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シリコーン化合物塩
説明

シリコーン化合物塩

【課題】 本発明は、シリコーン樹脂と相溶性がよく、帯電防止が可能な導電性を有するシリコーン化合物を提供することを目的とする。
【解決手段】 ―(CHW(CHNRR’R”・A(式中、R、R’及びR”は、同一又は異なってもよく、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、Aは、炭素数が1〜4のペルフルオロアルキル基を有するペルフルオロアルカンスルホン酸若しくはビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド、又はビス(フルオロスルホン)イミドを表し、Wは、NH、O又は単結合であり、m及びpは1から10の整数である)で表されるアンモニウム基を少なくとも一つ含む特定のシリコーン化合物塩である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン化合物塩に関する。より詳しくは、帯電防止性能を有するシリコーン化合物塩に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車関連製品、電化製品、建築材料等に使用されるシリコーンゴム及びシリコーン樹脂は、化学的に安定であり、耐熱性、耐薬品性、撥水性、絶縁性等に優れている。このシリコーンに導電性を付与するため、カーボンブラック、カーボンブラックと第4級アンモニウム塩、イオン性液体を添加する方法が報告されている(特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−43282号公報
【特許文献2】特開2010−31292号公報
【特許文献3】特開2010−21105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シリコーンゴムにカーボンブラックを添加する方法(特許文献1、2)では、可塑度が低くなり成形性が低下する等のシリコーンゴム本来の特性を損なってしまうだけでなく、シリコーンゴムが着色してしまう、という問題がある。また、リチウム塩を添加する方法(特許文献3)では、イオン導電材としてリチウム塩を溶解させたイオン液体を使用しているが、一般的にイオン液体はシリコーンゴムに対し溶解性が悪く、実際に試験を行ったがイオン液体をシリコーンゴムに溶解することができなかった。
【0005】
本発明は、シリコーン樹脂と相溶性がよく、帯電防止が可能な導電性を有するシリコーン化合物塩を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下に示す構成によって上記課題を解決するシリコーン化合物塩、シリコーン化合物塩の製造方法、及び導電性シリコーン樹脂に関する。
〔1〕一般式(1):
【0007】
【化1】

【0008】
〔式中、R、R’及びR”は、同一又は異なってもよく、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、Aは、炭素数が1〜4のアルキル基を有するペルフルオロアルカンスルホン酸若しくはビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド、又はビス(フルオロスルホン)イミドを表し、Wは、NH、O又は単結合であり、m及びpは、1から10の整数である。〕
を含有する、下記一般式(2)又は(3)で表される鎖状のジメチルシロキサン構造であることを特徴とする、シリコーン化合物塩。
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、X及びYは同一又は異なってもよく、それぞれ独立して、メチル基又は上記一般式(1)であり、かつX及びYの少なくとも一つは、上記一般式(1)でであり、n1は、1〜1000の整数である)
【0011】
【化3】

【0012】
(式中、X、Y及びZは、同一又は異なってもよく、それぞれ独立して、メチル基又は上記一般式(1)であり、かつX、Y及びZの少なくとも一つは、上記一般式(1)であり、n2及びn3は、1〜1000の整数である)
【0013】
〔2〕アミノ基を含有するシリコーン化合物を、一般式(4):Rf’SOR(式中、Rf’は、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基であり、Rは、水素又は炭素数1〜4のアルキル基である)で表されるペルフルオロアルキルスルホン酸エステル、一般式(5):(RfSONR(式中、RfおよびRは、上記と同義である)で表されるビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド、又は一般式(6):(FSONR(式中、Rは、上記と同義である)で表されるビス(フルオロスルホン)イミドと反応させて、シリコーン化合物のアミノ基をアンモニウム塩化することを特徴とする、上記〔1〕記載のシリコーン化合物塩の製造方法。
〔3〕上記〔1〕記載のシリコーン化合物塩を含有する、導電性シリコーン樹脂。
【発明の効果】
【0014】
本発明〔1〕によれば、シリコーン樹脂と相溶性のよいシリコーン系導電性付与剤を提供することができる。本発明〔2〕によれば、シリコーン樹脂と相溶性のよいシリコーン化合物塩を簡便に製造することができる。また、本発明〔3〕によれば、電気抵抗値が低いシリコーン樹脂を容易に得ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0016】
本発明のシリコーン化合物塩は、一般式(1):
【0017】
【化4】

【0018】
〔式中、R、R’及びR”は、同一又は異なってもよく、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、Aは、炭素数が1〜4のアルキル基を有するペルフルオロアルカンスルホン酸若しくはビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド、又はビス(フルオロスルホン)イミドを表し、Wは、NH、O又は単結合であり、m及びpは、1から10の整数である。〕を含有する、下記一般式(2)又は(3):
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、X及びYは同一又は異なってもよく、それぞれ独立して、メチル基又は上記一般式(1)であり、かつX及びYの少なくとも一つは、上記一般式(1)である(n1は、1〜1000の整数)。
【0021】
【化6】

【0022】
(式中、X、Y及びZは、同一又は異なってもよく、それぞれ独立して、メチル基又は上記一般式(1)であり、かつX、Y及びZの少なくとも一つは、上記一般式(1)であり、n2及びn3は、1〜1000の整数である)
で表される鎖状のジメチルシロキサン構造であることを特徴とする。
【0023】
ここで、一般式(2)、(3)のいずれにおいても、一般式(1)で表されるアンモニウム基を少なくとも一つ含むことにより、シリコーン化合物塩に導電性が付与される。また、シリコーン化合物塩であるので、シリコーン樹脂との相溶性に優れる。
【0024】
本発明のシリコーン化合物塩の製造方法は、アミノ基を含有するシリコーン化合物を、一般式(4):Rf’SOR(式中、Rf’は、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基であり、Rは、水素又は炭素数1〜4のアルキル基である)で表されるペルフルオロアルキルスルホン酸エステル、一般式(5):(RfSONR(式中、RfおよびRは、上記と同義である)で表されるビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド、又は一般式(6):(FSONR(式中、Rは、上記と同義である)で表されるビス(フルオロスルホン)イミドと反応させて、シリコーン化合物のアミノ基をアンモニウム塩化することを特徴とする。この反応の一例を、式(7):
【0025】
【化7】

【0026】
に示す。アミノ基を含有するシリコーン化合物としては、イオン化の観点からアミノ基を含有する変性シリコーンオイルが好ましい。アミノ基を含有する変性シリコーンオイルの市販品としては、信越化学工業(株)製反応性シリコーンオイルのKF―868(アミノ変性〔側鎖型〕、アミノ官能基当量:8800g/mol)、X−22−161X(アミノ変性〔両末端型〕、アミノ官能基当量:800g/mol)等が挙げられる。
【0027】
また、本発明の導電性シリコーン樹脂は、上記シリコーン化合物塩を含有するため、電気抵抗率が低い。当該化合物塩を添加するシリコーン樹脂としては、一液性RTVゴム、二液性RTVゴム等が挙げられ、操作性の観点から一液性RTVゴムが好ましい。一液性RTVゴムの市販品としては、信越化学工業(株)製一液性RTVゴムのKE−347、KE−348等がある。なお、導電性シリコーン樹脂には、必要に応じて、充填剤、顔料、耐熱性向上剤、難燃剤等の添加剤を配合してもよい。
【実施例】
【0028】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。表面抵抗率は、三菱化学(株)製ハイレスタ−UP(型番:MCP−HT450)を用い、印加電圧:1000Vで測定した。なお、収率に用いられる%は、特に示さない限り、質量%である。
【0029】
〔実施例1:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド・1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、40%の三菱マテリアル電子化成(株)製ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONH)水溶液:70.3g(0.10mol)、イオン交換水:30gを投入し、氷冷下、東京化成工業(株)製1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(〔HN(CHSi(CHO):12.4g(0.05mol)を滴下した。撹拌の後、溶液は2層に分離した。分離した液体のうち、下層を単離し、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.6kPaにて減圧乾燥後、式(8):
【0030】
【化8】

【0031】
のビス(トリフルオトメタンスルホニル)イミド・1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン塩を35.5g(収率:88%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す。
HNMR(in d−DMSO、ppm):0.08(s,12H,SiCH)、δ 0.53(m,4H,SiCH)、δ 1.54(m,4H,CH)、δ 2.77(t,4H,J=7.6Hz NCH
19FNMR(in d−DMSO、ppm):δ −78.8(s CF
【0032】
〔実施例2:ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド・1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、三菱マテリアル電子化成(株)製ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド((CSONH):29.1g(0.05mol)、イオン交換水:60cmを投入し、氷冷下、東京化成工業(株)製1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(〔HN(CHSi(CHO):6.2g(0.025mol)を滴下した。撹拌の後、析出した結晶をろ別し、イオン交換水で結晶を洗浄した。得られた結晶を60℃で乾燥後、式(9):
【0033】
【化9】

【0034】
のビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド・1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン塩を29.3g(収率:83%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す(下線はケミカルシフトに対応する元素を示す)。
HNMR(in d−DMSO、ppm):0.07(s,12H,SiCH)、δ 0.53(m,4H,SiCH)、δ 1.52(m,4H,CH)、δ 2.73(t,4H,J=7.5Hz NCH
19FNMR(in d−DMSO、ppm):δ −80.7(t,3F,J=9.6Hz,CF)、δ −113.4(t,2F,J=13.6Hz,NOSC)、δ −121.1(m,2F,CCF)、δ −125.9(t,2F,J=13.6Hz,NOSCF
【0035】
〔実施例3:シリコーン化合物塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、変性シリコーンオイル(KF−868:信越化学工業(株)製):40.0g(アミノ官能基等量8800g/mol)、40%の三菱マテリアル電子化成(株)製ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONH)水溶液:3.2gを投入した。撹拌の後、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.7kPaにて減圧乾燥を行い、式(10):
【0036】
【化10】

【0037】
(式中、n4、n5は1〜1000の整数である)のシリコーン化合物塩を40.1g(収率:97%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す。
19FNMR(in d−acetone、ppm):δ −79.9(s CF
【0038】
〔実施例4:シリコーン化合物塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、変性シリコーンオイル(X−22−161X:信越化学工業(株)製):40.0g(アミノ官能基等量800g/mol)、40%の三菱マテリアル電子化成(株)製ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONH)水溶液:35.2gを投入した。撹拌の後、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.8kPaにて減圧乾燥を行い、式(11):
【0039】
【化11】

【0040】
(式中、n6は1〜1000の整数である)のシリコーン化合物塩を52.4g(収率:97%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す。
19FNMR(in d−acetone、ppm):δ −79.8(s CF
【0041】
〔実施例5:シリコーン化合物塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、20%の三菱マテリアル電子化成(株)製トリフルオロメタンスルホン酸(CFSOH)水溶液:65.5g(0.10mol)を氷冷下、東京化成工業(株)製1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(〔HN(CHSi(CHO):12.4g(0.05mol)を滴下した。撹拌の後、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.7kPaにて減圧乾燥を行い、式(12):
【0042】
【化12】

【0043】
のトリフルオロメタンスルホニル・1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン塩を35.5g(収率:100%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す。
HNMR(in d−DMSO、ppm):0.08(s,12H,SiCH)、δ 0.53(m,4H,SiCH)、δ 1.54(m,4H,CH)、δ 2.77(t,4H,J=7.6Hz NCH
19FNMR(in d−DMSO、ppm):δ −79.3(s CF
【0044】
〔実施例6:シリコーン化合物塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、30%の三菱マテリアル電子化成(株)製ビス(フルオロスルホニル)イミド((FSONH)水溶液:60.3g(0.10mol)を氷冷下、東京化成工業(株)製1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(〔HN(CHSi(CHO):12.4g(0.05mol)を滴下した。撹拌の後、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.6kPaにて減圧乾燥を行い、式(13):
【0045】
【化13】

【0046】
のビス(フルオロスルホニル)イミド・1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン塩を27.5g(収率:90%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す。
HNMR(in d−DMSO、ppm):0.08(s,12H,SiCH)、δ 0.53(m,4H,SiCH)、δ 1.54(m,4H,CH)、δ 2.77(t,4H,J=7.6Hz NCH
19FNMR(in d−DMSO、ppm):δ 53.2(s SOF)
【0047】
〔実施例7:シリコーン化合物塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した100cmのガラス容器に、変性シリコーンオイル(AMS−233:アヅマックス(株)製):40.0g(アミノ基量2−4mol%)、40%の三菱マテリアル電子化成(株)製ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONH)水溶液:0.8gを投入した。撹拌の後、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.8kPaにて減圧乾燥を行い、式(14):
【0048】
【化14】

【0049】
(式中、nは1〜1000の整数である)のシリコーン化合物塩を52.4g(収率:97%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す。
19FNMR(in d−acetone、ppm):δ −79.8(s CF
【0050】
〔実施例8:シリコーン化合物塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、40%の三菱マテリアル電子化成(株)製ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONH)水溶液:70.3g(0.10mol)、イオン交換水:30gを投入し、氷冷下、東京化成工業(株)製1,3−ビス(3−エトキシアミノプロピルアミノ)テトラメチルジシロキサン(〔HN(CHO(CHSi(CHO):16.8g(0.05mol)を滴下した。撹拌の後、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.7kPaにて減圧乾燥を行い、式(15):
【0051】
【化15】

【0052】
のビス(トリフルオロスルホニル)イミド・1,3−ビス(3−エトキシアミノプロピルアミノ)テトラメチルジシロキサン塩を43.9g(収率:98%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す。
HNMR(in d−DMSO、ppm):0.08(s,12H,SiCH)、δ 0.53(m,4H,SiCH)、δ 1.54(m,4H,CH)、δ 2.77(t,4H,J=7.6Hz NCH)、δ 3.83(m,8H, OCH
19FNMR(in d−DMSO、ppm):δ −79.8(s CF
【0053】
〔実施例9:シリコーン化合物塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、30%の三菱マテリアル電子化成(株)製N−メチルビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONCH)アセトニトリル溶液:98.4g(0.10mol)を投入し、氷冷下、東京化成工業(株)製1,3−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(〔(CHN(CHSi(CHO):13.8g(0.05mol)を滴下した。撹拌の後、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.6kPaにて減圧乾燥を行い、式(13):
【0054】
【化16】

【0055】
のビス(トリフルオロスルホニル)イミド・1,3−ビス(3−トリメチルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサン塩を42.0g(収率:97%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す。
HNMR(in d−DMSO、ppm):0.08(s,12H,SiCH)、δ 0.53(m,4H,SiCH)、δ 1.54(m,4H,CH)、δ 2.77(t,4H,J=7.6Hz NCH)、δ 2.96(s,9H, NCH
19FNMR(in d−DMSO、ppm):δ −79.8(s CF
【0056】
〔実施例10:シリコーン化合物塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、30%の三菱マテリアル電子化成(株)製N−エチルビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONC)アセトニトリル溶液:103.0g(0.10mol)を投入し、氷冷下、東京化成工業(株)製1,3−ビス(3−ジエチルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(〔(CN(CHSi(CHO):15.2g(0.05mol)を滴下した。撹拌の後、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.6kPaにて減圧乾燥を行い、式(17):
【0057】
【化17】

【0058】
のビス(トリフルオロスルホニル)イミド・1,3−ビス(3−トリエチルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサン塩を42.0g(収率:97%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す(下線はケミカルシフトに対応する元素を示す)。
HNMR(in d−DMSO、ppm):0.08(s,12H,SiCH)、δ 0.53(m,4H,SiCH)、δ 1.54(m,4H,CH)、δ 2.77(t,4H,J=7.6Hz NCH)、δ 2.96(m,6H, NCH)、δ 1.01(m,9H,NCH
19FNMR(in d−DMSO、ppm):δ −79.8(s CF
【0059】
〔実施例11:シリコーン化合物塩の合成〕
撹拌子、温度計を附した200cmのガラス容器に、30%の三菱マテリアル電子化成(株)製N−メチルビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONCH)アセトニトリル溶液:98.4g(0.10mol)を投入し、氷冷下、東京化成工業(株)製1,3−ビス(3−ジプロピルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(〔(CN(CHSi(CHO):18.8g(0.05mol)を滴下した。撹拌の後、ロータリーエバポレーターを使用して温度:70℃、真空度:2.8kPaにて減圧乾燥を行い、式(18):
【0060】
【化18】

【0061】
のビス(トリフルオロスルホニル)イミド・1,3−ビス(3−メチルジプロピルアミノプロピル)テトラメチルジシロキサン塩を47.8g(収率:98%)得た。NMRでの分析結果を以下に示す(下線はケミカルシフトに対応する元素を示す)。
HNMR(in d−DMSO、ppm):0.08(s,12H,SiCH)、δ 0.53(m,4H,SiCH)、δ 1.54(m,4H,CH)、δ 2.77(t,4H,J=7.6Hz NCH)、δ 2.96(m,6H, NCH)、δ 0.8−1.1(m,15H,NCH
19FNMR(in d−DMSO、ppm):δ −79.8(s CF
【0062】
〔実施例1〜11、比較例1:導電性シリコーン樹脂の合成および評価〕
シリコーン樹脂としてKE−348(信越化学工業(株)製):10.0g及び実施例1〜11で得られたシリコーン化合物塩:0.1g(樹脂に対して1%)を混合した。表1に、このときの混合状態を示す。得られたシリコーン樹脂を用い、PETフィルム上で250μmの膜を作成した。作製後、60℃にて20時間保持し、熱硬化させて試験膜を作製した。作製した試験膜を25℃、50%RHの雰囲気中に3時間放置した後、20℃、50%RHでその表面抵抗率を測定した。比較例1として、シリコーン化合物塩を添加しないシリコーン樹脂についても、上記と同様にして、表面抵抗率を測定した。表1に、それらの結果を示す。なお、比較例1の表面抵抗率は、表面抵抗率の測定上限値を上回り、測定不能(レンジオーバー;1.0×1015以上)であった。
【0063】
〔比較例2〕
シリコーン樹脂としてKE−348(信越化学工業(株)製):10.0gに、イミダゾリウム塩のイオン性液体である三菱マテリアル電子化成(株)製1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド:0.1g(樹脂に対して1%)を混合したが、分離してしまい導電性のシリコーン樹脂が得られなかった。その結果、イオン液体とシリコーン樹脂からなる導電性シリコーン樹脂の実用性は困難であった。
【0064】
〔比較例3〕
比較例1と同様にしてシリコーン樹脂としてKE−348(信越化学工業(株)製):10.0gに、ピリジニウム塩のイオン性液体である三菱マテリアル電子化成(株)製N−エチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド:0.1g(樹脂に対して1%)を混合したが、分離してしまい導電性のシリコーン樹脂が得られなかった。その結果、イオン液体とシリコーン樹脂からなる導電性シリコーン樹脂の実用性は困難であった。
【0065】
【表1】

【0066】
上記のように、何も添加していない比較例1のシリコーン樹脂では導電性が得られなかったのに対し、実施例1〜11で得られたシリコーン化合物塩を添加した実施例12〜22では、シリコーン化合物塩がシリコーン樹脂に溶解し、良好な導電性を有するシリコーン樹脂が得られた。一方、シリコーン樹脂に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はN−エチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを添加した比較例2〜3では、シリコーン樹脂とイオン液体が溶解・分散せず、分離した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化19】

〔式中、R、R’及びR”は、同一又は異なってもよく、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、Aは、炭素数が1〜4のアルキル基を有するペルフルオロアルカンスルホン酸若しくはビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド、又はビス(フルオロスルホン)イミドを表し、Wは、NH、O又は単結合であり、m及びpは、1から10の整数である。〕
を含有する、下記一般式(2)又は(3)で表される鎖状のジメチルシロキサン構造であることを特徴とする、シリコーン化合物塩。
【化20】

(式中、X及びYは同一又は異なってもよく、それぞれ独立して、メチル基又は前記一般式(1)であり、かつX及びYの少なくとも一つは、前記一般式(1)であり、n1は、1〜1000の整数である)
【化21】

(式中、X、Y及びZは、同一又は異なってもよく、それぞれ独立して、メチル基又は前記一般式(1)であり、かつX、Y及びZの少なくとも一つは、前記一般式(1)であり、n2及びn3は、1〜1000の整数である)
【請求項2】
アミノ基を含有するシリコーン化合物を、一般式(4):Rf’SOR(式中、Rf’は、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基であり、Rは、水素又は炭素数1〜4のアルキル基である)で表されるペルフルオロアルキルスルホン酸エステル、一般式(5):(RfSONR(式中、RfおよびRは、上記と同義である)で表されるビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド、又は一般式(6):(FSONR(式中、Rは、上記と同義である)で表されるビス(フルオロスルホン)イミドと反応させて、シリコーン化合物のアミノ基をアンモニウム塩化することを特徴とする、請求項1記載のシリコーン化合物塩の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載のシリコーン化合物塩を含有する、導電性シリコーン樹脂。

【公開番号】特開2013−107884(P2013−107884A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−237330(P2012−237330)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【出願人】(597065282)三菱マテリアル電子化成株式会社 (151)
【Fターム(参考)】