説明

シリコーンリン酸トリエステルを含有する化粧料

【課題】新規なシリコーンリン酸トリエステルを開発し、それを化粧料として応用すること。
【解決手段】新規なシリコーンリン酸トリエステルは、式(I)(式中、各Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)で表される化合物であり、これを化粧料に使用すると、トリートメント効果や滑らかな使用感や化粧持続効果に優れる。化粧料には、シリコーンリン酸ジエステル及び/又はシリコーンリン酸モノエステルを含有していてもよい。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なシリコーンリン酸トリエステルを含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料中に変性したオルガノ(ポリ)シロキサンを配合することが行われている。たとえば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボン酸変性、リン酸エステル変性などのオルガノ(ポリ)シロキサンがある。
これらのうち、リン酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンについては、たとえば、特許文献1には、オルガノ(ポリ)シロキサンの少なくとも1つのケイ素原子が、次式
【0003】
【化1】

【0004】
〔式中、Rは炭素数2〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Rはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、R及びRは同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜22の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、pは0〜20の数を示し、a、b及びcはそれぞれリン原子に結合したカッコ内の基の数を示し、a+b+c=3、aは1又は2、b及びcは0又は1である。但し、p=0のときは、Rの炭素数は9〜20である。〕で表されるリン酸トリエステル基で修飾されているリン酸トリエステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、化粧料用粉体の表面処理剤としてではあるが、リン酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンとして、オルガノ(ポリ)シロキサンの少なくとも1つのケイ素原子が、次式
【0006】
【化2】

【0007】
〔R及びRはC2〜20のアルキレン基を示し、Rは−OHが置換していてもよいC1〜20のアルキレン基を示し、RはC1〜22のアルキル基を示し、MはH又は1価の陽イオンを示し、p及びqは0〜200の数を示し、a、b及びcはリン原子に結合したカッコ内の基の数を示し、a+b+c=3、a及びcは1又は2、bは0又は1である。〕で表されるリン酸エステル基で修飾されているリン酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンが記載されている。
【0008】
また、特許文献3には、オルガノ(ポリ)シロキサンの少なくとも1つのケイ素原子が、次式
[{−CHCH−R−(OR−O}P=O]1/3
〔式中、角かっこ内の3価の基において、3p個のRは同一又は異なって、炭素数2〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、3個のRは同一又は異なって、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、3個のpは同一又は異なって、0〜20の数を示す。なお、3個の末端炭素原子はすべて同一の又は2もしくは3分子の異なるオルガノ(ポリ)シロキサン分子のケイ素原子に結合する。〕で表される基で修飾されているリン酸トリエステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンが記載されている。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1及び2においては、本発明において使用するシリコーンリン酸トリエステル、すなわち、オルガノ(ポリ)シロキサンがリン酸に3個結合したトリエステル体を化粧料に配合することは記載されておらず、上記特許文献3においては、オルガノ(ポリ)シロキサンがリン酸に3個結合したトリエステル体が記載されているものの、オルガノ(ポリ)シロキサンとリン酸とは、−CHCH−R−(OR−基を介して結合しており、当該基の炭素数は9個以上の長鎖である。
【0010】
また、特許文献3において、リン酸トリエステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンは、ケイ素原子に結合する水素原子を少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンに、次式 {CH=CH−R−(OR−O}P=O
〔式中、3p個のRは同一又は異なって炭素数2〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、3個のRは同一又は異なってヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、3個のpは同一又は異なって0〜20の数を示す。〕で表されるリン酸トリエステルを反応させることにより製造されているが、当該方法では、本発明の場合のように、−CHCH−R−(OR−基が短い場合には合成が困難であった。
【0011】
そのため、−CHCH−R−(OR−基が短いリン酸トリエステル変性オルガノ(ポリ)シロキサン(シリコーンリン酸トリエステルともいう)について、それが化粧料の基材として有用であるか否かについては、全く知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平09−048855号公報
【特許文献2】特開平09−136815号公報
【特許文献3】特開平09−157397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、特許文献3に記載されたシリコーンリン酸トリエステルとは異なる、−CHCH−R−(OR−基が短いシリコーンリン酸トリエステルを開発し、それを化粧料として応用することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、特許文献3においては合成することのできなかった−CHCH−R−(OR−基が短いシリコーンリン酸トリエステル化合物を化粧料の基材として使用すると、トリートメント効果や滑らかな使用感や化粧持続効果に優れることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
すなわち、本発明は、
(1)式(I)
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、各Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)で表されるシリコーンリン酸トリエステルの1種又は2種以上を含有する化粧料、
(2)式(I)
【0018】
【化4】

【0019】
(式中、各Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)で表されるシリコーンリン酸トリエステルの1種又は2種以上60〜100質量%、
式(II)
【0020】
【化5】

【0021】
(式中、R、R及びnは上記式(I)における定義と同じ)で表されるシリコーンリン酸ジエステルの1種又は2種以上0〜35質量%、及び、
式(III)
【0022】
【化6】

【0023】
(式中、R、R及びnは上記式(I)における定義と同じ)で表されるシリコーンリン酸モノエステルの1種又は2種以上0〜5質量%からなるシリコーンリン酸エステル混合物を含有することを特徴とする上記(1)に記載の化粧料、及び、
(3)さらに油剤を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の化粧料に関する。
【発明の効果】
【0024】
本発明おいて使用するシリコーンリン酸トリエステルは、肌や髪等のケラチン物質への付着性に優れるため、これを配合した化粧料は、特にトリートメント効果や滑らかな使用感や化粧持続効果に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の詳細について以下に説明する。
(シリコーンリン酸トリエステル)
本発明において使用するシリコーンリン酸トリエステルは、式(I)
【0026】
【化7】

【0027】
で表される。
式中、各Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す。
【0028】
における「炭素数1〜4のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。Rとしては、これらのうち、メチル基が好ましい。
Rにおける「−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基」の「炭素数2〜7の2価の炭化水素基」としては、エチレン鎖、プロピレン鎖、メチルエチレン鎖、ブチレン鎖、1,2−ジメチルエチレン鎖、ペンチレン鎖、1−メチルブチレン鎖、2−メチルブチレン鎖、ヘキシレン鎖、ヘプチレン鎖等が挙げられる。
【0029】
「−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有している炭素数2〜7の2価の炭化水素基」としては、−O−又は−CO−を1又は2以上有していて良く、たとえば、−CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−、−CH−CO−(CH−、−(CH−CO−(CH−、−(CH−CO−(CH−、−(CH−CO−(CH−、−(CH−CO−(CH−、−(CH−CO−(CH−、−(CH−CO−CH−等が挙げられる。
「−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基」としては、これらのうち、−(CHO(CH−が好ましい。
【0030】
具体的に、シリコーンリン酸トリエステルとしては、例えば、以下のものが挙げられる。ただし、nは5〜40のいずれかの整数である。
【0031】
【化8】

【0032】
これらは、1種単独でも、2種以上の混合物でも使用できる。
【0033】
(シリコーンリン酸トリエステルの製造方法)
本発明のシリコーンリン酸トリエステルは、たとえば、以下の反応式に示される方法により製造することができる。
【0034】
【化9】

【0035】
(式中、R、R及びnは、上記式(I)における定義と同じ)
【0036】
式(IV)で表される片末端カルビノール変性シリコーンと式(V)で表されるオキシ塩化リンとを、溶媒中で塩基の存在化で反応させる。
上記反応を行う際に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、ジエチルエーテル、アセトニトリル等の極性溶媒等が使用できる。
塩基としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、ピペラジン、イミダゾールなどの複素環状アミン類、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等の有機金属類等が使用できる。
反応温度は、通常、25℃〜50℃程度であり、反応時間は、シリコーン鎖長によっても異なるが、通常、2時間〜20時間程度である。
【0037】
上記反応により、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルが得られるが、副生物として、式(II)で表されるシリコーンリン酸ジエステル、式(III)で表されるシリコーンリン酸モノエステルなどが生じる。これら副生物が存在したままシリコーンリン酸エステル混合物として使用することもできるが、通常の方法により、生成物を精製して、実質的に式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルのみとして使用してもよい。
【0038】
(化粧料)
本発明の化粧料は、上記式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルの1種又は2種以上、及び、必要に応じて、式(II)
【0039】
【化10】

【0040】
(式中、R、R及びnは上記式(I)における定義と同じ)で表されるシリコーンリン酸ジエステルの1種又は2種以上、及び/又は、式(III)
【0041】
【化11】

【0042】
(式中、R、R及びnは上記式(I)における定義と同じ)で表されるシリコーンリン酸モノエステルの1種又は2種以上を含有する。
【0043】
式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステル、式(II)で表されるシリコーンリン酸ジエステル及び式(III)で表されるシリコーンリン酸モノエステルの配合割合は、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルが化粧料の基材としての効果を奏する限り特に限定されないが、好ましくは、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルが60〜100質量%、式(II)で表されるシリコーンリン酸ジエステルが0〜35質量%、及び、式(III)で表されるシリコーンリン酸モノエステルが0〜5質量%である。
化粧料中における、これらシリコーンリン酸エステル全体の配合割合は、1〜50質量%、好ましくは、5〜30質量%である。
【0044】
化粧料には、種類に応じて配合可能な成分を適宜配合することができる。
例えば、油剤、界面活性剤、アルコール類、水、保湿剤、ゲル化剤及び増粘剤、粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン等を配合することができる。
これらのうち、油剤と共に使用することが好ましく、上記シリコーンリン酸エステルを溶解することのできる油剤であれば特に限定されない。シリコーンリン酸エステルを配合することにより、エステル油等の極性油とシリコーン油等の非極性油の相溶性を高め、油剤全体を均一に溶解できる等の効果がある。
【0045】
油剤の配合量は特に限定されないが、1〜30質量%が好ましく、さらに5〜20質量%がより好ましい。
【0046】
油剤としては、固形油、半固形油、液状油等が挙げられ、天然動植物油及び半合成油、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、シリコーン油、高級アルコール、高級脂肪酸、有機溶剤等が例示される。
固形油としてはカルナウバロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、セラックロウ、硬化油等の天然ロウ類、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物系ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等の合成ワックス、ベヘニルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸等を例示することができる。
液状油で、天然動植物油及び半合成油としては、具体的にアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カヤ油、肝油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、シナギリ油、シナモン油、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、綿実油、ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
炭化水素油としては、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン等が挙げられる。
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
グリセライド油としては、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
高級アルコールとしてはオレイルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等が挙げられる
高級脂肪酸としてはオレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
有機溶剤としてはn−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等の非芳香族系化合物、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素系化合物、ジオキサン、テトラハイドロフラン等のエーテル系化合物、2−プロパノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、カービトール類、セロソルブ類、ポリブテン、スピンドル油等が挙げられる。
【0047】
界面活性剤としては通常化粧料に使用されるものであれば特に制限はなく、何れのものも使用することができる。界面活性剤はアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が例示されるが、これらを必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アニオン性界面活性剤として、具体的にはステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステル硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩、長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルエーテルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩や芳香族4級アンモニウム塩をはじめ、アルキルピリジニウム塩等のピリジニウム塩、アルキルジヒドロキシエチルイミダゾリン塩等のイミダゾリン塩、N−アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩、そしてアルキルアミン塩、ポリアミン、アミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としてはソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等のカルボベタイン型両性界面活性剤、アルキルスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤、N−脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩、N−脂肪酸アシル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン二塩等のアミドアミン型(イミダゾリン型)両性界面活性剤、N−[3−アルキルオキシ−2−ヒドロキシプロピル]アルギニン塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルイミノジカルボン酸塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0048】
アルコール類として、具体的にはエタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール等の多価アルコール、ソルビトール、マルトース、キシリトール、マルチトール等の糖アルコール等が例示される。
保湿剤としては尿素、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩等が挙げられる。
【0049】
水系増粘剤、ゲル化剤としてはアラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系増粘剤、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等がある。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
【0050】
油ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物が挙げられる。
【0051】
粉体としては無機粉体、有機粉体、金属石鹸粉末、有色顔料、パール顔料、金属粉末、タール色素、天然色素等が挙げられ、その粒子形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、何れのものも使用することができる。
無機粉体として、具体的には酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等が挙げられる。
有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー(12ナイロン、6ナイロン)、スチレン・アクリル酸共重合体パウダー、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体パウダー、ビニル樹脂パウダー、尿素樹脂パウダー、フェノール樹脂パウダー、フッ素樹脂パウダー、ケイ素樹脂パウダー、アクリル樹脂パウダー、メラミン樹脂パウダー、エポキシ樹脂パウダー、ポリカーボネイト樹脂パウダー、微結晶繊維粉体パウダー、コメデンプン、ラウロイルリジン等が挙げられる。
金属石鹸粉末(界面活性剤金属塩粉末)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等の各粉末が挙げられる。
有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等が挙げられる。
パール顔料としては酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆ガラスフレーク、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられ、また、金属粉末としてはアルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
タール色素としては赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられ、天然色素としてはカルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。
これらの粉体はそのまま使用しても良いが、これらの粉体を複合化したり、油剤やシリコーン、フッ素化合物等で表面処理を行なって使用しても良い。
上記粉体は必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
紫外線吸収剤としてはパラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0053】
防腐剤、抗菌剤としてはパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0054】
酸化防止剤としてはトコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン等、pH調整剤としては乳酸、乳酸塩、クエン酸、クエン酸塩、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としてはアラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン等、清涼剤としてはL−メントール、カンファ、薄荷油、ペパーミント油、ユーカリ油等、抗炎症剤としてはアラントイン、グリチルレチン酸塩、グリチルレチン誘導体、トラネキサム酸、アズレン等が夫々挙げられる。
【0055】
美肌用成分としてはアルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0056】
ビタミン類としてはビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート等のビタミンB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、dl−α−トコフェロール−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等が挙げられる。
【0057】
アミノ酸類としてはアルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、アラニン、グリシン、プロリン等、核酸としてはデオキシリボ核酸等、ホルモンとしてはエストラジオール、エチニルエストラジオール等が挙げられる。
【0058】
本発明のシリコーンリン酸トリエステル単独、又はそれを含有するシリコーンリン酸エステル混合物を化粧料として使用する場合は、必要に応じて他の成分を併用して常法により調製し、例えば液状、乳液状、クリーム状、固形状、ゲル状、ペースト状等、種々の形態にて実施することができる。また、本発明の化粧料は、油性系、油中水型乳化系、水中油型乳化系等、その剤形は特に制限されず、具体的には乳液、クリーム、美容液、化粧油、リップクリーム、ハンドクリーム、洗顔料などのスキンケア化粧料、ファンデーション、メイクアップ下地、ほほ紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅、リップグロス等のメイクアップ化粧料、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、リンス、コンディショナー、整髪料等の頭皮又は毛髪用の化粧料等、種々の化粧料にて実施することできる。
【実施例】
【0059】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 なお、以下の実施例において、%は質量%を意味する。
【0060】
1 シリコーンリン酸トリエステルの製造
[製造実施例1]
カルビノール変性シリコーン(式2)を265g、テトラヒドロフラン136gを混合し、−40℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(LDA)(1mol/THF溶液)200mlを滴下し、90分反応させた後、オキシ塩化リン(式1)7.8gを添加し、1時間反応させた。25℃まで温度を上げさらに2時間熟成させた後、濃塩酸42gを加え反応を終了させた。メタノールで洗浄し溶媒を留去することにより、シリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を得た。得られた混合物の組成比は、31P−NMR測定により、トリエステル体である式(I)が92%、ジエステル体である式(II)が1%、その他ポリリン酸を含む副生成物が7%であった。
【0061】
【化12】

【0062】
[製造実施例2]
カルビノール変性シリコーン(式3)302g、テトラヒドロフラン150gを混合し、−40℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.6mol/ヘキサン溶液)74mlを滴下し90分反応させた後、オキシ塩化リン(式1)5.4gを添加し、1時間反応させた。温度を25℃まで上げ、さらに2時間熟成させた後、水10gを加え反応を終了させた。メタノールで洗浄し、溶媒を留去することにより、シリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を得た。得られた混合物の組成比は、31P−NMR測定により、トリエステル体である式(I)が83%、ジエステル体である式(II)が17%であった。
【0063】
【化13】

【0064】
[製造実施例3]
カルビノール変性シリコーン(式2)を291g、テトラヒドロフラン87g、トリエチルアミン19gを混合し、−40℃に冷却した。オキシ塩化リン(式1)8.6g、テトラヒドロフラン18gの混合溶液を約30分で滴下した。−40℃で5時間、25℃で12時間熟成させた後、メタノールで洗浄し、溶媒を留去することにより、シリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を得た。得られた混合物の組成比は、31P−NMR測定により、トリエステル体である式(I)が64%、ジエステル体である式(II)が18%、その他ポリリン酸を含む副生成物が18%であった。
【0065】
【化14】

【0066】
[製造実施例4]
オキシ塩化リン(式1)6.1gを25℃にてテトラヒドロフラン93gに溶解した。この溶液にカルビノール変性シリコーン(式4)300g、トリエチルアミン8.1gの混合溶液を約2時間で滴下した。15時間熟成させた後、水0.7g、トリエチルアミン4.1gを添加し、反応を終了した。メタノールで洗浄した後、溶媒を留去することにより、シリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を得た。得られた混合物の組成比は、31P−NMR測定により、トリエステル体である式(I)が11%、ジエステル体である式(II)が66%、モノエステル体である式(III)が3%、その他ポリリン酸を含む副生成物が20%であった。
【0067】
【化15】

【0068】
2 処方例
上記製造実施例において製造されたシリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を、以下の処方において使用した。したがって、以下の実施例において例えば「製造実施例1の生成物」とは、製造実施例1において得られたシリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を意味する。
【0069】
[実施例1〜4、比較例1〜5]
ヘアオイル
表1に示す処方のヘアオイルを下記の製法により調整し、毛髪のしっとり感、べたつき感のなさ、毛髪のなめらかさについて、下記の方法により評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】

(注1)KF−96A−6CS(信越化学工業社製)
(注2)KF−96A−10CS(信越化学工業社製)
(注3)KF−96A−20CS(信越化学工業社製)
(注4)KF−96A−50CS(信越化学工業社製)
(注5)KF−96A−100CS(信越化学工業社製)
(注6) KF−995(信越化学工業社製)
【0071】
(製造方法)
A.成分1〜10を均一に混合する。
B.Aを容器に充填する。
【0072】
(評価方法)毛束による官能評価
ダメージヘアの日本人女性の毛束を各ヘアオイルに含漬し、24時間乾燥後の毛束について、評価を行った。化粧品評価専門パネル20名に、「毛髪のしっとり感」、「べたつき感のなさ」、「毛髪の滑らかさ」の其々の項目について、以下の評価基準に従って7段階評価をしてもらい、更に全パネルの評点の平均点を用いて、以下の判定基準に従って判定した。
[評価基準]
(評価結果) :(評点)
非常に良好 : 6点
良好 : 5点
やや良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
非常に不良 : 0点
[判定基準]
(評点の平均点) :(判定)
5.0以上 : ◎ 非常に良好
3.5以上〜5.0未満 : ○ 良好
1.5以上〜3.5未満 : △ 不良
1.5未満 : × 非常に不良
【0073】
(結果)
前記、毛束への官能評価の結果より、実施例1〜4のヘアオイルは、毛髪のしっとり感、べたつき感のなさ、毛髪の滑らかさに優れたヘアオイルであった。比較例1〜3のヘアオイルは、シリコーン鎖長の短いジメチルポリシロキサンを配合しているため、毛髪のしっとり感や毛髪の滑らかさに劣り、また、比較例4、5のヘアオイルは、シリコーン鎖長の長いジメチルポリシロキサンを配合しているため、毛髪のしっとり感に優れるものの、べたつき感があり、毛髪の滑らかさに劣るものであった。
【0074】
[実施例5〜8、比較例6〜9]
O/W型ヘアコンディショナー
【0075】
【表2】

(注7)ゲナミンKDM−P(クラリアントジャパン社製)
【0076】
(製造方法)
A.成分1〜12を80℃で均一に溶解する。
B.成分13〜15を80℃にて均一に溶解する。
C.BにAを加え、80℃にて乳化する。
D.Cを冷却し、成分16を添加する。
E.Dを脱泡し、容器に充填する。
【0077】
(評価方法)
実施例5〜8、及び比較例6〜9のコンディショナーについて、化粧品評価専門パネル20名に使用テストを行い、「毛髪のしっとり感」、「べたつき感のなさ」、「毛髪の滑らかさ」の其々の項目について、各自が前記評価基準に従って7段階評価し、更に全パネルの評点の平均点を用いて、前記判定基準に従って判定した。
【0078】
(結果)
実施例5〜8のコンディショナーは、毛髪のしっとり感、べたつき感のなさ、毛髪の滑らかさに優れたコンディショナーであった。比較例6、8のコンディショナーは、シリコーン鎖長の短いジメチルポリシロキサンを配合しているため、配合量の少ない比較例6では、毛髪のしっとり感や毛髪の滑らかさに劣り、また、配合量の多い比較例8のコンディショナーであっても、毛髪へのしっとり感がなく、べたつき感があり、毛髪の滑らかさに劣るものであった。また、比較例7、9のコンディショナーは、シリコーン鎖長の長いジメチルポリシロキサンを配合しているため、毛髪のしっとり感に優れるものの、べたつき感があり、毛髪の滑らかさに劣るものであった。
【0079】
[実施例9]
乳化型化粧水
(成分) (%)
1.セチルアルコール 0.2
2.製造実施例1の生成物 0.5
3.リン脂質・フィトステロール混合物(8:1)(注8) 0.5
4.ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 0.1
5.酢酸トコフェロール 0.5
6.ステアリン酸トリエタノールアミン 0.5
7.精製水 残量
8.エタノール 10.0
9.香料 適量
(注8)Phytocompo−PP(日本精化株式会社製)
【0080】
(製造方法)
(1)成分1〜6を75℃に加熱し、均一に混合溶解する。
(2)成分7、8を75℃に加熱し、均一に混合溶解する
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)を冷却し、成分9を添加し、乳化型化粧水を得た。
【0081】
(結果)
実施例9の乳化型化粧水は、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた乳化型化粧水であった。
【0082】
[実施例10]
乳液
(成分) (%)
1.ステアリン酸 0.5
2.モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 1.0
3.テトラオレイン酸ポリオキシプロピレン(40モル)ソルビトール 1.0
4.ベヘニルアルコール 1.5
5.流動パラフィン 2.0
6.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
7.製造実施例1の生成物 5.0
8.アクリル酸/メタクリル酸アルキルエステル共重合体 0.1
9.キサンタンガム 0.1
10.水酸化ナトリウム 0.05
11.1,3−ブチレングリコール 8.0
12.防腐剤 適量
13.香料 適量
14.精製水 残量
【0083】
(製造方法)
(1)成分1〜7を80℃にて均一に混合する。
(2)成分8〜14を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)を攪拌しながら冷却し、乳液を得た。
【0084】
(結果)
実施例10の乳液は、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた乳液であった。
【0085】
[実施例11]
O/W型クリーム
(成分) (%)
1.ペンタオレイン酸デカグリセリル 2.5
2.ベヘニルアルコール 1.5
3.ワセリン 3.0
4.重質流動イソパラフィン 1.0
5.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
6.製造実施例2の生成物 5.0
7.精製水 残量
8.グリセリン 7.0
9.アクリル酸/メタクリル酸アルキルエステル共重合体 0.2
10.水酸化ナトリウム 0.09
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
【0086】
(製造方法)
(1)成分1〜6を80℃にて均一に混合する。
(2)成分7〜12を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)を攪拌しながら冷却し、クリームを得た。
【0087】
(結果)
実施例11のO/W型クリームは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたO/W型クリームであった。
【0088】
[実施例12]
W/O型クリーム
(成分) (%)
1.マイクロクリスタリンワックス 1.5
2.ミツロウ 1.5
3.セチルアルコール 3.0
4.製造実施例2の生成物 5.0
5.水素添加大豆リン脂質 1.0
6.スクワラン 35.0
7.ソルビタンセスキオレイン酸エステル 3.0
8.プロピレングリコール 10.0
9.防腐剤 適量
10.香料 適量
11.精製水 残量
【0089】
(製造方法)
(1)成分1〜7を75℃に加熱し、均一に混合溶解する。
(2)成分8、11を75℃に加熱し、均一に混合溶解する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)を冷却し、成分9、10を添加し、W/O型クリームを得た。
【0090】
(結果)
実施例12のW/O型クリームは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたW/O型クリームであった。
【0091】
[実施例13]
オイルクレンジング
(成分) (%)
1.テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(30モル)ソルビット 8.0
2.ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.5
3.流動パラフィン 残量
4.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 25.0
5.製造実施例3の生成物 5.0
6.防腐剤 適量
7.香料 適量
【0092】
(製造方法)
(1)成分1〜7を常温にて均一に混合し、オイルクレンジングを得た。
【0093】
(結果)
実施例13のオイルクレンジングは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたオイルクレンジングであった。
【0094】
[実施例14]
クレンジングクリーム
(成分) (%)
1.ステアリン酸 3.0
2.セタノール 2.0
3.テトラオレイン酸ポリオキシプロピレン(40モル)ソルビトール 1.0
4.モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 1.0
5.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 20.0
6.流動パラフィン 20.0
7.製造実施例4の生成物 5.0
8.アクリル酸/メタクリル酸アルキルエステル共重合体 0.1
9.1,3−ブチレングリコール 7.0
10.水酸化ナトリウム 0.05
11.精製水 残量
12.防腐剤 適量
13.香料 適量
【0095】
(製造方法)
(1)成分1〜7を80℃にて均一に混合する。
(2)成分8〜13を80℃にて均一に混合する。
(3)(2)に(1)を添加し、乳化する。
(4)(3)を攪拌しながら冷却し、クレンジングクリームを得た。
【0096】
(結果)
実施例14のクレンジングクリームは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたクレンジングクリームであった。
【0097】
[実施例15]
スタイリングウォーター
(成分) (%)
1.エタノール 15.0
2.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.2
3.イソステアリン酸ポリオキシエチレン(50モル)硬化ヒマシ油 0.2
4.製造実施例1の生成物 0.2
5.精製水 残量
6.ヒドロキシプロピルセルロース 0.01
7.高重合メチルポリシロキサンエマルション(注9) 2.0
8.防腐剤 適量
9.香料 適量
(注9)BY11−007(東レ・ダウコーニング社製)
【0098】
(製造方法)
(1)成分1〜9を常温にて均一に混合し、スタイリングウォーターを得た。
【0099】
(結果)
実施例15のスタイリングウォーターは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたスタイリングウォーターであった。
【0100】
[実施例16]
ヘアワックス
(成分) (%)
1.精製水 残量
2.プロピレングリコール 10.0
3.モノステアリン酸ポリエチレングリコール 3.0
4.ワセリン 10.0
5.パラフィンワックス 3.0
6.セトステアリルアルコール 3.0
7.ベヘニルアルコール 3.0
8.製造実施例2の生成物 3.0
9.エタノール 5.0
10.精製水 15.0
11.ビニルピロリドン 1.0
12.アクリル酸/メタクリル酸アルキルエステル共重合体 0.15
13.水酸化ナトリウム 0.05
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
【0101】
(製造方法)
(1)成分1〜3を80℃にて均一に混合する。
(2)成分4〜8を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)に成分9〜15を添加後、攪拌しながら冷却し、ヘアワックスを得た。
【0102】
(結果)
実施例16のヘアワックスは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたヘアワックスであった。
【0103】
[実施例17]
O/W型マスカラ
(成分) (%)
1.ステアリン酸 2.0
2.ミツロウ 10.0
3.セトステアリルアルコール 1.0
4.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 1.5
5.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
6.製造実施例2の生成物 5.0
7.黒酸化鉄 5.0
8.無水ケイ酸 3.0
9.精製水 残量
10.1,3−ブチレングリコール 10.0
11.トリエタノールアミン 1.5
12.アクリル酸アルキル共重合体エマルション(注10) 30.0
13.防腐剤 適量
14.香料 適量
(注10)ヨドゾール32A707(45%固形分)(日本NSC社製)
【0104】
(製造方法)
(1)成分1〜3を80℃にて均一に混合する。
(2)成分4〜8をローラーにて処理する。
(3)成分9〜14を80℃にて均一に混合する。
(4)(1)、(2)を混合後、(3)を添加し、乳化する。
(5)(4)を冷却し、O/W型マスカラを得た。
【0105】
(結果)
実施例17のO/W型マスカラは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたO/W型マスカラであった。
【0106】
[実施例18]
ペースト状リップグロス
(成分) (%)
1.製造実施例4の生成物 3.0
2.リンゴ酸ジイソステアリル 10.0
3.乳酸ステアリル 10.0
4.水添ポリイソブテン 30.0
5.トリエチルヘキサノイン 残量
6.流動パラフィン 5.0
7.マイクロクリスタリンワックス 2.0
8.12−ヒドロキシステアリン酸 0.1
9.αオレフィン・ビニルピロリドン共重合体(注11) 0.5
10.無水ケイ酸(注12) 3.5
11.ベンガラ 0.1
12.赤色201号 0.3
13.黒酸化鉄 0.05
14.酸化チタン 0.2
15.大豆リン脂質 0.01
16.p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 3.0
17.防腐剤 適量
18.香料 適量
(注11)ANTARON V−220(ISP社製)
(注12)AEROSIL 200(日本アエロジル社製)
【0107】
(製造方法)
(1)成分1〜9を100℃で溶解混合する。
(2)(1)に成分10〜18を加え、均一に混合分散する。
(3)(2)をチューブに流し込み、冷却してペースト状リップグロスを得た。
【0108】
(結果)
実施例18のペースト状リップグロスは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたペースト状リップグロスであった。
【0109】
[実施例19]
スティック状口紅
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス 10.0
2.カルナウバワックス 5.0
3.パラフィンワックス 2.0
4.2−エチルへキサン酸セチル 残量
5.製造実施例4の生成物 5.0
6.流動パラフィン 10.0
7.イソノナン酸イソトリデシル 10.0
8.赤202号 0.5
9.黄色4号 2.0
10.酸化チタン 0.5
11.黒酸化鉄 0.1
12.α−トコフェロール 0.5
13.香料 適量
【0110】
(製造方法)
(1)成分1〜7を100℃で均一に溶解混合する。
(2)(1)に成分8〜13を添加し均一に混合する。
(3)(2)を容器に流し込み、冷却してスティック状口紅を得た。
【0111】
(結果)
実施例19のスティック状口紅は、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたスティック状口紅であった。
【0112】
[実施例20]
油性アイシャドウ
(成分) (%)
1.デキストリン脂肪酸エステル(注13) 2.0
2.製造実施例4の生成物 2.0
3.リンゴ酸ジイソステアリル 2.5
4.2−エチルヘキサン酸セチル 13.0
5.ラウリン酸デキストリン 2.0
6.ミリスチン酸デキストリン 5.0
7.ベヘニン酸デキストリン 5.0
8.流動パラフィン 残量
9.水添ポリイソブテン 1.5
10.無水ケイ酸 6.0
11.ナイロン末 5.0
12.シリコーン処理タルク(注14) 5.5
13.赤色202号 0.05
14.黄色4号アルミニウムレーキ 0.05
15.青色1号アルミニウムレーキ 0.05
16.雲母チタン 1.5
17.防腐剤 適量
18.香料 適量
(注13)レオパールTT(千葉製粉社製)
(注14)ジメチルポリシロキサン5%処理
【0113】
(製造方法)
(1)成分1〜9を100℃で溶解混合する。
(2)(1)に成分10〜18を加え、均一に混合分散する。
(3)(2)を容器に流し込み、冷却固化して油性アイカラーを得た。
【0114】
(結果)
実施例20の油性アイシャドウは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた油性アイシャドウであった。
【0115】
[実施例21]
固形粉末状ファンデーション
(成分) (%)
1.ジメチルポリシロキサン処理タルク 30.0
2.ジメチルポリシロキサン処理マイカ 15.0
3.ジメチルポリシロキサン処理マイカ酸化チタン 15.0
4.ジメチルポリシロキサン処理セリサイト 残量
5.合成金雲母 5.0
6.黄酸化鉄 2.0
7.ベンガラ 0.5
8.黒酸化鉄 0.2
9.防腐剤 適量
10.製造実施例3の生成物 3.0
11.流動パラフィン 3.0
12.ジメチルポリシロキサン 1.0
13.2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
14.香料 適量
【0116】
(製造方法)
(1)成分1〜9をヘンシェルミキサー(三井三池社製)75℃で均一に分散する。
(2)成分10〜13を均一に混合溶解する。
(3)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、(2)及び14を添加し、均一分散する。
(4)(3)をパルベライザーにて粉砕する。
(5)(4)を金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状のファンデーションを得た。
【0117】
(結果)
実施例21の固形粉末状ファンデーションは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた固形粉末状ファンデーションであった。
【0118】
[実施例22]
固形粉末状アイシャドウ
(成分) (%)
1.ジメチルポリシロキサン処理合成金マイカ 10.0
2.ジメチルポリシロキサン処理タルク 残量
3.酸化チタン被覆雲母 30.0
4.窒化ホウ素 5.0
5.ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末 5.0
6.群青 2.0
7.赤202号 0.5
8.ポリアクリル酸アルキル 1.0
9.防腐剤 適量
10.製造実施例2の生成物 4.0
11.流動パラフィン 3.0
12.ジメチルポリシロキサン 2.0
13.2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
14.香料 適量
【0119】
(製造方法)
(1)成分1〜9をヘンシェルミキサー(三井三池社製)75℃で均一に分散する。
(2)成分10〜13を均一に混合溶解する。
(3)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、(2)及び14を添加し、均一分散する。
(4)(3)をパルベライザーにて粉砕する。
(5)(4)を金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状のアイシャドウを得た。
【0120】
(結果)
実施例22の固形粉末状アイシャドウは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた固形粉末状アイシャドウであった。
【0121】
[実施例23]
固形粉末状フェイスカラー
(成分) (%)
1.雲母 20.0
2.タルク 残量
3.酸化チタン被覆雲母 10.0
4.群青 0.5
5.赤226号 0.2
6.ポリアクリル酸アルキル 1.0
7.防腐剤 適量
8.製造実施例1の生成物 3.0
9.流動パラフィン 2.0
10.ジメチルポリシロキサン 1.0
11.2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
12.香料 適量
【0122】
(製造方法)
(1)成分1〜7をヘンシェルミキサー(三井三池社製)75℃で均一に分散する。
(2)成分8〜11を65℃に加熱し、均一に混合溶解する。
(3)(1)をヘンシェルミキサーにて攪拌しながら、(2)及び12を添加し、均一分散する。
(4)(3)をパルベライザーにて粉砕する。
(5)(4)を金皿に充填し、圧縮成型し、固形粉末状のフェイスカラーを得た。
【0123】
(結果)
実施例23の固形粉末状フェイスカラーは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた固形粉末状フェイスカラーであった。
【0124】
[実施例24]
スティック状コンシーラー
(成分) (%)
1.パラフィンワックス 5.0
2.ポリエチレンワックス 5.0
3.キャンデリラロウ 2.0
4.製造実施例4の生成物 15.0
5.トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 15.0
6.メチルフェニルポリシロキサン 5.0
7.酢酸液状ラノリン 10.0
8.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
9.酸化チタン 20.0
10.黄酸化鉄 2.0
11.ベンガラ 0.5
12.黒酸化鉄 0.2
13.マイカ 7.0
14.防腐剤 適量
【0125】
(製造方法)
(1)成分1〜8を100℃にて混合溶解する。
(2)(1)に成分9〜14を90℃にて均一に混合する。
(3)(2)を3本ローラーにて処理する。
(4)(3)を脱泡し、85℃にてカプセルに溶解充填後、4℃にて冷却して、スティック状コンシーラーを得た。
【0126】
(結果)
実施例24のスティック状コンシーラーは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたスティック状コンシーラーであった。
【0127】
[実施例25]
W/O型日焼け止め料
(成分) (%)
1.酸化亜鉛 2.0
2.シリコーン被覆微粒子酸化チタン(注14) 5.0
3.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 5.0
4.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
5.パルミチン酸オクチル 3.0
6.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10.0
7.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
8.メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン
・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
メチルポリシロキサン共重合体(注15) 1.8
9.製造実施例3の生成物 3.0
10.防腐剤 適量
11.塩化ナトリウム 0.3
12.精製水 残量
13.ジプロピレングリコール 5.0
14.エタノール 5.0
15.香料 適量
(注15)ABIL EM−90(EVONIC GOLDSCHMIDT GMBH社製)
【0128】
(製造方法)
(1)成分3、4を加温溶解した後、成分1、2を添加しローラーにて均一に分散する。
(2)成分5〜10を70℃で溶解させた後、60℃で(1)を添加し均一に混合溶解する。
(3)成分11〜13を混合溶解させた後、60℃で(2)へ添加し乳化する。
(4)(3)に成分14、15を添加し均一に混合し、W/O型日焼け止め料を得た。
【0129】
(結果)
実施例25のW/O型日焼け止め料は、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたW/O型日焼け止め料であった。
【0130】
[実施例26]
W/O型ファンデーション
(成分) (%)
1.ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキプロピレンオレイル
メチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(注16) 2.0
2.PEG−3ジメチコン(注17) 1.0
3.ジメチルポリシロキサン 20.0
4.シリコーン処理赤酸化鉄(注14) 1.0
5.シリコーン処理黄酸化鉄(注14) 1.5
6.シリコーン処理黒酸化鉄(注14) 0.5
7.シリコーン処理酸化チタン(注14) 10.0
8.シリコーン処理タルク(注14) 5.0
9.トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 5.0
10.製造実施例2の生成物 5.0
11.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
12.精製水 残量
13.1,3−ブチレングリコール 15.0
14.塩化ナトリウム 0.5
15.防腐剤 適量
16.香料 適量
(注16)KF−6026(信越化学工業社製)
(注17)KF−6015(信越化学工業社製)
【0131】
(製造方法)
(1)成分1〜3を均一に混合する。
(2)成分4〜11をローラーにて均一に分散する。
(3)(1)に(2)を添加し、均一混合する。
(4)(3)に成分12〜16を添加、乳化し、W/O型ファンデーションを得た。
【0132】
(結果)
実施例26のW/O型ファンデーションは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたW/O型ファンデーションであった。
【0133】
[実施例27]
O/W型ファンデーション
(成分) (%)
1.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.5
2.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
3.1,3−ブチレングリコール 10.0
4.シリコーン処理酸化チタン(注14) 10.0
5.シリコーン処理ベンガラ(注14) 0.4
6.シリコーン処理黄酸化鉄(注14) 2.0
7.シリコーン処理黒酸化鉄(注14) 0.1
8.シリコーン処理タルク(注14) 5.0
9.カルボキシビニルポリマー 0.3
10.トリエタノールアミン 1.0
11.精製水 残量
12.エタノール 2.0
13.ステアリン酸 1.0
14.ベヘニルアルコール 0.5
15.流動パラフィン 1.0
16.製造実施例2の生成物 2.0
17.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
18.パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 2.0
19.ワセリン 0.5
20.防腐剤 適量
21.香料 適量
【0134】
(製造方法)
(1)成分1〜8をローラーにて均一に分散する。
(2)成分9〜12を均一に混合する。
(3)(2)に(1)を添加し、均一に混合する。
(4)成分13〜20を80℃にて混合溶解する。
(5)(3)に(4)を80℃にて添加し、乳化する。
(6)(5)を冷却し、成分21を添加し、O/W型ファンデーションを得た。
【0135】
(結果)
実施例27のO/W型ファンデーションは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたO/W型ファンデーションであった。
【0136】
[実施例28]
油性固形ファンデーション
(成分) (%)
1.タルク 15.0
2.マイカ 10.0
3.シリコーン処理酸化チタン(注14) 15.0
4.シリコーン処理ベンガラ(注14) 1.0
5.シリコーン処理黄酸化鉄(注14) 3.0
6.シリコーン処理黒酸化鉄(注14) 0.2
7.ポリエチレンワックス 7.0
8.マイクロクリスタリンワックス 6.0
9.トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 残量
10.製造実施例1の生成物 5.0
11.ジメチルポリシロキサン 5.0
12.流動パラフィン 20.0
13.ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキプロピレンオレイル
メチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(注16) 2.0
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
【0137】
(製造方法)
(1)成分7〜14を90℃にて加熱溶解する。
(2)(1)に成分1〜6を添加し、ローラーにて均一に分散する。
(3)(2)に成分15を添加し、80℃にて溶解後、金皿に充填し、油性固形ファンデーションを得た。
【0138】
(結果)
実施例28の油性固形ファンデーションは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた油性固形ファンデーションであった。
【0139】
[実施例29]
化粧下地
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 2.0
2.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
3.製造実施例4の生成物 8.0
4.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
5.精製水 残量
6.N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム 0.5
7.カルボキシビニルポリマー 0.1
8.アクリル酸/メタクリル酸アルキルエステル共重合体 0.1
9.水酸化ナトリウム 0.05
10.エタノール 10.0
11.1,3−ブチレングリコール 10.0
12.防腐剤 適量
13.香料 適量
【0140】
(製造方法)
(1)成分1〜4を80℃にて均一に溶解する。
(2)成分5〜13を80℃にて均一に溶解する。
(3)(2)に(1)を添加し、乳化する。
(4)(3)に成分14を添加、冷却し、化粧下地を得た。
【0141】
(結果)
実施例29の化粧下地は、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた化粧下地であった。
【0142】
[実施例30]
ボディミルク
(成分) (%)
1.ステアリン酸 1.0
2.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.5
3.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
4.ベヘニルアルコール 0.5
5.2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
6.流動パラフィン 2.0
7.製造実施例1の生成物 5.0
8.エタノール 10.0
9.ジプロピレングリコール 10.0
10.トリエタノールアミン 1.0
11.精製水 残量
12.グリセリン 5.0
13.1,3−ブチレングリコール 5.0
14.アクリル酸/メタクリル酸アルキルエステル共重合体 0.2
15.防腐剤 適量
16.香料 適量
【0143】
(製造方法)
(1)成分1〜7を80℃にて均一に溶解する。
(2)成分8〜16を80℃にて均一に溶解する。
(3)(2)に(1)を添加し、乳化する。
(4)(3)を攪拌冷却し、ボディミルクを得た。
【0144】
(結果)
実施例30のボディミルクは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたボディミルクであった。
【0145】
[実施例31]
リムーバー
(成分) (%)
1.1,3−ブチレングリコール 15.0
2.アクリル酸アルキル共重合体エマルション(注10) 2.5
3.L−アルギニン 0.5
4.精製水 残量
5.軽質流動イソパラフィン(注18) 3.0
6.製造実施例1の生成物 2.0
7.防腐剤 適量
8.香料 適量
(注18)IPソルベント1620(出光興産社製)
【0146】
(製造方法)
(1)成分1〜4を均一に混合する。
(2)(1)に成分5〜8を60℃で添加し、乳化する。
(3)(2)を攪拌しながら冷却し、リムーバーを得た。
【0147】
(結果)
実施例31のリムーバーは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れたリムーバーであった。
【0148】
[実施例32]
非水系マスカラ
(成分) (%)
1.ロジン酸ペンタエリトリット 10.0
2.キャンデリラ樹脂 3.0
3.ミツロウ 2.0
4.セレシンワックス 2.0
5.パルミチン酸デキストリン 2.0
6.トリメチルシロキシケイ酸 3.0
7.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 5.0
8.プロピオンカーボネート 1.0
9.軽質流動イソパラフィン(注18) 残量
10.製造実施例2の生成物 3.0
11.黒酸化鉄 5.0
12.シリカ 3.0
13.タルク 5.0
【0149】
(製造方法)
(1)成分1〜5を110℃に加温する。
(2)(1)に成分6〜10を添加混合する。
(3)(2)に成分11〜13を添加混合する。
(4)(3)をローラーにて処理し、非水系マスカラを得た。
【0150】
(結果)
実施例32の非水系マスカラは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた非水系マスカラであった。
【0151】
[実施例33]
油性アイライナー
(成分) (%)
1.セレシンワックス 11.0
2.ポリイソブチレン 16.0
3.ポリエチレンワックス 8.0
4.軽質流動イソパラフィン 残量
5.製造実施例1の生成物 3.0
6.シリコーン処理黒酸化鉄(注14) 15.0
7.シリコーン処理タルク(注14) 5.0
8.防腐剤 適量
9.香料 適量
【0152】
(製造方法)
(1)成分1〜5を100℃に加温し、均一混合する。
(2)成分6〜9を80℃に加温し、均一混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、均一に混合する。
(4)(3)をローラーにて処理し、油性アイライナーを得た。
【0153】
(結果)
実施例33の油性アイライナーは、「しっとり感」、「べたつき感のなさ」、「滑らかさ」に優れた油性アイライナーであった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、各Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)で表されるシリコーンリン酸トリエステルの1種又は2種以上を含有する化粧料。
【請求項2】
式(I)
【化2】

(式中、各Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)で表されるシリコーンリン酸トリエステルの1種又は2種以上60〜100質量%、
式(II)
【化3】

(式中、R、R及びnは上記式(I)における定義と同じ)で表されるシリコーンリン酸ジエステルの1種又は2種以上0〜35質量%、及び、
式(III)
【化4】

(式中、R、R及びnは上記式(I)における定義と同じ)で表されるシリコーンリン酸モノエステルの1種又は2種以上0〜5質量%からなるシリコーンリン酸エステル混合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
さらに油剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。



【公開番号】特開2011−173852(P2011−173852A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40928(P2010−40928)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】