シリンダヘッドガスケット

【課題】シリンダヘッドのリフトに対する追従性に優れ、シリンダヘッドのリフトをガスケット側から抑制することができ且つ使用材料を低減できるシリンダヘッドガスケットを提供すること。
【解決手段】両側の主材1、4の間に挟まれる中材とからなり、中材は、第1中材2と分離した別部材の第2中材3とからなり、第1中材2はシリンダ孔12を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分21を有し、シリンダ孔周縁部分21にシリンダ孔12を囲むビード22が形成された、シリンダ孔12の各々に分離して配置されるか、又はシリンダ孔12間で連結した一体形状の金属板であり、第2中材3は第1中材2の外側に配置されるオイル孔16及びボルト孔15を有する金属板であり、第1中材2の厚みは、第2中材3の厚みより大とする。
【解決手段】両側の主材1、4の間に挟まれる中材とからなり、中材は、第1中材2と分離した別部材の第2中材3とからなり、第1中材2はシリンダ孔12を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分21を有し、シリンダ孔周縁部分21にシリンダ孔12を囲むビード22が形成された、シリンダ孔12の各々に分離して配置されるか、又はシリンダ孔12間で連結した一体形状の金属板であり、第2中材3は第1中材2の外側に配置されるオイル孔16及びボルト孔15を有する金属板であり、第1中材2の厚みは、第2中材3の厚みより大とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のエンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介挿されるシリンダヘッドガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンの低燃費化と出力増大化のため、燃焼室内は温度と内圧が上昇する傾向にある。すなわち、エンジンの最高爆発圧力が上昇傾向にある一方で、エンジンの軽量化に伴い、その機械的強度が低下する傾向にある。その結果、シリンダ内爆発時において、シリンダヘッドのリフトが大きくなり、そのリフトに対するシリンダヘッドガスケットの追従性が求められている。シリンダヘッドのリフトに対するシリンダヘッドガスケットの追従性が低下すると、シール漏れが発生する。また、シリンダヘッドのリフトをガスケット側から抑制することも求められている。
【0003】
これを解決するものとして、シリンダ孔周縁部分のガスケットの厚みを他の部分の厚みより大きくして、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させることにより、シール性を高め、リフト量を抑制する方法が知られている。
【0004】
特開平8−285080号公報には、弾性金属板を素材とする単板型シリンダヘッドガスケットにおいて、各シリンダーボア周縁部分を適当な幅で囲繞する金属板を所定の形状に形成し、このシリンダーボア周縁部分を除くガスケット残部を、シリンダーボア周縁部分より厚さが薄く、かつ硬度の高い金属板を素材として形成し、このガスケット残部と前記シリンダーボア周縁部分を嵌合して、その嵌合部をレーザー溶接することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−285080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開平8−285080号公報は、ガスケット残部とシリンダーボア周縁部分の嵌合をレーザー溶接で行なっているため、ガスケット残部の厚みを余り小さくできず、実施例ではせいぜい0.2mmであり、シリンダーボア周縁部分の板厚と差は0.05mmである。単板型ガスケットで且つこのような厚み差では、近年のシリンダヘッドの大きなリフトに対するシリンダヘッドガスケットの追従性は十分とは言えない。また、一方で、軽量化を図る一環でガスケットを構成する材料を減らすことも求められている。従って、シリンダヘッドのリフトに対する追従性に優れ、更にシリンダヘッドのリフト量をガスケット側から抑制することができ且つ使用材料を低減できるシリンダヘッドガスケットの開発が望まれていた。
【0007】
すなわち、本発明は、シリンダヘッドのリフトに対する追従性に優れ、シリンダヘッドのリフトをガスケット側から抑制することができ且つ使用材料を低減できるシリンダヘッドガスケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、両側の主材間に挟まれる中材を、シリンダ孔を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分を有する金属板(第1中材)と、該第1中材より外側に配置されるオイル孔及びボルト孔を有する金属板(第2中材)とし、第1中材と第2中材とは分離した別個の部材とすれば、第1中材の板厚を第2中材の板厚より大きく採れるため、リフトに対する追従性に優れ、シリンダヘッドのリフトをガスケット側から抑制することができ且つ使用材料を低減できるガスケットが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、シリンダヘッド側の主材と、シリンダブロック側の主材と、該リンダヘッド側の主材とシリンダブロック側の主材間に挟まれる中材とからなり、該中材は、第1中材と、該第1中材からは分離した別部材の第2中材とからなり、第1中材はシリンダ孔を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分を有し、該シリンダ孔周縁部分にシリンダ孔を囲むビードが形成された、該シリンダ孔の各々に分離して配置されるか、又は該シリンダ孔間で連結した一体形状の金属板であり、第2中材は該第1中材の外側に配置されるオイル孔及びボルト孔を有する金属板であり、該第1中材の板厚は、該第2中材の板厚より大であることを特徴とするシリンダヘッドガスケットを提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、両側の主材間に板厚が大の中材(シム板)を介在させたため、シリンダヘッドのリフトを抑制できる。また、シリンダ孔周縁部分におけるビードを付与した中材の積層枚数が3枚以上となるため、フランジの隙間に対する単板当たりの追従量が少なくて済み、ガスケットの追従性が向上する。また、第1中材と第2中材とは分離した別個の部材であるため、第1中材の厚みを第2中材の厚みより0.07mm以上と大きく採れると共に、設計の自由度が高まる。このため、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させることができ、シール性が向上する。また、第1中材と第2中材とは必要部分のみに使用するため、使用材料を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態におけるシリンダヘッドガスケットのブロック側の主材の平面図である。
【図2】本例のシリンダヘッドガスケットの第1中材の平面図である。
【図3】本例のシリンダヘッドガスケットの第2中材の平面図である。
【図4】本例のシリンダヘッドガスケットのシリンダヘッド側の主材の平面図である。
【図5】本例のシリンダヘッドガスケットのブロック側の主材に2つの中材を組み込んだ平面図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるシリンダヘッドガスケットの平面図である。
【図7】図5のA−A線に沿って見た図である。
【図8】図6のB−B線に沿って見た図である。
【図9】図6のC−C線に沿って見た図である。
【図10】図6のD−D線に沿って見た図である。
【図11】図6のE−E線に沿って見た図である。
【図12】図6のF−F線に沿って見た図である。
【図13】図6のG−G線に沿って見た図である。
【図14】図5のX部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態におけるシリンダヘッドガスケット(以下、単に、「ガスケット」とも言う。)を図1〜図14を参照して説明する。図1、2及び4〜6において、実線の囲みは、ビードである。
【0013】
本発明の実施の形態におけるガスケット10は、シリンダブロックとシリンダヘッドの接合面のシール部材として使用されるものであり、シリンダブロック側の主材1と、シリンダヘッド側の主材4と、主材1、4間に挟まれる中材とからなる。中材は、第1中材2と、第1中材2からは分離した別部材の第2中材3とからなる。なお、「分離」とは、互いの接触や重複する箇所がなく離間した状態を言う。シリンダブロック側の主材1及びシリンダヘッド側の主材4は、本例ではそれぞれ1枚であるが、これに限定されず、それぞれ2枚以上が積層されたものであってもよい。
【0014】
シリンダブロック側の主材1を図1に示す。主材1の輪郭形状は、シリンダブロックとシリンダヘッドの接合面形状に概ね対応したものである。また、主材1は、シリンダ孔12と、シリンダ孔12周りの比較的小さな孔径を有する多数の冷却水孔13と、冷却水孔13より外側に配置された比較的大きな孔径を有するオイル孔16と、シリンダ孔の周りに90度間隔で形成されたボルト孔15と、第1中材2の係止片23が掛り止めするボルト孔15の内側に位置する係止孔17と、主材1、4と第2中材3を固定するビス孔18を有する。なお、ビス孔18は、シリンダブロックとシリンダヘッドの接合面形状の外側に位置する。
【0015】
また、主材1は、シリンダ孔12周縁部分にシリンダ孔12を囲むビード121が形成され、オイル孔16周縁部分にオイル孔16を囲むビード161が形成され、冷却水孔13とボルト孔15間には、4つのシリンダ孔12を外側から囲むビード181が形成されている。なお、ボルト孔15周りは、ビード181とオイル孔16を囲むビード161が位置しているか、あるいはボルト孔15を囲むビート151が形成されている。主材1におけるビードの高さは、例えば0.05〜0.3mm程度である。主材1におけるビードの形状としては、山型断面形状であるフルビード又は例えば図11の符号161あるいは図12の符号151で示すような段差形状であるハーフビードのいずれであってもよいが、本例では、シリンダ孔12を囲むビード121はフルビードであり、オイル孔を囲むビード181はハーフビードである。
【0016】
シリンダヘッド側の主材4を図4に示す。主材4において、主材1と異なる点は、主材4には、第1中材2の係止片23が掛り止めする係止孔17が形成されていない点及びビードがシリンダ孔12周縁部分を除き、厚さ方向に対称となるように形成される点にある。第1中材2の係止片23が掛り止めする係止孔17は、主材1か主材4のどちらか一方に形成されていればよく、本例では主材4には係止孔が不要となる。また、ビードをシリンダ孔周縁部分21を除き、厚さ方向に対称となるように形成することで、シリンダのリフトに対して、ガスケットの追従性がよくなる。また、シリンダ孔周縁部分21は、第1中材2が介在するため、ビードは厚さ方向に同じであっても本発明の効果を奏する。
【0017】
主材1、4としては、鋼板の片側又は両側にゴム材を形成した複合部材が挙げられる。鋼板としては、ステンレス鋼板、SPCC鋼板、アルミニウム鋼板等が挙げられる。鋼板及びゴム材並びに鋼板へのゴム材の形成方法は公知のものが使用できる。
【0018】
第1中材2は、シリンダ孔12を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分21を有し、シリンダ孔周縁部分21にシリンダ孔12を囲むビード22が形成されたシリンダ孔12間で連結した一体形状の金属板である。すなわち、4つのシリンダ孔周縁部分21は、連結部25によりそれぞれ連結されて一体化している。第1中材2の板厚は0.15mm〜0.30mm、好適には0.20mm〜0.25mm、更に好適には、0.2mmである。このように、第1中材2の厚みはガスケット追従性を考慮して調整する必要があるが、第2中材3とは分離部材としたことで、第2中材3との段差を大きくすることができ、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させることができる。第1中材2である金属板としては、JIS G 4313に規定されているSUS301Hが使用できる。第1中材2におけるビードの高さは、例えば0.05〜0.30mm程度である。第1中材2におけるビードは、フルビード又はハーフビードであり、本例ではフルビードである。第1中材2は、4つのシリンダ孔周縁部分21が連結部25によりそれぞれ連結された一体化ものに限定されず、連結部25が省略され、4つのシリンダ孔周縁部分21がシリンダ孔12の各々に分離して配置されるものであってもよい。
【0019】
第1中材2は、シリンダ孔周縁部分21の外周部より外側へ突出する係止片23が形成されている。これにより、主材1の係止孔17に掛り止めすることができる。すなわち、図14に示すように、係止片23を係止孔17に入れ込み、反対側へ折り曲げて掛り止めする。なお、第1中材2は、主材4に掛り止めさせてもよい。この場合、主材4に、係止孔17を形成しておくことになる。
【0020】
第2中材3は、第1中材2の外側に配置されるオイル孔16、ボルト孔15及び主材1、4と共に固定されるビス孔18を有する金属板である。第2中材3の中央には、第1中材2が第2中材3とは分離して収容できる大きな貫通孔32を有している。すなわち、貫通孔32に、シリンダ孔12と冷却水孔13が位置することになる。
【0021】
第2中材3の板厚は、第1中材2の厚みに対して少なくとも0.07mm以上、好適には0.08mm以上、更に好適には0.09mm〜0.12mm厚みが小さい。このように、第2中材3の厚みを薄くすることで、第1中材2との段差を大きくすることができ、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させる。第2中材3である金属板としては、JIS G 4313に規定されているSUS304やSPCC鋼板が使用できる。第2中材3にはビードが形成されていてもいなくてもよいが、本例ではビードが形成されていない平板である。第2中材3にはビードが形成されていなくとも、主材1、4のオイル孔16周縁部にビードが形成されているため、オイル孔16周縁部の締め付け力を高めることができる。
【0022】
図5に、主材1、第1中材2及び第2中材3の3つの部材の配置関係を示す。すなわち、第1中材2は、係止片23が主材1の係止孔17に掛り止めされている。また、第2中材3は、図6に示すように、主材4にビス止めされる。そして、第2中材3の貫通孔32部分に、シリンダ孔12及び冷却水孔13が位置している。このように、第1中材2と第2中材3は、連続することなく分離しており、必要部分のみに使用するため、使用材料を低減できる。図5の2層構造のものに、シリンダヘッド側の主材4を組み込み、図6に示す2つの主材1、4、第1中材2及び第2中材3からなる3層構造の本発明のガスケットが得られる。
【0023】
ガスケット10において、図8に示すように、シリンダ孔12を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分はビードが形成された3つの板材、すなわち、主材1、4と第1中材2の3層構造である。実験によれば、ビード板の積層枚数が増えることで、フランジのリフトに対するガスケットの追従性が向上することが判っている。すなわち、ガスケット10は、フランジの隙間に対する単板当たりの追従量が少なくて済むため、ガスケットの追従性が向上する。
【0024】
また、ガスケット10は、シリンダ孔周縁部分における第1中材2(シム)の厚みが大である。実験によれば、フルビードが形成された2つの主材にシム板を介在させたガスケットの場合、シム板の板厚を厚くすればするほど、ヘッドリフトを抑制できることが判っている。すなわち、ガスケット10は、フランジのリフトをガスケット側から抑制できる。また、第1中材2と第2中材3とは分離して別個の部材であるため、第1中材の厚みを第2中材の厚みより大きく採れる。このため、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させることができ、シール性が向上する。また、第1中材2と第2中材3とは必要部分のみに使用するため、使用材料を低減できる。
【0025】
オイル孔周縁部分は、図11に示すように、フルビードが形成された3つの板材、すなわち、主材1、4と第2中材3の3層構造である。オイル孔16を流れる油圧は、シリンダ圧より小さいため、オイル孔のシールとしては十分である。
【0026】
本発明のシリンダヘッドガスケットは、上記実施の形態例に限定されず、例えば、第1中材2が、シリンダ孔周縁部分21にシリンダ孔12を囲むビード22が形成された金属板を複数枚重ね合わせたものとしてもよい。この場合、該金属板が1枚の場合と同様に、該複数枚の板厚の合計の厚みは、該第2中材の厚みより0.07mm以上大きくすることが好ましい。第1中材2が複数枚の重ね合わせたものである場合、第2中材との厚み差を容易に大きくとることができる。また、シリンダ孔周縁部分におけるビードを付与した中材の積層枚数が4枚以上となるため、フランジの隙間に対する単板当たりの追従量が少なくて済み、ガスケットの追従性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
近年のエンジンの低燃費化と出力増大化に伴うシリンダ内爆発時におけるシリンダヘッドの大きなリフトに対して、シリンダヘッドガスケット側から抑制でき、また優れた追従性を発揮できる。このため、エンジンの低燃費化と出力増大化に貢献できると共に、省資源化が図れる。
【符号の説明】
【0028】
1 シリンダブロック側の主材
2 第1中材
3 第2中材
4 シリンダヘッド側の主材
5 ビス
10 ガスケット
12 シリンダ孔
13 冷却水孔
15 ボルト孔
16 オイル孔
17 係止孔
18 ビス孔
21 シリンダ孔周縁部分
22、42、121 シリンダ孔周りのフルビード
23 係止片
46、161 オイル孔周りのハーフビード
48、181 ハーフビード
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のエンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介挿されるシリンダヘッドガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンの低燃費化と出力増大化のため、燃焼室内は温度と内圧が上昇する傾向にある。すなわち、エンジンの最高爆発圧力が上昇傾向にある一方で、エンジンの軽量化に伴い、その機械的強度が低下する傾向にある。その結果、シリンダ内爆発時において、シリンダヘッドのリフトが大きくなり、そのリフトに対するシリンダヘッドガスケットの追従性が求められている。シリンダヘッドのリフトに対するシリンダヘッドガスケットの追従性が低下すると、シール漏れが発生する。また、シリンダヘッドのリフトをガスケット側から抑制することも求められている。
【0003】
これを解決するものとして、シリンダ孔周縁部分のガスケットの厚みを他の部分の厚みより大きくして、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させることにより、シール性を高め、リフト量を抑制する方法が知られている。
【0004】
特開平8−285080号公報には、弾性金属板を素材とする単板型シリンダヘッドガスケットにおいて、各シリンダーボア周縁部分を適当な幅で囲繞する金属板を所定の形状に形成し、このシリンダーボア周縁部分を除くガスケット残部を、シリンダーボア周縁部分より厚さが薄く、かつ硬度の高い金属板を素材として形成し、このガスケット残部と前記シリンダーボア周縁部分を嵌合して、その嵌合部をレーザー溶接することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−285080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開平8−285080号公報は、ガスケット残部とシリンダーボア周縁部分の嵌合をレーザー溶接で行なっているため、ガスケット残部の厚みを余り小さくできず、実施例ではせいぜい0.2mmであり、シリンダーボア周縁部分の板厚と差は0.05mmである。単板型ガスケットで且つこのような厚み差では、近年のシリンダヘッドの大きなリフトに対するシリンダヘッドガスケットの追従性は十分とは言えない。また、一方で、軽量化を図る一環でガスケットを構成する材料を減らすことも求められている。従って、シリンダヘッドのリフトに対する追従性に優れ、更にシリンダヘッドのリフト量をガスケット側から抑制することができ且つ使用材料を低減できるシリンダヘッドガスケットの開発が望まれていた。
【0007】
すなわち、本発明は、シリンダヘッドのリフトに対する追従性に優れ、シリンダヘッドのリフトをガスケット側から抑制することができ且つ使用材料を低減できるシリンダヘッドガスケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、両側の主材間に挟まれる中材を、シリンダ孔を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分を有する金属板(第1中材)と、該第1中材より外側に配置されるオイル孔及びボルト孔を有する金属板(第2中材)とし、第1中材と第2中材とは分離した別個の部材とすれば、第1中材の板厚を第2中材の板厚より大きく採れるため、リフトに対する追従性に優れ、シリンダヘッドのリフトをガスケット側から抑制することができ且つ使用材料を低減できるガスケットが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、シリンダヘッド側の主材と、シリンダブロック側の主材と、該リンダヘッド側の主材とシリンダブロック側の主材間に挟まれる中材とからなり、該中材は、第1中材と、該第1中材からは分離した別部材の第2中材とからなり、第1中材はシリンダ孔を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分を有し、該シリンダ孔周縁部分にシリンダ孔を囲むビードが形成された、該シリンダ孔の各々に分離して配置されるか、又は該シリンダ孔間で連結した一体形状の金属板であり、第2中材は該第1中材の外側に配置されるオイル孔及びボルト孔を有する金属板であり、該第1中材の板厚は、該第2中材の板厚より大であることを特徴とするシリンダヘッドガスケットを提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、両側の主材間に板厚が大の中材(シム板)を介在させたため、シリンダヘッドのリフトを抑制できる。また、シリンダ孔周縁部分におけるビードを付与した中材の積層枚数が3枚以上となるため、フランジの隙間に対する単板当たりの追従量が少なくて済み、ガスケットの追従性が向上する。また、第1中材と第2中材とは分離した別個の部材であるため、第1中材の厚みを第2中材の厚みより0.07mm以上と大きく採れると共に、設計の自由度が高まる。このため、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させることができ、シール性が向上する。また、第1中材と第2中材とは必要部分のみに使用するため、使用材料を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態におけるシリンダヘッドガスケットのブロック側の主材の平面図である。
【図2】本例のシリンダヘッドガスケットの第1中材の平面図である。
【図3】本例のシリンダヘッドガスケットの第2中材の平面図である。
【図4】本例のシリンダヘッドガスケットのシリンダヘッド側の主材の平面図である。
【図5】本例のシリンダヘッドガスケットのブロック側の主材に2つの中材を組み込んだ平面図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるシリンダヘッドガスケットの平面図である。
【図7】図5のA−A線に沿って見た図である。
【図8】図6のB−B線に沿って見た図である。
【図9】図6のC−C線に沿って見た図である。
【図10】図6のD−D線に沿って見た図である。
【図11】図6のE−E線に沿って見た図である。
【図12】図6のF−F線に沿って見た図である。
【図13】図6のG−G線に沿って見た図である。
【図14】図5のX部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態におけるシリンダヘッドガスケット(以下、単に、「ガスケット」とも言う。)を図1〜図14を参照して説明する。図1、2及び4〜6において、実線の囲みは、ビードである。
【0013】
本発明の実施の形態におけるガスケット10は、シリンダブロックとシリンダヘッドの接合面のシール部材として使用されるものであり、シリンダブロック側の主材1と、シリンダヘッド側の主材4と、主材1、4間に挟まれる中材とからなる。中材は、第1中材2と、第1中材2からは分離した別部材の第2中材3とからなる。なお、「分離」とは、互いの接触や重複する箇所がなく離間した状態を言う。シリンダブロック側の主材1及びシリンダヘッド側の主材4は、本例ではそれぞれ1枚であるが、これに限定されず、それぞれ2枚以上が積層されたものであってもよい。
【0014】
シリンダブロック側の主材1を図1に示す。主材1の輪郭形状は、シリンダブロックとシリンダヘッドの接合面形状に概ね対応したものである。また、主材1は、シリンダ孔12と、シリンダ孔12周りの比較的小さな孔径を有する多数の冷却水孔13と、冷却水孔13より外側に配置された比較的大きな孔径を有するオイル孔16と、シリンダ孔の周りに90度間隔で形成されたボルト孔15と、第1中材2の係止片23が掛り止めするボルト孔15の内側に位置する係止孔17と、主材1、4と第2中材3を固定するビス孔18を有する。なお、ビス孔18は、シリンダブロックとシリンダヘッドの接合面形状の外側に位置する。
【0015】
また、主材1は、シリンダ孔12周縁部分にシリンダ孔12を囲むビード121が形成され、オイル孔16周縁部分にオイル孔16を囲むビード161が形成され、冷却水孔13とボルト孔15間には、4つのシリンダ孔12を外側から囲むビード181が形成されている。なお、ボルト孔15周りは、ビード181とオイル孔16を囲むビード161が位置しているか、あるいはボルト孔15を囲むビート151が形成されている。主材1におけるビードの高さは、例えば0.05〜0.3mm程度である。主材1におけるビードの形状としては、山型断面形状であるフルビード又は例えば図11の符号161あるいは図12の符号151で示すような段差形状であるハーフビードのいずれであってもよいが、本例では、シリンダ孔12を囲むビード121はフルビードであり、オイル孔を囲むビード181はハーフビードである。
【0016】
シリンダヘッド側の主材4を図4に示す。主材4において、主材1と異なる点は、主材4には、第1中材2の係止片23が掛り止めする係止孔17が形成されていない点及びビードがシリンダ孔12周縁部分を除き、厚さ方向に対称となるように形成される点にある。第1中材2の係止片23が掛り止めする係止孔17は、主材1か主材4のどちらか一方に形成されていればよく、本例では主材4には係止孔が不要となる。また、ビードをシリンダ孔周縁部分21を除き、厚さ方向に対称となるように形成することで、シリンダのリフトに対して、ガスケットの追従性がよくなる。また、シリンダ孔周縁部分21は、第1中材2が介在するため、ビードは厚さ方向に同じであっても本発明の効果を奏する。
【0017】
主材1、4としては、鋼板の片側又は両側にゴム材を形成した複合部材が挙げられる。鋼板としては、ステンレス鋼板、SPCC鋼板、アルミニウム鋼板等が挙げられる。鋼板及びゴム材並びに鋼板へのゴム材の形成方法は公知のものが使用できる。
【0018】
第1中材2は、シリンダ孔12を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分21を有し、シリンダ孔周縁部分21にシリンダ孔12を囲むビード22が形成されたシリンダ孔12間で連結した一体形状の金属板である。すなわち、4つのシリンダ孔周縁部分21は、連結部25によりそれぞれ連結されて一体化している。第1中材2の板厚は0.15mm〜0.30mm、好適には0.20mm〜0.25mm、更に好適には、0.2mmである。このように、第1中材2の厚みはガスケット追従性を考慮して調整する必要があるが、第2中材3とは分離部材としたことで、第2中材3との段差を大きくすることができ、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させることができる。第1中材2である金属板としては、JIS G 4313に規定されているSUS301Hが使用できる。第1中材2におけるビードの高さは、例えば0.05〜0.30mm程度である。第1中材2におけるビードは、フルビード又はハーフビードであり、本例ではフルビードである。第1中材2は、4つのシリンダ孔周縁部分21が連結部25によりそれぞれ連結された一体化ものに限定されず、連結部25が省略され、4つのシリンダ孔周縁部分21がシリンダ孔12の各々に分離して配置されるものであってもよい。
【0019】
第1中材2は、シリンダ孔周縁部分21の外周部より外側へ突出する係止片23が形成されている。これにより、主材1の係止孔17に掛り止めすることができる。すなわち、図14に示すように、係止片23を係止孔17に入れ込み、反対側へ折り曲げて掛り止めする。なお、第1中材2は、主材4に掛り止めさせてもよい。この場合、主材4に、係止孔17を形成しておくことになる。
【0020】
第2中材3は、第1中材2の外側に配置されるオイル孔16、ボルト孔15及び主材1、4と共に固定されるビス孔18を有する金属板である。第2中材3の中央には、第1中材2が第2中材3とは分離して収容できる大きな貫通孔32を有している。すなわち、貫通孔32に、シリンダ孔12と冷却水孔13が位置することになる。
【0021】
第2中材3の板厚は、第1中材2の厚みに対して少なくとも0.07mm以上、好適には0.08mm以上、更に好適には0.09mm〜0.12mm厚みが小さい。このように、第2中材3の厚みを薄くすることで、第1中材2との段差を大きくすることができ、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させる。第2中材3である金属板としては、JIS G 4313に規定されているSUS304やSPCC鋼板が使用できる。第2中材3にはビードが形成されていてもいなくてもよいが、本例ではビードが形成されていない平板である。第2中材3にはビードが形成されていなくとも、主材1、4のオイル孔16周縁部にビードが形成されているため、オイル孔16周縁部の締め付け力を高めることができる。
【0022】
図5に、主材1、第1中材2及び第2中材3の3つの部材の配置関係を示す。すなわち、第1中材2は、係止片23が主材1の係止孔17に掛り止めされている。また、第2中材3は、図6に示すように、主材4にビス止めされる。そして、第2中材3の貫通孔32部分に、シリンダ孔12及び冷却水孔13が位置している。このように、第1中材2と第2中材3は、連続することなく分離しており、必要部分のみに使用するため、使用材料を低減できる。図5の2層構造のものに、シリンダヘッド側の主材4を組み込み、図6に示す2つの主材1、4、第1中材2及び第2中材3からなる3層構造の本発明のガスケットが得られる。
【0023】
ガスケット10において、図8に示すように、シリンダ孔12を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分はビードが形成された3つの板材、すなわち、主材1、4と第1中材2の3層構造である。実験によれば、ビード板の積層枚数が増えることで、フランジのリフトに対するガスケットの追従性が向上することが判っている。すなわち、ガスケット10は、フランジの隙間に対する単板当たりの追従量が少なくて済むため、ガスケットの追従性が向上する。
【0024】
また、ガスケット10は、シリンダ孔周縁部分における第1中材2(シム)の厚みが大である。実験によれば、フルビードが形成された2つの主材にシム板を介在させたガスケットの場合、シム板の板厚を厚くすればするほど、ヘッドリフトを抑制できることが判っている。すなわち、ガスケット10は、フランジのリフトをガスケット側から抑制できる。また、第1中材2と第2中材3とは分離して別個の部材であるため、第1中材の厚みを第2中材の厚みより大きく採れる。このため、シリンダ孔周縁部分の単位面積当たりの締め付け力を増大させることができ、シール性が向上する。また、第1中材2と第2中材3とは必要部分のみに使用するため、使用材料を低減できる。
【0025】
オイル孔周縁部分は、図11に示すように、フルビードが形成された3つの板材、すなわち、主材1、4と第2中材3の3層構造である。オイル孔16を流れる油圧は、シリンダ圧より小さいため、オイル孔のシールとしては十分である。
【0026】
本発明のシリンダヘッドガスケットは、上記実施の形態例に限定されず、例えば、第1中材2が、シリンダ孔周縁部分21にシリンダ孔12を囲むビード22が形成された金属板を複数枚重ね合わせたものとしてもよい。この場合、該金属板が1枚の場合と同様に、該複数枚の板厚の合計の厚みは、該第2中材の厚みより0.07mm以上大きくすることが好ましい。第1中材2が複数枚の重ね合わせたものである場合、第2中材との厚み差を容易に大きくとることができる。また、シリンダ孔周縁部分におけるビードを付与した中材の積層枚数が4枚以上となるため、フランジの隙間に対する単板当たりの追従量が少なくて済み、ガスケットの追従性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
近年のエンジンの低燃費化と出力増大化に伴うシリンダ内爆発時におけるシリンダヘッドの大きなリフトに対して、シリンダヘッドガスケット側から抑制でき、また優れた追従性を発揮できる。このため、エンジンの低燃費化と出力増大化に貢献できると共に、省資源化が図れる。
【符号の説明】
【0028】
1 シリンダブロック側の主材
2 第1中材
3 第2中材
4 シリンダヘッド側の主材
5 ビス
10 ガスケット
12 シリンダ孔
13 冷却水孔
15 ボルト孔
16 オイル孔
17 係止孔
18 ビス孔
21 シリンダ孔周縁部分
22、42、121 シリンダ孔周りのフルビード
23 係止片
46、161 オイル孔周りのハーフビード
48、181 ハーフビード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッド側の主材と、シリンダブロック側の主材と、該リンダヘッド側の主材とシリンダブロック側の主材間に挟まれる中材とからなり、
該中材は、第1中材と、該第1中材からは分離した別部材の第2中材とからなり、
第1中材はシリンダ孔を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分を有し、該シリンダ孔周縁部分にシリンダ孔を囲むビードが形成された、該シリンダ孔の各々に分離して配置されるか、又は該シリンダ孔間で連結した一体形状の金属板であり、
第2中材は該第1中材の外側に配置されるオイル孔及びボルト孔を有する金属板であり、該第1中材の板厚は、該第2中材の板厚より大であることを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
【請求項2】
シリンダヘッド側の主材は、1枚であるか、又は2枚以上が積層されたものであることを特徴とする請求項1記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項3】
シリンダブロック側の主材は、1枚であるか、又は2枚以上が積層されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項4】
該第1中材の厚みは、該第2中材の厚みより0.07mm以上大であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項5】
該第1中材は、該シリンダ孔周縁部分にシリンダ孔を囲むビードが形成された金属板を複数枚重ね合わせたものであり、該複数枚の板厚の合計の厚みは、該第2中材の厚みより0.07mm以上大であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項6】
該第1中材又は該第2中材は、シリンダヘッド側の主材又はシリンダブロック側の主材のいずれか一方に係止されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項7】
シリンダヘッド側の主材又はシリンダブロック側の主材は、いずれも鋼板の両面又は片面にゴム材を形成した複合材であり、シリンダ孔を囲むビードを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項1】
シリンダヘッド側の主材と、シリンダブロック側の主材と、該リンダヘッド側の主材とシリンダブロック側の主材間に挟まれる中材とからなり、
該中材は、第1中材と、該第1中材からは分離した別部材の第2中材とからなり、
第1中材はシリンダ孔を所定の幅で囲繞するシリンダ孔周縁部分を有し、該シリンダ孔周縁部分にシリンダ孔を囲むビードが形成された、該シリンダ孔の各々に分離して配置されるか、又は該シリンダ孔間で連結した一体形状の金属板であり、
第2中材は該第1中材の外側に配置されるオイル孔及びボルト孔を有する金属板であり、該第1中材の板厚は、該第2中材の板厚より大であることを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
【請求項2】
シリンダヘッド側の主材は、1枚であるか、又は2枚以上が積層されたものであることを特徴とする請求項1記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項3】
シリンダブロック側の主材は、1枚であるか、又は2枚以上が積層されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項4】
該第1中材の厚みは、該第2中材の厚みより0.07mm以上大であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項5】
該第1中材は、該シリンダ孔周縁部分にシリンダ孔を囲むビードが形成された金属板を複数枚重ね合わせたものであり、該複数枚の板厚の合計の厚みは、該第2中材の厚みより0.07mm以上大であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項6】
該第1中材又は該第2中材は、シリンダヘッド側の主材又はシリンダブロック側の主材のいずれか一方に係止されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項7】
シリンダヘッド側の主材又はシリンダブロック側の主材は、いずれも鋼板の両面又は片面にゴム材を形成した複合材であり、シリンダ孔を囲むビードを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】


【公開番号】特開2012−207727(P2012−207727A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74138(P2011−74138)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】
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