説明

シリコーン接着剤組成物およびそれを調製する方法

熱界面物質の組成物は、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径をもつ粒子を有する熱伝導性充填剤との配合物を含み、ここで、この重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含み、ここで、遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10重量ppmから約20重量ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である。方法もまた、供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年3月30日に出願された米国仮特許出願連続番号第60/783,738号の優先権を主張し、そして参照により総ての内容をここに編入する。
【0002】
本発明は、シリコーン接着剤組成物に、そして特に、シリコーンの熱界面物質に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの電気部品は、作動期間中に熱を発生する。電子デバイスは、より高密度に、そしてより高度に集積されており、この熱の流量は、幾何級数的に増加する。このデバイスは、また性能と信頼性とを考慮して、より低い温度で作動する必要がある。デバイスの発熱部と周囲温度とのあいだの温度差が減少すると、熱除去のための熱力学的駆動力を低下させる。増加した熱の流量および減少した熱力学的な駆動力は、作動期間中の熱除去を促進するために、ますます高性能な熱管理技術を必要とする。
【0004】
熱管理技術は、しばしば、電気系統における高温度部位から熱を放出させる何らかの形態の熱放散ユニットの使用を含む。熱放散ユニットは、熱除去を促進する発熱ユニットに物理的に接続された、熱伝導性の大きな物質から生成された構造体である。発熱ユニットからの熱は、二つのユニットの間にある物理的界面をとおって熱放散ユニットへと流れる。
【0005】
典型的な電子パッケージにおいて、熱放散ユニットは、発熱する部品の平らな表面に、熱放散ユニットの平らな表面を置くことによって、そして接着剤または締結具を用いて熱放散ユニットを適切な位置に固定することによって、作動中に発熱する部品に物理的に接続する。空隙が、熱放散ユニットの表面と発熱する部品の表面との間に存在するかもしれず、これが、表面間の界面を通して熱を移動する能力を減少させる。この問題に対処するには、熱界面物質の層が、この表面間の熱抵抗を低下させるために伝熱面のあいだに設置される。この熱界面物質は、典型的には一液型硬化性シリコーン接着剤のような充填剤入りの高分子系である。
【0006】
Toyaへの米国特許第5,021,494号は、充填剤入り熱伝導性シリコーン組成物を開示する。この組成物は、150℃、1時間で硬化する。
【0007】
米国特許公開第2005/0049350号公報は、充填剤入りシリコーン熱界面物質の組成物を開示する。この組成物は、150℃、2時間で硬化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
より短い硬化時間と、より低い硬化温度とを有する、高い密着性を備えたシリコーン熱界面物質に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの実施態様において、熱界面組成物は、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤との配合物を含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサン(organopolysiloxane)と、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサン(organohydrogenpolysiloxane)と、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、この遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である。
【0010】
一つの実施態様において、熱界面組成物を作製する方法は、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤とを配合することを含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、この遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である。
【0011】
他の実施態様において、一液型熱硬化組成物は、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤との配合物を含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、この遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である。
【0012】
他の実施態様において、二液型熱界面組成物を作製する方法は、部分Aと部分Bとを約1:1の重量比で混合して組成物を生成させることを含有し、ここで、前記組成物は、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤とを含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、この遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である。
【発明の効果】
【0013】
様々な実施態様は、より速い硬化速度、より低い硬化温度、および良好な密着性を有する熱界面組成物を与える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施例1の調合物に対する比較例2の調合物におけるG’G”交差温度(crossover temperature)のDMAを比較したグラフである。
【図2】図2は、150℃でのDMAによる硬化時間を比較したグラフである。
【図3】は、80℃でのDMAによる硬化時間を比較したグラフである。
【図4】は、接着強度を硬化温度の関数として示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
単数形は、文脈が明確に他の指示をする場合を除いて、複数形の意味を含む。同一の特性を列挙しているすべての範囲の端点は、独立して組み合せることができ、そして列挙された端点を含む。総ての引用は、参照によりここに編入される。
【0016】
量と関連して使用される修飾語の「約(about)」は、表示された値を含み、そして文脈によって示された意味を有する(例えば、特定の量の測定に関連した許容差範囲を含む)。
【0017】
「任意選択の(optional)」または「任意選択で(optionally)」は、その後に記載された事態または状況が起きてもよいし、起きなくてもよい、またはその後に特定された物質が存在してもよいし、存在しなくてもよい、そしてこの記載は、この事態または状況が起きる、またはこの物質が存在する場合と、この事態または状況が起きない、またはこの物質が存在しない場合とを含む、と意味する。
【0018】
一つの実施態様において、熱界面組成物は、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径とを有する粒子を含有する熱伝導性充填剤との配合物を含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、この遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である。
【0019】
重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒とを含有する。この有機ポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、超分岐状(hyper−branched)、樹枝状(dendritic)、または環状である。一つの実施態様において、有機ポリシロキサンは、直鎖状である。
【0020】
有機ポリシロキサンは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素原子に結合されたアルケニル基を有する。ケイ素原子に結合されたアルケニル基は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、およびヘプテニル基を含むが、これらに限定されない。一つの実施態様において、アルケニル基は、ビニル基である。
【0021】
有機ポリシロキサンは、アルケニル基に加えて、ケイ素原子に結合された別の有機基を有してよい。別の有機基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、およびヘプチル基のようなアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基;ベンジル基およびフェネチル基のようなアラルキル基;そして、クロロメチル基、3−クロロプロピル基および3,3,3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン化アルキル基;を含むが、これらに限定されない。一つの実施態様において、有機ポリシロキサンは、メチル基を含有する。
【0022】
有機ポリシロキサンにおけるケイ素に結合されたアルケニル基は、分子鎖の末端に、ならびに、分子鎖の側鎖のような、または分子鎖の骨格に沿うような分子鎖の別の位置に配置されてよい。一つの実施態様において、各分子の少なくとも一つの末端は、アルケニル基を含有する。
【0023】
一つの実施態様において、有機ポリシロキサンは、分子鎖の両末端でトリメチルシロキシ基またはジメチルビニルシロキサン基によりブロックされたメチルビニルポリシロキサン、または、分子鎖の両末端でジメチルビニルシロキサン基によりブロックされたジメチルポリシロキサンである。
【0024】
有機ポリシロキサンは、式、RSiO1/2を有するシロキサン単位と、式、RSiO1/2を有するシロキサン単位と、式、RSiO2/2を有するシロキサン単位と、式、SiO4/2を有するシロキサン単位とを含有する共重合体;式、RSiO1/2を有するシロキサン単位と、式、RSiO2/2を有するシロキサン単位と、式、SiO4/2を有するシロキサン単位とを含有する共重合体;式、RSiO2/2を有するシロキサン単位と、式、RSiO3/2を有するシロキサン単位と、式、RSiO3/2を有するシロキサン単位とを含有する共重合体;または、これらの有機ポリシロキサンの二つもしくはそれ以上の混合物を含有してよい。これらの式において、Rは、アルケニル基以外の一価の炭化水素基であり、そしてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、またはヘプチル基のようなアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、またはナフチル基のようなアリール基;フェネチル基のようなアラルキル基;または、クロロメチル基、3−クロロプロピル基または3,3,3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン化アルキル基である。これらの式において、Rは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、またはヘプテニル基のようなアルケニル基である。
【0025】
一つの実施態様において、有機ポリシロキサンは、分子鎖の両末端でトリメチルシロキシ基によりブロックされた、メチルビニルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体;分子鎖の両末端でトリメチルシロキシ基によりブロックされた、メチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体;分子鎖の両末端でジメチルビニルシロキサン基によりブロックされた、メチルビニルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体;分子鎖の両末端でジメチルビニルシロキサン基によりブロックされた、メチルビニルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体を含んでよい。
【0026】
有機ポリシロキサンの粘度に関する限定はない。一つの実施態様において、有機ポリシロキサンは、Brookfield型の粘度計を用いて25℃で希釈しないでの(neat)測定で、約10から約500,000センチポアズの範囲の粘度を有する。他の実施態様において、有機ポリシロキサンは、Brookfield型の粘度計を用いて25℃で希釈しないでの測定で、約50から約5,000センチポアズの範囲で粘度を有する。
【0027】
有機ヒドロポリシロキサンは、架橋剤として作用し、そして分子当たり平均して少なくとも二つの、ケイ素原子に結合された水素原子を有する。有機ヒドロポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、超分岐状、樹枝状、または環状である。一つの実施態様において、有機ヒドロポリシロキサンは、直鎖状である。
【0028】
有機ヒドロポリシロキサンは、水素原子に加えてケイ素原子に結合された別の有機基を有してよい。別の有機基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、およびヘプチル基のようなアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基;フェネチル基のようなアラルキル基;または、クロロメチル基、3−クロロプロピル基または3,3,3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン化アルキル基;を含むが、これらに限定されない。一つの実施態様において、有機ヒドロポリシロキサンは、メチル基を含有する。
【0029】
有機ヒドロポリシロキサンにおける水素原子は、分子鎖の末端、ならびに、分子鎖の側鎖のような、または分子鎖の骨格に沿うような分子鎖の別の位置で配置されてよい。一つの実施態様において、水素原子は、分子鎖の骨格に沿って配置される。他の実施態様において、水素原子は、分子鎖の末端に配置される。他の実施態様において、水素原子は、重合体鎖の骨格に沿って配置されるだけでなく、重合体鎖の末端で存在する。
【0030】
一つの実施態様において、有機ヒドロポリシロキサンは、分子鎖の両末端でトリメチルシロキシ基によりブロックされたメチルヒドロポリシロキサン、分子鎖の両末端でジメチルヒドロシロキサン基によりブロックされたジメチルポリシロキサン、分子鎖の両末端でメチルヒドロシロキサン基によりブロックされたジメチルポリシロキサン、および分子鎖の両末端でジメチルヒドロシロキサン基によりブロックされたメチルフェニルポリシロキサンである。
【0031】
有機ヒドロポリシロキサンは、式、RSiO1/2を有するシロキサン単位と、式、RHSiO1/2を有するシロキサン単位と、式、SiO4/2を有するシロキサン単位とを含有する共重合体;式、RHSiO1/2を有するシロキサン単位と、式、SiO4/2を有するシロキサン単位とを含有する共重合体;式、
HSiO2/2を有するシロキサン単位と、式、RSiO3/2を有するシロキサン単位と、式、HSiO3/2を有するシロキサン単位とを含有する共重合体;式、RHSiO2/2を有するシロキサン単位と、式、RSiO2/2を有するシロキサン単位と、式、RHSiO1/2を有するシロキサン単位とを含有する共重合体;または、これらの有機ポリシロキサンの二つもしくはそれ以上の混合物を含有してよい。これらの式において、Rは、アルケニル基以外の一価の炭化水素基であり、そしてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、またはヘプチル基のようなアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、またはナフチル基のようなアリール基;ベンジル基またはフェネチル基のようなアラルキル基;または、クロロメチル基、3−クロロプロピル基または3,3,3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン化アルキル基;である。
【0032】
一つの実施態様において、有機ヒドロポリシロキサンは、分子鎖の両末端でトリメチルシロキシ基によりブロックされた、メチルヒドロシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体;分子鎖の両末端でトリメチルシロキシ基によりブロックされた、メチルヒドロシロキサンとメチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体;分子鎖の両末端でジメチルヒドロシロキサン基によりブロックされた、メチルヒドロシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体;および、分子鎖の両末端でジメチルヒドロシロキサン基によりブロックされた、メチルフェニルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体を含んでよい。
【0033】
有機ヒドロポリシロキサンの粘度に関する限定はない。一つの実施態様において、有機ヒドロポリシロキサンは、Brookfield型の粘度計を用いて25℃で、希釈しないでの測定で、約1から約500,000センチポアズの範囲の粘度を有する。他の実施態様において、有機ヒドロポリシロキサンは、Brookfield型の粘度計を用いて25℃で、希釈しないでの測定で、約5から約5,000センチポアズの範囲の粘度を有する。
【0034】
有機ポリシロキサン中のアルケニル基当たり、有機ヒドロポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比は、約1から約2までである。他の実施態様において、このモル比は、約1.3から約1.6までである。他の実施態様において、このモル比は、約1.4から約1.5までである。
【0035】
有機ヒドロポリシロキサンは、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、約0.1重量部から約50重量部までの量であってよい。他の実施態様において、この量は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、約0.1重量部から約10重量部までの範囲である。
【0036】
ヒドロシリル化触媒は、遷移金属を含有する。一つの実施態様において、遷移金属は、ルテニウム、ロジウム、白金、およびパラジウムのような第8族〜第10族の遷移金属を含有する任意の化合物である。一つの実施態様において、遷移金属は白金である。白金は、例えば白金微粉末;白金黒;アルミナ;シリカまたは活性炭のような固相担体に吸着された白金;塩化白金酸;四塩化白金;オレフィンにより、または、ジビニルテトラメチルシロキサンまたはテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンのようなアルケニルシロキサンにより錯体化された白金化合物;のような錯体の形態であってよい。
【0037】
遷移金属は、非充填剤成分の全重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在する。他の実施態様において、遷移金属は、非充填剤成分の全重量に基づいて約12ppmから約19ppmまでの量で存在する。他の実施態様において、遷移金属は、非充填剤成分の全重量に基づいて約14ppmから約17ppmまでの量で存在する。
【0038】
一つの実施態様において、重合体マトリックスは、接着促進剤を含有してよい。接着促進剤は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)フマラート、または、アクリルオキシトリメトキシシリル官能基またはメタクリルオキシプロピルトリメトキシシリル官能基により修飾されたテトラシクロシロキサンのような、アルコキシシランまたはアリールオキシシラン;アルコキシシリル官能基を含むオリゴシロキサン;アリールオキシシリル官能基を含むオリゴシロキサン;アルコキシシリル官能基を含むポリシロキサン;アリールオキシシリル官能基を含むポリシロキサン;アルコキシシリル官能基を含むシクロシロキサン;アルコキシシリルおよびSi−H官能基を含むシクロシロキサン;アリールオキシシリル官能基を含むシクロシロキサン;チタナート;トリアルコキシアルミニウム;テトラアルコキシシラン;およびそれらの混合物を含む。
【0039】
接着促進剤は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、0重量部から約30重量部までの量で添加されてよい。一つの実施態様において、接着促進剤の量は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、約0.001重量部から約15重量部までである。他の実施態様において、接着促進剤の量は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、約0.1重量部から約10重量部までである。
【0040】
一つの実施態様において、重合体マトリックスは、硬化のプロファイル(curing profile)を修飾するために、そして貯蔵寿命を改良するために触媒抑制剤を含有してよい。触媒抑制剤は、ホスフィンまたはホスファイトの化合物、アミン化合物、イソシアヌラート、アルキニルアルコール、マレイン酸エステル、それらの混合物、および当業者には既知である任意の別の化合物を含む。一つの実施態様において、抑制剤は、トリアリルイソシアヌラート、2−メチル−3−ブチン−2−オール、ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、またはそれらの混合物であってよい。
【0041】
抑制剤は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、0重量部から約10重量部までの量で添加されてよい。一つの実施態様において、抑制剤の量は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、約0.001重量部から約10重量部までである。他の実施態様において、抑制剤の量は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、約0.01重量部から約5重量部までである。
【0042】
他の添加剤、例えば反応性の有機希釈剤、非反応性の希釈剤、難燃剤、顔料、流れ調整剤、粘度調節用のチキソトロープ剤、および充填剤処理剤などを、重合体マトリックスに添加してよい。
【0043】
反応性の有機希釈剤は、組成物の粘度を低下させるために添加されてよい。反応性の有機希釈剤の例は、1,5−ヘキサジエンのようなジエン、n−オクテンのようなアルケン、スチレン化合物、アクリラートまたはメタクリラートの化合物、ビニル含有化合物またはアルキル含有化合物、およびそれらの組合せを含む。
【0044】
非反応性の希釈剤は、調合物の粘度を低下させるために添加されてよい。非反応性の希釈剤の例は、オクタンのような脂肪族炭化水素、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1−メトキシプロピルアセタート、エチレングリコール、ジメチルエーテル、ポリジメチルシロキサン、およびそれらの組合せを含む。
【0045】
難燃剤の例は、ホスホルアミド、トリフェニルホスファート(TPP)、レゾルシノールジホスファート(RDP)、ビスフェノール−a−ジホスファート(BPA−DP)、有機ホスフィンオキシド、ハロゲン化エポキシ樹脂(テトラブロモビスフェノールA)、金属酸化物、金属水酸化物、およびそれらの組合せを含む。
【0046】
添加物は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、0重量部から約20重量部までの量で重合体マトリックスに添加されてよい。他の実施態様において、添加物は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、約0.5重量部から約10重量部までの量で添加されてよい。
【0047】
熱伝導性充填剤は、補強性または非補強性であってよい。充填剤は、ヒュームドシリカ、溶融石英、微粉石英、無定形シリカ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、ダイアモンド;銀、金、アルミニウム、または銅のような金属;炭化ケイ素、アルミニウム水和物;ガリウム、インジウム、スズ、亜鉛、またはそれらの組合せの元素を含む金属の合金;窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ケイ素、または窒化アルミニウムのようなセラミックス;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化クロム、酸化亜鉛、二酸化チタン、または酸化鉄のような金属酸化物;熱伝導性充填剤を含有し、そして繊維または粉末の形態に加工された熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂;およびそれらの組合せの粒子を含んでよい。一つの実施態様において、熱伝導性充填剤は、酸化アルミニウム、窒化ホウ素またはこれら二つの充填剤の組合せである。
【0048】
熱伝導性充填剤は、ミクロンサイズ、サブミクロンサイズ、ナノサイズ、またはそれらの組合せであってよい。一つの実施態様において、熱伝導性充填剤は、約1のアスペクト比を有する球形であるか、またはほぼ球形であり、そしてほぼ1のアスペクト比を有する。熱伝導性充填剤粒子の最大粒径は、25ミクロンを超えないことが望ましい。プレートレットの形または繊維の形を有する熱伝導性充填剤に関して、最大粒径は、充填剤の最も小さな寸法で測定される。例えば、プレートレット形の充填剤に関して、最大粒径は、最大の厚さである。一つの実施態様において、最大粒径は、約25ミクロンより小さい。他の実施態様において、最大粒径は、約0.01ミクロンから約24ミクロンまでである。
【0049】
一つの実施態様において、平均の粒径は、約0.01ミクロンから約15ミクロンまでの範囲である。他の実施態様において、平均の粒径は、約1ミクロンから約10ミクロンまでの範囲である。
【0050】
一つの実施態様において、熱伝導性充填剤は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、約100重量部から800重量部までの範囲で存在する。他の実施態様において、熱伝導性充填剤は、有機ポリシロキサンの100重量部当たり、約300重量部から約750重量部までの範囲で存在する。
【0051】
一つの実施態様において、熱伝導性充填剤は、全組成物の重量に基づいて約10重量パーセントから約95重量パーセントまでの範囲で存在する。他の実施態様において、熱伝導性充填剤は、全組成物の重量に基づいて約20重量パーセントから約92重量パーセントまでの範囲で存在する。
【0052】
熱伝導性充填剤は、混合の前に、混合中にまたは混合の後に処理されてよい。充填剤処理は、プロセスの単一工程に限定されないで、製造プロセスの初めから終わりまでの幾つかの異なった段階を含有してよい。充填剤処理は、ボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、ロールミル粉砕(2−ロールミルまたは3−ロールミルのいずれかを使用);シラザン、シラノール、シラン、またはシロキサンの化合物、あるいはアルコキシ、ヒドロキシまたはSi−H基を含む重合体、および一般的に使用される任意の別の充填剤処理剤のような化学品による充填剤の処理のような工程を経由する化学的なまたは物理的なコーティングまたはキャップ化;および当業者によって一般的に採用採択される任意の別の工程を含むが、これに限定されない。
【0053】
別の補強充填剤は、組成物に添加されてよい。適切な補強充填剤の例は、ヒュームドシリカ、疎水性沈降シリカ、微粉石英、珪藻土、溶融タルク、タルク、ガラス繊維、グラファイト、炭素、および顔料を含む。補助的な充填剤は、有機ポリシロキサンの100部当たり、0重量部から約30重量部までの量で添加されてよい。
【0054】
一つの実施態様において、熱界面組成物を作製する方法は、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤とを配合することを含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、この遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である。
【0055】
最終の組成物は、手動でかき混ぜるか、または生地ミキサー、遊星運動型ミキサー、二軸スクリュー押出機、2本または3本のロールミルなどのような標準的な混合装置によって混合されてよい。組成物の配合は、当業者によって使用される任意の手段によって、バッチ方式、連続方式または半連続方式で行われてよい。
【0056】
組成物は、約150℃より低い温度で硬化されうる。一つの実施態様において、組成物は、約20℃と約100℃とのあいだで硬化される。他の実施態様において、組成物は、約50℃と80℃とのあいだで硬化される。他の実施態様において、組成物は80℃で硬化される。80℃での硬化時間は、1時間よりも短い。
【0057】
硬化は、典型的には1平方インチ当たり、約1気圧と約5トン圧とのあいだの範囲の圧力で硬化し、1平方インチ当たり、約1気圧と約100ポンドとのあいだの範囲を含む。
【0058】
組成物は、電子デバイスでの熱吸収源(heat sink)としてしばしば使用される金属基板だけでなく、シリコンに対しても良好な密着性を有する。組成物はまた、電子産業における熱吸収源の製造に典型的に使用される、コーティングにより処理された金属基板に対して良好な密着性を有する。この熱吸収源は、アルミニウムと銅とを含むが、これらに限定されない。熱吸収源のコーティングは、金、クロム酸塩およびニッケルを含むが、これらに限定されない。熱界面組成物は、コンピューター、半導体、または部品のあいだで熱の移動が必要な任意のデバイスのような電子工学のデバイスにおいて使用されてよい。しばしば、これらの部品は、アルミニウム、銅、ケイ素などのような金属でつくられる。組成物は、熱が発生し、そして除去される必要のある任意の状況で適用されてよい。例えば、組成物は、モーターまたはエンジンから熱を除去するために、フリップチップ(flip−chip)設計におけるアンダーフィル材料(underfill material)として機能するために、シリコンチップの表面から熱吸収源への熱移送を促進するために、電子デバイスにおけるダイ接着剤として、そして効率的な熱除去が望まれる任意の別の適用に利用されてよい。
【0059】
一つの実施態様において、組成物は、シートまたはフィルムに前もって生成され、そして任意の望ましい形に切断されてよい。組成物は、電子部品のあいだに配置される熱界面のパッドまたはフィルムを形成するために好ましくは使用されてよい。代替的に、組成物は、デバイスの熱発生または熱放散のユニットに前もって使用されてよい。組成物はまた、グリース、ゲル、および相変化材料の調合物として応用されうる。
【0060】
熱界面物質は、一液型熱硬化組成物、二液型熱硬化組成物または二液型室温硬化組成物の形態であってよい。
【0061】
他の実施態様において、一液型熱硬化組成物は、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤との配合物を含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、この遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である。
【0062】
他の実施態様において、一液型熱硬化組成物は、二液型系として調合されてもよい。一つの実施態様において、二液型熱界面組成物を作製する方法は、部分Aと部分Bとを約1:1の重量比で混合して組成物を生成させることを含有し、ここで、前記組成物は、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤とを含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、この遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である。
【0063】
二液型組成物において、調合物は、部分Aと部分Bの二部分で調製され、二部分を混ぜ合わせて、そして熱界面物質をつくることが望まれるまで保管貯蔵される。この二部分は、室温で貯蔵してよいが、互いに別々にしておかなければならない。部分Aおよび部分Bは、有機ヒドロポリシロキサンが完全に一方の部分に含まれていなければならず、かつ、ヒドロシリル化触媒が完全に他方の部分に含まれていなければならないということを除いて、熱界面物質の任意の成分を任意の量で含む。一つの実施態様において、部分Aと部分Bの両者は、充填剤と有機ポリシロキサンとを含有する。一つの実施態様において、部分Aと部分Bの両者は、等しい量の充填剤と有機ポリシロキサンとを含有する。
【0064】
一つの実施態様において、二液型組成物は、部分Aおよび部分Bが混ぜ合わされるときに、室温で硬化するように調製されてよい。他の実施態様において、二液型組成物は、部分Aおよび部分Bが混ぜ合わされた場合に、硬化させるために熱の利用を必要とするように調製されてもよい。
【0065】
部分Aおよび部分Bは、手動でかき混ぜるか、または生地ミキサー、遊星運動型ミキサー、二軸スクリュー押出し機、静的ミキサー(static mixer)、2本ロールミル、または3本ロールミルなどのような標準的な混合装置によって配合されてよい。成分Aおよび成分Bの配合は、当業者によって使用される任意の手段によって、バッチ方式、連続方式または半連続方式で行われてよい。一つの実施態様において、成分Aおよび成分Bは、約1:1の重量比で混合される。
【0066】
当業者が、本開示をより良く実施できるようにするために、以下の実施例を説明の手段として示すが、限定の手段として示すのではない。
【実施例】
【0067】
実施例1
別々の二つの熱伝導性充填剤をこの調合物において使用した。第1の充填剤は、5μmの平均粒径と24μmの最大粒径とを有するDenka DAW−05アルミナ充填剤であり、そして第2の充填剤は、0.4〜0.6μmの平均粒径と約1μmの最大粒径とを有するSumitomoのAA−04アルミナ充填剤であった。熱伝導性充填剤(合計で604.30部;483.58部の第1の充填剤、そして120.72部の第2の充填剤)を実験室規模のRossミキサー(容量1クォート)を用いて、約18rpm、140〜160℃で2.5時間混合した。次に充填剤を35〜45℃まで冷却し、大気圧にして、そして100部のビニル末端ポリジメチルシロキサン流体(350〜450cSt、約0.48重量パーセントのビニル;GE SiliconeからのSL6000−D1)を、0.71部の顔料マスターバッチ(50重量パーセントのカーボンブラックおよび50重量パーセントの10,000cStのビニル末端ポリジメチルシロキサン流体;GE ToshibaからのM−8016)と、1.04部のヒドリド官能性有機ポリシロキサンの流体(ヒドリドは約0.82重量パーセント;GE Siliconeからの88466)である、ヒドリドの流体(hydride fluid)の一部と一緒に添加した。この調合物を約18rpmで6分間混合して、この流体と顔料とを取り込んだ。次に温度を140〜160℃まで上げ、そして混合物を25〜30インチHgの減圧下、約18rpmで、さらに1.5時間撹拌した。調合物を約30℃まで冷却し、そして次の成分を添加した:0.413部のトリアリルイソシアヌラート、0.043部のジメチル−1−ヘキシン−3−オール(Surfinol(登録商標)61)、および0.094部のテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンで錯体化された白金触媒(GE Silicone製の88346、これは白金が約1.7wt%のビニル−D4溶液である;この触媒の添加量は、最終調合物の非充填剤成分の重量に基づいて14.65ppmの白金含量ということになる)。成分を約18rpmで8分間撹拌することによって混合した。次に最終成分をミキサーに添加した:3.14部の第1の接着促進剤(GE ToshibaのA501S、アルコキシシリル基とSi−H官能基とを含むシクロシロキサン)、2.08部の第2の接着促進剤(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、および残りの量の、ヒドリドの流体である、2.10部のヒドリド官能性有機ポリシロキサンの流体(ヒドリドは約0.82重量パーセント)。この調合物におけるH:Viのモル比は1.399である。成分を約18rpmで5分間撹拌することによって混合した。最終調合物を約18rpmでそして25〜30インチHgの減圧下で、さらに3分間撹拌した。調合物をミキサーから取り出し、そしてすぐに100メッシュの濾過膜を通して濾過した。次に、試験に先立って、生成物質を3〜8分間、25〜30インチHgの減圧下に置き、溶存しているすべての空気を除去した。
【0068】
比較例2
別々の二つの熱伝導性充填剤をこの調合物において使用した。第1の充填剤は、5μmの平均粒径と24μmの最大粒径とを有するDenka DAW−05アルミナ充填剤であり、そして第2の充填剤は、0.4〜0.6μmの平均粒径と約1μmの最大粒径とを有するSumitomoからのAA−04アルミナ充填剤であった。熱伝導性充填剤(合計で604.30部;483.58部の第1の充填剤、そして120.72部の第2の充填剤)を実験室規模のRossミキサー(容量1クォート)を用いて約18rpm、140〜160℃で2.5時間混合した。次に充填剤を35〜45℃まで冷却し、大気圧にして、そして100部のビニル末端ポリジメチルシロキサン流体(350〜450cSt、約0.48重量パーセントのビニル;GE SiliconeからのSL6000−D1)を、0.71部の顔料マスターバッチ(50重量パーセントのカーボンブラックおよび50重量パーセントの10,000cStのビニル末端ポリジメチルシロキサン流体;GE ToshibaからのM−8016)と、ヒドリドの流体は、0.70部のヒドリド官能性有機ポリシロキサンの流体(ヒドリドは約0.82重量パーセント;GE Siliconeからの88466)である、ヒドリドの流体の一部と一緒に添加した。調合物を約18rpmで6分間混合して、この流体と顔料とを取り込んだ。温度を140〜160℃まで上げ、そして混合物を25〜30インチHgの減圧下、約18rpmで、さらに1.5時間撹拌した。調合物を約30℃まで冷却し、そして次の成分を添加した:0.54部のトリアリルイソシアヌラート、0.06部のジメチル−1−ヘキシン−3−オール(Surfinol(登録商標)61)、および0.04部のテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンで錯体化された白金触媒(GE Silicone製の88346、白金約1.7wt%のビニル−D4溶液である;この触媒の添加量は、最終調合物の非充填剤成分に基づいて5.85重量ppmの白金含量ということになる)。成分を約18rpmで8分間撹拌して混合した。次に最終成分をミキサーに添加した:3.14部の第1の接着促進剤(GE ToshibaのA501S、アルコキシシリル基とSi−H官能基とを含むシクロシロキサン)、2.08部の第2の接着促進剤(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、および残りの量の、ヒドリドの流体である1.42部のヒドリド官能性有機ポリシロキサンの流体(ヒドリドは約0.82重量パーセント)。調合物におけるH:Viのモル比は0.947である。成分を約18rpmで5分間撹拌することによって混合した。最終調合物を約18rpmおよび25〜30インチHgの減圧下で、さらに3分間撹拌した。調合物をミキサーから取り出し、そしてすぐに100メッシュの濾過膜を通して濾過した。次に、試験に先立って、生成物質を3分間、25〜30インチHgの減圧下に置き、溶存しているすべての空気を除去した。
【0069】
実施例3
平行な電極配置による、1分当たり2℃の割合で、25℃から150℃まで温度勾配をつけた時に、二つの試料(実施例1対比較例2)におけるゲル化点を比較するために、TA InstrumentsのAres−LS2を使用して、動的機械分析(Dynamic mechanical analysis;DMA)を完了した。表1と図1とを参照のこと。
【0070】
貯蔵弾性率、G’(storage (elastic) modulus)は、高分子系における分子量により直接に評価する。硬化が始まると分子量が増加し、そしてG’値は増加する。実施例1と比較例2についてG’曲線を比較するとき、実施例1のG’の増加は、比較例2の試料よりもはるかに低い温度で起こることが認められる。G’線の勾配は、実施例1の試料について正であり、約30℃で始まる。対照的に、比較例2の試料のG’曲線の勾配は、約65℃までゼロに留まったままである。この相違は、実施例1の試料が、比較例2の試料よりもはるかに低い温度で硬化反応を開始するという事実を際立たせる。
【0071】
物質における貯蔵弾性率と損失弾性率との交差点(crossover point)は、「ゲル化点」として知られる特性である。この時点で物質は、無限ネットワークといわれる、充分な程度の架橋を達成している。充分な硬化は、貯蔵弾性率のプラトー値(plateau value)に到達するまで熱の使用を続けることを必要とするけれども、この交差点は、硬化の最初の地点として認識される。この実験は、実施例1の試料が、比較例2の試料よりも、より低いゲル化温度を有することを示す。ゲル化温度は、実施例1の試料の場合、10℃だけより低い。
【0072】
プラトー温度(plateau temperature)は、硬化が完結したといわれ、そしてG’勾配がゼロに戻る点である。この実験で収集されたデータは、実施例1の物質が、比較例2の試料よりも約35℃低いプラトー(完結した硬化)に達することを示す。
【0073】
【表1】

【0074】
実施例4
この実施例では、異なった硬化温度の関数として、完全硬化に達するのに必要な時間を試験した。G’G”交差点は、硬化の開始を示し、そして完全硬化は、DMA試験における貯蔵弾性率(G’)におけるプラトーで示される。下の表2は、等温保持の終点で最終のG’値(最終G’)は、各々の試験を通じて到達した最高のG’値(最高G’)と実質的に同一であることを示す。最高のG’値を、硬化の程度を決定する計算に使用した。
【0075】
実施例1の試料における最高のG’値は、硬化温度が150℃から80℃まで降下したとき、僅か8%だけ減少することを表2は示す。比較例2の試料における硬化温度の同様の減少は、最高のG’値における26%の減少となる。G’におけるより低いプラトー値は、架橋密度の減少を示す。G’の減少が大きければ大きいほど、それだけ架橋密度の減少は大きく、そして物質の硬化は少ない。比較例2の試料が、80℃で硬化されるとき、実施例1のそれの3倍を超える減少を示すという事実は、実施例1の試料が、80℃の低い温度で比較例2の試料よりも、より良好な硬化を有することの他の指標である。
【0076】
【表2】

【0077】
表3に、各々の試料が、各々の温度に対する最高のG’値の90%、95%および99%に達するのに必要な経過時間(分で)を記録する。この結果は、実施例1の試料が、80℃で約35分後に最高のG’値の99%に達することを示す。表2に示すように、そして上で論じたように、80℃で試験した実施例1の試料が達した最高のG’値は、150℃で試験した実施例1の試料における最高のG’値よりも僅か8%だけ少ない。対照的に、比較例2の試料は、80℃で最高のG’値の99%に達するには4.5時間(278分間)より多く必要とする。これは、実施例1の試料に対する約87%の硬化時間の減少と解釈される。さらに、上で説明したように、80℃で硬化される比較例2の試料における最高のG’値は、150℃で硬化するときの最高のG’値よりも26%小さい。このことは、80℃で4.5時間後でさえ、比較例2の試料は、同じ温度で僅か35分で達した実施例1の試料よりも、はるかに低い硬化の程度に達していたことを意味する。
【0078】
【表3】

【0079】
図2および3は、実施例1と比較例2との試料を比較した硬化のプロファイルを示す。
【0080】
実施例5
物質の貯蔵弾性率は、物質が最高限度のレベルの架橋密度に達したときに測定し、そして接着物質にとって「有用な」硬化の、2番目のそして等しく重要な部分は、充分な接着強度の開発である。架橋と密着性とを生じさせる反応機構は、接着剤系において異なるかもしれないが、しかし物質が有用な程度まで「硬化した」とみなされるには、充分な程度の架橋および密着性が、ともに必要である。
【0081】
表4および図4は、実施例1の試料と比較例2の試料とにおける接着強度の差異を説明する。試験試料は、少量の物質をニッケルコーティングした銅基板に分配し、8mm×8mmのケイ素の切り取り試片を上に置き、10psiの力で加圧し、そして指示された時間と温度とで硬化することによって調製した。この組立て品は、次に100kgのロードセルを備えたDageのダイのせん断試験装置(4000 Die Shear tester)を用いて、ダイのせん断接着強度(die shear adhesion)を試験した。それぞれの報告値は、9回反復された測定の平均である。試料は、室温で最低でも3日間おいて再試験した。この硬化日と試験日とのあいだの遅延を利用して、試験前に安定な物理的性質に達することを確実にした。
【0082】
この結果は、実施例1の試料は、80℃でわずか15分の硬化後に344psiの硬化を達成できることを示す。上で、DMAによる硬化データにおいて示されたように、この物質は、この時点で充分に架橋されていない;しかし接着強度は、典型的な用途には最低許容値をすでに充分に超えている。対照的に、比較例2の試料は、同様の方法で試験したとき、80℃で15分後に充分な密着性または架橋に達していない。比較例2の試料は、125℃でわすか15分後に700psiを超えるダイのせん断接着強度の値に達している。比較例2の試料は、150℃のより高い温度で15分間の硬化後でさえ、このような高い密着性の程度に近づかない。
【0083】
【表4】

【0084】
実施例6
表5に列挙した原料の量を用いて、調合物をさらに調製した。熱伝導性充填剤、ビニル末端ポリジメチルシロキサン流体、顔料マスターバッチと、ヒドリドの流体の一部(調合物に必要な全量の33%)とを含む基幹物質を、Ross型の遊星運動型ミキサーで、実施例1に記載されたプロセスにしたがって調製した。実施例1に記載されたように、1.5時間の加熱真空撹拌工程の後に、基幹物質を室温まで冷却し、そしてRossミキサーから取り出した。この基幹物質を使用して実施例6の調合物を調製した。この調合物は、基幹物質を表5に列記された残りの原料と混合することによって調製した。この混合は、Hauschild製の高せん断SpeedMixerを用いて小規模で行った。
【0085】
以下の一般的な手順は、総ての実施例6の調合物に利用される混合プロセスを説明する。
【0086】
基幹物質の一部を目標量のトリアリルイソシアヌラートとジメチル−1−ヘキシン−3−オールとともに、混合カップに入れた。調合物を1800rpmで約10秒間混合した。目標量のテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンで錯体化された白金触媒を混合カップに加え、そして調合物を1800rpmで約10秒間混合した。目標量のA501S接着促進剤と目標量のグリシドキシプロピルトリメトキシシラン接着促進剤、および残りの量のヒドリドの流体を混合カップに加え、そして調合物を1800rpmで約10秒間混合した。試験前に、生成物質を3〜8分間、25〜30インチHgの減圧下に置き、溶存しているすべての空気を除去した。
【0087】
【表5】

【0088】
実施例5に記載されているとおり、試料を硬化し、そしてダイせん断試験を行った。硬化時間試験は、実施例3に記載されているとおり、Ares−LS2に類似した装置を使用して、80℃の等温保持温度で行った。T−95値は、95%の硬化を達成する時間である。25℃での24時間貯蔵に基づいて粘度をも測定した。粘度は、10/sのせん断速度で、平行な電極のレオメーターを使用して、25℃で希釈せずに測定した。
【0089】
典型的な実施態様は説明の目的で示したのに対して、今までの記載は、本発明の範囲の限定であるとみなすべきではない。したがって、種々の修正、調節、および代替は、発明の意図と範囲とから逸脱をせずに、当業者に思い浮かぶであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤との配合物を含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、前記遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である、熱界面組成物。
【請求項2】
前記有機ポリシロキサンが、直鎖状である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アルケニル基が、ビニル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記アルケニル基が、分子鎖の末端に存在する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記有機ポリシロキサンが、分子の両末端でジメチルビニルシロキサン基によりブロックされたジメチルポリシロキサンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記有機ヒドロポリシロキサンがメチル基を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記水素原子が、分子鎖の骨格に沿って、ならびに、分子鎖の末端に、配置される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記有機ヒドロポリシロキサンが、分子鎖の両末端でジメチルヒドロシロキサン基によりブロックされた、メチルヒドロシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記有機ポリシロキサン中のアルケニル基当たり、前記有機ヒドロポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が、約1.3から約1.6までである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記有機ポリシロキサン中のアルケニル基当たり、前記有機ヒドロポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が、約1.4から約1.5までである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記遷移金属が、前記組成物の非充填剤成分の全重量に基づいて約12ppmから約19ppmまでの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記遷移金属が、前記組成物の非充填剤成分の全重量に基づいて約14ppmから約17ppmまでの量で存在する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
接着促進剤をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
触媒抑制剤をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記熱伝導性充填剤が、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化クロム、酸化亜鉛、二酸化チタン、および酸化鉄からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記熱伝導性充填剤が、25ミクロンよりも小さい最大粒径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記熱伝導性充填剤が、約0.01ミクロンから約15ミクロンまでの平均粒径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する充填剤とを配合することを含有し、前記重合体マトリックスが、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、前記遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である、熱界面組成物を作製する方法。
【請求項19】
前記アルケニル基が、ビニル基である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記有機ポリシロキサンが、分子の両末端でジメチルビニルシロキサン基によりブロックされたジメチルポリシロキサンである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記有機ヒドロポリシロキサンが、メチル基を含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記有機ヒドロポリシロキサンが、分子鎖の両末端でジメチルヒドロシロキサン基によりブロックされた、メチルヒドロシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記有機ポリシロキサン中のアルケニル基当たり、前記有機ヒドロポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が、約1.3から約1.6までである、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記有機ポリシロキサン中のアルケニル基当たり、前記有機ヒドロポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が、約1.4から約1.5までである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記遷移金属が、組成物の非充填剤成分の全重量に基づいて約12ppmから約19ppmまでの量で存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記遷移金属が、組成物の非充填剤成分の全重量に基づいて約14ppmから約17ppmまでの量で存在する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
接着促進剤をさらに含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
触媒抑制剤をさらに含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記熱伝導性充填剤が、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化クロム、酸化亜鉛、二酸化チタン、および酸化鉄からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤との配合物を含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、前記遷移金属は、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比は、約1から約2までの範囲である、一液型熱硬化組成物。
【請求項31】
部分Aと部分Bとを1:1の重量比で混合して組成物を生成させることを含有し、ここで、前記組成物が、重合体マトリックスと、約25ミクロンより大きくない最大粒径を有する粒子を含有する熱伝導性充填剤とを含有し、前記重合体マトリックスは、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合されたアルケニル基を有する有機ポリシロキサンと、分子当たり少なくとも二つの、ケイ素に結合された水素原子を有する有機ヒドロポリシロキサンと、遷移金属を含有するヒドロシリル化触媒とを含有し、ここで、前記遷移金属が、非充填剤成分の重量に基づいて約10ppmから約20ppmまでの量で存在し、そしてケイ素に結合されたアルケニル基に対する、ケイ素に結合された水素原子のモル比が、約1から約2までの範囲である、二液型熱界面組成物を作製する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−511738(P2010−511738A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539239(P2009−539239)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/019111
【国際公開番号】WO2008/111953
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】