説明

シリコーン水中油エマルション−製剤、製造及び使用

【課題】添加剤を実質的に含まない安定なシリコーン水中油エマルションを提供すること。
【解決手段】添加剤を実質的に含まない安定なシリコーン水中油エマルションは、少なくとも約15分間、好ましくは少なくとも約30分間にわたって安定であり得る。このエマルションはガラス容器表面のシリコーン処理に有益である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は安定なシリコーン水中油エマルション(そのエマルションは添加剤を実質的に含まない)の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス容器のシリコーン処理はしばしば医薬製剤及び化粧製剤の包装前の必要な工程である。製剤をびん、注射カートリッジ、IV注入器、シリンジ、バイアル等を含む、ガラス容器に包装する時の関心事はガラス成分からのアルカリの滲出が生じ得ることである。“水侵食”と時折記載される、滲出は医薬製剤について推奨されたガラス、即ち、ガラス型I、II、及びIIIについてさえも関心事であり得る。滲出の最も普通の原因の一つはガラス容器が一般に充填前に暴露される極限の滅菌条件である。このような条件、例えば、高い流れ圧力を使用して容器を約121℃に加熱することを必要とするオートクレーブ処理、並びに“焼き付け”及び/又はオーブン滅菌(その場合、ガラス容器が200℃を越える温度に暴露し得る)は、ガラスからの成分のかなりの滲出をもたらし得る。加えて、或る種の製剤、例えば、酸性薬物/化粧品がまたガラスからの滲出を促進し得る。こうして、普通の慣例はガラス容器の表面をそれらの滅菌及び充填の前にシリコーンで被覆することである。ガラス容器のシリコーン被覆物は、ガラス成分の滲出を低減することに加えて、また滑剤として機能し得る。こうして、シリコーン被覆物は液体、及び懸濁液、特に粘稠なものの排出を改良し得る。容器におけるシリコーン被覆物の使用はステロイド及びペニシリンとジヒドロストレプトマイシンの組み合わせの懸濁液について普通である。シリコーンはまた内容物が高固形分を有する容器中の製剤に使用でき、製剤変更が容器からの製剤の排出を改良し得ない。加えて、カートリッジ及びシリンジの内面がシリコーン処理されてカートリッジ又はシリンジ中のプランジャーの自由な移動を可能にし得る。カートリッジ及びシリンジ並びにその他のガラス容器の外部がまたシリコーン処理されて組立ライン中の工程、例えば、滅菌セットアップ中のそれらの輸送を容易にし得る。シリコーン処理は典型的には通常洗浄プロトコルの最後の工程として、容器の表面へのシリコーンエマルションの、例えば、噴霧による、適用を伴う。エマルションによる噴霧後に、容器が熱滅菌され、これがシリコーン油をガラス表面に焼き付ける。
【0003】
幾つかのシリコーン水中油エマルションが容器及び送出系の潤滑及びシリコーン処理の目的のために市販されている。しかしながら、市販のシリコーン水中油エマルションは通常関心があり得る幾つかの添加剤を含む。関心事が生じる。何とならば、a)これらの材料は熱滅菌(これはしばしば焼付けの場合に300℃を越える温度、及びオートクレーブ処理中に高い流れ圧力とともに121℃を使用する)中に分解することがあり、かつb)添加剤及び分解された成分が充填すべき製剤の安定性に影響することがあり、また製剤と不適合であり得るからである。例えば、普通使用される35%のジメチコーンNFエマルションについての焼き付け条件は酸化及びホルムアルデヒドの生成の可能性を避けるために200℃を越えないことが推奨される。35%のジメチコーンNFエマルションで処理された物品のオーバーベーキングは処理された物品の表面の曇った外観をもたらし得る。
米国特許第5,443,760号は低HLB値を有する水中油エマルションを開示している。これらの組成物はシリコーン-オキシアルキレンコポリマー表面活性剤で調製される。
米国特許第6,248,855号はOH末端ブロックされたポリジメチルシロキサンモノマーを金属触媒の存在下でアミン官能性トリアルコキシシランモノマーと重合することにより調製された線状非架橋シリコーンコポリマーを含むシリコーン水中油エマルションを開示している。その方法では、重合がコポリマーの転相、及び逆解重合を避けるための無水カルボン酸の添加により中断される。
米国特許第6,300,442号はビニルモノマーを含む反応混合物が架橋剤及び油溶性表面活性剤の存在下で、撹拌しながら、不活性ガスの存在下で、約40-150℃で油溶媒、例えば、シリコーン油中で加熱され、続いて水が添加されて水中油、油中水又は水中油中水のエマルション又はゲルを生成する化粧上又は医薬上許されるエマルション又はゲル組成物の製造方法を開示している。
【0004】
米国特許第6,784,144号は石鹸で安定化されたシリコーン油エマルションを記載している。石鹸として、8〜18個の炭素原子を有する脂肪酸と、塩基のカチオンの一種以上のカルボキシレートが挙げられ、石鹸がエマルションの生成中に脂肪酸と塩基から現場で生成される。
公開された国際特許出願WO 2004/100862はシリコーン油、電気立体安定剤並びにポリオール及び/又はヒドロキシ酸を含む油エマルション及び水エマルションを開示している。電気立体安定剤はポリアクリレートとアルキル化ポリアクリレートのコポリマーであってもよい。
公開された国際特許出願WO 2005/105024はシリコーンポリエーテルとアニオン性表面活性剤の組み合わせにより安定化されるシリコーン水中油エマルションを開示している。得られる油相が5マイクロメートル(μM)以下の平均サイズを有する粒子としてエマルション中に分散される。
公開された国際特許出願WO 2003/011948は水、揮発性シロキサン、長鎖又は高分子量シリコーンポリエーテル、任意の補助表面活性剤、例えば、モノヒドロキシアルコール、有機ジオール、有機トリオール、有機テトラオール、シリコーンジオール、シリコーントリオール、シリコーンテトラオール及びノニオン性有機表面活性剤のエマルションを開示している。
公開された国際特許出願WO 2003/064500は塩、アルコール及び有機溶媒の存在下で安定であるシリコーンポリエーテルを有する、シリコーン水中油エマルションの組成物を開示している。シリコーンポリエーテルは乳化剤のみであってもよく、又はその他の有機型表面活性剤と組み合わせて使用し得る。
こうして、エマルションが添加剤を実質的に含まない安定なシリコーン水中油エマルションについての要望がある。特に、時間の延長された期間にわたって安定である添加剤を実質的に含まないシリコーン水中油エマルションについての要望がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は添加剤を実質的に含まない安定なシリコーン水中油エマルションを提供する。本発明のエマルションは少なくとも約15分間、好ましくは少なくとも約30分間にわたって安定であり得る。本発明のエマルションはガラス容器表面のシリコーン処理に有益である。
別の実施態様において、本発明はシリコーン被覆物が添加剤を実質的に含まないシリコーン処理されたガラス容器(シリコーン被覆物を有する)の調製方法を提供する。別の実施態様において、本発明はシリコーン被覆物が添加剤を実質的に含まない無菌のシリコーン処理されたガラス容器を提供する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
シリコーン油によるガラス容器の表面の被覆は極限の滅菌条件の結果として又は滲出を促進し得る或る種の製剤の作用のために生じ得るガラス成分の滲出を減少するのに必要である。加えて、シリコーンエマルション被覆物はまた滑剤として機能し得る。こうして、シリコーン被覆物は容器からの液体及び懸濁液の排出を改良することができ、カートリッジ及びシリンジのシリコーン処理された表面はまたカートリッジ又はシリンジ中のプランジャーの自由な移動を助けることができる。
市販のシリコーンエマルションは典型的には関心事であり得る一種以上の添加剤を有する。何とならば、添加剤が普通使用される滅菌の高温で分解し得るからである。添加剤だけでなく、分解された生成物がまた容器製剤と不適合性であり得る。
【0007】
こうして、添加剤を実質的に含まず、かつ安定であり、即ち、少なくとも約15分間、好ましくは約20分間、更に好ましくは約30分間にわたって水相からのシリコーン油相の分離のないシリコーン水中油エマルションを有することは高度に有利であろう。本発明は添加剤を実質的に含まず、かつ少なくとも約15分間にわたって安定である均一なシリコーン水中油エマルション、その製造方法、及び容器のシリコーン処理のためのこのようなエマルションの使用を提供する。
本明細書に使用される“実質的に含まない”という用語及び“添加剤を実質的に含まない”という用語は本発明のエマルションがシリコーン油及び水の重量を基準として0.01重量%未満の添加剤、例えば、乳化剤又は安定剤を含むことを意味する。本発明のエマルションは0.001重量%未満の添加剤を含むことが好ましい。こうして、本発明は少なくとも約15分間にわたって安定である実質的に純粋な均一なシリコーン水中油エマルションを提供する。
別の実施態様において、本発明はエマルション中のシリコーン油の量が約0.1重量%から約6重量%である添加剤を実質的に含まない均一な安定なシリコーン水中油エマルションを提供する。エマルション中のシリコーン油の量は約0.5重量%から約3重量%であることが好ましい。エマルション中のシリコーン油の量が約0.5重量%から約2重量%であることが更に好ましい。別の実施態様において、本発明はエマルション中のシリコーン油の量が約1重量%である、添加剤を実質的に含まない均一な安定なシリコーン水中油エマルションを提供する。エマルション中のシリコーン油の量が約0.8重量%であることが好ましい。
【0008】
別の実施態様において、本発明は添加剤を実質的に含まない、均一な安定なシリコーン水中油エマルションの調製方法を提供する。その方法はシリコーン油液滴が凝集し、表面に油層を形成する傾向を減少するための、低温に維持される水へのシリコーン油の添加、及び同じ又は異なる容器中の、その混合物の均一化を含み、前記均一化は低温で行なわれる。その方法の別の実施態様はエマルションがガラス容器の表面への適用の前に連続的に均一化されることである。均一化は約20℃以下の温度で行なわれる。均一化温度は約15℃以下であることが好ましい。均一化温度は約12℃以下であることが更に好ましい。均一化温度は約10℃以下であることが更に好ましい。均一化温度は約8℃以下であることが更に一層好ましい。
別の実施態様において、本発明はビルトインホモジナイザー-撹拌機を有し、かつ低温に維持し得る、添加剤を実質的に含まない、安定な均一なシリコーン水中油エマルションを製造するための容器を提供する(図1を参照のこと)。本発明のシリコーン水中油エマルションは冷却ジャケット(また好ましくは鋼の)により密閉される容器(好ましくは鋼の)中で調製又は維持されてもよい。容器内容物は冷媒、例えば、グリコールをジャケット中で連続的に循環することにより一定温度に維持されてもよい。容器の垂直軸に沿って、エマルションの最適の乳化を行なうための、時間調節されたホモジナイザー-撹拌機がある。ホモジナイザー-撹拌機の構成部分として、タイマーを備えたホモジナイザーモーター、ローター、及びローターの下端部に存在する、ローター-ブレードが挙げられる。ローターブレードは約0.5mmから約2.00mmまでのサイズのオリフィスを含むホモジナイザースクリーンにより密閉される。ホモジナイザー撹拌機がスイッチオンされる場合、回転するローターブレードがエマルションをオリフィス中に誘導する。これが微粒子(油液滴)へのシリコーン油の“分解”をもたらし、これらがエマルション中に容易に分散される。シリコーン油液滴の微粒子サイズがエマルションの安定性を高める。本発明の油液滴(微粒子)のサイズは直径約5ミクロンから約100ミクロンまでであってもよい。エマルションの油液滴は約10ミクロンから約50ミクロンまでであることが好ましい。容器の蓋は必要により多くのシリコーン水中油エマルションの添加のための口、及びのぞき窓を含む。また、ハンドル及び生成物出口が容器の表面に存在する。水中油エマルション中のシリコーン油の量は約0.1重量%から約6重量%である。エマルション中のシリコーン油の量は約0.5重量%から約3重量%であることが好ましい。エマルション中のシリコーン油の量は約1重量%であることが更に好ましい。エマルション中のシリコーン油の量は約0.8重量%であることが更に一層好ましい。
【0009】
別の実施態様において、本発明は添加剤を実質的に含まない安定な均一なシリコーン水中油エマルションによる容器のシリコーン処理のための方法を提供する。本発明のこの実施態様において、添加剤を実質的に含まない、均一な安定なシリコーン水中油エマルションが容器の表面に噴霧される。そのセットアップが図2に示される。ホモジナイザー容器(図1)からのシリコーン水中油エマルションの調製、続いて容器への噴霧はエマルションの調製が容器の噴霧とタンデムに起こる組立体の部分であってもよい。こうして、エマルションが調製されるにつれて、それが組立体の先のステーションからそれに接近する容器の表面に噴霧される。容器は乾燥されてもよく、それらが次のステーション(これは通常滅菌セットアップである)に通る際に焼き付けられてもよい。一実施態様において、シリコーンエマルションが調製され、エマルションを入ってくる容器ラインに噴霧する容器に添加されてもよく、その間にエマルションの付加的なバッチが調製される。
シリコーン処理し得るガラス容器の非限定例として、びん、注射カートリッジ、IV注入器、シリンジ、バイアル等が挙げられる。容器はシリンジ、シリンジカートリッジ及びバイアルであることが好ましい。
本発明が下記の例示の実施例で更に説明され、実施例中、全ての部数、%及び比は特に示されない限り重量基準である。
本発明のシリコーン水中油エマルションを調製するためのホモジナイザー容器(図1)はビルトインホモジナイザー-撹拌機を有し、低温に維持されてもよい。好ましくは鋼の、容器1はまた好ましくは鋼の冷却ジャケット2により密閉される。容器内容物は冷媒、例えば、グリコールをジャケット中で連続的に循環することにより一定温度に維持される。冷媒が入口3によりジャケットに入り、出口4により出る。容器の垂直軸に沿って、エマルションの最適の乳化を行なうための時間調節されたホモジナイザー-撹拌機5がある。ホモジナイザー-撹拌機5の構成部分として、タイマーを備えたホモジナイザーモーター(5a)、ローター(5b)、及びローター(5b)の下端部に存在する、ローター-ブレード(図に見られない)が挙げられる。ローターブレードは約1.5mmのオリフィス(5d)を含むホモジナイザースクリーン(5c)により密閉される。ホモジナイザー撹拌機がスイッチオンされる場合、回転するローターブレードがエマルションをオリフィス(5d)中に誘導する。形成された液滴(粒子)がエマルション中に分散される。容器1の蓋6は多くのシリコーン水中油エマルションの添加のための入口7、及びのぞき窓8を含む。生成物出口弁10及び任意の容器ハンドル9がまた用意される。
【実施例1】
【0010】
シリコーン水中油エマルション-0.8%w/vの調製
シリコーン油を水(約2-5℃の水温の)中で5分間にわたって均一にすることによりシリコーン水中油エマルション濃厚液(10%w/v)を調製する。
シリコーン油濃厚液(10%w/v)を2-5℃の水に添加して0.8%w/vの濃度を有する最終のシリコーン水中油エマルションを得る。慎重に全てのシリコーン油残渣を最終容器へとすすぐ。この混合物を10分間にわたって均一にする。
0.8%のシリコーン水中油エマルションをホモジナイザー容器(図1)に移し、6-10℃の温度に維持する。
容器が入口7を有するので、シリコーン水中油エマルション(0.8%w/v)の多くのロットを記載されたように調製することができる。シリコーン水中油エマルションを使用する前に少なくとも約10分間にわたって容器中で均一にする。使用中に、ホモジナーザー-撹拌機中のビルトインタイマーを使用して、ローター(5b)を10分毎に3分間にわたって回転させる。
【実施例2】
【0011】
ガラスカートリッジ(図2)への0.8%のシリコーン水中油エマルションの適用
実施例1で調製された乳化されたシリコーン油をホモジナイザー容器(これはカートリッジ洗浄機にある噴霧ステーションに連結されている)の生成物出口弁10により輸送する。連結管材料をパージして空気ロックを防止する。
図2を参照して、長さ約64cmの幅広の穴(内径(I.D.)6.3mm)のシリコーン管材料11をホモジナイザー容器の生成物出口弁10から“Y字形”アダプター12に連結する。長さ約34cmの狭い穴(I.D.3.2mm)のシリコーン管材料13を“Y字形”アダプターの一つのアーム(12a)から内部のシリコーン処理ニードル組立体14に連結する。長さ約40cmの狭い穴(直径I.D.3.2mm)のシリコーン管材料15を“Y字形”アダプターの別のアーム(12b)から外部のシリコーン処理ニードル組立体16に連結する。0.8%のシリコーン水中油エマルションをカートリッジ17に噴霧することができる。
a)内部−その後にその方法に挿入されるプランジャーの潤滑を与えるため
b)外部−ガラスカートリッジが加工中に互に対しこする際にそれらの摩擦を減少するため
ガラスカートリッジへのシリコーン油の焼き付け
カートリッジを310℃の滅菌トンネルを通ってクラス100領域(そこで最終組立体が生じる)に通す。この滅菌トンネルは二つの機能を有する:
a)カートリッジから微生物残渣又はエンドトキシン残渣を除去するため
b)水をエマルションから除去し、シリコーン油をガラス表面に乾燥させるため。
最終組立体
ガラスカートリッジを滅菌トンネルからカートリッジ充填ライン(そこで下記の操作が行なわれる)に供給する。
a.ゴムプランジャーをカートリッジの底に挿入する。
b.生成物をカートリッジに入れる。
c.ゴムシールを含む、キャップをカートリッジにクリンプする。
d.インプロセス対照を使用してカートリッジの機能を評価する。
【実施例3】
【0012】
a)シリコーンエマルション安定性
この実験は本発明に従って調製された時のシリコーン水中油エマルションの安定性を測定する。0.8%(w/v)のシリコーン油エマルションを調製し(10L)、10±2℃に維持された、ジャケット付きホモジナイザー容器に添加し、10分毎に3分間撹拌した。エマルションを均一化の開始時次に5時間までに1時間の間隔で製剤中のシリコーン含量について分析する。
【0013】

【0014】
これはシリコーンエマルションが時間の延長された期間にわたって安定であることを示す。
b)撹拌の効果
この実験はエマルションが撹拌しないで放置される場合に製剤中のシリコーン油の濃度の迅速な低下が生じることを証明する。0.8(w/v)のシリコーン油エマルションの10Lバッチを調製し、ジャケット付きホモジナイザー容器に添加し、これを10±2℃に維持したが、撹拌しないで放置した。エマルション中のシリコーン油の量を5時間まで1時間毎に分析した。
【0015】

【0016】
*最終計量を行なった時に蒸発皿が残留水を含んでいたので利用できないデータ点
実験a及びbを比較して、シリコーン水中油エマルションが本発明に従って調製される場合、エマルションは少なくとも5時間にわたって安定のままであり、即ち、シリコーン油の濃度が少なくとも5時間にわたって維持されることが明らかである。一方、エマルションが実験bに従って調製され、即ち、撹拌しない場合、シリコーン油濃度は1時間以内に約50%低下する。
本明細書に引用された全ての文献は参考としてこの開示に明らかにそのまま含まれる。この開示の例示の実施態様が説明され、この開示の範囲内の可能な変化が言及された。開示中のこれらの変化及び改良並びにその他の変化及び改良は開示の範囲から逸脱しないで当業者に明らかであり、この開示及び特許請求の範囲は本明細書に示された例示の実施態様に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】エマルションの生成のためのビルトインホモジナーザー-撹拌機を備えたジャケット付き容器の図である。
【図2】シリコーン投入のための管材料組立体の図である。
【符号の説明】
【0018】
1−容器
2−冷却ジャケット
3−入口
4−出口
5−ホモジナイザー-撹拌機
6−蓋
7−エマルションの添加のための入口
8−のぞき窓
9−容器ハンドル
10−生成物出口弁
11,13,15−シリコーン管材料
12−“Y字形”アダプター
14,16−組立体
17−カートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
添加剤を実質的に含まない均一な安定なシリコーン水中油エマルションであって、そのエマルションが少なくとも約15分間にわたって安定であることを特徴とするシリコーン水中油エマルション。
【請求項2】
エマルションが少なくとも約30分間にわたって安定である、請求項1記載のシリコーン水中油エマルション。
【請求項3】
エマルション中のシリコーン油の量が約0.1重量%から約6重量%である、請求項2記載のシリコーン水中油エマルション。
【請求項4】
エマルション中のシリコーン油の量が約0.5重量%から約3重量%である、請求項3記載のシリコーン水中油エマルション。
【請求項5】
エマルション中のシリコーン油の量が約1重量%である、請求項4記載のシリコーン水中油エマルション。
【請求項6】
エマルション中のシリコーン油の量が約0.8重量%である、請求項4記載のシリコーン水中油エマルション。
【請求項7】
シリコーン被覆ガラス容器であって、その容器が請求項1記載の添加剤を実質的に含まないシリコーン水中油エマルションを使用してシリコーン処理されたことを特徴とするシリコーン被覆ガラス容器。
【請求項8】
容器がびん、注射カートリッジ、IV注入器、シリンジ、又はバイアルである、請求項7記載のシリコーン被覆ガラス容器。
【請求項9】
容器がシリンジ、シリンジカートリッジ又はバイアルである、請求項7記載のシリコーン被覆ガラス容器。
【請求項10】
容器が無菌である、請求項7から9のいずれかに記載のシリコーン被覆ガラス容器。
【請求項11】
低温における水中のシリコーン油の混合物の均一化を特徴とする、請求項1記載の均一な安定なシリコーン水中油エマルションの調製方法。
【請求項12】
均一化を時間調節された様式で行なう、請求項11記載の方法。
【請求項13】
均一化を少なくとも10分間にわたって行なう、請求項12記載の方法。
【請求項14】
均一化を10分間隔で約3分間の均一化のサイクルで行なう、請求項13記載の方法。
【請求項15】
均一化温度が約20℃以下である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
均一化温度が約15℃以下である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
均一化温度が約12℃以下である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
均一化温度が約8℃である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
冷却ジャケット、時間調節されたホモジナイザー-撹拌機、シリコーン水中油混合物の添加のための口、及び生成物出口を含むことを特徴とする、請求項1記載の均一な安定なシリコーン水中油エマルションの調製のための容器。
【請求項20】
前記ホモジナイザーがタイマーを備えたモーター、ローター、及びローターブレードを含み、そのローターブレードがホモジナイザースクリーン内に密閉され、そのスクリーンがオリフィスを含む、請求項19記載の容器。
【請求項21】
前記ホモジナイザースクリーンが約0.5mmから約2.00mmのサイズを有するオリフィスを含む、請求項20記載の容器。
【請求項22】
請求項17記載のシリコーン水中油エマルションホモジナイザー容器及び容器噴霧ステーションを含むことを特徴とする、容器のシリコーン処理のための装置。
【請求項23】
シリコーン水中油エマルションホモジナイザー容器及び容器噴霧ステーションが組立体の部分であり、その結果、エマルションの調製が容器へのエマルションの噴霧とタンデムに生じる、請求項22記載の装置。
【請求項24】
噴霧ステーションがシリコーン管材料(一端で出口弁に連結され、他端で、Y字形片により、管材料の二つの片に連結されている)を含み、管材料の後者の片がニードル組立体に連結されている、請求項23記載の装置。
【請求項25】
容器のシリコーン処理のための請求項1記載の添加剤を実質的に含まない均一な安定なシリコーン水中油エマルションの使用。
【請求項26】
エマルション中のシリコーン油の量が約0.1重量%から約6重量%である、請求項25記載の容器のシリコーン処理のための添加剤を実質的に含まない均一な安定なシリコーン水中油エマルションの使用。
【請求項27】
エマルション中のシリコーン油の量が約0.5重量%から約3重量%である、請求項26記載の容器のシリコーン処理のための添加剤を実質的に含まない均一な安定なシリコーン水中油エマルションの使用。
【請求項28】
エマルション中のシリコーン油の量が約0.8重量%である、請求項27記載の容器のシリコーン処理のための添加剤を実質的に含まない均一な安定なシリコーン水中油エマルションの使用。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−204728(P2007−204728A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−196169(P2006−196169)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(503070889)ウォックハート・リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】Wockhardt Limited
【Fターム(参考)】