説明

シリル化カルボキサミド

【課題】低散布量で有効な殺真菌性を有する新規なカルボキサミド誘導体を提供する。
【解決手段】下式(I)で示される新規なシリル化カルボキサミド、その製造方法、及び望ましくない微生物の駆逐におけるその使用。


[式中、Rは水素原子、フッ素原子等を表し、Lは直接結合、直鎖アルキレン鎖、分枝アルキレン鎖等を表し、R、R、及びRはメチル基等を表し、Rは水素原子等を表し、Aは2−置換フェニル基、3−置換チエニル基等を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規シリル化カルボキサミド、その調製用プロセス及び望ましくない微生物を抑制するためのその使用プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
多数のカルボキサミドが殺真菌性を有することはすでに知られている(例えば、国際公開第03/080628号、同03/010149号、EP−A 0 589 301、EP−A 0 545 099を参照されたい)。これらの化合物の活性は良好であるが、例えば低散布量では不十分な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第03/080628号
【特許文献2】国際公開第03/010149号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0 589 301号
【特許文献4】欧州特許出願公開第0 545 099号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、式(I)の新規シリル化カルボキサミドを提供する。
【0005】
【化1】

式中、
Rは、水素、フッ素、塩素、メチル、イソプロピル、メチルチオ又はトリフルオロメチルを表し、
Lは直接結合を表し、又は各場合において場合によっては置換されていてもよい直鎖若しくは分枝アルキレン(アルカンジイル)、アルケニレン(アルケンジイル)又はアルキニレン(アルキンジイル)を表し、
及びRは互いに独立に水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル又はC−C−ハロアルキルを表し、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−シクロアルキルを表し、又は各場合において場合によっては置換されていてもよいフェニル若しくはフェニルアルキルを表し、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;各場合において1から13個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、ハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル、
(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−シクロアルキル)カルボニル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル;又は−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表し、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
及びRは互いに独立に各々、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
また、RとRはそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換又は多置換されていてもよい、5から8個の環原子を有する飽和複素環を形成し、該複素環は、酸素、硫黄及びNR10からなる群から選択される1又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含むことができ、
及びRは互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
また、RとRはそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換又は多置換されていてもよい、5から8個の環原子を有する飽和複素環を形成し、該複素環は、酸素、硫黄及びNR10からなる群から選択される1又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含むことができ、
10は水素又はC−C−アルキルを表し、
Aは式(A1)の基を表し、
【0006】
【化2】

(式中、R11は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C−C−アルキル、各場合において1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ又はC−C−ハロアルキルチオを表す。)
又は
Aは式(A2)の基を表し、
【0007】
【化3】

(式中、R12は塩素、ヨウ素又はジクロロメチルを表す。)
又は
Aは式(A3)の基を表し、
【0008】
【化4】

(式中、R13はC−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aは式(A4)の基を表し、
【0009】
【化5】

(式中、R13はC−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aは式(A5)の基を表し、
【0010】
【化6】

(式中、R14はC−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aは式(A6)の基を表し、
【0011】
【化7】

(式中、R15は、水素、ハロゲン、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aは式(A7)の基を表し、
【0012】
【化8】

(式中、R16は、ハロゲン、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、各場合において1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ又はC−C−ハロアルコキシを表す。)
又は
Aは式(A8)の基を表し、
【0013】
【化9】

(式中、R17はC−C−アルキルを表す。)
又は
Aは式(A9)の基を表し、
【0014】
【化10】

又は
Aは式(A10)の基を表し、
【0015】
【化11】

(式中、XはO(酸素)又はS(硫黄)を表す。)
又は
Aは式(A11)の基を表す。
【0016】
【化12】

(式中、XはO(酸素)又はS(硫黄)を表し、
18はヨウ素又はメチルを表す。)
本発明の化合物は、妥当な場合には、さまざまな可能な異性体、特に、例えば、EとZ、スレオとエリスロなどの立体異性体、光学異性体、妥当な場合には互変異性体の混合物として存在することができる。特許請求されるものは、2個のEとZ異性体の両方、スレオとエリスロ、光学異性体、これらの異性体の任意の混合物及び可能な互変異性体を表す。
【0017】
また、式(I)のシリル化カルボキサミドは、
a)式(II)のカルボン酸誘導体が
【0018】
【化13】

(式中、
はハロゲン又はヒドロキシルを表し、
Aは上で定義されたとおりを表す。)
妥当な場合には触媒の存在下で、妥当な場合には縮合剤の存在下で、妥当な場合には酸結合剤の存在下で、かつ妥当な場合には希釈剤の存在下で、式(III)のアミンと反応し、
【0019】
【化14】

(式中、R、L、R、R、R及びRは上で定義されたとおりを表す。)
又は
b)式(I−1)のシリル化カルボキサミドが、
【0020】
【化15】

(式中、R、L、R、R、R及びAは上で定義されたとおりを表す。)
塩基の存在下及び希釈剤の存在下で、式(VIII)のハロゲン化物と反応する
【0021】
【化16】

(式中、
は塩素、臭素又はヨウ素を表し、
4aは、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;各場合において1から13個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、ハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;
(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−シクロアルキル)カルボニル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル;又は−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表し、R、R、R、R及びRは請求項1に定義されたとおりを表す。)
ときに得られることが見出された。
【0022】
最後に、式(I)の新規シリル化カルボキサミドは、きわめて良好な殺菌性を有し、作物の保護と材料の保護の両方において望ましくない微生物を抑制するために使用できることが見出された。
【0023】
式(I)は、本発明によるシリル化カルボキサミドの一般的定義である。上記及び下記の式の好ましい基の定義を以下に示す。これらの定義は、式(I)の最終生成物とすべての中間体の両方に適用される。
【0024】
Rは、好ましくは水素である。
【0025】
Rはさらに好ましくはフッ素であり、フッ素は、特に好ましくはアニリド基の4、5又は6位、さらに特に(very particularly)好ましくは4又は6位、とりわけ4位に位置する[上記式(I)参照]。
【0026】
Rはさらに好ましくは塩素であり、塩素は特に好ましくはアニリド基の5位に位置する[上記式(I)参照]。
【0027】
Rはさらに好ましくはメチルであり、メチルは特に好ましくはアニリド基の3位に位置する[上記式(I)参照]。
【0028】
Rはさらに好ましくはトリフルオロメチルであり、トリフルオロメチルは特に好ましくはアニリド基の4又は5位に位置する[上記式(I)参照]。
【0029】
Lは、好ましくは、直接結合であり、又は場合によってはハロゲン置換されていてもよい直鎖若しくは分枝C−C−アルキレン、C−C−アルケニレン又はC−C−アルキニレンである。
【0030】
Lは、特に好ましくは、直接結合であり、又は−CH−、−(CH−、−(CH−、−CH(Me)−、−CH(Me)CH−、−CHCH(Me)−、−CH(Me)CH(Me)−、−C(Me)CH−、−CH(Me)−(CH−、−CH(Me)−(CH−、−CH=CH−、−C(Me)=CH−若しくは−C=C−である。
【0031】
Lは、さらに特に好ましくは、−(CH−、−(CH−、−CH(Me)−、−CH(Me)CH−、−CH(Me)−(CH−、−CH(Me)−(CH−、−CH=CH−、−C(Me)=CH−又は−C≡C−である。
【0032】
及びRは互いに独立に、好ましくは、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル又はC−C−アルキルチオ−C−C−アルキルである。
【0033】
及びRは互いに独立に、特に好ましくは、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メチルチオメチル、エチルチオメチル、メチルチオエチル又はエチルチオエチルである。
【0034】
及びRは互いに独立に、さらに特に好ましくは、メチル、メトキシ、メトキシメチル又はメチルチオメチルである。
【0035】
及びRはとりわけ好ましくは各々メチルである。
【0036】
は、特に、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、フェニル又はベンジルである。
【0037】
は、特に好ましくは、メチル、エチル、n−若しくはイソプロピル、n−、sec−、イソ−若しくはtert−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−若しくはイソプロポキシ、n−、sec−、イソ−若しくはtert−ブトキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メチルチオメチル、エチルチオメチル、メチルチオエチル、エチルチオエチル、シクロプロピル、フェニル又はベンジルである。
【0038】
は、さらに特に好ましくは、メチル、エチル、n−若しくはイソプロピル、イソ−若しくはtert−ブチル、メトキシ、イソプロポキシ、イソ−若しくはtert−ブトキシ、メトキシメチル、メチルチオメチル又はフェニルである。
【0039】
は、とりわけ好ましくは、メチル、エチル、n−又はイソプロピル、イソ−又はtert−ブチル、メトキシ、イソプロポキシ、イソ−又はtert−ブトキシである。
【0040】
は最も好ましくはメチルである。
【0041】
は、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;各場合において1から13個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、ハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル、
(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−シクロアルキル)カルボニル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル;又は−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRである。
【0042】
4aは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−若しくはイソプロピル、n−、イソ−、sec−若しくはtert−ブチル、ペンチル又はヘキシル、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−若しくはイソプロピルスルフィニル、n−、イソ−、sec−若しくはtert−ブチルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−若しくはイソプロピルスルホニル、n−、イソ−、sec−若しくはtert−ブチルスルホニル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニル、トリフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメトキシメチル;ホルミル、−CH−CHO、−(CH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH、−(CH−CO−CH、−(CH−CO−CHCH、−(CH−CO−CH(CH、−CH−COCH、−CH−COCHCH、−CH−COCH(CH、−(CH−COCH、−(CH−COCHCH、−(CH−COCH(CH、−CH−CO−CF、−CH−CO−CCl、−CH−CO−CHCF、−CH−CO−CHCCl、−(CH−CO−CHCF、−(CH−CO−CHCCl、−CH−COCHCF、−CH−COCFCF、−CH−COCHCCl、−CH−COCClCCl、−(CH−COCHCF、−(CH−COCFCF、−(CH−COCHCCl、−(CH−COCClCCl
メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、シクロプロピルカルボニル;トリフルオロメチルカルボニル、トリフルオロメトキシカルボニル又は−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRである。
【0043】
は、さらに特に好ましくは、水素、メチル、メトキシメチル、ホルミル、−CH−CHO、−(CH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH、−C(=O)CHO、−C(=O)C(=O)CH、−C(=O)C(=O)CHOCH、−C(O)COCH、−C(=O)COCHCHである。
【0044】
はとりわけ好ましくは水素である。
【0045】
は、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルである。
【0046】
は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又はイソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−又はイソプロポキシ、tert−ブトキシ、メトキシメチル、シクロプロピル;トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシである。
【0047】
及びRは互いに独立に、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルである。
【0048】
また、RとRはそれらが結合している窒素原子と一緒に、好ましくは、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換から四置換されていてもよい、5又は6個の環原子を有する飽和複素環を形成し、該複素環は、酸素、硫黄及びNR10からなる群から選択される1又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含むことができる。
【0049】
及びRは互いに独立に、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又はイソプロピル、n−、イソ−、sec−又はtert−ブチル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル;トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロメトキシメチルである。
【0050】
また、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、特に好ましくは、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジンからなる群から選択される飽和複素環を形成し、該複素環は、フッ素、塩素、臭素及びメチルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換から四置換されていてもよく、ピペラジンは第2の窒素原子上でR10で置換することができる。
【0051】
及びRは互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキルである。
【0052】
また、RとRがそれらが結合している窒素原子と一緒に、好ましくは、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換又は多置換されていてもよい、5から6個の環原子を有する飽和複素環を形成し、該複素環は、酸素、硫黄及びNR10からなる群から選択される1又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含むことができる。
【0053】
及びRは互いに独立に、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又はイソプロピル、n−、イソ−、sec−又はtert−ブチル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル;トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロメトキシメチルである。
【0054】
また、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、特に好ましくは、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジンからなる群から選択される飽和複素環を形成し、該複素環は、フッ素、塩素、臭素及びメチルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換から四置換されていてもよく、ピペラジンは第2の窒素原子上でR10で置換することができる。
【0055】
10は好ましくは水素又はC−C−アルキルである。
【0056】
10は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又はイソプロピル、n−、イソ−、sec−又はtert−ブチルである。
【0057】
Aは、好ましくは、上記A1、A2、A5又はA7基の1個である。
【0058】
Aはさらに好ましくはA6、A10又はA11である。Aは特に好ましくはA1基である。
【0059】
Aはさらに特に好ましくはA2基である。
【0060】
Aはさらに特に好ましくはA5基である。
【0061】
Aはさらに特に好ましくはA6基である。
【0062】
Aはさらに特に好ましくはA7基である。
【0063】
Aはさらに特に好ましくはA10基である。
【0064】
Aはさらに特に好ましくはA11基である。
【0065】
11は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、シアノ、C−C−アルキル、各場合において1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ又はC−C−ハロアルキルチオである。
【0066】
11は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ又はトリクロロメチルチオである。
【0067】
11は、さらに特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又はトリクロロメチルである。
【0068】
11は、とりわけ好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである。
【0069】
12は好ましくはヨウ素である。
【0070】
12はさらに好ましくは塩素である。
【0071】
12はさらに好ましくはジクロロメチルである。
【0072】
13は、好ましくは、メチル、エチル又は1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキルである。
【0073】
13は、特に好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルである。
【0074】
13は、さらに特に好ましくは、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルである。
【0075】
14は、好ましくは、メチル、エチル又は1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキルである。
【0076】
14は、特に好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルである。
【0077】
14は、さらに特に好ましくは、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルである。
【0078】
14は、とりわけ好ましくは、メチル又はトリフルオロメチルである。
【0079】
15は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又は1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキルである。
【0080】
15は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル又はトリフルオロメチルである。
【0081】
16は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、C−C−アルキル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、各場合において1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル又はC−C−ハロアルコキシである。
【0082】
16は、特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリクロロメチルである。
【0083】
16は、さらに特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルである。
【0084】
17は、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピルである。
【0085】
17は、特に好ましくは、メチル又はエチルである。
【0086】
Xは好ましくはO(酸素)である。
【0087】
Xはさらに好ましくはS(硫黄)である。
【0088】
18は好ましくはヨウ素である。
【0089】
18はさらに好ましくはメチルである。
【0090】
また、式(I−1)の化合物が強調される。
【0091】
【化17】

(式中、R、L、R、R、R及びAは上で定義されたとおりである)
また、式(I−2)の化合物が強調される。
【0092】
【化18】

(式中、R、L、R、R、R、R4a及びAは上で定義されたとおりである)
4aは、好ましくは、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;各場合において1から13個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、ハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル、
(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−シクロアルキル)カルボニル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル;又は−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRであり、R、R、R、R及びRは上で定義されたとおりである。
【0093】
4aは、特に好ましくは、メチル、エチル、n−若しくはイソプロピル、n−、イソ−、sec−若しくはtert−ブチル、ペンチル又はヘキシル、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−若しくはイソプロピルスルフィニル、n−、イソ−、sec−若しくはtert−ブチルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−若しくはイソプロピルスルホニル、n−、イソ−、sec−若しくはtert−ブチルスルホニル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニル、トリフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメトキシメチル;ホルミル、−CH−CHO、−(CH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH、−(CH−CO−CH、−(CH−CO−CHCH、−(CH−CO−CH(CH、−CH−COCH、−CH−COCHCH、−CH−COCH(CH、−(CH−COCH、−(CH−COCHCH、−(CH−COCH(CH、−CH−CO−CF、−CH−CO−CCl、−CH−CO−CHCF、−CH−CO−CHCCl、−(CH−CO−CHCF、−(CH−CO−CHCCl、−CH−COCHCF、−CH−COCFCF、−CH−COCHCCl、−CH−COCClCCl、−(CH−COCHCF、−(CH−COCFCF、−(CH−COCHCCl、−(CH−COCClCCl
メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、シクロプロピルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、トリフルオロメトキシカルボニル又は−C(−O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRであり、R、R、R、R及びRは上で定義されたとおりである。
【0094】
4aは、さらに特に好ましくは、メチル、メトキシメチル、ホルミル、−CH−CHO、−(CH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH、−C(=O)CHO、−C(=O)C(=O)CH、−C(=O)C(=O)CHOCH、−C(=O)COCH、−C(=O)COCHCHである。
【0095】
また、式(I−3)の化合物が強調される。
【0096】
【化19】

(式中、R、R、R、R、R及びAは上で定義されたとおりである)
また、式(I−4)の化合物が強調される。
【0097】
【化20】

(式中、R、R、R、R、R及びAは上で定義されたとおりである)
アルキル、アルケニルなどの飽和又は不飽和炭化水素基は、例えばアルコキシ中などのヘテロ原子との組み合わせを含めて、可能であれば、各場合において直鎖又は分枝とすることができる。
【0098】
場合によっては置換されていてもよい基は一置換又は多置換することができ、多置換の場合には置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0099】
例えばハロアルキルなどのハロゲン置換された基はモノ又はポリハロゲン化される。ポリハロゲン化の場合には、ハロゲン原子は同一でも異なっていてもよい。ここで、ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素、特にフッ素、塩素及び臭素である。
【0100】
一般の基又は好ましい基の上記定義又は説明は、それぞれの範囲と好ましい範囲を所望のとおりに組み合わせることができる。これらの定義は、最終生成物と、それに対応して、前駆体及び中間体との両方に適用される。
【0101】
プロセス及び中間体の説明
プロセス(a)
例えば塩化2−クロロベンゾイル及び{2−[1−メチル−2−(トリメチルシリル)エチル]フェニル}アミンを出発材料として用いて、本発明によるプロセス(a)の過程は下記式スキームによって説明することができる。
【0102】
【化21】

【0103】
式(II)は、本発明によるプロセス(a)を実施するための出発材料として必要とされるカルボン酸誘導体の一般的定義である。この式(II)においては、Aは、好ましくは、特に好ましくは、さらに特に好ましくは、本発明による式(I)の化合物の説明に関連して、これらの基に対してそれぞれ好ましい、特に好ましい、さらに特に好ましいとしてすでに述べられた意味を有する。Xは好ましくは塩素、臭素又はヒドロキシルを指す。
【0104】
式(II)のカルボン酸誘導体は公知であり、及び/又は公知の方法によって得ることができる(国際公開第93/11117号、EP−A 0 545 099、EP−A 0 589 301、EP−A 0 589 313及びDE−A 103 25 439.0参照)。
【0105】
式(III)は、本発明によるプロセス(a)を実施するための出発材料としてさらに必要とされるアミンの一般的定義である。この式(III)においては、R、L、R、R、R及びRは、好ましくは、特に好ましくは、さらに特に好ましくは、本発明による式(I)の化合物の説明に関連して、これらの基に対してそれぞれ好ましい、特に好ましい、さらに特に好ましいとしてすでに述べられた意味を有する。
【0106】
式(III)のアミンは公知であり、及び/又は公知の方法によって得ることができる(国際公開第03/080628号及び調製実施例参照)。
【0107】
が水素ではない式(III)のアミンは、例えば式(III−a)のアミンを式(VIII)のハロゲン化物と反応させることによって得ることができる。[本発明によるプロセス(b)の反応条件がそれに応じて適用される]
【0108】
【化22】

(式中、R、L、R、R及びRは上で定義されたとおりである)
【0109】
【化23】

(式中、X及びR4aは上で定義されたとおりである)
【0110】
プロセス(b)
2−クロロ−N−{2−[1−メチル−2−(トリメチルシリル)エチル]フェニル}ベンズアミド及び塩化アセチルを出発材料として用いて、本発明によるプロセス(b)の過程は下記式スキームによって説明することができる。
【0111】
【化24】

【0112】
式(I−1)は、本発明によるプロセス(b)を実施するための出発材料として必要とされるシリル化カルボキサミドの一般的定義である。この式(I−1)においては、R、L、R、R、R、R及びAは、好ましくは、特に好ましくは、さらに特に好ましくは、本発明による式(I)の化合物の説明に関連して、これらの基に対してそれぞれ好ましい、特に好ましい、さらに特に好ましいとしてすでに述べられた意味を有する。
【0113】
式(I−1)の化合物は、本発明の化合物であり、プロセス(a)によって調製することができる。
反応条件
本発明によるプロセス(a)の実施に適切な希釈剤はすべての不活性有機溶媒である。これらは、好ましくは、例えば、石油エーテル、へキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリンなどの脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素;例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アニソールなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はi−ブチロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド;水又は純水とそれらの混合物などである。
【0114】
本発明によるプロセス(b)の実施に適切な希釈剤はすべての不活性有機溶媒である。これらは、好ましくは、例えば、石油エーテル、へキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリンなどの脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素;例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アニソールなどのエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミドなどである。本発明によるプロセス(a)は、妥当な場合には、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、すべての通常の無機又は有機塩基である。これらは、好ましくは、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウムなどのアルカリ土類金属又はアルカリ金属水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩などであり、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)などの第三級アミンなどである。
【0115】
本発明によるプロセス(b)は適切な塩基の存在下で実施される。適切な塩基は、すべての通常の無機又は有機塩基である。これらは、好ましくは、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ土類金属又はアルカリ金属水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩などであり、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)などの第三級アミンなどである。
【0116】
本発明によるプロセス(a)は、妥当な場合には、適切な縮合剤の存在下で実施される。適切な縮合剤は、かかるアミド化反応に通常使用されるすべての縮合剤である。ホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニルなどの酸ハロゲン化物形成剤(former);クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル、塩化メタンスルホニルなどの無水物形成剤;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などのカルボジイミド又は五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボニルジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなどの他の通常の縮合剤を例として挙げることができる。
【0117】
本発明によるプロセス(a)は、妥当な場合には、触媒の存在下で実施される。例としては、4−ジメチルアミノピリジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール又はジメチルホルムアミドを挙げることができる。
【0118】
本発明によるプロセス(a)を実施するときには、反応温度は比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、このプロセスは、0℃から150℃、好ましくは0℃から120℃、特に好ましくは10℃から80℃の温度で実施される。
【0119】
本発明によるプロセス(b)を実施するときには、反応温度は比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、このプロセスは、0℃から150℃、好ましくは20℃から110℃の温度で実施される。
【0120】
式(I)の化合物を調製するための本発明によるプロセス(a)を実施する場合には、式(II)のカルボン酸誘導体1モルにつき、式(III)のアミンの一般に0.8から15mol、好ましくは0.8から8mol及び酸結合剤の1から3molが使用される。
【0121】
本発明によるプロセス(b)を実施する場合には、式(I−1)のシリル化カルボキサミド1モルにつき、式(a)のハロゲン化合物の一般に0.2から5mol、好ましくは0.5から2molが使用される。
【0122】
特段の記載がない限り、本発明による全プロセスは一般に大気圧下で実施される。しかし、高圧又は低圧下、一般に0.1バール(10kPa)から10バール(1MPa)で操作することもできる。
【0123】
本発明の化合物は、強力な殺菌活性を有し、作物の保護及び材料の保護における真菌、細菌などの望ましくない微生物を抑制するために使用することができる。
【0124】
殺真菌剤は、作物の保護においてネコブカビ綱、卵菌綱、ツボカビ綱、接合菌綱、子嚢菌綱、担子菌綱及び不完全菌綱を抑制するために使用することができる。
【0125】
殺菌剤は、作物の保護においてシュードモナス科、リゾビウム科、腸内細菌科、コリネバクテリア科及びストレプトミセス科を抑制するために使用することができる。
【0126】
上記属名で分類される真菌性及び細菌性疾患を引き起こす一部の病原体を例としてあげることができるが、これらだけに限定されない。
【0127】
例えばザントモナス カンペストリス pv. オリゼエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae)などのザントモナス(Xanthomonas)種;
例えばシュードモナス シリンゲ pv. ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans)などのシュードモナス(Pseudomonas)種;
例えばエルウィニア アミロボーラ(Erwinia amylovora)などのエルウィニア(Erwinia)種;
例えばピシウム ウルチマム(Pythium ultimum)などのピシウム(Pythium)種;
例えばフィトフトラ インフェスタンス(Phytophthora infestans)などのフィトフトラ(phytophthora)種;
例えばシュードペロノスポラ フムリ(Pseudoperonospora humuli)、シュードペロノスポラ クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)などのシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)種;
例えばプラスモパラ ビチコラ(Plasmopara viticola)などのプラスモパラ種;
例えばブレミア ラクツカエ(Bremia lactucae)などのブレミア(Bremia)種;
例えばペロノスポラ ピシ(Peronospora pisi)、P.ブラシカエ(P. brassicae)などのペロノスポラ(Peronospora)種;
例えばエリシフェ グラミニス(Erysiphe graminis)などのエリシフェ(Erysiphe)種;
例えばスファエロセカ フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)などのスファエロセカ(Sphaerotheca)種;
例えばポドスファエラ ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)などのポドスファエラ種(Podosphaera)種;
例えばベンチュリア イナエクアリス(Venturia inaequalis)などのベンチュリア(Venturia)種;
例えばピレノフォラ テレス(Pyrenophora teres)、P.グラミネア(P.guraminea)などのピレノフォラ(Pyrenophora)種
(分生子の形態:ドレクスレラ、同義:ヘルミントスポリウム);
例えばコクリオボラス サティブス(Cochliobolus sativus)などのコクリオボラス(Cochliobolus)種
(分生子の形態:ドレクスレラ、同義:ヘルミントスポリウム);
例えばウロミセス アペンジクラタス(Uromyces appendiculatus)などのウロミセス(Uromyces)種;
例えばプクキニア レコンジタ(Puccinia recondita)などのプクキニア(Puccinia)種;
例えばスクレロチニア スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)などのスクレロチニア(Sclerotinia)種;
例えばティレチア カリエス(Tilletia caries)などのティレチア(Tilletia)種;
例えばウスチラゴ ヌダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴ アベナエ(Ustilago avenae)などのウスチラゴ(Ustilago)種;
例えばペリキュラリア ササキイ(Pellicularia sasakii)などのペリキュラリア(Pellicularia)種;
例えばピリキュラリア オリザエ(Pyricularia oryzae)などのピリキュラリア(Pyricularia)種;
例えばフザリウム カルモラム(Fusarium culmorum)などのフザリウム(Fusarium)種;
例えばボトリティス シネレア(Botrytis cinerea)などのボトリティス(Botrytis)種;
例えばセプトリア ノドラム(Septoria nodorum)などのセプトリア(Septoria)種;
例えばレプトスファエリア ノドラム(Leptosphaeria nodorum)などのレプトスファエリア(Leptosphaeria)種;
例えばセルコスポラ カネセンス(Cercospora canescens)などのセルコスポラ(Cercospora)種;
例えばアルテルナリア ブラシカエ(Alternaria brassicae)などのアルテルナリア(Alternaria)種;及び
例えばシュードセルコスポレラ ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)などのシュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)種。
【0128】
例えばリゾクトニア ソラニ(Rhizoctonia solani)などのリゾクトニア(Rhizoctonia)種。
【0129】
本発明の活性化合物は、植物において強力な強化作用も示す。したがって、本発明の活性化合物は、望ましくない微生物による攻撃に対する植物内部の防御を動員するのに適切である。
【0130】
本明細書において、植物強化(耐性誘導)化合物とは、処理を施された植物が、処理後に望ましくない微生物を接種されたときに、これらの微生物に対して実質的な耐性を示すように、植物の防御系を刺激することができる物質を意味するものと理解される。
【0131】
本明細書において、望ましくない微生物とは、植物病原性の真菌、細菌及びウイルスを意味するものと理解される。したがって、本発明の化合物は、処理後に、前記病原体による攻撃から植物を一定期間防御するために使用することができる。防御期間は、一般に、本活性化合物による植物の処理後1日から10日、好ましくは1日から7日である。
【0132】
本活性化合物は、植物の病気を抑制するために必要とされる濃度で植物が十分な耐容性を示すことから、植物の地上部分、繁殖株及び種子並びに土壌の処理が可能である。
【0133】
本発明の活性化合物は、例えばプクキニア種に対してなど穀類の病気を抑制するのに、また、例えばボトリティス、ベンチュリア又はアルテルナリア種に対してなどブドウ栽培、果実栽培及び野菜栽培における病気を抑制するのに特に良好な結果で使用することができる。
【0134】
本発明の活性化合物は作物の収率向上にも適切である。また、本発明の活性化合物は毒性が低く、植物の耐容性が良好である。
【0135】
本発明の活性化合物は、妥当な場合には、ある濃度及び散布量で、除草剤として、植物の成長を調節するために、また、有害動物を抑制するために使用することもできる。本発明の活性化合物は、妥当な場合には、他の活性化合物の合成における中間体又は前駆体として使用することもできる。
【0136】
本発明によれば、すべての植物及び植物の部分を処理することができる。本明細書では植物とは、望ましい野草、望ましくない野草、(天然作物を含めた)作物などのすべての植物及び植物群を意味すると理解される。作物は、トランスジェニック植物及び植物育種家の権利によって保護され得る若しくは保護され得ない植物品種を含めて、従来の品種改良と最適化法によって、生物工学的方法及び遺伝子工学的方法によって、又はこれらの方法の組み合わせによって取得できる植物とすることができる。植物の部分とは、芽、葉、花、根などの地上及び地下にある植物のあらゆる部分及び器官を意味するものと理解され、その例としては、葉、針葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種を挙げることができ、根、塊茎、地下茎を挙げることもできる。植物の部分には、採取された物質、栄養繁殖物質及び生殖物質、例えば、実生、塊茎、地下茎、切り枝及び種も含まれる。
【0137】
本活性化合物を用いた本発明による植物及び植物の部分の処理は、直接実施され、又は通常の処理法、例えば、浸漬、噴霧、蒸発、微粒化、散布、ブラッシングによって、増殖物質の場合、特に種子の場合には、さらに単層若しくは多層コーティングによって、それらの環境、生育地若しくは保存場所に作用させることにより実施される。
【0138】
材料の保護においては、本発明の化合物は、望ましくない微生物による感染及び破壊から工業材料を保護するために使用することができる。
【0139】
本明細書における工業材料とは、工業で使用するために調製された非生物材料を意味すると理解される。例えば、微生物による変化又は破壊から本発明の活性化合物によって保護しようとされる工業材料は、粘着付与剤、サイズ、紙及びボール紙、布地、皮革、木、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑剤並びに微生物に感染され又は微生物によって破壊され得る他の材料とすることができる。生産工場の一部、例えば、微生物の増殖によって損傷され得る冷却水路も、保護すべき材料の範囲内とすることができる。本発明の範囲内とすることができる工業材料は、好ましくは、粘着付与剤、サイズ、紙及びボール紙、皮革、木、塗料、冷却用潤滑剤並びに熱媒液であり、特に好ましくは木である。
【0140】
工業材料を分解又は変化させることができる微生物は、例えば、細菌、真菌、酵母、藻類及び粘液生物(slime organism)である。本発明の活性化合物は、好ましくは、真菌、特にカビ、木材脱色及び木材破壊真菌(担子菌綱)並びに粘液生物及び藻類に対して作用する。
【0141】
以下の属の微生物を例として挙げることができる。
【0142】
アルテルナリア テニュイス(Alternaria tenuis)などのアルテルナリア属、
アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)などのアスペルギルス属、
ケトミウム グロボサム(Chaetomium globosum)などのケトミウム属、
カニオフォラ プエタナ(Coniophora puetana)などのカニオフォラ属、
レンチナス チグリヌス(Lentinus tigrinus)などのレンチナス属、
ペニシリウム グラウカム(Penicillium glaucum)などのペニシリウム属、
ポリポラス バージカラー(Polyporus versicolor)などのポリポラス属、
オーレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)などのオーレオバシジウム属、
スクレロフォーマ ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila)などのスクレロフォーマ属、
トリコデルマ ビリデ(Trichoderma viride)などのトリコデルマ属、
エシェリキア コリ(Escherichia coli)などのエシェリキア属、
シュードモナス エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)などのシュードモナス属、及び
スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus)などのスタフィロコッカス属。
【0143】
活性化合物は、それらの個々の物理的及び/又は化学的諸性質に応じて、溶液、乳濁液、懸濁液、粉末、泡、ペースト、顆粒、エアゾール、シード用高分子物質中及びコーティング組成物中のマイクロカプセル並びにULV冷及び温噴霧剤などの通常の製剤に転化することができる。
【0144】
これらの製剤は公知の方法で、例えば、活性化合物を増量剤、すなわち液体溶媒、加圧液化ガス及び/又は固体担体と混合し、界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤、及び/又は発泡剤を場合によっては使用することによって製造される。使用される増量剤が水の場合には、補助溶媒として例えば有機溶媒を使用することもできる。基本的に、適切な液体溶媒は、キシレン、トルエン、アルキルナフタレンなどの芳香族化合物、クロロベンゼン、クロロエチレン、塩化メチレンなどの塩素化芳香族化合物若しくは塩素化脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、パラフィンなどの脂肪族炭化水素、例えば、石油留分、ブタノール、グリコールなどのアルコール並びにそれらのエーテル及びエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの強い極性溶媒又は水である。液化ガス状増量剤又は担体とは、標準温度及び大気圧下においてガス状である液体、例えば、ハロゲン化炭化水素などのエアゾール噴霧剤又はブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素を意味すると理解される。適切な固相担体は、例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モントモリロナイト、けい藻土などの土壌の天然鉱物及び微粉シリカ、アルミナ、シリカートなどの土壌の合成鉱物である。顆粒に適した固相担体は、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、ドロマイトなどの粉砕、分級された天然の岩又は無機及び有機粗びき粉の合成顆粒並びにおがくず、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸、タバコの茎などの有機材料の顆粒である。適切な乳化剤及び/又は発泡剤は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホナート、硫酸アルキル、アリールスルホナート、タンパク水解物などの非イオン性及び陰イオン性乳化剤である。適切な分散剤は、例えば、リグノサルファイト廃液及びメチルセルロースである。
【0145】
カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなど粉末、顆粒又はラテックスの形の天然及び合成ポリマー、ケファリン及びレシチンなどの天然リン脂質、合成リン脂質などの粘着付与剤を前記製剤に使用することができる。他の可能な添加物は鉱物及び植物油である。
【0146】
無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー、アリザリン染料、アゾ染料、金属フタロシアニン染料などの有機染料などの着色剤並びに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の各塩などの微量栄養素を使用することが可能である。
【0147】
前記製剤は、一般に、活性化合物の0.1から95重量%、好ましくは0.5から90%を含む。
【0148】
本発明の活性化合物はそのまま又は製剤中で、例えば、活性スペクトルを広げるため又は耐性の発生を防止するために、公知の殺真菌剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物として使用することもできる。多くの場合において相乗効果が得られ、すなわち、混合物の活性は個々の成分の活性よりも大きい。
【0149】
適切な混合成分は、例えば以下の化合物である。
殺真菌剤:
2−フェニルフェノール;8−ヒドロキシキノリン硫酸塩;アシベンゾラル−S−メチル;アルジモルフ;アミドフルメト;アンプロピルフォス(ampropylfos);アンプロピルフォス−カリウム(ampropylfos−potassium);アンドプリム(andoprim);アニラジン;アザコナゾール;アゾキシストロビン;ベナラキシル;ベノダニル;ベノミル;ベンチアバリカルブ−イソプロピル;ベンズアマクリル(benzamacril);ベンズアマクリル−イソブチル(benzamacril−isobutyl);ビラナフォス(bilanafos);ビナパクリル;ビフェニル;ビテルタノール;ブラスチシジン−S;ブロムコナゾール;ブピリメート;ブチオベート;ブチルアミン;多硫化カルシウム;カプシマイシン(capsimycin);カプタホール;キャプタン;カルベンダジム;カルボキシン;カルプロパミド;カルボン;キノメチオネート;クロベンチアゾン(chlobenthiazone);クロルフェナゾール(chlorfenazole);クロロネブ;クロロタロニル;クロゾリネート;クロジラコン;シアゾファミド;シフルフェナミド;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;シプロフラム;ダガーG(Dagger G);デバカルブ(debacarb);ジクロフルアニド;ジクロン;ジクロロフェン;ジクロシメット;ジクロメジン;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフルメトリム;ジメチリモール;ジメトモルフ;ジモキシストロビン;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジピリチオン;ジタリムホス;ジチアノン;ドジン;ドラゾキソロン;エジフェンホス;エポキシコナゾール;エタボキサム;エチリモール;エトリジアゾール;ファモキサドン;フェナミドン;フェナパニル(fenapanil);フェナリモル;フェンブコナゾール;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェニトロパン(fenitropan);フェノキサニル;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;フェルバム;フルアジナム;フルベンジミン;フルジオキソニル;フルメトバー(flumetover);フルモルフ(flumorph);フルオルイミド;フルオキサストロビン;フルキンコナゾール;フルルプリミドール;フルシラゾール;フルスルファミド;フルトラニル;フルトリアホール;ホルペット;ホセチル−Al;ホセチル−ナトリウム;フベリダゾール;フララキシル;フラメトピル;フルカルバニル;フルメシクロックス;グアザチン;ヘキサクロロベンゼン;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;イミノクタジントリアセタート;イミノクタジントリス(アルベシル)(iminoctadine tris(albesil));ヨードカルブ(iodocarb);イプコナゾール;イプロベンホス;イプロジオン;イプロバリカルブ;イルママイシン;イソプロチオラン;イソバレジオン(isovaledione);カスガマイシン;クレソキシムメチル;マンコゼブ;マネブ;メフェリムゾン;メパニピリム;メプロニル;メタラキシル;メタラキシル−M;メトコナゾール;メタスルホカルブ;メトフロキサム;メチラム;メトミノストロビン;メトスルフォバックス;ミルディオマイシン;ミクロブタニル;ミクロゾリン;ナタマイシン;ニコビフェン(nicobifen);ニトロタールイソプロピル;ノビフルムロン;ヌアリモル;オフレース;オリサストロビン;オキサジキシル;オキソリン酸;オキスポコナゾール;オキシカルボキシン;オキシフェンチイン(oxyfenthiin);パクロブトラゾール;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;ホスダイフェン;フタリド;ピコキシストロビン;ピペラリン;ポリオキシン;ポリオキソリム(polyoxorim);プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;プロパノシン−ナトリウム(propanosine−sodium);プロピコナゾール;プロピネブ;プロキナジド;プロチオコナゾール;ピラクロストロビン;ピラゾホス;ピリフェノックス;ピリメタニル;ピロキロン;ピロキシファー(pyroxyfur);ピロールニトリン;キンコナゾール(quinconazole);キノキシフェン;キントゼン;シメコナゾール;スピロキサミン;硫黄;テブコナゾール;テクロフタラム;テクナゼン;テトシクラシス;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チシオフェン;チフルザミド;チオファネートメチル;チラム;チオキシミド(tioxymid);トルクロホスメチル;トリルフルアニド;トリアジメホン;トリアジメノール;トリアズブチル(triazbutil);トリアゾキシド(triazoxide);トリシクラミド(tricyclamide);トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフロキシストロビン;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;ウニコナゾール(uniconazole);バリダマイシン A;ビンクロゾリン;ジネブ;ジラム;ゾキサミド;(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタナミド;1−(1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン;2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン;2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド;2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル−3−ピリジンカルボキサミド;3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル;アクチノベート(actinovate);シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)シクロヘプタノール;メチル1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート;炭酸モノカリウム;N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド;N−ブチル−8−(1,1−ジメチルエチル)−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−アミン;テトラチオ炭酸ナトリウム;並びにボルドー液;水酸化銅;ナフテン酸銅、オキシ塩化銅;硫酸銅;クフラネブ;酸化銅;マンコッパー;オキシン銅などの銅塩及び調製物。
殺菌剤:
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及びその他の銅調製物。
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アバメクチン、ABG−9008、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アセトプロール、アクリナトリン、AKD−1022、AKD−3059、AKD−3088、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アレスリン、アレスリン1R−異性体、アルファ−シペルメトリン(アルファメトリン)、アミドフルメト、アミノカルブ、アミトラズ、アベルメクチン、AZ−60541、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホスメチル、アジンホスエチル、アゾシクロチン、バチルス ポピリエ(Bacillus popilliae)、バチルス スフェリカス(Bacillus sphaericus)、バチルス サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス チューリンゲンシス系統EG−2348、バチルス チューリンゲンシス系統GC−91、バチルス チューリンゲンシス系統NCTC−11821、バキュロウイルス、ボーベリア バッシアナ(Beauveria bassiana)、ボーベリア テネラ(Beauveria tenella)、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメート、ベータ−シフルトリン、ベータ−シペルメトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビナパクリル、ビオアレトリン、ビオアレトリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン(biopermethrin)、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、BPMC、ブロフェンプロックス(brofenprox)、ブロモホス−エチル、ブロモプロピラート、ブロムフェンビンホス(−メチル)(bromfenvinfos(−methyl))、BTG−504、BTG−505、ブフェンカルブ(bufencarb)、ブプロフェジン、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、ブチルピリダベン、カズサホス、カンフェクロル、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、CGA−50439、キノメチオネート、クロルデン、クロルジメホルム、クロエトカルブ、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロルプロキシフェン(chlorproxyfen)、クロルピリホスメチル、クロルピリホス(−エチル)、クロバポルスリン(chlovaporthrin)、クロマフェノジド、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロチアニジン、クロチアゾベン(clothiazoben)、コドレモン(codlemone)、クマホス(coumaphos)、シアノフェンホス、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン、コドリンガ(Cydia pomonella)、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン(1R−トランス−異性体)、シロマジン、DDT、デルタメトリン、デメトン−s−メチル、デメトン−s−メチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジコホール、ジクロトホス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジノブトン、ジノカップ、ジノテフラン、ジオフェノラン、ジスルホトン、ドキュセートナトリウム、ドフェナピン(dofenapyn)、DOWCO−439、エフルシラナート(eflusilanate)、エマメクチン、エマメクチンベンゾアート、エムペントリン(1R−異性体)、エンドスルファン、エントモプソラ(Entomopthora)種、EPN、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチプロール、エチオン、エトプロホス、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェンフルスリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド、フェンピリトリン、フェンピロキシメート、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェントリファニル(fentrifanil)、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルアクリピリム、フルアズロン、フルベンジミン、フルブロシスリナート(flubrocythrinate)、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルピラゾホス、フルテンジン(flutenzin)(フルフェンジン(flufenzine))、フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホルモチオン、ホスメチラン(fosmethilan)、ホスチアゼート、フブフェンプロックス(fubfenprox)(フルプロキシフェン)(fluproxyfen))、フラチオカルブ(furathiocarb)、ガンマ−HCH、ゴッシープルレ(gossyplure)、グランドルレ(grandlure)、グラニュローシスウイルス、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド(halofenozide)、HCH、HCN−801、へプテノホス、フキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン(hydramethylnone)、ハイドロプレン、IKA−2002、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードフェノホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソキサチオン、イベルメクチン、ジャポニルレ(japonilure)、カデトリン、核多角体病ウイルス、キノプレン、ラムダ−シハロトリン、リンデン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メスルフェンホス、メタアルデヒド、メタムナトリウム、メタクリホス、メタミドホス、メタリジウム アニソプリエ、メタリジウム フラボビリド(Metharhizium flavoviride)、メチダチオン、メチオカルブ、メトミル、メトプレン、メトキシクロール、メトキシフェノジド、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、ミルベメクチン、ミルベマイシン、MKI−245、MON−45700、モノクロトホス、モキシデクチン、MTI−800、ナレド、NC−104、NC−170、NC−184、NC−194、NC−196、ニクロサミド、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、NNI−0001、NNI−0101、NNI−0250、NNI−9768、ノバルロン、ノビフルムロン、OK−5101、OK−5201、OK−9601、OK−9602、OK−9701、OK−9802、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、ペキロマイセス フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、パラチオンメチル、パラチオン(−エチル)、ペルメトリン(シス−、トランス−)、石油、PH−6045、フェノトリン(1R−trans 異性体)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ(phosphocarb)、ホキシム、ピペロニルブトキシド、ピリミカルブ、ピリミホスメチル、ピリミホスエチル、プラレトリン、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパホス、プロパルギット、プロペタンホス、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンビュート(protrifenbute)、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメトリン(pyresmethrin)、ピレトラム、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリダチオン(pyridathion)、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キナルホス、レスメトリン、RH−5849、リバビリン、RU−12457、RU−15525、S−421、S−1833、サリチオン、セブホス(sebufos)、SI−0009、シラフルオフェン、スピノサド、スピロディクロフェン、スピロメシフェン、スルフルラミド(sulphluramid)、スルホテップ、スルプロホス、SZI−121、タウ−フルバリネート、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テミビンホス、ターバム、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラジホン、テトラメトリン、テトラメトリン(1R−異性体)、テトラサル、シータ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チアプロニル(thiapronil)、チアトリホス(thiatriphos)、シュウ酸水素チオシクラム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオサルタップ−ナトリウム(thiosultap−sodium)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、トルフェンピラド、トラロシトリン(tralocythrin)、トラロメトリン、トランスフルスリン、トリアラセン(triarathene)、トリアザメート(triazamate)、トリアゾホス、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン(trichlophenidine)、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、ベルブチン(verbutin)、バーティシリウム レカニ(Verticillium lecanii)、WL−108477、WL−40027、YI−5201、YI−5301、YI−5302、XMC、キシリルカルブ、ZA−3274、ゼータ−シペルメトリン、ゾラプロホス(zolaprofos)、ZXI−8901、化合物3−メチルフェニル−プロピルカルバメート(ツマサイドZ))、化合物3−(5−クロロ−3−ピリジニル)−8−(2,2,2−トリフルオロエチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]−オクタン−3−カルボニトリル(CAS−Reg. No.185982−80−3)及び対応する3−エンド−異性体(CAS−Reg. No.185984−60−5)(国際公開第96/37494号、同98/25923号参照)並びに殺虫剤として有効な植物抽出物、線虫、真菌又はウイルスを含有する調製物。
【0150】
除草剤などの他の公知活性化合物との混合物、又は肥料及び成長調節物質、毒性緩和剤及び/又は信号化学物質との混合物も可能である。
【0151】
さらに、本発明による式(I)の化合物は、きわめて良好な抗真菌活性も有する。本発明による一般式(I)の化合物は、特に、皮膚糸状菌及び酵母、カビ及び二相性真菌(例えば、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ グラブラータ(Candida glabrata)などのカンジダ種に対して)並びにエピデルモフィトン フロッコーズム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス フミガーツス(Aspergillus fumigatus)などのアスペルギルス種、トリコフィトン メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)などのトリコフィトン種、マイクロスポロン カニス(Microsporon canis)、マイクロスポロン オードアン(Microsporon audouinii)などのマイクロスポロン種に対して、きわめて広い抗真菌活性スペクトルを有する。これらの真菌のリストは、網羅され得る真菌スペクトルを決して限定するものではなく、単なる例示にすぎない。
【0152】
本活性物質は、そのまま、それらの製剤の形又はすぐに使用できる溶液、懸濁液、水和剤、ペースト、可溶性粉末、粉剤、顆粒などのそれらから調製される使用剤形(use form)として使用することができる。適用は、通常の方法、例えば、かん水、噴霧、微粒化、散布、散布、発泡、拡散などによって実施される。また、超低体積法(ultra−low volume method)によって活性化合物を適用し、又は活性化合物調製物若しくは活性化合物自体を土壌中に注入することもできる。植物の種子を処理することもできる。
【0153】
本発明の活性化合物を殺真菌剤として使用するときには、適用の種類に応じて、散布量は比較的広範囲に変わり得る。植物の各部分を処理する場合には、本活性化合物の散布量は、一般に0.1から10,000g/ha、好ましくは10から1,000g/haである。種子粉衣の場合には、本活性物質の散布量は、一般に0.001から50g/kg種子、好ましくは0.01から10g/kg種子である。土壌を処理する場合には、本活性化合物の散布量は、一般に0.1から10,000g/ha、好ましくは1から5,000g/haである。
【0154】
上述したように、全植物及びそれらの部分を本発明によって処理することができる。好ましい実施形態においては、野草種及び植物栽培品種又は異種交配、原形質体融合などの従来の生物学的育種によって得られたもの並びにそれらの部分が処理される。さらに好ましい実施形態においては、従来の方法と妥当な場合には組み合わせられた遺伝子工学によって得られるトランスジェニック植物及び植物栽培品種(遺伝子改変生物)並びにそれらの部分が処理される。「部分」又は「植物の部分」又は「植物部分」という用語は上で説明された。
【0155】
特に好ましくは、それぞれ市販され又は使用されている植物栽培品種の植物が本発明に従って処理される。植物栽培品種とは、従来の品種改良、突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られた新しい諸特性(「形質」)を有する植物を意味すると理解される。これらは、植物栽培品種、変種、生物型又は遺伝子型とすることができる。
【0156】
本発明による処理は、植物種又は植物栽培品種、それらの場所及び栽培条件(土壌、天候、生育期、飼料)に応じて超加法的(「相乗」)効果をもたらすこともできる。したがって、例えば、実際に予想された効果を上回って、散布量の減少及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は本発明に従って使用することができる物質及び組成物の活性の増加、植物のより良好な成長、高温又は低温に対する耐性の増加、渇水、含水量又は土壌塩分に対する耐性の増加、開花能の向上、採取の簡易化、成熟の加速、収穫高の増大、収穫産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、収穫産物の貯蔵安定性及び/又は加工性の向上が可能である。
【0157】
本発明によって好ましく処理されるトランスジェニック植物又は植物栽培品種(すなわち、遺伝子工学によって得られるもの)としては、遺伝子改変において、これらの植物に特に有利で有用な諸特性(「形質」)を付与する遺伝物質が与えられた全ての植物が挙げられる。かかる諸特性の例は、植物のより良好な成長、高温又は低温に対する耐性の増加、渇水、含水量又は土壌塩分に対する耐性の増加、開花能の向上、採取の簡易化、成熟の加速、収穫高の増大、収穫産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、収穫産物の貯蔵安定性及び/又は加工性の向上である。かかる諸特性のさらに特に強調される例は、昆虫、ダニ、植物病原性真菌、細菌及び/又はウイルスなどの有害動物や有害微生物に対する植物の防御力の向上であり、除草活性を有するある種の化合物に対する植物の耐性の増加でもある。トランスジェニック植物の例としては、穀物(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、アブラナ、(リンゴ、セイヨウナシ、かんきつ類の果物、ブドウがなる)果実植物などの重要な作物を挙げることができ、特に、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びアブラナである。重視される形質は、特に、植物中で形成される毒素、特に、バチルス チューリンゲンシス由来の遺伝物質によって(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組み合わせによって)植物中で形成される毒素による昆虫、クモ類、線虫及びナメクジ類及びカタツムリに対する植物の防御力の増大である(以下、「Bt植物」と称する)。同じく特に重視される形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン、エリシター及び耐性遺伝子並びに対応して発現されたタンパク質及び毒素による真菌、細菌及びウイルスに対する植物の防御力の増大である。さらに特に重視される形質は、除草活性を有するある種の化合物、例えば、イミダゾリノン、スルホニル尿素、グリホサート又はホスフィノトリシンに対する植物の耐性の増大である(例えば、「PAT」遺伝子)。目的とする所望の形質を付与する遺伝子は、トランスジェニック植物中で相互に組み合わせて存在することもできる。「Bt植物」の例としては、YIELD GARD(登録商標)(例えばトウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えばトウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えばトウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商品名で販売されているトウモロコシの変種、ワタの変種、ダイズの変種及びジャガイモの変種を挙げることができる。除草剤耐性植物としては、Roundup Ready(登録商標)(グリホサートに対する耐性、例えばトウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えばアブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン類に対する耐性)及びSTS(登録商標)(スルホニル尿素に対する耐性、例えばトウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシの変種、ワタの変種及びダイズの変種を挙げることができる。除草剤抵抗性植物(除草剤耐性を与えるために従来の方式で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)の商品名で販売されている変種が挙げられる。これらの記述は、これらの遺伝的形質若しくは開発中の遺伝的形質を有する植物栽培品種、又は将来開発され及び/又は上市される植物栽培品種についても当てはまる。
【0158】
列挙された前記植物は、本発明による一般式(I)の化合物又は活性化合物混合物を用いて特に有利な方法で本発明に従って処理することができる。活性化合物又は混合物に対して上述された好ましい範囲は、これらの植物の処理についても当てはまる。本明細書に明記されている化合物又は混合物による植物の処理は特に重要である。
【0159】
本発明の活性化合物の調製及び使用は以下の例によって説明される。
調製例
(例1)
【0160】
【化25】

【0161】
2−(2−トリメチルシリルエチル)フェニルアミン425mg(2.2mmol)及び2−ブロモ−塩化ベンゾイル438mg(2.0mmol)をアセトニトリル20mlに溶解し、炭酸カリウム332mg(2.4mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで水20mlを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を除去し、シリカゲル60(移動相:塩化メチレン)上のカラムクロマトグラフィー精製にかけて、2−ブロモ−N−[2−(2−トリメチルシリルエチル)フェニル]ベンズアミド405mg(理論値の54%)を得た[logP(pH2.3)=4.32]。
【0162】
下記表1に記載された式(I)の化合物も、例1と同様に、本発明の調製プロセス(a)及び(b)の一般的記述中の指示に従って得られた。
表1
【0163】
【化26】

【0164】
【表1】



【0165】
式(III)の出発材料の調製
(例(III−1))
【0166】
【化27】

【0167】
アニリン17.7g(0.19mol)、アリルトリメチルシラン50g(0.44mol)、塩化アルミニウム1.5g(0.01mol)及びアルミニウム粉末0.5g(0.02mol)を混合し、オートクレーブ中で255℃で10時間撹拌した。室温に冷却後、最初にトルエン100ml、次いで40%NaOH水溶液40ml及び水100mlを添加し、混合物を35℃で15分間撹拌した。冷却後、混合物をトルエンで抽出し、抽出物を水で洗浄し、炭酸カリウムで脱水し、溶媒を減圧除去した。蒸留(55℃から60℃、0.08mbar(8Pa))して、2−(1−メチル−2−トリメチルシリルエチル)フェニルアミン1.4gを得た[logP(pH2.3)=3.05]。
【0168】
(例(III−2))
段階1
【0169】
【化28】

【0170】
オルソ−ブロモニトロベンゼン4g(20mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)842mg(1.2mmol)及びヨウ化銅(I)230mg(1.2mmol)をアルゴン下でトリエチルアミン40mlに最初に仕込んだ。次いで、トリメチルシリルアセチレン2.95g(30mmol)を室温で10分間滴下し、混合物を室温で2日間撹拌した。反応混合物を水50mlに注ぎ、それぞれジエチルエーテル50mlで3回抽出し、抽出物を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。シリカゲル60(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル3:1)上でカラムクロマトグラフィー精製して、トリメチル−(2−ニトロフェニル−エチニル)シラン4.2g(理論値の96%)を得た[logP(pH2.3)=4.12]。
段階2
【0171】
【化29】

【0172】
トリメチル−(2−ニトロフェニルエチニル)シラン10.9g(50mmol)をメタノール200mlに溶解し、炭素担持パラジウム(5%)0.5gを添加した。次いで、混合物をオートクレーブ中で4bar(0.4MPa)で12時間水素化した。溶媒を除去し、シリカゲル60(移動相:塩化メチレン)上のカラムクロマトグラフィー精製にかけて、2−(2−トリメチルシリルエチル)フェニルアミン4.1gを得た[logP(pH2.3)=2.58]。
【0173】
示したlogP値は、EEC Directive 79/831 Annex V.A8に従って逆相カラム(C18)を用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって測定された。温度:43℃。
【0174】
酸性範囲(pH2.3)における測定用移動相:0.1%リン酸水溶液、アセトニトリル;10%アセトニトリルから90%アセトニトリルの線形勾配。
【0175】
較正は、logP値(2個の連続したアルカノン間を線形補間した保持時間によるlogP値の測定)が既知の非分枝アルカン−2−オン(3から16炭素原子)を用いて実施された。
【0176】
λmax値は、クロマトグラフィーのシグナルの最大値において200nmから400nmのUVスペクトルを用いて測定された。
使用例
(例A)
ベンチュリア試験(リンゴ)/防御性
溶媒:アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な調製物を製造するために、活性化合物1重量部を溶媒及び乳化剤の上記量と混合し、濃縮物を所望の濃度に水で希釈する。
【0177】
防御活性を試験するために、若い植物に活性化合物調製物を上記散布量で噴霧する。噴霧コーティングを乾燥させた後、リンゴ病原体ベンチュリア イナエクアリスの分生子水懸濁液を植物に接種し、次いで約20℃及び100%相対大気湿度のインキュベーション室に1日放置する。
【0178】
次いで、植物を約21℃及び約90%相対大気湿度の温室に置く。
【0179】
評価は、接種から10日後に実施される。0%は対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は感染が観測されないことを意味する。
表A
ベンチュリア試験(リンゴ)/防御性
【0180】
【表2】


【0181】
(例B)
スファエロセカ試験(キュウリ)/防御性
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド49重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な調製物を製造するために、活性化合物1重量部を溶媒及び乳化剤の上記量と混合し、濃縮物を所望の濃度に水で希釈する。
【0182】
防御活性を試験するために、若いキュウリに活性化合物調製物を上記散布量で噴霧する。処理から1日後、植物にスファエロセカ フリギネアの胞子懸濁液を接種する。次いで、植物を70%相対大気湿度及び約23℃の温室に置く。
【0183】
評価は、接種から7日後に実施される。0%は対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は感染が観測されないことを意味する。
表B
スファエロセカ試験(キュウリ)/防御性
【0184】
【表3】

【0185】
(例C)
プクキニア試験(コムギ)/防御性
溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド50重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な調製物を製造するために、活性化合物1重量部を溶媒及び乳化剤の示した量と混合し、濃縮物を所望の濃度に水で希釈する。
【0186】
防御活性を試験するために、若い植物に活性化合物調製物を上記散布量で噴霧する。噴霧コーティングを乾燥させた後、プクキニア レコンジタの分生子懸濁液を植物に噴霧する。植物を20℃及び100%相対大気湿度のインキュベーション室に48時間放置する。
【0187】
次いで、植物を約20℃及び相対大気湿度80%の温室において、サビ病のいぼ(rust pustule)の発生を促進する。
【0188】
評価は、接種から10日後に実施される。0%は対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は感染が観測されないことを意味する。
表C
プクキニア試験(コムギ)/防御性
【0189】
【表4】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のシリル化カルボキサミド。
【化1】

(式中、
Rは、水素、フッ素、塩素、メチル、イソプロピル、メチルチオ又はトリフルオロメチルを表し、
Lは直接結合を表し、又は各場合において場合によっては置換されていてもよい直鎖若しくは分枝アルキレン(アルカンジイル)、アルケニレン(アルケンジイル)若しくはアルキニレン(アルキンジイル)を表し、
及びRは互いに独立に水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル又はC−C−ハロアルキルを表し、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−シクロアルキルを表し、又は各場合において場合によっては置換されていてもよいフェニル若しくはフェニルアルキルを表し、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;各場合において1から13個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、ハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、ハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル、
(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−シクロアルキル)カルボニル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル;又は−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表し、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
及びRは互いに独立に各々、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、C−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
また、RとRはそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲン及びC−Cアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換又は多置換されていてもよい、5から8個の環原子を有する飽和複素環を形成し、該複素環は、酸素、硫黄及びNR10からなる群から選択される1又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含むことができ、
及びRは互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキルであり、
また、RとRはそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲン及びC−Cアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換又は多置換されていてもよい、5から8個の環原子を有する飽和複素環を形成し、該複素環は、酸素、硫黄及びNR10からなる群から選択される1又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含むことができ、
10は水素又はC−C−アルキルを表し、
Aは式(A1)の基を表し、
【化2】

(式中、R11は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C−C−アルキル、各場合において1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ又はC−C−ハロアルキルチオを表す。)
又は
Aは式(A2)の基を表し、
【化3】

(式中、R12は塩素、ヨウ素又はジクロロメチルを表す。)
又は
Aは式(A3)の基を表し、
【化4】

(式中、R13はC−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aは式(A4)の基を表し、
【化5】

(式中、R13は、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aは式(A5)の基を表し、
【化6】

(式中、R14は、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aは式(A6)の基を表し、
【化7】

(式中、R15は、水素、ハロゲン、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aは式(A7)の基を表し、
【化8】

(式中、R16は、ハロゲン、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、各場合において1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ又はC−C−ハロアルコキシを表す。)
又は
Aは式(A8)の基を表し、
【化9】

(式中、R17はC−C−アルキルを表す。)
又は
Aは式(A9)の基を表し、
【化10】

又は
Aは式(A10)の基を表し、
【化11】

(式中、XはO(酸素)又はS(硫黄)を表す。)
又は
Aは式(A11)の基を表す。)
【化12】

(式中、XはO(酸素)又はS(硫黄)を表し、
18はヨウ素又はメチルを表す。)
【請求項2】
Rが、水素、フッ素、塩素、メチル又はトリフルオロメチルを表し、
Lが、直接結合を表し、又は各場合において場合によってはハロゲン置換されていてもよい直鎖若しくは分枝、C−C−アルキレン、C−C−アルケニレン若しくはC−C−アルキニレンを表し、
及びRが互いに独立に、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル又はC−C−アルキルチオ−C−C−アルキルを表し、
が、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、フェニル又はベンジルを表し、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;各場合において1から13個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、ハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、ハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル、
(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−シクロアルキル)カルボニル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル;又は−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表し、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
及びRが互いに独立に各々、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、C−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
また、RとRがそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換から四置換されていてもよい、5又は6個の環原子を有する飽和複素環を形成し、該複素環は、酸素、硫黄及びNR10からなる群から選択される1又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含むことができ、
及びRが互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
また、RとRがそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては一置換又は多置換されていてもよい、5から6個の環原子を有する飽和複素環を形成し、該複素環は、酸素、硫黄及びNR10からなる群から選択される1又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含むことができ、
10が水素又はC−C−アルキルを表し、
Aが式(A1)の基を表し、
【化13】

(式中、R11は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、シアノ、C−C−アルキル、各場合において1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ又はC−C−ハロアルキルチオを表す。)
又は
Aが式(A2)の基を表し、
【化14】

(式中、R12は塩素、ヨウ素又はジクロロメチルを表す。)
又は
Aが式(A3)の基を表し、
【化15】

(式中、R13は、メチル、エチル又は1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aが式(A4)の基を表し、
【化16】

(式中、R13は、メチル、エチル又は1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aが式(A5)の基を表し、
【化17】

(式中、R14は、メチル、エチル又は1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aが式(A6)の基を表し、
【化18】

(式中、R15は、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又は1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。)
又は
Aが式(A7)の基を表し、
【化19】

(式中、R16はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、C−C−アルキル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、各場合において1から5個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、C−C−ハロアルキル又はC−C−ハロアルコキシを表す。)
又は
Aが式(A8)の基を表し、
【化20】

(式中、R17は、メチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピルを表す。)
又は
Aが式(A9)の基を表し、
【化21】

又は
Aが式(A10)の基を表し、
【化22】

(式中、XはO(酸素)又はS(硫黄)を表す。)
又は
Aが式(A11)の基を表す。
【化23】

(式中、XはO(酸素)又はS(硫黄)を表し、
18はヨウ素又はメチルを表す。)
ことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)のシリル化カルボキサミド。
【請求項3】
a)式(II)のカルボン酸誘導体が、
【化24】

(式中、
はハロゲン又はヒドロキシルを表し、
Aは、請求項1に定義されたとおりを表す。)
妥当な場合には触媒の存在下で、妥当な場合には縮合剤の存在下で、妥当な場合には酸結合剤の存在下で、かつ妥当な場合には希釈剤の存在下で、式(III)のアミンと反応し、
【化25】

(式中、R、L、R、R、R及びRは請求項1に定義されたとおりを表す。)
又は
b)式(I−1)のシリル化カルボキサミドが、
【化26】

(式中、R、L、R、R、R及びAは請求項1に定義されたとおりを表す。)
塩基の存在下及び希釈剤の存在下で、式(VIII)のハロゲン化物と反応する
【化27】

(式中、
は塩素、臭素又はヨウ素を表し、
4aは、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;各場合において1から13個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有するハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、ハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;
(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−シクロアルキル)カルボニル;各場合において1から9個のフッ素、塩素及び/又は臭素原子を有する、(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル;又は−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表し、R、R、R、R及びRは請求項1に定義されたとおりを表す。)
ことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)のシリル化カルボキサミドを調製する方法。
【請求項4】
増量剤及び/又は界面活性剤に加えて、請求項1に記載の少なくとも1個の式(I)のシリル化カルボキサミドを含むことを特徴とする、望ましくない微生物を抑制するための組成物。
【請求項5】
望ましくない微生物を抑制するための、請求項1に記載の式(I)のシリル化カルボキサミドの使用。
【請求項6】
請求項1に記載の式(I)のシリル化カルボキサミドが微生物及び/又はその生息地に適用されることを特徴とする、望ましくない微生物を抑制するための方法。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)のシリル化カルボキサミドが増量剤及び/又は界面活性剤と混合されることを特徴とする、望ましくない微生物を抑制するための組成物を調製する方法。

【公開番号】特開2011−144176(P2011−144176A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−22336(P2011−22336)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【分割の表示】特願2006−540234(P2006−540234)の分割
【原出願日】平成16年11月6日(2004.11.6)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】