物を添加したものが用いられる。縮合反応硬化型シリコーンゴム組成物としては、水酸基又はアルコキシ基を末端に有するオルガノポリシロキサンにアルコキシシラン等の加水分解可能な官能基を有するシラン化合物を配合し、更に必要に応じて縮合触媒を添加したものが用いられる。
【0015】
なお、上記シリコーンゴム組成物には、従来からシリコーンゴム組成物に添加することが知られている添加剤を添加してもよい。この添加剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、石英粉などの酸化ケイ素の他、ケイソウ土、炭酸カルシウム、カーボンブラック、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、酸化鉄などが挙げられる。
【0016】
シリコーンゴム成形体は、上記シリコーンゴム組成物をその架橋系に応じた公知の成形、硬化条件で架橋することによって得られる。この場合、シリコーンゴム成形体は、その形状を制限するものではないが、フィルム状又はシート状であることが望ましい。具体的には、厚みが0.05〜2mmであることが望ましく、0.1〜1mmであることがより望ましい。薄すぎると機械的強度により取り扱い性に問題を生じてしまうことがある。一方、厚すぎると、内部まで完全に洗浄するためにより長い時間を必要とすることになってしまう。また、バックアップ材としてPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどを用い、層間接着剤としてプライマーなどを用いることが一般的である。
【0017】
ここで、上記シリコーンゴム成形体は、低分子シロキサンとして、重合度3〜20の環状又は鎖状のオルガノポリシロキサンを通常数千ppm〜数万ppm含むもので、本発明はかかるシリコーンゴム成形体を洗浄して、上記低分子シロキサンを好ましくは500ppm以下、より好ましくは200ppm以下、特に好ましくは重合度3〜20の低分子シロキサンの各成分の検出限界(各成分の検出限界は10ppm)以下に低減することができるものである。
【0018】
この場合、本発明は、上記シリコーンゴム成形体を液状の洗浄用オルガノポリシロキサンに浸漬して洗浄するが、上記のシリコーンゴム成形体を浸漬させる液状の洗浄用オルガノポリシロキサンは、効率的に洗浄して上記低分子シロキサンの含有量を低減させるために、下記の条件を満たすことが必要である。
上記液状の洗浄用オルガノポリシロキサンは、50℃での飽和蒸気圧が0.01〜30mmHgであることが必要で、好ましくは0.1〜20mmHg、より好ましくは0.5〜7mmHgである。0.01mmHg未満及び30mmHgを超えるオルガノポリシロキサンでは、この洗浄効果が不十分になってしまう。
【0019】
上記のような条件を満たすオルガノポリシロキサンとしては、下記式(2)
【化3】


(式中、R1、R2は、互いに同一又は異種の炭素数1〜6の一価炭化水素基で、アルキル基が好ましく、特にR1、R2共にメチル基であるものが好ましい。mは上記飽和蒸気圧を満足させる数であるが、通常3〜8で、特に4〜6が好ましい。)
で示される環状シロキサンが挙げられ、好ましくはD単位(R12SiO単位)が4〜6個の環状体オルガノポリシロキサンなどが挙げられる。この中でも、特に、取り扱い性がよく、除去が容易である、D単位が5個の環状体オルガノポリシロキサンがより望ましい。これらのオルガノポリシロキサンは重合度の異なる2種類以上が混合したものであってもよいが、それぞれ単独で用いてもよい。
【0020】
上記の洗浄にあたっては、上記シリコーンゴム成形体が上記洗浄用オルガノポリシロキサンに接している状態が保たれていることが必要である。また、洗浄を続けていくと、次第に上記洗浄用オルガノポリシロキサン中に抽出された低分子シロキサンの濃度が高くなり、上記シリコーンゴム成形体内から低分子シロキサンを抽出する効率が低下してくるため、目的にあわせて定期的に上記洗浄用オルガノポリシロキサンを交換することが望ましい。更に、温度が高いと洗浄効果が高いため、状況によっては上記洗浄用オルガノポリシロキサンを加温すると望ましい場合もある。この加温すべき状況とは、例えば、短時間で処理を行いたい場合や、より高い洗浄効果を求める場合等であり、加温する温度範囲は、室温以上で、使用する洗浄用オルガノポリシロキサンの沸点以下であることが望ましい。
【0021】
洗浄する時間は、上記シリコーンゴム成形体の厚みや形状により選択すればよいが、好ましくは1〜72時間、特に2〜48時間程度浸漬することが望ましい。また、上記シリコーンゴム成形体に残留している上記洗浄用オルガノポリシロキサンを除去するため、乾燥工程を行うことが望ましい。この乾燥工程もシリコーンゴム成形体の厚さや形状により選択すればよいが、50〜130℃の環境に10分〜3時間程度置いておくことが望ましい。
【0022】
このように上記洗浄用オルガノポリシロキサンを用いて上記シリコーンゴム成形体を洗浄することによる、上記低分子シロキサンの低減のレベルは、シリコーンゴム成形体の使用目的、使用用途等により適宜選択すればよいが、重合度3〜20の低分子シロキサンの含有量の合計が500ppm以下にすればより望ましく、低分子シロキサンの各成分が検出限界(10ppm)以下まで減少させることができれば最も望ましい。
【0023】
このように上記シリコーンゴム成形体を洗浄して製造された上記シリコーンゴム成形体は、重合度が10以下の低分子シロキサンだけではなく、加熱処理では除去し難い重合度11〜20の低分子シロキサンも十分に低減されているため、電気・電子機器内で用いた際に、接点障害などのシリコーントラブルを起こす危険性が極めて少なくなる。また、オフセット印刷用のブランケット材やマイクロコンタクトプリント用の版材などに用いた場合、低分子シロキサン成分が被転写材(ガラス基板やプラスチック基板など)に移行やシロキサン汚染によるインク材の導電性の低下やバラツキなどを抑制することが可能であり、良好な印刷性を有するオフセット印刷用のブランケット材やマイクロコンタクトプリント用の版材とすることができる。
【0024】
なお、上記低分子シロキサン量の測定は、シリコーンゴム成形体を約2mm3に切断し、アセトン溶媒中にて16時間抽出し、このアセトン溶媒をFIDガスクロマトグラフィーにて測定、同定することにより行うことができる。
【実施例】
【0025】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において部は質量部を示し、粘度はオストワルド粘度計による25℃における粘度である。また、低分子シロキサン量の測定は上記の通りである。
【0026】
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、中間単位がジメチルシロキシ単位である、粘度5,000mm2/sである直鎖状ポリメチルビニルシロキサン100部と、粘度5,000mm2/sであるVi(Me)2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるビニル基含有メチルポリシロキサンレジン40部とをプラネタリーミキサー内において、室温で1時間混合し、シリコーンコンパウンド(1)を得た。
【0027】
[硬化剤の調製]
粘度1,000mm2/sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量=0.2質量%)100部、粘度30mm2/sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(SiH結合水素原子含有量=1.5質量%)3部、塩化白金酸とビニルシロキサンの錯体を軟化点80〜90℃の熱可塑性シリコーン樹脂中に分散して微粒子化した触媒0.3部(本組成物において、触媒中の白金金属が5ppmとなる量である)を均一に混合して、硬化剤(1)を調製した。
【0028】
[硬化物の作製]
シリコーンコンパウンド(1)と硬化剤(1)を混合し、このシリコーンゴム組成物をPETフィルム上に塗布して200mm×150mm×0.5mm厚のシートを作製し、150℃で1時間硬化した。なお、層間接着剤として信越化学工業(株)製プライマーNo.4を使用した。
このシリコーンゴム成形体を信越化学工業(株)製KF−995(D単位が5個の無官能環状体オルガノポリシロキサン)5リットル中に24時間浸漬した後、60℃の通風乾燥機内にて60分間乾燥し、シリコーンゴム成形体を製造した。
このシリコーンゴム成形体の低分子シロキサン含有量をFIDガスクロマトグラフィーにて測定した。結果を表1に示す。
また得られたシリコーンゴム成形体を、オフセット印刷用のブランケット材として用い、L/S:10μmのナノ銀インキをPENフィルム上に印刷し、その印刷性を顕微鏡観察した。結果を表1に示す。
【0029】
[比較例1]
実施例1と同様に、シリコーンコンパウンド(1)と硬化剤(1)を混合し、このシリコーンゴム組成物をPETフィルム上に塗布して200mm×150mm×0.5mm厚のシートを作製し、150℃で1時間硬化した。なお、層間接着剤として信越化学工業(株)製プライマーNo.4を使用した。
このシリコーンゴム成形体をトルエン5リットル中に24時間浸漬した後、60℃の通風乾燥機内にて60分間乾燥し、シリコーンゴム成形体を製造した。しかしながら、回収時にPETフィルムから剥離してしまい、PETフィルムとの一体性が失われてしまった。このため、オフセット印刷用のブランケット材として用いることができなかったが、残存したシリコーンゴム成形体の低分子シロキサン含有量をFIDガスクロマトグラフィーにて測定した。結果を表1に示す。
【0030】
[比較例2]
実施例1と同様に、シリコーンコンパウンド(1)と硬化剤(1)を混合し、このシリコーンゴム組成物をPETフィルム上に塗布して200mm×150mm×0.5mm厚のシートを作製し、150℃で1時間硬化した。なお、層間接着剤として信越化学工業(株)製プライマーNo.4を使用した。
このシリコーンゴム成形体を低分子シロキサン洗浄を実施せず、低分子シロキサン含有量をFIDガスクロマトグラフィーにて測定した。結果を表1に示す。
また得られたシリコーンゴム成形体を、オフセット印刷用のブランケット材として用い、L/S:10μmのナノ銀インキをPENフィルム上に印刷し、その印刷性を顕微鏡観察した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンゴム成形体を、50℃での飽和蒸気圧が0.01〜30mmHgである洗浄用オルガノポリシロキサン中に浸漬させて、上記シリコーンゴム成形体が含有するオルガノポリシロキサンの低分子体を低減させることを特徴とするシリコーンゴム成形体の洗浄方法。
【請求項2】
洗浄用オルガノポリシロキサンが、下記式(2)
【化1】


(式中、R1、R2は同一又は異種の炭素数1〜6の一価炭化水素基、mは3〜8の整数である。)
で示される環状オルガノポリシロキサンである請求項1記載の洗浄方法。
【請求項3】
1、R2がメチル基、mが5である請求項2記載の洗浄方法。
【請求項4】
シリコーンゴム成形体が、フィルム状又はシート状である請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄方法。
【請求項5】
シリコーンゴム成形体に合成樹脂フィルムからなるバックアップ材が接着積層された複合体を洗浄するようにした請求項4記載の洗浄方法。
【請求項6】
合成樹脂フィルムが、ポリエチレンナフタレート又はポリエチレンテレフタレートである請求項5記載の洗浄方法。
【請求項7】
シリコーンゴム成形体が、オフセット印刷用のブランケット材である請求項1〜6のいずれか1項記載の洗浄方法。
【請求項8】
シリコーンゴム成形体が、マイクロコンタクトプリント用の版材である請求項1〜6のいずれか1項記載の洗浄方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の洗浄方法により得られたシリコーンゴム成形体。

【公開番号】特開2011−219687(P2011−219687A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92770(P2010−92770)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】