説明

シルセスキオキサン樹脂

本発明は、反射防止コーティング材において有用であるシルセスキオキサン樹脂であって、シルセスキオキサン樹脂は、次の単位(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m、(HSiO(3-x)/2(OR')x)n、(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o、(RSiO(3-x)/2(OR')x)p、(R1SiO(3-x)/2(OR')x)qからなり、式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、ヒドロキシル生成基から選択され;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1であるシルセスキオキサン樹脂に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
なし
【背景技術】
【0002】
半導体産業においては、より小さいサイズが継続して求められており、ごく最近、193nm用光リソグラフィーが100nmより小さいデバイスを生成する技術として登場した。このようなより短い波長の光の使用には、基板での反射を低減し、フォトレジストを通過した光を吸収することによってフォトレジストスイングカーブを減衰するために裏面反射防止コーティング材(BARC)が必要である。市販の反射防止コーティング材は、有機系材料と無機系材料の両方からなる。典型的には、良好なエッチ耐性を示す無機ARCはCVDに基づき、極端なトポグラフィーの集積による欠点をすべて受ける。一方、有機ARC材料は、スピンオン法で塗布され、優れた充填特性および平坦化特性を有するが、有機フォトレジストに対するエッチ選択性が不十分となる。その結果、有機ARCと無機ARCの組合せによる利点をもたらす材料が強く望まれている。
【0003】
この点に関して、フェニル-ヒドリド系シルセスキオキサン樹脂が193nmの光に対して優れた反射防止コーティング特性を示すことを、最近発見した。本発明は、ヒドロキシル部分を含む新規シルセスキオキサン材料であって、対応するクロロシランまたはアルコキシシランの共加水分解を経由して作製されるシルセスキオキサン材料に関する。シランのヒドロキシル部分は、有機基またはシリル基で保護され、酸性条件下で開裂して、対応するヒドロキシル基を生じる。新規ヒドロキシル官能性シルセスキオキサン樹脂は、優れたスピンオン膜を形成し、250℃以下で硬化されたとき、優れたPGMEA耐性およびTMAH耐性を有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】GreenおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、Wiley、New York、1999、17〜292頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、反射防止コーティング材において有用であるシルセスキオキサン樹脂であって、シルセスキオキサン樹脂は、次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR")x)m
(HSiO(3-x)/2(OR")x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR")x)o
(RSiO(3-x)/2(OR")x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR")x)q
からなり、
式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R"は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、ヒドロキシル生成基から選択され;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、アリールスルホン酸エステル基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1であるシルセスキオキサン樹脂に関する。これらの樹脂が反射防止コーティング材で使用されると、添加剤を何ら使用することなく、200℃を超える温度において1分以内で硬化することができる。硬化した膜は、優れた溶媒耐性(すなわち、PGMEA)およびTMAH耐性を示す。NE-89やCCT-1など、市販の湿式除去化学物質を使用して、硬化した膜を湿式ストリッピングすることができる。最後に、反射防止コーティング層は、50°〜90°の範囲の水接触角を有し、典型的には25〜45ダイン/cm2の範囲の表面エネルギーを有する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
反射防止コーティング材を生成するのに有用であるシルセスキオキサン樹脂は、次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR")x)m
(HSiO(3-x)/2(OR")x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR")x)o
(RSiO(3-x)/2(OR")x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR")x)q
からなり、
式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R"は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、ヒドロキシル生成基から選択され;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、アリールスルホン酸エステル基、カルボン酸含有基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し、pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し; m+n+o+p+q≒1(式中、m、n、o、p、およびqはモル分率である)である。典型的には、mは、0から0.25、あるいは>0.0から0.15の値を有する。典型的には、nは、0.15から0.40、あるいは0.10から0.3の値を有する。典型的には、oは、0.25から0.80、あるいは0.25から0.75の値を有する。典型的には、pは、0.025から0.35、あるいは0.05から0.15の値を有する。典型的には、qは、0から0.3、あるいは>0から0.15の値を有する。
【0007】
R"は独立に、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基である。R"の例としては、H、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、およびブチルを挙げることができる。
【0008】
樹脂において、Rはヒドロキシル生成基である。ヒドロキシル生成基は、有機基またはシリル基で保護され、酸性条件下で開裂して、対応するヒドロキシル基を生じる。ヒドロキシル生成基の例は、一般式-R2OR3のものであり、式中、R2はケイ素原子とOR3基の間を架橋する任意の有機架橋基であり、R3は保護基である。R2の例としては、1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基、または当技術分野で周知である他の何らかの有機架橋基をさらに挙げることができる。保護基R3は、酸性条件下で開裂して、対応するヒドロキシル(-OH)基を生成することができる当技術分野で周知である任意の有機基である。保護基のいくつかについては、GreeneおよびWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、Wiley、New York、1999、17〜292頁に記載されている。保護基の例としては、t-ブチル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジルオキシメチル、シンナミル、トリフェニルメチル、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、カルボニル基(カルボン酸無水物として)などを挙げることができる。R3の例としては、t-ブチル、トリメチルシリル、およびテトラヒドロピラニルをさらに挙げることができるが、これらに限定されるものではない。Rの例としては、-(CH2)3-COtBu、-(CH2)2-CO-SiMe3、-(CH2)2-(OCH2CH2)d-COtBu、および-(CH2)3-(OCH2CH2)d-CO-SiMe3(式中、dは、1から10の値を有する)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0009】
R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、アリールスルホン酸エステル基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択される。置換フェニル基は、少なくとも1つのHO-、MeO-、Me-、Et-、Cl-、および/または他の置換基を含む。エステル基は、少なくとも1つのエステル官能基を含む任意の有機置換基とすることができる。本明細書で有用なエステル基の例は、-(CH2)2-O-C(O)Meおよび-(CH2)2-C(O)-OMeである。ポリエーテル基は、以下の構造:-(CH2)a[O(CH2)b]cOR4(式中、a=2から12;b=2から6;c=2から200;R4はH、アルキル、またはアセチルなどの他の有機基である)で表される酸素原子を介して結合している炭化水素単位を有する有機置換基であるが、これらに限定されるものではない。本明細書で有用なポリエーテル基の例は、-(CH2)3-(OCH2CH2)c-OMe、-(CH2)3-(OCH2CH2)c-OH、および-(CH2)3-(OCH2CH2)7-OAc、ならびに-(CH2)3-(OCH2CH2)c-OC(O)Meである。メルカプト基は、メルカプトプロピル、メルカプトエチル、およびメルカプトメチルなど、一般式HS(CH2)e-を有し、式中、eは1〜18の値をする。アリールスルホン酸エステル基は、式R5O-SO2-Ph-(CH2)r-を有し、式中、R5は水素原子、脂肪族の基または芳香族の基であり、rは、0、1、2、3、または4の値を有する。スルホン酸エステル基の例としては、HO-SO2-Ph-(CH2)r-または(CH3)2CHO-SO2-Ph-(CH2)r-を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。反応性または硬化性の有機官能基の例としては、ビニルやアリルなどのアルケニル基;グリシドキシプロピル基やエポキシシクロヘキサン基などのエポキシ基、メタクリルオキシプロピル基、アクリルオキシプロピルなどのアクリラート基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
シルセスキオキサン樹脂を生成する典型的な方法は、適切なハロまたはアルコキシシランの加水分解および縮合を伴う。一例は、フェニルトリクロロシラン、トリクロロシラン、ヒドロキシル生成基を含むシラン、メチルトリクロロシラン、および場合によっては他の有機官能性トリクロロシランの混合物の加水分解および縮合である。この方法で、-OHおよび/または-OR"残基は、不完全な加水分解または縮合の結果としてシルセスキオキサン樹脂に残留することが可能である。シルセスキオキサン樹脂中、-OR"基を含む単位の全量が40モル%を超える場合、樹脂のゲル化および不安定性が生じ得る。典型的には、シルセスキオキサン樹脂は、-OR"基を含む単位を6から38モル%含み、あるいは5モル%未満、あるいは1モル%未満しか含まない。
【0011】
シルセスキオキサン樹脂は、RI検出およびポリスチレン標準液を使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定して、500から200,000の範囲、あるいは500から100,000の範囲、あるいは700から30,0000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0012】
シルセスキオキサン樹脂を調製する典型的な方法は、水、HSiX3、MeSiX3、PhSiX3、RSiX3、ならびに場合によってはR1SiX3を有機溶媒中で反応させるステップを含み、式中、Xは、Cl、Br、CH3CO2-、アルコキシ基-OR''、または他の加水分解性基から独立に選択された加水分解性基である。本明細書で有用なシランの例としては、HSi(OEt)3、HSiCl3、PhCH2CH2SiCl3、およびPhSiCl3、MeSi(OMe)3、MeSiCl3、RSiCl3、-RSi(OMe)3、R1SiCl3、およびR1Si(OMe)3(式中、R1は上記に定義された通りであり、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Phはフェニル基を表す)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
シルセスキオキサン樹脂の調製において使用することができるヒドロキシル生成シラン(RSiX3)の例としては、
(X)3Si-(CH2)f-COtBu
(X)3Si-(CH2)f-CO-SiMe3
(X)3Si-(CH2)f-(OCH2CH2)d-COtBu
(X)3Si-(CH2)f-(OCH2CH2)d-CO-SiMe3
【0014】
【化1】

【0015】
[式中、Meはメチル基であり、tBuはt-ブチル基であり、Xはクロリドまたはアルコキシ基(すなわち、OR")であり、fは2または3の値を有し、dは1から10の値を有する]を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
反応における水の量は、典型的にはシラン反応物質中のX基1モル当たり水0.5から2モル、あるいはシラン反応物質中のX基1モル当たり0.5から1.5モルの範囲である。
【0017】
シルセスキオキサン樹脂を生成する時間は、温度、シラン反応物質のタイプおよび量、ならびに触媒が存在する場合は触媒の量などのいくつかの要因に依存する。X基の本質的にすべてが加水分解反応を受けるのに十分な時間、反応を実施することが好ましい。典型的には、反応時間は何分間から何時間、あるいは10分間から1時間である。シルセスキオキサン樹脂を生成する反応は、著しいゲル化を引き起こさず、またはシルセスキオキサン樹脂の硬化を引き起こさない限り、いずれの温度でも実施することができる。反応が実施される温度は、典型的には25℃から反応混合物の還流温度までの範囲である。典型的には、反応は、10分間から1時間加熱還流することによって実施される。
【0018】
反応ステップは、シラン成分の加水分解と縮合とを含む。反応の完了を促進するために、触媒を使用してもよい。触媒は、塩基、または鉱酸などの酸とすることができる。有用な鉱酸としては、とりわけHCl、HF、HBr、HNO3、およびH2SO4が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、典型的にはHClである。HClまたは他の揮発性酸の利点は、反応が完了した後、ストリッピングによって、揮発性酸を組成物から容易に除去できることである。触媒の量は、その性質に依存する可能性がある。触媒の量は、反応混合物の全重量に対して典型的には0.05重量%から1重量%である。
【0019】
一般に、シラン反応物質は、水に可溶でもなく、または水にわずかに可溶でもない。これを考慮に入れて、反応は有機溶媒中で実施される。有機溶媒は、シラン反応物質を溶解するのに十分なほどの任意の量で存在する。典型的には、有機溶媒は、反応混合物の全重量に対して1から99重量%、あるいは70から約90重量%で存在する。有用な有機溶媒の例としては、n-ペンタン、ヘキサン、n-ヘプタン、およびイソオクタンなどの飽和脂肪族;シクロペンタンやシクロヘキサンなどの脂環式;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族物質;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル;メチルイソブチルケトン(MIBK)やシクロヘキサノンなどのケトン;トリクロロエタンなどのハロゲン置換アルカン;ブロモベンゼンやクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、イソ酪酸イソブチル、およびプロピオン酸プロピルなどのエステルを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。有用なシリコーン溶媒の例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサンやデカメチルシクロペンタシロキサンなどの環式シロキサンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。単一溶媒を使用してもよく、また溶媒の混合物を使用してもよい。
【0020】
シルセスキオキサン樹脂を作製するプロセスにおいて、反応が完了した後、シルセスキオキサン樹脂溶液から揮発性物質を減圧下で除去することができる。このような揮発性物質としては、アルコール副生物、過剰の水、触媒、塩酸(クロロシラン経由)、および溶媒が挙げられる。揮発性物質を除去する方法は当技術分野で周知であり、例えば減圧下での蒸留またはストリッピングが挙げられる。
【0021】
反応の完了に続いて、触媒を場合によっては除去してもよい。触媒を除去する方法は当技術分野で周知であり、中和、ストリッピング、もしくは水洗、またはそれらの組合せが挙げられる。触媒は、特に溶液状態のときシルセスキオキサン樹脂の貯蔵寿命に悪影響を及ぼす可能性があり、したがってその除去が推奨される。
【0022】
シルセスキオキサン樹脂の分子量を増加させ、かつ/またはシルセスキオキサン樹脂の貯蔵安定性を改善するために、40℃から溶媒の還流温度まで加熱しながら、反応を長期間実施してもよい(「粘性を高めるステップ」)。粘性を高めるステップは、反応ステップの後に、または反応ステップの一部分として実施してもよい。好ましくは、粘性を高めるステップは、10分間から6時間、より好ましくは20分間から3時間の範囲の時間実施される。
【0023】
シルセスキオキサン樹脂を生成する反応に続いて、いくつかの任意選択のステップを実施して、シルセスキオキサン樹脂を所望の形態で得ることができる。例えば、溶媒を除去することによって、シルセスキオキサン樹脂を固体形態で回収してもよい。溶媒の除去方法はクリティカルではなく、多数の方法(例えば、熱および/または真空下における蒸留)が当技術分野で周知である。シルセスキオキサン樹脂が固体形態で回収されると、樹脂を、特定の使用のために同じまたは別の溶媒に任意選択で再溶解することができる。あるいは、反応で使用された溶媒以外の別の溶媒が最終生成物にとって望ましい場合、第2の溶媒を添加し、第1の溶媒を例えば蒸留により除去することによって、溶媒交換を行ってもよい。さらに、溶媒中の樹脂濃度を、溶媒の一部を除去することまたはさらなる量の溶媒を添加することによって調整することができる。
【0024】
本発明はまた、反射防止コーティング(ARC)組成物であって、
(i)次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR")x)m
(HSiO(3-x)/2(OR")x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR")x)o
(RSiO(3-x)/2(OR")x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR")x)q
からなるシルセスキオキサン樹脂
[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R"は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、ヒドロキシル生成基から選択され;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1である]と、
(ii)溶媒と
を含むARC組成物にも関する。
【0025】
有用な溶媒(ii)としては、とりわけ1-メトキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、γ-ブチロラクトン、およびシクロヘキサノンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ARC組成物は、典型的には、ARC組成物の全重量に対して約10重量%から約99.9重量%、あるいは80重量%から95重量%の溶媒を含む。
【0026】
ARC組成物は、熱的にまたは光化学的に発生することができるラジカル開始剤、または他の添加剤を含んでもよい。適切なラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などの過酸化物が挙げられる。典型的には、ラジカル開始剤は、ARC組成物の全重量に対して最高1000ppm、あるいは10から500ppmの量で存在する。他の添加剤としては、光酸および熱酸発生剤、光塩基および熱塩基発生剤を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
反射防止コーティング組成物は、シルセスキオキサン樹脂、溶媒、および場合によってはラジカル開始剤または他の添加剤を一緒に混合することによって生成される。典型的には、ラジカル開始剤または他の添加剤を、コーティング組成物にその使用直前に添加して、早期硬化を防止する。
【0028】
本発明は、反射防止被覆を電子デバイス上に形成する方法であって、
(A)電子デバイスに、
(i)次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR")x)m
(HSiO(3-x)/2(OR")x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR")x)o
(RSiO(3-x)/2(OR")x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR")x)q
からなるシルセスキオキサン樹脂
[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R"は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、ヒドロキシル生成基から選択され;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1である]と、
(ii)溶媒と
を含むARC組成物を塗布するステップと、
(B)溶媒を除去し、シルセスキオキサン樹脂を硬化させて、反射防止コーティングを電子デバイス上に形成するステップと
を含む方法にも関する。
【0029】
反射防止コーティング組成物を電子デバイスに塗布して、コーティングされた基板を生成する。溶媒を除去し、シルセスキオキサン樹脂を硬化させて、反射防止コーティングを電子デバイス上に形成する。
【0030】
典型的には、電子デバイスは、半導体コンポーネントの製造で使用するためのケイ素系デバイスやガリウムヒ素系デバイスなど、半導体デバイスである。典型的には、デバイスは、少なくとも1つの半導電層、および様々な導電材料、半導電材料、または絶縁材料を含む複数の他の層を備える。
【0031】
ARC組成物を電子デバイスに塗布する特定の方法としては、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、スクリーン印刷などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい塗布方法は、スピンコーティングである。典型的には、コーティングは、電子デバイスを約2000RPMで回転させ、回転している電子デバイスの表面にARC組成物を添加するものである。
【0032】
溶媒を除去し、シルセスキオキサン樹脂を硬化させて、反射防止コーティングを電子デバイス上に形成する。硬化は、一般にコーティングを、硬化をもたらすのに十分な温度で十分な時間加熱するステップを含む。溶媒を用いて塗布したシルセスキオキサン樹脂が、その溶媒に本質的に不溶であるほど十分な架橋が起こったとき、硬化が行われる。例えば、コーティングされた電子デバイスを80℃から450℃で0.1から60分間、あるいは150℃から275℃で0.5から5分間、あるいは200℃から250℃で0.5から2分間加熱することによって、硬化は起こる可能性がある。硬化ステップにおいては、いずれの加熱方法を使用してもよい。例えば、コーティングされた電子デバイスを石英管炉、対流式オーブンに置き、またはホットプレート上に放置してもよい。あるいは、反射防止コーティングを、光酸発生剤(PAG)または光塩基発生剤などの光活性添加剤の存在下で紫外線照射下に硬化することができる。
【0033】
コーティングされた組成物のシルセスキオキサン樹脂が硬化中に酸素または炭素と反応するのを防止するために、硬化ステップを不活性雰囲気下で行うことができる。本明細書で有用な不活性雰囲気としては、窒素およびアルゴンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「不活性」は、環境に酸素が50ppm未満、好ましくは10ppm未満しか含まれていないことを意味する。硬化ステップおよび除去ステップが実施される圧力はクリティカルではない。硬化ステップは、大気圧より低い圧力でも高い圧力でもうまくいく可能性があるが、典型的には大気圧で実施される。
【0034】
シルセスキオキサン樹脂から生成されたコーティングは、典型的には1000Åから5000Å、あるいは1500Åから3000Åの厚さを有する。さらに、膜は、典型的には50°から90°の水接触角、および25から45ダイン/cm2の表面エネルギーを有する。
【0035】
硬化すると、反射防止コーティングを含む電子デバイスを、フォトリソグラフィーなど、別の基板処理ステップにおいて使用することができる。フォトリソグラフィーにおいて使用されるとき、レジスト画像が反射防止コーティング上に形成される。レジスト画像を形成するプロセスは、(a)レジスト組成物の膜を反射防止コーティングの上に形成するステップと、(b)レジスト膜を放射線にイメージ通りに露光させて、露光した膜を生成するステップと、(c)露光した膜を現像して、画像を生成するステップとを含む。電子デバイス上の反射防止コーティングは、波長157nmから365nmの紫外線、あるいは波長157nmまたは193nmの紫外線にイメージ通りに露光させるレジスト組成物について特に有用である。画像がレジスト膜に生成されると、次いでパターンが、反射防止コーティングにおいてエッチングされる。知られているエッチング材料を使用して、反射防止コーティングを除去してもよい。レジスト膜および残存する反射防止コーティングを除去するさらなるステップを使用して、所望の構造を有するデバイスを生成してもよい。
【実施例】
【0036】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含めるものである。当業者であれば、以下の実施例に開示される技法は、発明者が本発明実施においてうまく機能することを発見した技法を表し、したがって本発明実施の好ましい態様を構成するものと考えられることが理解されるはずである。しかし、当業者は、本開示を考慮に入れて、開示されている特定の実施形態において、多くの変更を行うことができ、やはり類似または同様の結果を、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく得ることができることを理解すべきである。他に明記しない限り、百分率はすべて重量%であり、PDIは多分散指数である。
【0037】
ウエハ上におけるフィルムコーティングは、Karl Suss CT62スピンコーターを用いて処理した。樹脂のPGMEA溶液を、まず0.2ミクロンのTEFLONフィルターに通して濾過し、次いで片面研磨低抵抗率4インチウエハ標準品または両面研磨FTIRウエハにスピンコーティングした(別段の示唆のない限り、回転速度=2000rpm;加速速度=5000、時間=20秒)。窒素ガスパージを備えた急速熱処理(RTP)オーブンを使用して、膜を温度(200〜250℃)で60秒間硬化した。J. A. Woollamエリプソメータを使用して、膜厚、屈折率、およびk値を決定した。記録された膜厚の値は、9つの測定値の平均であった。硬化後のPGMEA耐性は、PGMEAリンスの前後における膜厚の変化を測定することによって決定した。市販の湿式ストリッピング溶液2種類NE89およびCC1で、湿式除去速度を評価した。液体として水およびヨウ化メチレンを使用して、接触角の測定を実施し、Zisman手法に基づいて、濡れの臨界表面張力を算出した。
【0038】
(実施例1)
(PhSiO(3-x)/2(OR")x)0.10(HSiO(3-x)/2(OR")x)0.20(MeSiO(3-x)/2(OR")x)0.63(RSiO(3-x)/2(OR")x)0.07
20℃の反応器に、PGMEA(430g)およびDI水(20g)を加えた。撹拌することによって、水をPGMEAに迅速に分散させて、均質溶液にする。次いで、別のフィーディングフラスコに、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA、240g)、フェニルトリクロロシラン(10.6g、0.05モル)、メチルトリクロロシラン(47.1g、0.315mol)、トリクロロシラン(13.6g、0.1モル)、および2-(1-トリメトキシシリルプロピルオキシ)テトラヒドロピラン(9.70g、0.035mol)を添加した。次に、蠕動ポンプを使用して、フィーディングフラスコ中の溶液を、窒素下で反応器に1時間10分かけて添加した。添加が完了した後、DI水を2回(2回×1000g)添加することによって、反応器中の混合物を2回洗浄した。次いで、ローターバップを使用して、EtOH(40g)を添加した後、溶液をストリッピングして、透明なPGMEA溶液を得た。さらにPGMEAを添加することによって、溶液を10重量%に希釈し、次いで0.2mmのTeflonフィルターを通して濾過する。GPCデータ(対ポリスチレン):Mw=29100、PDI=4.08。
【0039】
フィルムコーティングを上述されたように生成し、上述されたような様々な特性について測定した。膜厚=2269Å。215℃で1分間硬化後のフィルムロス:PGMEAのフィルムロスについて19Å、およびTMAHのフィルムロスについて4Å。1分での湿式除去速度:NE-89により100%。
【0040】
(実施例2)
(PhSiO(3-x)/2(OR")x)0.10(HSiO(3-x)/2(OR")x)0.20(MeSiO(3-x)/2(OR")x)0.55(RSiO(3-x)/2(OR")x)0.15
PGMEAおよびDI水を加えた20℃の反応器に、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA、400g)、フェニルトリクロロシラン(10.6g、0.05mol)、メチルトリクロロシラン(41.1g、0.275mol)、トリクロロシラン(13.6g、0.1mol)、および2-(1-トリメトキシシリルプロピルオキシ)テトラヒドロピラン(20.8g、0.075mol)を添加した。添加が完了した後、DI水を2回添加することによって、反応器中の混合物を2回洗浄した。次いで、ローターバップを使用して、溶液をストリッピングして、透明なPGMEA溶液を得た。さらにPGMEAを添加することによって、溶液を10重量%に希釈し、次いで0.2mmのTeflonフィルターを通して濾過する。GPCデータ(対ポリスチレン):Mw=42000、PDI=7.93。
【0041】
フィルムコーティングを上述されたように生成し、上述されたような様々な特性について測定した。膜厚=2237Å。215℃で1分間硬化後のフィルムロス:PGMEAのフィルムロスについて12Å、およびTMAHのフィルムロスについて8Å。1分での湿式除去速度:NE-89により100%。
【0042】
(実施例3)
(PhSiO(3-x)/2(OR")x)0.06(HSiO(3-x)/2(OR")x)0.20(ViSiO(3-x)/2(OR")x)0.64(RSiO(3-x)/2(OR")x)0.10
PGMEAおよびDI水を加えた20℃の反応器に、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、フェニルトリクロロシラン(6.35g)、ビニルトリクロロシラン(51.68g)、トリクロロシラン(13.6g)、および2-(1-トリメトキシシリルプロピルオキシ)テトラヒドロピラン(13.9g)を添加した。添加が完了した後、DI水を2回添加することによって、反応器中の混合物を2回洗浄した。次いで、ローターバップを使用して、溶液をストリッピングして、透明なPGMEA溶液を得た。さらにPGMEAを添加することによって、溶液を10重量%に希釈し、次いで0.2mmのTeflonフィルターを通して濾過する。GPCデータ(対ポリスチレン):Mw=11800、PDI=3.09。
【0043】
フィルムコーティングを上述されたように生成し、上述されたような様々な特性について測定した。膜厚=1913Å。215℃で1分間硬化後のフィルムロス:PGMEAのフィルムロスについて22Å、およびTMAHのフィルムロスについて8Å。1分での湿式除去速度:NE-89により100%。
【0044】
(実施例4)
(HOPhSiO(3-x)/2(OR")x)0.10(HSiO(3-x)/2(OR")x)0.30(MeSiO(3-x)/2(OR")x)0.50(RSiO(3-x)/2(OR")x)0.10
PGMEAおよびDI水を加えた20℃の反応器に、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、[3-(o-メチルカーボナート-フェニル)プロピル]トリメトキシシラン(12.80g)、メチルトリクロロシラン(37.37g)、トリクロロシラン(20.32g)、および2-(1-トリメトキシシリルプロピルオキシ)テトラヒドロピラン(13.9g)を添加した。添加が完了した後、DI水を2回添加することによって、反応器中の混合物を2回洗浄した。次いで、ローターバップを使用して、溶液をストリッピングして、透明なPGMEA溶液を得た。さらにPGMEAを添加することによって、溶液を10重量%に希釈し、次いで0.2mmのTeflonフィルターを通して濾過する。GPCデータ(対ポリスチレン):Mw=14600、PDI=3.98。
【0045】
フィルムコーティングを上述されたように生成し、上述されたような様々な特性について測定した。膜厚=2098Å。215℃で1分間硬化後のフィルムロス:PGMEAのフィルムロスについて88Å、およびTMAHのフィルムロスについて102Å。1分での湿式除去速度:NE-89により100%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シルセスキオキサン樹脂であって、次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR")x)m
(HSiO(3-x)/2(OR")x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR")x)o
(RSiO(3-x)/2(OR")x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR")x)q
からなり、
式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R"は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、ヒドロキシル生成基から選択され;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、アリールスルホン酸エステル基、カルボン酸含有基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1であるシルセスキオキサン樹脂。
【請求項2】
mが0から0.25の値を有し、nが0.15から0.40の値を有し、oが0.25から0.80の値を有し、pが0.025から0.35の値を有し、qが0から0.3の値を有する、請求項1に記載の樹脂。
【請求項3】
mが>0から0.15の値を有し、nが0.10から0.3の値を有し、oが0.25から0.75の値を有し、pが0.05から0.15の値を有し、qが>0から0.15の値を有する、請求項1に記載の樹脂。
【請求項4】
ヒドロキシル生成基Rが、式-R2OR3を有し、式中、R2は有機架橋基であり、R3は保護基である、請求項1に記載の樹脂。
【請求項5】
ヒドロキシル生成基が、式-(CH2)3-COtBu、-(CH2)2-CO-SiMe3、-(CH2)2-(OCH2CH2)d-COtBu、または-(CH2)3-(OCH2CH2)d-CO-SiMe3を有する、請求項4に記載の樹脂。
【請求項6】
R1がアルケニル基である、請求項1に記載の樹脂。
【請求項7】
-OR"基を有する単位を6から38モル%含む、請求項1に記載の樹脂。
【請求項8】
700から30,000の平均分子量(Mw)を有する、請求項1に記載の樹脂。
【請求項9】
反射防止コーティング組成物であって、
(i)次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR")x)m
(HSiO(3-x)/2(OR")x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR")x)o
(RSiO(3-x)/2(OR")x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR")x)q
からなるシルセスキオキサン樹脂
[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R"は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、ヒドロキシル生成基から選択され;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、アリールスルホン酸エステル基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1である]と、
(ii)溶媒と
を含む反射防止コーティング組成物。
【請求項10】
mが0から0.25の値を有し、nが0.15から0.40の値を有し、oが0.25から0.80の値を有し、pが0.025から0.35の値を有し、qが0から0.3の値を有する、請求項9に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項11】
mが>0から0.15の値を有し、nが0.10から0.3の値を有し、oが0.25から0.75の値を有し、pが0.05から0.15の値を有し、qが>0から0.15の値を有する、請求項9に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項12】
ヒドロキシル生成基が、式-R2OR3を有し、式中、R2は有機架橋基であり、R3は保護基である、請求項9に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項13】
ヒドロキシル生成基が、式-(CH2)3-COtBu、-(CH2)2-CO-SiMe3、-(CH2)2-(OCH2CH2)d-COtBu、または-(CH2)3-(OCH2CH2)d-CO-SiMe3を有する、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項14】
R1がアルケニル基である、請求項9に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項15】
樹脂が、-OR"基を有する単位を6から38モル%含む、請求項9に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項16】
樹脂が、700から30,000の平均分子量(Mw)を有する、請求項9に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項17】
溶媒が、1-メトキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、γ-ブチロラクトン、およびシクロヘキサノンから選択される、請求項9に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項18】
組成物が、組成物の全重量に対して80から95重量%の溶媒を含む、請求項9に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項19】
組成物が、ラジカル開始剤をさらに含む、請求項9に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項20】
反射防止コーティングを電子デバイス上に形成する方法であって、
(A)電子デバイスに、
(i)次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR")x)m
(HSiO(3-x)/2(OR")x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR")x)o
(RSiO(3-x)/2(OR")x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR")x)q
からなるシルセスキオキサン樹脂
[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R"は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、ヒドロキシル生成基から選択され;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、アリールスルホン酸エステル基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1である]と、
(ii)溶媒と
を含む反射防止コーティング組成物を塗布するステップと、
(B)溶媒を除去し、シルセスキオキサン樹脂を硬化させて、反射防止コーティングを電子デバイス上に形成するステップと
を含む方法。
【請求項21】
mが0から0.25の値を有し、nが0.15から0.40の値を有し、oが0.25から0.80の値を有し、pが0.025から0.35の値を有し、qが0から0.3の値を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
mが>0から0.15の値を有し、nが0.10から0.3の値を有し、oが0.25から0.75の値を有し、pが0.05から0.15の値を有し、qが>0から0.15の値を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
ヒドロキシル生成基が、式-R2OR3を有し、式中、R2は有機架橋基であり、R3は保護基である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
ヒドロキシル生成基が、式-(CH2)3-COtBu、-(CH2)2-CO-SiMe3、-(CH2)2-(OCH2CH2)d-COtBu、または-(CH2)3-(OCH2CH2)d-CO-SiMe3を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
R1がアルケニル基である、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
樹脂が、-OR"基を有する単位を6から38モル%含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
樹脂が、700から30,000の平均分子量(Mw)を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
溶媒が、1-メトキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、γ-ブチロラクトン、およびシクロヘキサノンから選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
組成物が、組成物の全重量に対して80から95重量%の溶媒を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
組成物が、ラジカル開始剤をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
反射防止コーティング組成物が、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、またはスクリーン印刷で塗布される、請求項20に記載の方法。
【請求項32】
反射防止コーティング組成物がスピンコーティングで塗布される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
溶媒の除去および硬化が、被覆基板を80℃から450℃に0.1から60分間加熱するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
硬化が不活性雰囲気中で起こる、請求項20に記載の方法。

【公表番号】特表2011−517706(P2011−517706A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549692(P2010−549692)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/032906
【国際公開番号】WO2009/111121
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】