説明

シリコーン型を使用するリソグラフィ技法

【課題】十分な離型性を提供し、シリコーン型において高いアスペクト比の形状(feature)から、複数の正確なパターン形状を提供。
【解決手段】A)パターン化表面を有するシリコーン型を、硬化性(メタ)アクリレート組成物で充填することであって、該硬化性(メタ)アクリレート組成物が、(a)フルオロ官能性(メタ)アクリレート又はフルオロ官能性(メタ)アクリレートと(メタ)アクリレートとの組合せ、(b)光開始剤、B)前記硬化性(メタ)アクリレート組成物を硬化させて、パターン形状を形成すること、C)前記シリコーン型と前記パターン形状とを分離すること、任意選択で、D)前記パターン形状をエッチングすること、及び任意選択で、E)前記シリコーン型を再使用して、工程A)〜D)を繰り返すことを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン型と共に、硬化性(メタ)アクリレート組成物(formulation)を使用する方法に関する。この方法は、様々なリソグラフィ技法において使用される。
【背景技術】
【0002】
[相互参照]
なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[解決すべき課題]
十分な離型性を提供し、シリコーン型において高いアスペクト比の形状(feature)から、複数の正確なパターン形状を提供して、リソグラフィ技法を改善する必要性が存在する。硬化性(メタ)アクリレート組成物を用いてシリコーン型から、高いアスペクト比の形状を成形する方法を提供するための必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
硬化性(メタ)アクリレート組成物は、UV硬化メカニズム又はUVと熱硬化メカニズムとの組合せを使用することにより、高い解像力の成形パターンを伴って硬化され得る。離型性は、フルオロ官能性(メタ)アクリレートを使用することにより改善され得る。
【0005】
[概要]
本発明は、
A)パターン化表面を有するシリコーン型を、硬化性(メタ)アクリレート組成物で充填すること、
B)硬化性(メタ)アクリレート組成物を硬化させて、パターン形状を形成すること、
C)シリコーン型とパターン形状とを分離すること、
任意選択で、D)パターン形状をエッチングすること、及び
任意選択で、E)シリコーン型を再使用して、工程A)〜D)を繰り返すこと
を含む方法に関する。
更に本発明は、前記フルオロ官能性(メタ)アクリレートが、ヘプタデカフルロデシルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート及びこれらの組み合わせから選択される、前記方法、
前記(メタ)アクリレートが存在し、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−アクリロイルエチル−2−ヒドロキシエチル−o−フタレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、アクリル酸、アルコキシル化ラウリルアクリレート、アルコキシル化フェノールアクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、セチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチル塩化物、EO7エチルキャップドメタクリレート、エポキシアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、エトキシル化(10)ヒドロキシエチルメタクリレート、エトキシル化(2)ヒドロキシエチルメタクリレート、エトキシル化(5)ヒドロキシエチルメタクリレート、エトキシル化フェノールアクリレート、エチルメタクリレート、エチルトリグリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルトリデシルアクリレート、メタクリル酸、メタクリロニトリル、メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレートE06、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、オクチルデシルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、プロポキシル化(2)アリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、tert−ブチルアミノメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、テトラヒドロフリルメタクリレート、テトラヒドロゲンフランメタクリレート(tetrahydrogenfuranmethacrylate)、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ウレタンアクリレート、1,12−ドデカンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アルコキシル化脂肪族ジアクリレート、脂肪族ジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール400ジメタクリレート、プロポキシル化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリルプロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシル化グリセロールトリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアクリレートエステル、トリメタクリレートエステル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、四官能性アクリレート、ペンタエリスリトールのアクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、前記方法、
前記硬化性(メタ)アクリレート組成物が(b)光開始剤を含み、該成分(b)がα−ヒドロキシケトン、フェニルグリオキシレート、ベンシルジメチル−ケタール、α−アミノケトン、モノアシルホスフィン、ビスアシルホスフィン、ベンゾインエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、メチルベンゾイルベンゾエート、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル硫化物、ベンジルメチルケタール、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサンタノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、メチルベンゾイルホルメート、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィン酸化物、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィン酸化物と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとの組み合わせ、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、50%2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィン酸化物と50%2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンとの組み合わせ、又はこれらの組み合わせを含む、前記方法、
前記硬化性(メタ)アクリレート組成物は任意選択で(c)抗酸化剤、任意選択で(d)蛍光染料、任意選択で(e)反応性希釈剤、任意選択で(f)光安定剤、任意選択で(g)光感光剤、任意選択で(h)湿潤剤、及び任意選択で(j)紫外放射線吸収剤を含み、成分(c)が、フェノール系抗酸化剤又はフェノール系抗酸化剤と安定剤との組合せを含み、成分(d)が、ローダミン6G、2,2’−(2,5−チオフェンジイル)ビス[(tert)−ブチルベンズオキサゾール]、又はこれらの組合せを含み、成分(e)が、無水マレイン酸、酢酸ビニル、ビニルエステル、ビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、ビニルピロリドン、スチレン、又はこれらの組合せを含み、成分(f)が、デカン二酸、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物、又はこれらの組合せを含み、成分(g)が、ケトン、クマリン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン、芳香族多環式炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリールメタン、メロシアニン、スクアリリウム染料、ピリジニウム染料、又はこれらの組合せを含み、成分(h)が、シリコーンジアクリレート、シリコーンヘキサアクリレート、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル官能性ポリジメチルシロキサン、ポリアクリルコポリマー、架橋性シリコーンアクリレート、架橋性シリコーンポリエーテルアクリレート、又はこれらの組合せを含み、成分(i)が、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、又はこれらの組合せを含み、成分(j)が、1−メトキシ−2−プロパノール及び1,3−ベンゼンジオール、[(ドデシルオキシ)メチル]オキシランとオキシランモノ[(C10〜16アルキルオキシ)メチル誘導体との4−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−反応生成物を含む、前記方法、
I)マスター(原版)に対して硬化性シリコーン組成物を流し込むこと、
II)前記硬化性シリコーン組成物を硬化させて、シリコーン型を形成すること、及び
III)前記シリコーン型を、工程A)の前に前記マスターから除去すること
をさらに含む、前記方法、
インプリント成形、ステップアンドフラッシュインプリント成形、溶剤型マイクロ成形、マイクロトランスファー成形、及び毛細管におけるマイクロ成形を含む群から選択されるリソグラフィ技法において使用される、前記の方法。
前記のいずれかの方法により調製されるパターン形状、
インプリント成形、ステップアンドフラッシュインプリント成形、溶剤型マイクロ成形、マイクロトランスファー成形、及び毛細管におけるマイクロ成形を含む群から選択されるリソグラフィ技法において、レジスト層又はパーマネント層を調製するために使用される、前記のいずれかの方法、及び
ディスプレイ装置、光検出器、トランジスター、導光板、カップラー、干渉計、及び発光ダイオードを含む群から選択される装置を調製するために使用される、前記のいずれかの方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[詳細な説明]
全ての量、比率、及び割合は、別途指示なき場合は、重量によるものである。以下は、本明細書において使用される場合の定義の一覧である。
【0007】
(定義)
本発明の要素を導入する場合、冠詞“a”、“an”、及び“the”は、要素の1つ又は複数の存在を意味する。
【0008】
略称は、次の意味を有する:「cp」は、センチポアズを意味し、「PDMS」は、ポリジメチルシロキサンを意味し、「UV」は、紫外線を意味する。
【0009】
「(メタ)アクリレートは、ケイ素原子を含まず、且つ式:
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基である)の少なくとも1つの基を含む反応体を意味する。
【0012】
(硬化性(メタ)アクリレート組成物)
本発明における使用に適した硬化性(メタ)アクリレート組成物は、紫外放射線、熱、又はこれらの組合せへの暴露によって硬化可能である。硬化性(メタ)アクリレート組成物の粘度は、本発明の方法により形成される所望の形状寸法に応じて選択されてもよい。例えば、粘度が200cPを超える場合、解像力は、100マイクロメートル以上でありうる。粘度が200cP以下である場合、解像力は、30マイクロメートルを上回り得る。粘度が10cP未満、或いは1〜10cPの場合は、解像力は、100ナノメートル(nm)〜10マイクロメートル、或いは5〜10マイクロメートルであり得る。
【0013】
硬化性(メタ)アクリレート組成物は、(a)フルオロ官能性(メタ)アクリレート又はフルオロ官能性(メタ)アクリレートと(メタ)アクリレートとの組合せ、及び(b)光開始剤を含む。代替的には、硬化性(メタ)アクリレート組成物は、(a)(メタ)アクリレート、フルオロ官能性(メタ)アクリレート、又はこれらの組合せ、及び(b)光開始剤を含む。硬化性(メタ)アクリレート組成物は、(c)抗酸化剤、(d)蛍光染料、(e)反応性希釈剤、(f)光安定剤、(g)光感光剤、(h)湿潤剤、(i)シラン、及び(j)紫外線吸収剤を含む群から選択される、1つ又は複数の任意選択の成分をさらに含んでもよい。
【0014】
理論に捕われないが、フルオロ官能性(メタ)アクリレートは、極性分子が会合する程には自己会合しないものと考えられる;したがって、フルオロ官能性(メタ)アクリレートは、フルオロ官能性(メタ)アクリレートが、硬化性(メタ)アクリレート組成物に添加される場合に、硬化性(メタ)アクリレート組成物の粘度を低く維持する助けとなることがある。フルオロ官能性(メタ)アクリレートは、また、離型性を促進する可能性がある。
【0015】
(成分(a)(メタ)アクリレート及びフルオロ官能性(メタ)アクリレート)
(メタ)アクリレートは、単官能性、多官能性、又はそれらの組み合わせであり得る。成分(a)は、単官能性(メタ)アクリレート、二官能性(メタ)アクリレート、三官能性(メタ)アクリレート、四官能性(メタ)アクリレート、五官能性(メタ)アクリレート、又はそれらの組み合わせを含み得る。代替的には、成分(a)は、単官能性(メタ)アクリレート、二官能性(メタ)アクリレート、三官能性(メタ)アクリレート、又はそれらの組み合わせを含み得る。この(メタ)アクリレートは、フッ素原子を含まない。フルオロ官能性(メタ)アクリレートは、単官能性、多官能性、又はそれらの組み合わせであり得る。このフルオロ官能性(メタ)アクリレートは、少なくとも1つのフッ素原子を含む。このフルオロ官能性(メタ)アクリレートは、単官能性フルオロ官能性(メタ)アクリレート、二官能性フルオロ官能性(メタ)アクリレート、三官能性フルオロ官能性(メタ)アクリレート、四官能性フルオロ官能性(メタ)アクリレート、五官能性フルオロ官能性(メタ)アクリレート、又はそれらの組み合わせを含み得る。成分(a)は、少なくとも1つのフルオロ官能性(メタ)アクリレートを含み得る。
【0016】
成分(a)は、一般式:
【0017】
【化2】

【0018】
(式中、Qは、水素原子又は有機基であり、各Rは、独立して、水素原子又はメチル基であり、下つき文字のnは、官能性の度合いを表す)を有する、1つ又は複数の成分を含み得る。例えば、nが1である場合は、Qは単官能性である。nが2である場合は、Qは二官能性である。nが3である場合は、Qは三官能性である。nが4である場合は、Qは四官能性である。nが5である場合は、Qは五官能性である。nが6である場合は、Qは六官能性である。Qが、水素原子又はフッ素原子を含まない有機基である場合は、成分は、(メタ)アクリレートである。Qが、少なくとも1つのフッ素原子を含む有機基である場合は、成分は、フルオロ官能性(メタ)アクリレートである。
【0019】
単官能性(メタ)アクリレートは、一般式:
【0020】
【化3】

【0021】
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、R1はフッ素原子を含まない一価の有機基である)を有し得る。R1における一価の有機基は、直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。R1における一価の有機基の例としては、一価の炭化水素基が挙げられるが、これに限定されない。一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、及びエチルヘキシル基によって例示されるアルキル基;ビニル基及びアリル基によって例示されるアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びイソボルニル基によって例示される環状炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されない。R1における一価の有機基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びブトキシ基によって例示されるアルコキシ基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、及びエトキシエチル基等のアルコキシアルキル基;メトキシメトキシメチル基、エトキシエトキシメチル基、メトキシメトキシエチル基、及びエトキシエトキシエチル基等のアルコキシアルコキシアルキル基のような一価のヒドロカルボノキシ官能性の有機基がさらに挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
単官能性(メタ)アクリレートの例は、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−アクリロイルエチル−2−ヒドロキシエチル−o−フタレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、アクリル酸、アルコキシル化ラウリルアクリレート、アルコキシル化フェノールアクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、セチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチル塩化物、EO7エチルキャップドメタクリレート、エポキシアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、エトキシル化(10)ヒドロキシエチルメタクリレート、エトキシル化(2)ヒドロキシエチルメタクリレート、エトキシル化(5)ヒドロキシエチルメタクリレート、エトキシル化フェノールアクリレート、エチルメタクリレート、エチルトリグリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルトリデシルアクリレート、メタクリル酸、メタクリロニトリル、メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレートE06、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、オクチルデシルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、プロポキシル化(2)アリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、tert−ブチルアミノメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、テトラヒドロフリルメタクリレート、テトラヒドロゲンフランメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ウレタンアクリレート、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0023】
二官能性(メタ)アクリレートは、一般式:
【0024】
【化4】

【0025】
(式中、各Rは、独立して、水素原子又はメチル基であり、R2は、フッ素原子を含まない二価の有機基である)を有し得る。R2に関する二価の有機基の例としては、二価の炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、及びエチルヘキシレンにより例示されるアルキレン基等が挙げられるがこれらに限定されない。R2に関する二価の有機基の例としては、例えば、式:−R’a−O−(R’’b−O)c−R’’’d−(式中、下つき文字のaは少なくとも1であり、bは0以上であり、cは0以上であり、dは少なくとも1であり、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して、上述の二価の炭化水素基である)の基等の二価のヒドロカルボノキシ官能性の有機基がさらに挙げられるがこれらに限定されない。
【0026】
二官能性(メタ)アクリレートの例としては、1,12−ドデカンジオール(dodecandiol)ジメタクリレート、1,3−ブタンジオール(butandiol)ジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アルコキシル化脂肪族ジアクリレート、脂肪族ジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール400ジメタクリレート、プロポキシル化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
三官能性(メタ)アクリレートは、一般式:
【0028】
【化5】

【0029】
(式中、各Rは、独立して、水素原子又はメチル基であり、R3は、フッ素原子を含まない三価の有機基である)を有し得る。R3に関する三価の有機基の例としては、エチリン、プロピリン、及びブチリン等の三価の炭化水素基が挙げられるがこれらに限定されない。R3に関する三価の有機基の例としては、例えば、R1−C−[R’a−O−(R’’b−O)c−R’’’d]−3(式中、R1、R’、R’’、R’’’、a、b、c、及びdは、上述の通りである)等のヒドロカルボノキシ官能基がさらに挙げられるがこれらに限定されない。
【0030】
三官能性(メタ)アクリレートの例としては、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、グルセリルプロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシル化グリセロールトリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアクリレートエステル、トリメタクリレートエステル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、及びこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。
【0031】
3つを超える(メタ)アクリレート含有基を有するその他の多官能性(メタ)アクリレートが使用され得る。その様な多官能性(メタ)アクリレートの例としては、四官能性アクリレート、ペンタエリスリトールのアクリレートエステル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、及びこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。
【0032】
単官能性、フルオロ官能性(メタ)アクリレートは、一般式:
【0033】
【化6】

【0034】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、R11は、少なくとも1つのフッ素原子を含む一価の有機基である)を有し得る。R11に関する適当な一価の有機基の例としては、一価のフッ素化炭化水素基、例えば、ヘプタデカフルオロデシル、ヘプタフルオロペンチル、ノナフルオロヘキシル、オクタフルオロペンチル、ペンタフルオロブチル、テトラフルオロプロピル、トリフルオロエチル、及びトリフルオロプロピルにより例示されるフッ素化アルキル基等が挙げられるがこれらに限定されない。代替的には、R11は、オクタフルオロペンチル又はトリフルオロエチルであり得る。
【0035】
適当な単官能性、フルオロ官能性(メタ)アクリレートの例としては、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、及びこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。
【0036】
二官能性、フルオロ官能性(メタ)アクリレートは、一般式:
【0037】
【化7】

【0038】
(式中、各Rは、独立して、水素原子又はメチル基であり、R21は、少なくとも1つのフッ素原子を含む二価の有機基である)を有し得る。R21に関する適当な二価の有機基の例としては、二価のフッ素化炭化水素基、例えば、ヘプタデカフルオロデシレン、ヘプタフルオロペンチレン、ノナフルオロヘキシレン、オクタフルオロペンチレン、ペンタフルオロブチレン、テトラフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、及びトリフルオロプロピレンにより例示されるフッ素化アルキレン基等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0039】
三官能性、フルオロ官能性(メタ)アクリレートは、一般式:
【0040】
【化8】

【0041】
(式中、各Rは、独立して、水素原子又はメチル基であり、R31は、少なくとも1つのフッ素原子を含む三価の有機基である)を有し得る。R31に関する適当な三価の有機基の例としては、三価のフッ素化炭化水素基、また例えば、ヘプタデカフルオロデシリン、ヘプタフルオロペンチリン、ノナフルオロヘキシリン、オクタフルオロペンチリン、ペンタフルオロブチリン、テトラフルオロプロピリン、トリフルオロエチリン、及びトリフルオロプロピリンにより例示されるフッ素化アルキリン基等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0042】
成分(a)に対する適当なフルオロ官能性(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリレートは、当該技術分野において知られており、例えば、Osaka Organic Chemical Industry LTD; Rohm Monomers of Europe; Sartomer Company, Inc., of Lancaster, Pennsylvania, U.S.A.、及びThe UCB Group of Belgiumから市販されている。
【0043】
成分(a)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の重量を基準にして、90〜99.5%の範囲であり得る。(メタ)アクリレートの量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の重量を基準にして、0〜75%の範囲であり得る。フルオロ官能性(メタ)アクリレートの量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の重量を基準にして、0〜99.5%、或いは25〜99.5%、或いは20〜90%の範囲であり得る。硬化性(メタ)アクリレート組成物におけるフルオロ官能性(メタ)アクリレートの量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物を成形することにより調製される形状の表面において少なくとも0.5%のフッ素を提供するのに十分なものであり得る。
【0044】
(成分(b)光開始剤)
成分(b)は、光開始剤である。成分(b)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の硬化を促進するのに十分なものであって、選択される光開始剤のタイプ及び成分(a)における材料に依存する。しかしながら、成分(b)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の重量を基準にして、0.5〜10%の範囲であり得る。フリーラジカル光開始剤が使用される場合、この量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の総重量を基準にして、0.01〜5%、或いは0.1〜2%の範囲であり得る。
【0045】
成分(b)は、ベンゾイン(例えば、ベンゾインアルキルエーテル)、ベンゾフェノン及びその誘導体(例えば、4,4’−ジメチル−アミノ−ベンゾフェノン)、アセトフェノン(例えば、ジアルコキシアセトフェノン、ジクロロアセトフェノン、及びトリクロロアセトフェノン)、ベンジル(例えば、ベンジルケタール)、キノン、及びO−アクリル化−アルファ−オキシミノケトンにより例示されるフリーラジカル光開始剤を含み得る。フリーラジカル光開始剤は、次の構造式:
【0046】
【化9】

【0047】
(式中、R4は、水素原子、アルコキシ基、置換アルコキシ基、又はハロゲン原子であり、R5は、水酸基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、又はハロゲン原子であり、R6は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、又はハロゲン原子である)により表される化合物を含み得る。或いは、R4は、メチル基であってもよく、R5は、水酸基であってもよく、R6は、メチル基又はフェニル基であってもよい。代替的には、R4は、水素原子であり、R5は、アルコキシ基であり、R6は、フェニル基である。代替的には、R4及びR5は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、R6は、水素原子である。代替的には、R4及びR5は、それぞれ塩素原子であり、R6は、塩素原子又は水素原子である。
【0048】
好適な光開始剤が、当該技術分野で知られており、市販されている。この光開始剤の例としては、α−ヒドロキシケトン;フェニルグリオキシレート;ベンジルジメチル−ケタール;α−アミノケトン;モノアシルホスフィン;ビスアシルホスフィン;ベンゾインエーテル;ベンゾインイソブチルエーテル;ベンゾインイソプロピルエーテル;ベンゾフェノン;ベンゾイル安息香酸;メチルベンゾイルベンゾエート;4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル硫化物;ベンジルメチルケタール;2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート;2−クロロチオキサントン;2,4−ジエチルチオキサンタノン(2,4-diethylthioxanthanone);1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(Tarrytown, New York 10591, U.S.A.のCiba Specialty Chemicals, Inc.製のCiba(登録商標)IRGACURE(登録商標)184);メチルベンゾイルホルメート;フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィン酸化物(同じくCiba Specialty Chemicals, Inc.製のCiba(登録商標)IRGACURE(登録商標)819);ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシドと1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとの組み合わせ(同じくCiba Specialty Chemicals, Inc.製のCiba(登録商標)IRGACURE(登録商標)1800);2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(同じくCiba Specialty Chemicals, Inc.製のCiba(登録商標)DAROCUR(登録商標)1173);2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(同じくCiba Specialty Chemicals, Inc.製のCiba(登録商標)IRGACURE(登録商標)369)、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(同じくCiba Specialty Cheimcals, Inc.製のCiba(登録商標)IRGACURE(登録商標)907);50%2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシドと50%2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンとの組み合わせ(同じくCiba Specialty Cheimcals, Inc.製のCiba(登録商標)DAROCUR(登録商標)4265);1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(Taipei Hsien, 235, Taiwan, R.O.C.のChitec Chemical Company製のCHIVACURE(登録商標)184B);及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
(任意選択による構成成分)
硬化性(メタ)アクリレート組成物は、任意選択の成分をさらに含んでもよい。その様な任意選択の成分の例としては、(c)抗酸化剤、(d)蛍光染料、(e)反応性希釈剤、(f)光安定剤、(g)光感光剤、(h)湿潤剤、(i)シラン、及び(j)UV吸収剤が挙げられるがこれらに限定されない。
【0050】
(成分(c)抗酸化剤)
成分(c)は、硬化性(メタ)アクリレート組成物に任意選択で添加されてもよい抗酸化剤である。成分(c)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の重量を基準にして、1%までであり得る。適当な抗酸化剤は、当該技術分野において知られており、市販されている。適当な抗酸化剤としては、フェノール系抗酸化剤及びフェノール系抗酸化剤と安定剤との組合せが挙げられる。フェノール系抗酸化剤としては、完全に立体障害を受けているフェノール及び部分的に障害を受けているフェノールが挙げられる。安定剤としては、有機リン誘導体、例えば、三価の有機リン化合物、ホスファイト、ホスホネート、及びこれらの組合せ等;チオ共力剤、例えば、スルフィド、ジアルキルジチオカルバメート、ジチオジプロピオネート、及びこれらの組合せを含む有機硫黄化合物等;及び立体障害アミン、例えば、テトラメチル−ピペリジン誘導体等が挙げられる。適当な抗酸化剤及び安定剤は、Zweifel, Hans著「Effect of Stabilization of Polypropylene During Processing and Its Influence on Long-Term Behavior under Thermal Stress」 Polymer Durability, Ciba-Geigy AG, Additives Division, CH-4002, Basel, Switzerland, American Chemical Society, vol. 25, pp.375〜396, 1996において開示されている。
【0051】
適当なフェノール系抗酸化剤としては、ビタミンE及び同じくCiba Specialty Chemicals, Inc.製のIRGANOX(登録商標)1010もまた例示される。IRGANOX(登録商標)1010は、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含む。
【0052】
硬化性(メタ)アクリレート組成物は、90〜99.5%の成分(a)、0.5〜10%の成分(b)、及び0〜1%の成分(c)を含み得る。
【0053】
成分(d)は、硬化性(メタ)アクリレート組成物に任意選択で添加されてもよい蛍光染料である。蛍光染料の例としては、ローダミン6G、Tarrytown, New York 10591, U.S.A.のCiba Specialty Chemicals, Inc.製の2,2’−(2,5−チオフェンジイル)ビス−[(tert)ブチルベンズオキサゾール]UVITEX OBが挙げられるがこれらに限定されない。使用される成分(d)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の全量を基準にして、0〜1%であり得る。
【0054】
成分(e)は、(メタ)アクリレートを含有しない反応性希釈剤である。成分(e)の選択は、多数の要因、例えば、硬化性(メタ)アクリレート組成物における成分の溶解性及び相溶性、硬化性(メタ)アクリレート組成物の使用方法、並びに安全規則及び環境規制等により支配される。適当な反応性希釈剤の例としては、無水マレイン酸、酢酸ビニル、ビニルエステル、ビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン等のビニルピロリドン、スチレン、及びこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。適当なビニルエーテルの例としては、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、及びこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。ビニルエーテルは、当該技術分野において知られており、ドイツのBASF AGから市販されている。使用される成分(e)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の全量を基準にして、0〜1%であり得る。
【0055】
(成分(f))
成分(f)は、硬化性(メタ)アクリレート組成物に任意選択で添加されてもよい光安定剤である。適当な光安定剤の例としては、デカン二酸、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物(Tarrytown, New York 10591, U.S.A.のCiba Specialty Chemicals, Inc.製のCiba(登録商標)TINUVIN(登録商標) 123として市販されている)が挙げられるがこれらに限定されない。使用される成分(f)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の全量を基準にして、0〜1%であり得る。
【0056】
(成分(g))
成分(g)は、成分(b)に加えて、又はそれに代えて、硬化性(メタ)アクリレート組成物に任意選択で添加されてもよい光感光剤である。成分(g)は、硬化性(メタ)アクリレート組成物を硬化させるのに必要とされる放射線の波長を変化させる。当業者は、成分(a)に対して選択される特定の(メタ)アクリレート及びフルオロ官能性(メタ)アクリレートに基づいて、必要以上の実験なしで、適当な光感光剤を選択することができる。成分(g)は、ケトン、クマリン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン、芳香族多環式炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリールメタン、メロシアニン、スクアリリウム染料、ピリジニウム染料、又はこれらの組合せを含んでもよい。成分(g)の例としては、ローズベンガル、カンファーキノン、グリオキサール、ビアセチル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、3,3,7,7−テトラメチル−1,2−シクロヘプタンジオン、3,3,8,8−テトラメチル−1,2−シクロオクタンジオン、3,3,18,18−テトラメチル−1,2−シクロオクタデカンジオン、ジピバロイル、ベンジル、フリル、ヒドロキシベンジル、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノン、又はこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。又は、成分(g)は、イソプロピルチオキサントン又はベンゾフェノン又はこれらの組合せを含んでもよい。使用される成分(g)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の全量を基準にして、0〜2%、或いは0.01〜2%、或いは0.05〜0.5%であり得る。
【0057】
(成分(h))
成分(h)は、硬化性(メタ)アクリレート組成物に任意選択で添加されてもよい湿潤剤である。成分(h)の例としては、シリコーンジアクリレート(ベルギーのUCB ChemicalsからEBECRYL(登録商標)350として市販されている);シリコーンヘキサアクリレート(同じくUCB ChemicalsからEBECRYL(登録商標)1360として市販されている);ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ドイツのBYK-Chemie GmbHから、BYK(登録商標)−307、BYK(登録商標)−UV3510、及びBYK(登録商標)−333として市販されている);ポリエーテル変性アクリル官能性ポリジメチルシロキサン(同じくBYK-Chemie GmbHから、BYK(登録商標)−UV3500として市販されている);及びポリアクリルコポリマー(同じくBYK-Chemie GmbHから、BYK(登録商標)−381として市販されている);架橋性シリコーンアクリレート(ドイツのTego Chemie Service GmbHから、Rad 2100、Rad 2500、Rad 2600、及びRad 2700として市販されている);及び架橋性シリコーンポリエーテルアクリレート(同じくTego Chemie Service GmbHから、Rad 2200N、Rad 2250、及びRad 2300として市販されている)が挙げられるがこれらに限定されない。使用される成分(h)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の全量を基準にして、0〜1%であり得る。
【0058】
(成分(i))
成分(i)は、硬化性(メタ)アクリレート組成物に任意選択で添加されてもよいシランである。成分(i)の例としては、アルコキシシラン、例えば、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及びこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。使用される成分(i)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の全量を基準にして、0〜2%であり得る。
【0059】
(成分(j))
成分(j)は、可視寿命を引き伸すために、硬化性(メタ)アクリレート組成物に任意選択で添加されてもよいUV吸収剤である。成分(j)の例としては、1−メトキシ−2−プロパノール及び1,3−ベンゼンジオール、4−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−[(ドデシルオキシ)メチル]オキシラン及びオキシランモノ[(C10〜16アルキルオキシ)メチル誘導体との反応生成物(Tarrytown, New York 10591, U.S.A.のCiba Specialty Chemicals, Inc.から、TINUVIN(登録商標) 400として市販されている)が挙げられるがこれらに限定されない。使用される成分(j)の量は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の全量を基準にして、0〜1%でありえる。
【0060】
(成形方法)
本発明は、成形方法に関する。本発明は、様々なリソグラフィ技法、例えば、ソフトリソグラフィ技法等において使用され得る。ソフトリソグラフィにおいては、型は、レプリカ成形により調製され、その中で硬化性シリコーン組成物が、その表面上にパターン化レリーフ構造を有するマスター(原版)に対して流し込まれる。この目的に適した硬化性シリコーン組成物の例は、SYLGARD(登録商標)184(Dow Corning CORPORATION of Midland, Michigan, U.S.A.から市販されている)である。次いで、硬化性シリコーン組成物は硬化され、マスターから除去される。得られた生成物は、パターン化表面を有するシリコーン型である。
【0061】
本発明の方法は、
A)パターン化表面を有するシリコーン型を、上述の硬化性(メタ)アクリレート組成物で充填すること、
B)硬化性(メタ)アクリレート組成物を硬化させることであって、それによりパターン形状を形成する、硬化させること、
C)シリコーン型とパターン形状とを分離すること、
任意選択で、D)パターン形状をエッチングすること、及び
任意選択で、E)シリコーン型を再使用して、工程A)〜D)を繰り返すこと
を含む。
【0062】
この方法は、
I)マスター(原版)に対して硬化性シリコーン組成物を流し込むこと、
II)硬化性シリコーン組成物を硬化させて、シリコーン型を形成すること、及び
III)シリコーン型を、工程A)の前にマスターから除去すること、
を任意選択でさらに含んでもよい。
【0063】
工程A)は、様々な方法により行われてもよい。例えば、工程A)は、パターン化表面におけるパターン構造が、空の溝の網目を形成する様に、シリコーン型のパターン化表面と基材とを接触させることにより行われてもよい。硬化性(メタ)アクリレート組成物が、網目の開放端に置かれると、毛細管作用により、硬化性(メタ)アクリレート組成物で溝を充たす。或いは、硬化性(メタ)アクリレート組成物は、パターン化表面を基材と接触させる前に、パターン化表面に適用されてもよい。或いは、硬化性(メタ)アクリレート組成物は、パターン化表面が基材と接触する前に、基材の表面に適用されてもよい。或いは、型は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の残りの成分が、シリコーン型において混合され、充填される前に、フルオロ官能性(メタ)アクリレートの一部又は全部と共に噴霧されてもよい。或いは、型は、硬化性(メタ)アクリレート組成物が、シリコーン型において充填される前に、フルオロ官能性界面活性剤と共に噴霧されてもよい。
【0064】
工程B)は、硬化性(メタ)アクリレート組成物をUV放射線に暴露することにより、硬化性(メタ)アクリレート組成物を加熱することにより、又はこれらの組合せにより行われてもよい。暴露の照射量は、選択される具体的な硬化性(メタ)アクリレート組成物及び型の形態によるが、暴露は、100ミリジュール〜4000ミリジュールであってもよい。組成物が加熱される温度は、また、選択される具体的な(メタ)アクリレート組成物によるが、温度は、50℃〜200℃、或いは100℃〜120℃であり得る。
【0065】
工程C)は、シリコーン型を、パターン形状から、例えば、シリコーン型をパターン形状から手で引き剥がすか、又は、例えば、SUSS MicroTec, Inc. of Indianapolis, Indiana 46204, U.S.A.製のマイクロ成形用のツールを使用して自動的に引き剥がす等の任意の好都合な手段により行われてもよい。
【0066】
工程D)は、当該技術分野において知られている方法、例えば、反応性イオンエッチング又はウエットエッチングにより行われてもよい。幾つかのリソグラフィ技法、例えば、インプリント成形等においては、固体は、工程B)中の望ましくない領域において基材上に形成してもよい。エッチングは、この過剰の固体を除去するために、又は、過剰の固体の下で層を除去するために、又は両方のために使用されてもよい。
【0067】
本発明は、様々なリソグラフィ技法において使用されてもよい。その様なリソグラフィ技法の例としては、インプリント成形(imprint molding)、ステップアンドフラッシュインプリント成形(step and flash imprint molding)、溶剤型マイクロ成形(solvent assisted micromolding)(SAMIM)、マイクロトランスファー成形(microtransfer molding)、及び毛細管におけるマイクロ成形(micromolding in capillaries)(MIMIC)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0068】
本発明は、インプリント成形のために使用されてもよい。このリソグラフィ技法においては、硬化性(メタ)アクリレート組成物は、基材の表面に適用される。シリコーン型のパターン化表面は、基材の表面と接触することにより、シリコーン型において、硬化性(メタ)アクリレート組成物を分散させる。次いで、硬化性(メタ)アクリレート組成物は、固体へと硬化し、シリコーン型は除去される。インプリント成形は、例えば、光検出器及び量子細線、量子ドット、及びリングトランジスターを調製するために使用されてもよい。
【0069】
本発明は、また、SAMIMにおいて使用されてもよい。このリソグラフィ技法においては、硬化性(メタ)アクリレート組成物は、基材の表面に適用される。シリコーン型のパターン化表面は、溶剤で湿潤にされ、硬化性(メタ)アクリレート組成物の表面と接触する。溶剤の選択は、選択される特定のシリコーン型及び硬化性(メタ)アクリレート組成物を含めて、様々な要因によるが、溶剤は、硬化性(メタ)アクリレート組成物の表面を素早く溶解又は膨潤させても、シリコーン型を膨潤させてならない。次いで、硬化性(メタ)アクリレート組成物は、固体へと硬化し、シリコーン型は除去される。
【0070】
本発明は、上述の硬化性(メタ)アクリレート組成物が、シリコーン型のパターン化表面に適用される、マイクロトランスファー成形において使用されてもよい。任意の過剰の硬化性(メタ)アクリレート組成物が存在する場合、それは、例えば、平らなブロックで解体されるか、又は不活性ガス流で吹き飛ばされて除去される。得られた充填型は、基材と接触してもよい。次いで、硬化性(メタ)アクリレート組成物は、加熱、UV放射線暴露、又はこれらの組合せにより硬化される。硬化性(メタ)アクリレート組成物が固体に硬化された場合、型は、基材上にパターン形状を残して引き剥がされてもよい。マイクロトランスファー成形は、例えば、導光板、カップラー、及び干渉計を製造するのに使用されてもよい。
【0071】
本発明は、また、MIMICのために使用されてもよい。このリソグラフィ技法においては、シリコーン型のパターン化表面は、基材の表面と接触する。シリコーン型におけるパターン構造は、空の溝の網目を形成する。上述の硬化性(メタ)アクリレート組成物が、網目の開放端に置かれると、毛細管作用により、硬化性(メタ)アクリレート組成物で溝を充たす。次いで、硬化性(メタ)アクリレート組成物は、固体へと硬化し、シリコーン型は除去される。
【0072】
本方法は、インプリント成形、ステップアンドフラッシュインプリント成形、溶剤型マイクロ成形、マイクロトランスファー成形、及び毛細管におけるマイクロ成形を含む群から選択されるリソグラフィ技法におけるレジスト層又はパーマネント層(permanent layer)を調製するのに使用されてもよい。本発明は、発光ダイオードを含むがこれに限定されない、有機発光ダイオードを含むがこれに限定されない様々な装置;トランジスター、例えば、有機電解効果トランジスター及び薄膜トランジスター等;ディスプレイ装置、例えば、プラズマディスプレイ及び液晶ディスプレイ、光検出器、導光板、カップラー、及び干渉計の製造において使用されてもよい。
【実施例】
【0073】
これらの実施例は、本発明を当業者に例示しようとするためのものであって、特許請求の範囲において示される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきものではない。
【0074】
(参考例1)
(サンプル調製及び評価)
組成物を、以下の実施例において定義される成分の量を添加して、Hauschildミキサーにおいて混合する。
【0075】
粘度を、International Research Glassware, Kenilworth, New Jersey, 07033 U.S.A.製のCannon−Fenske routine(Ubbelohde)粘度管で測定する。粘度測定の方法は、ASTM D445及びISO 3104による。仕様は、ASTM D446及びISO 3105に準拠する。
【0076】
厚膜での硬化の検討を、Fusion硬化プロセッサー(300又は600ワットランプ)で行う。Fusion硬化プロセッサーにおいて、組成物の被膜を次の基材の1つに適用する:ガラススライド、シリコンウエハ、ガラスウエハ、又はアクリル基材等のプラスチック。被膜を、手で、又はロールコーターを使用して適用する。基材を、一定線速度で、ベルト速度を制御された硬化エネルギーに調整して、Fusion硬化プロセッサーを通して運ぶ。IL 1350放射計/光度計(International Lights社製)を、サンプルにおけるUV光束を観察するために使用する。硬化の範囲を、UV光線硬化直後の表面タック(手で触れる程度に乾燥させる)を観察することにより測定する。硬化により、硬化フィルムを基材から除去し、底のタックを評価することにより評価する。
【0077】
薄膜UV硬化の検討は、次の手順に従って行われる。組成物は、酸素阻害効果が全く存在しないことを確実にするために、空気(PDMS型の下で)及びアルゴン雰囲気(PDMS型(mold)の下で、又はPDMS型なしで)の両方において硬化させることができる。
【0078】
(不活性雰囲気)
組成物及び基材を、まず、アルゴングローブボックスに移す。組成物を、スピンコーティングにより基材上に分散させる。組成物を拡散させるために、500〜2000rpmの回転速度を使用する。得られたフィルムを、容器の中に移し、フィルムの一番上に、PDMS型を伴う、又はPDMS型を伴わないUV硬化用のツールを伴うために、真空下で密閉する。UV暴露用のツールは、O2の除去を助けるためのN2ナイフエッジを有する。フィルム表面を、カバーガラスで覆い、粒子での汚染を防ぐ。UV暴露を、500mJ/cm2に設定する。UV硬化後、フィルムを、架橋密度を増加させるために、120℃で2分間、さらに熱硬化のために、アルゴングローブボックスに戻す。硬化後、PDMS型を、硬化アクリレートフィルム表面から離す。PDMS型から硬化アクリレートフィルム表面へのパターン転写を、目視、光学顕微鏡、及び電子顕微鏡を使用して観察する。
【0079】
(空気雰囲気)
組成物を、スピンコーティング又はドクターブレードドローダウン法(doctor blade drawdown technique)により、基材上に分散させる。スピンコーティングにおいては、組成物をフィルムに拡散させるために、500〜2000rpmの回転速度を使用する。スピンコーティング後に、SYLGARD(登録商標)184 PDMS型を、フィルムの一番上に置く。型を伴うフィルムを、硬化させるために、UV硬化用のツールに送る。UV硬化後、型を、硬化フィルムから離す。型表面からフィルム表面に向けたパターンの転写が達成される。PDMS型の下のフィルムは硬化し、PDMS型の下にない領域は硬化しなかった。PDMS型から硬化フィルム表面上へのパターン転写を、目視、光学顕微鏡、及び電子顕微鏡を使用して観察する。
【0080】
(比較例1)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0081】
【表1】

【0082】
組成物を、参考例1において説明した様に、UV暴露下で硬化させる。しかしながら、硬化フィルムは、SYLGARD(登録商標)184 PDMS型に付着する。パターン転写は達成されない。
【0083】
(比較例2)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0084】
【表2】

【0085】
組成物を、参考例1において説明した様に、UV暴露下で硬化させる。組成物は、UV暴露下で硬化する。しかしながら、硬化フィルムは、SYLGARD(登録商標)184 PDMS型に付着する。パターン転写は達成されない。
【0086】
(実施例1)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0087】
【表3】

【0088】
(実施例2)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0089】
【表4】

【0090】
(実施例3)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0091】
【表5】

【0092】
(実施例4)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0093】
【表6】

【0094】
(実施例5)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0095】
【表7】

【0096】
(実施例6)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0097】
【表8】

【0098】
(実施例7)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0099】
【表9】

【0100】
(実施例8)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の成分を混合することにより調製する。
【0101】
【表10】

【0102】
(実施例9〜12)
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、表において示される量の成分を混合することにより調製する。
【0103】
【表11】

【0104】
(実施例13及び14)
1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラエトキシシラン、及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシランの表における量を、30分間混合する。表における量のアクリル酸を添加し、得られた組成物を、さらに30分間混合する。表における量の水を添加し、得られた組成物を、60分間混合する。得られた組成物を、減圧下で、70℃で揮散させ、その場で形成された樹脂を含む組成物を生成する。
【0105】
【表12】

【0106】
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の表において示される量の成分を混合することにより調製する。
【0107】
【表13】

【0108】
(実施例15及び16)
ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びアクリル酸の表における量を、30分間混合する。表における量の水を添加し、得られた組成物を、60分間混合する。得られた組成物を、減圧下で、70℃で揮散させ、その場で形成された樹脂を含む組成物を生成する。
【0109】
【表14】

【0110】
硬化性(メタ)アクリレート組成物を、以下の表において示される量の成分を混合することにより調製する。
【0111】
【表15】

【産業上の利用可能性】
【0112】
これらの実施例において使用された硬化性(メタ)アクリレート組成物は、パターン解像力及び離型性を証明する。理論に捕われる積りはないが、硬化性(メタ)アクリレート組成物から型へのモノマーの移動が、フルオロ官能性(メタ)アクリレートの存在により最少となり、これが、型の汚れ及び型の膨潤を減少させることによって型寿命を増加させるものと考える。本方法は、生産性を増加し、処理時間を減少させ、又は両方によって、パターン被膜又はレジストを提供するための写真平版法に対する代替として低コストを提供することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)パターン化表面を有するシリコーン型を、硬化性(メタ)アクリレート組成物で充填することであって、該硬化性(メタ)アクリレート組成物が、(a)フルオロ官能性(メタ)アクリレート又はフルオロ官能性(メタ)アクリレートと(メタ)アクリレートとの組合せ、(b)光開始剤、任意選択で(c)抗酸化剤、任意選択で(d)蛍光染料、任意選択で(e)反応性希釈剤、任意選択で(f)光安定剤、任意選択で(g)光感光剤、任意選択で(h)湿潤剤、及び任意選択で(j)紫外放射線吸収剤を含み、
B)前記硬化性(メタ)アクリレート組成物を硬化させて、パターン形状を形成すること、
C)前記シリコーン型と前記パターン形状とを分離すること、
任意選択で、D)前記パターン形状をエッチングすること、及び
任意選択で、E)前記シリコーン型を再使用して、工程A)〜D)を繰り返すこと
を含む方法であって、該フルオロ官能性(メタ)アクリレートが下記式を有し、
【化1】

(式中、Qはフッ素化炭化水素基であり、各Rは独立して、水素又はメチル基であり、n=1、2または3であり、成分(a)が該硬化性(メタ)アクリレート組成物の90〜99.5重量%を構成する、該方法。

【公開番号】特開2012−96542(P2012−96542A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243140(P2011−243140)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【分割の表示】特願2007−531232(P2007−531232)の分割
【原出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】