説明

シリコーン中ポリオール型エマルション

次の、a)連続シリコーン相;b)不連続ポリオール相;c)分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤;d)アルキルジメチコーンコポリマー乳化剤;及びe)組成物を安定化するための増粘剤、を含むシリコーン中ポリオール型エマルションが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された安定性を有するシリコーン中ポリオール型エマルション及びそれを含む局所適用組成物に関する。本発明はさらに、皮膚に静電噴霧可能である、そのようなエマルション及び組成物、並びにこうした組成物の静電適用によって皮膚を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品及びスキンケア分野におけるシリコーン中ポリオール型エマルションの使用は、皮膚に対する装用耐性及びみずみずしい感触におけるそれらの能力のために人気がますます高くなってきている。シリコーン中ポリオール型エマルションは、不連続相として多価アルコール、連続相としてシリコーン構成成分を含む。エマルションを乳化するために、シリコーン含有乳化剤が通常使用される。日本特許公報A−2001−39819、A−2002−179548、A−2002−179797及びA−2003−81758、並びにPCT国際公開特許WO02/55588には、エマルションを提供するための分枝状ポリエーテル変性されたシリコーンの使用が示唆されている。
【0003】
エマルションの安定性を示す要素は、例えば、より小さいエマルション液滴直径、様々な温度での安定性、長期間にわたる安定性、分離がないこと、及び一貫した粘度である。色又は肌触り効果を提供する粉末、装用耐性のためのフィルム形成性ポリマー、又は皮膚活性剤のような追加の構成成分を含む場合でさえも安定なシリコーン中ポリオール型エマルションを提供するために、様々な配合にて改善された安定性を有するエマルションが所望される。
【0004】
カラー化粧品及びスキンケア組成物の静電噴霧は、より効率的な消費及び製品活性、適用中の制御、適用の容易さ及び清潔さ/衛生、並びに改善された仕上げのための手段として提案されている。静電噴霧可能な組成物は、PCT国際公開特許WO01/12137、PCT国際公開特許WO01/12138、PCT国際公開特許WO01/12139、及びPCT国際公開特許WO01/12152に開示され、こうした組成物を噴霧するのに好適な静電噴霧装置は、PCT国際公開特許WO02/55210、PCT国際公開特許WO02/55211、PCT国際公開特許WO02/55212、及びPCT国際公開特許WO02/55209に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
静電噴霧可能な組成物のためのエマルションの安定性は、流体の帯電が分離を促す可能性があるという点で特に重要である。エマルション及び追加の粉末を含む組成物の安定性は、こうした組成物が分離する傾向にあり、前記粉末が沈殿し得るので、とりわけ難題である。結果として得られた不均一な流体は、静電噴霧される場合にスプレーの質が劣る。静電噴霧可能となるように改善された安定性を有するエマルションも所望される。
【0006】
前述のように、改善された安定性を有し、種々広範な組成物に導入できるシリコーン中ポリオール型エマルションが必要とされている。静電噴霧可能なカラー化粧品及びスキンケア組成物がさらに必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、組成物を対象とし、
a)連続シリコーン相;
b)不連続ポリオール相;
c)分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤;
d)アルキルジメチコーンコポリマー乳化剤;及び
e)この組成物を安定化するための増粘剤
を含むシリコーン中ポリオール型エマルション。
【0008】
別の態様において、本発明は、前述のエマルション及びその他の構成成分、例えば粉末、フィルム形成剤又は皮膚活性剤を含むカラー化粧品及びスキンケア組成物を対象とする。
【0009】
さらに別の態様において、本発明は、連続シリコーン相が液体の絶縁性材料であり;不連続ポリオール相が導電性材料であり;エマルションが静電噴霧可能である前述のエマルションを対象とする。
【0010】
添付の特許請求の範囲と共に本明細書の開示内容を読むことによって、本発明における上記及びその他の特徴、態様、及び利点が当業者に明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書は本発明を特に指摘し、本発明を明確に主張している特許請求の範囲でまとめているが、本発明は以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【0012】
すべての引用文献は、その全体を本明細書に参考として組み込む。いかなる参照文献の引用も、特許請求する本発明に対する従来技術としての有用性の決定に関する容認ではない。
【0013】
本明細書において、「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の構成要素を付加できることを意味する。この用語には、「から成る」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0014】
特に指定しない限り、百分率、割合及び比率は全て、本発明の組成物の総重量を基準とする。記載した成分などに関するすべてのこのような重量は活性レベルに基づいており、そのため、市販材料に含まれる場合があるキャリア又は副産物を含まない。
【0015】
本明細書に有用な活性物質及び他の成分のような成分は全て、美容的及び/もしくは治療的な効果、又はそれらが本来有する作用様式によって分類又は記載されることがある。ただし、本明細書に有用な活性物質及び他の成分が、場合によっては美容的及び/もしくは治療的な複数の効果をもたらすこと、又は複数の作用様式で作用することもあることを理解すべきである。それゆえ、本明細書での分類は便宜上のことであって、成分を特定の適用又は列記された適用に限定しようとするものではない。
【0016】
(シリコーン相)
本エマルションは、安定したシリコーン中ポリオール型エマルションを提供するのに十分な量の連続シリコーン相を含む。好ましくは連続シリコーン相は、シリコーン中ポリオール型エマルションの約2%〜約90%、より好ましくは約5%〜約85%、なお好ましくは約10%〜約80%の総量で含まれる。シリコーン相は、エマルションが含まれる製品の所望の特性に基づいて揮発性であっても、又は不揮発性であってもよい液体である。本明細書で使用する時、「揮発性」とは、物質が1気圧にて測定可能な蒸気圧を有することを意味する。
【0017】
好適な揮発性シリコーンには、化学式[SiR2−O]nで表される環状ポリアルキルシロキサンが挙げられ、式中、Rはアルキル基(好ましくは、Rはメチル又はエチル、より好ましくはメチル)であり、nは約3〜約8の整数であり、より好ましくはnは約3〜約7の整数であり、最も好ましくはnは約4〜約6の整数である。Rがメチルの時には、これらの物質は、通常、シクロメチコンと呼ばれる。市販のシクロメチコンとしては、ダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)からのDC244、DC344、DC245、DC345、信越化学(Shin-Etsu Chemical)からのKF994、KF995、KF996、KF9956、GE−東芝シリコーン(GE-Toshiba Silicone)からのTSF404、TSF405、TSF406が挙げられる。DC245、KF995及びTSF405は、好ましいシクロメチコンである。
【0018】
その他の好適な揮発性シリコーンは、約3〜約9個のケイ素原子、及び一般式(CH33Si−O−[−Si(CH32−O−]−n−Si(CH33を有する線状ポリジメチルシロキサンであり、式中、nは0〜7である。これらのシリコーンは、ダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)、信越化学(Shin-Etsu Chemical)及びゼネラル・エレクトリック(General Electric)を含め、さまざまな供給源から入手可能である。
【0019】
(ポリオール相)
本エマルションは、シリコーン中ポリオール型エマルションにて安定な様式で乳化され得る量の不連続ポリオール相を含む。好ましくは不連続シリコーン相は、シリコーン中ポリオール型エマルションの約2%〜約90%、より好ましくは約5%〜約80%、なお好ましくは約7%〜約70%の総量で含まれる。ポリオール相は、主に多価アルコールを含み、また多価アルコールと完全に可溶性であるその他の極性溶媒を含んでいてもよい。ポリオール相の構成成分は、揮発性であっても、又は不揮発性であってもよい。
【0020】
ポリオール相に好適なのは、ポリオール、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、フェニルエチルアルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、イソプレングリコール、及びその他の極性溶媒、例えば水、アルコール、ケトン、及びこれらの混合物である。導電性材料は、より好ましくはプロピレングリコール、エタノール、及びこれらの混合物から選択され、最も好ましくはプロピレングリコールである。
【0021】
(分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤)
本エマルションは、十分な量であるが、皮膚に対して不必要に刺激性でなく、安定なシリコーン中ポリオール型エマルションを提供するための分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤を含む。好ましくは、分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤は、シリコーン中ポリオール型エマルションの約0.1%〜約5.0%、より好ましくは約0.2%〜約4.0%の総量で含まれる。
【0022】
本発明の分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤は、乳化能力を有し、メチルポリシロキサン骨格、1つ以上のポリジオルガノシロキサン分枝、及びポリ(オキシアルキレン)メチルポリシロキサン部分を含み;約2〜約8のHLB及び約2,000〜約10,000の分子量を有する非イオン性ポリシロキサンコポリマーである。HLB値は、特定化合物の親水性−疎水性バランスを記述する理論的な指標値である。一般に、HLB指標は0(非常に疎水性)から40(非常に親水性)の範囲であると認識されている。親油性の界面活性剤のHLB値は、当該技術分野において既知の表及びチャートに見出されることができ、次の一般式を用いて計算されてもよい:HLB=7+(疎水基の値)+(親水基の値)。HLB及び化合物のHLBを計算する方法は、「界面活性剤科学シリーズ(Surfactant Science Series)、第1巻:非イオン性界面活性剤」、606−13頁、M.J.シック(M.J.Schick)(マーセル・デッカー社(Marcel Dekker Inc.)、ニューヨーク、1966年)に詳細に説明されている。
【0023】
本明細書の好適な分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤は、次の式(I)を有するもである:
【0024】
【化1】

(式中、R1は約1〜約20個の炭素を有するアルキル基であり);R2
【0025】
【化2】

(式中、gは約1〜約5であり、hは約5〜約20であり)であり、
;R3はH又は約1〜約5個の炭素を有するアルキル基であり;eは約5〜約20であり;fは約0〜約10であり;aは約20〜約100であり;bは約1〜約15であり;cは約1〜約15であり;dは約1〜約5である。
【0026】
極めて好ましい市販の分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤としては、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコーンが挙げられ、それは約4のHLB及び約6,000の分子量を有し、商標名KF6028で信越化学(Shin-Etsu Chemical)から入手可能である。
【0027】
(アルキルジメチコーンコポリオール乳化剤)
本エマルションは、十分な量であるが、皮膚に対して不必要に刺激性でなく、安定したシリコーン中ポリオール型エマルションを提供するためのアルキルジメチコーンコポリオール乳化剤を含む。好ましくは、アルキルジメチコーンコポリオール乳化剤は、シリコーン中ポリオール型エマルションの約0.1%〜約3.0%、より好ましくは約0.2%〜約2.5%の総量で含まれる。意外にも、前述の分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤及びアルキルジメチコーンコポリオール乳化剤の組み合わせは、より小さいエマルション液滴直径、異なる温度での安定性、長期間にわたる安定性、分離がないこと、及び一貫した粘度という点において安定なシリコーン中ポリオール型エマルションを提供する。1つの実施形態において、前述の分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤及びアルキルジメチコーンコポリオール乳化剤は、約1:2〜約1:0.25の重量比で含まれる。
【0028】
本発明のアルキルジメチコーンコポリオールは、乳化能力を有し、メチルポリシロキサン部分、アルキルメチルポリシロキサン部分、及びポリ(オキシアルキレン)メチルポリシロキサン部分を含み;約4〜約6のHLB及び約10,000〜約20,000の分子量を有する非イオン性ポリシロキサンコポリマーであり、ここでこのアルキル基は約10〜約22個の炭素で構成される。
【0029】
本明細書の好適なアルキルジメチコーンコポリオールは、次の式(II)を有するものである:
【0030】
【化3】

(式中、Z1はO(C24O)p(C36O)qHであり、pは0〜約50であり、qは0〜約30であり、ここでp及びqは同時に0でなく;xは1〜約200であり、yは1〜約40であり、zは1〜約100であり、Z2は約10〜約22個の炭素、好ましくは約16〜約18個の炭素を有するアルキル基である。)
極めて好ましいアルキルジメチコーンコポリオールとしては、セチルジメチコーンコポリオール及びステアリルジメチコーンコポリオールが挙げられる。極めて好ましい市販のアルキルジメチコーンコポリオールとしては、メチルポリシロキサンセチルメチルポリシロキサンポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)メチルポリシロキサンコポリマーとも呼ばれるセチルジメチコーンコポリオールが挙げられ、それは約5のHLB及び約13,000の分子量を有し、商標名ABIL EM90としてゴールドシュミット・パーソナル・ケア(Goldschmidt Personal Care)から入手可能である。
【0031】
(増粘剤)
本エマルションは、十分な量であるが、皮膚に対して不必要に刺激性でなく、安定したシリコーン中ポリオール型エマルションを提供するための増粘剤を含む。増粘剤の種類及び量は、所望の製品形態に含まれる追加の構成成分に基づいて変更される。好ましくは増粘剤は、シリコーン中ポリオール型エマルションの約0.2%〜約20%、より好ましくは約0.4%〜約15%の総量で含まれる。
【0032】
好適な増粘剤は、シリコーン、ワックス、クレー、シリカ、塩、天然及び合成エステル、脂肪アルコール、及びこれらの混合物から成る群から選択されることができる。これらの増粘剤の非限定例を以下に説明する。1つの好ましい実施形態において、増粘剤は有機親和性に変性されたクレーである。
【0033】
好適なシリコーンとしては、アルキルシロキサンゲル化剤、シリコーンエラストマー、高分子量ジメチコーン(1000mPasを越える流体)、及び高分子量アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、及び/又はフルオロ−置換ジメチコーン(1000mPasを越える流体)が挙げられる。好ましいシリコーンゲル化剤は、米国特許第5,654,362号及び同第5,880,210号に記載され、それらにはシクロメチコン及びジメチコーンクロスポリマー(例えば、ダウ・コーニング(Dow Corning)9040)が含まれる。好ましいシリコーンエラストマーとしては、ジメチコーンPEG−10/15クロスポリマー(信越化学(Shin-Etsu Chemical)から入手可能なKSG210)が挙げられる。
【0034】
ワックスは融解性の低い有機混合物又は高分子量の化合物として定義されることができ、室温で固体であり、一般には、それらがグリセリドを含有していないということを除いては組成において脂肪及び油と類似している。一部のものは炭化水素であり、他のものは脂肪酸及びアルコールのエステルである。好適なワックスは、動物性ワックス、植物性ワックス及び鉱物ワックスを含む天然ワックス、並びに石油ワックス、エチレンポリマー、炭化水素ワックス(例えば、フィッシャー−トロプシュワックス)、エステルワックス、シリコーンワックスを含む合成ワックス、並びにこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。合成ワックスとしては、ワース(Warth)著、ワックスの化学技術(Chemistry and Technology of Waxes)、第2部、1956年、レインホールド出版(Reinhold Publishing)に開示されているものが挙げられ、本明細書に参考として組み込まれる。
【0035】
ワックスの特定例としては、蜜蝋、ラノリンワックス、セラックワックス、カルナウバ、キャンデリラ、ヤマモモ、ホホバエステル、ベヘン酸ワックス(例えば、ガッチフォーセ(Gattifosse)からコンプリトール(Compritol)(登録商標)として入手可能なグリセリルベヘネート)、オゾケライト、セレシン、パラフィン、微晶性ワックス、ポリエチレンホモポリマー、エチレンオキシド又はエチレンを含むポリマー(例えば、エチレンオキシドと二価のアルコールとを組み合わせた長鎖ポリマー、すなわちポリオキシエチレングリコール、例えばカーバイド・アンド・カーボン・ケミカルズ社(Carbide and Carbon Chemicals company)から入手可能なカルボワックス(Carbowax);鎖の末端にてOH又は別の鎖停止グルーピングを有するエチレンの長鎖ポリマー(ワース(Warth)、上記参照、465−469頁に開示されるフィッシャー・トロプシュワックス、特にロス社(Ross Company)から入手可能なロスワックス(Rosswax)及びアストー・ワックス社(Astor Wax Company)から入手可能なPT−0602を含む)、C24〜45アルキルメチコーン、C8〜C50炭化水素ワックス、アルキル化ポリビニルピロリドン(例えば、ISP社(ISP Company)から入手可能な「ガネックス(Ganex)」アルキル化ポリビニルピロリジン)、C20〜C60の脂肪アルコール(例えば、ペトロライト社(Petrolite Corporation)から入手可能な「ユニラインス(Unilins)」、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
水分散性及び油分散性クレーは、増粘化するために有用であり得る。好適なクレーは、例えばモンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、海泡石、ラポナイト、シリケート、及びこれらの混合物から選択できる。
【0037】
好適な水分散性のクレーとしては、ベントナイト及びヘクトライト(レオックス(Rheox)製のベントーン(Bentone)EW、LTなど);ケイ酸アルミニウムマグネシウム(バンダービルト社(Vanderbilt Co.)製のビーガム(Veegum)など);アタパルジャイト(エンゲルハード社(Engelhard Inc.)製のアタソーブ(Attasorb)又はファラマソーブ(Pharamasorb)など);ラポナイト及びモンモリロナイト(ECCアメリカ(ECC America)製のゲルホワイト(Gelwhite)など);並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0038】
好適な油分散性クレーとしては、有機親和性に変性されたベントナイト、ヘクトライト及びアタパルジャイトが挙げられる。こうしたクレーの特定の市販例としては、ベントーン34(レオックス社(Rheox Corp.))−クオタニウム−18ベントナイト;チクソゲル(Tixogel)VP(ユナイテッド・キャタリスツ(United Catalysts))−クオタニウム−18ベントナイト;ベントーン38;ベントーン38V(レオックス社(Rheox Corp.))−クオタニウム−18ヘクトライト;ベントーンSD−3(レオックス社(Rheox Corp.))−ジ水素添加タローベンジルモニウムヘクトライト;ベントーン27;ベントーン27V(レオックス社(Rheox Corp.))−ステアラルコニウムヘクトライト;チクソゲルLG(ユナイテッド・キャタリスツ(United Catalysts))−ステアラルコニウムベントナイト;クレイトン(Claytone)34(サザン・クレイ(Southern Clay))クオタニウム−18ベントナイト;クレイトン40(サザン・クレイ(Southern Clay))クオタニウム−18ベントナイト;クレイトンAF(サザン・クレイ(Southern Clay))ステアラルコニウムベントナイト;クレイトンAPA(サザン・クレイ(Southern Clay))ステアラルコニウムベントナイト;クレイトンGR(サザン・クレイ(Southern Clay))クオタニウム−18/ベンザルコニウムベントナイト;クレイトンHT(サザン・クレイ(Southern Clay))クオタニウム−18/ベンザルコニウムベントナイト;クレイトンPS(サザン・クレイ(Southern Clay))クオタニウム−18/ベンザルコニウムベントナイト;クレイトンXL(サザン・クレイ(Southern Clay))クオタニウム−18ベントナイト;及びビストール(Vistrol)1265(シンバー(Cimbar))−有機親和性アタパルジャイトが挙げられる。これらの有機親和性クレーは、油又は有機溶媒のいずれかにおいて事前に分散された有機親和性クレーとして購入できる。この材料は、配合物に容易に分散できる重いペーストの形態である。こうした材料としては、レオックス(Rheox)、ユナイテッド・キャタリスツ(United Catalysts)及びサザン・クレイ(Southern Clay)によるマスタージェル(Mastergel)が挙げられる。
【0039】
他の増粘剤としては、燻蒸シリカ及びアルカリ金属又はハロゲン化アンモニウムが挙げられる。燻蒸シリカの例としては、全てデグサ社(DeGussa Corporation)から入手可能な、エアロシル(Aerosil)200、エアロシル300、及びアルキル−置換燻蒸シリカ、例えばエアロシルR−100、200、800、及び900シリーズの材料が挙げられる。
本明細書で有用な他の増粘剤としては、変性されたデキストリン、例えばステアロイルイヌリン(チバ・フラワー・ミリング(Chiba Flour Milling)から入手可能なレオパール(Rheopearl)ISK)が挙げられる。
【0040】
(製品形態及び特定組成物)
本発明のシリコーン中ポリオール型エマルションは、皮膚に適用するのに有用な様々な製品形態に配合されてもよい。こうした製品形態としては、カラー化粧品組成物、スキンケア組成物、UV保護及びセルフタンニング製品が挙げられる。本明細書のカラー化粧品組成物としては、ファンデーション、頬紅、ハイライト(hilighters)、アイシャドウ、及びメークアップベースが挙げられる。本明細書のスキンケア組成物としては、スキンローション、ミルクローション、スプレーローション、クリーム及びジェルが挙げられる。
【0041】
1つの態様において、本発明は、前述のシリコーン中ポリオール型エマルション、及びさらに色又は肌触り効果を提供する約0.1%〜約35%の粉末を含む組成物に関する。別の態様において、本発明は、前述のシリコーン中ポリオール型エマルション、及びさらに約0.5%〜約20%の装用耐性のためのフィルム形成剤を含む組成物に関する。さらに別の態様において、本発明は、前述のシリコーン中ポリオール型エマルション、及びさらに約0.001%〜約20%の皮膚活性剤を含む組成物に関する。
【0042】
(粉末)
本発明の組成物は、粉末を含んでもよく、それは一般に、0.001〜150ミクロン、好ましくは0.01〜100ミクロンの粒径を有する乾燥粒子状材料として定義される。粉末材料は、有色又は無色(例えば、白色又は実質的に透明)であってよく、組成物又は皮膚に、着色、光の回折、油の吸収、透明性、乳白化、真珠光沢、光沢のない外観、滑らかな感触、皮膚の被覆などのような1つ以上の効果をもたらすことができる。これらの材料は、当該技術分野において周知であり、市販されている。所与の製品中の、特定の目的のための所与の粉末材料の特定種及び濃度の選択は、当業者の技能の範囲内である。こうした材料は、通常、組成物の約0.2重量%〜約35重量%、好ましくは約0.5重量%〜約30重量%、より好ましくは約1重量%〜約25重量%の量で使用される。
その他の有用な粉末材料には、タルク、雲母、チタン化雲母(二酸化チタンでコーティングされた雲母)、酸化鉄チタン化雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ(球状シリカ、水和シリカ及びシリカビーズを含む)、二酸化チタン、酸化亜鉛、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、エチレンアクリレートコポリマー粉末、メタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、絹粉末、結晶セルロース、スターチ、オキシ塩化ビスマス、グアニン、カオリン、チョーク、珪藻土、マイクロスポンジ、窒化ホウ素などが挙げられる。本明細書で有用な他の粉末は、米国特許第5,505,937号(カストロジョバンニ(Castrogiovanni)ら、1996年4月9日発行)に記載されている。
【0043】
マット仕上げ剤として有用な構成成分の中では、低光沢性顔料、タルク、ポリエチレン、水和シリカ、カオリン、二酸化チタン、チタン化雲母、及びこれらの混合物が好ましい。日焼け止め剤の粒径を有する二酸化チタン及び酸化亜鉛も有用である。
【0044】
雲母、窒化ホウ素、及びエチレンアクリレートコポリマー(例えば、コボ(Kobo)のEA−209)は、光の回折によって視覚的暈し効果を付与し、例えば滑らかな感触を与えることによって肌触りを改善するので好ましい。肌触りを改善するもう1つの粒子状材料は、SPCAT I2(タルク、ポリビニリデンコポリマー、及びイソプロピルチタントリイソステアレートの混合物)である。
【0045】
油を吸収する好ましい粉末は、球状で非多孔性の粒子であり、より好ましくは25ミクロン未満の粒径を有する。一部の好ましい油吸収性粉末の例は、コスリン(Coslin)C−100(エングルハード(Englehard)から市販される球状油吸収剤)、トスパール(Tospearl)145A(GE東芝シリコーンズ(GE Toshiba Silicones)から入手可能なポリメチルシルセスキオキサン)、パウダー・ラヴィ(Powder La Vie)(三好化成(Miyoshi Kasei)から市販されるヒドロキシアパタイト(hudroxyapatite)及び酸化亜鉛が付着したセリサイト)、エチレンアクリレートコポリマー、例えば上記で記述したSPCATI2である。
【0046】
これらの粉末は、例えば粒子を疎水性又は親水性にするために粉末表面にコーティングされる、1つ以上の試剤、例えば、レシチン、アミノ酸、鉱油、シリコーン油、又は他の様々な試剤によって表面処理されてもよい。このような処理は、配合の容易さ及び安定性を改善するのに好ましい場合がある。
【0047】
(フィルム形成性ポリマー)
本発明の組成物は、装用耐性及び/又は付着耐性特性を付与するためにフィルム形成性ポリマーを含んでいてもよい。こうした材料が含まれる場合、通常、組成物の約0.5重量%〜約20重量%、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約8重量%の量で使用される。好ましいポリマーは、水と石鹸のような洗剤とを併せて使用することで除去可能な、非粘着性フィルムを形成する。
【0048】
好適なフィルム形成性ポリマー材料の例としては、以下のものが挙げられる:
a)スルホポリエステル樹脂、例えば、AQ29D、AQ35S、AQ38D、AQ38S、AQ48S、及びAQ55S(イーストマン・ケミカルズ(Eastman Chemicals)から入手可能)のようなAQスルホポリエステル樹脂;
b)ポリビニルアセテート/ポリビニルアルコールポリマー、例えばビネックス(Vinex)2034、ビネックス2144、及びビネックス2019を含めた、エア・プロダクツ(Air Products)から入手可能なビネックス樹脂;
c)アクリル樹脂、例えばダーマクリル(Dermacryl)LTを含めた、ナショナル・スターチ(National Starch)から商標名「ダーマクリル(Dermacryl)」として入手可能な水分散性アクリル樹脂;
d)ポリビニルピロリドン(PVP)、例えば、ルビスコール(Luviskol)K17、K30、及びK90(BASFから入手可能)、PVPの水溶性コポリマー、例えば、PVP/VA S−630及びW−735、並びにPVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、例えば、ISPから入手可能なコポリマー845及びコポリマー937、並びに、E.S.バラバス(Barabas)のポリマー科学工学百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、第2版、第17巻、198〜257ページに開示されている他のPVPポリマー;
e)高分子量シリコーン、例えば、ジメチコーン及び有機置換ジメチコーン、とりわけ約50,000mPasを超える粘度のもの;
f)約50,000mPasを超える粘度の高分子量炭化水素ポリマー;
g)オルガノシロキサン、例えば、オルガノシロキサン樹脂、流体ジオルガノシロキサンポリマー、及びシリコーンエステルワックス。
【0049】
これらのポリマー及びそれらを含有する化粧品組成物の例は、全て本明細書に参考として組み込まれる、PCT国際公開特許WO96/33689(1996年10月31日発行);同WO97/17058(1997年5月15日発行);及び米国特許第5,505,937号(カストロジョバンニ(Castrogiovanni)ら、1996年4月9日発行)に見出される。本明細書で使用するのに好適な追加のフィルム形成性ポリマーには、本明細書に参考として組み込まれるPCT国際公開特許WO98/18431(1998年5月7日発行)に記載される、水性エマルションにおける非水溶性ポリマー材料及び水溶性フィルム形成性ポリマーが挙げられる。粘度が約50,000mPasよりも高い高分子量の炭化水素ポリマーの例としては、ポリブテン、ポリブテンテレフタレート、ポリデセン、ポリシクロペンタジエン、並びに類似の線状及び分枝状の高分子量炭化水素が挙げられる。
【0050】
好ましいフィルム形成性ポリマーには、R3SiO1/2「M」単位、R2SiO「D」単位、RSiO3/2「T」単位、SiO2「Q」単位の組み合わせを、RnSiO(4-n)/2成る関係式(nは1.0〜1.50の値、Rはメチル基)を満足する相対比で含む、オルガノシロキサン樹脂が含まれる。なお、5%までの少量のシラノール又はアルコキシ官能性も、処理の結果として樹脂構造内に存在する場合があることに留意すべきである。オルガノシロキサン樹脂は、約25℃において固体でなければならず、約1,000〜約10,000グラム/モルの範囲の分子量を有さなければならない。樹脂は、トルエン、キシレン、イソパラフィン及びシクロシロキサンのような有機溶媒又は揮発性キャリアに可溶性であり、このことは、樹脂が、揮発性キャリア中で不溶性である程十分には架橋していないことを示す。特に好ましいのは、反復する一官能性すなわちR3SiO1/2「M」単位及び四官能性すなわちSiO2「Q」単位を含む樹脂、また別に米国特許第5,330,747号(クルジシク(Krzysik)、1994年7月19日発行)(参考として本明細書に組み込む)に開示されている「MQ」樹脂として知られるものである。本発明では、「M」官能性単位と「Q」官能性単位との比は、好ましくは約0.7であり、nの値は1.2である。これらのようなオルガノシロキサン樹脂は市販されており、例えば、ワッカー・シリコーン社(Wacker Silicones corporation)(米国ミシガン州エードリアン)から入手可能なワッカー(Wacker)803及び804、信越化学(Shin-Etsu Chemical)からのKP545、並びにゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)から入手可能なG.E.1170−002がある。
【0051】
装用耐性又は付着耐性を高めるその他の材料にはトリメチル化シリカが挙げられる。好適なこの種のシリカ及びそれらを含有する化粧品組成物は、本明細書に参考として組み込まれる米国特許第5,800,816号(ブリーバ(Brieva)ら)に記載されている。
【0052】
(皮膚活性剤)
本発明の組成物は、安全かつ有効な量の皮膚活性剤を含んでもよい。本明細書で使用する時、用語「皮膚活性剤」は、皮膚、毛髪、又は爪上の適用領域に美容的及び/又は治療的な効果をもたらす活性成分を意味する。本明細書に有用な皮膚活性剤には、美白剤、抗ニキビ剤、皮膚軟化剤、非ステロイド系抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、防腐剤、抗菌及び抗真菌活性物質、皮膚鎮静剤、日焼け止め剤、皮膚バリア修復剤、しわ防止剤、皮膚萎縮防止剤、脂質、皮脂阻害物質、皮膚感覚剤、タンパク質分解酵素阻害物質、皮膚引き締め剤、痒み止め剤、発毛阻害物質、落屑酵素強化剤、グリケーション防止剤、及びこれらの混合物が挙げられる。含まれる場合、本組成物は、約0.001%〜約30%、好ましくは約0.001%〜約10%の少なくとも1つの皮膚活性剤を含む。
皮膚活性剤の種類及び量は、特定試剤が含まれても組成物の安定性に影響しないように選択される。例えば、親水性剤はポリオール相に可溶性である量で組み込まれていてもよい一方で、親油性剤はシリコーン相に可溶性である量で組み込まれていてもよい。
【0053】
本明細書で有用な美白剤とは、処理前と比較した場合に色素沈着を改善する活性成分のことをいう。本明細書で有用な美白剤には、アスコルビン酸化合物、ビタミンB3化合物、アゼライン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸とその誘導体、グリシルリジン酸、ヒドロキノン、コウジ酸、アルブチン、クワ抽出物、及びこれらの混合物が挙げられる。美白剤の組み合わせの使用は、それらが異なる機構により美白効果をもたらす可能性があるという点で、有利であると考えられている。
【0054】
本明細書で有用なアスコルビン酸化合物としては、本質的にL型のアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、及びそれらの誘導体が挙げられる。本明細書で有用なアスコルビン酸塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム及びプロタミン塩が挙げられる。本明細書で有用なアスコルビン酸誘導体としては、例えば、アスコルビン酸のエステル、及びアスコルビン酸のエステル塩が挙げられる。特に好ましいアスコルビン酸化合物としては、2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸(アスコルビン酸及びグルコースのエステルであり、普通はL−アスコルビン酸2−グルコシド又はアスコルビルグルコシドと称される)及びその金属塩、並びにL−アスコルビン酸ホスフェートエステル塩、例えばリン酸アスコルビルナトリウム、リン酸アスコルビルカリウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、及びリン酸アスコルビルカルシウムが挙げられる。市販のアスコルビン酸化合物としては、昭和電工(Showa Denko)から入手可能なリン酸アスコルビルマグネシウム、ハヤシバラ(Hayashibara)から入手可能な2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、及びロッシュ(Roche)から入手可能な商標名ステイ(STAY)Cのリン酸L−アスコルビルナトリウムが挙げられる。
【0055】
本明細書で有用なビタミンB3化合物としては、例えば、次の式を有するものが挙げられる:
【0056】
【化4】

式中、Rは−CONH2(例えば、ナイアシンアミド)、又は−CH2OH(例えば、ニコチニルアルコール);これらの誘導体;及びそれらの塩である。前出のビタミンB3化合物の代表的な誘導体としては、ニコチン酸の非血管拡張性エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシド、及びナイアシンアミドN−オキシドを含む、ニコチン酸エステルが挙げられる。好ましいビタミンB3化合物は、ナイアシンアミド及びニコチン酸トコフェロール、より好ましいものはナイアシンアミドである。好ましい実施形態では、ビタミンB3化合物は限られた量の塩の形態を含有し、より好ましくはビタミンB3化合物の塩は実質的に含まれない。好ましくはビタミンB3化合物は約50%未満のそのような塩を含有し、さらに好ましくは本質的には塩の形態を含まない。本明細書で極めて有用な市販のビタミンB3化合物としては、ライリー(Reilly)から入手可能なナイアシンアミドUSPが挙げられる。
【0057】
本明細書で有用なその他の皮膚活性剤としては、パンテノール、トコフェリルニコチネート、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、フラボノイド(例えば、フラバノン、カルコン)、ファルネソール、フィタントリオール、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、シス−レチノイン酸、トランス−レチノイン酸、レチノール、レチニルエステル(例えば、レチニルプロピオネート)、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、トコフェロール及びそのエステル(例えば、トコフェリルアセテート)、アゼライン酸、アラキドン酸、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ヒドロコルチゾン、アセトミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、ネオマイシンサルフェート、テオフィリン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0058】
(UV吸収剤)
本発明の組成物は、安全かつ有効な量のUV吸収剤を含んでもよい。種々広範な従来のUV保護剤は、本明細書に用いるのに好適であり、例えば米国特許第5,087,445号(ハフィー(Haffey)ら、1992年2月11日発行);米国特許第5,073,372号(ターナー(Turner)ら、1991年12月17日発行);米国特許第5,073,371号(ターナー(Turner)ら、1991年12月17日発行);及びセガリン(Segarin)ら著、化粧品の科学と技術(Cosmetics Science and Technology)(1972)、8章の189頁以降に記載されているものがある。含まれる場合、本組成物は、約0.5%〜約20%、好ましくは約1%〜約15%のUV吸収剤を含む。
【0059】
本明細書で有用なUV吸収剤は、例えば、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート(パーソルMCX(PARSOL MCX)として市販されている)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、オクトクリレン、2−エチルヘキシルN,N−ジメチル−p−アミノベンゾエート、p−アミノ安息香酸、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、オクトクリレン、オキシベンゾン、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレート、4,4’−メトキシ−t−ブチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジリデンカンファー、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、及びユーソレックス(Eusolex)(登録商標)6300、オクトクリレン(Octocrylene)、アヴォベンゾン(Avobenzone)(パーソル(Parsol)1789として市販されている)、及びこれらの混合物である。
【0060】
(追加の構成成分)
本明細書の組成物はさらに、局所適用製品に従来使用されるもののような追加の構成成分を含有していてもよく、例えば、組成物又は皮膚に審美的又は機能的効果を与えるためのもの、例えば外観、匂い又は感触に関連する知覚上の効果、治療的効果、あるいは予防的効果を与えるためのものである(上述の必要とされる材料自体がこうした効果を提供してもよいことを理解すべきである)。
【0061】
「CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)」、第2版(1992年)は、業界で一般に使用される多種多様な非限定的な化粧品及び医薬品成分を記載しており、それらは、本発明の局所適用組成物で使用するのに適している。こうした他の材料は、組成物の構成成分の相対的な溶解性によって、組成物に溶解してもよく、又は分散してもよい。
【0062】
好適な局所適用成分分類の例としては:抗セルライト剤、酸化防止剤、ラジカルスカベンジャー、キレート剤、ビタミン及びそれらの誘導体、研磨材、その他の油吸収剤、収れん剤、染料、精油、芳香剤、構造剤、乳化剤、可溶化剤、固化防止剤、消泡剤、結合剤、緩衝剤、充填剤、変性剤、pH調整剤、噴射剤、還元剤、隔離剤、化粧品用殺生物剤、及び防腐剤が挙げられる。
【0063】
(静電噴霧可能)
カラー化粧品及びスキンケア組成物の静電噴霧は、より効率的な消費及び製品活性、適用中の制御、適用の容易さ及び清潔さ/衛生、並びに改善された仕上げのための手段として提案されている。静電噴霧は、噴霧されるべき組成物を噴霧ノズルにて高電位にして、その組成物を帯電した液滴のスプレーとして霧状にすることを含む。帯電した液滴は、最も近くにあるアースされた物体を探してその電荷を放電するが、その物体が所望の噴霧標的になるように配置することができる。
【0064】
1つの好ましい実施形態において、本発明のシリコーン中ポリオール型エマルション及びそれらを含む組成物は、静電噴霧可能である。静電噴霧可能にするために、組成物は、帯電液滴のスプレーとして霧状になるような固有抵抗、好ましくは約0.01〜約5000MΩ・cm、より好ましくは約0.01〜約2000MΩ・cm、最も好ましくは約0.1〜約500MΩ・cmの固有抵抗を有しなければならない。固有抵抗は、従来の標準的な装置及び方法を用いて、一般に25℃において測定される。固有抵抗は、必要に応じて絶縁性材料と導電性材料の相対濃度を変えることによって調整することができる。組成物はまた、静電噴霧できる粘度、すなわち組成物が適用される時に組成物液滴の吸上作用を最小限にするのに十分高いが、帯電される場合に霧状になる程度に十分流動性である粘度を有しなければならない。好ましくは、粘度は、約0.1〜約50,000mPas、より好ましくは約0.5〜約20,000mPas、最も好ましくは約5〜約10,000mPas(25℃において、10秒-1の割合で0.5mmギャップを有する60mm平行プレートを使用)の範囲内である。
【0065】
要約すれば、皮膚適用に有用で静電噴霧可能となる組成物に関して、そうした組成物は、通常、液体の絶縁性材料、導電性材料、及び組成物の粘度を安定化及び調整する増粘剤を含む。「絶縁性」とは、それ自体静電噴霧には適さず(すなわち、その電界内で双極性分子の十分な整列を引き起こすことができず、結果として必要な正味の力をもたらすことができず)、典型的には約2000MΩ・cmを越える、より典型的には約5000MΩ・cmを越える固有抵抗を有する材料を意味する。好ましい絶縁性材料は、約10,000mPas以下の粘度を有する。導電性材料は、不均一な電界が存在する時に、組成物が全体として、この組成物を最も高い電界強度領域に向かって引き寄せる十分な大きさの誘電泳動力を生み出す(それによって静電スプレーを創り出す)ことを確実にする。導電性材料は、好ましくは、5,000MΩ・cm未満、より好ましくは約2,000MΩ・cm未満、最も好ましくは約500MΩ・cm未満の固有抵抗を有する。またこの材料は、好ましくは、すべての液滴が標準的な光学顕微鏡法によって測定して300ミクロン未満の粒径を有するようなスプレーを可能にする、十分に長い緩和時間を有する。導電性材料は、好ましくは、約1E−7〜1秒、より好ましくは約1E−6〜1E−2秒、最も好ましくは約1E−5〜1E−3秒の緩和時間を有する。
【0066】
本シリコーン中ポリオール型エマルションは、連続シリコーン相が好適な絶縁性材料として作用でき、不連続ポリオール相が好適な導電性材料として作用でき、増粘剤が好適な粘度を提供する場合に、静電噴霧可能となる。意外にも、こうした条件を満たす場合に、本発明のエマルションは静電噴霧される場合であっても改善された安定性を提供することを見出した。さらに、本エマルション及び粉末のような追加の構成成分を含む組成物も、静電噴霧される場合に改善された安定性を提供することを見出した。エマルション及び追加の粉末を含む組成物の安定性は、こうした組成物が分離する傾向にあり、そうした粉末が沈殿し得るので、とりわけ難題である。結果として得られた不均一な流体は、静電噴霧される場合にスプレーの質が劣る。本組成物はまた、静電噴霧の条件下でスプレーの質を改善する。
【0067】
本明細書の組成物は、静電噴霧技術によって皮膚に直接、好適に適用される。一般に、この方法は、噴霧されるべき組成物を噴霧ノズルにて高電位にして、その組成物を帯電した液滴のスプレーとして霧状にすることを含む。帯電した液滴は、最も近くにあるアースされた物体を探してその電荷を放電するが、その物体が所望の噴霧標的になるように配置することができる。
【0068】
本発明を用いて送達されるべき組成物は、好ましくは一般に液体の形態である。存在する補助材料は、いずれも、室温で液体、固体、又は半固体であってよいが、組成物を静電噴霧可能にするために選択されるべきである。静電噴霧性を向上させるには、好ましい組成物は、約35重量%以下の固体含量を有する。この点で、「固体」は、組成物に可溶性でも混和性でもない粒子状材料を指し、これには粒子状顔料及び油吸収剤が含まれる。
【0069】
1つの極めて好ましい実施形態において、本発明は:
a)約2%〜約90%の連続シリコーン相;
b)約2%〜約90%の不連続ポリオール相;
c)約0.1%〜約5%の分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤;
d)約0.1%〜約3%のアルキルジメチコーンコポリマー乳化剤;
e)約0.2%〜約20%の組成物を安定化するための増粘剤;
f)約0.2%〜約35%の粉末;及び
g)約0.5%〜約20%のフィルム形成性ポリマー;
の構成成分を含む、ファンデーション、頬紅又はハイライトのようなカラー化粧品組成物として用いるのに好適な静電噴霧可能な組成物に関する。
【0070】
本発明における使用に関して、機械設備及び電気的構成部品及び回路構成は、好適な構成及び設計であってもよい。好ましい装置は、本組成物を含有するための貯蔵器を有する小規模な個人使用に好適な装置、その貯蔵器と連通した少なくとも1つの送達手段、例えばノズル;携帯用又は非携帯用(好ましくは携帯用)電源を動力源として1〜26キロボルト(例えば、12〜26キロボルト)の範囲の電圧を発生する高電圧発生器;並びにその発生器から少なくとも1つの前記送達手段に高電圧を選択的に適用するための制御手段を含む。使用中、この制御手段は、局所適用組成物を、少なくとも1つの送達手段から皮膚の目的とする部位に直接静電噴霧するために作動される。
【0071】
当業者には理解されるであろうが、こうした装置の特定の構成特徴及び設計並びに電気的及びその他の作動パラメータは、必要により所望の機能特性に従って、例えば噴霧されるべき組成物及び/又はユーザーの必要性又は望みによって示されるようなものに従って選択又は調整されてもよい。選択及び/又は調整されてもよい装置の特徴としては、例えば高電圧発生器及び動力源によって発生される電圧、製品送達手段中又はその領域中の電界強度、噴霧されるべき製品の貯蔵器から送達手段への流量及び送達手段から出る流量、送達手段自体の大きさ及び構成、並びに貯蔵器と送達手段の出力との間に利用されるいずれかの製品供給機構の構成及び特性が挙げられる。
【0072】
装置の1以上の送達手段の大きさ及び構成は、いずれかの好適な形態であることができ、同様に最適に機能する静電噴霧送達システムを与えるための他の範囲に関連して選択されてもよい。一般に、ある送達手段又はそれぞれの送達手段は、ノズルの形態であり、当該技術分野において周知のように、好ましくはプラスチック又は種々のポリマーのような絶縁性又は半絶縁性材料で構成される。ノズルの好ましい1つの形態において、噴霧されるべき組成物を運ぶ導管は、ノゾルの先端にてオリフィスで終止し、そのオリフィスから組成物が、例えば最初はリガメントとして排出されるが、いずれにしても最終的には帯電液滴スプレーとして分配されるのが好ましい。オリフィスは、約800ミクロン以下(例えば、508〜762ミクロン)の直径を有する。さらにより好ましくは、オリフィスは、約500〜約750ミクロンの直径を有する。
【0073】
送達手段は、あるノズル又はそれぞれのノズルから所定の固定量の組成物を送達するための投与機構を提供するための計量手段を含むのが有利な場合がある。こうした手段は、例えば流量を制御するシステムと連動させると有用な場合がある。好ましくはある送達手段又はそれぞれの送達手段は、組成物供給手段によって貯蔵器と連通、好ましくは流体連通している。1つの好ましい形態において、こうした供給手段は、ノズルと貯蔵器との間にチャネルを有する絶縁体を含んでいてもよく、噴霧されるべき組成物がそこを流れた後、液滴又は粒子の帯電スプレーとして分散される高電界強度の地点に到達する。別の好ましい形態において、供給手段は、組成物が毛管現象の作用のもとで通る中空の導管を含んでいてもよい。
【0074】
装置は、発生器からある送達手段又はそれぞれの送達手段に高電圧を選択的に適用し、皮膚に組成物を静電噴霧するためにトリガー(すなわち、手動制御手段)又は別の方法としては自動制御手段を含むのが好ましい。ただし、当業者に理解されるように、その他の好適な制御手段のいずれか、例えばシステムの自動制御作動装置を使用してもよい。
【0075】
組成物の皮膚への付着は、噴霧液滴の大きさ及び間隔並びに皮膚の被覆範囲を含め、製品の噴霧流量、皮膚への製品の適用割合、並びに皮膚に適用される製品の量に左右される。一般に、液滴の大きさは、固有抵抗が増大するほど、電圧が低下するほど、また流量が増加するほどに増大し、間隔は、電圧が上昇するほど、また付着量が減少するほどに増大し、被覆範囲は、流量が増加するほど、また付着量が増加するほどに増大する。
【0076】
噴霧されるべき組成物の最適な流量は、一般に組成物自体に左右され、好ましくは感覚的な不快さを避けることを基本として適切に選択されてもよい。また、噴霧可能な材料の粘度に関して既に述べたように、好適な流量は、特定の送達方法及び/又はユーザーの習慣又は必要性に応じて選択されてもよい。一般に、組成物の付着を良好に制御するため、濃縮材料を用いてより低い流量を利用するのが望ましい。一般に流量が増大するにつれて、最適な噴霧性及び小さい噴霧液滴径を提供するためにより高い電圧を利用するのが望ましい。好ましい実施形態において、本組成物は、約0.1〜約100mL/時間、好ましくは約1〜約30mL/時間の流量、約1kV〜約20kV、好ましくは約3kV〜約20kVの電圧、及び約0.01mg組成物/cm2皮膚〜約12mg組成物/cm2皮膚の適用割合にて噴霧される。ファンデーションのような比較的固形分の多い組成物は、通常、約1mg/cm2皮膚の割合で適用され;スキンローションのような比較的固形分の少ない組成物は、通常約5〜6mg/cm2皮膚の割合で適用される。スキンローションのような比較的固形分の少ない組成物は、通常、約50〜約60mL/時間の流量で送達される。ファンデーションのような比較的固形分の多い組成物は、好ましくは上記適用割合にて、約1〜約30mL/時間の流量及び約6kV〜約20kVの電圧で静電噴霧される。本組成物の極めて好ましいファンデーション実施形態の代表的な適用量は、約0.8mg/cm2であり、これは約30〜40%の皮膚適用範囲を提供する傾向にある。
【実施例】
【0077】
次の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態についてさらに詳しく説明し、実証するものである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の多くの変形形態が可能であるので、これらの実施例は、単に例証を目的として与えるものにすぎず、本発明を制限するものとして解釈すべきではない。
【0078】
(組成物)
【0079】
【表1】

【0080】
【表2】

1PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコーン:信越化学(Shin-Etsu Chemical)からのKF6028。
2セチルジメチコーンコポリオール:ゴールドシュミット(Goldschmidt)からのエービル(Abil)EM90。
3ジメチコーンPEG−10/15クロスポリマー:信越化学(Shin-Etsu Chemical)から入手可能なKSG210。
4ヘクトライトクレー:エレメンティス・スペシャリティーズ(Elementis Specialties)から入手可能なベントン38V。
5ステアロイルイヌリン:チバ・フラワー・ミリング(Chiba Flour Milling)から入手可能なレオパールISK。
6窒化ホウ素:東レ(Toray Industries)から入手可能なトウレセラム(Torayceram)T−BN−C。
7オルガノシロキサン(Organisloxane)樹脂:ゼネラル・エレクトリック(General Electric)からSR1000として入手可能なMQ樹脂(M:Qの比が0.7:1)。
8アクリレート/ジメチコーンコポリマー:信越化学(Shin-Etsu Chemical)から入手可能なKP545。
9ポリメチルシルセスキオキサン:GE−東芝シリコーンズ(GE-Toshiba Silicones)から入手可能なトスパール(Tospearl)145A。
10雲母及びヒドロキシアパタイト及び酸化亜鉛:三好化成(Miyoshi Kasei)から入手可能なパウダー・ラヴィ(Powder La Vie)。
11アボベンゾン:ジボダン(Givaudan)から入手可能なパーソル(Parsol)1789。
【0081】
(組成物の調製)
上記の組成物は、当業者に既知のいずれかの好適な方法によって製造することができる。組成物は次のように製造されてもよい:A群の成分を合わせ、ホモジナイザーで十分混合する。ヘクトライトクレー及び活性剤を中程度の剪断力にて分散させる又は約65℃にてシリコーン中にレオパールISKを溶解させることによってB群の成分を調製する。B群の成分をA群の成分に添加し、約10分間それらを混合する。中程度の速度にて混合しながらC群の成分をA及びB群の成分にゆっくりと添加し、次いで添加が完了した後高速にする。必要ならばさらに手練りで補助する。予め混合したD群をA、B及びC群に添加して、約10分以内に乳化させる。添加が完了した後、さらに約5分間混合する。バッチを周囲条件に戻し、適当な容器に注ぎ込む。
【0082】
(組成物の使用)
上記実施例1〜10は、より小さいエマルション液滴、異なる温度での安定性、長期間にわたる安定性、分離がないこと、及び一貫した粘度という観点において安定なシリコーン中ポリオール型エマルション組成物を提供する。さらに実施例1〜10は静電噴霧可能である。
【0083】
前述した本発明の実施例及び実施形態の詳細な記述は、単に説明のために与えるものにすぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多数の修正及び変更が当業者には明らかになることが理解される;そのような明らかな修正及び変更は、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【0084】
「発明を実施するための最良の形態」において引用したすべての文書は、関連する部分において、参考として本明細書に組み込まれるが、いかなる文書の引用も、本発明に関する先行技術であることの容認と考えられるべきではない。
【0085】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明である。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン中ポリオール型エマルションであって、
a)連続シリコーン相;
b)不連続ポリオール相;
c)分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤;
d)アルキルジメチコーンコポリマー乳化剤;及び
e)この組成物を安定化するための増粘剤
を含むシリコーン中ポリオール型エマルション。
【請求項2】
前記連続シリコーン相が、式[SiR2−O]n(式中Rはメチルであり、nは約4〜約6の整数である)を有する環状ポリアルキルシロキサンを含む請求項1に記載のエマルション。
【請求項3】
前記不連続ポリオール相が、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、フェニルエチルアルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、イソプレングリコール、水、アセトン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のエマルション。
【請求項4】
前記不連続ポリオール相がプロピレングリコールを含む、請求項3に記載のエマルション。
【請求項5】
前記分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤が一般式(I)から選択される、請求項1に記載のエマルションであり、
【化1】

式中、R1は約1〜約20個の炭素を有するアルキル基であり;R2
【化2】

(式中、gは約1〜約5であり、hは約5〜約20であり)であり;R3はH又は約1〜約5個の炭素を有するアルキル基であり;eは約5〜約20であり;fは約0〜約10であり;aは約20〜約100であり;bは約1〜約15であり;cは約1〜約15であり;dは約1〜約5である。
【請求項6】
前記アルキルジメチコーンコポリマー乳化剤が一般式(II)から選択される、請求項1に記載のエマルション。
【化3】

(式中、Z1はO(C24O)p(C36O)qHであり、pは0〜約50であり、qは0〜約30であり、ここでp及びqは同時に0でなく;xは1〜約200であり、yは1〜約40であり、zは1〜約100であり、Z2は約10〜約22個の炭素を有するアルキル基である。)
【請求項7】
前記増粘剤が、シリコーン、ワックス、クレー、シリカ、塩、天然及び合成エステル、脂肪アルコール、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のエマルション。
【請求項8】
前記増粘剤が有機親和性に変性されたクレーである、請求項7に記載のエマルション。
【請求項9】
請求項1に記載のエマルション及び粉末を含む組成物。
【請求項10】
請求項1に記載のエマルション及びフィルム形成性ポリマーを含む組成物。
【請求項11】
前記フィルム形成性ポリマーがMQ樹脂である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1に記載のエマルション及び皮膚活性剤を含む組成物。
【請求項13】
請求項1に記載のエマルション及びUV吸収剤を含む組成物。
【請求項14】
請求項1に記載のエマルションを含む組成物であって、前記組成物全体が、
a)約0.2%〜約90%の前記連続シリコーン相;
b)約0.2%〜約90%の前記不連続ポリオール相;
c)約0.1%〜約5%の前記分枝状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤;
d)約0.1%〜約3%の前記アルキルジメチコーンコポリマー乳化剤;
e)約0.2%〜約20%の前記組成物を安定化するための前記増粘剤;
f)約0.2%〜約35%の前記粉末;及び
g)約0.5%〜約20%の前記フィルム形成性ポリマー
を含む組成物。
【請求項15】
前記連続シリコーン相が液体の絶縁性材料であり;前記不連続ポリオール相が導電性材料であり;前記エマルションが静電噴霧可能である、請求項1に記載のエマルション。
【請求項16】
前記エマルションが、流量約0.1〜約100mL/時間、電圧約1kV〜約20kV、及び適用割合約0.01mgエマルション/cm2皮膚〜約12mgエマルション/cm2皮膚で静電噴霧可能である、請求項15に記載の静電噴霧可能なエマルション。
【請求項17】
前記連続シリコーン相が液体の絶縁性材料であり;前記不連続ポリオール相が導電性材料であり;前記組成物が静電噴霧可能である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、流量約0.1〜約100mL/時間、電圧約1kV〜約20kV、及び適用割合約0.01mg組成物/cm2皮膚〜約12mg組成物/cm2皮膚で静電噴霧できる、請求項17に記載の静電噴霧可能な組成物。


【公表番号】特表2007−526224(P2007−526224A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517232(P2006−517232)
【出願日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/018695
【国際公開番号】WO2004/112744
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】