説明

シリコーン樹脂接着乾燥フィルム潤滑剤

【課題】アルカリ土類金属弗化物を基体に固定させるために、シリコーン樹脂結合剤を水性エマルションとして、もしくは溶媒に基づく系で使用することにより、乾燥フィルム潤滑剤コーティングが、提供される。
【解決手段】コーティングを塗布するために使用される組成物は、比較的少量のキシレン、アンモニウムベンゾエート、湿潤剤および/または多孔性誘導剤も含んでもよいが、これらの添加剤は、いずれも硬化コーティングには残らない。多層乾燥フィルム潤滑剤コーティングも開示され、多層コーティングは、上述のような下塗層、ならびに黒鉛もしくは二硫化モリブデンなどの層・格子固体、およびシリコーン樹脂、燐酸アルミニウムもしくはアルカリ金属シリケート結合剤から作られた仕上塗層を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に乾燥フィルム潤滑剤に関し、より具体的にはスチール、チタン、ニッケルもしくはアルミニウム合金基体などの金属合金基体を塗布するための乾燥フィルム潤滑剤に関する。本発明の乾燥フィルム潤滑剤は、プラスチック、有機マトリックスコンポジットおよびセラミックマトリックスコンポジットなどの非金属にも塗布することができる。
【背景技術】
【0002】
石油系潤滑剤、植物油および動物油系潤滑剤を含む液体潤滑剤は、高温用途、真空用途、核放射線用途および宇宙空間用途などの種々の環境条件下では、うまく性能を発揮しない。さらに、そのような潤滑剤は、その性質ゆえに、酸化防止剤、もしくは高温で潤滑剤の粘度を増加させる流動点降下剤などの添加剤を必要とする。
【0003】
多目的用途の潤滑剤を得るための試みが、固体フィルム潤滑剤の発展をもたらした。固体フィルム潤滑剤は、典型的に単一の固体もしくは固体の組合せの薄いフィルムである。そのような潤滑剤は、石油系潤滑油が効果的でない用途に必要とされる極度の圧力および温度下で、うまく性能を発揮する。
【0004】
結合剤系と混合させてもよいアルカリ土類金属を含むいくつかの固体フィルム潤滑剤が、公知である。例えば、アルカリ土類金属弗化物および燐酸アルミニウム結合剤系を含む固体フィルム潤滑剤が、公知である。しかし、燐酸結合剤は酸性であり、弗化物と反応して潤滑剤を凝固させ得る。
【0005】
潤滑剤の凝固は、潤滑剤を所望の表面に塗布することを困難とする。もし燐酸結合剤をアルカリ土類金属弗化物ともはや反応しないように中性化すると、潤滑剤の接着性は、失われるか減少する。さらに、そのような乾燥フィルム潤滑剤が耐えることのできる温度範囲は、限定される。
【発明の概要】
【0006】
したがって、表面に容易に塗布でき、実質的に中性のpHを有し、かつ他の接着混合弗化物系と比べて高温に耐えることのできる乾燥フィルム潤滑剤に対する需要が存在する。本発明は、この需要に向けられている。
【0007】
発明の要約
本発明の1つの態様を簡単に説明すると、アルカリ土類金属弗化物およびシリコーン樹脂結合剤を含む乾燥フィルム潤滑剤コーティングが提供される。乾燥フィルム潤滑剤コーティングは、好ましくは10〜70%のアルカリ土類金属潤滑剤、5〜40%のシリコーン樹脂結合剤(好ましくは約50%の樹脂および50%の水のエマルション)および水を含む水性コーティング組成物として塗布される。湿潤剤、錆防止剤、多孔性誘導剤および少量の溶媒も、個々にもしくは組み合わせて含まれ得る。
【0008】
本発明の別の態様において、乾燥フィルムコーティングを、10〜70%のアルカリ土類金属弗化物、5〜40%のシリコーン樹脂結合剤および有機溶媒を含む溶媒に基づく系として塗布することができる。湿潤剤および/または多孔性誘導剤(好ましくはグリセリン)も、個々にもしくは組み合わせて含まれ得る。
【0009】
本発明のさらなる態様において、多層乾燥フィルム潤滑剤コーティングが提供される。多層コーティングは、アルカリ土類金属弗化物およびシリコーン樹脂結合剤系を含む下塗層、ならびに層・格子固体および仕上塗結合剤を含む仕上塗層を有する。層・格子固体は、好ましくは黒鉛、および/または二硫化モリブデン、および/または二硫化タングステンを含む。仕上塗層は、好ましくはシリコーン樹脂(溶媒もしくは水性エマルションで)、燐酸アルミニウム、もしくはアルカリ金属シリケートを含む。
【0010】
本発明のコーティングを塗布した製品および本発明の乾燥フィルム潤滑剤コーティングを製品に塗布する方法も、開示される。
本発明の1つの目的は、良好な支持力で、2000OF以下の温度で作業できる、優れた乾燥フィルム潤滑剤コーティングを提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的および利点は、下記記載から明らかとなろう。
好ましい実施態様の説明
本発明の原理の理解を促進するために、好ましい実施態様に言及し、それを説明するために特定の言語を使用する。しかしながら、それにより本発明の範囲が限定されることは意図されず、本発明のそのような変更および改変、ならびに本明細書に説明される本発明の原理のさらなる用途は、本発明が関与する当業界の当事者が通常思い浮かべるものとして企図されることが、理解されよう。
【0012】
簡単に上述したように、本発明は、単層もしくは多層乾燥フィルム潤滑剤コーティングを金属もしくは非金属基体上に産出する系を提供する。最初に単層乾燥フィルム潤滑剤コーティングに言及すると、本発明の1つの態様は、そのようなコーティングを製造するための水性コーティング組成物を提供する。水性コーティング組成物は、一般に1つ以上のアルカリ土類金属弗化物、シリコーン樹脂結合剤系および水を含む。錆防止剤、湿潤剤、多孔性誘導剤、およびいくつかの溶媒も、好ましくは含まれる。
【0013】
本発明のコーティング組成物に使用されるアルカリ土類金属弗化物として、弗化カルシウム、弗化バリウム、弗化マグネシウムおよび/または弗化セリウムが、個々にもしくは組み合わせて好ましく使用される。これらのアルカリ土類金属弗化物のすべておよび他のものは、市販品から得てもよく、もしくは当業界に公知の方法により調製してもよい。
【0014】
アルカリ土類金属弗化物は、一般に水性組成物にそれぞれ70%以下の範囲の量で存在する。例えば、BaF2は、好ましくは10〜70%の範囲の量で存在し、5〜50%のBaF2がより好ましく、15〜40%がもっとも好ましい。CaF2は、好ましくは2〜70%の範囲の量で存在し、3〜50%のCaF2がより好ましく、3〜30%がもっとも好ましい。MgF2およびCeF2は、好ましくは1〜70%の範囲の量で存在し、2〜20%がより好ましく、3〜10%がもっとも好ましい。
【0015】
いくつかの好ましい実施態様において、BaF2およびCaF2は、組み合わせて使用される。好ましくは、これらのアルカリ金属弗化物の量は、金属弗化物に対して組み合わせて用いられるときは、BaF2については18〜27%の範囲であり、CaF2については10〜18%である。一般に、弗化バリウムと弗化カルシウムが併用されるときは、これらの成分は、好ましくは重量で約1:9〜約9:1の比率で含まれる。
【0016】
他の好ましい実施態様において、アルカリ金属弗化物は、単独で使用されるBaF2もしくはCaF2を含む。これらの実施態様において、量は、好ましくは使用金属弗化物については28〜50%の範囲である。
【0017】
他の好ましい実施態様において、アルカリ金属弗化物は、24〜32%のBaF2、3〜10%のCaF2、ならびに3〜8%の弗化マグネシウムおよび/または弗化セリウムを含む。もっとも好ましくは、4〜6%の弗化マグネシウムおよび/または弗化セリウムが、そのような組成物に使用される。
【0018】
上述したように、乾燥フィルム潤滑剤弗化物は、シリコーン樹脂も含む。その樹脂は、シリコーン樹脂エマルションとして与えられてもよいし、適宜の溶媒系で与えられてもよい。
【0019】
もっとも好ましくは、シリコーン樹脂は、水中のアルキルシリコーン樹脂エマルションであり、例えば、Wacker Chemie GmbH製のSilres M50EもしくはSilres MP42Eである。好ましいエマルションは、約35%〜約60%のシリコーン樹脂含有量を有し、約40〜50%シリコーン樹脂がもっとも好ましい。当業界に公知のように、少量の乳化剤が、水性シリコーン樹脂エマルションに含まれていてもよい。また、水性エマルションは、もし市販の水性シリコーン樹脂エマルションを使用しないなら、Wacker Chemie GmbH製のMK樹脂などの粉末アルキルシリコーン樹脂から作ってもよい。
【0020】
あるいは、シリコーン樹脂結合剤を、市販のシリコーン樹脂/溶媒系を用いることにより、あるいはMK樹脂などの粉末アルキルシリコーン樹脂から作ることにより、溶媒に基づく系として与えてもよい。溶媒に基づく系において、溶媒は、キシレン、トルエンもしくはMEKなどの有機溶媒でもよいが、ある実施態様においては、Occidental Chemical Co.製のOxol 100(登録商標)などの無VOC溶媒が、好ましくは使用される。
【0021】
すべての実施態様において、シリコーン樹脂結合剤は、主に基体の表面に潤滑粉末を保持するために使用される。本発明のもっとも広い態様において、その目的に有効なシリコーン樹脂結合剤系を、いずれも使用してもよい。
【0022】
コーティング組成物に使用されるシリコーン樹脂結合剤の量に関しては、コーティング組成物は、好ましくは2〜40%、より好ましくは5〜30%、もっとも好ましくは10〜20%のシリコーン樹脂を含む。シリコーン樹脂が水性エマルションとして与えられる実施態様において、5〜80%のシリコーン樹脂エマルション(一般に約50%のシリコーン樹脂を含む)が、好ましくは使用される。好ましくは、5〜65%のシリコーン樹脂エマルションが使用され、10〜50%のシリコーン樹脂エマルションがより好ましく、24〜40%のシリコーン樹脂エマルションがもっとも好ましい。
【0023】
本発明の別の実施態様において、0.5〜15重量%のキシレンなどの溶媒がシリコーン樹脂(エマルションもしくは固形分)結合剤に添加されるときに、塗布性能における有意な改善が得られる。この実施態様は、エアガン噴霧が用いられるときに特に好ましいが、他のコーティング塗布方法にも使用効果を有し得る。好ましくは、1〜10重量%のキシレンが使用され、より好ましくは1.5〜5重量%のキシレンが使用される。これら少量の溶媒は、シリコーンが噴霧作業の間に「ゲル化」するのを防ぐ。
【0024】
本発明のさらに別の実施態様において、アンモニウムベンゾエートなどの少量の錆防止剤が、シリコーン樹脂(エマルションもしくは溶質)結合剤系に添加されて、水および湿分に曝露されたときに錆びる傾向がある金属合金の上の「スポット」錆を防ぐ(例、低Crスチール)。錆防止剤は、典型的に水との5〜15%溶液として使用され、8〜12%溶液がより好ましく、10%溶液がもっとも好ましい。より好ましい実施態様において、約0.1〜10%のアンモニウムベンゾエート10%溶液が、シリコーン系結合剤系に添加され、1〜3%の稀薄アンモニウムベンゾエート溶液がもっとも好ましい。
【0025】
表面湿潤剤も、好ましくは水性もしくは溶媒系結合剤系に含まれる。好ましい湿潤剤は、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンであるが、他の湿潤剤も、当業者が必要以上の実験なしで選ぶことができる。典型的には、0.005〜5重量%の湿潤剤が添加され、もっとも好ましい範囲は、0.01〜0.2重量%である。湿潤剤は、噴霧作業の間に基体に良好な接着性を与える。加工では、硬化サイクルの間、湿潤剤は蒸発し、コーティング系には残らない。
【0026】
本発明の別の態様において、水性もしくは溶媒系コーティング組成物は、多孔性誘導剤も含む。多孔性誘導剤は、硬化サイクルの間に蒸発することによりコーティングに多孔性を誘導する不堅牢剤である。したがって、多孔性誘導剤は、好ましくは260℃(500OF)以下で気化する有機材料である。もっとも好ましくは、多孔性誘導剤はグリセリンであるが、ニトロセルロース、ポリエステルその他も、単独もしくは組み合わせて使用してもよい。
【0027】
多孔性誘導剤は、約45%以下の量で存在してもよい。好ましくは、多孔性誘導剤は、約35重量%以下の量で存在し、約2〜10重量%の量がより好ましく、約4〜8重量%の量がもっとも好ましい。多孔性誘導剤対シリコーン樹脂の比率は、好ましくは約0.1:1〜約1:1である。
【0028】
水性組成物は、また組成物の乾燥成分を懸濁させるのに十分な量の水を含む。水の必要量は、組成物における溶質の濃度の機能として変化するが、水性組成物は、一般に約10〜約80重量%の水を含む。他の実施態様において、約10〜約40重量%もしくは約10〜約35重量%の水が使用される。組成物のシリコーン対水の重量比は、好ましくは約0.3:1〜約1.5:1である。
【0029】
溶媒系組成物は、組成物のシリコーン樹脂固形分を溶解し、弗化物成分を懸濁させるのに十分な量の溶媒を含む。溶媒の量は、シリコーン樹脂固形分および弗化物の濃度の機能として変化するが、溶媒組成物は、一般に約10〜約80%(重量で)の溶媒を含む。他の実施態様において、約10〜60%の溶媒が使用される。シリコーン対溶媒の重量比は、好ましくは約0.1:1〜約1.2:1の範囲である。
【0030】
水系組成物は、好ましくはシリコーン樹脂エマルション、水およびアルカリ金属弗化物成分を混合することにより簡単に調製される。上述したように、少量のキシレン、アンモニウムベンゾエートおよび湿潤剤をシリコーン樹脂エマルションに混合し、ついでアルカリ金属弗化物をその混合物に添加することが好ましい。アルカリ土類金属弗化物は水に難溶性であるので、完全混合は、アルカリ土類金属弗化物を均一に分散するために必要である。
【0031】
溶媒系組成物は、好ましくはシリコーン樹脂固形分および溶媒を混合し、ついで種々のアルカリ金属弗化物をその混合物に添加することにより簡単に調製される。先に述べたように、少量の湿潤剤をシリコーン溶媒混合物に混合することが好ましい。アルカリ土類金属弗化物は溶媒に難溶性であるので、完全混合は、アルカリ土類金属弗化物を均一に分散するために必要である。
【0032】
コーティングは、組成物を基体表面にエアガン噴霧もしくはブラッシング、あるいは金属成分を組成物中に浸漬するなど、当業界で公知の方法で塗布され得る。コーティングの厚さは、典型的に約1.3μm(0.05ミル)〜約127μm(5ミル)、約1.3μm(0.05ミル)〜約51μm(2ミル)、5.1μm(0.2ミル)〜約127μm(5ミル)、および約5.1μm(0.2ミル)〜約51μm(2ミル)である。コーティング後、基体を乾燥させ、コーティングを基体に固定するために硬化させる。
【0033】
水性もしくは溶媒系組成物を基体に塗布する方法をより具体的に記載すると、塗布に先立って、表面を初めに洗浄して、存在し得る脂肪もしくは酸化物フィルムを除去する。洗浄は、酸化物フィルムの最後の残余を除去し、表面を荒くしてコーティングを表面に接着させる、適宜の粗粒子(例、セラミックビーズおよびアルミナ)を表面に噴射するなど、当業界で公知のいずれかの方法によりなされ得る。しかし、多くの例において、表面は、シリコーン結合剤による接着性の改善により、粗粒子噴射なしで洗浄/脱脂するだけでよい。
【0034】
コーティングが塗布された後、コーティングを好ましくは約30分間自然乾燥させ、ついで約66℃(150OF)〜約204℃(400OF)の温度で少なくとも15分間オーブン加熱する。ついで、コーティングを、約232℃(450OF)〜約371℃(700OF)の温度を約0.5〜約2時間維持することにより硬化させる。ある用途に必要なら、アルカリ金属弗化物コーティングを、約704℃(1300OF)〜約927℃(1700OF)の温度を約1.2〜約2時間空気もしくは不活性雰囲気中で維持することにより焼結することもできる。
【0035】
本発明の水性もしくは溶媒系コーティング組成物が上述のように塗布されるときは、本発明は、乾燥フィルム潤滑剤コーティングも提供する。本発明の1つの態様において、乾燥フィルム潤滑剤コーティングは、約10〜約95重量%のアルカリ土類金属弗化物および約5〜約90重量%のシリコーン樹脂を含む。湿潤組成物に含まれていたキシレン、アンモニウムベンゾエート、湿潤剤および多孔性誘導剤は、硬化コーティングには残らない。
【0036】
本発明のさらなる態様は、多層乾燥フィルム潤滑剤コーティングを提供する。多層コーティングは、上述のようなアルカリ土類金属弗化物およびシリコーン樹脂結合剤系を含む下塗層、ならびに無機層・格子固体および結合剤を含む仕上塗層を含む。
【0037】
仕上塗層の成分に関しては、無機層・格子固体は、好ましくは二硫化モリブデン、二硫化タングステンおよび黒鉛からなる群より選ばれる1つ以上の部材を含む。これらの材料の特別な組合せは、塗布成分が曝露される温度に基づいて選ばれる。例えば、約316℃(600OF)以下の温度に直面するときは、仕上塗層は、好ましくは二硫化モリブデンもしくは二硫化タングステンを含む。塗布成分が約316℃〜約1093℃(2000OF)の温度で使用されるときは、黒鉛が好ましく使用され、塗布成分が約204℃(400OF)〜約316℃の温度で使用されるときは、任意に含まれる。
【0038】
仕上塗の結合剤は、好ましくはシリコーン樹脂に基づく系であるが、硫酸アルミニウムもしくはアルカリ金属シリケートでもよい。アルカリ金属シリケートが使用されるときは、それは好ましくはリチウムシリケート、カリウムシリケートもしくはナトリウムシリケート、あるいはこれらの混合物を含む。
【0039】
多層配合物の種々の成分の相対量に関しては、1つの好ましい実施態様において、仕上塗コーティングは、約15〜50%のシリコーン樹脂エマルション(より好ましくは24〜40%)、5〜65%の黒鉛もしくは他の無機層・格子固体(より好ましくは12〜35%)および残余の水(好ましくは25〜65%)を含む。もっとも好ましくは、1〜5%のキシレン、0.001〜0.2%の湿潤剤および1〜3%のアンモニウムベンゾエート10%溶液も、上述のように含まれる。さらに、2〜10%のグリセリンなどの多孔性誘導剤を、使用してもよい。固体シリコーン樹脂粉末が使用されるときは、好ましい配合物は、約5〜25%のシリコーン樹脂粉末(もっとも好ましくは12〜20%)、12〜35%の黒鉛もしくは他の無機層・格子固体、ならびに有意な量のキシレンもしくは他の適宜の溶媒(もっとも好ましくは約45〜75%)を含む。湿潤剤および多孔性誘導剤も、所望なら含まれ得る。
【0040】
上述したように、燐酸アルミニウムもしくはアルカリ金属シリケート結合剤を、仕上塗層に使用してもよい。そのような結合剤は、好ましくは25〜65重量%の範囲の量で含まれる。
【0041】
基体に多層乾燥フィルム潤滑剤コーティングを塗布する方法については、アルカリ土類金属弗化物およびシリコーン樹脂結合剤系を含む下塗層を塗布する前に、初めに基体の表面を上述のように調製する。好ましくは、ついで下塗層をオーブン中で約79℃(175OF)〜約177℃(350OF)の温度で少なくとも約30分間乾燥させる。ついで、層を約177℃(350OF)〜約399℃(750OF)の温度に約0.5〜約2時間曝露することにより、硬化を成就する。焼結も、上述のように実施してもよい。
【0042】
ついで、層・格子固体および結合剤を含む第二の層を、上述のように与える。第二(仕上塗)層は、当業界に公知の噴霧、ブラッシングもしくは浸漬方法により塗布される。仕上塗層を、自然乾燥させて指触乾燥状態にするか、もしくは約79℃(175OF)〜約177℃(350OF)で約30分間オーブン乾燥させる。ついで、塗布成分をオーブンに入れ、約232℃(450OF)〜約371℃(700OF)で約0.5〜約1.2時間加熱することにより、仕上塗層を硬化できる。
【0043】
別の実施態様において、下塗層を塗布して、上述のようにオーブン乾燥させてもよく、仕上塗層を塗布して、約79℃(175OF)〜約177℃(350OF)で約30分間オーブン乾燥させてもよく、両方の層を単一の硬化工程でオーブン中約177℃(350OF)〜約399℃(750OF)の温度で約0.5〜約2時間硬化させてもよい。
【0044】
多層コーティング実施態様のさらに別の態様において、多孔性誘導剤は、下塗層、仕上塗層、もしくは両方に含まれる。約45重量%以下、もっとも好ましくは2〜10%の量を、使用してもよい。単一塗布実施態様については、多孔性誘導剤は、硬化サイクルの間に蒸発することによりコーティングに多孔性を誘導する不堅牢剤である。もっとも好ましくは、多孔性誘導剤はグリセリンであるが、ニトロセルロース、ポリエステルその他を単独もしくは組み合わせて使用してもよい。
【0045】
下塗層の厚さは、典型的に約1.3μm(0.05ミル)〜約76μm(3ミル)であるが、好ましくは約7.6μm(0.3ミル)〜約38μm(1.5ミル)である。仕上塗層の厚さは、約2.5μm(0.1ミル)〜約76μm(3ミル)であるが、好ましくは約7.6μm(0.3ミル)〜約38μm(1.5ミル)である。
【0046】
本発明は、基体、好ましくは本発明の乾燥フィルム潤滑剤コーティングを塗布した金属(例、スチール、ニッケルベース、チタンベース、アルミニウムベースなど)基体を含む、乾燥フィルム潤滑剤塗布生成物も与える。当業界で公知の金属基体、特に耐力表面、もしくは合わせ部品の滑り、回転もしくは振動動作により接着および擦過摩耗が起こる表面は、いずれも塗布してもよい。本発明は、圧縮機およびタービンブレード根元などのガスタービンエンジン部品、ケースおよびフランジなどの合わせ表面、シャフトおよびスリーブ、ならびにねじ込ボルトおよびナットに特別な応用を見出している。本発明の乾燥フィルム潤滑剤は、プラスチック、有機マトリックスコンポジット、セラミックおよびセラミックマトリックスコンポジットなどの非金属基体にも塗布できる。
【実施例】
【0047】
これから上述の方法を用いて、具体的な実施例に言及する。実施例は好ましい実施態様をより完全に説明するために与えられ、それにより本発明の範囲を限定することは意図されていないことを、理解すべきである。実施例は、示された成分を組み合わせかつ混合することにより得られる、乾燥フィルム潤滑剤コーティングを与えるための好ましい水性および溶媒系組成物を示す。
【0048】
実施例1
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:18%の弗化バリウム、10%の弗化カルシウム、24%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、および48%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0049】
実施例2
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:18%の弗化バリウム、10%の弗化カルシウム、24%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、1%のキシレン、1%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、0.001%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、および46%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0050】
実施例3
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:40%の弗化バリウム、30%の弗化カルシウム、20%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、および10%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0051】
実施例4
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:27%の弗化バリウム、18%の弗化カルシウム、40%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、5%のキシレン、3%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、0.001%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、および7%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0052】
実施例5
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:18%の弗化バリウム、10%の弗化カルシウム、24%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、2%のグリセリン、および46%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0053】
実施例6
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:18%の弗化バリウム、10%の弗化カルシウム、24%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、1%のキシレン、1%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、0.001%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、2%のグリセリン、および44%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0054】
実施例7
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:27%の弗化バリウム、18%の弗化カルシウム、40%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、10%のグリセリン、および5%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0055】
実施例8
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:22%の弗化バリウム、15%の弗化カルシウム、40%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、5%のキシレン、3%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、0.001%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、10%のグリセリン、および5%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0056】
実施例9
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:18%の弗化バリウム、10%の弗化カルシウム、12%のシリコーン樹脂粉末(Silres MK)、および60%のキシレンで、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0057】
実施例10
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:18%の弗化バリウム、10%の弗化カルシウム、12%のシリコーン樹脂粉末(Silres MK)、0.001%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、および60%のキシレンで、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0058】
実施例11
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:27%の弗化バリウム、18%の弗化カルシウム、20%のシリコーン樹脂粉末(Silres MK)、および35%のキシレンで、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0059】
実施例12
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:27%の弗化バリウム、18%の弗化カルシウム、20%のシリコーン樹脂粉末(Silres MK)、0.001%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、および35%のキシレンで、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0060】
実施例13
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:18%の弗化バリウム、10%の弗化カルシウム、12%のシリコーン樹脂粉末(Silres MK)、2%のグリセリン、および58%のキシレンで、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0061】
実施例14
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:18%の弗化バリウム、10%の弗化カルシウム、12%のシリコーン樹脂粉末(Silres MK)、0.001%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、2%のグリセリン、および58%のキシレンで、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0062】
実施例15
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:27%の弗化バリウム、18%の弗化カルシウム、20%のシリコーン樹脂粉末(Silres MK)、10%のグリセリン、およびキシレンで、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0063】
実施例16
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:22%の弗化バリウム、15%の弗化カルシウム、20%のシリコーン樹脂粉末(Silres MK)、0.001%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、10%のグリセリン、および33%のキシレンで、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0064】
実施例17
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:25%の弗化バリウム、15%の弗化カルシウム、30%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、3%のキシレン、2%のアンモニウムベンゾエート(10〜12%溶液)、0.003%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、および25%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0065】
実施例18
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:25%の弗化バリウム、15%の弗化カルシウム、30%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、3%のキシレン、2%のアンモニウムベンゾエート、0.003%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、5%のグリセリン、および20%の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0066】
実施例19
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:24%の弗化バリウム、3%のCaF2、3%のMgF2および/またはCeF2、24%のシリコーン樹脂エマルション、1%のキシレン、0.01%の湿潤剤、1%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、および44%の水。
【0067】
実施例20
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:32%のBaF2、8%のCaF2、8%のMgF2および/またはCeF2、40%のシリコーン樹脂エマルション、5%のキシレン、0.2%の湿潤剤、3%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、および残余の水。
【0068】
実施例21
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:28%のBaF2、7%のCaF2、5%のMgF2および/またはCeF2、32%のシリコーン樹脂エマルション、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、2%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、および残余の水。
【0069】
実施例22
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:24%の弗化バリウム、3%のCaF2、3%のMgF2、24%のシリコーン樹脂エマルション、1%のキシレン、0.01%の湿潤剤、1%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、1%のグリセリン、および残余の水。
【0070】
実施例23
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:32%のBaF2、8%のCaF2、8%のMgF2および/またはCeF2、40%のシリコーン樹脂エマルション、5%のキシレン、3%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、5%のグリセリン、および残余の水。
【0071】
実施例24
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:28%のBaF2、7%のCaF2、5%のMgF2および/またはCeF2、32%のシリコーン樹脂エマルション、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、2%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、2%のグリセリン、および残余の水。
【0072】
実施例25
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:24%の弗化バリウム、3%のCaF2、3%のMgF2および/またはCeF2、12%のシリコーン樹脂固形分、1%のキシレン、0.01%の湿潤剤、および残余のキシレン。
【0073】
実施例26
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:32%のBaF2、8%のCaF2、8%のMgF2および/またはCeF2、20%のシリコーン樹脂固形分、5%のキシレン、0.2%の湿潤剤、および残余のキシレン。
【0074】
実施例27
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:28%のBaF2、7%のCaF2、5%のMgF2および/またはCeF2、16%のシリコーン樹脂固形分、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、および残余のトルエン。
【0075】
実施例28
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:24%の弗化バリウム、3%のCaF2、3%のMgF2および/またはCeF2、12%のシリコーン樹脂固形分、1%のキシレン、0.01%の湿潤剤、1%のグリセリン、および残余のMEK。
【0076】
実施例29
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:32%のBaF2、8%のCaF2、8%のMgF2および/またはCeF2、20%のシリコーン樹脂固形分、5%のキシレン、0.2%の湿潤剤、5%のグリセリン、および残余のトルエン。
【0077】
実施例30
下記成分を混合して組み合わせることにより、溶媒系組成物を作った:28%のBaF2、7%のCaF2、5%のMgF2および/またはCeF2、16%のシリコーン樹脂固形分、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、2%のグリセリン、および残余のMEK。
【0078】
実施例31
多層コーティングを、下記のようにして与える。まず、水性もしくは溶媒系組成物を、実施例1〜30のいずれかにより作る。ついで、その層を、上述のように乾燥および硬化させる。ついで、下記成分を混合して組み合わせることにより、仕上塗組成物を作る:25%の黒鉛、30%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、3%のキシレン、2%のアンモニウムベンゾエート、0.003%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、5%のグリセリン、および35%の水。仕上塗をスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有する多層コーティングを与える。
【0079】
実施例32
多層コーティングを、下記のようにして与える。まず、水性もしくは溶媒系組成物を、実施例1〜30のいずれかにより作る。ついで、その層を、上述のように乾燥および硬化させる。ついで、下記成分を混合して組み合わせることにより、仕上塗組成物を作る:25%の黒鉛、溶媒に溶解させた15%のシリコーン樹脂粉末(キシレン、トルエンもしくはMEK溶解Silres MK)、0.003%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、5%のグリセリン、および50%のキシレン。仕上塗をスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有する多層コーティングを与える。
【0080】
実施例33
多層コーティングを、下記のようにして与える。まず、水性もしくは溶媒系組成物を、実施例1〜30のいずれかにより作る。ついで、その層を、上述のように乾燥および硬化させる。ついで、下記成分を混合して組み合わせることにより、仕上塗組成物を作る:5%の二硫化モリブデンもしくはタングステン、30%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、3%のキシレン、2%のアンモニウムベンゾエート、0.003%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、5%のグリセリン、および55%の水。仕上塗をスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有する多層コーティングを与える。
【0081】
実施例34
多層コーティングを、下記のようにして与える。まず、水性もしくは溶媒系組成物を、実施例1〜30のいずれかにより作る。ついで、その層を、上述のように乾燥および硬化させる。ついで、下記成分を混合して組み合わせることにより、仕上塗組成物を作る:30%の二硫化モリブデンもしくはタングステン、15%のシリコーン樹脂粉末(例、Silres MK)、0.003%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、5%のグリセリン、および50%のキシレン。仕上塗をスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有する多層コーティングを与える。
【0082】
実施例35
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:45%の弗化バリウム、40%のシリコーン樹脂エマルション(Silres M50E)、1%のキシレン、1%のアンモニウムベンゾエート10%溶液、0.003%のポリエーテル改変ジメチルポリシロキサン湿潤剤、2%のグリセリン、および残余の水で、すべて重量%基準。コーティングをスプレーガン塗布により塗布し、乾燥および硬化させ、300℃以上の温度に曝露した後ですら優れた潤滑特性を有するコーティングを与えた。
【0083】
実施例36
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:28%のBaF2、32%のシリコーン樹脂エマルション、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、2%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、2%のグリセリン、および残余の水。
【0084】
実施例37
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:50%のBaF2、32%のシリコーン樹脂エマルション、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、2%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、2%のグリセリン、および残余の水。
【0085】
実施例38
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:28%のCaF2、32%のシリコーン樹脂エマルション、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、2%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、2%のグリセリン、および残余の水。
【0086】
実施例39
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:50%のCaF2、32%のシリコーン樹脂エマルション、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、2%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、2%のグリセリン、および残余の水。
【0087】
実施例40
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:12%のBaF2、3%のCaF2、5%のシリコーン樹脂結合剤、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、2%のアンモニウムベンゾエート(10%溶液)、2%のグリセリン、および残余の水。
【0088】
実施例41
下記成分を混合して組み合わせることにより、水性組成物を作った:12%のBaF2、3%のCaF2、65%のシリコーン樹脂結合剤、3%のキシレン、0.03%の湿潤剤、2%の錆防止剤、2%のグリセリン、および残余の水。
【0089】
本発明を前記記載で詳細に説明かつ記載したが、それは説明であり、文字どおりに限定するものではないとみなすべきであり、好ましい実施態様のみが示され、説明されたのであって、本発明の精神内にある変更および改変はすべて保護されるべきであることを、理解されたい。
【0090】
[本発明の態様]
[1] 下記の成分を含む、乾燥フィルム潤滑剤コーティングを基体に与えるための水性コーティング組成物: (a)10〜70重量%のアルカリ土類金属弗化物;
(b)2〜65重量%のシリコーン樹脂結合剤;および (c)水。
[2] 前記組成物が、約20〜50%のアルカリ土類金属弗化物を含む、1に記載のコーティング組成物。
[3] 前記アルカリ土類金属弗化物が、BaF2、CaF2、CeF2およびMgF2からなる群より選ばれる部材を含む、1に記載のコーティング組成物。
[4] 前記アルカリ土類金属弗化物が、BaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[5] 前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜50%のBaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[6] 前記アルカリ土類金属弗化物が、15〜40%のBaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[7] 前記アルカリ土類金属弗化物が、28〜50%のBaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[8] 前記アルカリ土類金属弗化物が、18〜27%のBaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[9] 前記アルカリ土類金属弗化物が、CaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[10] 前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜50%のCaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[11] 前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜30%のCaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[12] 前記アルカリ土類金属弗化物が、28〜50%のCaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[13] 前記アルカリ土類金属弗化物が、10〜18%のCaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[14] 前記アルカリ土類金属弗化物が、1〜20%のMgF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[15] 前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜10%のMgF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[16] 前記アルカリ土類金属弗化物が、4〜6%のMgF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[17] 前記アルカリ土類金属弗化物が、1〜20%のCeF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[18] 前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜10%のCeF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[19] 前記アルカリ土類金属弗化物が、4〜6%のCeF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[20] 前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜35重量%のBaF2および5〜35重量%のCaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[21] 前記アルカリ土類金属弗化物が、18〜27%のBaF2および10〜18%のCaF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[22] 前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜35%のBaF2、3〜22%のCaF2および1〜16%のMgF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[23] 前記アルカリ土類金属弗化物が、24〜32%のBaF2、3〜10%のCaF2および3〜8%のCeF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[24] 前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜35%のBaF2、3〜22%のCaF2および1〜16%のMgF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[25] 前記アルカリ土類金属弗化物が、24〜32%のBaF2、3〜10%のCaF2および3〜8%のCeF2を含む、1に記載のコーティング組成物。
[26] 前記コーティング組成物が、5〜30%のシリコーン樹脂結合剤を含む、1に記載のコーティング組成物。
[27] 前記コーティング組成物が、10〜20%のシリコーン樹脂結合剤を含む、1に記載のコーティング組成物。
[28] 前記シリコーン樹脂結合剤が、水性エマルションとして与えられる、1に記載のコーティング組成物。
[29] さらに15重量%以下の有機溶媒を含む、1に記載のコーティング組成物。
[30] 前記有機溶媒が、キシレンである、29に記載のコーティング組成物。
[31] 前記コーティング組成物が、さらに約0.1〜約10%のアンモニウムベンゾエートなどの錆防止剤を含む、1に記載のコーティング組成物。
[32] 前記コーティング組成物が、さらに約0.01〜約5%の湿潤剤を含む、1に記載のコーティング組成物。
[33] 前記コーティング組成物が、本質的に下記の成分からなる、1に記載のコーティング組成物: (a)10〜70重量%のアルカリ土類金属弗化物;
(b)5〜65重量%のシリコーン樹脂エマルション;
(c)1〜5%のキシレン;
(d)0.1〜約0.5%のアンモニウムベンゾエート;
(e)0.01〜約0.05%の湿潤剤;および (f)水。
[34] 前記コーティング組成物が、さらに1〜45重量%の多孔性誘導剤を含む、1に記載のコーティング組成物。
[35] 前記コーティング組成物が、2〜10%の前記多孔性誘導剤を含む、34に記載のコーティング組成物。
[36] 前記多孔性誘導剤が、グリセリンである、35に記載のコーティング組成物。
[37] 前記コーティング組成物が、本質的に下記からなる、1に記載のコーティング組成物: (a)10〜70%のアルカリ土類金属弗化物;
(b)5〜65%のシリコーン樹脂;
(c)1〜5%のキシレン;
(d)0.1〜0.5%のアンモニウムベンゾエート;
(e)0.01〜0.05%の湿潤剤;
(f)1〜40%の多孔性誘導剤;および (g)水。
[38] 前記コーティング組成物が、下記を含む、1に記載のコーティング組成物: (a)18〜27%のBaF2
(b)10〜18%のCaF2
(c)24〜40%のシリコーン樹脂エマルション;
(d)1〜5%のキシレン;
(e)0.1〜0.3%のアンモニウムベンゾエート;
(f)0.01〜0.02%の湿潤剤;および (g)水。
[39] 下記を含む、乾燥フィルム潤滑剤コーティングを基体に与えるための溶媒系コーティング組成物: (a)10〜70重量%のアルカリ土類金属弗化物;
(b)2〜65重量%のシリコーン樹脂結合剤;および (c)前記シリコーン樹脂結合剤を溶解し、前記アルカリ土類金属弗化物を懸濁するのに有効な型および量の溶媒。
[40] 前記溶媒が、キシレンもしくはトルエンもしくはメチルエチルケトンを含む、39に記載のコーティング組成物。
[41] 前記組成物が、約20〜50%のアルカリ土類金属弗化物を含む、39に記載のコーティング組成物。
[42] 前記アルカリ土類金属弗化物が、BaF2、CaF2、CeF2およびMgF2からなる群より選ばれる部材を含む、39に記載のコーティング組成物。
[43] 前記アルカリ土類金属弗化物が、BaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[44] 前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜50%のBaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[45] 前記アルカリ土類金属弗化物が、15〜40%のBaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[46] 前記アルカリ土類金属弗化物が、28〜50%のBaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[47] 前記アルカリ土類金属弗化物が、18〜27%のBaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[48] 前記アルカリ土類金属弗化物が、CaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[49] 前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜50%のCaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[50] 前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜30%のCaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[51] 前記アルカリ土類金属弗化物が、28〜50%のCaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[52] 前記アルカリ土類金属弗化物が、10〜18%のCaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[53] 前記アルカリ土類金属弗化物が、1〜20%のMgF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[54] 前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜10%のMgF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[55] 前記アルカリ土類金属弗化物が、4〜6%のMgF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[56] 前記アルカリ土類金属弗化物が、1〜20%のCeF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[57] 前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜10%のCeF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[58] 前記アルカリ土類金属弗化物が、4〜6%のCeF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[59] 前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜35重量%のBaF2および5〜35%のCaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[60] 前記アルカリ土類金属弗化物が、18〜27%のBaF2および10〜18%のCaF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[61] 前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜35%のBaF2、3〜22%のCaF2および1〜16%のMgF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[62] 前記アルカリ土類金属弗化物が、24〜32%のBaF2、3〜10%のCaF2および3〜8%のCeF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[63] 前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜35%のBaF2、3〜22%のCaF2および1〜16%のMgF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[64] 前記アルカリ土類金属弗化物が、24〜32%のBaF2、3〜10%のCaF2および3〜8%のCeF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[65] 前記アルカリ土類金属弗化物が、24〜32%のBaF2、3〜10%のCaF2および3〜8%のMgF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[66] 前記アルカリ土類金属弗化物が、24〜32%のBaF2、3〜10%のCaF2および3〜8%のCeF2を含む、39に記載のコーティング組成物。
[67] 前記コーティング組成物が、5〜30%のシリコーン樹脂結合剤を含む、39に記載のコーティング組成物。
[68] 前記コーティング組成物が、10〜20%のシリコーン樹脂結合剤を含む、39に記載のコーティング組成物。
[69] 前記コーティング組成物が、さらに約0.01〜約5%の湿潤剤を含む、39に記載のコーティング組成物。
[70] 前記コーティング組成物が、さらに1〜45重量%の多孔性誘導剤を含む、39に記載のコーティング組成物。
[71] 前記コーティング組成物が、2〜10%の前記多孔性誘導剤を含む、39に記載のコーティング組成物。
[72] 前記多孔性誘導剤が、グリセリンである、39に記載のコーティング組成物。
[73] 下記を含む、多層乾燥フィルム潤滑剤コーティング: (a)アルカリ土類金属弗化物およびシリコーン樹脂結合剤を含む下塗層;および (b)層・格子固体および結合剤を含む仕上塗層。
[74] 前記層・格子固体が、黒鉛、二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンからなる群より選ばれる部材である、73に記載の多層乾燥フィルム潤滑剤コーティング。
[75] 前記結合剤が、シリコーン樹脂、燐酸アルミニウムおよびアルカリ金属シリケートからなる群より選ばれる部材である、74に記載の多層乾燥フィルム潤滑剤コーティング。
[76] 乾燥フィルム潤滑剤コーティングが、アルカリ土類金属弗化物およびシリコーン樹脂結合剤を含むことを特徴とする、基体に固定される前記乾燥フィルム潤滑剤コーティングを含む物質の組成物。
[77] 多層乾燥フィルム潤滑剤コーティングが、下記を含むことを特徴とする、基体に固定される前記多層乾燥フィルム潤滑剤コーティングを含む物質の組成物: (a)アルカリ土類金属弗化物およびシリコーン樹脂結合剤を含む下塗層;および (b)層・格子固体および結合剤を含む仕上塗層。
[78] 下記工程を含む、多層乾燥フィルム潤滑剤コーティングを基体に与える方法: (a)アルカリ土類金属弗化物およびシリコーン樹脂結合剤を含む下塗層を基体に塗布し;そして (b)ついで、層・格子固体および結合剤を含む仕上塗層を前記基体に塗布する。
[79] 前記下塗層が、下記を含む水性コーティング組成物として塗布される、78に記載の方法: (a)10〜70重量%のアルカリ土類金属弗化物;
(b)2〜65重量%のシリコーン樹脂結合剤;および (c)水。
[80] 前記下塗層が、下記を含む溶媒系コーティング組成物として塗布される、78に記載の方法: (a)10〜70重量%のアルカリ土類金属弗化物;
(b)2〜65重量%のシリコーン樹脂結合剤;および (c)前記シリコーン樹脂結合剤を溶解し、前記アルカリ土類金属弗化物を懸濁するのに有効な型および量の溶媒。
[81] 前記仕上塗層が、下記を含むコーティング組成物として塗布される、78に記載の方法: (a)5〜65重量%の層格子固体;および (b)15〜50重量%のシリコーン樹脂結合剤。
[82] 前記層格子固体が、黒鉛、二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンからなる群より選ばれる部材である、81に記載の方法。
[83] 前記仕上塗層が、さらに湿潤剤を含む、78に記載の方法。
[84] 前記仕上塗層が、さらに多孔性誘導剤を含む、78に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の成分を含む、乾燥フィルム潤滑剤コーティングを基体に与えるための溶媒系コーティング組成物:
(a)10〜70重量%のアルカリ土類金属弗化物;
(b)2〜65重量%のシリコーン樹脂結合剤;および
(c)前記シリコーン樹脂結合剤を溶解し、前記アルカリ土類金属弗化物を懸濁するのに有効な型および量の溶媒。
【請求項2】
前記溶媒が、キシレンもしくはトルエンもしくはメチルエチルケトンを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
前記組成物が、20〜50%のアルカリ土類金属弗化物を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記アルカリ土類金属弗化物が、BaF2、CaF2、CeF2およびMgF2からなる群より選ばれる部材を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記アルカリ土類金属弗化物が、BaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜50%のBaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
前記アルカリ土類金属弗化物が、15〜40%のBaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
前記アルカリ土類金属弗化物が、28〜50%のBaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記アルカリ土類金属弗化物が、18〜27%のBaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記アルカリ土類金属弗化物が、CaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜50%のCaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜30%のCaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記アルカリ土類金属弗化物が、28〜50%のCaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記アルカリ土類金属弗化物が、10〜18%のCaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
前記アルカリ土類金属弗化物が、1〜20%のMgF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項16】
前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜10%のMgF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項17】
前記アルカリ土類金属弗化物が、4〜6%のMgF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項18】
前記アルカリ土類金属弗化物が、1〜20%のCeF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項19】
前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜10%のCeF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項20】
前記アルカリ土類金属弗化物が、4〜6%のCeF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項21】
前記アルカリ土類金属弗化物が、5〜35重量%のBaF2および5〜35%のCaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項22】
前記アルカリ土類金属弗化物が、18〜27%のBaF2および10〜18%のCaF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項23】
前記アルカリ土類金属弗化物が、3〜35%のBaF2、3〜22%のCaF2および1〜16%のMgF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項24】
前記アルカリ土類金属弗化物が、24〜32%のBaF2、3〜10%のCaF2および3〜8%のCeF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項25】
前記アルカリ土類金属弗化物が、24〜32%のBaF2、3〜10%のCaF2および3〜8%のMgF2を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項26】
前記コーティング組成物が、5〜30%のシリコーン樹脂結合剤を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項27】
前記コーティング組成物が、10〜20%のシリコーン樹脂結合剤を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項28】
前記コーティング組成物が、さらに0.01〜5%の湿潤剤を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項29】
前記コーティング組成物が、さらに1〜45重量%の多孔性誘導剤を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項30】
前記コーティング組成物が、2〜10%の前記多孔性誘導剤を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項31】
前記多孔性誘導剤が、グリセリンである、請求項1に記載のコーティング組成物。

【公開番号】特開2012−180524(P2012−180524A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−97945(P2012−97945)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【分割の表示】特願2000−603329(P2000−603329)の分割
【原出願日】平成12年3月9日(2000.3.9)
【出願人】(501180458)ロールス−ロイス・コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】