説明

シリコーン組成物およびその作製方法

式:(M(D(Dを含有するシリコーン組成物が開示され、式中、M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;そしてD=RSiO2/2であり;ここで、Rは独立して各々、アミノ基以外の反応性の末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;Rは一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルを含有し;そして、R、R、R、R、およびRは独立して一価の炭化水素ラジカルであり;ここで、a、bおよびcは化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:aは2と等しいかもしくはそれより大きく;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;そしてb=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に二つのアミノ基以外の反応性の末端基と、一つもしくはそれ以上のポリエーテルペンダント基とを含有するオルガノシリコーン組成物に関する。さらに本発明は、それらの組成物を選択的に作製する方法に関する。そしてさらに、本発明は、添加剤としてのオルガノシリコーン組成物と、それらのオルガノシリコーン組成物から誘導される構造単位を含有するポリマーおよびコポリマーとを含有する親水性ポリマー組成物に関する。なおもさらに、本発明は親水性ポリマー組成物を含有する最終使用のための配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
シロキサン(オルガノシリコーンとも呼ばれる)は、たとえばポリマーマトリクスにおける添加剤としてのようなさまざまな用途に非常に有用である。ペンダントポリエーテル基と、アルデヒド官能基と反応できる反応性アミノ末端基とを有するオルガノシリコーンは当分野で既知である。さらに、ペンダントポリエーテル基を有するオルガノシリコーンもまた既知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、表面活性、摩擦減少、潤滑性、衝撃強度、親水性、および親油性のような特性の所望の組み合わせを必要とするもののような要求のより高い最終使用のためのより堅牢な産物を作製するのに有益である可能性が高い、シロキサン鎖上に二つのアミノ基以外の反応性の末端基と一つもしくはそれ以上のペンダントポリエーテル基とを含有するオルガノシリコーン組成物に対する必要性が依然としてある。さらになお、シロキサン鎖上に二つのアミノ基以外の反応性の末端基と一つもしくはそれ以上のペンダントポリエーテル基とを含有するオルガノシリコーンを作製するための選択的方法に対する必要性も依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、式:(M(D(Dを含有するシリコーン組成物であり、式中、M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;D=RSiO2/2であり;ここで、Rは独立して各々、アミノ基以外の反応性の末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;Rは一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルを含有し;そして、R、R、R、R、およびRは独立して一価の炭化水素ラジカルであり;ここで、a、bおよびcは化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:aは2と等しいかもしくはそれより大きく;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;そしてb=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きい。
【0005】
本発明の他の態様は、式(M(D(Dを有するシリコーン組成物であり、式中、M=R22(CHSiO1/2であり;D=(CHSiO2/2であり;D=R2324SiO2/2であり;ここで、R22はアミノ基以外の反応性末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;R23は一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルであり;R24は一価の炭化水素ラジカルであり;そして、ここでjは2の値を有し;kは1から500の値を有し;lは1と等しいかもしくはそれより大きい。
【0006】
さらに他の態様において、式:(M(D(Dを含有するシリコーン組成物を作製する方法が提供される。方法は:(i)式(M(Dを含有するシリコーンと式(Dの環状ヒドロシロキサンとを反応させて、式(M(D(Dを有する中間体オルガノシリコーン水和物を産生するステップ〔ここでM=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;DおよびDはそれぞれR30HSiO1/2であり;ここで、Rの各々は、アミノ基以外の反応性末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;R、R、R、R、およびR30は独立して一価の炭化水素ラジカルであり;そして、ここでa、b、c、pおよびqは化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:qは3と等しいかもしくはそれより大きい値を有し;a=2であり;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;p=0の時、aは2であり;b+c=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きく;aは2と等しいかもしくはそれより大きく;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;そして、b=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きい〕と、(ii)中間体オルガノシリコーン水和物と不飽和ポリエーテルとを反応させ、式(M(D(Dを有するシリコーン組成物を産生するステップ〔ここでD=RSiO2/2であり;Rは一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルを含有し;そして、Rは一価の炭化水素ラジカルであり;そしてここで、a、bおよびcは化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:aは2の値を有し;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;そしてb=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きい〕とを含有する。
【0007】
他の態様において、添加剤として(上述の)組成物およびポリマーを含有するポリマー組成物と、ポリマー組成物を含有する配合物とが提供される。
【0008】
本発明のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、添付する図を参照にして以下の詳細な記述が読まれる時、よりよく理解されよう。図全般にわたって、類似の記号は類似の部位を表す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施態様によるポリエチレングリコールアリルエーテルを用いて作製した例示のシリコーン組成物のピークを同定したプロトン核磁気共鳴スペクトルを表し、図はさらに、100万部当たり約4.2部と100万部当たり約6.3部との間の化学シフトを有するピークを含有する拡大した領域のスペクトルのはめ込み図を示す。
【図2】図2は、図1のシリコーン組成物のsilicon−29核磁気共鳴スペクトルを表す。
【図3】図3は、本発明の他の実施態様によるポリエチレングリコールメタリルエーテルを用いて作製した他の例のシリコーン組成物のプロトン核磁気共鳴スペクトルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な記載を考慮するとより良く理解されるであろう。
【0011】
単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈にそうでないと明白に記載しない限り、複数である指示対象を含む。
【0012】
「任意選択の(optional)」、または「任意選択に(optionally)」は、すぐ後に記載される事象または状況が生じても生じなくてもよく、そしてこの記載は、事象が生じる場合ならびに事象が生じない場合を含む。
【0013】
用語「ラジカル」および「基」は、用語「アルキル」、「シクロアルキル」、「アルコキシ」、「アリールオキシ」、および「シクロアルコキシ」に適用される時、本開示全体にわたって、相互交換可能で用いられる。
【0014】
本開示全体にわたって、用語「炭化水素ラジカル」は、1から60個の炭素原子を有する脂肪族ラジカル、脂環式ラジカル、もしくは芳香族ラジカルの任意のものを表す。「脂肪族」、「脂環式」、および「芳香族」ラジカルに対する以下の一般的な定義は、一価のおよび二価の「炭化水素ラジカル」に適用可能である。
【0015】
ここで定義されるとき、用語「脂肪族」ラジカルもしくは基は、結合位置がsp3炭素原子である炭素原子の環状で無い配置について示す。炭素原子の配置はさらに、sp3、sp3もしくはsp混成の炭素原子の任意の組み合わせを含有する。炭素原子の配置はさらに、酸素、窒素、および硫黄のようなヘテロ原子を一つもしくはそれ以上含有する。脂肪族ラジカルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソオクチル、ベンジル、シクロヘキシルメチル、フェネチル、アルファ,アルファ−ジメチルベンジル、3−ヒドロキシプロピルなどを含む。
【0016】
ここで定義されるとき、用語「芳香族」ラジカルもしくは基は、一価のsp混成の炭素原子および共役した炭素−炭素二重結合の一価の環状配置を示し、sp混成の炭素原子を介して結合する。芳香族基もしくはラジカルは、1から最大許容数の置換基を有して良い。置換基は一般に、水素原子以外のラジカルであると定義される。それゆえ、置換基によって明確に置換されない芳香族炭素原子は、水素原子によって置換されていると推定される。芳香族ラジカルもしくは基は、硫黄、酸素、および窒素のようなヘテロ原子をさらに含有しても良い。アリール基の例はフェニル、置換フェニル、トリル、置換トリル、キシリル、メシチル、クロロフェニル、ナフチル、フリル、フリルメチル、チエニル、ピロリルなどを含む。
【0017】
ここで定義されるとき、用語「脂環式」ラジカルもしくは基は、炭素原子の一価の環状配置を示し、炭素原子の環状配置の一部を形成するsp混成の炭素原子を介してケイ素原子へと結合する。炭素原子の環状配置は、酸素、硫黄、および窒素のようなヘテロ原子の一つもしくはそれ以上をさらに含有してよい。さらに、炭素原子の環状配置は1から最大許容数までの置換基で置換されていても良い。シクロアルキル基の例は、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル、フェニルシクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、4−チアシクロヘキシル、シクロオクチルなどを含む。
【0018】
用語「アルコキシ」、「シクロアルコキシ」もしくは「アリールオキシ」は、それぞれ対応する一価の脂肪族ラジカル、脂環式ラジカル、もしくは芳香族ラジカルと酸素原子との結合によって生じる一価のラジカルを示す。用語「ヒドロカルボニルオキシ」は、一価の炭化水素ラジカルと酸素原子との結合によって生じる一価のラジカルを示す。
【0019】
ここで定義されるとき、用語「反応性の末端基を含有する一価の炭化水素ラジカル」は、上述のように定義される任意の炭化水素ラジカルを意味するが、反応性の末端基を有する。それゆえ、他に特定されない場合、用語「一価の炭化水素ラジカル」は、「反応性の末端基を含有する炭化水素ラジカル」を除外する。
【0020】
ここで定義されるとき、「反応性の末端基」は、さらに反応してポリマー、オリゴマー、もしくは他の官能性モノマーを生成し得る、アミノ基以外の官能基、またはそれらの誘導体を示す。反応性の末端基のいくつかの例はヒドロキシ基、カルボキシル基、およびエポキシ基を含む。
【0021】
ここで定義されるとき、用語「一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカル」は、一端においてヒドロキシルもしくはヒドロカルボニルオキシ基によって、そしてもう一方の端において一価の炭化水素ラジカルによってキャップされたポリ(オキシアルキル)基を示す。それゆえ、他に特定されない限り、用語「一価の炭化水素ラジカル」は「一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカル」を除外する。ポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルのオキシアルキル部分は2個の炭素原子(すなわちオキシエチル基)から20個の炭素原子までを有する事が出来る。オキシアルキル基の他のいくつかの例はオキシプロピル、オキシブチルなどを含む。
【0022】
それゆえ、本開示全体にわたって、用語「一価の炭化水素ラジカル」は「反応性の末端基を含有する炭化水素ラジカル」および「一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカル」を除外する。
【0023】
一態様において、式(I):
(M(D(D (I)
を含有するシリコーン組成物が提供され、式中、M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;D=RSiO2/2であり;ここで、Rは独立して各々、アミノ基以外の反応性の末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;Rは一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルを含有し;そして、R、R、R、R、およびRは独立して一価の炭化水素ラジカルであり;ここで、a、bおよびcは化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:aは2と等しいかもしくはそれより大きく;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;そしてb=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きい。
【0024】
一実施態様において、式(I)におけるR、R、R、R、およびRは、独立して一価の炭化水素ラジカルである。脂肪族ラジカルの非限定的例は、メチル、エチル、sec−ブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ヒドロキシプロピル、2,5,8−トリオキシアデシル、および3,3,3−トリフルオロプロピルを含む。R、R、R、R、およびRの一つもしくはそれ以上は、たとえばブトキシのようなアルコキシラジカルであってよい。他の実施態様において、R、R、R、R、およびRは、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルからなる群より独立して選択される。いくつかの非限定的例は、Rおよび/もしくはRがフェニルラジカルのような芳香族ラジカルであり;そしてR、R、およびRが独立して、たとえばメチル、エチル、およびプロピルのようなアルキルラジカルである組成物を含む。
【0025】
さらなる例のために、a=2であり;bが2から200の値を有し;そしてcが1から50の値を有するシリコーン組成物(I)ならびに、a=2であり;bが10から70の値を有し;そしてcが1から15の値を有するシリコーン組成物(I)が提供される。
【0026】
構造(I)は少なくとも一つのRを含有し、それは
式(II):
【化1】

の一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルであり、式中、RおよびRは独立して2から20個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;R10は、水素原子または1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり;dは1から100の値を有する。一実施態様において、Rは、−CH−CH−、−CH(CH)−CH−、−CH−CH(CHCH)−、および−CH−CH−CH−CH−、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0027】
ポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルの末端は、一般的にヒドロキシ基もしくはOR10であり得、ここでR10は、水素原子または1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルである。R10の例は、H、CH、CおよびC、またはそれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含む。
【0028】
二価の炭化水素ラジカルRは一般式(III):
【化2】

を有し、式中、R11、R12、およびR13はそれぞれ独立して、水素原子もしくは1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり;Wは1から60個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;eはゼロと等しいかもしくはそれより大きい。Rに対して様々な構造の可能性が想定される。一実施態様において、Wはメチレン基であり得、他の実施態様においてeはゼロであり得る。さらに他の実施態様において、Rはアリル基(ここで、Wはメチレン、eは1、R11、R12およびR13はそれぞれ独立して水素原子である)である。さらに他の実施態様において、「W」はメチレンであり、R11およびR12はそれぞれ水素原子であり、R13はメチルであり、eは1である。R基は、下に記載されるように、式(I)のシリコーン組成物の作製のために用いられる対応する不飽和のポリエーテルから構造的に誘導される。
【0029】
式(I)によって表されるシリコーン組成物はRによって表される反応性の末端基を含有する。アミノ基以外の反応性末端基を用いる事が出来る。反応性の末端基のいくつかの例は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびエポキシ基を含む。これらの基の任意の組み合わせがあり得る。さらに、カルボキシル基は、カルボン酸(COOH)の、またはエステルもしくはアミドのようなカルボン酸誘導体の形態であって良い。他の実施態様において、反応性の末端基は、ヒドロキシ芳香族ラジカル、ヒドロキシ脂肪族ラジカル、ヒドロキシ脂環式ラジカル、カルボキシ芳香族ラジカル、カルボキシ脂肪族ラジカル、カルボキシ脂環式ラジカル、エポキシ芳香族ラジカル、エポキシ脂肪族ラジカル、エポキシ脂環式ラジカルからなる群より選択される。さらに詳細には、反応性の末端基Rはそれぞれ独立してヒドロキシ芳香族ラジカルを含有する。さらに他の実施態様において、Rは式(IV):
【化3】

によって表され、式中、R14は水素原子または1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルである。さらに他の実施態様において、Rはそれぞれ独立して式(V)、(VI)、および(VII)からなる群より選択される。
【化4】

【化5】

構造(V)、(VI)、および(VII)は、後述のとおり、式(VIII)、(IX)、および(X):
【化6】

を有するフェノールからそれぞれ誘導される。
【0030】
他の実施態様において、Rはそれぞれ独立して一般式(XI):
【化7】

を含有し、式中、ArおよびArは二価の芳香族ラジカルであり、WおよびWはそれぞれ独立して1から60個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり、R15、R16、およびR17はそれぞれ独立して水素原子または1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり、eおよびeはそれぞれ独立してゼロもしくはそれより大きい。二価の芳香族ラジカルArおよびArは、単環式、二環式、もしくは多環式であり得、さらに、脂肪族ラジカル、脂環式ラジカルもしくは芳香族ラジカルのような置換基の一つもしくはそれ以上を独立して含有する。二価の炭化水素ラジカルWおよびWは、独立して1から60個の炭素原子を有する。さらに、炭化水素ラジカルはフッ素原子のようなハロゲン原子を含有しても良い。二価の芳香族ラジカルArおよびArは、一般的にジヒドロキシ芳香族化合物(ビスフェノールとも呼ばれる)から誘導されるものである。一実施態様において、R1はそれぞれ独立して一般式(XI)を含有し、ここでArおよびArは置換のもしくは非置換のフェニルラジカルである。他の実施態様において、ArおよびArが置換のもしくは非置換の二価のフェニレンラジカルであるとき、Wは、たとえば
【化8】

などのような二価の炭化水素ラジカルである。さらに他の実施態様において、ArおよびArが置換のもしくは非置換の二価のフェニレンラジカルであるとき、Wは−C(CH−であり、eおよびeはそれぞれ1であり、そしてWはCHである。なおもさらに他の実施態様において、ArおよびArが置換のもしくは非置換の二価のフェニレンラジカルであるとき、Wは−C(CH−であり、eおよびeはそれぞれ1であり、そしてWはCHであり、R15、R16、およびR17はそれぞれ水素原子である。さらに、ArおよびArが置換のもしくは非置換の二価のフェニレンラジカルであるとき、Wは−C(CH−であり、eおよびeはそれぞれ1であり、そしてWはCHであり、R15はメチルラジカルであり、R16およびR17はそれぞれ水素原子である。さらなる構造的変化において、式(XI)におけるeがゼロであるとき、ビアリールラジカルを含有する構造を生じる。
【0031】
具体的な実施態様において、Rは式(XII)、(XIII)および(XIV):
【化9】

からなる群より選択され、式中、R18は水素原子もしくはメチルラジカルであり、R19はメチルラジカルもしくはトリフルオロメチルラジカルであり、R20は水素原子もしくはメチルラジカルである。一実施態様において、複数のR19ラジカルは共に3から12個の炭素原子を有するシクロアルキリデン(二価)ラジカルを生成することが出来る。
【0032】
他の実施態様において、式(I)のシリコーン組成物はさらに(T)単位を含有することが出来、式中、T=R21SiO3/2であり;ここでR21は一価の炭化水素ラジカルであり;fは化学量論的な下付文字であり、正であり、b+f=0である時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きいという制限に従う。(T)単位に加えて、シリコーン組成物はさらに(Q)単位を含有することが出来、式中Q=SiO4/2であり;gは化学量論的な下付文字であり、正であり、b+f+g=0である時、a+cが3と等しいかもしくはそれより大きいという制限に従う。
【0033】
他の実施態様において、式(XV):
(M(D(D (XV)
を有するシリコーン組成物であり、式中、M=R22(CHSiO1/2であり;D=(CHSiO2/2であり;D=R2324SiO2/2であり;ここで、R22は、アミノ基以外の反応性の末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;R23は、一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルであり;そしてR24は一価の炭化水素ラジカルであり;そしてここでhは2の値を有し、iは1から500の値を有し、そしてjは1と等しいかもしくはそれより大きい。一実施態様において、iは5から100の値を有し、そしてjは1から50の値を有する。
【0034】
一実施態様において、式(XV)において、置換基R23は式(XVI):
【化10】

を有するポリエーテルフラグメントを含有し、式中、R25は水素原子もしくはメチルラジカルであり;R26は水素原子もしくは一価の炭化水素ラジカルであり;mは1から20の値を有し;nはゼロから20の値を有し;そしてoはゼロから20の値を有する。他の実施態様において、R25はメチルラジカルである。さらに、R25がメチルラジカルである時、iは5から100の値を有し、そしてjは1から約50である。
【0035】
一実施態様において、式(XV)におけるR22は式(V)、式(VI)、(VII)、および(XVII):
【化11】

、またはそれらの組み合わせからなる群より選択され、式中、Wは1から60個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり、eはゼロもしくはそれより大きく、そしてR27およびR28は独立して水素原子もしくは炭化水素ラジカルであり、そしてR29は水素原子もしくはメチルラジカルである。特定の実施態様において、R22は式(XVIII):
【化12】

を有し、式中R29は水素原子もしくはメチルラジカルである。他の特定の実施態様において、R22は式(XVIII)を有し、式中R29はメチルラジカルである。さらに他の実施態様においてR22は、
【化13】

、またはその組み合わせからなる群より選択され、式中、R29はメチルラジカルもしくは水素原子である。式(I)のシリコーン組成物はを下記の一般的な方法によって作製できる。
最初に、式(XIX):
(M(D (XIX)
を有するシリコーンを式(XX):
(D (XX)
の環状ヒドロシロキサンと反応させ、式(XXI):
(M(D(D (XXI)
を有する中間体のオルガノシリコーン水和物を生成し、式中、M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;DおよびDはR30HSiO1/2であり;ここで、Rは独立して各々、アミノ基以外の反応性の末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;R、R、R、R、およびR30は独立して一価の炭化水素ラジカルであり;そしてここで、a、b、c、pおよびqは化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:qは3と等しいかもしくはそれより大きい値を有し、aは2であり;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;p=0の時、aは2であり;b+c=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きく;aは2と等しいかもしくはそれより大きく;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;そしてb=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きい。
【0036】
ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびエポキシ基のような異なる反応性の末端基を有するさまざまなシリコーンを第一のステップにおいて用いる事ができる。上述のような芳香族ヒドロキシ基を反応性末端基として有しているシリコーンは特に有用である。第一のステップのための式(XIX)の有用なシリコーンのいくつかの例は、Rが式(V)、(VI)、もしくは(VII)を有している化合物を含む。そのような化合物は、対応する不飽和のヒドロキシ芳香族化合物(VII)(オイゲノールとも呼ばれる)、(IX)もしくは(X)をヒドリドキャップ化シリコーン樹脂、例えば式(XXII):
(M(D (XXII)
を含有する化合物によってヒドロシリル化することによって容易に作製でき、式中、M=HRSiO1/2であり;D=R3132SiO1/2であり;ここで、R31およびR32は、一価の炭化水素ラジカルであり;aおよびjは化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:a+j=2;そしてjはゼロと等しいかもしくはそれより大きい。ヒドリドキャップ化シリコーン樹脂(XXII)は、上に記載されるように定義された「T」単位もしくは「Q」単位をさらに含有する。ある実施態様において、好適なヒドリドキャップ化シリコーン(XXII)は5から500の、および5から100のjの値を有する。
【0037】
が一般式(X)〔式中eは1もしくは1より大きい〕を有する式(XIX)の開始物質のシリコーンを作製するために、(XXII)のヒドリドキャップ化シリコーンは、一般式(XXIII)で表されるジヒドロキシ芳香族化合物のモノ−アルケニルエーテルによってヒドロシリル化された。
【化14】

式中、Ar、Ar、W、W、R15、R16、およびR17は式(XI)のための上述されたとおりであり、eはゼロもしくはゼロより大きく、eは1もしくは1より大きい。式(XXII)の化合物は、式(XXIV):
【化15】

〔式中、Ar、Ar、Wおよびeは式(XXIII)のために上に記載されたとおりである〕を有するジヒドロキシ芳香族化合物を式(XXV):
【化16】

〔式中、W、e、R15、R16、およびR17は式(XXIV)のために上に記載されたとおりであり、そしてYは反応性の離脱基である〕を有する化合物と反応させることによって作製できる。モノ−アルケニルエーテルの選択的作製は式(XXIV)および(XXV)を有する化合物を、水と水と混合しないかもしくは水との混和性に乏しい有機溶媒とを含有する二相の反応溶剤中の塩基の存在下において、混合することによって達成される。相転移触媒を用いても良いが、モノ−アルケニル化の満足できる選択性は相転移触媒の使用無しに達成され得る。塩基の非限定的例は、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムのようなアルカリ金属水和物を含む。式(XXIII)のモノ−アルケニルエーテルを作製するための二相の反応溶剤のいくつかの例は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族ハロゲン化物、芳香族ハロゲン化物、および脂環式ハロゲン化物のような水と有機溶剤とを含有しているものを含む。有機溶媒のいくつかの具体例はジクロロメタン、クロロプロパン、ジクロロブタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、およびキシレンを含む。特定の実施態様において、ジクロロメタンは二相の溶剤における有機溶媒として利用され、それは所望の式(XXII)のモノ−アルケニル化エーテルを高い選択性で提供する。ビスフェノールAモノアリルエーテルの作製のために例示される例示的な手順において、1モルのビスフェノールAと3モルの塩化アリルの混合物が、水、2モルの水酸化ナトリウム、およびジクロロメタンを含有する二相の溶剤の存在下において混合される。所望のビスフェノールAのモノアリルエーテルはそののち、当分野に公知である技術によって分離される。産物はプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトル法と液体クロマトグラフィー質量マススペクトル法によって分析され、ビスフェノールAのモノアリルエーテルの純度を評価し、そして定量化した。
【0038】
上述の一般的な手順を、式(XXIV)のジヒドロキシ芳香族化合物の任意のもののために繰り返すことができる。一実施態様において、式(XXVI):
【化17】

〔式中、R27、R28、W、およびeは上で式(XVII)のために記載されたとおりである〕のジヒドロキシ芳香族化合物を様々な式(XXIII)のモノ−アルケニル化エーテルの作製のために用いる事が出来る。特にこの技術を式(XXVI)〔式中、Wは−C(CH−、eは1、そしてR27およびR28は水素原子である〕のジヒドロキシ芳香族化合物のモノ−アリル化エーテルを作製するために用いる事が出来、それらは式(XXII)のヒドリドキャップ化シリコーンとのヒドロシリル化反応のための有用な原料である。
【0039】
ヒドロシリル化反応は一般に触媒の存在下において実施される。触媒は有機過酸化物もしくは有機アゾ化合物のようなフリーラジカル触媒であってよい。過酸化物触媒の例は、過酸化ベンゾイル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどを含む。触媒は白金のような遷移金属の有機金属錯体であってもよく、それは一般にヒドロシリル化触媒として用いられる。ロジウム触媒もまた利用できる。通常、白金触媒は、活性型が熱エネルギーもしくは光化学エネルギーのような外部刺激の適用によって発生させることができるような潜在的な形状で導入される。例えば、1−エチニルーシクロヘキサン−1−オールの白金錯体を潜在性な形状の触媒として用いる事が出来る。ヒドロシリル化反応混合物が加熱される時、白金錯体は1−エチニル−シクロヘキサン−1−オールを放出し、それによって活性型の白金触媒を放出する。たとえばプロピオン酸ナトリウムのような当分野に知られる他の触媒もまた用いる事が出来る。触媒の混合物もまた用いる事が出来る。
【0040】
式(XIX)のシリコーンの式(XX)の環状ヒドロシロキサンとの再分配反応は、式(XXI)を有する中間体オルガノシロキサン水和物を生成する。おのおののケイ素原子が一つの炭化水素ラジカルと一つの水素原子とを有している任意の環状ヒドロシロキサンを用いる事が出来る。式(XIII)の環状ヒドロシロキサンの非限定的例は、テトラメチルテトラヒドロシクロテトラシロキサン;テトラブチルテトラヒドロシクロテトラシロキサン;テトラフェニルテトラヒドロシクロテトラシロキサン;およびトリメチルトリヒドロシクロトリシロキサンを含む。触媒はこの反応を促進するために一般的に用いられる。例えば、水酸化セシウムのようなアルカリ金属の水酸化物を触媒として用いる事が出来る。一実施態様において、再分配反応は式(XXI)〔式中、b+cは5から100の値を有し;そしてdは1から50の値を有する〕の化合物を作製するのを助ける。
【0041】
次に、式(XXII)のオルガノシリコーン水和物を不飽和ポリエーテルと反応させ、式(I)(上述)を有する官能性シリコーン組成物を生成する。一実施態様において、不飽和のポリエーテルは式(XXVII):
【化18】

を有し、式中、Rは2から20個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;R10、R33、R34、およびR35はそれぞれ独立して水素原子、または1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり;dは1から100の値を有し;eはゼロと等しいかもしくはそれ以上であり;Wは1から60個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルである。末端不飽和基を有するさまざまなポリエーテルもまた用いる事が出来る。好適な不飽和のポリエーテルのいくつかの例は、アリル末端ポリエーテルおよびビニル末端ポリエーテルを含む。いくつかの不飽和ポリエーテルはまた、たとえば式(XXVIII):
【化19】

で表される化合物〔式中、R25は、水素もしくはメチルラジカルであり;R26は水素もしくは一価の炭化水素ラジカルであり;mは1から20の値を有し;nはゼロから20の値を有し;oはゼロから20の値を有する〕のように市販されている。さまざまな実施態様において、好適な式(XXVIII)の不飽和ポリエーテルは、mおよびoがゼロであり、そしてnが1から20の値を有するもの;nおよびoがゼロであり、そしてmが1から20の値を有するもの;ならびに、mおよびnがゼロであり、そしてoが1から20の値を有するものを含む。いくつかの不飽和のポリエーテルは、Clariant CorporationおよびGE Silicones of General Electric Companyから市販されている。
【0042】
実際に、式(XXVIII)〔式中、R25は水素原子〕のアリル末端ポリエーテルと白金触媒とがヒドロシリル化ステップにおいて用いられる時、以下に見られるように、アリル基は式(XXIX)を有する異性化1−プロペニル型へと再分配される。
【化20】

異性体の(XXIX)は、続いて式(XXI)のオルガノシリコーン水和物と競合的ヒドロシリル化反応をする。競合反応を防ぐために、式(XXI)のオルガノシリコーン水和物を上回る過剰の式(XXVIII)のアリル末端ポリエーテルが用いられる。一般にオルガノシリコーン水和物よりも20モルパーセントもしくはそれより多い過剰のアリル末端ポリエーテルが用いられる。一実施態様において、オルガノシリコーン水和物よりも30モルパーセント過剰のアリル末端ポリエーテルが用いられる。
【0043】
一般式(I)および(XV)を有するシリコーン化合物は、添加剤、または、ポリマー組成物を作製するためのモノマーもしくはコモノマーとして有用である。添加剤として、シリコーン組成物をポリマーと混ぜ合わせることが出来る。熱可塑性ポリマーもしくは熱硬化性ポリマーのような任意のポリマーをマトリックスポリマーとして用いる事が出来る。ポリマーの非限定的な例は、ポリシロキサン、ポリアセタル、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリスルホン(ポリアリルスルホンおよびポリエーテルスルホンを含む)、硫化ポリフェニレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルハロゲン化合物、およびポリビニルニトリル、およびポリビニルエステルを含む。式(I)のシリコーン樹脂がポリカーボネートのようなポリマーに含まれる時、生じるポリマー組成物は接触角における大幅な減少を示し、これは、ポリマー組成物が開始のポリカーボネートよりも大幅により親水性であることを示す。
【0044】
モノマーもしくはコモノマーとして、シリコーン組成物は様々なポリマーを提供するために重合化される。提供されるシリコーンモノマーを対応するホモポリマーのために重合化できる。アミノ基以外の反応性の末端基を有する二つもしくはそれ以上のタイプのシリコーンを共重合化することも出来る。さらに、アミノ基以外の反応性の末端基を有するシリコーンモノマーを、好適な非シリコーンのコモノマーと共重合化して、他のタイプのコポリマーを提供することもできる。一実施態様において、反応性の末端基はヒドロキシ基、カルボキシル基、およびエポキシ基から選択されるので、広い範囲のさまざまなホモポリマーおよびコポリマーを、そのような反応性の末端基を有する他の既知のモノマーを作製するために当分野によく知られている技術を用いて作製できる。
【0045】
ポリマー組成物は同様に、表面活性、摩擦減少、潤滑性、衝撃強度、親水性、および親油性のような、シリコーン樹脂およびポリエーテルを特徴付ける特性の所望の組み合わせが必要とされるような種々の最終使用のための好適なさまざまなタイプの配合物を作製するために有用である。いくつかの最終使用は、例えば、スキンクリーム、シャンプー、スキンコンディショナー、およびヘアコンディショナーのようなパーソナルケア配合物;例えば、クリーナーおよび研磨剤;繊維処理配合物;消泡剤配合物、界面活性剤配合物のようなホームケア配合物を含む。
【実施例】
【0046】
接触角はrame-hartゴニオメータ、モデル番号100−00と2マイクロリットルの容量を有する液滴を用いて測定された。
【0047】
プロトンNMRスペクトルは、Bruker300Megahertzスペクトロフォトメータを用いて記録された。Silicon−29スペクトルは、Bruker400Megahertzスペクトロフォトメータを用いて記録された。
【0048】
実施例1
式(XXX):
(D(D (XXX)
〔式中、
【化21】


=(CHSi−O2/2
【化22】

;xは5から500の値を有し;yは1か500の値を有し;zは1から20の値を有する〕を有するシリコーン組成物の作製。
環状ヒドロシロキサンの平衡化のために用いられる開始物質は、式(XXXI):
(D (XXXI)
を有するオイゲノールキャップ化ポリジメチルシロキサンであり、式中、
【化23】

;D=(CHSi−O2/2;xは5から500の値を有する。
【0049】
化合物(XXXI)(CF2003、液体、GE Siliconesより入手可能; 55グラム)とテトラメチルテトラヒドロシクロテトラシロキサン(D、6.1グラム、Gelest,Incorporatedより購入)とを硫酸(0.3グラム)触媒と混合し、室温にて攪拌した。すぐに反応混合液はピンク色に変わった。反応の進行は反応混合液の固体含有物を測定することによって観察された。周囲温度での32時間の攪拌の後、攪拌を終了した。ピンクの塊が反応混合物の底に沈殿し、デカンテーションにより除去された。生じる反応混合物は、重炭酸ナトリウムによって中和され、その後ろ過され、黄白色で透明の液体を提供し、それは140℃で真空下において攪拌され、所望のオイゲノールキャップ化ポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチルヒドロシロキサン)中間体産物を提供した。29SiNMRスペクトル分析が後に続く繰り返しの実験は、産物中のメチルヒドロシロキサン単位の組み入れた量は、取り込まれるテトラメチルテトラヒドロシクロテトラシロキサンの量に基づく期待値に大変良く一致することを示した(表1)。さらに、それぞれの場合において、NMR分析はまた、メチルヒドロシロキサン単位のポリジメチルシロキサン鎖へのランダムな組み込みを示した。
【0050】
【表1】

【0051】
次に、オイゲノールキャップ化ポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチルヒドロシロキサン)中間産物(100グラム)、ポリエチレングリコールアリルエーテル(約350の分子量、66グラム)、カールステット触媒(10ppmの白金当量)、および30ミリリットルのイソプロパノールが丸底フラスコに入れられた。生じる混合物は90℃で4時間攪拌され、その後、イソプロパノールが蒸留によって除去され、透明の黄白色の液体として式(XXIX)の化合物を供給した。ピークを到底したプロトンNMRおよび29SiNMRスペクトルは図1および2に見られ、それらは所望の産物の生成を示す。さらに図1において、プロトンNMRスペクトルは相当の量のビニルプロトン共鳴レベルを示し、これはアリルエーテル型の再分配型の特徴であり(一般式XXIXを参照)、これはアリル型よりもヒドロシリル化に対してより反応性が低く(一般式XXVIIを参照)、それゆえにオルガノシリコーン水和物の不完全な消費を導く。
【0052】
実施例2
式(XXXII):
(D(D (XXXII)
〔式中、
【化24】

;D1=(CH3)2Si−O2/2;
【化25】

;xは5から500の値を有し;yは1から500の値を有し;そしてzは1から20の値を有する。〕を有するシリコーン組成物の作製。
【0053】
ポリエチレングリコールメタリルエーテルが用いられたことと反応時間が12時間だったこと以外は、式(XXX)のシリコーン組成物の作製のために記載された手順が用いられた。式(XXXII)のシリコーン組成物は黄白色の液体として得られた。図3に見られるプロトンNMRのスペクトルは、所望の産物の産生を示す。さらに、図3はビニルプロトンの不在を示し、従って、メタリル基が再分配を行わないことでオルガノシリコーン水和物の完全な消費を導いたことを示している。
【0054】
ポリマー組成物は、式(XXX)のシリコーン組成物をBPA(ビスフェノールA)ホモポリカーボネートへと含ませることによって作製された。用いられる技術は、静的混合もしくは配合、フィルムとしての回転成型、およびフィルムとしての溶媒成型を含む。回転成型フィルムは、式(XXX)のシリコーン組成物とマトリックスポリマーとを含有するクロロホルム溶液から作製される。溶媒成型フィルムは、溶解したシリコーン組成物とマトリックスポリマーとを含有するクロロホルム溶液のゆっくりとしたエバポレーションによって作製される。
【0055】
それぞれの場合において、生じる配当物もしくはフィルムによって得られる接触角が測定された。結果は表2に示される。BPA PCはビスフェノールAホモポリカーボネートを示す。表2の例番号の後ろのアステリスクは比較例を示す。実施例3〜5と比較例1の試験サンプルは成分を配合することによって作製された。実施例6と比較例2の試験サンプルは成分のクロロホルム溶液から回転成型によって作製された。
【0056】
【表2】

【0057】
表2における結果は、ポリカーボネートマトリックス中のたった1重量パーセントの親水性ペンダントポリエーテル基を含有する式(XXX)のシリコーン組成物が、親水性ポリエーテル基を全く持たない式(XXXI)のオイゲノールキャップ化ポリジメチルシロキサンを含有する比較例1のサンプルに見られるものと比べて、接触角を45〜48度へと減少させることを示す。ポリマーマトリックス中のオルガノシリコーン組成物の量が増加すると、接触角をさらに減少させ、それによってテストサンプルをさらにより親水性にする。同様の減少が回転成型フィルムにも見られる(実施例6と比較例2を参照)。
【0058】
実施例7は、ビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマーの作製のための界面過程を提供する。オーバーヘッド凝縮器を備えた80リットルの連続攪拌タンク反応器(CSTR)へ、ビスフェノールAの第一のロット(2000グラム)、塩化メチルトリブチルアンモニウム(20グラム、脱イオン水中70重量パーセントの溶液として)、塩化メチレン(14リットル)、脱イオン水(11.9リットル)、パラ−クミルフェノール(10グラム)、およびグルコン酸ナトリウム(10グラム)を充填した。ホスゲン(977グラム、分当たり80グラムの添加速度で)が生じた混合物へと添加された。混合物のpHは、ホスゲンの添加中、脱イオン水中50w/vパーセントの水酸化ナトリウム溶液を用いて、6と8の間に調整されそして維持された。ホスゲンの添加が完了したのち、生じた混合物のpHを、上述のものと同一の方法で10へと調整した。そののち、CSTRは、PDMS−PEGジオール(式I、125グラム)と塩化メチレン(0.5リットル)とを充填された。その後生じた混合物のpHは11へと上昇させられた。混合物を10分間攪拌した後、ビスフェノールAの第二ロット(500グラム)、塩化メチレン(0.5リットル)、脱イオン水(7リットル)、およびパラクミルフェノール(80グラム)がCSTRへと充填された。ホスゲン(220グラム、分当たり80グラムの添加速度で)が生じた混合物へと添加された。混合物のpHは、ホスゲンの添加中、上述のものと同一の方法で9と10の間に維持された。トリエチルアミン(30ミリリットル)と塩化メチレン(0.25リットル)とがCSTRへと添加された。この添加に、ホスゲン(400グラム、分当たり80グラムの添加速度で)の添加が続いた。生じた混合物のpHは、ホスゲンの添加中、上述のものと同じ方法で、9と10の間へと調整され、そして維持された。その後、生じた混合物は、約5分から10分の間、窒素ガスでパージされた。混合物は約5から30分の間放置され、そして混合物は水相と有機相へと分離した。有機相は、遠心分離を用いて、希釈塩酸と脱イオン水によって抽出され、そして洗浄された。産物は蒸気沈殿によって分離された。産物のレオロジーと熱安定性が試験され、結果は下の表7に与えられる。
【0059】
実施例8は、ビス−クロロホルメートの生成を介したビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマーの作製のための界面過程を提供する。
【0060】
2リットルの五口丸底フラスコへと、ビスフェノールAの第一のロット(25グラム)、脱イオン水(200ミリリットル)、無水塩化メチレンHPLCグレード(320ミリリットル)、パラクミルフェノール(1.40グラム)、および塩化メチルトリブチルアンモニウム(0.3ミリリットル)を添加した。ホスゲン(14グラム、分当たり2グラムの添加速度で)が生じた混合物へと添加された。混合物のpHは、ホスゲンの添加中、脱イオン水中50w/vパーセントの水酸化ナトリウム溶液を用いて、6と8の間に維持された。ホスゲンの添加が完了した後、混合物のpHは、上述のものと同様の方法で、7へと調整された。混合物のサンプルはクロロホルメートの存在を確かめるためにホスゲンペーパー上にスポットされた。PDMS−PEGジオール(式XXX、3グラム)が添加され、生じた混合物のpHを上述のものと同様の方法で10から11へと上昇させた。混合物を10から11のpHにおいて10から15分間攪拌した後、ビスフェノールAの第二のロット(25グラム)が混合物へと添加され、ホスゲン(14グラム、分当たり2グラムの添加速度で)の添加が後に続いた。混合物のpHは上述と同様の方法で9から10へと調整された。トリエチルアミン(0.46グラム)が混合物へと添加され、生じる混合物は、ホスゲンペーパーへとスポットされた混合物のサンプルがクロロホルメートの不在を示すまで約30分間攪拌された。その後、所望の産物は、希釈塩酸によって洗浄し、脱イオン水によって3回洗浄し、そして、温水中へと沈殿させることで分離された。
【0061】
実施例9は、ビス−クロロホルメートの生成を介し、反応の終わりに混合物が高pHで約30分の間攪拌される、ビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマーの作製のための界面過程を提供する。
【0062】
5グラムのPDMS−PEGジオール(式XXX)が用いられたこと以外は実施例8で用いられたのと同様の手順がビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマーの作製のために用いられた。トリエチルアミン(0.46グラム)が混合物へと添加され、混合物は約30分の間攪拌された。混合物のサンプルをホスゲンペーパーへとスポットする事が、反応混合物におけるクロロホルメートの不在を確かめた。その後、混合物のpHを11から13へと上昇させ、混合物はこのpHを約30分の間維持した。所望の産物は上述の実施例7におけるのと同様の方法によって分離された。
【0063】
実施例10は、活性炭化物の存在下におけるビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマーの作製のための方法を提供する。
【0064】
長さ30センチメートル、直径13.3センチメートル、そして容量3リットルのステンレス鋼のシリンダー形の重合化反応器へと、ビスフェノールA(806.3グラム)、ビスメチルサリシルカーボネート(BMSC、1200グラム)、PDMS−PEGジオール(式XXX、47.6グラム)、水酸化ナトリウム(2.13×10−4グラム)、そして水酸化テトラメチルアンモニウム(0.0323グラム)が充填された。反応器は0ミリバールの真空にされ、続いて、窒素でパージされた。この、反応器を真空にしてその後窒素ガスでパージされるプロセスは3回繰り返された。最終的に反応器の中の圧は窒素によって周囲大気圧へと上昇させられた。反応器はその後、約15分の間に180℃へと加熱され、含有物の溶融混合物が提供された。180℃でかつ周囲気圧において約20分の間保持されたのち、スターラーのスイッチをオンにした。混合物を180℃で15分間攪拌したのち、温度を約5分の間に周囲環境下で220℃まで上昇させた。220℃でかつ周囲気圧において約25分間保持した後、温度を約5分間で230℃まで上昇させ、気圧を約10分間の間で100ミリバールへと減少させた。230℃でかつ100ミリバールにおいて約15分間保持した後、反応器の温度を約5分間で275℃まで上昇させ、気圧を約5分の間で0ミリバールまで減少させた。275℃でかつ0ミリバールにおいて約10分の間保持した後、反応器の中の気圧を周囲気圧へと上昇させ、所望のコポリマーが約800グラムの収量で分離された。
【0065】
実施例11は、活性炭化物の存在下におけるビスフェノールA−PDMS−PEGの作製のための方法を提供する。
【0066】
ビスフェノールA(809.2グラム)、およびPDMS−PEGジオール(式XXX、18.4グラム)が用いられたこと以外は実施例10に用いられたのと同一の手順が用いられた。その後、反応器は周囲気圧において180℃へと加熱された。180℃でかつ周囲気圧において25分間保持した後、温度を約5分の間に周囲気圧において220℃まで上昇させた。220℃でかつ周囲気圧において約30分間保持した後、温度を230℃まで約5分間で上昇させ、気圧を100ミリバールまで約10分間で減少させた。230℃でかつ100ミリバールにおいて約25分間保持したのち、反応器の温度を275℃まで約5分の間で上昇させ、気圧を約5分の間で0ミリバールまで減少させた。275℃でかつ0ミリバールにおいて約15分間保持した後、反応器の中の気圧を周囲気圧まで上昇させ、所望のコポリマーを約800グラムの収量で分離した。
【0067】
実施例12は、活性炭化物の存在下における、ビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマーの作製のための溶解法を提供する。
【0068】
PDMS−PEGジオール(式XXX、102.3グラム)が用いられたこと以外は実施例4で用いられたものと同様の手順が行われた。その後、反応器は周囲気圧において180℃へと加熱された。180℃でかつ周囲気圧において約55分間保持した後、温度を約5分の間に、周囲気圧において220度まで上昇させた。220℃でかつ周囲気圧において約30分間保持した後、温度を約5分の間に230℃まで上昇させ、気圧を約10分の間に100ミリバールまで減少させた。230℃でかつ100ミリバールにおいて約20分間保持した後、反応器の温度を約5分の間で275℃まで上昇させ、気圧を約5分の間で0ミリバールまで減少させた。275℃でかつ0ミリバールにおいて約30分間保持した後、反応器の中の気圧を周囲気圧まで上昇させ、所望のコポリマーが約800グラムの収量で分離された。
【0069】
実施例7、8、および9において作製されたPMDS−PEG−ビスフェノールAコポリマーを成型するために用いられる一般的な手順は以下に与えられる。コポリマーの粉末は、ayne Machine and Die Co.の1.91センチ(0.75インチ)径のスクリューを備え、長さ/径比(L/D)が38に等しい単軸押出機中で配合された。配合に用いられた条件は下の表3中に与えられる。
【0070】
【表3】

【0071】
上述のように作製された押し出されたペレットから成型されたチップの作製のために用いられた一般的な手順は以下のようである。押し出されたペレットは110℃に保たれたオーブンで約4時間乾燥された。乾燥されたペレットはLTM−Demag成型マシン(60T)を用いて成型され、ペトリ皿を提供した。ペトリ皿を作製するための条件は表4に示される。
【0072】
【表4】

【0073】
実施例10および11において作製されたコポリマーを成型するための一般的な方法は以下に与えられる。コポリマーは反応器からストランド(strand)の形で回収された。ストランドは、上の表4に記載される条件でペレット化され、そしてペトリ皿の形に射出成型された。
【0074】
実施例12において作製されたコポリマーの成型のための一般的な手順は以下に与えられる。ビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマーは反応器からストランドの形で回収された。ビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマー(200グラム;ポリスチレンの標準を用いて測定された分子量(Mw)は48553でかつ131℃のTgを有する)はビスフェノールA(ポリスチレンの標準を用いて測定された分子量約60,000;557.6グラム)、(ポリスチレンの標準を用いて測定された分子量約40,000;242.4グラム)およびIgrafos168(0.6グラム)と配合され、そしてWerner and Pfleiderer(商標)二軸押出器、Model ZSK−25 Mega Compounderを用いて下の表5に与えられる条件で押し出された。略語「rpm」は分あたりの回転を示す。押し出されたストランドはその後、ペレット化されそして上の表4に記載された条件を用いてペトリ皿の形に射出成型された。
【0075】
【表5】

【0076】
そのように形成されたサンプルは、分子量、Tg、透明性、およびペレットの作成に用いられたコポリマー中のPDMS−PEGジオール(式XXX)の量が試験された。
【0077】
【表6】

【0078】
表6の結果は実施例7から9の分子量および熱特性を提供する。表3から見て取れる限り、コポリマーのガラス転移温度(Tg)は140と150℃の間であった。さらに、熱重量分析(TGA)によって測定される熱分解温度はより高い分子量において標準的なコポリマーと近似する;しかしながら実施例9は、そのより低い分子量のせいで、またはもしかしたら重合化の最後におけるより高いpH条件のためのいくらかの分解のせいでより早く分解するらしい。
【0079】
【表7】

【0080】
表7に与えられる結果は、粘度の損失が300℃において観察されることから、コポリマーは300℃におけるより250℃において、より優れた熱安定性を持つことを示している。メルトボリュームレート(Melt volume rate)(MVR)は6分において測定され、遅延メルトボリュームレートMelt volume rate delayed)(MVR)は18分において測定された。time−sweep粘度(TSV)は30分において測定され、表7において示されるように、定温において秒周波数当たり1ラジアンであった。
【0081】
【表8】

【0082】
表8に与えられる結果は、ビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマーが活性炭化物を用いて作製される時、生じるポリマーは不透明であることを示す。
【0083】
血小板保持を測定するための手順は下に示すとおり2ステップで実行された。
1.血液をテスト材料へと暴露する。
2.血小板の数の測定。
実施例7、10、11および12において作製されペトリ皿(以下テスト材料と示す)の形状に成型されたコポリマーは、血小板保持を測定するために試験された。テスト材料は気密性のプラスチックコンテナに配置され、コンテナ内の湿度を調整するために測定された。それぞれのテスト材料へ、5ミリリットルの回収された血液サンプルが加えられた。1ミリリットルの血液サンプルは血小板カウントのためにすぐにフラスコから回収された。残りの4ミリリットルの血液をフラスコに残し、分当たり約70から80回転(rpm)の速さで、Environシェーカーを用いて、約33℃から37℃の温度において振とうしながら、約75分間、テストマテリアルへの接触を保ち続けた。それぞれのテスト材料とビスフェノールAホモポリカーボネート(テスト材料が試験されるそれぞれの時に、ビスフェノールA−PDMS−PEGコポリマーとビスフェノールAホモポリカーボネートのための同一の試験条件を確かにするために、ビスフェノールAホモポリカーボネートのブランクサンプルもまた試験された)は同一の血液サンプルで5〜6回試験された。血小板保持は、開始時のサンプルと75分間のテスト材料への暴露後のサンプルとの血小板の数を、Hematology Analyzer(COBAS MINOS VET(登録商標)、Roche Diagnostics フランス)を用いて測定することで分析された。機器はBio−Rad、アメリカからの追跡可能な標準レファレンスを用いて校正された。結果は、同一の条件で試験の行われたビスフェノールAホモポリカーボネート(BPA PC)に対する血小板数と比較された。分析結果は以下の表9、10、および11に提供される。
【0084】
【表9】

【0085】
【表10】

【0086】
【表11】

【0087】
平均および標準偏差は通常のように計算された。実施例の血小板保持数が統計的にBPA−PCよりもより高い、すなわちより優れた血液適合性を有することを示すために、2サンプルt検定が実施された。p値が<0.05であることは統計的に有意な差があることを証明した。
【0088】
本発明の特定の特徴のみが例示され、そしてここに記載されてきたが、多くの修正および変更が当業者に思い浮かぶであろう。それゆえ、添付された請求項が本願の真の精神に含まれるすべてのそのような修正および変更を包含することを意図することは理解されるべきである。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン組成物であって、式:
(M(D(D
を含有し、式中、M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;D=RSiO2/2であり;ここで、Rが独立して各々、アミノ基以外の反応性の末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;Rが一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルを含有し;そして、R、R、R、R、およびRが独立して一価の炭化水素ラジカルであり;ここで、a、bおよびcが化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:aが2と等しいかもしくはそれより大きく;cが1と等しいかもしくはそれより大きく;そしてb=0の時、a+cが3と等しいかもしくはそれより大きい、シリコーン組成物。
【請求項2】

式:
【化26】

を有し、式中、RおよびRが独立して2から20個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;R10が、水素原子または1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり;dが1から100の値を有する、請求項1に記載のシリコーン組成物。
【請求項3】
が、−CH−CH−、−CH(CH)−CH−、−CH−CH(CHCH)−、および−CH−CH−CH−CH−、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載のシリコーン組成物。
【請求項4】
10が、H、CH、C、およびC、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載のシリコーン組成物。
【請求項5】
が式:
【化27】

を有し、式中、R11、R12、およびR13がそれぞれ独立して、水素原子もしくは1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり;Wが1から60個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;eがゼロと等しいかもしくはそれより大きい、請求項2に記載のシリコーン組成物。
【請求項6】
「W」が−CH−である、請求項5に記載のシリコーン組成物。
【請求項7】
11、R12、およびR13がそれぞれ水素原子であり;そしてeが1である、請求項6に記載のシリコーン組成物。
【請求項8】
11およびR12がそれぞれ水素原子であり、R13がメチルであり、そしてeが1である、請求項6に記載のシリコーン組成物。
【請求項9】
前記反応性の末端基が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびエポキシ基もしくはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のシリコーン組成物。
【請求項10】
前記反応性の末端基が、ヒドロキシ芳香族ラジカル、ヒドロキシ脂肪族ラジカル、ヒドロキシ脂環式ラジカル、カルボキシ芳香族ラジカル、カルボキシ脂肪族ラジカル、カルボキシ脂環式ラジカル、エポキシ芳香族ラジカル、エポキシ脂肪族ラジカル、エポキシ脂環式ラジカルからなる群より選択される、請求項1に記載のシリコーン組成物。
【請求項11】
がそれぞれ独立してヒドロキシラジカルを含有する一価の炭化水素ラジカルを含有する、請求項1に記載のシリコーン組成物。
【請求項12】
がそれぞれ独立して式:
【化28】

を有し、式中、ArおよびArが二価の芳香族ラジカルであり、WおよびWがそれぞれ独立して1から60個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり、R15、R16、およびR17がそれぞれ独立して水素原子または1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり、eおよびeがそれぞれ独立してゼロもしくはそれより大きい、請求項11に記載のシリコーン組成物。
【請求項13】
がそれぞれ独立して式:
【化29】

からなる群より選択され、式中、R18が水素原子もしくはメチルラジカルであり、R19がメチルラジカルもしくはトリフルオロメチルラジカルであり、そしてR20が水素原子もしくはメチルラジカルである、請求項12に記載のシリコーン組成物。
【請求項14】
19が共に3から12個の炭素原子を有するシクロアルキリデンラジカルを生成する、請求項13に記載のシリコーン組成物。
【請求項15】
が式:
【化30】

の化合物を含有し、式中、R14が水素原子または1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルである、請求項12に記載のシリコーン組成物。
【請求項16】
がそれぞれ独立して、式:
【化31】

からなる群より選択される、請求項15に記載のシリコーン組成物。
【請求項17】
a=1であり;bが2から200の値を有し;そしてcが1から50の値を有する、請求項1に記載のシリコーン組成物。
【請求項18】
a=2であり;bが10から70の値を有し;そしてdが1から15の値を有する、請求項1に記載のシリコーン組成物。
【請求項19】
(T)単位〔式中、T=R21SiO3/2であり;ここでR21が一価の炭化水素ラジカルであり;fが化学量論的な下付文字であり、正であり、b+f=0である時、a+cが3と等しいかもしくはそれより大きいという制限に従う〕をさらに含有する、請求項1に記載のシリコーン組成物。
【請求項20】
(Q)単位〔式中、Q=SiO4/2であり;gが化学量論的な下付文字であり、正であり、b+f+g=0である時、a+cが3と等しいかもしくはそれより大きいという制限に従う〕をさらに含有する、請求項19に記載のシリコーン組成物。
【請求項21】
シリコーン組成物であって、式:
(M(D(D
を含有し、式中、M=R22(CHSiO1/2であり;D=(CHSiO2/2であり;D=R2324SiO2/2であり;ここで、R22がアミノ基以外の反応性末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;R23が一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルであり;R24が一価の炭化水素ラジカルであり;そして、ここでjが2の値を有し;kが1から500の値を有し;そしてlが1と等しいかもしくはそれより大きい、シリコーン組成物。
【請求項22】
22が、
【化32】

;またはそれらの組み合わせからなる群より選択され;ここでR23がメチルラジカルもしくは水素原子である、請求項21に記載のシリコーン組成物。
【請求項22】
23が、式:
【化33】

を有し、式中R24が水素原子もしくはメチルラジカルであり;R25が水素原子もしくは一価の炭化水素ラジカルであり;mが1から20の値を有し;nがゼロから20の値を有し;oがゼロから20の値を有する、請求項21に記載のシリコーン組成物。
【請求項24】
24がメチルである、請求項23に記載のシリコーン組成物。
【請求項25】
kが22から45の値を有し;そしてlが3から約12である、請求項24に記載のシリコーン組成物。
【請求項26】
方法であって、
式(M(Dを含有するシリコーンと式(Dの環状ヒドロシロキサンとを反応させて、式(M(D(Dを有する中間体オルガノシリコーン水和物を産生するステップ〔ここでM=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;DおよびDはそれぞれR30HSiO1/2であり;ここで、Rの各々は独立して、アミノ基以外の反応性末端基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;R、R、R、R、およびR30は独立して一価の炭化水素ラジカルであり;そして、ここでa、b、c、pおよびqは化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:qは3と等しいかもしくはそれより大きい値を有し;a=2であり;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;p=0の時、aは2であり;b+c=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きく;aは2と等しいかもしくはそれより大きく;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;そして、b=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きい〕と、(ii)中間体オルガノシリコーン水和物と不飽和ポリエーテルとを反応させ、式(M(D(Dを有するシリコーン組成物を産生するステップ〔ここでD=RSiO2/2であり;Rは一価のポリ(オキシアルキル)炭化水素ラジカルを含有し;そして、Rは一価の炭化水素ラジカルであり;そしてここで、a、bおよびcは化学量論的な下付文字であり、ゼロもしくは正であり、以下の制限に従う:aは2の値を有し;cは1と等しいかもしくはそれより大きく;そしてb=0の時、a+cは3と等しいかもしくはそれより大きい〕とを含有する、方法。
【請求項27】
前記不飽和のポリエーテルが式:
【化34】

を有し、式中、Rが2から20個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;R10、R33、R34、およびR35がそれぞれ独立して水素原子、または1から20個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり;dが1から100の値を有し;eがゼロと等しいかもしくはそれより大きく;Wが1から60個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
33がHおよびCH、またはそれらの混合物からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
33がCHである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記不飽和のポリエーテルが、中間体のオルガノシリコーン水和物の量と比較して約20モルパーセント過剰と等しいかもしくはそれより大きい量で投入される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記環状ヒドロシロキサンがシクロテトラメチルテトラヒドロシロキサンである、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−522804(P2010−522804A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501000(P2010−501000)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/004025
【国際公開番号】WO2008/121310
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】