説明

シリンジ濾過作業用補助具

【課題】先端にフィルタを取り付けたシリンジを用いて液体の濾過を行う際に、シリンジがフィルタから外れることを防止する。
【解決手段】シリンジ濾過作業用補助具10は、液体中に混入している異物を、先端に少なくとも1個のフィルタが取り付けられたシリンジ21を用いて濾過する際に用いられ、支持部材11と、支持部材11に設けられた上側規制部材12及び下側規制部材13とを備えている。上側規制部材12は、フィルタ22,23が取り付けられたシリンジ21のフランジ21aの上面と係合してその移動を規制するとともに、シリンジ21に挿入されているプランジャ24の一部が収容される収容溝12aを有する。下側規制部材13は、シリンジ21に取り付けられたフィルタ22の下面と係合してその移動を規制するとともに、フィルタ22の出口ノズル22aの一部が収容される収容溝13aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジ濾過作業用補助具に係り、詳しくは試液等の液体中に混入している異物を、先端にフィルタが取り付けられたシリンジを用いて濾過する際に用いるシリンジ濾過作業用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
各種化学分析の前処理として、試液等の液体中に混入している異物を除去するため、フィルタを通した後にそれらの液体を用いることが行われる。特に少量の試液を扱う場合、市販のシリンジに試液を吸入し、シリンジの先端に市販のフィルタを取り付け、シリンジ内に挿入されるプランジャによりに試液を押し出す方法が用いられる。
【0003】
多数の試液を扱う場合、この作業を繰り返さなければならず、手数を要すると共に多くの力を必要とする肉体労働とならざるを得ない。さらに、この作業中の加圧によりフィルタが外れる場合もあり、その際には試液のロスに繋がる。
【0004】
従来、図5に示すように、フレーム50内にシリンジ51、フィルタ52及び濾液受け容器53を複数個配置し、プランジャ54の上部を手動ねじ機構を有する押出し器55により加圧濾過する装置が提案されている(特許文献1参照)。フレーム50は、シリンジ51及び濾液受け容器53が挿入される開口を有する保持棚56,57と、フィルタ52を支持するフィルタ支持棚58とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−160203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プランジャ54がシリンジ51内に押し込まれることにより、試液がフィルタ52を通過して濾過される際に、フィルタ52における抵抗が大きくなり、シリンジ51内及びフィルタ52内の圧力が上昇する。特許文献1の装置では、フィルタ52はフィルタ支持棚58により下面が支持されているが、シリンジ51は保持棚56により周面が支持されており、上方への移動が規制された状態にはない。そのため、フィルタ52内の圧力上昇が大きくなると、シリンジ51が上方へ移動して、シリンジ51がフィルタ52から外れ、試液が飛散する場合がある。試液が飛散した場合、再度処理を行う必要があり、効率が悪くなるばかりでなく試液が無駄になる。また、試液の液体が水ではなくアルコール等の可燃性液体の場合、飛散した液体が問題になる。
【0007】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、先端にフィルタを取り付けたシリンジを用いて液体の濾過を行う際、シリンジがフィルタから外れることを防止することができるシリンジ濾過作業用補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、液体中に混入している異物を、先端に少なくとも1個のフィルタが取り付けられたシリンジを用いて濾過する際に用いるシリンジ濾過作業用補助具である。そして、支持部材と、前記支持部材に設けられ、前記フィルタが取り付けられたシリンジのフランジの上面と係合してその移動を規制するとともに、前記シリンジに挿入されているプランジャの一部が収容される収容溝を有する上側規制部材と、前記支持部材に設けられ、前記シリンジに取り付けられた前記フィルタの下面と係合してその移動を規制するとともに、前記フィルタの出口ノズルの一部が収容される収容溝を有する下側規制部材とを備えている。
【0009】
ここで、「シリンジのフランジの上面」とは、フランジのプランジャ挿入側の面を意味する。また、「フィルタの下面」とは、シリンジに取り付けられたフィルタが1個の場合はそのフィルタのシリンジに対応する側の面と反対側の面を意味し、フィルタが複数個の場合はシリンジから最も離れたフィルタのシリンジに対応する側の面と反対側の面を意味する。
【0010】
シリンジ濾過作業用補助具を使用する際は、先端に少なくとも1個のフィルタが取り付けられ、濾過すべき液体を収容した状態のシリンジは、フランジの上面が上側規制部材に係合し、フィルタの下面が下側規制部材に係合した状態で支持部材に支持される。その状態でプランジャがシリンジ内に押し込まれると、シリンジ内が加圧され、液体は不純物がフィルタで濾過されて濾液が容器に回収される。プランジャがシリンジ内に押し込まれることにより、液体がフィルタを通過して濾過される際に、フィルタにおける抵抗が大きくなり、シリンジ内及びフィルタ内の圧力が上昇する。フィルタ内の圧力が上昇すると、フィルタに対してはフィルタを押し下げる力が作用し、シリンジに対してはシリンジを押し上げる力が作用する。しかし、フィルタは下面が下側規制部材に係合して下方への移動が規制され、シリンジはフランジの上面が上側規制部材に係合して上方への移動が規制される。したがって、フィルタ内の圧力が上昇しても、シリンジがフィルタから外れることを防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記支持部材には、前記シリンジに取り付けられたフィルタの前記シリンジとの接続部の側面と係合してその横方向への移動を規制する接続部側面規制部材が設けられている。液体の濾過時に作業者がプランジャをシリンジ内に押し込む際、プランジャを真っ直ぐ押し込まずに、シリンジに斜めの力が作用するように押し込む場合もある。その際、接続部側面規制部材がフィルタのシリンジとの接続部の側面に係合することにより、接続部が横方向へ移動するのが規制され接続部に無理な力が作用するのが抑制される。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記支持部材は、前記シリンジを支持する状態で自立可能な形状に形成されている。したがって、この発明では、濾過作業を行なう際、作業者はシリンジや支持部材等を支持せずに、プランジャをシリンジに押し込む作業をするだけで、液体中に混入している異物を濾過することができ、支持部材が自立可能でない場合に比べて濾過作業が簡単になる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、先端にフィルタが取り付けられたシリンジを用いて液体の濾過を行う際に、シリンジがフィルタから外れることを防止することができるシリンジ濾過作業用補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)はシリンジ濾過作業用補助具の斜視図、(b)はシリンジ濾過作業用補助具にシリンジを取り付けた状態の側面図、(c)は同じく正面図。
【図2】(a)は作用を説明する正面図、(b)はシリンジの上側への移動が規制されない構成の作用を説明する斜視図。
【図3】(a),(b)はシリンジ濾過作業用補助具の別の実施形態の側面図、(c)は別の実施形態の収容溝の形状を示す平面図。
【図4】(a),(b)は別の実施形態のシリンジ濾過作業用補助具の側面図。
【図5】従来技術の加圧濾過装置の使用状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
図1(a)に示すように、シリンジ濾過作業用補助具10は、支持部材11と、支持部材11の所定位置にそれぞれ設けられた上側規制部材12と、下側規制部材13と、接続部側面規制部材14とを備えている。支持部材11は、シリンジ濾過作業用補助具10が図1(b),(c)に示すように、先端に2個のフィルタ22,23が取り付けられたシリンジ21を支持する状態で自立可能となるように、下部11aが各規制部材12,13,14と平行に延びる状態に形成されている。シリンジ21には少なくとも1個のフィルタが取り付けられていればよいが、この実施形態では2個のフィルタ22,23が取り付けられており、フィルタ22は固形物濾過用フィルタであり、フィルタ23は脱脂用フィルタである。
【0016】
上側規制部材12は、フィルタ22,23が取り付けられたシリンジ21のフランジ21aの上面と係合してその移動を規制するとともに、シリンジ21に挿入されているプランジャ24の一部が収容される収容溝12aを有する。下側規制部材13は、シリンジ21に取り付けられたフィルタ22の下面と係合してその移動を規制するとともに、フィルタ22の出口ノズル22aの一部が収容される収容溝13aを有する。接続部側面規制部材14は、シリンジ21に取り付けられたフィルタ23のシリンジ21との接続部23aの側面と係合してその横方向への移動を規制するとともに、接続部23aの一部が収容される収容溝14aを有する。
【0017】
各規制部材12,13,14は、側面L字状に形成されるとともに、支持部材11に固定される部分が下側に延びる状態で固定されている。各規制部材12,13,14には支持部材11の所定位置に形成された各一対の孔と対向するように一対のねじ孔が形成され、支持部材11の背面側から孔を貫通してねじ孔に螺合するねじ15により支持部材11に締め付け固定されている。
【0018】
各収容溝12a,13a,14aは、支持部材11と直交する方向に延びるように形成されている。シリンジ21のフランジ21aは外形が楕円状に形成され、上側規制部材12がフランジ21aの全体を支承可能に、収容溝12aの長さが前記楕円の短軸の長さより長く形成されている。収容溝12aの幅はプランジャ24の外径より若干大きく形成されている。収容溝13aの幅はフィルタ22の出口ノズル22aの外径より若干大きく形成されている。収容溝14aの幅は接続部23aの外径より若干大きく形成されている。また、シリンジ21の射出部21bはシリンジ21の中心位置ではなく偏心した位置に形成されている。
【0019】
規制部材12,13,14及び支持部材11の材質としては、強度面でステンレスなどの金属製が良いと考えられるが、金属製に限らず、プラスチック製や木製、セラミック製等でも良い。
【0020】
次に前記のように構成されたシリンジ濾過作業用補助具10の作用を説明する。
シリンジ濾過作業用補助具10を使用する際は、図1(b),(c)に示すように、先端に2個のフィルタ22,23が取り付けられたシリンジ21に、濾過すべき液体を収容した状態で、そのシリンジ21をフランジ21aの上面が上側規制部材12に係合し、フィルタ22の下面が下側規制部材13に係合した状態で支持部材11に支持させる。このとき、フィルタ23の接続部23aの一部が接続部側面規制部材14の収容溝14aに収容された状態になる。また、出口ノズル22aの下方に濾液を回収する容器25が配置される。この状態で作業者の手作業によりプランジャ24がシリンジ21内に押し込まれると、液体がフィルタ22,23内に押し込まれ、液体は脂肪分がフィルタ23で、固形物がフィルタ22で濾過されて濾液が容器25に回収される。
【0021】
図2(a)に示すように、プランジャ24に矢印方向に力が加えられ、プランジャ24がシリンジ21内に押し込まれると、液体がフィルタ23,22を順に通過して濾過される際に、フィルタ22,23における抵抗が大きくなり、シリンジ21内及びフィルタ22,23内の圧力が上昇する。シリンジ21内の圧力が上昇すると、フィルタ22,23に対してはフィルタ22,23を押し下げる力が作用し、フィルタ22,23内の圧力が上昇するとシリンジ21に対してはシリンジ21を押し上げる力が作用する。このとき、図2(a)に示すように、フィルタ22は下面が下側規制部材13に係合して下方への移動が規制され、シリンジ21はフランジ21aの上面が上側規制部材12に係合して上方への移動が規制される。したがって、シリンジ21内及びフィルタ22,23内の圧力が上昇しても、シリンジ21がフィルタ23から外れることは防止される。一方、特許文献1の場合は、図2(b)に示すように、シリンジ51はその上側への移動を規制する部材が存在しないため、フィルタ52内の圧力上昇が大きくなると、シリンジ51がフィルタ52から外れる場合がある。
【0022】
シリンジ21をシリンジ濾過作業用補助具10に取り付ける際は、プランジャ24、出口ノズル22a及び接続部23aが各規制部材12,13,14の収容溝12a,13a,14aの開口と対応する位置から、支持部材11側に向かって移動させることにより、所定位置に配置される。そのため、特許文献1のようにシリンジを濾過装置の上方から保持棚の開口に挿入する構成と異なり、フィルタ22,23の外径がシリンジ21の外径より大きくてもシリンジ濾過作業用補助具10に取り付けることができる。
【0023】
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)シリンジ濾過作業用補助具10は、液体中に混入している異物を、先端に少なくとも1個のフィルタが取り付けられたシリンジ21を用いて濾過する際に用いられ、支持部材11と、支持部材11に設けられた上側規制部材12と、下側規制部材13とを備えている。上側規制部材12は、シリンジ21のフランジ21aの上面と係合してその移動を規制するとともに、シリンジ21に挿入されているプランジャ24の一部が収容される収容溝12aを有する。下側規制部材13は、シリンジ21に取り付けられたフィルタ22の下面と係合してその移動を規制するとともに、フィルタ22の出口ノズル22aの一部が収容される収容溝13aを有する。したがって、先端にフィルタ22,23を取り付けたシリンジ21を用いて液体の濾過を行う際に、シリンジ21がフィルタ23から外れることを防止することができる。また、特許文献1の濾過装置と異なり、フィルタ22,23の外径がシリンジ21の外径より大きくても、フィルタ22,23が取り付けられたシリンジ21をシリンジ濾過作業用補助具10に支障なく取り付けることができる。
【0024】
(2)支持部材11には、シリンジ21に取り付けられたフィルタ23のシリンジ21との接続部23aの側面と係合してその横方向への移動を規制する接続部側面規制部材14が設けられている。液体の濾過時に作業者がプランジャ24をシリンジ21内に押し込む際、プランジャ24を真っ直ぐ押し込まずに、シリンジ21に斜めの力が作用するように押し込む場合もある。その際、接続部側面規制部材14がフィルタ23のシリンジ21との接続部23aの側面に係合することにより、接続部23aが横方向へ移動するのが規制され接続部23aに無理な力が作用するのが抑制される。
【0025】
(3)支持部材11は、シリンジ21を支持する状態で自立可能な形状に形成されている。したがって、濾過作業を行なう際、作業者はシリンジ21や支持部材11等を支持せずに、プランジャ24をシリンジ21に押し込む作業をするだけで、液体中に混入している異物を濾過することができ、支持部材11が自立可能でない場合に比べて濾過作業が簡単になる。
【0026】
(4)支持部材11は下部11aが規制部材12,13,14と平行に延びる状態に形成されている。したがって、支持部材11がシリンジ21を支持する状態で自立可能にする構成が簡単になる。
【0027】
(5)各規制部材12,13,14は側面L字状に形成されるとともに、ねじ15により支持部材11に固定されている。したがって、各規制部材12,13,14を平板で形成して、その基端において接着剤や溶接で固定する場合に比べて精度良く固定するのが簡単で強度が高くなる。
【0028】
(6)各規制部材12,13,14の収容溝12a,13a,14aは、支持部材11と直交する方向に延びるように形成されている。したがって、シリンジ21をシリンジ濾過作業用補助具10の所定位置に配置する際、シリンジ21を支持部材11の正面から真っ直ぐに移動させることにより簡単に所定位置に配置することができる。
【0029】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ フィルタ22及びフィルタ23は、フィルタ22が上側に、フィルタ23が下側に配置されるようにシリンジ21に取り付けられてもよい。この場合、フィルタ23の下面が下側規制部材13に係合し、フィルタ22の接続部が接続部側面規制部材14と係合する。
【0030】
○ シリンジ21に取り付けられるフィルタは少なくとも1個であればよく、2個に限らず、1個としたり、3個以上としたりしてもよい。例えば、1個の固形物濾過用のフィルタ22あるいは脱脂用のフィルタ23のみをシリンジ21に取り付けてもよい。また、他の不純物濾過用のフィルタと固形物濾過用のフィルタ22あるいは脱脂用のフィルタ23とを組み合わせてもよい。
【0031】
○ シリンジ濾過作業用補助具10は自立状態で使用される構成ではなく、支持部材11が支持台に固定された状態や、作業者がシリンジ濾過作業用補助具10を手で保持した状態で使用される構成であってもよい。作業者がシリンジ濾過作業用補助具10を手で保持した状態で使用される構成としては、例えば、図3(a)に示すように、平板状に形成された支持部材11に各規制部材12,13,14が固定された構成や、図3(b)に示すように、上側規制部材12及び下側規制部材13が支持部材11の端部を屈曲させて一体に形成された構成がある。
【0032】
○ シリンジ濾過作業用補助具10がプランジャ24をシリンジ21に押し込む際にも自立状態に維持される構成は、支持部材11の下部11aが各規制部材12,13,14と平行に延びる状態に形成された構成に限らない。例えば、図4(a)に示すように、支持部材11の下部11aを前側に屈曲した後、後側に屈曲した形状にしたり、図4(b)に示すように、支持部材11の下部11aを後側に屈曲形成するとともに、下部11aを支持台16に固定した構成としたりしてもよい。また、支持部材11の下部11aを屈曲させずに支持台16に固着した構成にしてもよい。
【0033】
○ 各規制部材12,13,14の収容溝12a,13a,14aは、支持部材11と直交する方向に延びる形状に限らない。例えば、図3(c)に示すように、収容溝12a等が円弧状に形成されて、シリンジ21がシリンジ濾過作業用補助具10に対してその側方から取り付けられる構成としたり、収容溝12a等が斜めやL字状に延びるよう形成された構成としたりしてもよい。
【0034】
○ 各規制部材12,13,14は、ねじ15により支持部材11に固定される代わりに溶接や接着剤で支持部材11に固定されてもよい。また、各規制部材12,13,14は、側面L字状に限らず、平板状に形成されて基端が溶接や接着剤で支持部材11に固定されてもよい。
【0035】
○ 上側規制部材12及び下側規制部材13は必須であるが、接続部側面規制部材14は省略してもよい。
○ シリンジ21内の液体をプランジャ24で押し出して、フィルタ22等を通過させることにより液体中の不純物を濾過する方法に限らず、シリンジ21内からプランジャ24を引き出す際の吸引力により、液体を、フィルタ22等を通過させてシリンジ21内に吸入することにより液体中の不純物を濾過する方法に適用してもよい。
【0036】
○ シリンジ21は、フランジ21aの外形を円形状にしたり、射出部21bを偏心位置ではなく中心位置に形成したりしてもよい。
○ シリンジ濾過作業用補助具10は1本のシリンジ21を支持する構成に限らず、複数本のシリンジ21を支持して複数本同時にあるいは1本ずつシリンジ21内の液体をプランジャ24でフィルタ22,23を経て容器25へ押し出すようにしてもよい。
【0037】
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項3に記載の発明において、前記支持部材は下部が前記規制部材と平行に延びる状態に形成されている。
【0038】
(2)請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)のいずれか1項に記載の発明において、前記規制部材は側面L字状に形成されるとともに、前記支持部材に固定される部分がねじにより支持部材に固定されている。
【符号の説明】
【0039】
10…シリンジ濾過作業用補助具、11…支持部材、12…上側規制部材、12a,13a,14a…収容溝、13…下側規制部材、14…接続部側面規制部材、21…シリンジ、21a…フランジ、22,23…フィルタ、22a…出口ノズル、23a…接続部、24…プランジャ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中に混入している異物を、先端に少なくとも1個のフィルタが取り付けられたシリンジを用いて濾過する際に用いるシリンジ濾過作業用補助具であって、
支持部材と、
前記支持部材に設けられ、前記フィルタが取り付けられたシリンジのフランジの上面と係合してその移動を規制するとともに、前記シリンジに挿入されているプランジャの一部が収容される収容溝を有する上側規制部材と、
前記支持部材に設けられ、前記シリンジに取り付けられた前記フィルタの下面と係合してその移動を規制するとともに、前記フィルタの出口ノズルの一部が収容される収容溝を有する下側規制部材と
を備えているシリンジ濾過作業用補助具。
【請求項2】
前記支持部材には、前記シリンジに取り付けられたフィルタの前記シリンジとの接続部の側面と係合してその横方向への移動を規制する接続部側面規制部材が設けられている請求項1に記載のシリンジ濾過作業用補助具。
【請求項3】
前記支持部材は、前記シリンジを支持する状態で自立可能な形状に形成されている請求項1又は請求項2に記載のシリンジ濾過作業用補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−55873(P2012−55873A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204644(P2010−204644)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(507312703)エイキット株式会社 (2)
【出願人】(510246275)有限会社 西川治具工業 (1)
【Fターム(参考)】