説明

シリル基を含有する硬化性組成物およびその使用

本発明は、シリル基を有するヒドロキシル化合物を含む硬化性組成物ならびに前記組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリル基を有するヒドロキシル化合物を含む硬化性組成物、およびその使用に関する。
【0002】
本発明の文脈で使用される、シリル基を有するヒドロキシル化合物は、本出願の優先日時点で未公開の文献である独国特許出願第10 2008 000360.3号に記載の方法によって、複金属シアン化物触媒上でエポキシ官能性シランをアルコキシル化することによって製造され得る反応生成物を意味すると理解される。これらの生成物は、以下、シリルポリエーテル1と呼ぶ。本発明の文脈におけるシリル基は、異なるか、または同一の有機もしくはオキシ有機(oxyorganic)基によって特徴付けられる。
【化1】

【0003】
本発明の文脈において、「ポリエーテル」という用語は、ポリエーテル、ポリエーテルオール、ポリエーテルアルコール、ポリエーテルエステルを含むだけでなく、ポリエーテルカーボネートも含み、互いに同義で用いられ得る。「ポリ」という表現は、その分子またはポリマー中の複数のエーテル官能基またはアルコール官能基と密接に関連する必要はない。むしろ、この表現は単に、少なくとも個別のモノマーの反復単位、あるいは比較的高いモル質量およびさらに特定の多分散性を有する組成物が存在することを意味する。
【0004】
本発明の文脈における単語のフラグメント「ポリ」は、その分子中に1つまたは複数のモノマーの少なくとも3つの反復単位を有する化合物のみを含むものではなく、特に、分子量分布を有し、かつ少なくとも200g/モルの平均分子量を有する化合物のそれらの組成物も包含する。この定義は、当該工業分野において、それらがOECDまたはREACHガイドラインと類似するポリマーの定義を満たすものではないように思われる場合でも、かかる化合物をポリマーとして定義することが慣用的であるという事実を考慮に入れたものである。
【背景技術】
【0005】
シート状構造の接着結合またはコーティングの分野では、使用する分野に応じて最適化された硬化/固定(setting)特性を示す制御された固定系に至る様々な努力がなされている。
【0006】
ポリウレタンの形成を伴う、表面の接着結合/コーティングに使用されるイソシアネートベースの系は、イソシアネートの毒性の問題のために評判が落ちており、場合によっては、置き換えなければならない。
【0007】
これを行う様々な方法が提案されている。一つの方法は、アロファネートまたはビウレット構造を用いることによって、イソシアネート基を保護して架橋/重合の間にのみin situで変換する方法であり;もう1つの方法は、イソシアネートを全く含まないか、または少なくともそれが部分的に置換された、新規な接着およびコーティング組成物を使用する方法である。
【0008】
反応性アルコキシシリル基を有するプレポリマー系は以前から知られており、工業および建築分野における弾性シーラントおよび接着剤の製造によく使用されている。空気湿度および好適な触媒の存在下にて、これらのアルコキシシラン末端プレポリマーは、室温でさえ互いに縮合し、アルコキシ基を除去し、Si−O−Si結合を形成することができる。したがって、第2成分を計量し、混合する必要がないことから、特に取り扱いが簡単であるという利点を有する一成分系として、これらのプレポリマーを使用することが可能である。
【0009】
シラン重縮合により架橋する末端アルコキシシラン官能性ポリウレタンも同様に以前から知られている。この話題についての総論は、例えば“Adhesives Age” 4/1995, 30ページ以下(著者: Ta-Min Feng, B.A. Waldmann)に記載されている。かかるアルコキシシラン末端の湿分硬化性一成分ポリウレタンは、建築産業および自動車産業において可撓性コーティング、シーリングおよび接着剤組成物としてますます使用されている。
【0010】
かかるアルコキシシラン官能性ポリウレタンは、例えば、最初にポリエーテルポリオールを過剰量のポリイソシアネートと反応させてNCO含有プレポリマーを形成し、次いで、それをさらにアミノ官能性アルコキシシランと反応させることによって、米国特許第3,627,722号または米国特許第3,632,557号に従って製造することができる。高濃度で尿素およびウレタン基を含有するアルコキシシラン官能性プレポリマーが形成され、そのため生成物の粘度が高くなる。
【0011】
アロファネートは、多量の過剰な芳香族、脂肪族および/または脂環式ジイソシアネートと、一価または多価アルコールとを反応させることによって、業界で製造される(英国特許出願公開第A 994 890号、米国特許第3,769,318号、欧州特許出願公開第A 0 000 194号または欧州特許出願公開第A 0 712 840号参照)。ここで、次にイソシアネート官能性バインダーを得るために、独占的にジまたはポリイソシアネートが使用される。早期の架橋を防ぐために、過剰量のポリイソシアネートを使用する必要があり、ウレタン化およびアロファネート化が完了すると、減圧下で蒸留によって除去しなければならない。このコンセプトでは、更なるイソシアネート基が、アロファネート窒素を介して官能基として結合する。アロファネート構造を有するポリイソシアネートが、アロファネート構造を持たない類似体と比較して相対的に粘度が低いという事実は、様々な機会に文献で、例えば欧州特許出願公開A1 0 682 012号に記述されている。同様に、ウレタンおよびイソシアネート以外のイソシアネート誘導体から間接的にアロファネートを製造することが可能である。例えば、欧州特許出願公開第A 0 825 211号に、オキサジアジントリオンからアロファネート構造を形成する方法が記述されている;アロファネートを得るためのその他の経路は、ウレトジオンの開環である(Proceedings of the International Waterborne, High-Solids, and Powder Coatings Symposium 2001, 28, 405-419および米国特許出願公開第A−2003 0153713号参照)。しかしながら、どちらの経路にも、出発原料としてアップグレードされた原料が必要であり、副生成物に富むアロファネート生成物が生じるにすぎない。さらに、前駆物質の形成に、少なくとも二官能性のポリイソシアネートが独占的に使用される。モノイソシアネートの使用も既に、アロファネート化学と関連して開示されている。米国特許第5,663,272号および米国特許第5,567,793号の出願では、多官能性アルコールと反応させた後に、NCO基およびOH基を含有しないウレタンを得るために、フェニルイソシアネートが使用され、続いて、特定のMDI生成物でアロファネート化することによって修飾され、液体MDIポリイソシアネートが得られる。この手順において、生成物は、更なる処理の前にモノマージイソシアネートを含む。
【0012】
国際公開第2007/025667号ではさらに、修飾アルコキシシラン基を有し、独特な還元粘度を有すると言われるポリウレタンプレポリマーが記述されている。しかしながら、これらのプレポリマーの場合の不利点は、架橋のために提供される官能基化の密度が相対的に低いことである。
【0013】
ビウレットまたはアロファネート構造を有するキャップ化イソシアネートの反応性は当然のことながら、遊離イソシアネートと比較してかなり低いが、好適な触媒を添加することによって用途に対して最適化することができる。したがって、アルコキシシラン官能性プレポリマーの更なる利点は、硬化の過程において、酸も、オキシムまたはアミンも放出されないという事実にある。さらに、イソシアネートベースの接着剤またはシーラントの場合と異なり、気体COが形成しない。仮に気体COが形成すれば、構成要素の結合後に、接着剤組成物の膨張が起こる。さらに、イソシアネートベースの系と異なり、アルコキシシラン官能性プレポリマー混合物は毒物学的に安全である。
【0014】
アルコキシシラン官能性プレポリマーの特に普及している種類は、アルコキシシラン末端プレポリマーである。これらは、異なる出発原料から形成される。これらのプレポリマーは一般に、有機主鎖を有し、すなわち、特に欧州特許出願第0 372 561号、国際公開第00/37533号または米国特許第6,207,766号に記載される、例えばポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルエステル、エチレン−オレフィンコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマーまたはポリオレフィンから形成される。しかしながら、さらに、特に国際公開第96/34030号に記載される、その主鎖が全体的にまたは少なくとも部分的にオルガノシロキサンからなる系も普及している。
【0015】
アルコキシシラン末端プレポリマーの特に有利な製造方法では、出発原料は、ポリオール、例えばポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールであり、それを第1反応工程で過剰量のジイソシアネートまたはポリイソシアネートと反応させる。続いて、得られたイソシアネート末端プレポリマーをアミノアルキル官能性アルコキシシランと反応させて、所望のアルコキシシラン末端プレポリマーを得る。代替的には、ポリオールまたはOH官能性ポリウレタン(これは、ポリオールと不足量のジまたはポリイソシアネートとの反応によって製造可能である)を、イソシアナトアルキル官能性アルコキシシランと反応させることによって、アルコキシシラン末端プレポリマーを製造することも可能である。これらの製造方法は、例えば欧州特許出願第1 421 129号または国際公開第2005/000931号に記載されている。更なる製造方法、例えば、国際公開第02/034838号に記載の、アミノ官能性ポリオールとカルバマトアルキルアルコキシシランとの反応を考えることも可能である。さらに、ポリ(メタ)アクリレート主鎖を有するアルコキシシラン官能性プレポリマーも知られている。これらは一般に、(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルコキシシランと他の(メタ)アクリロイルモノマーおよび/または更なる不飽和モノマー、例えばスチレンとの共重合によって形成される。
【0016】
さらに、アルコキシシラン官能性ポリマーは、続いて不飽和アルコキシシラン、例えばビニルまたは(メタ)アクリロイルシランをグラフト化することによって製造することもできる。
【0017】
接着剤およびシーラント、ならびコーティング組成物および表面改質剤としての使用の他に、シラン架橋性剛性および可撓性フォーム、特にイソシアネート不含の吹付け可能なアセンブリフォームの製造のためのアルコキシシラン官能性プレポリマーの使用も知られており、例えば欧州特許出願公開第A1−098 920号または欧州特許出願公開第A1−1 363 960号に記載されている。これらのスプレーフォームは一般に、加圧キャニスターから塗布され、特に窓の接合部を封止するため、ドアフレームまたは一般に建築物の空洞を充填および封止するための充填材および強化材として役立つ。これらの用途に従って、非常に低い密度であること、すなわちフォーム缶当たりの体積収率(volume yield)が非常に大きく、したがって生産性が最高であることが、重要である。低いフォーム密度は、最大量の物理的発泡剤(すなわち、吹付け操作においてフォーム形成を推進する、フォーム缶中において圧力下で液化されたガス)を添加することによって達成される。
【0018】
国際公開第2008/058955号には、表面を結合する方法であって、分子中に、もっぱら末端の、および孤立したアルコキシシリル基および塩基性基、例えばNH−、NHR−またはN(R−基を有するプレポリマーと、発泡剤を含む発泡性混合物を発泡させて、結合される表面の一方上に、または結合される表面の間にフォームを得る、あるいは混合物から製造可能なフォームを発泡後に、結合される表面の一方に、または結合される表面の間に適用し、次いで結合される表面の間でフォームを平坦化する、方法が教示される。
【0019】
国際公開第2008/058955号の教示では、コポリマー構造において既に現れているトリアルコキシシリル単位によって導入される効果を、いくつかの機能を有し得る更なる成分として更なる遊離シランを添加することによって、高めることも考えられている。水捕捉剤としての(貯蔵安定性の向上)、架橋剤および/または反応性希釈剤としての(網状構造密度の増加、したがって機械的性質、例えば硬化組成物の破壊強度の向上)役割、特に好ましくはアルコキシルシランの形での接着性向上剤としての役割が考察されている。
【0020】
硬化触媒または少なくとも硬化共触媒としての純粋な役割は、国際公開第2008/058955号の低分子量アルコキシシラン、すなわちNH−、NHR−またはN(R−基などの塩基性基を有するアルコキシシランにさえも属する。記載の手順の不利点は、α,ω位のみでシリル基を末端とするプレポリマーの官能基化密度が低いことである。所望のポリウレタンポリマーの高分子量構造を考慮すると、良好かつ永久的な基材接着という所望の効果に効果的に取り組むのに十分でないにせよ、シリル修飾は適度であると思われる。したがって国際公開第第2008/058955号の教示は、所望の効果(接着促進、乾燥、架橋等)を生じさせるためにPUマトリックスに遊離シランを添加するという選択肢に基づく。これは、ポリマーにおける特定の位置への、正の効果が必要とされるシリルアンカー基の制御された組込みを確実にする方法ではない。特に、品質を保証する再現性という目的のためには、記載の方法は欠陥を示す。
【0021】
国際公開第2007/085605号の教示では、アルコキシシラン末端ポリマー、遊離アミノアルキルアルコキシシランおよび遊離アクリラト(acrylato)またはメタクリラト(methacrylato)基を有するアルコキシシランからなる、3物質の組み合わせが、成分を共重合した後に、様々な基材上での接着の向上を確実にするために必要であることを述べることによって、系成分のこの不確定性に煩わされる配合性(formulability)に起因する、すでに説明された欠陥に対処しようと試みている。その中で実行される適用例は、アミノシランと2物質の組み合わせからなるアルコキシシリル末端ポリマーとの共重合、またはアルコキシシリル末端ポリマーとメタアクリロイルシランとの共重合が、接着プロファイルを悪化させるということを強調している。アミノシランとメタアクリロイルシランのどちらも、プレポリマーマトリックス中でポリマー結合形で存在しないことから、後の共重合過程でのポリマーにおけるその局在化は、多かれ少なかれ統計的法則を満たす。それにもかかわらず、実際にプレポリマー内の三次元の均等な分布を確実にするために、アルコキシシリル末端ポリマーと充填剤の混合物を最初に製造し、次いでメタアクリロイルシラン、次にアミノシランを添加し、最後に共重合を誘導することによる、国際公開第2007/085605号の教示に従って好ましい、反応性ポリマーブレンドの製造が必要とされている。
【0022】
独国特許出願第10 2008 043218号として出願され、本出願の優先日時点で未公開の文献の教示では、上記で詳述された技術的な制限および不利点は、アルコキシシリル基を有し、かつ複金属シアン化物(DMC)触媒上でエポキシ化官能性アルコキシシランをアルコキシル化することによって得られ、かつ本出願の優先日時点で未公開の、本開示内容の主題に参照により完全に組み込まれる独国特許出願第10 2008 000360.3号に記述されている、新規なポリエーテルアルコールをコポリマー成分として使用することによって克服することができることを指摘することによって、技術的に簡単な、信頼できる、特に再現可能な方法に対する必要性に対処しようと努力している。
【0023】
ポリエーテル鎖のオキシアルキレン単位の配列内のアルコキシシラン官能基と、その末端の新規なアルコキシシラン官能基の両方を有し得る、略してシリルポリエーテル1と呼ばれる、上記文献の中で請求される新規なポリエーテル構造は、所望のプレポリマーのアンカー基密度を所望の通りに調節すること、すなわち、特定の用途目的に調和させることを可能にする。
【0024】
これらのポリエーテル構造は、モル質量分布M/M≧1.5を有し、したがってDMC触媒をベースとする狭い多分散性の他の系と異なる。
【0025】
独国特許出願第10 2008 000360.3号で請求されている反応性シリルポリエーテル1は、架橋する傾向がある、加水分解を受け易いアルコキシシリル基を有することから、硬化性ポリマーである。固体熱硬化および生成物が得られるその架橋は、水の存在下にて、場合により促進剤として酸または塩基を添加して簡単な方法で行われ、ポットライフは、温度を上昇させることによって硬化作業中に制御することができる。したがって、特定の最終用途に応じて、その用途に重要な製品特性を調整するために、開始剤の種類に応じて、使用できるエポキシドモノマーの種類、量および順序に応じて、これらの架橋性ポリエーテルのポリマー構造を様々な方法で変化させることができる。例えば、ポリマー鎖中のアルコキシシラン単位の割合を変化させることによって、架橋密度に影響を及ぼし、したがって広い範囲内で硬化ポリマーの特性の機械的および物理化学的プロファイルに影響を及ぼすことが可能である。驚くべきことに、注目すべきアルコキシシリル官能基化密度を有するシリルポリエーテル1でさえ、取り扱いが容易な低粘度の液体であり、そのため、良好な接着を有する高度に架橋した結合が望まれる場合でさえ、この成分の用量に関して全く制限はない。この観察から、低い処理粘度と同時に必要な架橋密度が達成されることを確実にするために最終配合物中に配合成分としての遊離シランモノマーの導入を強調している国際公開第2008/058955号に詳述される手順の発明教示とは、差別化される。アルコキシシリル基を有するシリルポリエーテル1には構造上の多様性が実質的に無限であり、既に、ポリマー化学に精通している当業者に、例えばエステル、カーボネートおよび芳香族成分を組み込むことによって、実質的にあらゆる用途の要求条件に応える、ある程度の構成の自由を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の目的は、シリル基を含有するモノマーを含む、硬度および特性の調節可能なプロファイルを有する、新規な硬化性組成物を提供することである。
【0027】
驚くべきことに、独国特許出願第10 2008 000360.3号に従って調節可能な、アルコキシシリル基を有するヒドロキシル化合物を、相溶性系において理想的かつ異なる方法で従来のアルコキシシリル官能性プレポリマーと組み合わせることができることが分かった。
【0028】
好ましいポリアルコキシシリル官能性シリルポリエーテル1は、例えば、アルコキシシリル官能性プレポリマー、例えばアルコキシシリル末端ポリエーテル、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリウレタンと組み合わせて、またはアルコキシシリル基を有するポリシロキサンとの混合物の状態で、多種多様な異なる種類の硬化性組成物における成分として著しく適している。配合成分としては、その驚くほど低い粘度のために、特に先行技術の一般に高粘度および高分子量シリル末端ポリウレタンおよびポリエーテルと組み合わせて、反応性希釈剤としての機能が考えられる。この機能において、それらは、テトラアルコキシシランまたはアルキルトリアルコキシシランなど、現在まで一般的であったモノマー反応性希釈剤に完全にまたは一部取って代わる。シリルポリエーテル1は好ましくは、更なるシラン化合物、さらに好ましくは式1と異なるものと組み合わせられる。
【0029】
同時に、それらは、既存のシリル末端プレポリマーのアルコキシシリル官能性の欠如を改善する可能性を開く。例えば、従来のシリルポリマーを含有する系における、高レベルのアルコキシシリル官能性を有するシリルポリエーテル1の使用は、架橋密度、したがって機械的性質および種々の基材上での接着を高めるのに有効な、再現可能な、かつ効率的な方法である。系成分の混合比および選択に応じて、簡単な方法で硬化シリルポリマー系の処理特性および最終特性を制御することが可能である。シリルポリエーテル1とアルコキシシリル基を有するポリシロキサン、例えば国際公開第2007/061847号に記載の化合物との本発明の組み合わせによって、シロキサンに一般的な特性を有機硬化性ポリマーの特性と組み合わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】式(1)の化合物の構造を示す。
【図2】SP−1、ブレンド1およびブレンド2の振動レオロジー比較調査の結果を示すグラフである。
【図3】SP−1およびブレンド3の振動レオロジー比較調査の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
DMC触媒経路によって製造可能なシリルポリエーテル1は、ポリマー構造に化学的に結合された少なくとも1つのアルコキシシリル基を有するすべてのシリル官能性化合物との混合物の状態で使用することができる。かかるシラン修飾ポリマーは、式(2)
【化2】


(式中、
、XおよびXはそれぞれ独立して、炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、
Aは、カルボキシル、カルバメート、アミド、カルボネート、ウレイドまたはスルホネート基を含有する基、あるいは酸素原子であり、
wは、1〜8の整数であり、
vは、1〜20、好ましくは1〜15、特に1〜5の整数である)
の種類のシラン化合物である。
【0032】
ポリマー基は、アルキド樹脂、オイル修飾アルキド樹脂、飽和もしくは不飽和ポリエステル、天然油、エポキシド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドおよびその塩、フェノール樹脂、ポリオキシメチレンホモおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリスルフィドゴム、ニトロセルロース、酪酸ビニル、ビニルポリマー、エチルセルロース、酢酸セルロースおよび/または酪酸セルロース、レーヨン、セラック、ワックス、エチレンコポリマー、有機ゴム、ポリシロキサン、ポリエーテルシロキサン、シリコーン樹脂、ポリエーテル、ポリエーテルエステルおよび/またはポリエーテルカルボネートからなる群から選択される。
【0033】
シリルポリエーテル1との混合物の状態で優先的に使用される式(2)のポリマーとしては、反応性アルコキシシリル基が、窒素含有ポリマー結合A基から1つのメチレン単位(v=1)によってのみ隔てられている、いわゆるα−シラン末端ポリマーが挙げられる。ウレタンまたは尿素単位によってポリマー構造に結合されるかかるα−シランポリマーは、そのケイ素上に置換基として通常メトキシまたはエトキシ基を含有する。そのポリマー構造は、直鎖状または分枝状であり、性質上は有機またはシリコニック(siliconic)である。ポリエーテルの末端にα−シランが末端結合することが特に好ましい。2つの鎖末端それぞれにα−シラン官能基を有する、ポリアルキレンオキシド、特にポリプロピレングリコール(w=2)が特に重要であり、Wackerにより商品名Geniosil(登録商標)STP-E10およびGeniosil(登録商標)STP-E30で販売されている。かかるα−シランプレポリマーの製造は、例えばPCT EP05/003706号および欧州特許出願公開第A1−1967550号に記載されている。シリルポリエーテル(1)との混合物の状態で使用するのに特に適している例は、ジメトキシ(メチル)シリルメチルカルバメートおよび/またはトリメトキシシリルメチルカルバメート末端ポリエーテルである。
【0034】
文献には、アミノアルキレンアルコキシシリル置換基を備えたポリオキシアルキレン化合物の場合に起こり、かつケイ素結合アルコキシ基の分子内加水分解脱離を促進する、立体電子的に誘導されるα効果の十分な開示がなされている。反応性速硬化性α−シランと独国特許出願第10 2008 000360.3号による遅硬化性シリルポリエーテル1からなるブレンドを製造することによって、ポットライフを柔軟に調節することが可能である。混合物中のα−シランの含有は、硬化の迅速な開始および不粘着(tack free)時間の短縮をもたらし;独国特許出願第10 2008 000360.3号による高レベルのアルコキシシリル官能性を有するシリルポリエーテル1は、より良い通し硬化(through-curing)を可能にし、より高い最終機械的強度の達成を可能にし、表面改質の場合には、特定の基材へのより良い化学的固定を可能にする。このように、2種類のシリルポリマーの固有の特性および利点は、理想的な方法で組み合わせることができる(図2参照)。
【0035】
シリルポリエーテル1を有する硬化性組成物において使用可能な式(2)の更なるシランポリマーは、そのシラン基がプロピレン単位(v=3)を介してポリマー構造に末端結合しており、Aがウレタン基である、ポリマーである。ポリアルキレンオキシド、特にポリプロピレングリコール(w=2)が好ましく、これは2つの鎖の末端それぞれにシラン官能基を有し、Wackerから商品名Geniosil(登録商標)STP-E15およびGeniosil(登録商標)STP-E35で入手可能である。かかるシランポリマーの製造は、例えば欧州特許第1824904号に記載されている。シリルポリエーテル1との混合物の状態で使用するのに特に適している例は、ジメトキシ(メチル)シリルプロピルカルバメートおよび/またはトリメトキシシリルプロピルカルバメート末端ポリエーテルである。
【0036】
混合物成分として同様に適している式(2)の化合物はシラン末端ポリウレタンであり、ジイソシアネートと反応させ、次いでアミノ官能性アルコキシシランと反応させることによる、ポリオールからのその製造は、例えば米国特許第7,365,145号、米国特許第3,627,722号または米国特許第3,632,557号に記載されている。結合性基Aは、ウレタンまたは尿素基を有する基である。この種類の代表的なシランポリマーは、例えばBayer Material Scienceから市販のDesmoseal(登録商標)S XP 2636である。硬化シラン末端ポリウレタンは、弾性接着剤およびシーラント、さらにコーティング用のバインダーとして非常に適している。しかしながら、特有の不利点は、その高い粘度であり、同様に米国特許第7,365,145号で強調されているように加工性が制限される。したがって、先行技術に従って、希釈剤がこの種類のポリマーには添加される。これらは、粘度を下げるだけでなく、同時に架橋密度を増加する、モノマーアルコキシシランなどの反応性希釈剤、またはさらに可塑化特性を有し得る非反応性希釈剤であることができる。独国特許出願第10 2008 000360.3号に開示される方法によって製造される、比較的高いレベルのアルコキシシリル官能性を通常有する、好ましくは低粘度シリルポリエーテル1を有するシラン末端ポリウレタンで構成される本発明による硬化性混合物は、2つの成分の製品特性を併せ持つ。従来の希釈剤の代わりに、粘度を下げると同時に、それらは柔軟な調節、好ましくはアルコキシシリル官能性の増加、したがって機械的強度の向上、および基材への接着の向上を可能にし、それによって、例えば充填剤を使用する範囲が広がる。
【0037】
独国特許出願第10 2008 000360.3号による生成物を含む系において本発明の文脈で使用可能な更なるシリルポリエーテル1は、長い間知られている式(2)(式中、Aは酸素である)のウレタンおよび尿素非含有シリル末端ポリエーテルであり、ここで、その末端アルコキシシリル基は、エーテル官能基を介してポリマー構造に直接結合している。かかるシリルポリマーは、米国特許第3,971,751号に記載されている。それらは好ましくは、ポリエーテルベース構造からなり、式(2)中のvは好ましくは、3の値を有し、wは好ましくは、2の値を有し、カネカから製品MS Polymer(登録商標)として入手可能である。かかる硬化性シリルポリエーテルは、弾性シーラントおよび接着剤として非常に適しているが、アルコキシシリル基が約10000g/モルの長いポリマー構造に末端でのみ結合しているため、低い網状構造密度を形成することができるのみである。低粘度の、好ましくはポリアルコキシシリル官能性の、シリルポリエーテル1との組み合わせによって、シリル基を有する両方の種類の生成物の利点:例えば、硬化フィルムまたは硬化接着結合において、優れた弾性および接着と同時に、比較的高い硬度の達成を併せ持つ、より高架橋性の系に近づく。架橋性シリル基の数が多いため、固体ポリマーが硬化の過程で急速に形成されることから、かかる混合物の使用は、望まれることが多い不粘着時間の短縮を兼ね備える。それと対照的に、高シリル官能性ポリエーテル1を単独で使用することによって、比較的脆い生成物(図1参照)が形成される。
【0038】
例えば、国際公開第2007/061847号に記載のアルコキシシリル基を有するポリシロキサンを独国特許出願第10 2008 000360.3号による硬化性シリルポリエーテルと組み合わせることも可能である。
【0039】
DMC触媒によって製造可能なシリルポリエーテルは同様に、式(2a)
SiV(4−x) (2a)
(式中、Wは、同一または異なる非加水分解性基を表し、V=同一または異なる加水分解性基またはヒドロキシル基であり、x=1、2、3または4である)
の従来のモノマーシランとの混合物の状態で使用される。
【0040】
式(2a)において、加水分解性V基は、例えば、H、ハロゲン、アルコキシ(好ましくはメトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、n−プロポキシまたはブトキシ)、アリールオキシ(好ましくはフェノキシ)、アシルオキシ(好ましくはアセトキシまたはプロピオニルオキシ)、アシル(好ましくはアセチル)、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ基である。非加水分解性W基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリールまたはアラルキル基であり得る。アルキル鎖は、炭素原子0〜50個、好ましくは0〜22個を有し、酸素もしくは窒素もしくは硫黄などのヘテロ原子が割り込んでもよく、またはシリコーン基であってもよい。芳香族基は、ヘテロ芳香族であってもよい。WおよびV基はそれぞれ場合により、1つまたは複数の通例の置換基、例えばハロゲンまたはアルコキシを有し得る。
【0041】
官能基を有する式(2a)による非加水分解性W基は、グリシジルまたはグリシジルオキシアルキレン基、例えばβ−グリシジルオキシエチル、γ−グリシジルオキシプロピル、δ−グリシジルオキシプロピル、ε−グリシジルオキシペンチル、ω−グリシジルオキシヘキシルまたは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、メタクリロイルオキシアルキレンおよびアクリロイルオキシアルキレン基、例えばメタクリロイルオキシメチル、アクリロイルオキシメチル、メタクリロイルオキシエチル、アクリロイルオキシエチル、メタクリロイルオキシプロピル、アクリロイルオキシプロピル、メタクリロイルオキシブチルまたはアクリロイルオキシブチル、および3−イソシアナトプロピル基の範囲から選択され得る。
【0042】
かかる有機官能性モノマーシランは、単独で、または互いとの混合物での、例えば、N−シクロヘキシルアミノメチルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルアイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランおよび/またはヘキサデシルトリメトキシシランである。この論題の概説は、“Silylated Surfaces”, edited by Donald E. Leyden and Ward T. Collins, Gorden and Breach Science Publishers, Inc., 1980, ISBN 0-677-13370-7に記述されている。
【0043】
一般に、最適化されたコポリマー系を得るために、特性の所望のプロファイルに適した成分を選択することは専門家に任される。したがって、本発明の組成物は、特性の異なるプロファイルのツールボックスを利用可能にし、最適化された組成物は、用途に応じてそこから選択することができる。
【0044】
さらに、驚くべきことに、特性を向上させる目的で、独国特許出願第10 2008 000360.3号で請求される構造型をプレポリマーブレンド中、およびシリル基を持たない架橋性化合物を有する硬化ポリマー中の両方において組み合わせることができることを見出した。例えば、アリル、ビニル、アクリレートまたはメタクリレート基の形で二重結合を有する不飽和化合物とシリルポリエーテル1との混合物は、2つのメカニズムによって−アルコキシシリル基を介した加水分解によって、および二重結合を介したラジカル重合によってまたはUV照射によって−製造および硬化することができる。同様に、シリルポリエーテル1とエポキシドとの混合物を製造し、水分およびアミンの存在下にてそれらを共に硬化することが可能である。
【0045】
特定の接着剤またはシーラント用途に望まれる、調節可能なポットライフに加えて、本発明に従って本明細書で請求される組成物によって、個々の成分と比較して明確に向上した特性を有するコポリマー系への道が開かれる。例えば、高い弾性率(moduli of elasticily)を特徴とするが同時に低い圧縮強度を有するポリマーであって、α,ω−アルコキシシリル基を有する純粋に直鎖状のポリオキシアルキレンの硬化から誘導されるポリマーは、アルコキシシリル基を有するシリルポリエーテル1(これは加水分解硬化性アルコキシシリル置換基もポリオキシアルキレン鎖内に有し得る)との本発明に従って本明細書で請求される共硬化の結果として、圧縮強度が明確に向上する。
【0046】
シリルポリエーテル1は同様に、本出願の優先日にまだ公開されていない独国特許出願第10 2008 044373.5号に記載のアルコキシシリル基で官能基化されたポリエーテルシロキサンを有する硬化性組成物において使用される。これらの使用可能な化合物は好ましくは、式中、R=アルキルおよび/またはアリール基によって置換されていてもよいケイ素含有基またはシロキサン基である、式1の化合物である。エポキシ化官能性アルコキシシランのDMC触媒アルコキシル化の経路によって同様に製造可能なかかるシリル化シロキサン−ポリエーテルコポリマーは、同時に、界面活性剤作用を通常有する硬化性化合物である。また、シリルポリエーテル1および場合により式(2)または(2a)の更なるシラン化合物を含む系において使用されることにより、被覆または接着される基材の湿潤が可能となり、したがって、接着性の向上が可能となる。シリル基を有するポリエーテルシロキサンが適切に選択される場合には、更なる作用、特に、薄層で硬化される組成物の展延などの界面現象または脱気剤としての作用を、硬化性混合物の成分が共に攪拌される場合に攪拌された気泡を除去するために、用いることが可能である。本発明の硬化性混合物は、接着剤を製造するためのベース材料として、表面コーティングおよび表面改質のため、反応性架橋剤として、接着性向上剤およびプライマーとして、ならびに金属、ガラスおよびガラス繊維/ガラス布、木材、木材ベース材料、天然繊維、および、例えば、一般にコルクおよびケイ酸塩系材料などの様々な基材のバインダーまたはシーラントとして適している。例えば、レンガ、コンクリート、モルタル等に加水分解プロセスにより固定されるアルコキシシリル部位の制御された組込みは、かかる修飾系が建設分野(例えば、建築物のシェルにおけるドアおよび窓のフレームの、接着および断熱封止がその重要な因子である)において使用される場合に非常に有利であることが判明した。選択された成分を使用した場合には、新規な可塑剤系も得られる。
【0047】
新規な硬化性混合物は、その硬化過程でいかなる気体反応生成物も放出しないため、例えば、コーティング系の形またはコーティング系成分の形で表面をコーティングするために、それらを使用することも可能である。例えば、国際公開第2008/074489号には、加水分解性シラン基を有するポリオールおよびポリイソシアネートをベースとする、高い耐引掻き性および耐候性を有するコーティング組成が記載されている。
【0048】
遊離イソシアネートをなしで済ませる可能性の結果として、食品の接触を伴う用途にその用途を拡大することも可能である。本発明のポリマーは、バインダーとして、すなわち、木材ベース材料(例えばチップボードまたはMDFパネル)の製造において、同一または異なる物質を互いに結合するために、または木材またはコルク粒子(かんな屑または木部繊維などを含む)の結合のために、役割を果たし得、したがってまた、床、寄木張りおよびラミネート用途のアミノ樹脂またはイソシアネート接着剤組成物の代替物として利用可能である。シラン基で修飾されたポリイソシアネートから、複数の加水分解性アルコキシシリル基が同時に提供されるポリオールまでの、反応性基の再分布によって、特性の可変的に調節可能なプロファイルを有する新規な接着剤およびコーティング組成物が得られる。本発明のポリマーは、熱可塑性特性も有し、したがって、温度に依存する流れ特性が必要とされる、成形品の製造にも役立つ。例えば、射出成形、押出し成形またはホットプレスなどの方法において、その成形組成物を使用することができる。本発明の硬化性混合物は、触媒なしで使用することもでき、成形作業中にさらに硬化および架橋する必要がない。架橋した後、シリル基を有するポリマーは、熱硬化製品へと変換される。
【0049】
当業者には公知のように、アルコキシシリル基の架橋または硬化は、二段階化学プロセスで行われ、第1段階では、水の存在下にて(空気湿度も十分であり得るが)、ケイ素に結合しているアルコキシ基が、相当するアルコールとして除去され、SiOH基が形成される。自己縮合の場合には、次いで、後者は互いに縮合し、Si−O−Si架橋を形成し、ポリマー材料を形成する。代替的には、SiOH官能性中間体が反応性基を有する基材と(例えば、OH官能基を有するケイ酸塩系表面と特に効率的に)反応し、特定の基材上への優れた化学的固定が生じる。硬化速度は、触媒を添加することによって、または温度の変化によって、様々な方法で影響を受け得る。
【0050】
このようにして、プレポリマー系の遊離または触媒硬化の公知の方法を行うことによって、場合によりフォーム状構造を有するポリマー材料を得ることが可能である。可能性のある本発明のシリルポリマー混合物が多様であり、かつその数が多いことから、用途に応じて、選択される好ましい形態を決定することが可能である。
【0051】
好ましくは、硬化性混合物中に存在するシリルポリエーテル1は、ヒドロキシル基1個につき平均で2個以上のアルコキシシリル官能基を有する。式1の少なくとも1つの化合物に加えて、式1の化合物以外の更なるシラン化合物を含む混合物がさらに好ましい。
【0052】
本発明に従って混合物中で使用可能なシリルポリエーテル1、特に式(1)のアルコキシシリル修飾ポリエーテルオールは、例えばシリル基で修飾されたエポキシドと多種多様な異なる起源からの出発物質アルコールとの反応によって得られる。
【0053】
その製造法および使用可能なエポキシド構造型は、本出願の優先日時点で未公開の独国特許出願第10 2008 000360.3号に詳述されている。独国特許出願第2008 000360.3号の明細書および特許請求の範囲の内容は、参照により本発明の開示内容に完全に組み込まれる。
【0054】
このようにして製造された化合物は、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン化合物であって、ポリオキシアルキレン鎖中、アルコキシシリル官能基を末端に、または孤立した状態で、ブロック状に積み上げられた状態で、またはランダムな分布で含有する化合物間で選択する、合成の自由を与える。
【0055】
このように製造されたシリル化合物、特に、アルコキシシリルで修飾されており、かつ式(1)のシリルポリエーテル1は、構造およびモル質量に関して制御され、かつ再現可能な方法で製造することができるという点から注目に値する。モノマー単位の配列は、広い範囲内で可変的に構成される。エポキシドモノマーは、所望のように、ブロック状の連続で、またはランダムに、ポリマー鎖に組み込まれ得る。環状無水物および二酸化炭素が、ポリエーテル構造にランダムに、すなわち均一なブロックの状態ではなく、挿入されて存在するという制約はあるが、反応成分の開環を伴う反応によって形成するポリマー鎖に挿入されるフラグメントは、配列に関して互いに自由に順序を変えることが可能である。
【0056】
使用されるプレポリマーが式(1)のプレポリマーであり、式(1)のポリエーテルのケイ素原子に3個より少ないアルコキシ基が結合する場合、高度に官能基化された網状構造が形成され、ここで、ポリエーテル鎖は、それぞれRによって開始され、かつその順序を自由に変えることが可能であるフラグメントを含有し、かつ反応成分の開環を伴う反応によって形成するポリマー鎖に挿入され、そのポリエーテル鎖は、−CH−O−(CH−Si−(CH−O−CH−架橋によって互いに結合される。したがって、その結果は非常に複雑な、高度に官能基化された構造である。また、目的の用途分野に対して制御された方法で官能性を調節することが可能である。得られるポリマー構造の架橋度および複雑性は、シリルモノマーのエポキシ官能性が増加するにしたがって高くなる。3−グリシジルオキシアルキルトリアルコキシシランがモノマーとして特に好ましい。
【0057】
上記の定義の内容で、ブロック状またはランダムな分布で、開環を伴う反応によって形成するポリマー鎖に挿入されているフラグメントは、ポリエーテル構造単位の鎖中のみならず、−CH−O−(CH−Si−(CH−O−CH−架橋によって互いに結合されている、形成される多数のポリエーテル構造単位にわたってランダムな分布でも存在し得る。したがって、このプロセス生成物の構造上のバリエーションが多様であるため、式に関して絶対的に明白な説明はできない。
【0058】
使用されるシリルポリエーテル1は好ましくは、式(1)のポリエーテル構造であり、図1も参照されたい。これらは、アルコキシシリル基で置換されており、かつ反応成分の開環を伴う反応によってポリマー鎖に挿入されたフラグメントに従って、フラグメントd〜jを選択することによって制御された方法で高度に官能基化されている直鎖からなり、したがって、様々な用途分野に合わせて調整することができる。
【化3】


式中、aは、1〜3の整数、好ましくは3であり、
bは、0〜2、好ましくは0〜1の整数、さらに好ましくは0であり、aとbの和が3に等しく、
cは、0〜22、好ましくは0〜12、さらに好ましくは0〜8、またさらに好ましくは0〜4の整数であり、特に1または3であり、
dは、1〜1000、好ましくは1〜100、さらに好ましくは4〜20、またさらに好ましくは5〜10の整数であり、特に4または10を超える整数であり、
eは、0〜10000、好ましくは1〜2000、さらに好ましくは1〜1000の整数、特に1〜500の整数であり、
fは、0〜1000、好ましくは0〜100、さらに好ましくは0〜50、特に0〜30の整数であり、
gは、0〜1000、好ましくは0〜200、さらに好ましくは0〜100、特に0〜70の整数であり、
h、iおよびjはそれぞれ、0〜500、好ましくは0〜300、さらに好ましくは0〜200、特に0〜100の整数であり、
nは、2〜8の整数であり、
但し、指数d〜jを有するフラグメントが互いに自由に順序を変えることが可能であり、すなわちポリエーテル鎖内の配列で互いに交換可能であり、
Rは、直鎖状または分枝状の、飽和または一価または多価不飽和の、炭素原子1〜20個、特に1〜6個を有するアルキル基または炭素原子1〜20個を有するハロアルキル基から選択される1つまたは複数の同一または異なる基を表す。好ましくは、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびs−ブチル基を表し;
は、酸素原子を介して好ましくは結合した、飽和または不飽和の、場合により分枝状の基であるか、あるいはアルコキシ、アリールアルコキシまたはアルキルアリールアルコキシ基タイプのポリエーテル基であり、その炭素鎖は酸素原子が割り込んでもよく、あるいはRは、場合により単一縮合または複数縮合した芳香族アリールオキシ基であり、ここで、シリルポリエーテル1におけるR基は好ましくは、ケイ素原子を持たず、
およびR、ならびにRおよびRは、同一であるか、またはそれぞれ独立して、H、あるいは飽和または場合により一価または多価不飽和の、またさらに置換されている、場合により一価または多価の、炭化水素基であり、前記RおよびR基がそれぞれ、一価炭化水素基である場合がある。
炭化水素基は、フラグメントYを介して脂環的(cycloaliphatically)に架橋されていてもよく:Yは存在しないか、あるいは1個または2個のメチレン単位を有するメチレン架橋であってもよく;Yが存在しない場合には、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素原子1〜20個、好ましくは1〜10個を有する直鎖状または分枝状基、さらに好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはブチル、ビニル、アリルまたはフェニル基である。好ましくは、RおよびR基2つのうちの少なくとも1つが水素である。R−Rは、−CHCHCHCH−基であり、したがってYは、−(CHCH−)−基であってもよい。炭化水素基RおよびRは同様に更なる置換を有し、水素、ヒドロキシル基またはグリシジルオキシプロピル基などの官能基を有してもよい。
は、炭素原子1〜24個の直鎖状または分枝状アルキル基またはアルキル基を場合により同様に有し得る芳香族もしくは脂環式基であり;
およびRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アリールまたはアラルキル基であり、開環重合で共重合して、アルコキシシラン基を含有する架橋性ポリエーテルエステルを提供する。
、R10、R11およびR12はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールまたはアラルキル基である。炭化水素基は、フラグメントZを介して脂環的または芳香族的(aromatically)に架橋されていてもよく、Zは、二価アルキレンまたはアルケニレン基のいずれかであってもよい。
【0059】
29Si NMRおよびGPC分析によって示されるように、本方法に関連する鎖末端のOH基の存在によって、DMC触媒製造時、および例えば下流プロセス工程の両方において、ケイ素原子に対するエステル交換反応の選択肢が得られる。形式的な意味で、これは、酸素原子を介してケイ素に結合しているアルキル基Rを長鎖修飾アルコキシシリルポリマー基に交換することを含む。二峰性および多峰性GPC曲線から、アルコキシル化生成物は、式(1)で再現される非エステル交換反応種だけでなく、2倍、場合によっては3倍または4倍のモル質量を有する種も含有することが示されている。したがって、式(1)は、複雑な化学的実態を単に簡略形で表す。
【0060】
したがって、OR基の一部がシリルポリエーテル基で置換され得ることから、シリルポリエーテル1は、式(1)における指数(a)+(b)の和が統計的平均で3未満である化合物も含む組成物である。したがって、この組成物は、R−OHの除去および式(1)の更なる分子の反応性OH基との縮合反応によって、ケイ素原子にて形成される種を含有する。例えば、ケイ素上のすべてのRO基が、式(1)の更なる分子に交換されるまで、この反応は数回行われ得る。これらの化合物の一般的な29Si NMRスペクトルにおける複数のシグナルの存在によって、異なる置換パターンを有するシリル基の存在が支持される。したがって、指数(a)〜(j)に関して報告される値および好ましい範囲は、個々に考慮することができない異なる種に関して、単に平均値として理解すべきである。化学構造の多様性およびモル質量も、シリルポリエーテル1の典型であり、従来のDMCベースのポリエーテルでは完全に異例である、通常1.5以上のM/Mの広いモル質量分布で反映される。
【0061】
アルコキシル反応に使用される出発物質または出発化合物は、式(3)による少なくとも1つの反応性ヒドロキシル基を有する、単独での、または互いとの混合物の状態での、式(3)
−H
(3)
(式中、Hは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する化合物(例えばアルコールの、またはフェノール系化合物)のOH基に属する)のすべての化合物であることができ、単独または、式(3)の反応性ヒドロキシル基を少なくとも1つ有するものを互いに混合し得る。Rは、飽和もしくは不飽和の、場合により分枝状の、少なくとも1つのヒドロキシル基の酸素原子を有する基であるか、またはアルコキシ、アリールアルコキシもしくはアルキルアリールアルコキシ基タイプのポリエーテル基(その炭素鎖は酸素原子が割り込んでもよい)であるか、あるいはRは、場合により単一縮合または複数縮合の、芳香族アリールオキシ基である。アルコキシ、アリールアルコキシまたはアルキルアリールアルコキシ基を有し、かつ出発化合物として使用可能なポリエーテル基の鎖長は、任意である。ポリエーテル、アルコキシ、アリールアルコキシまたはアルキルアリールアルコキシ基は、好ましくは炭素原子1〜1500個、さらに好ましくは炭素原子2〜300個、特に炭素原子2〜100個を含有する。
【0062】
出発化合物とは、製造されるポリエーテル分子(1)のスタートを形成する物質であって、エポキシ化官能性モノマーの添加によって得られる物質を意味することを理解されたい。本方法で使用される出発化合物は、好ましくは、アルコール、ポリエーテルオールおよびフェノールの群から選択される。使用される出発化合物は、好ましくは、一価または多価ポリエーテルアルコールまたはアルコールR−H(このHは、アルコールまたはフェノールのOH基の一部を形成する)である。
【0063】
使用されるOH官能性出発化合物R−H(3)は、好ましくは、モル質量18〜10000g/モル、特に50〜2000g/モルを有し、かつヒドロキシル基1〜8個、好ましくは1〜4個を有する化合物である。
【0064】
式(3)の化合物の例としては、アリルアルコール、ブタノール、オクタノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ−、トリ−およびポリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジ−およびポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、セルロース糖、リグニン、またはヒドロキシル基を有し、かつ天然物質をベースとする更なる化合物が挙げられる。
【0065】
有利なことには、使用る出発化合物は、ヒドロキシル基1〜8個およびモル質量50〜2000g/モルを有する低分子量ポリエーテルオールであり、それ自体は、DMC触媒アルコキシル化によって予め製造されている。
【0066】
脂肪族および脂環式OH基を有する化合物に加えて、好適な化合物は、フェノール系OH官能基1〜20個を有する任意の化合物である。これらとしては、例えば、フェノール、アルキルフェノールおよびアリールフェノール、ビスフェノールAおよびノボラックが挙げられる。
【0067】
指数d〜jを有するフラグメントと、置換基R中に存在する任意のポリオキシアルキレン鎖の、両方の異なるモノマー単位は、互いに関してブロック状構造を有するか、またはランダムな分布下にあってよい。
【0068】
したがって、本明細書で再現される式で報告される指数および特定される指数の値の範囲は実際に存在する構造および/またはその混合物の可能性のある統計分布の平均値である。これは、例えば式(1)などの、それ自体が正確に再現される構造式にも当てはまる。
【0069】
使用されるエポキシ化官能性アルコキシシランおよび使用される任意の更なるモノマー、さらに任意の二酸化炭素に従って、アルコキシシリル基を有する修飾ポリエーテルアルコール(1)およびあらゆる組成を有するその混合物を製造することが可能である。式(1)の化合物におけるアルコキシシラン単位は好ましくは、トリアルコキシシラン単位である。
【0070】
好ましくは式(2)または(2a)の少なくとも1つの成分および式(1)の少なくとも1つの成分を含む本発明の硬化性混合物は、例えば、コーティング、平坦な表面、粒状表面、繊維状表面および布地の修飾に、およびシーラントとして使用することができる。コーティングは、例えば接着剤コーティング、特に発泡接着剤コーティングであることができる。硬化性混合物は、エマルジョンまたは溶液状で、好ましくは水性エマルジョンとしても使用され得る。これらの本発明の組成物は発泡性であることが意図される場合、場合により化学的に形成された、1種または複数種の発泡剤を含む。
【0071】
コーティングされる表面は、吹付け、塗装、浸し塗り等の公知の方法によってコーティングすることができる。結合される表面は好ましくは、プロセス中に互いの上にプレスされる。場合により発泡性の混合物が、好ましくは加圧キャニスターから、結合を形成するために塗布され、そして、化学反応によっても放出され得る、混合物中に存在する発泡剤によってフォームが形成される。接着剤フォームの製造および使用は、本出願の優先日時点で未公開の独国特許出願第10 2008 043218号に詳述されている。
【0072】
したがって、本発明は、表面を結合する方法であって、結合される表面の間で発泡されて、フォームが形成される発泡性組成物が提供されるか、あるいは発泡後に、結合される表面の一方に、または結合される表面の間に、混合物から製造可能なフォームが適用され、次いでそのフォームが、結合される表面の間で平らにされる方法をさらに提供する。
【0073】
好適な発泡剤は、相対的に低い圧力で既に凝縮性であり、吹付け可能なアセンブリフォームの製造にも使用されるガスである。好適な発泡剤は、例えば、各場合に炭素原子1〜5個、特に3〜5個を有する炭化水素、特にプロパン−ブタン混合物またはイソブタン、炭素原子1〜5個を有するヒドロフルオロカーボン、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1−ジフルオロエタン、またはジメチルエーテル、および相当する混合物である。
【0074】
発泡剤含有率は、混合物全体に対して、好ましくは10重量%未満、さらに好ましくは7重量%未満または5重量%未満である。混合物全体に対する発泡剤の含有率は、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは7重量%以下である。
【0075】
純粋に化学的に、発泡剤を添加することなく、フォームを形成することもできるが、これは、好ましくは温かいまたは熱い硬化の場合である。この場合には、接着剤混合物の加熱によって、低揮発性発泡剤が形成され、その発泡剤は、例えばメタノール、エタノールなどのアルコールを含み、それはアルコキシシリル基の加水分解から形成されたものである。水または不活性溶媒が高温で発泡剤として作用することも可能である。
【0076】
基材のコーティングが望まれる場合、単に発泡剤なしで済ませることが可能であり、場合により、溶媒または更なる添加剤および助剤の添加による制御された方法でコーティングに必要な材料特性を確立することが可能である。したがって、本発明は、表面をコーティングまたは修飾する方法であって、式(2)または(2a)の少なくとも1つの更なるシラン化合物と共にシリルポリエーテル1を含む組成物が、処理および硬化される表面に塗布される方法も提供する。
【0077】
本発明のプレポリマー混合物の架橋または重合に使用される触媒は、公知のポリウレタン化、アロファネート化またはビウレット反応触媒であり、それ自体は当業者には公知である。これらとしては、亜鉛塩、オクタン酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトネートおよび2−エチルカプロン酸亜鉛またはテトラアルキルアンモニウム化合物、例えばN,N,N−トリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム2−エチルヘキサノエートまたはコリン2−エチルヘキサノエートなどの化合物が挙げられる。オクタン酸亜鉛(2−エチルヘキサン酸亜鉛)およびテトラアルキルアンモニウム化合物の使用が好ましく、オクタン酸亜鉛の使用が特に好ましい。さらに、触媒として、従来から使用されている有機スズ化合物、例えばジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジアセテートまたはジブチルスズジオクテート等を使用することが可能である。さらに、ビスマス触媒、例えばBorchi触媒、チタネート、例えばチタン(IV)イソプロポキシド、鉄(III)化合物、例えばアセチルアセトン鉄(III)、またはアミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、N,N−ビス−(N,N−ジメチル−2−アミノエチル)メチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルフェニルアミン、N−エチルモルホリン等を使用することも可能である。有機または無機ブレンステッド酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸または塩化ベンゾイル、塩酸、リン酸、そのモノおよび/またはジエステル、例えばリン酸ブチル、リン酸(イソ)プロピル、リン酸ジブチル等も触媒として適している。数種類の触媒の組み合わせを使用することも可能であることは理解されよう。
【0078】
本発明の硬化性組成物は、国際公開第2005/100482号に記載のように、触媒としていわゆる光潜在性塩基を含み得る。光潜在性塩基は好ましくは、最初にブロック型で存在し、かつ紫外線光、可視光または赤外線照射後にのみ、分子が切断した結果として塩基形を放出する、1つまたは複数の塩基性窒素原子を有する有機塩基を意味すると理解される。国際公開第2005/100482号の明細書および特許請求の範囲の内容は、参照により本発明の開示内容に組み込まれる。
【0079】
触媒または光潜在性塩基は、プロセス生成物の固形分に対して、0.001〜5.0重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%の量で使用される。触媒または光潜在性塩基は、一度に、または数回に分けて、または連続して添加することもできる。一度に全部の量を添加することが好ましい。
【0080】
組成物は、更なる成分として、充填剤、溶媒、気泡安定剤およびフォームの硬化を促進する触媒を含み得る。充填剤によって、破壊強度が向上し、破壊ひずみも向上する。通常の充填剤は、例えば、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカおよびカーボンブラックである。異なる充填剤を組み合わせて使用する場合も多い。好適な充填剤は、先行技術で何度も記述されているすべての材料である。充填剤は好ましくは、完成混合物に対して濃度0〜90重量%で使用され、濃度5〜70重量%が特に好ましい。
【0081】
本発明の組成物はさらに、更なる有機物質、好ましくは液体および溶媒も含み得る。使用される溶媒は好ましくは、双極子モーメントを有する化合物である。特に好ましい溶媒は、水素結合内に入ることができる、遊離電子対を有するヘテロ原子を保有する。かかる溶媒の好ましい例は、エーテル、例えばt−ブチルメチルエーテル、エステル、例えば酢酸エチルまたは酢酸ブチル、およびアルコール、例えばメタノール、エタノール、およびプロパノールおよびブタノールの異なる位置異性体、または特定の用途に選択されるグリコール型である。
【0082】
さらに、それ自体が公知の官能性物質、例えばレオロジー添加剤、水捕捉剤、チキソトロピー剤、難燃剤、消泡剤、脱気剤、塗膜形成ポリマー、抗菌および保存物質、酸化防止剤、染料、着色剤および顔料、凍結防止剤、殺真菌剤、接着性向上剤および/または反応性希釈剤、および可塑剤および錯化剤、吹付け助剤、湿潤剤、ビタミン、成長物質、ホルモン、芳香剤、光安定剤、ラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤および更なる安定剤を組成物に添加することも可能である。
【0083】
本発明の組成物に関して、接着剤、シーラント、バインダーおよびジョイントシーラントの分野において多くの異なる用途が存在する。それらは、多くの異なる基材、例えば鉱物基材、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、木材、木製材料、天然繊維またはコルク等に適している。原則としては、組成物またはそれから製造されるフォームは、あらゆる物品の結合に適している。しかしながら、特に、結合される表面がでこぼこしている場合、または小さな繊維または粒子、例えばコルクが、複合材料を形成するために互いに結合される場合にも特に適している。これは、例えば、割れた結果または材料が曲がった結果、もはや互いに正確に適合しない破損部分を結合する場合、またはベースボード、クラウンモールディングの結合またはでこぼこの壁表面上の他の仕上げ塗装の場合である。本明細書におけるフォームは、効率的に空隙を充填することもできる利点を有する。
したがって、本発明は、硬化性混合物から得られる複合材料、例えばMDFパネル(中密度ファイバーボードパネル)、ボール紙、コルク物品、積層物品などの木製複合材料もさらに提供する。
【0084】
アルコキシシリル基を有する化合物の更なる本発明の用途は、水性エマルジョンの用途である。かかるエマルジョンに有用な乳化剤としては、原則的にすべてのアニオン、非イオン、カチオンおよび両性乳化剤、乳化剤混合物も挙げられる。かかる乳化剤の好ましい例は、アルコールエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、エトキシ化エステルおよび(エトキシ化)ソルビタンエステルである。
【0085】
本発明の組成物およびその使用は、一例として以下に記述されるが、これらの例示的な実施形態に本発明が制限されることを意図することはない。範囲、一般式または化合物の種類が以下に特定される場合、これらは、明示される化合物の相当する範囲またはグループのみならず、個々の値(範囲)または化合物の選択によって得られる化合物のすべての部分的範囲および部分的グループも含む。本明細書の文脈に文書が記載されている場合、その内容は、本発明の開示内容に完全に組み込まれる。
【0086】
本発明の更なる構成は、特許請求の範囲から明らかであり、その開示内容は完全に、本明細書の一部を形成する。
【0087】
以下に示される例は、本発明、明細書全体および特許請求の範囲から明らかであるその用途の範囲が、実施例で特定される実施形態に制限されることを意図することなく、一例として本発明を説明するものである。
【実施例】
【0088】
実験セクション:
以下の実施例において、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン(GLYEO)のDMC触媒アルコキシル化の方法原理によって、本出願の優先日時点で未公開の独国特許出願第10 2008 000360.3号の文書による、アルコキシシリル基を含有する以下のポリエーテルSP−1が使用された:
【0089】
シリルポリエーテル SP−1:
低分子量の、オクタノール出発の、ほぼ無色および低粘度の、実質的にランダムに形成された、7倍のトリアルコキシシラン官能性を有する、平均モル質量約3000g/モルのポリエーテル。
モノマー用量に従った化学構造:1−オクタノール+PO 8モル+(GLYEO 7モル/PO 10モル)
エポキシド酸素含有率0.05%未満、GPCによるM2760g/モル、粘度(25.0℃):0.15Pa.s
【0090】
MS Polymer(登録商標)S303H
カネカ製、平均モル質量約12000g/モル、粘度(25.0°C):12.0Pa.sを有する、鎖末端−Si(CH)(OCH−で官能基化された従来のアルコキシシリル末端ポリプロピレングリコール
【0091】
Geniosil(登録商標)STP-E10
Wacker製、平均モル質量約11500g/モルを有する、鎖末端−Si(CH)(OCH−で官能基化されたアルコキシシリルメチルカルバメート末端ポリプロピレングリコール
【0092】
上記の個々の成分で構成される以下の均一な組成物が混合により製造された:
ブレンド1:SP−1 50重量%/MS Polymer(登録商標)S303H50重量%
ブレンド2:SP−1 10重量%/MS Polymer(登録商標)S303H90重量%
ブレンド3:SP−1 90重量%/Geniosil(登録商標)STP-E1010重量%
【0093】
振動レオロジー測定法(oscillation rheology measurements)を用いて、個々の成分および選択された本発明の硬化性組成物の機械的性質および硬化特性を25℃で調べた。触媒用量から開始して、弾性成分の尺度として貯蔵弾性率(strage modulus)G’の大きさ、および粘性損失成分の尺度として損失弾性率(loss modulus)G’’の大きさを硬化中に継続的に測定した。5%p−トルエンスルホン酸水溶液の2%で触媒作用がもたらされた。たわみ角(deflection angle)は1度であり、振動数は1Hzであった。G’およびG’’の曲線プロファイルから、硬化過程における機械的強度の向上についての情報が得られ、特に、反応性および処理時間について述べることができる。
【0094】
図2は、SP−1、ブレンド1およびブレンド2の振動レオロジー比較調査を示す。
【0095】
硬化性混合物の組成を適切に選択することによって、特定の用途の要求条件に対して機械的性質および加工性を柔軟に調節することができる。シリルポリエーテルSP−1の割合が増加するにしたがって、硬化性組成物の初期粘度が下がり(SP−1の反応性希釈剤の作用)、系が加工可能な状態は長くなり、同時に、最終材料において達成される硬度は高くなる(低いG’’と共に高いG’)。
【0096】
図3は、SP−1およびブレンド3の振動レオロジー比較調査を示す。
【0097】
シリルポリエーテルSP−1 90%とα−シラン基を有する高度に反応性のGeniosil(登録商標)STP-E10シランプレポリマー10%を組み合わせて、本発明の硬化性組成物を得ることによって、理想的な方法で、非常に異なる2つの個々の成分の特有の性質を組み合わせることが可能である。
【0098】
開始系は有利なことに、低い粘度を有し、STP−E10成分は、初期硬化を促進し(短い不粘着時間)、最終生成物は、架橋後に、直線形SP−1と同様に、所望の高い機械的強度を獲得する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリル基を有し、かつ式1:
【化1】


(式中、
aは、1〜3の整数であり、
bは、0〜2の整数であり、かつ
aとbの和が3に等しく、
cは、0〜22の整数であり、
dは、1〜1000の整数であり、
eは、0〜10000の整数であり、
fは、0〜1000の整数であり、
gは、0〜1000の整数であり、
h、iおよびjはそれぞれ、0〜500の整数であり、
nは、2〜8の整数であり、
但し、指数d〜jを有するフラグメントは互いに自由に順序を変えることが可能であり、すなわちポリエーテル鎖内の配列内で互いに交換可能であり、
Rは、直鎖状または分枝状の、飽和または一価または多価不飽和の、炭素原子1〜20個有するアルキル基または炭素原子1〜20個を有するハロアルキル基から選択される1つまたは複数の同一または異なる基を表し、
は、酸素原子を介して結合した、飽和または不飽和の、場合により分枝状の基であるか、あるいはアルコキシ、アリールアルコキシまたはアルキルアリールアルコキシ基タイプのポリエーテル基であり、その炭素鎖は酸素原子が割り込んでもよく、あるいはポリエーテルアルコキシ基、または場合により単一縮合または多数縮合した芳香族アリールオキシ基であり、
およびR、ならびにRおよびRは、同一であるか、またはそれぞれ独立して、H、あるいは飽和または一価または多価不飽和であり、またさらに置換されている、場合により一価または多価の、炭化水素基であり、前記RおよびR基がそれぞれ、一価炭化水素基である場合があり、ここkで、前記炭化水素基は、フラグメントYを介して脂環的に架橋されていてもよく;Yは存在しなくてもよく、あるいは1個または2個のメチレン単位を有するメチレン架橋であってもよく;Yが存在しない場合には、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素原子1〜20個を有する直鎖状または分枝状基であり、
は、炭素原子1〜24個の直鎖状または分枝状アルキル基、またはアルキル基を場合により同様に有する芳香族もしくは脂環式基であり;
およびRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アリールまたはアラルキル基であり、開環重合で共重合して、アルコキシシラン基を含有する架橋性ポリエーテルエステルを提供し、
、R10、R11およびR12はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールまたはアラルキル基であり、前記炭化水素基は、フラグメントZを介して脂環的または芳香族的に架橋されていてもよく、Zは、二価アルキレンまたはアルケニレン基のいずれかであり得る)で示される、ヒドロキシル化合物と、少なくとも1種類の更なるシラン化合物とを含む硬化性組成物。
【請求項2】
使用される前記シラン化合物が、アルコキシシリル官能性プレポリマー、アルコキシシリル末端ポリエーテル、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリウレタン、アルコキシシリル基を有するポリシロキサンまたはポリエーテルシロキサン、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シラン化合物が、式1(式中、R=アルキルおよび/またはアリール基によって置換されていてもよい、ケイ素含有基またはシロキサン基である)の化合物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記シラン化合物が、式(2)
【化2】


(式中、
、XおよびXはそれぞれ独立して、炭素原子1〜8個を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、
Aは、カルボキシル、カルバメート、アミド、カルボネート、ウレイドまたはスルホネート基を含有する基、あるいは酸素原子であり、
wは、1〜8の整数であり、
vは、1〜20の整数であり、
ポリマーは、アルキド樹脂、オイル修飾アルキド樹脂、飽和もしくは不飽和ポリエステル、天然油、エポキシド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドおよびその塩、フェノール樹脂、ポリオキシメチレンホモおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリスルフィドゴム、ニトロセルロース、酪酸ビニル、ビニルポリマー、エチルセルロース、酢酸セルロースおよび/または酪酸セルロース、レーヨン、セラック、ワックス、エチレンコポリマー、有機ゴム、ポリシロキサン、ポリエーテルシロキサン、シリコーン樹脂、ポリエーテル、ポリエーテルエステルおよび/またはポリエーテルカルボネートからなる群から選択されるポリマー基である)
のシラン修飾ポリマーであることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
使用される式(2)の前記アルコキシシリル官能性プレポリマーが、α−シラン末端ポリマーであり、その反応性アルコキシシリル基が、1つのメチレン単位、v=1のみによって窒素含有ポリマー結合A基から分離されていることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記シリルポリエーテル1が、ジメトキシ(メチル)シリルメチルカルバメート末端ポリエーテルおよび/またはトリメトキシシリルメチルカルバメート末端ポリエーテルと混合されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記シリルポリエーテル(1)が、式(2)のシランポリマー(式中、前記シラン基がプロピレン単位、v=3を介してポリマー構造に末端結合しており、かつ前記結合性基Aがウレタン基であるか、または尿素基を有する基である)と共に使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
使用される式(2)の前記シランポリマーが、ジメトキシ(メチル)シリルプロピルカルバメート末端ポリエーテルおよび/またはトリメトキシシリルプロピルカルバメート末端ポリエーテルであることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記シリルポリエーテル1が、式(2)のシランポリマー(ここで、Aが酸素である、ウレタンおよび尿素を含まないシリル末端ポリエーテルが使用される)と共に使用されることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項10】
前記シリルポリエーテル1が、式(2a)
SiV(4−x) (2a)
(式中、
Wは、同一または異なる非加水分解性基を表し、
Vは、同一または異なる加水分解性基またはヒドロキシル基を表し、
xは、1、2、3または4であり、
前記加水分解性V基は、水素、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、アシル、アミノ、モノアルキルアミノおよび/またはジアルキルアミノ基を含む群から選択され、かつ前記非加水分解性W基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリールおよびアラルキル基を含む群から選択され、前記アルキル鎖は、炭素原子0〜50個を有し、かつ酸素もしくは窒素もしくは硫黄などのヘテロ原子が割り込んでいてもよく、またはシリコーン基であってもよく、前記アリール基は、ヘテロ芳香族であってもよく、前記WおよびV基はそれぞれ、1つまたは複数の置換基による更なる置換を有してもよい)
のモノマーシランと共に使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項11】
式(2a)官能基の前記非加水分解性W基が、グリシジルまたはグリシジルオキシアルキレン基、β−グリシジルオキシエチル、γ−グリシジルオキシプロピル、δ−グリシジルオキシプロピル、ε−グリシジルオキシペンチル、ω−グリシジルオキシヘキシルまたは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、メタクリロイルオキシアルキレンおよびアクリロイルオキシアルキレン基、メタクリロイルオキシメチル、アクリロイルオキシメチル、メタクリロイルオキシエチル、アクリロイルオキシエチル、メタクリロイルオキシプロピル、アクリロイルオキシプロピル、メタクリロイルオキシブチルまたはアクリロイルオキシブチル、および/または3−イソシアナトプロピル基を含む群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
使用される前記モノマーシランが、単独での、または互いとの混合物での、N−シクロヘキシルアミノメチルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランおよび/またはヘキサデシルトリメトキシシランであることを特徴とする、請求項10または11に記載の組成物。
【請求項13】
希釈剤、反応性希釈剤、溶媒、有機および無機充填剤、乳化剤、発泡助剤および気泡安定剤、レオロジー添加剤、水捕捉剤、チキソトロピー剤、難燃剤、消泡剤、脱気剤、塗膜形成ポリマー、抗菌および保存物質、酸化防止剤、染料、着色剤および顔料、凍結防止剤、殺真菌剤、接着性向上剤および/または反応性希釈剤、および可塑剤および錯化剤、吹付け助剤、湿潤剤、ビタミン、成長物質、ホルモン、芳香剤、光安定剤、フリーラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤および更なる安定剤および/または触媒の群から選択される更なる添加剤が使用されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
接着剤および/またはシーラントにおける、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項15】
硬化性混合物およびその溶液における、ならびに/あるいは水性エマルジョンとしての、接着剤を製造するためのベース材料としての、表面コーティングおよび表面改質のための、反応性架橋剤としての、接着性向上剤、スプレッダおよび/またはプライマーとしての、ならびに金属、ガラスおよびガラス繊維/ガラス布、木材、木材ベース材料、天然繊維、および/またはコルクまたはケイ酸塩系材料などの様々な基材のバインダーまたはシーラントとしての、ならびに粒子を製造するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
請求項1〜13の少なくとも一項に記載の組成物を含む、接着剤またはシーラント。
【請求項17】
物理的および/または化学的に放出される発泡剤も使用されることを特徴とする、請求項16に記載の発泡性接着剤またはシーラント。
【請求項18】
発泡性組成物が、フォームを形成するために、結合される表面の間で発泡するか、あるいは混合物から製造可能な前記フォームが、発泡後に、前記結合される表面の一方に、または前記結合される表面の間に適用され、次いで前記フォームが、前記結合される表面の間で平らにされることを特徴とする、請求項17に記載の接着剤およびシーラントを使用して表面を結合する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−528204(P2012−528204A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511219(P2012−511219)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055502
【国際公開番号】WO2010/136280
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】