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シリコーン系樹脂組成物及び塗装品
説明

シリコーン系樹脂組成物及び塗装品

【課題】有機系塗膜との密着性に優れると共に柔軟性に優れ、しかも光触媒に対する耐久性に優れた塗膜を形成することができるシリコーン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】式(1)で表されるアクリル−シリコーン系共重合体と、溶剤とを含有してシリコーン系樹脂組成物を形成する。


塗膜の表層には式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体中のシリコーン樹脂成分が局在的に配向すると共に、アクリル樹脂成分で塗膜構造が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用などの塗料として用いられるシリコーン系樹脂組成物、及びこのシリコーン系樹脂組成物で塗装した塗装品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築塗料などの分野では一般的に、環境や臭気の問題から、従来の合成樹脂系塗料に用いられてきた有機溶剤を使用せず、溶剤として水を用いる水系塗料が使用されている。特にこのような水系の塗料の需要が多い建築塗料の分野では、基材との密着性や塗装による意匠性を付与するためにアクリル系及びエポキシ系の微弾性塗料を使用し、その上に耐久性に優れた水系エマルジョン塗料を塗装することが行なわれている。
【0003】
一方、近年では、耐久性だけではなく、自動車の排気ガス等の汚染物質などが付着し難く、雨水などで汚れが洗い流される低汚染塗料の需要が高まっている。この低汚染塗料の原理は、塗膜表面が親水性になり易いものを塗料中に含有させ、経時で塗膜表面が親水性になるようにするというものである。しかしながら、一般的な低汚染塗料の場合、塗膜表面が親水性になるまでに時間がかかるという問題を有するのが現状である。また、塗膜がいったん親水性になっても、油分などの汚染物質が塗膜表面に付着すると徐々に塗膜表面が撥水性になり、経時で汚れが蓄積されて激しい汚れに対しては効果を発揮し難くなるという問題も有する。
【0004】
このような問題を回避するために、最近では酸化チタンなどの光触媒材料とシリコーン系の樹脂とを複合した光触媒塗料の開発が盛んに行なわれている。光触媒は有機物を分解する作用と、塗膜表面を親水性に保持する作用とを併せ持つ材料であるため、油分などの汚染物質が塗膜の表面に付着しても、光触媒作用で汚染物質を容易に分解し、塗膜表面を親水性に維持することができるものであり、光触媒を用いた塗料は、激しい汚れに対して非常に有効なものといえる。
【0005】
しかし、光触媒材料は有機物を分解してしまうため、アクリル樹脂などの有機樹脂に混ぜて使用することができないのは勿論、有機樹脂を使用した有機系塗膜の上に光触媒塗料を塗布する場合でも、有機塗膜の有機樹脂が分解されることになる。このため図3に示すように、建築板など基材4に微弾性下塗り層6を介して塗装した有機系塗膜2と、光触媒塗料の塗膜3との間に、無機塗料を塗装して形成されるアンダーコート層の塗膜1を設けることが必要になる。
【0006】
この無機塗料からなるアンダーコート層の塗膜1は、一般的にはシロキサン結合を有するシリコーン樹脂などを用いて形成されているが、シリコーン樹脂はアクリルなどの有機系塗膜2との密着性が劣るために、使用できる有機系塗膜2が制限されるものであり、また得られるアンダーコート層の塗膜1も柔軟性に劣るという問題点がある。
【0007】
例えば特許文献1には、シリコーン系樹脂からなる第一の無機塗料を基材に塗布した後、光触媒を塗布するようにした無機塗料塗膜の形成方法が記載されているが、シリコーンのような無機材料は、アクリルなどの有機系塗膜との密着性が劣り、得られる塗膜は柔軟性に劣るという上記のような問題がある。
【0008】
また特許文献2には、クラックの発生し難い光触媒塗料組成物としてシリコーンエマルジョンと光触媒粒子と無機顔料などを含有するものが提案されている。この方法では、着色機能と光触媒機能を一体化することで塗装工程の大幅な短縮化が可能であるが、比表面積の高い光触媒粒子と無機顔料を併用すると長期的な耐候性促進試験などにおいて、塗膜が脆くなるといった問題点がある。
【0009】
一方、光触媒塗料の下塗り塗料の無機材料として、アクリルシリコーン樹脂もよく使用されている。アクリルシリコーン樹脂は、有機塗膜との密着性に優れ、また塗膜の柔軟性にも優れている。しかしながら、アクリルシリコーン樹脂は多くのアクリル樹脂成分(すなわち有機樹脂成分)を含有しているために、光触媒塗料をその上に塗布した場合、光触媒の酸化作用によってアクリル樹脂の骨格が分解され、耐久性に劣るという問題点があった。
【特許文献1】特開平8−141503号公報
【特許文献2】特開2004−51643号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、有機系塗膜との密着性に優れると共に柔軟性に優れ、しかも光触媒に対する耐久性に優れた塗膜を形成することができるシリコーン系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に係るシリコーン系樹脂組成物は、下記式(1)で表される分子量(重量平均分子量)が10000〜1000000のアクリル−シリコーン系共重合体と、溶剤とを含有して成ることを特徴とするものである。
【0012】
【化1】

【0013】
(式(1)中、Rは水素原子とメチル基の少なくとも一方、Rは水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基、Rはメチル基とメトキシ基の少なくとも一方であり、Aは炭素数2〜15の3価の有機基である。式(1)中a,b,nはそれぞれ正の数である。)
また請求項2の発明は、請求項1において、上記式(1)中、Aは式(2)又は式(3)で表されるものであることを特徴とするものである。
【0014】
【化2】

【0015】
(式(2)中、Rは炭素数1〜9のアルキル基である。)
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体中のシリコーン樹脂成分(−(SiR−O)−SiR)の質量比率が40〜70%であることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、酸化亜鉛を含有して成ることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、溶剤が水であり、アクリル−シリコーン系共重合体が水中で乳化分散されていることを特徴とするものである。
【0018】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、有機系塗膜の表面に塗布して塗膜を形成するために使用されることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項7に係る塗装品は、有機系塗膜の表面に請求項1乃至5のいずれかに記載のシリコーン系樹脂組成物の塗膜を形成して成ることを特徴とするものである。
【0020】
また請求項8の発明は、請求項7において、シリコーン系樹脂組成物の塗膜の表面に、光触媒粒子を含有する塗膜が形成されて成ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、シリコーン系樹脂組成物を塗布して塗膜を形成すると、含有されている溶媒が揮発するにつれて、塗膜の表層には上記式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体中のシリコーン樹脂成分(−(SiR−O)−SiR)が局在的に配向すると共に、アクリル樹脂成分で塗膜構造が形成される。このため、塗膜構造がアクリル樹脂成分で形成される塗膜は柔軟性に優れるものであり、また有機系塗膜の上にこのシリコーン系樹脂組成物で塗膜を形成するにあたって、塗膜構造となるアクリル樹脂成分で有機系塗膜との密着性を確保することができるものである。さらにこのシリコーン系樹脂組成物の塗膜の上に光触媒含有の塗膜を形成するにあたって、表層に局在するシリコーン樹脂成分で光触媒に対する耐久性を確保することができるものである。
【0022】
また、酸化亜鉛を含有することによって、式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体を架橋させて、シリコーン系樹脂組成物で形成される塗膜の架橋密度を高めることができ、この塗膜の上に光触媒含有の塗膜を形成するにあたって、光触媒粒子が下の塗膜に一部埋もれるようなことがなくなり、光触媒効果を高く発揮させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0024】
本発明に係るシリコーン系樹脂組成物に含有されるアクリル−シリコーン共重合体は、上記式(1)で表される分子量が1万〜100万の化合物である。尚、上記式(1)のa,b,nはそれぞれ正の数であるが、aは1〜10000、bは1〜10000、nは1〜2000の範囲であることがより好ましい。この式(1)中のAは炭素数2〜15の3価の有機基であるが、上記式(2)あるいは式(3)からなるものが特に好ましい。
【0025】
そしてこの式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体は、次の式(4)のシリコーン樹脂成分と、式(5)のアクリル樹脂成分とからなるものである。
【0026】
【化3】

【0027】
このシリコン樹脂成分とアクリル樹脂成分とからなる式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体を含有するシリコーン系樹脂組成物を塗布して、塗膜1を形成すると、含有されている溶媒が揮発するにつれて、図1に示すように、塗膜1の上側の表層には式(4)のシリコーン樹脂成分が局在的に配向し、塗膜内部には式(5)のアクリル樹脂成分がリッチに存在し、アクリル樹脂成分を主体とする塗膜構造が形成される。特に、式(4)のシリコーン樹脂成分のR基がメチル基であると、シリコーン樹脂成分とアクリル樹脂成分との表面張力の差から、シリコーン樹脂成分が塗膜1の表面に傾斜的に配向し易くなる。
【0028】
このように塗膜1は塗膜構造がアクリル樹脂成分を主体として形成されるので、塗膜1は柔軟性に優れるものとなる。そしてアクリル樹脂などの有機樹脂で形成される有機系塗膜2の上にこのシリコーン系樹脂組成物で塗膜1を形成する場合、塗膜構造の主体となるアクリル樹脂成分によって有機系塗膜2との密着性を確保することができ、有機系塗膜2に対する密着性に優れた塗膜1を得ることができるものである。さらにこのシリコーン系樹脂組成物の塗膜1の上に光触媒粒子を含有する塗膜3を形成する場合、塗膜1の表層にはシリコーン樹脂成分が局在して覆われているので光触媒含有塗膜3の光触媒分解作用に対する耐久性を確保することができ、長期的な耐久性に優れた塗膜1を得ることができるものである。図1において4はセメント系外装材など基材である。
【0029】
ここで、上記の式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体において、分子中のシリコン樹脂成分の含有量は、40〜70質量%の範囲に調整するのが好ましい。シリコーン樹脂成分の含有量が40質量%未満であると、塗膜1の柔軟性や密着性は良好になるが、光触媒による分解作用に十分に耐えることが難しくなる傾向がある。逆にシリコーン樹脂成分の含有量が70質量%を超えると、光触媒による分解作用に対する耐久性は良好になるが、塗膜1の柔軟性や密着性が不十分になる傾向がある。
【0030】
また上記のようにシリコーン樹脂成分のR基がメチル基であると、シリコーン樹脂成分が塗膜1の表面に傾斜的に配向し易くなるので、シリコーン樹脂成分の製造に使用するモノマーとしてメチル基(−CH基)やメトキシ基(−OCH)を多く含有するものを用いるのが好ましく、上層の光触媒による耐分解性が高く、自身も耐久性の高い塗膜1を得ることができる。
【0031】
一方、アクリル樹脂成分は塗膜1の密着性、柔軟性を高めて耐クラック性を向上する役割を担っているものである。従って、式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体中のアクリル樹脂成分の量が多いと密着性や柔軟性は向上するが、耐久性が劣る傾向があり、アクリル樹脂成分の量が少ないと耐久性は向上するが、密着性や柔軟性が劣る傾向がある。
【0032】
次に、式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体について詳細に説明する。
【0033】
シリコーン樹脂成分の製造に使用するシリコーン樹脂モノマーとしては、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等の部分加水分解縮合物などで代表されるオルガノシロキサン樹脂などを好適に用いることができる。このオルガノシロキサン樹脂(以下オルガノシロキサン(A)と称する)は、
(A1)一般式RSi(ORで表されるケイ素化合物を主とし、
必要に応じて(A1)に
(A2)一般式RSi(ORで表されるケイ素化合物
(A3)一般式Si(ORで表されるケイ素化合物および/またはコロイダルシリカ
(A4)一般式RSi(OR)で表されるケイ素化合物を含む加水分解性混合物(上記のRはメチル基を示す)
を配合して加水分解縮合させた加水分解重縮合物であって、この加水分解重縮合物の重量平均分子量がポリスチレン換算で900以上になるように調整されているオルガノシロキサン(A)である。
【0034】
これらのモノマーは撥水性の高いメチル基を有しており、既述のようにシリコーン樹脂成分が塗膜の表面に傾斜的に配向し易くなるので、塗膜の耐久性が向上するものである。
【0035】
オルガノシロキサン溶液(A)は、たとえば、前記加水分解性混合物を適当な溶剤で希釈し、そこに硬化剤としての水および必要に応じて触媒(たとえば、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸および無機酸等の1種または2種以上)等を必要量添加し(必要に応じてたとえば40〜100℃で加温してもよい)、加水分解および重縮合反応を行わせてプレポリマー化させることにより調製することができる。その際、得られるプレポリマー(加水分解重縮合物)の重量平均分子量(Mw)がポリスチレン換算で900以上、好ましくは1000以上になるように調整する。プレポリマーの分子量分布(重量平均分子量)が900より小さいときは、縮重合の際の硬化収縮が大きくて、硬化後に塗膜にクラックが発生しやすくなったりする。
【0036】
加水分解性混合物の加水分解重縮合反応の際に用いられる希釈溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用することができる。これらの親水性有機溶媒と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシムなども例示することができる。
【0037】
また、オルガノシロキサン溶液(A)のpHは3.8〜6の値囲内に調整されていることが好ましい。pHがこの範囲内であれば、前記の分子量の範囲内で、安定してオルガノシロキサン溶液(A)を使用することができる。pHがこの範囲外であると、オルガノシロキサン溶液(A)の安定性が悪いため、塗料用に組成物を調製した時からの使用できる期間が限られてしまう。ここで、pH調整方法は、特に限定されるものではないが、たとえば、オルガノシロキサン溶液(A)の原料混合時、pHが3.8未満となった場合は、たとえば、アンモニア等の塩基性試薬を用いて前記範囲内のpHに調整すればよく、pHが6を超えた場合も、たとえば、塩酸等の酸性試薬を用いて調整すればよい。また、pHによっては、分子量が小さいまま逆に反応が進まず、前記分子量範囲に到達させるのに時間がかかる場合は、オルガノシロキサン溶液(A)を加熱して反応を促進してもよいし、酸性試薬でpHを下げて反応を進めた後、塩基性試薬で所定のpHに戻してもよい。
【0038】
オルガノシロキサン溶液(A)には必要に応じて硬化触媒を添加することができる。この硬化触媒としては、特に限定はされないが、たとえば、アルキルチタン酸塩類;オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエート等のカルボン酸金属塩類;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミン塩類;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミン等のアミン類、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物;酢酸リチウム、酢酸カリウム、蟻酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン類等が挙げられる。しかし、これらの他に、(A)成分の縮合反応の促進に有効なものであれば特に制限はない。
【0039】
次に、アクリル樹脂成分は、本発明のアクリル−シリコーン系樹脂組成物の硬化塗膜の靱性を改善する効果を有し、これによりクラックの発生を防止して厚膜化を可能にすることができる。また、アクリル樹脂成分は、本発明のアクリル−シリコーン系樹脂組成物の硬化塗膜のシリコーン樹脂成分を縮合架橋物に取り込んでこの縮合架橋物をアクリル変性にするものである。
【0040】
アクリル樹脂成分としては、式(1)の構造のうち左側の構造成分(次の式(6)に示す)を形成するアクリルモノマーと、右側の構造成分(次の式(7)に示す)に用いるアクリルモノマーを共重合したものを用いることができる。
【0041】
【化4】

【0042】
すなわち、式(1)の構造のうち左側の構造成分(式(6))を形成するアクリルモノマーは、
一般式CH=CR−COOR …(8)
(Rは水素原子とメチル基の少なくとも一方)で表されるモノマーであり、Rが置換もしくは非置換の炭素数1〜9の1価炭化水素基である(メタ)アクリル酸エステルである。Rの例としてはたとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化炭化水素基;2−ヒドロキシエチル基等のヒドロキシ炭化水素基;等であるものの内の少なくとも1種である。一般式(8)で構成されるモノマーは、分子内にカルボキシル基を導入したりすることでシリコーン樹脂成分との相溶性を向上させるなどの役割を持っている。
【0043】
また式(1)の構造のうち右側の構造成分(式(7))に用いるアクリルモノマーは、既述のシリコーン樹脂成分と化学的に結合することが可能な官能基を保持していることが望ましい。シリコーン樹脂成分と結合する官能基を分子内に保持しているアクリルモノマーは、
一般式CH=CR−COOR−SiR …(9)
(Rは水素原子とメチル基の少なくとも一方)で表されるアクリルモノマー、もしくは
一般式CH=CR−SiR …(10)
で表されるアクリルモノマー等を使用することができ、Rが置換もしくは非置換の炭素数1〜9の1価炭化水素基である(メタ)アクリル酸エステルである。Rは加水分解性の基であり、アルコキシシリル基および/またはハロゲン化シリル基を含む炭化水素基、たとえば、トリメトキシシリルプロピル基、ジメトキシメチルシリルプロピル基、モノメトキシジメチルシリルプロピル基、トリエトキシシリルプロピル基、ジエトキシメチルシリルプロピル基、エトキシジメチルシリルプロピル基、トリクロロシリルプロピル基、ジクロロメチルシリルプロピル基、クロロジメチルシリルプロピル基、クロロジメトキシシリルプロピル基、ジクロロメトキシシリルプロピル基等であるものの内の少なくとも1種である。ここで用いるアルコキシシリル基は、先述したシリコーン樹脂成分のアルコキシシリル基と化学的に結合するため、耐久性と柔軟性を兼ね備えた塗膜を形成することが可能となる。
【0044】
このアクリル樹脂の分子量は、アクリル樹脂成分と既述のシリコーン樹脂成分との相溶性に大きく関わる。そのため、アクリル樹脂は、好ましくは1000〜50000、より好ましくは1000〜20000の範囲内のポリスチレン換算重量平均分子量を有することが望ましい。アクリル樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量が50000を超えると、相分離して塗膜が白化するおそれがあり、またこの分子量が1000未満であると、塗膜の靭性が下がってクラックが発生しや易くなる傾向がある。
【0045】
この際、アクリル樹脂の分子中にカルボン酸基を含有させることが好ましい。カルボン酸基は、後述する亜鉛イオンなどにより架橋反応を形成するため、亜鉛イオンなどのようなカルボン酸と相互作用する物質の添加により、緻密な塗膜を形成することができるものである。
【0046】
そして上記のアクリル樹脂成分とシリコーン樹脂成分を共重合することにより、目的とする式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体(シリコーン変性アクリル樹脂)を得ることができるものである。アクリル樹脂成分とシリコーン樹脂成分を、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗及び窒素導入管を備えた反応容器中で昇温させることによって、容易に目的とする共重合体を得ることができるものである。このようにして得られる式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体の重量平均分子量は、10000〜1000000の範囲内で調整することが好ましい。
【0047】
本発明に係るシリコーン系樹脂組成物は、上記のようにして得られるアクリル−シリコーン系共重合体と溶剤とを含有して調製されるものである。この溶剤としてはトルエン、キシレンなどの有機溶剤を用いることができるが、建築塗料の分野では、シンナーの代わりに水などを用いた水系塗料を用いることが多いので、アクリル−シリコーン系共重合体をエマルジョン化し、水を溶媒として水中に分散したものを用いることが好ましい。
【0048】
水中でアクリル−シリコーン系共重合体を分散するためには、公知の方法を使用して乳化することが可能である。たとえばホモジナイサー、ホモミキサーなどの乳化機を用いて水中に乳化する方法が挙げられる。また有機溶媒を含むアクリル−シリコーン共重合体を加熱・常圧、または常温・減圧、あるいは加熱・減圧の条件下で脱溶媒させ、界面活性剤を添加して水中に乳化することもできる。特にシリコーン樹脂成分の中には水との反応性の高いシラノール基が含まれており、反応を抑制するために重合抑止剤を添加するのが好ましい。重合抑止剤としては有機溶媒の種類に応じてHLBが5〜20のノニオン系界面活性剤を使用することができる。
【0049】
本発明に係るシリコーン系樹脂組成物には、架橋剤や各種オルガノシロキサンを配合して使用することができる。架橋剤としては、アクリル−シリコーン系共重合体のアクリル樹脂成分に含まれるカルボン酸などの官能基と反応及び相互作用をするものが用いられる。カルボン酸と反応するものとしてはエポキシ基やオキサゾリン基などがあり、これらを含む化合物はすべて架橋剤として有効である。そのなかでも特に有効な架橋剤としては亜鉛イオンなどの金属の2価の陽イオンを溶出するものである。このような2価の金属陽イオンを溶出する材料としては、極性溶媒に分散し、経時で2価金属イオンを放出するものであればよいが、本発明では酸化亜鉛微粒子を用いるのが好ましい。
【0050】
亜鉛イオンなどの2価金属イオンは次に示すように、アクリル−シリコーン系共重合体の分子内のカルボン酸などの官能基間で相互作用を行なうことによって、アクリル−シリコーン系共重合体を架橋し、アクリル−シリコーン系樹脂組成物を塗布・硬化して形成される塗膜の架橋密度を高めることができ、塗膜の硬度を高めることができるものである。
【0051】
【化5】

【0052】
ここで、アクリル−シリコーン系樹脂組成物を塗布・硬化して塗膜1を形成し、この上に光触媒粒子5を含有する塗料を塗布して塗膜3を形成するにあたって、酸化亜鉛を配合しないシリコーン系樹脂組成物で塗膜1を形成した場合には、塗膜1は架橋密度が低く軟らかいため、光触媒粒子5を含有する塗料を塗布する際に、図2(b)のように光触媒粒子5の一部が塗膜1の内部に埋もれるようになり、光触媒粒子5を含有する塗膜3の表面での光触媒作用が低下し、親水性の発現が遅くなると共に光触媒分解能が低下するおそれがある。これに対して、酸化亜鉛を配合したシリコーン系樹脂組成物で塗膜1を形成した場合には、塗膜1は架橋密度が高くなるため、光触媒粒子5を含有する塗料を塗布する際に、図2(a)のように光触媒粒子5は塗膜1の内部に埋もれるようなことがなくなり、光触媒粒子5を含有する塗膜3の表面での光触媒作用が高く発揮され、親水性の発現が速くなると共に光触媒分解能を高く得ることができるものである。
【0053】
シリコーン系樹脂組成物への酸化亜鉛の添加量は、特に限定されるものではないが、組成物の樹脂固形分に対して0.01〜20質量%の範囲が好ましく、0.05〜10質量%の範囲がより好ましく、さらに好ましくは0.1〜2質量%の範囲である。酸化亜鉛の添加量が多すぎると、塗膜1が硬くなって密着性や柔軟性が劣る方向になる。逆に酸化亜鉛の添加量が少ないと、塗膜1の架橋密度を高める効果が不十分になって、その上に光触媒粒子5を含有する塗膜3を形成するにあたって、光触媒粒子5の一部が塗膜1の内部に埋もれるようになり、塗膜3の表面での光触媒作用が低下するおそれがある。
【0054】
次に、シリコーン系樹脂組成物の塗膜1の上に光触媒粒子を含有する塗膜3を形成するために用いられる光触媒分散コーティング剤について説明する。
【0055】
光触媒(光半導体)としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化ニッケルおよび酸化レニウムなどを挙げることができる。一般的にはアナタース型の酸化チタンが好適に用いられるものである。
【0056】
また光触媒分散コーティング剤のバインダーは、特に制限されることなく従来から使用されている各種のものを用いることができるが、例えば上記のアクリル−シリコーン共重合体樹脂を用いることができる。
【0057】
光触媒分散コーティング剤中の光触媒粒子の含有量は、アクリル−シリコーン共重合体樹脂と光触媒との合計量に対する光触媒の体積比率が、1〜90%の範囲になるよう調整するのが好ましく、更に好ましくは3〜70%、最も好ましくは5〜60%の範囲である。光触媒の含有量がこの範囲より少ないと、光触媒の効果を十分に期待することができなくなり、逆に光触媒の含有量がこの範囲を超えて多くなると、光触媒含有塗膜が脆くなる傾向がある。
【0058】
光触媒は粒子径が小さくなると粒子の比表面積が大きくなって、光触媒活性が強くなる傾向があり、また粒子径が大きいと粒子の比表面積が小さくなって、光触媒活性が弱くなる傾向にあるので、光触媒は粒子径が1〜200nmのものが好適である。
【実施例】
【0059】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0060】
(実施例1)
メチルトリメトキシシラン70質量部と、ジメチルジメトキシシラン30質量部を混合し、これをイソプロピルアルコール66質量部で希釈した。さらにこれに、0.01規定塩酸7.2質量部を水40質量部で希釈したものを0.1質量部添加し、攪拌しながら、イオン交換水5質量部を緩やかに添加することによって、室温で加水分解を行なった。そして得られた液を60℃恒温槽中で加熱することにより、重量平均分子量1000のオルガノシロキサン部分加水分解物の37.8質量%混合アルコール溶液を得た。さらにこの混合液に10質量%濃度のアンモニア水を滴下しながらpHを4.5に調整することによって安定化を行ない、オルガノシロキサン(A−1)を得た。
【0061】
一方、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗及び窒素導入管を備えた反応容器に、イソプロパノール450質量部を仕込んで、窒素ガス通気下に80℃まで昇温した。この溶液中に同温度で、メチルメタクリレート300質量部、n−ブチルメタクリレート110質量部、アクリル酸50質量部、ビニルトリメトキシシラン30質量部、重合開始剤として2,2−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)を添加した混合溶液を5時間に亘って滴下した。そして滴下終了後も14時間に亘って攪拌することにより、不揮発分が53質量%でかつ数平均分子量が13000の、カルボン酸、シリル基を含有アクリルシリコーン共重合物(B−1)を合成した。
【0062】
そして、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗及び窒素導入管を備えた反応容器に、上記オルガノシロキサン(A−1)を576質量部、上記アクリルシリコーン共重合物(B−1)を389質量部、イソプロピルアルコールを237質量部投入して混合し、80℃まで昇温することによって、式(1)及び式(3)で表されるアクリル−シリコーン系共重合体を合成し、このアクリル−シリコーン系共重合体と、イソプロピルアルコールを溶剤として含有するシリコーン系樹脂組成物(C−1)を得た。得られたシリコーン系樹脂組成物(C−1)の不揮発分は35質量%であった。またアクリル−シリコーン系共重合体の重量平均分子量は約10万であり、アクリル−シリコーン系共重合体中のシリコーン樹脂成分の含有率は51質量%であった。
【0063】
(実施例2)
実施例1で得たシリコーン系樹脂組成物(C−1)100質量部に、酸化亜鉛(住友大阪セメント社製「酸化亜鉛ゾルZW−143」)を0.1質量部添加し、十分に攪拌することによって、酸化亜鉛含有シリコーン系樹脂組成物(C−2)を得た。
【0064】
(実施例3)
実施例1で得たシリコーン系樹脂組成物(C−1)100質量部に、重合抑止剤としてノニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェノール(HLB12.6)を2質量部添加し、均一に攪拌した後、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒(イソプロピルアルコール)を除去した。得られた残留物にノニオン系界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェノール(HLB13.5)を5質量部添加し、均一に攪拌した。次にこれに水120質量部を攪拌下で加えた後、モノジナイサー(300kg/cm)処理を行なうことにより、アクリル−シリコーン共重合体の水分散エマルジョンとしてシリコーン系樹脂組成物(C−3)を得た。この水性乳化分散型のシリコーン系樹脂組成物(C−3)の不揮発分は22.5質量%であった。
【0065】
(実施例4)
実施例3で得たシリコーン系樹脂組成物(C−3)100質量部に造膜助剤としてテキサノールを3質量部添加し、ディスパーを用いて均一に攪拌した後、さらに酸化亜鉛(住友大阪セメント社製「酸化亜鉛ゾルZW−143」)を2質量部添加し、十分に攪拌することによって、水性乳化分散型の酸化亜鉛含有シリコーン系樹脂組成物(C−4)を得た。
【0066】
(実施例5)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗及び窒素導入管を備えた反応容器に、上記オルガノシロキサン(A−1)を237質量部、上記アクリルシリコーン共重合物(B−1)を532質量部、イソプロピルアルコールを265質量部投入して混合し、80℃まで昇温することによって、式(1)及び式(3)で表されるアクリル−シリコーン系共重合体を合成し、このアクリル−シリコーン系共重合体と、イソプロピルアルコールを溶剤として含有するシリコーン系樹脂組成物(C−5)を得た。得られたシリコーン系樹脂組成物(C−5)の不揮発分は36質量%であった。またアクリル−シリコーン系共重合体の重量平均分子量は約10万であり、アクリル−シリコーン系共重合体中のシリコーン樹脂成分の含有率は23.9質量%であった。
【0067】
(実施例6)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗及び窒素導入管を備えた反応容器に、上記オルガノシロキサン(A−1)を835質量部、上記アクリルシリコーン共重合物(B−1)を137質量部、イソプロピルアルコールを232質量部投入して混合し、80℃まで昇温することによって、目的とするアクリル−シリコーン系共重合体を合成し、このアクリル−シリコーン系共重合体と、イソプロピルアルコールを溶剤として含有するシリコーン系樹脂組成物(C−6)を得た。得られたシリコーン系樹脂組成物(C−6)の不揮発分は32質量%であった。またアクリル−シリコーン系共重合体の重量平均分子量は約6万であり、アクリル−シリコーン系共重合体中のシリコーン樹脂成分の含有率は81質量%であった。
【0068】
(光触媒分散シリコーンコーティング剤)
コロイダルシリカのメタノール分散ゾル55質量部にメチルトリメトキシシラン48質量部とイソプロピルアルコールを35質量部添加し、十分に攪拌した。この溶液に0.1規定塩酸を0.1質量部添加し、ディスパーで攪拌しながら、イオン交換水12.5質量部を緩やかに滴下しながら、加水分解を進行させることによって、シリコーンコーティング剤を得た。そしてこのシリコーンコーティング剤15質量部にイソプロピルアルコール88.6質量部を添加し、さらに光触媒粒子(石原産業株式会社製「光触媒酸化チタンゾルSTS−01」)を5質量部添加することによって、光触媒分散シリコーンコーティング剤を得た。
【0069】
そして、上記のように調製した実施例1〜6のシリコーン系樹脂組成物を用いて塗装品を作製した。すなわち、まずセメントスレート板の表面に、有機塗料として関西ペイント社製微弾性アクリル塗料「商品名:ホルダーZ」を塗布し、一昼夜乾燥した後、有機着色塗料として関西ペイント社製アクリルウレタン塗料「商品名:アクアレタン」を塗布して乾燥することによって、膜厚30μmの有機系塗膜を形成した。そしてこの有機系塗膜の上に、実施例1〜6で調製したシリコーン系樹脂組成物を塗布し、一昼夜乾燥することによって膜厚10μmの塗膜を形成した。さらにこの塗膜の上に、上記の光触媒シリコーンコーティング剤を塗布して乾燥することによって、膜厚0.2μmの光触媒含有塗膜を形成した。
【0070】
また比較のために、実施例1〜6のシリコーン系樹脂組成物を塗布せず、有機系塗膜の表面に直接、光触媒シリコーンコーティング剤を塗布して光触媒含有塗膜を形成したこと以外は同様にして、比較例の塗装品を得た。
【0071】
上記のように作製した塗装品について、塗膜の密着性、温水風乾燥試験、促進耐久性、親水性、耐汚染性の評価を行なった。試験方法及び評価基準を次に示す。また結果を表1に示す。
1)塗膜の密着性
JIS K5600−5−6のクロスカット法にて評価
O・・剥離なし
△・・剥離面積30%以上70%未満
×・・剥離面積70%以上
2)温水風乾試験
塗膜を60℃の温水に8時間浸漬し、取り出したのち室温で16時間乾燥させる工程を1サイクルとし、30サイクル経過後の塗膜の外観を評価
○・・外観異常なし
△・・クラックがわずかに観察される
×・・クラックが観察される
3)促進耐久性
サンシャインウェザオメーター4000時間後の光沢保持率%((促進試験後の光沢値/初期の光沢値)×100)
○・・光沢保持率80%以上
△・・光沢保持率50%〜80%
×・・光沢保持率50%以下
4)親水性
塗膜にブラックライトを用いて紫外線強度1.0mW/cmで紫外線を照射し、24時間経過後の塗膜上の水の接触角を計測する
O・・接触角10°以下
△・・接触角10°以上40°未満
×・・接触角40°以上
5)耐汚染性
ブラックライトで紫外線を24時間照射した後、1質量%濃度のカーボン汚染水を吹きかけ、塗膜の色差△Eを測定する
◎・・ΔE=1.0以下
O・・ΔE=1.0〜2.0
△・・ΔE=2.0〜4.0
×・・ΔE=4.0以上
【0072】
【表1】

【0073】
表1にみられるように、各実施例で調製したシリコーン系樹脂組成物を用いて有機系塗膜と光触媒含有塗膜の間のアンダーコート塗膜を形成することによって、塗膜の密着性、耐クラック性、光触媒に対する耐侯性が優れることが確認される。特に酸化亜鉛微粒子を複合した実施例2及び4のものは、光触媒の親水性遠度が格段に優れており、耐汚染性も極めて良好であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明実施の形態の一例の概略図である。
【図2】本発明実施の形態の他の一例の概略図である。
【図3】塗装品の塗膜構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0075】
1 塗膜
2 有機系塗膜
3 光触媒含有塗膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される分子量が10000〜1000000のアクリル−シリコーン系共重合体と、溶剤とを含有して成ることを特徴とするシリコーン系樹脂組成物。
【化1】

(式(1)中、Rは水素原子とメチル基の少なくとも一方、Rは水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基、Rはメチル基とメトキシ基の少なくとも一方であり、Aは炭素数2〜15の3価の有機基である。式(1)中a,b,nはそれぞれ正の数である。)
【請求項2】
上記式(1)中、Aは式(2)又は式(3)で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン系樹脂組成物。
【化2】

(式(2)中、Rは炭素数1〜9のアルキル基である。)
【請求項3】
式(1)のアクリル−シリコーン系共重合体中のシリコーン樹脂成分(−(SiR−O)−SiR)の質量比率が40〜70%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコーン系樹脂組成物。
【請求項4】
酸化亜鉛を含有して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシリコーン系樹脂組成物。
【請求項5】
溶剤が水であり、アクリル−シリコーン系共重合体が水中で乳化分散されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシリコーン系樹脂組成物。
【請求項6】
有機系塗膜の表面に塗布して塗膜を形成するために使用されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシリコーン系樹脂組成物。
【請求項7】
有機系塗膜の表面に請求項1乃至5のいずれかに記載のシリコーン系樹脂組成物の塗膜を形成して成ることを特徴とする塗装品。
【請求項8】
請求項7のシリコーン系樹脂組成物の塗膜の表面に、光触媒粒子を含有する塗膜が形成されて成ることを特徴とする請求項7に記載の塗装品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−161824(P2007−161824A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−358085(P2005−358085)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】