説明

シリコーンポリエーテルの製造方法

【課題】向上した品質のシリコーンポリエーテルを製造するための方法を提供する。
【解決手段】(A)少なくとも1つの末端不飽和脂肪族炭化水素基を有し、かつ50ppm未満のアルカリ金属含量を有するポリエーテルと、(B)0.005未満の酸価を有するオルガノハイドロジェンシロキサンとを、ヒドロシリル化反応によって反応させることによりシリコーンポリエーテルを製造するための方法を開示する。この方法は、連続法によって、改良された品質のシリコーンポリエーテルを製造するために特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、35 U.S.C. §119(e)に基づき、2006年3月31日に出願した米国特許出願第60/788085号の利益を主張する。
〔技術分野〕
本発明は、シリコーンポリエーテルの製造方法に関する。本方法は、改良された品質のシリコーンポリエーテル、例えば、1モル%未満の-SiOC-量を有するものを調製するために有用であり、特に、連続法に用いる場合に有用である。
【背景技術】
【0002】
〔背景〕
シリコーンポリエーテル(SPE)は、様々な界面活性剤用途、例えば、ポリウレタンフォームの製造において、及びパーソナルケア製品中の成分として、広く用いられている。SPEは、典型的には、ペンダント型ポリオキシアルキレン基を有するポリオルガノシロキサンのコポリマー構造に基づいている。最も一般的には、このシリコーンポリエーテルのコポリマー構造は、「くま手(レーキ)」型であり、主たる直鎖状ポリオルガノシロキサンがコポリマー構造の「骨格」を提供し、その骨格に「レーキ」を形成するペンダントポリオキシアルキレン基がついている。「ABA」構造も一般的であり、この場合はペンダントポリオキシアルキレン基は、直鎖状ポリオルガノシロキサンの各分子末端に存在する。(AB)シリコーンポリエーテルブロックコポリマーも公知である。
【0003】
商業的には、シリコーンポリエーテル類は、典型的には、大きなバッチ式反応器中での白金触媒ヒドロシリル化反応によって作られる。商業的に使用されるシリコーンポリエーテル類は大量なので、それらの製造のための連続法が望まれる。しかし、連続法によってシリコーンポリエーテル類を製造する試みは、ヒドロシリル化反応の機構の複雑さのために制限されていた。特に、連続法によるシリコーンポリエーテル類の製造は、同様のバッチ反応に対し、特にその方法が溶媒なしで行われる場合には、加水分解性-Si-O-C-結合の、より多量の生成をしばしばもたらす。典型的には、多量のモル過剰の不飽和ポリエーテルが、そのようなヒドロシリル化反応において必要とされる。未反応の不飽和ポリエーテル出発物質からシリコーンポリエーテル生成物を分離することはできないので、生成物の品質及び性能は特定の用途には制限される。したがって、連続処理法のために適したシリコーンポリエーテル製造法を特定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,987,157号明細書
【特許文献2】米国特許第3,159,601号明細書
【特許文献3】米国特許第3,220,972号明細書
【特許文献4】米国特許第3,296,291号明細書
【特許文献5】米国特許第3,419,593号明細書
【特許文献6】米国特許第3,516,946号明細書
【特許文献7】米国特許第3,814,730号明細書
【特許文献8】米国特許第3,989,668号明細書
【特許文献9】米国特許第4,784,879号明細書
【特許文献10】米国特許第5,036,117号明細書
【特許文献11】米国特許第5,175,325号明細書
【特許文献12】欧州特許第0347895号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、向上した品質のシリコーンポリエーテルを製造するための方法を発見した。特に、本発明の方法は、より少ない加水分解性Si-O-C結合を有するシリコーンポリエーテルを生成する。本発明の方法は、連続ヒドロシリル化法によってシリコーンポリエーテルを調製するために特に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
(A)少なくとも1つの末端不飽和脂肪族炭化水素基を有し、かつ50ppm未満のアルカリ金属含量を有するポリエーテルと、
(B)0.005未満の酸価を有するオルガノハイドロジェンシロキサンとを、
ヒドロシリル化反応によって反応させるステップを含む、シリコーンポリエーテルの製造方法に関する。
【0007】
本発明の方法は、改良された品質のシリコーンポリエーテルを連続法によって製造するために特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔詳細な説明〕
A)ポリエーテル
【0009】
本発明の成分A)は、少なくとも1つの末端不飽和脂肪族炭化水素基を有し、かつ50ppm未満アルカリ金属含有量を有するポリエーテルである。本明細書で用いるように、「ポリエーテル」は、式-(CnH2nO)-(式中、nは2〜4である。)によって表されるポリオキシアルキレンコポリマーを示す。このポリオキシアルキレンコポリマー単位は、典型的には、オキシエチレン単位-(C2H4O)-、オキシプロピレン単位-(C3H6O)-、オキシブチレン単位-(C4H8O)-、又はそれらの混合単位を含むことができる。このオキシアルキレン単位は、どのようなやり方で配置されていてもよく、ブロック又はランダムコポリマー構造のいずれかを形成できるが、典型的にはランダムコポリマー基を形成する。典型的には、このポリオキシアルキレンは、オキシエチレン単位(C2H4O)及びオキシプロピレン単位(C3H6O)の両方をランダムコポリマー中に含む。
【0010】
ポリエーテル(A)は、下記平均式:
O(C2nO)・・・式I
[式中、nは2〜4(両端値を含めて)であり、
mは2より大きく、
は、2〜12の炭素原子を含む一価の末端不飽和脂肪族炭化水素基であり、
は、R、水素、アセチル基、又は1〜8の炭素原子を含む一価の炭化水素基である。]
を有するものから選択してよい。
【0011】
上記式I中、ポリエーテルは、1つの末端を、2〜12の炭素原子を含む不飽和脂肪族炭化水素基、例えば、アルケニルもしくはアルキニル基で封止されている。このアルケニル基の代表的な非限定的な例は以下の構造によって表される;H2C=CH-、H2C=CHCH2-、H2C=C(CH3)CH2-、H2C=CC(CH3)2-、H2C=CHCH2CH2-、H2C=CHCH2CH2CH2-、及びH2C=CHCH2CH2CH2CH2-。
アルキニル基の代表的な非限定的な例は以下の構造によって示される;HC≡C-、HC≡CCH2-、HC≡CC(CH3)-、HC≡CC(CH3)2-、HC≡CC(CH3)2CH2-。
このポリエーテルは、R=Rの場合、各末端に不飽和脂肪族炭化水素基を含むこともできて、オルガノハイドロジェンシロキサンが少なくとも2つのSiH単位、特に末端SiH単位を含む場合は、(AB)タイプのシリコーンポリエーテルの形成をもたらす。
【0012】
分子末端に不飽和脂肪族炭化水素基を有するポリエーテルは当分野で公知であり、多くのものが市販されている。アルケニル末端基を有し、成分(A)として有用なポリエーテルの代表的な非限定的な例には以下のものが含まれる;
H2C=CHCH2O(C2H4O)aH
H2C=CHCH2O(C2H4O)aCH3
H2C=CHCH2O(C2H4O)aC(O)CH3
H2C=CHCH2O(C2H4O)a(C3H6O)bH
H2C=CHCH2O(C2H4O)a(C3H6O)bCH3
H2C=CHCH2O(C2H4O)aC(O)CH3
H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)aH
H2C=CC(CH3)2O(C2H4O)aH
H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)aCH3
H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)aC(O)CH3
H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)a(C3H6O)bH
H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)a(C3H6O)bCH3
H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)aC(O)CH3
HC≡CCH2O(C2H4O)aH
HC≡CCH2O(C2H4O)aCH3
HC≡CCH2O(C2H4O)a C(O)CH3
HC≡CCH2O(C2H4O)a (C3H6O)bH
HC≡CCH2O(C2H4O)a (C3H6O)bCH3
HC≡CCH2O(C2H4O)a C(O)CH3
上記式中、a及びbは0より大きく、あるいはa及びbは独立して0〜40の範囲であってよく、但し、a+b>0である。
【0013】
上記ポリエーテルは、ポリエーテルの開示について、参照により本願に援用する米国特許第6,987,157号明細書に記載されているポリエーテルから選択することもできる。
【0014】
ポリエーテル(A)は、50ppm未満、あるいは10ppm未満、あるいは5ppm未満、のアルカリ金属含有量でなければならない。本明細書で用いるように「ppm」は、質量を基準にした100万分の1部を意味する。
【0015】
ポリエーテル(例えば成分(A)として有用であるポリエーテル)は、アルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシド、の塩基触媒重合によって典型的には調製される。一般に、この塩基触媒は、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。アルカリ金属は、得られたポリエーテル生成物中にしばしば残存する。しかし、そのような生成物に対して残存アルカリ金属を除去するための手法が、当分野で公知である。あるいは、非アルカリ金属系触媒も当分野で公知である。したがって、ポリエーテル(A)は、質量で50ppm(100万分の1部)未満のアルカリ金属濃度を有する任意のポリエーテルであってよい。アルカリ金属のそのようなレベルは、当分野で公知の任意の方法によって、50ppmより高いアルカリ金属濃度を有するポリエーテルからアルカリ金属を除去することによって達成されうる。あるいは、ポリエーテル(A)は、アルカリ金属の量をさらに大きくすることなく又は最小限にする方法によって調製して、アルカリ金属の最終濃度が50ppm未満となるようにしてもよい。アルカリ金属含有量は、当分野で公知の任意の分析法又は分析手法によって測定できる。
【0016】
B)オルガノハイドロジェンシロキサン
【0017】
本発明の成分B)は、オルガノハイドロジェンシロキサンである。本明細書で用いるように「有機ハイドロジェンシロキサン」は、1分子当たり少なくとも1つの、ケイ素に結合した水素(SiH)を含む、任意のオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンは当分野で周知であり、(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)、(SiO2)(式中、Rは独立して有機基又は炭化水素基である)のシロキシ単位の任意の数あるいは組み合わせを含むものとしてしばしば特定される。オルガノポリシロキサンの(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)のRがメチルである場合は、このシロキシ単位はしばしば、それぞれM、D、及びT単位として示され、一方、(SiO2)シロキシ単位はQ単位として示される。オルガノハイドロジェンシロキサンは類似した構造をもっているが、シロキシ単位上に存在する少なくとも1つのSiHを有する。したがって、オルガノハイドロジェンシロキサン中のメチル系シロキシ単位は、「M」シロキシ単位(R2HSiO0.5)、「D」シロキシ単位(RHSiO)、「T」シロキシ単位(HSiO1.5)を含むものとして表すことができる。本発明において有用なオルガノハイドロジェンシロキサンは、少なくとも1つのシロキシ単位がSiHを含むことを条件として、任意の数のM、M、D、D、T、T、又はQシロキシ単位を含むことができる。
【0018】
上記オルガノハイドロジェンシロキサンは、以下の平均式のシロキシ単位を含むオルガノポリシロキサンから選択してよい;
(R2HSiO0.5)(SiO2)w(R2HSiO0.5)
(R2HSiO0.5)(SiO2)w(R2SiO)x(R2HSiO0.5)
(R2HSiO0.5)(R2SiO)x(R2HSiO0.5)
(R3SiO0.5) (R2SiO)x (RHSiO)y(R3SiO0.5)
(R3SiO0.5) (R2SiO)x (HRSiO)y(RSiO1.5)z(R3SiO0.5)
(R3SiO0.5) (R2SiO)x (RHSiO)y(SiO2)w(R3SiO0.5)、
式中、Rは有機基であり、
あるいは、Rは1〜30の炭素を有する炭化水素基であり、
あるいは、Rは1〜30の炭素を有するアルキル基であり、
あるいは、Rはメチル基であり、
かつ、
w≧0、x≧0、y≧1、及びz≧0である。
【0019】
本発明の1つの態様では、オルガノハイドロジェンシロキサンは、下記式を有するジメチルメチルハイドロジェンポリシロキサンから選択されてよい;
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]x[(CH3)HSiO]ySi(CH3)3、又は
(CH3)2HSiO[(CH3)2SiO]xSiH(CH3)2
式中、x≧0、あるいはx=1〜500、あるいはx=1〜200であり、かつ
y≧1、あるいはy=1〜100、あるいはy=1〜50である。
【0020】
オルガノハイドロジェンシロキサンの調製方法は周知であり、多くのものが市販されている。オルガノハイドロジェンシロキサンは、典型的には、SiH含有シロキサンとその他のシロキサン、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンのようなシクロシロキサン類との酸触媒平衡化によって調製される。この平衡反応に用いる酸触媒は、平衡反応が完了したら「中和」される。
【0021】
本発明に適したオルガノハイドロジェンシロキサンは、0.005未満の酸価を有する。「酸価」は、オルガノハイドロジェンシロキサン1g当たりの酸性種を中和するために必要なKOHの質量(mg単位)として定義され、滴定法によって測定される。オルガノハイドロジェンシロキサンの酸価は、わかっている規定度の標準NaOH溶液を用いて、水性ピリジン溶液中でオルガノハイドロジェンシロキサンを滴定することによって測定される。終点は、指示薬の添加により、あるいは電位差滴定法によって、測定される。酸価は以下の計算式によって決定される;
【0022】
【数1】

【0023】
そのような滴定法は当分野で周知である。一つの代表的な非限定的な例は、DowCorning社の企業試験法-CTM 0756(DowCorning社、ミッドランド、MI 48686)である。
【0024】
典型的には、成分B)として適したオルガノハイドロジェンシロキサンは、酸価が0.005未満となるような方法で調製されるか、あるいは、製造後に後処理をして、酸価が0.005未満まで確実に低下するようにする。そのような後処理は、典型的には、オルガノハイドロジェンシロキサンを、塩基、例えば固体の重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、そのような塩基の水溶液、又はアンモニアなどの塩基性ガスと接触させることによって行われる。オルガノハイドロジェンシロキサンは、その他の固体物質、たとえば、充填床反応器中のイオン交換樹脂、又は固体炭素などとさらに接触させて、酸価を一層より低い値にさらに低減することができる。典型的には、オルガノハイドロジェンシロキサンは、参照により本願に援用する米国特許出願第60/683,754号に記載されているように炭素と接触させられる。
【0025】
本発明の成分B)として有用なオルガノハイドロジェンシロキサンは、0.005未満、あるいは0.003、あるいは0.0015未満の酸価を有する。
【0026】
本発明の1つの態様では、オルガノハイドロジェンシロキサンは、0.0015未満の酸価を有し、かつヒドロシリル化反応は連続法として行う。
【0027】
〔ヒドロシリル化反応〕
【0028】
成分A)及びB)は、ヒドロシリル化反応によって反応させる。ヒドロシリル化反応は当分野で公知であり、適切な触媒の添加を必要とする。本発明で用いるための適切なヒドロシリル化触媒は、当分野で公知であり、多くのものが市販されている。最も一般的には、ヒドロシリル化触媒は白金族の金属であり、反応原料A)及びB)の重量を基準にして0.1〜1000ppmの量で、あるいは白金族の金属1〜100ppmの量で添加される。ヒドロシリル化触媒は白金族の金属を含んでよく、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、もしくはイリジウム金属、又はそれらの有機金属化合物、あるいはそれらの組み合わせから選択されてよい。ヒドロシリル化触媒は、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、二塩化白金、及びそれらの化合物と低分子量オルガノポリシロキサンとの錯体、又はマトリクスもしくはコアシェル型構造中にマイクロカプセル化された白金化合物によって例示される。低分子量オルガノポリシロキサンと白金との錯体には、白金との1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体類が含まれる。これらの錯体は、樹脂マトリクス中にマイクロカプセル化してもよい。
【0029】
適切なヒドロシリル化触媒は、例えば、米国特許第3,159,601号;同3,220,972号;同3,296,291号;同3,419,593号;同3,516,946号;同3,814,730号;同3,989,668号;同4,784,879号;同5,036,117号;同5,175,325号;及び欧州特許第0347895号B1明細書に記載されている。
【0030】
ヒドロシリル化反応は、希釈なし、あるいは溶媒の存在下で行うことができる。溶媒は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn-プロパノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン);脂肪族炭化水素(例えば、ヘプタン、ヘキサン、又はオクタン);グリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、又はエチレングリコールn-ブチルエーテル)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタンあるいはメチレンクロライド、クロロホルム)、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、揮発油、ミネラルスピリット、又はナフサ、であることができる。
【0031】
溶媒の量は、たかだか50質量%までであることができるが、典型的には5〜25質量%であり、その質量%はヒドロシリル化反応の成分の合計質量を基準にしている。ヒドロシリル化に用いられる溶媒は、様々な公知の方法によって、得られた反応生成物の混合物から次に除去できる。典型的には、これには、減圧下で反応混合物を加熱して、揮発溶媒を集めることが含まれる。
【0032】
ヒドロシリル化反応に用いられる成分A)及びB)の量は変えることができ、典型的には、用いる量は、成分A)中の全不飽和基と、成分B)のSiH含有量とのモル比で表される。典型的には、ヒドロシリル化反応は、SiHに対してわずかなモル過剰の全不飽和基で行い、ヒドロシリル化反応においてSiHの完全な消費を確実にする。典型的には、このヒドロシリル化反応は、オルガノハイドロジェンシロキサンのSiHモル量に対して、20モル%、あるいは10モル%、あるいは5モル%、あるいは1モル%過剰のポリエーテル不飽和基量を用いて行う。
【0033】
一つの態様では、ヒドロシリル化反応は、オルガノハイドロジェンシロキサンのSiHの99.5モル%より多くがヒドロシリル化反応で反応するように行う。残存するSiH含有量は、SiH含有量を測定するために当分野で用いられる任意の分析手法、例えば、フーリエ変換赤外(FTIR)、及びSi29NMR法、によって測定できる。あるいは、ヒドロシリル化反応は、オルガノハイドロジェンシロキサンのSiHの99.9モル%より多くがヒドロシリル化反応で反応するように行う。あるいは、このヒドロシリル化反応は、Si29NMR法によってSiH含有量が全く検出されないように行う。
【0034】
ヒドロシリル化は、公知の任意のバッチ法、半連続法、又は連続法において行うことができる。一つの態様では、ヒドロシリル化反応は、プラグフロー反応器を用いた連続法で行う。
【0035】
本明細書に開示した本発明の方法は、「レーキ型」、ABA、及び(AB)構造を含めた、様々なタイプのシリコーンポリエーテル構造を調製するために用いることができる。
【実施例】
【0036】
〔実施例〕
これらの実施例は当業者に本発明を説明することを意図するものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。全ての測定は他に示されていないかぎり、23℃で行った。
【0037】
[原料]
これらの実施例で調製した代表的シリコーンポリエーテルは以下の原料を利用した。
【0038】
アリルポリエーテル − これは一つの末端にアリル基を、他の末端にOHを有し、平均M=550g/モルを有する、ポリオキシエチレン(-CH2CH2O-)ポリマーである。
【0039】
シロキサン − これは、M、D、及びDシロキサン中間体の酸触媒平衡化によって製造した、平均構造M−D3.5−Mのオルガノハイドロジェンシロキサンである。このオルガノハイドロジェンシロキサンの酸価は、Corporate Test Method #0756(DowCorning社、ミッドランド MI)によって測定した。
【0040】
[方法]
これらの実施例で調製した代表的シリコーンポリエーテルは、以下の3つの方法の一つを利用した。
【0041】
方法1:
215.0gのアリルポリエーテルと、85.0gのシロキサンを、500mLの丸底フラスコに入れた。この系を閉じ、連続的に窒素を流して不活性化した。2インチ(5cm)の撹拌翼で400rpmにて撹拌した。室温(23±3℃)で、イソプロパノール中2質量%Ptに希釈したPtヒドロシリル化触媒を含む溶液75μlを添加した(反応剤1g当たり8μgのPt)。電気マントルヒーターによって一定速度でフラスコに熱を供給した。80℃に達したらすぐに、熱源を切り、時間計測を始めた。マントルはフラスコに取り付けたままにした。フラスコの温度とフラスコ内容物の外観を観察した。発熱化学反応の速度が、フラスコ内容物の温度上昇速度を決める。反応が進んで完了した場合、フラスコ内容物は、その外観が、乳白色から半透明な白〜透明無色〜琥珀色に変化する。80℃でスイッチを切ったときから、透明で無色の外観になるまでにかかった時間を記録した。この値を「透明化時間(clearing time)」という。透明で無色の外観は、>95%の反応転化率を達成し、したがって、反応が非常に終了に近いことを示す信頼できる指標である。透明な外観が最初に観察された後、5〜20分間、フラスコ内容物をその最高温度に保つようにさせた。空気にフラスコ内容物を曝す前に、70℃未満に冷却した。
【0042】
方法2:
716.7gのアリルポリエーテルと283.3gのシロキサンを、2リットルの反応熱量計(Mettler Toledo Model RC1)に仕込んだ。等温モードで、窒素雰囲気下で、かつ1000rpmの撹拌速度で、反応器内容物を90℃に加熱した。イソプロパノール中に2質量%のPtに希釈したPtヒドロシリル化触媒を含む0.25mlの溶液を添加した(反応物1g当たり8μgのPt)。触媒を添加すると、発熱反応が始まった。熱量計はプラスマイナス1℃の等温に温度を制御できると同時に、発熱化学反応によって放出される熱エネルギーを連続的に測定することができる。熱発生速度は反応速度に比例し、かつ、キロジュール対時間、又は転化率対時間のいずれかとしてプロットされる。発熱が終了したことが観察されたとき、反応内容物をさらに15分間温度を保ち、次に空気に曝す前に70℃未満まで冷やした。
【0043】
方法3:
未反応物質の相分離を防止するために充分な物質移動をもたらす連続プラグフロー反応器システムをこの方法に用いた。アリルポリエーテル(これは触媒と予備混合できる)又は触媒は、反応器に直接フィードでき、かつシロキサンは反応器の第一ステージに同時にフィードする。フィード流のいずれも予備加熱してもよい。ポリエーテルの質量流量(マスフロー)とシロキサン質量流量との比は、必要とされる生成物の構造によって決定される。反応原料は、戻り混合を防止する特別に設計された各段仕切り板を通って複数段の間を通過する。最終段からの排出物は冷却器を通る。触媒は、イソプロパノール中に2質量%Ptに希釈した中性Ptヒドロシリル化触媒(例えば、Karstedt触媒)からなり、反応原料1g当たり2〜8μg(ppm)のPt濃度を供給するようにフィードできる。得られた生成物は粘度及び曇点によって評価する。反応完結の程度は、SiH転化率で評価して>99%である。
【0044】
[例1(比較例)]
200ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(DowChemical AE501)と0.001mgKOH/g未満の酸当量(酸価)をもつシロキサンとを用い、方法1を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。反応内容物は92〜94℃の最高温度に達し、次に室温に冷却したが反応完結に達しなかった。反応を100〜105℃で行った場合は、Si29NMRによって5〜10モル%のSiOC不純物と50〜70℃の曇点をもつ生成物が得られた。粘度は400±150cS(mm/s)だった。生成物は低い曇点のために許容できなかった。
【0045】
[例2]
1.2ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(Sanyo TG 501)と、0.001未満の酸価をもつシロキサンとを用い、方法1を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは、120〜130℃の最高温度に達する反応をもたらした。この試験で透明になる時間は5分だった。生成物はSi29NMRによる検出可能なSiOC不純物を含まず、曇点は90℃を超えていた。粘度は300±15cS(mm/s)だった。
【0046】
[例3]
5.0ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(Dow SF501 MgSil)と0.001未満の酸価をもつシロキサンとを用い、方法1を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは126℃の最高温度に達した。この試験で透明になる時間は10.5分だった。生成物はSi29NMRによって検出可能なSiOC不純物を含まず、90℃を超える曇点を示した。この生成物のテトラシクロシロキサン含有量は3〜4モル%だった。
【0047】
[例4(比較例)]
1.2ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(Sanyo TG 501)、0.001未満の酸価をもつシロキサン、及び0.004gの酢酸ナトリウムを用い、方法1を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは、11分の透明化時間をもち、126℃の最高温度に達する反応をもたらした。これは、反応速度が酢酸ナトリウムの添加によって遅くなったことを示す。
【0048】
[例5(比較例)]
1.2ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(Sanyo TG 501)、0.001未満の酸価をもつシロキサン、及び0.0046gの酢酸カリウムを用い、方法1を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは、18分の透明化時間をもち、116℃の最高温度に達する反応をもたらした。これは、反応速度が酢酸カリウムの添加によって遅くなったことを示す。
【0049】
[例6]
5.0ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(Dow chemical SF501 MgSil)と0.001mgKOH/g未満の酸当量(酸価)をもつシロキサンとを用い、方法2を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これらの条件は、40ジュール/秒の熱発生最高速度と、80分の反応時間をもたらした。
【0050】
[例7]
1.2ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(Sanyo TG 501)、及び0.001未満の酸価をもつシロキサンを用い、方法2を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これらの条件は、180ジュール/秒の熱発生最高速度と、15分の反応時間をもたらした。
【0051】
[例8]
1.2ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(Sanyo TG 501)、及び0.001未満の酸価をもつシロキサンを用い、方法1を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは128℃の最高温度に達した。この試験に対する透明化時間は2.5分だった(酸なしのベースラインよりも速い)。生成物はSi29NMRによって検出可能なSiOC不純物を含み、1000cS(mm/s)より大きな粘度をもっていた。
【0052】
[例9(比較例)]
200ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(Dow AE501)、0.001未満の酸価をもつシロキサン、及び反応原料1g当たり20〜100μgの酢酸を用い、方法1を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。この反応は、反応を完了させるために延長した熱入力を必要とし、Si29NMRによる3〜5モル%のSiOC不純物を含む生成物を生じ、80℃より高い曇点をもっていた。粘度は300dS(mm/s)だった。このことは、酢酸が副反応を抑えるが、反応はNaの存在によってなおかなり遅いことを示している。
【0053】
[例10]
1ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル(Dow AE501イオン交換)、及び0.001未満の酸価をもつシロキサンを用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。反応温度はプロセスステージを通して100〜120℃より高く制御した。このシリコーンポリエーテルは、例2と同じ特性をもっていた。
【0054】
[例11]
120〜130℃の最高温度に達する反応を用いて、方法1を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。1ppmの残存Kを含むアリルポリエーテルと、約0.003の酸価をもつシロキサンは、>600cS(mm/s)の粘度の生成物をもたらした。
【0055】
[例12]
1.5ppmの残存Naを含むアリルポリエーテルと、約0.003の酸価をもつシロキサンとを用い、方法1を使ってシリコーンポリエーテルを調製し、120〜130℃の最高温度に達する反応をもたらした。得られた生成物の粘度は、約330cS(mm/s)である。
【0056】
[例13]
1ppmの残存Kを含むアリルポリエーテル、約0.003の酸価をもつシロキサン、及び8ppmのPt濃度を用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。反応器滞留時間は40分だった。プロセスステージを通して制御した最高反応温度は100〜120℃だった。得られた生成物は、>99%のSiH転化率で、1057cS(mm/s)の粘度と、曇点77.2℃をもっていた。
【0057】
[例14]
1ppmの残存Kを含むアリルポリエーテル、0.002の酸価をもつシロキサン、及び8ppmのPt濃度を用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。反応器滞留時間は20分だった。プロセスステージを通して制御した最高反応温度は100〜120℃だった。得られた生成物は、>99.5%のSiH転化率で、503cS(mm/s)の粘度と、曇点86℃をもっていた。
【0058】
[例15]
1ppmの残存Kを含むアリルポリエーテル、0.001未満の酸価をもつシロキサン、及び4ppmのPt濃度を用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは20分の反応器滞留時間で、120〜130℃の最高温度に達する反応をもたらした。>99.5%のSiH転化率で、得られた生成物の粘度は254cS(mm/s)であり、100℃の曇点だった。
【0059】
[例16]
2.5ppmの残存Kを含むアリルポリエーテル、0.001未満の酸価をもつシロキサン、及び4ppmのPt濃度を用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは40分の反応器滞留時間で、120〜130℃の最高温度に達する反応をもたらした。>99.5%のSiH転化率で、得られた生成物の粘度は256cS(mm/s)であり、100℃の曇点をもっていた。
【0060】
[例17]
約2.5ppmの残存Kを含むアリルポリエーテル、0.0015の酸価をもつシロキサン、及び4ppmのPt濃度を用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは40分の反応器滞留時間で、120〜130℃の最高温度に達する反応をもたらした。>99.5%のSiH転化率で、得られた生成物の粘度は256cS(mm/s)であり、100℃の曇点をもっていた。
【0061】
[例18]
約2.5ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル、0.001未満の酸価をもつシロキサン、及び4ppmのPt濃度を用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは40分の反応器滞留時間で、120〜130℃の最高温度に達する反応をもたらした。>99.5%のSiH転化率で、得られた生成物の粘度は258cS(mm/s)であり、100℃の曇点をもっていた。
【0062】
[例19]
約2.5ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル、約0.0015の酸価をもつシロキサン、及び4ppmのPt濃度を用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは20分の反応器滞留時間で、120〜130℃の最高温度に達する反応をもたらした。>99.5%のSiH転化率で、得られた生成物の粘度は258cS(mm/s)であり、100℃の曇点をもっていた。
【0063】
[例20]
1ppmの残存Kを含むアリルポリエーテル、0.001未満の酸価をもつシロキサン、及び2ppmのPt濃度を用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは20分の反応器滞留時間で、120〜130℃の最高温度に達する反応をもたらした。>99.5%のSiH転化率で、得られた生成物の粘度は261cS(mm/s)であり、100℃の曇点をもっていた。
【0064】
[例21]
0.71ppmの残存Naを含むアリルポリエーテル、0.001未満の酸価をもつシロキサン、及び2ppmのPt濃度を用い、方法3を使ってシリコーンポリエーテルを調製した。これは40分の反応器滞留時間で、120〜130℃の最高温度に達する反応をもたらした。>99.5%のSiH転化率で、得られた生成物の粘度は277cS(mm/s)であり、100℃の曇点をもっていた。
【0065】
[例22]
方法1を用いてシリコーンポリエーテルを調製した。反応原料は、166.0gのポリエーテルDow Chemical Co. SF501と、平均構造M-D93-M及び0.001未満の酸価をもつシロキサン184.0gだった。これは118℃の最高温度に達する反応をもたらした。この試験の透明化時間は3分だった。生成物は、Si29NMRによって検出可能なSiOC不純物を全く含まなかった。この反応は、SiH測定に基づいて>99%完結していた。粘度は3600cS(mm/s)だった。
【0066】
[例23]
方法1を用いてシリコーンポリエーテルを調製した。反応原料は、163.1gのポリエーテルDow Chemical Co. SF501と、平均構造M-13-M及び0.001未満の酸価をもつシロキサン136.9gだった。これは105℃の最高温度に達する反応をもたらした。この試験の透明化時間は2分だった。生成物は、Si29NMRによって検出可能なSiOC不純物を全く含まなかった。この反応は、SiH測定に基づいて>99%完結していた。粘度は285cS(mm/s)だった。
【0067】
[例24]
方法1を用いてシリコーンポリエーテルを調製した。反応原料は、1分子当たり平均7つのエチレンオキシ単位を含み、Mw=400g/モルのポリエーテル(Dow Chemical Co. SF400)194.4gと、平均構造M-D3.5-Mと0.001未満の酸価をもつシロキサン105.6gだった。これは135℃の最高温度に達する反応をもたらした。この試験の透明化時間は5分だった。生成物は、Si29NMRによって検出可能なSiOC不純物を全く含まなかった。この反応は、SiH測定に基づいて>99%完結していた。粘度は200cS(mm/s)だった。ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した多分散度(M/M)は1.3だった。
【0068】
[例25]
方法1を用いてシリコーンポリエーテルを調製した。ポリエーテル1は、1分子当たり平均で18のエチレンオキシ単位及び18のプロピレンオキシ単位と、アセテート末端基とを含んでいた。ポリエーテル2は、1分子当たり平均で12のエチレンオキシ単位を含み、プロピレンオキシ単位を含まず、アセテート末端基を含んでいた。反応原料は、206gのポリエーテル1、51.6gのポリエーテル2、及び平均構造M-D16923-Mと0.001未満の酸価をもつシロキサン42.4gだった。これは105℃の最高温度に達する反応をもたらした。この試験の透明化時間は4分だった。この反応は、SiH測定に基づいて>98%完結していた。粘度は900cS(mm/s)だった。ポリウレタンフォーム用途の手順によって試験した界面活性効果は、アルカリ含有原料と溶媒を含む標準的手法を用いて作った生成物と等価だった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1モル%未満の-SiOC-含有量を有するシリコーンポリエーテルの製造方法であって、
(A)少なくとも1つの末端不飽和脂肪族炭化水素基を有し、かつ50ppm未満のアルカリ金属含量を有するポリエーテルと、
(B)0.005未満の酸価を有するオルガノハイドロジェンシロキサンとを、
ヒドロシリル化反応によって反応させるステップを含む、方法。
【請求項2】
前記ポリエーテル(A)が、下記平均式:
O(C2nO)
[式中、nは2〜4(両端値を含めて)であり、
mは2より大きく、
は、不飽和脂肪族炭化水素基であり、
は、R、水素、アセチル基、又は1〜8の炭素原子を含む一価の炭化水素基である。]
を有する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
n=2、Rはアリル基であり、Rは水素である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記オルガノハイドロジェンシロキサンが、以下の平均式:
(R2HSiO0.5)(SiO2)w(R2HSiO0.5)
(R2HSiO0.5)(SiO2)w(R2SiO)x(R2HSiO0.5)
(R2HSiO0.5)(R2SiO)x(R2HSiO0.5)
(R3SiO0.5) (R2SiO)x(RHSiO)y(R3SiO0.5)
(R3SiO0.5) (R2SiO)x(HRSiO)y(RSiO1.5)z(R3SiO0.5)
(R3SiO0.5) (R2SiO)x(RHSiO)y(SiO2)w(R3SiO0.5)
[式中、Rは有機基であり、
w≧0、x≧0、y≧1、及びz≧0である。]
を含むオルガノポリシロキサンから選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記オルガノハイドロジェンシロキサンが、下記式:
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]x[(CH3)HSiO]ySi(CH3)3、又は
(CH3)2HSiO[(CH3)2SiO]xSiH(CH3)2
[式中、x≧0、かつy≧2である。]
を有するジメチルメチルハイドロジェンポリシロキサンである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ヒドロシリル化反応が白金化合物によって触媒される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記オルガノハイドロジェンシロキサンB)のSiH含量に対するポリエーテルA)の不飽和基のモル比が1より大きい、請求項1又は6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ポリエーテルA)が下記式:
H2C=CHCH2O(C2H4O)aH
(式中、aは2より大きい。)
を有し、かつ、オルガノハイドロジェンシロキサンB)が下記式:
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]x[(CH3)HSiO]ySi(CH3)3
(式中、x≧0、かつy≧1である。)
を有する、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記オルガノハイドロジェンシロキサンのSiHの99.5モル%より多くが前記ヒドロシリル化反応において反応する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記ヒドロシリル化反応が連続法によって行われる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記連続法がプラグフロー反応器で行われる、請求項10に記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−197455(P2012−197455A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−162510(P2012−162510)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【分割の表示】特願2009−503013(P2009−503013)の分割
【原出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】