説明

シリル化ポリウレタン−ポリウレア保護コーティング組成物

【課題】腐食、浸食及び他の有害な環境条件に対する保護のための基質に適用されるコーティングの提供。
【解決手段】ポリマー鎖中に、少なくとも2つのウレタン結合と、少なくとも2つのウレア結合を有し、約15,000〜約50,000の数平均分子量であるシラン末端ポリマーを含有する水分硬化性組成物。当該水分硬化性組成物は保護コーティングの調製にとり有用であり、当該コーティングは、ポリマー分子鎖中でウレタン結合とウレア結合が反復して存在するイソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアポリマーが得られる方法により、ポリオール、ポリイソシアネート及びポリアミンを共に反応させ、少なくとも一部のイソシアネート末端ポリマーを、少なくとも1つのアルコキシ基を有するシランでキャッピングし、水分硬化性シラン末端ポリマーを得ることにより調製される、シラン末端ポリウレタン−ポリウレアポリマーを含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は腐食、浸食及び他の有害な環境条件に対する保護のために基質に適用されるコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
保護コーティングには2つのタイプが存在する。すなわち保護コーティングは、変換コーティング又はバリアタイプコーティングのいずれかである。変換コーティングでは、基材表面を修飾する化学反応が行われる。定型的な変換コーティングでは、金属又は合金(例えばアルミニウム、鋼及び亜鉛鍍金鋼)上におけるクロム酸処理を利用する。通常、金属面を、六価若しくは三価のクロムイオン、リン酸イオン及び/又はフッ化物イオンを含有する水溶液でコーティングする。しかしながら、環境への毒性クロム塩の浸出のおそれがあるため、クロム酸(クロム)耐食処理の使用に対しては、環境汚染という意味で懸念が広がっている。変換コーティングは典型的には、化学反応又は処理によって、基材表面の組成又はミクロ構造を修飾する処理である。この種の処理は通常、表層の形態に変化生じさせる。例としては、パックによる拡散浸透めっき、スラリーによる拡散浸透めっき、特にクロメート処理及びアルミナ処理が挙げられる。これらの技術は拡散を利用し、それにより基材表面に被覆しようとする物質を拡散させる。それにより、組成物の勾配が、処理される基材の表層と及び内部との間に生じる。
【0003】
他の技術では、保護セラミックコーティング又は有機樹脂コーティングが使用される。有機樹脂からなるコーティングは、典型的にはバリアコーティングとして機能する。バリアタイプのコーティングは、基材を被覆することによりそれを浸食、腐食から保護し、場合によっては基材を強化する。これまで様々な鋭意研究が行われてきたが、これらはクロム酸又はアルミをベースとするコーティングが提供するのと同等の耐食性を提供するには至らなかった。
【0004】
特許文献1及び2(Wagner,K.ら)では、エステル、エーテル、及び/又はカーボネート基を含んでなるジアミノ末端ポリウレア又はポリウレタンと、イソシアネート−シライミダゾリドン誘導体との反応によってシリル置換ウレア誘導体を調製する方法が開示されている。但しイソシアネート−シライミダゾリドンを別個に調製することにより、製造工程の更なる煩雑化及びコスト増につながる。更にこれらの組成物は、例えばヒドロキシ系若しくはポリヒドロキシ系の溶媒(例えばアルコール、グリコールなど)に対するバリアコーティング化学抵抗性を有しない。
【0005】
特許文献3(Golitz、H.D.ら)では、イソシアネート末端ポリエーテルプレポリマーとアミノシランとの反応生成物である、シリル置換ウレア誘導体を開示している。開示されている組成物はアミノシラン末端ポリエーテルポリウレタンプレポリマーである。しかしながら、ジアミン組成物による鎖伸長に関してなんら言及がなされていない。更にこれらの組成物は、例えばヒドロキシ系若しくはポリヒドロキシ系の溶媒(例えばアルコール、グリコールなど)に対するバリアコーティング化学抵抗性を有しない。
【0006】
特許文献4(Callinan,A.ら)では、シラン基末端を有する、ウレタン及び/又はウレア結合を含む水分硬化性ポリマーに関して開示している。開示されている組成物は、500Pas以下の粘性を有するものに限定され、また高いシラン含有量であり、それにより、バリアコーティングの化学抵抗という点で効果に欠け、また顕著なコスト増加をもたらす。
【0007】
特許文献5及び6(Chang,J.H−S)では、カルボキシル基などの可溶性基を含むシリル−ポリ(ウレタンウレア)の水性分散液を開示しているが、それらは、かかる組成物を用いたバリアコーティングにおいて、例えば上記で開示したようなヒドロキシ系若しくはポリヒドロキシ系溶媒に対する十分な化学抵抗を発揮することができない。
【0008】
特許文献7(Mallo、R.A.ら)では、親水性成分を含むシリル化されたポリウレタンウレアをベースとする水性の化粧品組成物を開示しているが、それらは特に、ヒドロキシ系若しくはポリヒドロキシ系溶媒に対しては、化学抵抗を有するバリアコーティングとして機能することができない。
【0009】
特許文献8(Roesler,R.R.ら)では、1〜6重量%シラン(SiのMw=28として)を含有する水性のシリル化されたポリウレタンウレア分散液を開示しており、イソシアネート末端含有ポリウレタンウレアプレポリマーと第2級アミノシランとの反応生成物が、アニオン性成分及び親水性成分を含有することを特徴とする。しかしながらこれらの組成物は、ヒドロキシ系及びポリヒドロキシ系溶媒に対する化学抵抗性を有するバリアコーティングではない。
【特許文献1】米国特許第3895043号公報
【特許文献2】米国特許第4143060号公報
【特許文献3】米国特許第3676478号公報
【特許文献4】米国特許第5744528号公報
【特許文献5】米国特許第3941733号公報
【特許文献6】米国特許第3983291号公報
【特許文献7】米国特許出願公開第2002/0146382A1号公報
【特許文献8】米国特許第5919860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、腐食、浸食及び他の有害な環境条件に対する保護のための基質に適用されるコーティングの提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明において提供される水分硬化性組成物は、ポリマー鎖中に、少なくとも2つのウレタン結合と、少なくとも2つのウレア結合を有し、約15,000〜約50,000の数平均分子量であるシラン末端ポリマーを含有することを特徴とする。当該水分硬化性組成物は好適なことに保護コーティングの調製にとり有用であり、当該コーティングは、ポリマー分子鎖中でウレタン結合とウレア結合が反復して存在するイソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアポリマーが得られる方法により、ポリオール、ポリイソシアネート及びポリアミンを共に反応させ、少なくとも一部のイソシアネート末端ポリマーを、少なくとも1つのアルコキシ基を有するシランでキャッピングし、水分硬化性シラン末端ポリマーを得ることにより調製される、シラン末端ポリウレタン−ポリウレアポリマーを含有することを特徴とする。本発明の水分硬化性シラン末端ポリマーの使用により、クロム酸コーティングと同等の良好な接着性、硬度及び化学抵抗を有するバリアコーティングを様々な基材に対して意提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明には、基材を化合物から保護するためのバリアコーティングを含んでなり、当該コーティングにより、それがなされた基材の腐食が防止される。基材に対する当該コーティングを行うことにより、基材とコーティングからなる層状構造が形成され、かかる層状構造をとることにより、未コーティングすなわち無処理の基材と比較し、様々な化合物に対する耐性が付与される。
【0013】
本発明の用語「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基を有する有機化合物を意味し、「ポリオール」とは、2つ以上のヒドロキシ基を有する化合物を意味する。本願明細書において特に明記しない限り、「アルキル」は直鎖状、分岐状及び環状のいずれでもよく、「アリール」にはアルカリール基(例えばトリル基)及びアラルキル基(例えばベンジル基)が包含され、「アルキレン」基は直鎖状、分枝状、環状であってもよく、ペンダント若しくは内部のアリール基(例えば1,4−ジエチレンフェニレン)を有するアルキレン基も包含される。
【0014】
本発明の一実施形態は、組成物に使用することにより、有効な保護コーティングシーラント及び接着剤を基材(例えば金属陶磁器、木、石造物、など)に提供できる、シリル化ポリウレタン−ポリウレアポリマーの提供に関する。本発明の水分硬化性シリル化ポリウレタン−ポリウレアポリマーは、ポリマー鎖の主鎖中にウレタン結合(−COC(O)−NHC−)及びウレア結合(−C−NHC(O)−NHC−)を有する。更に、本発明のシリル化ポリウレタン−ポリウレアは熱可塑性物質である。
【0015】
本発明の一実施形態では、ポリマーポリオールをポリイソシアネートと反応させてイソシアネート末端ポリウレタンを調製し、更にそれをジアミンと反応させてイソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアを調製する。それを更にシリル化剤と反応させてシリル化ポリウレタン−ポリウレアを調製する。本発明のシリル化ポリマーは、通常約15,000〜約50,000、より典型的には約20,000〜約40,000の数平均分子量(Mn)を有する。更に、本発明のシリル化ポリマーのケイ素含有量は、総固体含量に対して約5重量%に留まる。別の実施形態では、本発明のシリル化ポリマーのケイ素含有量は、総固体含量に対して約2重量%に留まる。更に別の実施形態では、本発明のシリル化ポリマーのケイ素含有量は、総固体含量に対して約1重量%に留まる。
【0016】
本発明のシリル化ポリマーは、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリカプロラクトン及びポリアクリレートポリオール、又はヒドロキシル末端炭化水素ポリマー(例えばブタジエンから調製)又は他のポリオール化合物を用いて調製してもよい。本発明に使用可能な他のポリオールとしては、ポリヒドロキシポリカーボネート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミド及びポリヒドロキシポリチオエーテル、ポリオレフィンポリオールなどのポリオール、並びに、低分子量ポリオール(グリコール、メチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキシレングリコール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、スクロース及び/又はアルキロールアミン(例えばジエタノールアミン)、トリエタノールアミンなどが挙げられる。好適なポリオールとしては、ポリオキシアルキレン(特にポリオキシプロピレン及びポリオキシブチレン)ジオール、ポリオキシアルキレントリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステル、ポリヒドロキシポリアミド、ポリヒドロキシポリエステルアミド及びポリヒドロキシポリチオエーテル、ポリカプロラクトンジオール及びトリオールなどが挙げられる。他のポリオール化合物として、テトラオール、ヘキサオール、アルコキシル化ビスフェノール又はポリフェノール及び様々な糖、並びにその誘導体を用いてもよく、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。
【0017】
本発明の一実施形態では、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーの調製に使用するポリオールは、約500〜25,000の当量重量を有するポリエステルポリオールである。様々な構造、分子量及び/又は官能性のポリオールの混合物を用いてもよい。上述のヒドロキシ官能性ポリオールは、イソシアネートと反応し、周知のプロセスを経てイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーに変化する。本発明の一実施形態では、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーは通常、触媒の存在下で、過剰のポリイソシアネートと、ポリオール又はポリオール混合物とを反応させることにより調製される。ヒドロキシル基(NCO:OH)に対するイソシアネート基の比率は、約1.05:1〜約5:1.0の範囲、及びその全ての部分範囲で適宜調整できる。好適なポリイソシアネートには、一般的に採用されるプロセスにおいて、ポリオールと反応させてウレタンポリマーを調製し、プレポリマーを形成させるために使用できるいかなるものも包含される。有用なジイソシアネートとしては、例えば2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’ジフェニル−メタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−及び4,4’異性体の混合物を含有する様々な液体ジフェニルメタンジイソシアネートなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。本発明の一実施例では、使用されるイソシアネート官能性モノマーは、2,4−及び4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の混合物(商品名Desmodur(登録商標)M−0129としてバイエル社から市販)である。
【0018】
上記のポリウレタンプレポリマーの調製において、触媒を用いてもよい。適切な触媒は、ジアルキルスズジカルボキシレート(例えばジブチルスズジラウレート及びジブチルスズアセテート)、第三級アミン、オクタン酸スズ及び酢酸スズなどのカルボン酸スズ塩である。本発明の一実施形態では、ジブチルスズジラウレート触媒がポリウレタンプレポリマーの調製において用いられる。他の触媒としては、ジルコニウム錯体(King Industries社製のKAT XC6212、K−KAT XC−A209)、アルミニウムキレート化合物(King Industries社製のK−KAT 5218、K−KAT 4205)、チタンキレート化合物(デュポン社製のTYZER(登録商標)タイプ、及びKenrich Petrochemical社製のKRタイプ)、並びに他の有機金属(例えばZn、Co、Ni及びFeなど)系の触媒が挙げられる。更に、アミン触媒(例えば4,4’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビスモルフォリン、N−メチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、Huntsman LLC(ソルトレークシティ、ユタ州)社製)であってもよい。この実施形態の第二段階において、第一段階において生じるイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーをポリアミンと反応させ、ポリマー鎖中のウレア結合を介して鎖伸長させる。一実施形態では、ポリアミンはジアミンである。任意に、ジアミンは第二級アミンであってもよい。一実施形態では、当該アミンは以下の式で表される:
HN−R−NHR
式中、R、R及びRは各々独立に、約2〜約20の炭素原子数のあらゆるアルキルアリール又はアルキレン基から選択される。本発明に用いられる適切なジアミンとしては、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,2−エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、N−イソプロピル(5−アミノ)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチル−N’−イソプロピルアミンなどが挙げられる。
【0019】
本発明では、化学量論過剰のイソシアネート末端プレポリマーを反応に用い、イソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアを調製する。通常、アミン基に対するイソシアネート基のモル比は1.01:1〜約2.6:1.0の範囲、並びにその全ての部分範囲である。この実施形態の第三段階において、イソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアを、シリル化剤で末端処理する。シリル化剤は、好ましくは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つのアルコキシ基、並びにイソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアとの反応性を有する少なくとも1つの基を有するシランである。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシ基が挙げられる。
【0020】
任意に、末端キャッピングシリル化剤及び鎖伸長ジアミンを予備的に混合してもよく、イソシアネート末端ポリウレタンを、溶液中で鎖伸長剤/末端キャッピング剤と混合するのが好ましい。シラン末端ポリウレタンの調製に使用できる適切なシランとしては、Nメチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリ−メトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルジエトキシメチルシラン、N−エチル−3−アミノ2−メチルプロピルトリエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ−2−メチル−プロピルトリメトキシシラン、3−(Nメチル−2−アミノ−1−メチル−1−エトキシ)−プロピルトリメトキシ−シラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミン及びN−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。更に、ポリウレタン−ポリウレアプレポリマー中のイソシアネート基との反応性を有する少なくとも1つの官能基(例えば水素)と、少なくとも1つのシリル基を有する、あらゆる水素反応性有機官能性シランを用いてもよい。有用なシリル基の例としては、アルコキシシリル、アリールオキシシリル、アルキルオキシイミノシリル、オキシムシリル及びアミノシリル基などが挙げられる。本発明の一実施形態では、水素反応性の有機官能性シランとしては、例えばアミノシラン(例えば第2級のアミノアルコキシシラン)及びメルカプトアルコキシシランなどが挙げられる。適切なアミノシランの例としては、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、t−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、マレイン酸ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、マレイン酸ジブチル置換4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン及びそれらの混合物などが挙げられる。具体例な例としては、Nメチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルジエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリ−エトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−(Nメチル−3−アミノ−1−メチル−1−エトキシ)プロピル−トリメトキシシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミン、N−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス[(3−トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリプロポキシ−シリル)プロピル]アミン、N−(3−トリメトキシシリル)プロピル3−[N−(3−トリメトキシシリル)−プロピルアミノプロピオンアミド、N−(3−トリエトキシシリル)プロピル3−[N−3−トリエトキシシリル]−プロピルアミノ)]プロピオンアミド、N−(3−トリメトキシシリル)プロピル3−[N−3−トリエトキシシリル]−プロピルアミノ]プロピオンアミド、3−トリメトキシシリルプロピル−3−[N−(3−トリメトキシシリル)−プロピルアミノ]−2−プロピオン酸メチル、3−トリエトキシシリルプロピル3−[N−(3−トリエトキシシリル)−プロピルアミノ]−2−プロピオン酸メチル、3−トリメトキシシリルプロピル−3−[N−(3−トリエトキシシリル)−プロピルアミノ]−2−プロピオン酸メチル、γ−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン及びN,N’−ビス(3−トリメトキシシリル)プロピル)アミンなどが挙げられる。有用な市販のアミノシランとしては、例えばSilquest(登録商標)シリーズのアミノシラン(Silquest(登録商標)A−1170、Silquest(登録商標)A−1110、Silquest(登録商標)Y−9669及びSilquest(登録商標)A−15、ゼネラルエレクトリック社製)、Dynasylan(登録商標)シリーズのアミノシラン(Dynasylan(登録商標)1189(N−(n−ブチル)アミノプロピルトリメトキシシラン)、及びDynasylan(登録商標)MTMO(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)(いずれもDegussa社(Naperville、111)から市販、更に、A−189の商品名の、ゼネラルエレクトリック社(GE)から市販のγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0021】
本発明の1つ以上のシランとイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーとの反応は、好ましくは触媒の存在下で実施する。適当な触媒としては、限定されないが、スズ又はチタン化合物(例えばジブチルスズジラウレート、ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナン及びそれらの混合物)が挙げられる。任意には、シリコン不含有モノアミン(例えばN−エチルブチルアミンなどのアルキルアミン)、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−エチル−2−メチルアリルアミン、ジアリルアミンを、補助的なキャッピング剤としてシランとの組み合わせで用いてもよい。シリコン不含有アミンの使用により、最終産物のシリル化の程度を調整することができる。本発明の一実施形態では、十分量のシリコン不含有アミンを補助的なキャッピング剤として用いて、シリコン含有量が総固体含量に対して約5重量%未満に留まる最終生産物を調製する。本発明の他の実施形態では、モル過剰のポリイソシアネートをポリアミンと最初に反応させ、イソシアネート末端ポリウレアを調製する。更にモル過剰のイソシアネート末端ポリウレアをポリオールと反応させてイソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアプレポリマーを調製し、更に例えば上記したようなシリル化剤によってシリル化し、水分硬化性シリル化ポリウレタン−ポリウレア生成物を調製する。本発明の更に別の実施形態では、ポリオール、ポリイソシアネート及びポリアミンを同時に、単一のバッチ工程において反応させるが、その際、反応物質の混合比率を適宜調節してイソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアを調製し、更にその後でシリル化剤でキャッピングする。
【0022】
本発明はまた、コーティング組成物、シール組成物又は接着組成物としての水分硬化性シリル化ポリマーの使用に関する。実用的には、水分硬化性シリル化ポリマーは、典型的な添加材(例えば色素、充填剤、硬化触媒、染料、可塑剤、増粘剤、カップリング剤、増量剤及びUV安定剤)を含有させてもよい。適切な充填剤としては、イソシアネートに対して不活性な無機化合物(例えば当業者に公知のチョーク、ライムフラワー、沈殿及び/又は発熱性のシリカ、ケイ酸アルミニウム、土壌中のミネラル及び他の無機充填剤)などが挙げられるが、これらに限定されない。更に、有機充填材、特に短いステープルファイバーなどを用いてもよい。組成物にチキソトロープ性を提供する充填剤(例えば膨潤可能なポリマー)を、特定の用途において用いるのも好適である。記載した典型的な添加材を、当業者に公知の量で用いてもよい。
【実施例】
【0023】
本発明を、以下の非限定的な実施例において例示する。なお、比較例は比較目的でのみ示すものであり、本発明を例示するものではない。各実施例において示すように、全ての組成物を基材上へコーティングした。組成物を、30重量%で固体を含有するエチルアセテート溶液を用いてコーティングし、更に10分間空気乾燥し、更に120℃で10分間処理して硬化させた。コーティングされた基材を、ASTM D3363に準拠した、硬度を変化させたペンシルに対する硬度試験、ASTM D3359に準拠した、特定の溶媒中で24時間液浸させる前後におけるクロスハッチ接着試験、並びに180°3/8の屈曲後の粘着力、並びにコーティング中のピンホール存否の観察によって試験した。
【0024】
<実施例1>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を装備した1Lの反応器に、溶媒として149.7のヒドロキシル価を有する30.0gのヒドロキシル末端ポリカプロラクトン樹脂(Solvey Caprolactones社製のCapa2077)、及び90.5gの酢酸エチルを添加した。混合液を2時間還流しながら乾燥させ、更に約75℃に冷却し、ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナン触媒の10重量%溶液を0.03g添加し、更に撹拌しながら27.0gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。温度を12時間75〜78℃に維持した。NCOの重量%を標準的な方法で測定した結果、4.66重量%であった。熱源を取り外し、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミンの25.0gの酢酸エチル中の溶液を滴下して添加した。この時点で、3.3gのN−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン(Silquest(登録商標)A−Link 15としてGE Advanced Materials社から市販)、1.5gのエチルブチルアミン及び10.0gの酢酸エチルを含む溶液を、上記混合液に滴下して添加し、混合液が室温になるまで撹拌して混合した。反応生成物は、総固体含量に対して0.7重量%のケイ素(Si)、及び68.3モル%の尿素を含有していた。約15gの反応生成物のサンプルのサンプルを、5gの酢酸エチル、0.2gの水及び0.02gの1重量%ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナン溶液中に溶解した。この混合液を冷延ロール鋼パネル(Act Laboratories Inc社製、APR22178)上へフローコーティングし、3日間の水に浸漬し、更に85℃で45分乾燥させた。ペンシル硬度は6Hであり、クロスハッチ接着は5Bであった。パネルを更に5%のNaCl水溶液、メタノール及びトルエンに24時間浸漬し、更に試験に供した。コーティングパネルにおいて、視認できる程の影響は確認できなかった。
【0025】
<実施例2>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備えている250mlの反応器に、97のヒドロキシル価の15.0gのヒドロキシル末端ポリ(ジエチレングリコールグリセリンアジパート)(Inolex Chemical Co.under社製、Lexorez 1842−90)、145のヒドロキシル価の35.0gのヒドロキシル末端ポリ(1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコールアジパート)、41.4gの酢酸エチル(Lexorez 1640−150、Inolex Chemical社製)を添加した。混合液を1時間還流乾燥させ、更に約75℃に冷却し、その時点で、ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの10重量%溶液を0.05g添加し、更に撹拌しながら39.3gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。NCO/OH比率の計算値は3.0であった。温度を約3時間75℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、7.40重量%であった。熱源を取り外し、プレポリマーを室温に冷却した。上記と同様の装備を有する別の500mlの反応器に、11.9gのビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン(Silquest(登録商標)A−1170、GE Advanced Materials社製)、12.1gのN,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1.2gのエチルブチルアミン、55.0gのイソプロパノール及び55.0gのアセトンからなる鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液を、500回転/分で撹拌して混合した。この時点で、プレポリマーを鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液に急速に添加し、1時間撹拌を継続させた。反応生成物は、総固体含量に対して1.7重量%のケイ素(Si)、及び66.8モル%の尿素を含有していた。約25gの反応生成物のサンプルを、30gの酢酸エチル及び1.8gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製のAPR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させ、更に水に3日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。パネルを24時間、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。全てのパネル及びコントロールパネルは、接着力の損失なしに、3/8インチの屈曲試験をパスし、クロスハッチ接着は5B評価であった。塩化ナトリウムで暴露したパネルでは、接着力の損失が観察されなかった。除去後15分におけるペンシル硬度試験の結果、コントロールでは6H、キシレン処理したパネルでは4H、及びメタノール処理したパネルでは5Hであった。
【0026】
<実施例3>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備えている250mlの反応器に、149.7のヒドロキシル価のヒドロキシル末端ポリカプロラクトン(Capa2077)27.5g、57.1のヒドロキシル価を含んでいるヒドロキシル末端ポリカプロラクトン(Capa3091)22.5g、及び34.5gの酢酸エチルを添加した。混合液を1時間還流乾燥させ、更に約65℃に冷却し、その時点で、ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%溶液を0.08g添加し、更に撹拌しながら32.5gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。NCO/OH比率の計算値は3.0であった。温度を約2.5時間65℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、5.9重量%であった。熱源を取り外し、プレポリマーを室温に冷却した。上記と同様の装備を有する別の500mlの反応器に、8.4gのビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンエンドキャッピング剤(Silquest A−1170)、9.1gのN,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン鎖伸長剤、30.0gのイソプロパノール及び40.0gのアセトンを添加し、500回転/分で撹拌して混合した。この時点で、プレポリマーを鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液に急速に添加し、1時間撹拌を継続させた。反応生成物は、総固体含量に対して1.6重量%のケイ素(Si)、及び66.7モル%の尿素を含有していた。約25gの反応生成物のサンプルを、35gの酢酸エチル、0.24gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、1.8gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させた。更に水に3日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。パネルを24時間、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。全てのパネル及びコントロールパネルは、接着力の損失なしに、3/8インチの屈曲試験をパスし、クロスハッチ接着は5B評価であった。塩化ナトリウムに曝露したパネルでは、大きなピンホールが観察された。
【0027】
<実施例4>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備える250mlの反応器に、149.7のヒドロキシル価の50.0gのヒドロキシル末端ポリカプロラクトン(Capa2077)、及び61.9gの酢酸エチルを添加した。混合液を1時間還流乾燥させ、更に約65℃に冷却し、その時点で、ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%溶液を0.19g添加し、更に撹拌しながら41.3gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。NCO/OH比率の計算値は2.75であった。温度を約2.5時間65℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、6.2重量%であった。熱源を取り外し、プレポリマーを室温に冷却し、上記と同様の装備を有する別の500mlの反応器に、6.9gのビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン(Silquest A−1170)、26.5gのN−イソプロピル(5−アミノ)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチル−N’−イソプロピルアミン鎖伸長剤(JEFFLINK 754、Huntsman LLC社製)95.0gのイソプロパノール及び95.0gのアセトンを添加し、500回転/分で撹拌した。この時点で、プレポリマーを鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液に急速に添加し、1時間撹拌を継続させた。反応生成物は、総固体含量に対して0.9重量%のケイ素(Si)、及び62.8モル%の尿素を含有していた。約25gの反応生成物のサンプルを、35gの酢酸エチル、0.24gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、1.8gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させた。更に水に3日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。パネルを24時間、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。全てのパネル及びコントロールパネルは、接着力の損失なしに、3/8インチの屈曲試験をパスし、クロスハッチ接着は5B評価であった。塩化ナトリウム処理したパネルも試験をパスし、ピンホールも観察されなかった。
【0028】
<実施例5>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備える250mlの反応器に、97のヒドロキシル価の、4.2の官能性を有する15.0gのヒドロキシル末端ポリ(ジエチレングリコールグリセリンアジパート)(Lexorez 1842−90)、145のヒドロキシル価の、2の官能性を有する35.0gのヒドロキシル末端ポリ(1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコールアジパート)(Lexorez 1640−150)、41.4gの酢酸エチルを添加した。混合液を1時間還流乾燥させ、更に約75℃に冷却し、その時点で、ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%溶液を0.5g添加し、更に撹拌しながら39.3gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。NCO/OH比率の計算値は3.0であった。温度を約3.5時間75℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、7.5重量%であった。熱源を取り外し、プレポリマーを室温に冷却し、上記と同様の装備を有する別の500mlの反応器に、11.4gのビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン エンドキャッピング剤(Silquest(登録商標)A−1170)、11.6gのN,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン鎖伸長剤、55.0gのイソプロパノール及び55.0gのアセトンからなる鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液を添加し、500回転/分で撹拌した。この時点で、プレポリマーを鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液に急速に添加し、約65℃で2時間撹拌を継続させた。反応生成物は、総固体含量に対して1.6重量%のケイ素(Si)、及び63.9モル%の尿素を含有していた。約25gの反応生成物のサンプルを、15gの酢酸エチル、0.24gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、1.8gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させた。更に水に2日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。パネルを24時間、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。全てのパネル及びコントロールパネルは、接着力の損失なしに、3/8インチの屈曲試験をパスし、クロスハッチ接着は5B評価であった。塩化ナトリウム処理したパネルも試験をパスし、ピンホールも観察されなかった。トルエン及びメタノールに浸漬したパネルでは、コントロールと比較して、接着力の損失又はコーティングのいかなる変化も観察されなかった。
【0029】
<実施例6>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備える250mlの反応器に、97のヒドロキシル価の、4.2の官能性を有する20.0gのヒドロキシル末端ポリ(ジエチレングリコールグリセリンアジパート)(Lexorez 1842−90)、145のヒドロキシル価の、2の官能性を有する30.0gのヒドロキシル末端ポリ(1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコールアジパート)(Lexorez 1640−150)、110.0gの酢酸エチルを添加した。混合液を1時間還流乾燥させ、更に約75℃に冷却し、その時点で、ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%溶液を0.31g添加し、更に撹拌しながら25.2gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。NCO/OH比率の計算値は2.0であった。温度を約3時間75℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、2.4重量%であった。熱源を取り外し、プレポリマーを室温に冷却した。上記と同様の装備を有する別の500mlの反応器に、5.4gのビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン(Silquest A−1170)、11.0gのN−イソプロピル(5−アミノ)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチル−N’−イソプロピルアミン鎖伸長剤(JEFFLINK 754、Huntsman LLC社製)、0.5gのエチルブチルアミン及び300.0gのメチルイソブチルケトンを添加し、500回転/分で撹拌した。この時点で、プレポリマーを鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液に急速に添加し、約65℃で2時間撹拌を継続させた。反応生成物は、総固体含量に対して1.0重量%のケイ素(Si)、及び47.3モル%の尿素を含有していた。約25gの反応生成物のサンプルを、35gの酢酸エチル、0.24gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、1.8gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させた。更に水に2日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。パネルを24時間、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。塩化ナトリウムに暴露したパネルは試験をパスし、ピンホールも観察されなかった。全てのパネル及びコントロールパネルは、接着力の損失なしに、3/8インチの屈曲試験をパスし、クロスハッチ接着は5B評価であり、ペンシル硬度は8H評価であった。
【0030】
<比較実施例7>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備える250mlの反応器に、97のヒドロキシル価の、4.2の官能性を有する20.0gのヒドロキシル末端ポリ(ジエチレングリコールグリセリンアジパート)(Lexorez 1842−90)、145のヒドロキシル価の、2の官能性を有する30.0gのヒドロキシル末端ポリ(1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコールアジパート)(Lexorez 1640−150)、60.0gの酢酸エチルを添加した。混合液を1時間還流乾燥させ、更に約75℃に冷却し、その時点で、ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%溶液を0.36g添加し、更に撹拌しながら37.8gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。NCO/OH比率の計算値は3.0であった。温度を約3時間75℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、7.0重量%であった。熱源を取り外し、プレポリマーを室温に冷却した。上記と同様の装備を有する別の500mlの反応器に、19.2gのN−イソプロピル(5−アミノ)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチル−N’−イソプロピルアミン鎖伸長剤(JEFFLINK 754、Huntsman LLC社製)、10.0gのエチルブチルアミン及び115.0gのメチルイソブチルケトンを添加し、500回転/分で撹拌した。この時点で、プレポリマーを鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液に急速に添加し、室温で2時間撹拌を継続させた。反応生成物は、66.8モル%の尿素を含有し、ケイ素を含まなかった。約25gの反応生成物のサンプルを、21gの酢酸エチル、0.4gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、0.2gの水の混合液中に溶解させ、十分撹拌し、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させた。更に水に4日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。パネルを24時間、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。コーティングは粘着性を維持し、トルエン及びメタノール中に溶解した。
【0031】
<実施例8から13>
これらの実施例において、耐溶媒性に対する、鎖伸長剤の選択の影響を示す。以下のようなポリエーテル官能基の第2級ジアミン鎖伸長剤の選択によって、耐溶媒性が劣る結果となった。以下の表1においては、Versalink(登録商標)成分とは、Air Products社製のポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノ安息香酸エステルであり、XJT成分とは、Huntsman LLC社製の第2級ポリエーテルジアミンである。異なる鎖延長剤を用いた以外は、実施例6のプレポリマー、及び上記の手順を用いて実施例8から13を実施した。マグネチックスラーラーバーを有する4オンスのジャーに、プレポリマーを、表1で示される溶液組成物に撹拌しながら添加した。試験結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

*固形物含量100%に対するケイ素の重量%
【0033】
<実施例14>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備える500mlの反応器に、97のヒドロキシル価の、4.2の官能性を有する90.0gのヒドロキシル末端ポリ(ジエチレングリコールグリセリンアジパート)(Lexorez 1842−90)、90.0gの酢酸エチルを添加した。混合液を1時間還流しながら乾燥させ、約75℃に冷却し、この温度で、0.4gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、0.2gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させた。NCO/OH比率の計算値は3.0であった。温度を約3時間75℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、5.35重量%であった。熱源を取り外し、プレポリマーを室温に冷却した。上記と同様の装備を有する別の500mlの反応器に、4.3gのビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン(Silquest A−1170)、1.3gのN−イソプロピル(5−アミノ)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチル−N’−イソプロピルアミン鎖伸長剤(JEFFLINK 754)、10.6gのエチルブチルアミン及び82.0gの酢酸エチルを添加し、500回転/分で撹拌した。この時点で、プレポリマーを鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液に急速に添加し、室温で2時間撹拌を継続させた。反応生成物は、総固体含量に対して0.9重量%のケイ素(Si)、及び63.4モル%の尿素を含有していた。約25gの反応生成物のサンプルを、21gの酢酸エチル、0.4gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、0.2gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させた。更に水に4日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。パネルを24時間、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。塩化ナトリウムに暴露したパネルは試験をパスし、ピンホールも観察されなかった。全てのパネル及びコントロールパネルは、接着力の損失なしに、3/8インチの屈曲試験をパスし、クロスハッチ接着は5B評価であり、ペンシル硬度は8H評価であった。
【0034】
<比較実施例15>
上記と同様の装備を有する別の500mlの反応器に、1.3gのN−イソプロピル(5−アミノ)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチル−N’−イソプロピルアミン(JEFFLINK 754、Huntsman LLC社製)、11.9gのエチルブチルアミン及び82.0gのメチルイソブチルケトンからなる鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液を添加し、500回転/分で撹拌した。この時点で、実施例14で調製したプレポリマーを鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液に急速に添加し、室温で2時間撹拌を継続させた。反応生成物は、63.4モル%の尿素を含有し、ケイ素を含まなかった。約25gの反応生成物のサンプルを、21gの酢酸エチル、0.4gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、0.2gの水の混合液中に溶解させ、十分撹拌し、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させた。更に水に4日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。パネルを24時間、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。コーティングはトルエン及びメタノール中に溶解した。塩化ナトリウム暴露では、コーティングは粘着性を示した。
【0035】
<実施例16から20>
この実施例では、代替可能な触媒、及びコーティング中のシラン含有量(%)の変動を示す。混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備える500mlの反応器に、97のヒドロキシル価の、4.2の官能性を有する40.0gのヒドロキシル末端ポリ(ジエチレングリコールグリセリンアジパート)(Lexorez 1842−90)、145のヒドロキシル価の、2の官能性を有する60.0gのヒドロキシル末端ポリ(1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコールアジパート)(Lexorez 1640−150)、175.0gの酢酸エチルを添加した。混合液を1時間還流乾燥させ、更に約75℃に冷却し、その温度で、4,4’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビスモルホリンを0.30g添加し、更に撹拌しながら50.5gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。NCO/OH比率の計算値は2.0であった。温度を約5時間75℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、2.4重量%であった。熱源を取り外し、プレポリマーを室温に冷却した。この時点で、20.0gのプレポリマーを、表2に示す10.8gのメチルエチルケトン溶液(JEFFLINK 754、Huntsman LLC社製の鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液を含有)に添加し、室温で1時間、マグネチックスターラーを用いて撹拌した。サンプルを更に60℃で2時間静置した。約25gの反応生成物のサンプルを、1.0gの水、0.4gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、0.2gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングした。パネルを約80℃で15分硬化させ、更に水に2日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。硬化後のパネルを更に、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。
【0036】
【表2】

*固形物含量100%に対するケイ素の重量%
【0037】
<実施例21>
鎖伸長剤/エンドキャッピング剤溶液をプレポリマーに添加したことを除き、実施例19と同様にサンプルを調製した。サンプルを2時間、60℃に設定した乾燥器に静置した。約25gの反応生成物のサンプルを、1.0gの水、0.4gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、0.2gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングした。パネルを約80℃で15分硬化させ、更に水に2日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。硬化後のパネルを更に、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。塩化ナトリウムに暴露したパネルは試験をパスし、ピンホールも観察されなかった。全てのパネル及びコントロールパネルは、接着力の損失なしに、3/8インチの屈曲試験をパスし、クロスハッチ接着は5B評価であり、ペンシル硬度は8H評価であった。サンプルを溶媒から分離し、柔軟な固体を得た。
【0038】
<比較実施例22>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備える250mlの反応器に、145のヒドロキシル価の、2の官能性を有する100.0gのヒドロキシル末端ポリ(1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコールアジパート)(Lexorez 1640−150)、179.0gの酢酸エチルを添加した。混合液を1時間還流しながら乾燥させ、更に約75℃に冷却し、0.51gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%溶液を添加し、更に25.0gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。NCO/OH比率の計算値は0.86であった。温度を約3時間75℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、0.0重量%であった。熱源を取り外し、室温に冷却した。反応生成物は、ケイ素及び尿素を含有しなかった。約25gの反応生成物のサンプルを、35.0gの酢酸エチル、0.24gのジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナンの1重量%トルエン中溶液、1.5gの水の混合液中に溶解させ、冷延鋼パネル(Act Laboratories社製、APR10009)上へフローコーティングし、約80℃で15分硬化させた。パネルを更に水に3日間浸漬した後に乾燥させ、紙タオルで拭いた後、80℃に設定した乾燥器中に45分間置いた。硬化後のパネルを更に、トルエン、メタノール及び5重量%の塩化ナトリウム中に浸漬し、半径3/8インチの180°屈曲試験、クロスハッチ接着、ペンシル硬度を試験した。塩化ナトリウムに暴露したパネルの場合、液浸の前に引掻き傷を付けた。全てのパネルのコーティングでは粘着性が維持され、溶媒中で容易に除去された。更なるテストは実施しなかった。
【0039】
<実施例23>
混合装置、凝縮装置、窒素供給装置及び加熱装置を備える1000mlの反応器に、97のヒドロキシル価の、4.2の官能性を有する130.0gのヒドロキシル末端ポリ(ジエチレングリコールグリセリンアジパート)(Lexorez 1842−90)、145のヒドロキシル価の、2の官能性を有する195.0gのヒドロキシル末端ポリ(1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコールアジパート)(Lexorez 1640−150)、250.0gの酢酸エチルを添加した。混合液を1時間還流乾燥させ、更に約75℃に冷却し、その温度で、4,4’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビスモルフォリンの10重量%酢酸エチル中溶液0.30gを添加し、更に撹拌しながら164.0gのイソホロンジイソシアネートを滴下して添加した。NCO/OH比率の計算値は2.0であった。温度を約4時間75℃に維持した。NCO重量%を標準的な方法で測定した結果、4.3重量%であった。熱源を取り外し、プレポリマーを室温に冷却した。この時点で、250.0gのプレポリマーを、撹拌しながら、窒素供給装置及び滴下漏斗を備えた1000mlのフラスコへ移した。150.0gの酢酸エチル及び23.0gの鎖伸長剤(JEFFLINK(登録商標)754)の溶液を滴下漏斗に充填した。700回転/分で鎖伸長剤を5時間にわたり徐々に添加し、鎖伸長されたプレポリマーを調製した。添加終了後、1時間にわたり撹拌を継続させ、更に10.5gのSilquest A−1170及び5.1gのエチルブチルアミンを含有するエンドキャッピング剤を1時間にわたり滴下しながら添加し、エンドキャッピングされた鎖伸長ポリマー生成物を調製した。反応生成物を60℃〜65℃の温度で2時間加温した。下記の表3は、この実施例に係る溶液中の、プレポリマー、鎖伸長されたプレポリマー及びエンドキャッピングされたポリマー生成物における固体含量(%)、粘性及び数平均分子量を示す。表3に記載される数平均分子量は算出された推定値である。
【0040】
【表3】

*推定値
【0041】
以上の説明で多くの詳細な例を紹介したが、それらは単にその好ましい実施態様を例示するものに過ぎず、これらの詳細な内容に本発明が限定されるものと解釈すべきでない。当業者であれば、本発明の技術思想の範囲内で多くの他の実施態様を想起するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー鎖中に少なくとも2つのウレタン結合及び少なくとも2つのウレア結合を含んでなり、約15,000〜約50,000の数平均分子量を有するシラン末端ポリマーを含有する水分硬化性組成物。
【請求項2】
前記シラン末端ポリマーが、少なくとも1つのアルコキシ基を有する少なくとも1つのシリコン含有末端基を有する、請求項1記載の水分硬化性組成物。
【請求項3】
前記アルコキシ基が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシ基からなる群から選択される、請求項2記載の水分硬化性組成物。
【請求項4】
シリコン含有量が、総固体含量にして約5重量%以下である、請求項1記載の水分硬化性組成物。
【請求項5】
シリコン含有量が、総固体含量にして約2重量%以下である、請求項1記載の水分硬化性組成物。
【請求項6】
水分硬化性シラン末端ポリマーの調製方法であって、
a)ポリオール、ポリイソシアネート及びポリアミンを同時に反応させ、ポリマーのプレポリマー鎖中に、少なくとも2つのウレタン結合及び少なくとも2つのウレア結合を有するイソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアプレポリマーを調製する工程と、
b)工程(a)で調製したプレポリマーの少なくとも一部を、少なくとも1つのアルコキシ基を有するシランでキャッピングし、水分硬化性シラン末端ポリマーを調製する工程を含んでなる方法。
【請求項7】
前記反応工程(a)が、
i)ポリオールを、モル過剰の、少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物と反応させ、イソシアネート末端ポリウレタンを調製するステップと、
ii)ポリアミンを、モル過剰の、ステップ(i)のイソシアネート末端ポリウレタンと反応させ、イソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアプレポリマーを調製するステップにより実施され、
前記工程(b)が、イソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアプレポリマーをアミノシランと反応させることにより実施される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記反応工程(a)が、
i)ポリアミンを、モル過剰の、ポリアミンのアミン基との反応性を有し、少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物と反応させ、イソシアネート末端ポリウレアを調製するステップと、
ii)ポリオールを、モル過剰の、ステップ(i)のイソシアネート末端ポリウレアと反応させてイソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアプレポリマーを調製するステップにより実施され、
前記工程(b)が、イソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアプレポリマーをアミノシランと反応させることにより実施される、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記反応工程(a)が、ポリオール、ポリイソシアネート及びポリアミンを同時に反応させる単一の工程により実施される、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記ポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカプロラクトン及びポリ(メタ)アクリレートポリオール、ヒドロキシル末端含有の飽和若しくは不飽和の炭化水素ポリマー、ポリヒドロキシポリカーボネート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリエステルアミド、ポリヒドロキシポリアミド、ポリヒドロキシポリチオエーテル及びアルカノールアミンからなる群から選択される1つ以上のものを含有する、請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記ポリイソシアネートが、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートからなる群から選択される1つ以上のものを含有する、請求項6記載の方法
【請求項12】
前記ポリアミンが第2級ジアミンである、請求項6記載の方法。
【請求項13】
前記ポリアミンが式RHN−R−NHRで表され、式中、R、R及びRが各々独立に、約2〜約20の炭素原子数のアルキルアリール又はアルキレン基から選択される、請求項6記載の方法。
【請求項14】
前記ポリアミンがN−イソプロピル(5−アミノ)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチル−N’−イソプロピルアミンである、請求項6記載の方法。
【請求項15】
前記シランがNメチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルジエトキシメチルシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ−2−メチル−プロピルトリメトキシシラン、3−(Nメチル−2−アミノ−1−メチル−1−エトオキシ)−プロピルトリメトキシ−シラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミン及びN−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、t−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、マレイン酸ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、マレイン酸ジブチル置換4−アミノ3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、Nメチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ2−メチルプロピルジエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリ−エトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−(Nメチル−3−アミノ−1−メチル−1−エトキシ)プロピル−トリメトキシシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミン、N−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス[(3−トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリプロポキシ−シリル)プロピル]アミン、N−(3−トリメトキシシリル)プロピル3−[N−(3−トリメトキシシリル)−プロピルアミノ]プロピオンアミド、N−(3−トリエトキシシリル)プロピル3−[N−3−トリエトキシシリル]−プロピルアミノ]プロピオンアミド、N−(3−トリメトキシシリル)プロピル3−[N−3−トリエトキシシリル]−プロピルアミノ)]プロピオンアミド、3−トリメトキシシリルプロピル−3−[N−(3−トリメトキシシリル)−プロピルアミノ]−2−メチルプロピオン酸、3−トリエトキシシリルプロピル−3−[N−(3−トリエトキシシリル)−プロピルアミノ]−2−プロピオン酸メチル、3−トリメトキシシリルプロピル−3−[N−(3−トリエトキシシリル)−プロピルアミノ]−2−プロピオン酸メチル、γ−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン及びN,N’−ビス((3−トリメトキシシリル)プロピル)アミンからなる群から選択される、請求項6記載の方法。
【請求項16】
更に、イソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレアポリマーの少なくとも一部分を、シリコン不含有モノアミンでキャッピングすることを含んでなる、請求項6記載の方法。
【請求項17】
前記シリコン不含有モノアミンがアルキルアミンである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
ポリオールを反応させる前記ステップ(i)が、触媒の存在下で実施される、請求項7記載の方法。
【請求項19】
前記触媒が、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズアセテート、第三級アミン、オクタン酸スズ、酢酸スズ、ジメチルビス[(1−オキソネオデシル)オキシ]スタナン、4,4’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビスモルフォリン、N−メチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン及びN,N’−ジメチルピペラジンからなる群から選択される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
a)基材の表面に、ポリマー鎖中にウレタン結合とウレア結合の反復を含むシラン末端ポリマーを塗布する工程と、
b)前記ポリマーを硬化させる工程を含んでなる基材の表面の処理方法。

【公表番号】特表2009−518518(P2009−518518A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544434(P2008−544434)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/046380
【国際公開番号】WO2007/067531
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】