説明

シンクライアントシステム、シンクライアント端末装置、バッファリング制御プログラム、バッファリング制御方法

【課題】サービス情報の参照中に新規のサービス情報を受信しても参照中のサービス情報が削除されることがなく、しかも新規のサービス情報を再度取得する必要がないシンクライアント端末装置を提供する。
【解決手段】シンクライアントサーバ3から送信されたデータを受信して表示するシンクライアント携帯端末4を、受信されたデータを表示するサービス情報ログ表示部204、データを表示するための参照データが記憶される参照用バッファ207、新規データが記憶される新規用バッファ206、サービス情報ログ表示部204によってデータが表示中であるか否か、複数のデータの連続性、及び参照用バッファ207、新規用バッファ206の記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信されたデータを参照用バッファ207、または新規用バッファ206に記憶するバッファ制御部205によって構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアントシステム、シンクライアント端末装置、バッファリング制御プログラム、バッファリング制御方法に係り、特に、移動機として構成されたシンクライアント端末を含むシンクライアントシステム、シンクライアント端末装置、バッファリング制御プログラム、バッファリング制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、サービスの実行の処理に必要な機能をサーバ側に集中して搭載し、クライアント側には必要最小限の機能のみを備えるシンクライアントシステム(Thin client system)がある。本明細書では、シンクライアントシステムのサーバ装置を「シンクライアントサーバ」、クライアント端末装置を「シンクライアント端末」と記す。シンクライアント端末には、移動機として構成されるシンクライアント携帯端末が含まれる。移動機には、一般的により小型、軽量化が望まれる。このため、シンクライアント携帯端末においてデータを記憶するバッファには、その容量を小さくすることが望まれている。
【0003】
シンクライアント携帯端末に対し、例えばIM(Instant Messaging)サービスやチャットサービスに代表されるサービス情報を提供するサービスを実施した場合、サービスに関する全ての情報をシンクライアント携帯端末において保持することは、容量の制限から不可能である。しかし、携帯端末の特徴として圏外時や通信が困難な状況での利用を想定すると、シンクライアント携帯端末側にサービス情報の一部を一時的に記憶しておくことが望ましい。
【0004】
サービス情報の全てはシンクライアントサーバに記憶されている。シンクライアント携帯端では、新規なサービス情報を受信すると、新規サービス情報をバッファに記憶させ、記憶されているサービス情報が古いものから削除される。このようなバッファの動作を、本明細書ではバッファの更新とも記す。
なお、このようなバッファの更新の従来技術としては、2つのバッファを設け、一方のバッファに記憶されている情報を、古い情報から他方のバッファに移動させるものが、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−51894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バッファの容量に比較的厳しい制限が課せられるシンクライアント携帯端末では、ユーザがサービス情報のログを参照中に、新規なサービス情報が受信されたことによってサービス情報の更新が起きると、ユーザが参照中のサービス情報がシンクライアント携帯端末から削除される場合がある。
このような動作を、図16に示して説明する。図16には、シンクライアントサーバ161、シンクライアント端末162が示されている。シンクライアントサーバ161から新規のデータd1が送信され、シンクライアント端末162に受信される。この際、シンクライアント端末においてデータd2が、ユーザによって参照中のデータd1に上書きされて消失する。
【0007】
このような事態は、例えば、ユーザがサービスログの参照中、新規なサービス情報が多量に受信された場合に起こり得る。ユーザが参照中のサービス情報がシンクライアント携帯端末から削除されたとしても、同様のデータはシンクライアントサーバに存在する。このため、ユーザは、削除されたサービス情報をシンクライアントサーバに要求して取得することが可能である。
ただし、サービス情報をシンクライアントサーバに要求することは、シンクライアント携帯端末とシンクライアントサーバとの間に新たな通信を発生させる。このため、通信にかかる時間が必要となって円滑なサービスの提供が妨げられるという問題が発生する。さらに、シンクライアント携帯端末が通信圏外である場合等には、サービス情報をシンクライアントサーバに要求することができなくなる。
【0008】
さらに、携帯端末とシンクライアントサーバとの間に通信が発生することを回避するためには、ユーザがサービス情報を参照中には新規なサービス情報の受信を抑制することが考えられる。しかし、このような方法にあっては、サービス情報の参照後、シンクライアント携帯端末からシンクライアントサーバに受信できなかった新規なサービス情報を要求することになるため、上記の課題を充分解消することはできなかった。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであって、サービス情報の参照中に新規のサービス情報を受信しても、参照中のサービス情報が削除されることがなく、しかも新規のサービス情報を再度取得する必要がないシンクライアントシステム、シンクライアント端末装置、バッファリング制御プログラム、バッファリング制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、本発明のシンクライアントシステムは、サーバ装置(例えば図2に示したシンクライアントサーバ3)と、当該サーバ装置から送信されたデータを受信し、受信された前記データを表示するシンクライアント端末装置(例えば図2に示したシンクライアント携帯端末4)と、を含むシンクライアントシステムであって、前記サーバ装置は、前記クライアント端末装置に送信される複数のデータと、当該複数のデータの連続性を示す情報を含むサービス情報ログとが記憶される記憶手段(例えば図3に示したサービス情報ログ記録部)を備え、前記クライアント装置は、受信されたデータをユーザに参照させるため、受信された前記データを表示するデータ表示手段(例えば図3に示したサービス情報ログ表示部204)と、受信された前記データのうち、前記データ表示手段に表示するための参照データが記憶される参照用バッファ(例えば図3に示した参照用バッファ207)と、前記データ表示手段に表示されない新規データが記憶される新規用バッファ(例えば図3に示した新規用バッファ206)と、を含むバッファと、前記参照データ表示手段によって表示されている前記データがあるか否か、前記複数のデータの連続性、及び前記参照用バッファ、前記新規用バッファにおける記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信された前記データを前記参照用バッファ、または前記新規用バッファに記憶するバッファ制御手段(例えば図3に示したバッファ制御部205)と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のシンクライアント端末装置は、サーバ装置(例えば図2に示したシンクライアントサーバ3)から送信されたデータを受信し、受信された前記データを表示するクライアント端末装置であって(例えば図2に示したシンクライアント携帯端末4)、受信されたデータをユーザに参照させるため、受信された前記データを表示するデータ表示手段(例えば図3に示したサービス情報ログ表示部204)と、受信された前記データのうち、前記データ表示手段に表示するための参照データが記憶される参照用バッファ(例えば図3に示した参照用バッファ207)と、前記データ表示手段に表示されない新規データが記憶される新規用バッファ(例えば図3に示した新規用バッファ206)と、を含むバッファと、前記前記参照データ表示手段によって表示されている前記データがあるか否か、前記複数のデータの連続性、及び前記参照用バッファ、前記新規用バッファにおける記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信された前記データを前記参照用バッファ、または前記新規用バッファに記憶するバッファ制御手段(例えば図3に示したバッファ制御部205)と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のシンクライアント端末装置は、上記した発明において、前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記参照用バッファに前記データを記憶できる空き領域がある場合、前記バッファ制御手段は、前記サービス情報ログにより前記参照用バッファに記憶されている前記データと連続すると判断される前記データが受信された場合、当該データを、前記参照用バッファに記憶させることが望ましい。
【0012】
また、本発明のシンクライアント端末装置は、上記した発明において、前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記参照用バッファに前記データを記憶できる空き領域がない場合、前記バッファ制御手段は、前記サービス情報ログにより前記参照用バッファに記憶されている前記データと連続すると判断される前記データが受信された場合、当該データを、前記新規用バッファに記憶させることが望ましい。
【0013】
また、本発明のシンクライアント端末装置は、上記した発明において、前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記参照用バッファに前記データを記憶できる空き容量がある場合、前記バッファ制御手段は、前記サービス情報ログにより前記参照用バッファに記憶されている前記データと連続しないと判断される前記データが受信された場合、当該データを、前記新規用バッファに記憶させることが望ましい。
【0014】
また、本発明のシンクライアント端末装置は、上記した発明において、前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記サービス情報ログにより前記新規用バッファに記憶されているデータと前記参照用バッファに記憶されているデータとの間に連続性がないと判断される場合、前記バッファ制御手段は、前記データ表示手段における前記データの表示終了後、前記参照用バッファに記憶されているデータを廃棄すると共に、前記新規用バッファに記憶されているデータを前記参照用バッファに移動させることが望ましい。
【0015】
また、本発明のシンクライアント端末装置は、上記した発明において、前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記新規用バッファに記憶されている前記データの参照が要求された場合、前記バッファ制御手段は、前記参照用バッファに記憶されている前記データのうち、参照が要求された前記データとの間でより連続性が低い前記データが記憶されている記憶領域に、参照が要求された前記データを移動させることが望ましい。
【0016】
また、本発明のシンクライアント端末装置は、上記した発明において、前記サーバ装置から、参照が要求されたデータを取得するデータ取得手段をさらに備え、前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記新規用バッファに記憶されていない前記データの参照が要求された場合、前記データ取得手段は、前記サーバ装置から参照が要求されたデータを取得し、前記バッファ制御手段は、前記データ取得手段によって取得されたデータを、前記参照用バッファに記憶させることが望ましい。
【0017】
また、本発明のシンクライアント端末装置は、上記した発明において、前記サービス情報ログにより前記参照用バッファに記憶されているデータと連続すると判断されるデータの参照が要求され、かつ、前記サービス情報ログにより前記新規用バッファに記憶されているデータと前記参照用バッファに記憶されているデータとの間に連続性がないと判断される場合、前記データ取得手段は、前記サーバ装置から参照が要求されたデータと共に、当該データと連続するデータを取得することが望ましい。
【0018】
また、本発明のバッファリング制御プログラムは、サーバ装置から受信されたデータをユーザに参照させるために表示するデータ表示手段と、受信された前記データのうち、前記データ表示手段に表示するための参照データが記憶される参照用バッファと、前記データ表示手段に表示されない新規データが記憶される新規用バッファと、を含むバッファと、を備えるシンクライアント端末装置において実行されるデータのバッファリング制御プログラムであって、コンピュータに、前記データ表示手段によって前記データが表示中であるか否かを判定する判定機能(例えば図3に示した参照判定部205a)と、前記複数のデータの連続性を判定する連続性判定機能(例えば図3に示した連続性判定部205b)と、前記参照データ表示手段によって表示されている前記データがあるか否か、前記複数のデータの連続性、及び前記参照用バッファ、前記新規用バッファにおける記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信された前記データを前記参照用バッファ、または前記新規用バッファに記憶させる記憶機能(例えば図3に示した記憶部205c)と、を実現させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明のバッファリング制御方法は、サーバ装置から受信されたデータをユーザに参照させるために表示するデータ表示手段と、受信された前記データのうち、前記データ表示手段に表示するための参照データが記憶される参照用バッファと、前記データ表示手段に表示されない新規データが記憶される新規用バッファと、を含むバッファと、を備えるシンクライアント端末装置において実行されるデータのバッファリング制御方法であって、前記データ表示手段によって前記データが表示中であるか否かを判定する判定ステップ(例えば図13に示したステップS132)と、前記複数のデータの連続性を判定する連続性判定ステップ(例えば図13に示したステップS133)と、前記参照データ表示手段によって表示されている前記データがあるか否か、前記複数のデータの連続性、及び前記参照用バッファ、前記新規用バッファにおける記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信された前記データを前記参照用バッファ、または前記新規用バッファに記憶する記憶ステップ(例えば図13に示したステップS134〜141)と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、参照データ表示手段によってデータが表示中であるか否か、または複数のデータの連続性に基づいて、新規用バッファ、参照用バッファのいずれかにデータを記憶させていることから、データ情報の参照中に新規のデータを受信しても、参照中のデータが削除されることがなく、しかも新規のデータを再度取得する必要がないシンクライアントシステムを提供することができる。
また、本発明によれば、データ情報の参照中に新規のデータを受信しても、参照中のデータが削除されることがなく、しかも新規のデータを再度取得する必要がないシンクライアント端末装置を提供することができる。
【0021】
また、本発明によれば、上記したシンクライアント端末装置において、新規のデータが記憶されることによって表示中のデータが消失することを防ぎながら、連続して参照される可能性の高い新規のデータを、直ちに参照可能な状態にすることができる。
また、本発明によれば、上記したシンクライアント端末装置において、新規のデータが記憶されることによって表示中のデータが消失することを防ぐことができる。
また、本発明によれば、上記したシンクライアント端末装置において、参照中のデータに続いて参照される可能性の低いデータが参照用バッファに記憶されることを回避し、続いて参照される可能性の高いデータを優先的に表示可能な状態にすることができる。
【0022】
また、本発明によれば、上記したシンクライアント端末装置において、新たに連続して参照される可能性の高いデータを参照用バッファに記憶させ、直ちに表示可能な状態にすることができる。
また、本発明によれば、上記したシンクライアント端末装置において、参照が要求されたデータに続いて参照される可能性がより高いデータを優先して削除し、シンクライアント端末装置においてシンクライアントサーバとの通信が発生する回数を抑えることができる。
【0023】
また、本発明によれば、上記したシンクライアント端末装置において、参照が要求されたデータを参照用バッファに記憶させることにより、現在参照中のデータに続いて参照される可能性の高いデータを直ちに参照可能な状態にすることができる。
また、本発明によれば、上記したシンクライアント端末装置において、参照が要求されたデータと共に、このデータに続いて参照される可能性の高いデータを取得することができる。
【0024】
また、本発明によれば、データ情報の参照中に新規のデータを受信しても、参照中のデータが削除されることがなく、しかも新規のデータを再度取得する必要がないバッファリング制御プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、データ情報の参照中に新規のデータを受信しても、参照中のデータが削除されることがなく、しかも新規のデータを再度取得する必要がないバッファリング制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態のバッファリング制御方法の基本的な考え方を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態のシンクライアントシステムの概要を説明するための図である。
【図3】図2に示したシンクライアントサーバ、シンクライアント携帯端末の機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における、参照用バッファに記憶されているサービス情報の参照中でない状態で、新規サービス情報が受信された場合のバッファリング制御方法を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態における、参照用バッファに記憶されているサービス情報が参照中である場合の、バッファリング制御方法を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態における、参照用バッファに記憶されているサービス情報が参照中である場合の、バッファリング制御方法を説明するための他の図である。
【図7】本発明の一実施形態における、参照用バッファに記憶されているサービス情報が参照中である場合の、バッファリング制御方法を説明するための他の図である。
【図8】本発明の一実施形態における、参照用バッファに記憶されているサービス情報が参照中である場合の、バッファリング制御方法を説明するための他の図である。
【図9】本発明の一実施形態における、参照用バッファに記憶されているサービス情報が参照中である場合の、バッファリング制御方法を説明するための他の図である。
【図10】本発明の一実施形態における、参照用バッファに記憶されているサービス情報が参照中である場合の、バッファリング制御方法を説明するための他の図である。
【図11】本発明の一実施形態における、参照用バッファに記憶されているサービス情報が参照中である場合の、バッファリング制御方法を説明するための他の図である。
【図12】本発明の一実施形態における、サービス情報の参照が終了した場合のバッファリング制御方法を説明するための図である。
【図13】本発明の一実施形態の、新規データが受信された場合の、バッファリング制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態の、参照用バッファに記憶されていないサービス情報の参照が要求された場合のバッファリング制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態の、サービス情報の参照が終了された際のバッファリング制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図16】本発明の従来技術の問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(1)本発明の実施形態の説明に先立って、本実施形態の基本的な考え方について説明する。
図1(a)、(b)、(c)は、本発明の一実施形態のバッファリング制御方法の基本的な考え方を説明するための図である。図1(a)は、本実施形態において新規用バッファ206と参照用バッファ207とを使い分けることを説明するための図である。
本実施形態では、図1(a)のように、新規用バッファ206と参照用バッファ207とがシンクライアント端末に設けられる。新規用バッファ206は、シンクライアント(Thin client)端末において実行されたサービスで発生したデータ(本実施形態では、サービス情報と記す)であって、発生順にシンクライアントサーバから送信されてくるもの(本実施形態では、以降、新規サービス情報と記す。なお、本実施形態では、シンクライアントサーバから送信されて、シンクライアント端末に受信されるまでのサービス情報について新規サービス情報の文言を用い、バッファに記憶された後には単にサービス情報と記す。)がバッファリング(一時的に記憶される(以降、単に「記憶される」とも記す))バッファである。
【0027】
なお、後に詳述するが、本実施形態では、シンクライアント端末の側から過去に発生したサービス情報の再送を要求する場合がある。このような場合、ユーザは再送を要求したサービス情報を参照すると考えられるから、過去に発生したサービス情報は参照用バッファ207に記憶される。
参照用バッファ207は、シンクライアント端末において表示されるデータが記憶されるバッファである。なお、参照用バッファ207に記憶されているデータは、その全てが同時に表示されるわけではなく、その一部だけが表示されている場合もある。サービス情報が表示されることを、本実施形態では、サービス情報が「参照される」とも記す。」。なお、以下の説明は、いずれもシンクライアント端末において参照中のサービス情報がある場合のバッファリング制御についてのものである。
【0028】
図1(a)に示した例では、参照用バッファ207にサービス情報11〜15が記憶されていて、新規用バッファ206にサービス情報16〜18が記憶されている。このとき、5つの新規サービス情報がシンクライアントサーバから送信されてくると、シンクライアント端末は、この新規サービス情報を受信し、新規用バッファ206に記憶させる。この結果、新規用バッファ206には5つの新規サービス情報が全て記憶され、先に記憶されていたサービス情報16〜18は削除される。
このような本実施形態によれば、参照中のサービス情報が新規サービス情報によって上書きされ、表示画面から消失することを防ぐことができる。
【0029】
図1(b)は、新規用バッファ206に記憶されているサービス情報と、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報との間に連続性がある場合のバッファリング制御について説明するための図である。新規用バッファ206に記憶されているサービス情報のうち、ユーザがサービス情報16、17の参照を要求すると、本実施形態では、新規用バッファ206に記憶されているサービス情報16、17を参照用バッファ207に移動させる。
このような本実施形態によれば、参照中のサービス情報がある場合にも新規サービス情報を受信しておき、シンクライアント端末が通信を行うことなくサービス情報をユーザに対して表示することができる。
図1(c)は、本実施形態と対比される参考例を示した図である。図1(c)によれば、新規用バッファ206をそのまま参照用バッファ207に利用すると、参照中のサービス情報が新規サービス情報によって上書き、廃棄される可能性が生じることが分かる。
【0030】
(2)システムの概要
以下、本実施形態のシンクライアント端末及び、このシンクライアント端末におけるサービス情報のバッファリング制御方法を説明する。なお、本実施形態でいうシンクライアント端末とは、あるプログラムの実行にあたって必要最小限の機能のみを有する通信端末機器をいう。なお、本実施形態でいう、必要最小限の機能とは、シンクライアント端末がサーバ装置と接続するために必要最小限のネットワーク機能、あるいはユーザがシンクライアント端末にデータを入出力するGUI(Graphical User Interface)機能等をいう。ただし、本実施形態のシンクライアント端末は、このような機能を有する構成に限定されるものでなく、他の機能をさらに備えるものであってもよいし、本実施形態で備える機能をサーバ装置に設けるものであってもよい。
このようなシンクライアント端末には、特定のアプリケーションで使用される機能を絞り込んだ、このアプリケーションに専用のものもある。
【0031】
図2は、本実施形態のシンクライアント端末であるシンクライアント携帯端末4を含むシンクライアントシステムを説明するための図である。ネットワーク網には、インターネットN1と、通信事業者によって提供される通信事業者網N2とがある。インターネットN1にはサービスを提供するためのサービスサーバ1、通信事業者網N2にはサービスサーバ2が接続されている。サービスサーバ1、2、シンクライアントサーバ3は、インターネットN1、通信事業者網N2を介してデータを送受信する。
【0032】
図2に示したシンクライアントシステムには、シンクライアントサーバ3が接続されている。シンクライアントサーバ3は、シンクライアント携帯端末4との間でサービス情報を送受信してアプリケーションを実行する。前記したように、シンクライアント携帯端末4がアプリケーションプログラム(以下、本実施形態では、単にアプリケーションと記す)を実行するのに必要な最小限の機能のみを備えることから、シンクライアントサーバ3は、一般的なサーバ装置よりも多くの処理を実行する。
【0033】
本実施形態のシンクライアントサーバ3は、専用アプリケーションA、汎用アプリケーションBを有し、専用アプリケーションA、汎用アプリケーションBのいずれからもサービスを提供することができる。一般的な携帯端末5は、サービスサーバ1、2によって提供される専用アプリケーションC、汎用アプリケーションDを実行する機能を有している。このような携帯端末5に対し、本実施形態では、シンクライアント携帯端末4が専用アプリケーションAから提供されるサービスを利用するものとする。
【0034】
(3)シンクライアントサーバ、シンクライアント携帯端末
図3は、図2に示したシンクライアントサーバ3、シンクライアント携帯端末4の機能ブロック図である。シンクライアントサーバ3は、一般的に移動機等のクライアント装置側で行われるサービス処理を実行する機能を有している。図3に示した例では、この機能をサービス用プログラム202として示す。
また、本実施形態のシンクライアントサーバ3によって実行されるサービスでは、このサービスに関するサービス情報が発生する。シンクライアントサーバ3は、サービス情報がログ情報として記録されるサービス情報ログ記録部201を備えている。サービス情報ログ記録部201には、シンクライアント携帯端末4に送信されたサービス情報と、送信の日時、サービス情報が所定の順番で連続する場合の、複数のサービス情報の順番等がサービス情報ログとして記録される。
【0035】
なお、複数のサービス情報が連続する例としては、例えば、IMサービスやチャットサービスで発生するメッセージログが考えられる。本実施形態では、連続するサービス情報の各々に「通し番号」を付すものとする。一端付された通し番号は、そのサービス情報に固有の番号である。
本実施形態では、サービス情報に付された通し番号によってサービス情報の連続性が判定される。なお、ここでいう「連続性」とは、サービス情報の意味内容に基づく連続性をいう。例えば、チャットサービスの場合、チャットにおいて送受信されたサービス情報を時系列に並べ、より早期に送受信されたサービス情報から順に小さい数字のが通し番号が付与される。また、例えば、サービス情報が電子書籍のテキストデータ、あるいは画像データである場合、サービス情報によって表される電子書籍の頁数が小さいものから順に小さい数字の通し番号が付与される。
【0036】
また、一のサービス情報と、他のサービス情報との連続性は、通し番号が近いものほど高いと判定され、通し番号が相違する(遠い)ほど低いと判定される。そして、サービス情報に通し番号を付してサービス情報ログ記録部201に記録することにより、本実施形態は、サービス情報の連続性を管理できる。本実施形態において、サービス情報ログとは、通し番号が付されたサービス情報、あるいは通し番号にしたがう順番で保存、あるいは表示されているサービス情報をいう。
一方、シンクライアント携帯端末4は、ユーザが入力操作を行い、操作の結果を表示するためのGUI機能209、操作の結果をシンクライアントサーバ3に送信するためのネットワーク機能208を備えている。ただし、このような本実施形態のシンクライアント携帯端末4は、最低限の機能のみを備える例の一つに過ぎず、図示の構成に限定されるものではない。
【0037】
また、シンクライアント携帯端末4は、圏外時等、シンクライアントサーバ3と通信できない場合を考慮して、シンクライアントサーバ3の持つサービス情報を記憶しておく必要がある。ただし、すでに述べたように、シンクライアント携帯端末4にシンクライアントサーバ3が持つ全てのサービス情報を記憶させておくことはシンクライアント携帯端末4のバッファの容量の制限からできない。このため、バッファ上にないサービス情報をユーザが取得したい場合、シンクライアントサーバ3にアクセスしてデータを取得する必要がある。このため、シンクライアント携帯端末4には、サービス情報ログ取得部203が備えられている。
【0038】
また、シンクライアント携帯端末4は、サービス情報ログ表示部204、バッファ制御部205、新規用バッファ206、参照用バッファ207を備えている。サービス情報ログ取得部203は、チャットサービス等においてユーザが過去のサービス情報の参照を要求した場合、参照が要求されたサービス情報を図示しないディスプレイ等に表示する機能である。ユーザは、サービス情報を、サービス情報ログ表示部204に表示させて参照する。このため、本実施形態でいうサービス情報の参照中とは、サービス情報ログ表示部204にサービス情報が表示されている状態をいうものとする。
新規用バッファ206は、新たに受信されたサービス情報を記憶するバッファである。参照用バッファ207は、サービス情報をサービス情報ログ表示部204に表示するめに記憶するバッファである。サービス情報は、参照用バッファ207に記憶されることによって表示可能な状態になる。
【0039】
バッファ制御部205は、参照用バッファ207、新規用バッファ206におけるサービス情報の記憶の状態を制御する構成である。バッファ制御部205は、図示したように、参照判定部205a、連続性判定部205b、記憶部205cを含んでいる。参照判定部205a、連続性判定部205b、記憶部205cは、いずれも各々所定の処理を実行するコンピュータプログラムのユニットである。参照判定部205aは、サービス情報ログ表示部204によってサービス情報が表示中であるか否かを判定する機能を持っている。また、連続性判定部205bは、複数のサービス情報の連続性を判定する機能を持つ。さらに、記憶部205cは、サービス情報ログ表示部204によって表示されているサービス情報があるか否か、複数のサービス情報の連続性、及び参照用バッファ207、新規用バッファ206における記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信されたサービス情報を参照用バッファ207または新規用バッファ206に記憶させる機能を持っている。
【0040】
このようなバッファ制御部205による制御は、記憶されているサービス情報が参照中であるか否かに基づいて行われる。バッファ制御部205では、参照判定部205aがサービス情報ログ表示部204の状態を検知し、サービス情報の参照中であるか否かを判定することができる。
このような構成を有する本実施形態のシンクライアント携帯端末4は、シンクライアントサーバ3から送信されて来たサービス情報を受信し、受信されたサービス情報を、バッファ制御部205における記憶部205cによって新規用バッファ206、または参照用バッファ207に記憶する。なお、記憶部205cは、参照用バッファ207、新規用バッファ206から、その記憶領域の状態を取得することが可能である。
【0041】
また、本実施形態では、シンクライアントサーバ3が、前記した通し番号が付された状態のサービス情報をシンクライアント携帯端末4に送信する。バッファ制御部205の連続性判定部205bは、新規用バッファ206、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報に付された通し番号から、サービス情報の連続性を判断する。なお、本実施形態でいう連続性とは、通し番号が連続しているか否か(連続性の有無)、通し番号同士の差分(後に、通し番号が遠い、あるいは近いとも記す)を含むものとする。
さらに、本実施形態では、参照を要求するサービス情報を指定するため、ユーザがGUI機能209を使ってシンクライアント携帯端末4を操作する。バッファ制御部205は、GUI機能209を介して入力された操作の内容に基づいて、参照用バッファ207に記憶すべきサービス情報を判断する。
【0042】
(4)バッファリング制御方法
図4〜図12は、図2、3に示したシンクライアント携帯端末4におけるサービス情報のバッファリング制御について具体的に説明するための図である。図4〜図12のいずれにおいても、シンクライアント携帯端末4が備えるバッファ全体の記憶領域を5×2のマトリックスで示し、マトリックスの上段が新規用バッファ206、下段が参照用バッファ207を示すものとする。また、マトリックスの各欄には記憶されているサービス情報の通し番号を示した。通し番号は、番号が小さいほど先に記憶されたことを示す。なお、通し番号が付された複数のサービス情報の各々のデータ量は、全て等しいものとする。
また、図5〜図12のいずれにあっても、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報のうち、太線を使って表されるサービス情報は参照中のサービス情報を示している。
【0043】
(I)サービス情報の参照中でない場合
図4(a)、(b)は、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報の参照中でない状態で、新規サービス情報が受信された場合のバッファリング制御方法を説明するための図である。図4に示した例では、図2、3に示したシンクライアント携帯端末4が、シンクライアントサーバ3から送信されてきた新規サービス情報を参照用バッファ207にのみ記憶する。このとき、例えば、図4(a)のように、参照用バッファ207にこれ以上サービス情報を記憶できない状態、すなわち、参照用バッファ207に5個のサービス情報11〜15が記憶されている状態で、さらに新規サービス情報16が受信された場合、図2に示したバッファ制御部205は、図4(b)のように、通し番号が最も小さいサービス情報11を破棄し、サービス情報16を参照用バッファ207に記憶する。
【0044】
(II)サービス情報の参照中である場合
以下、サービス情報が参照中である場合のバッファリング制御方法について説明する。
(1)新規用バッファに記憶されるサービス情報と、参照用バッファに記憶されているサービス情報との間に連続性がある場合
次に、サービス情報の参照中、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報と新規用バッファ206に記憶されているサービス情報との間に連続性がある場合のバッファリング制御方法について説明する。なお、上述したように、連続性についての判定は、図3に示した連続性判定部205bによって行われる。
【0045】
本実施形態では、サービス情報の参照中に新規サービス情報が受信されると、参照用バッファ207のサービス情報が記憶されていない記憶領域(以降、本実施形態では空き領域とも記す)がある場合には、新規サービス情報が参照用バッファ207の空き領域に記憶される。
例えば、図5(a)のように、参照用バッファ207にサービス情報11〜13が記憶されている場合において、新規サービス情報14、15が受信されたものとする。図5(b)のように、参照用バッファ207に空き領域がある場合、バッファ制御部205は、新規サービス情報14、15を参照用バッファ207に記憶する。
【0046】
また、参照用バッファ207に空き領域がなく、新規用バッファ206に空き領域がある場合、サービス情報の参照中に新規サービス情報が受信されると、受信された新規サービス情報は新規用バッファ206に記憶される。例えば、図5(c)のように、参照用バッファ207にサービス情報11〜15が記憶され、新規用バッファ206にサービス情報16が記憶されている場合、図5(d)のように、新たに受信されたサービス情報17〜20は新規用バッファ206に記憶される。
【0047】
さらにサービス情報21が受信されると、図5(e)のように、新規用バッファ206に記憶されているサービス情報の中から最も古いサービス情報(図5(e)に示した例ではサービス情報16)が削除され、新規サービス情報21が新規用バッファ206に記憶される。なお、この例では、サービス情報の参照中であるため、サービス情報11、12は新規用バッファ206に移動されない。
【0048】
以上述べた実施形態によれば、サービス情報が参照中でなく、参照用バッファ207に空き領域がある場合、新規サービス情報を参照用バッファ207に記憶させ、直ちに表示可能な状態にすることができる。また、参照用バッファ207に空き領域がない場合であっても、新規用バッファ206にサービス情報を記憶させ、ユーザの要求に応じて参照用バッファに移動させることができる。
【0049】
(2)新規用バッファに記憶されるサービス情報と、参照用バッファに記憶されているサービス情報との間に連続性がない場合
次に、サービス情報の参照中、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報とシンクライアントサーバ3から送信されてきたサービス情報との間に連続性がない場合のバッファリング制御方法について説明する。このような場合、本実施形態では、参照用バッファ207に空き領域があったとしても、受信されたサービス情報を新規用バッファ206に記憶するものとする。
【0050】
例えば、図6(a)に示すように、参照用バッファ207にサービス情報11〜13が記憶されているものとする。このとき、図6(b)に示すように、サービス情報31、32が受信された場合、サービス情報31、32を、新規用バッファ206の空き領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報と、新たに送信されてきたサービス情報とに連続性が無い場合、参照用バッファ207上に無いサービス情報を参照する場合、連続したサービス情報の参照を実施する場合、シンクライアントサーバ3から連続したサービス情報を取得する。
【0051】
例えば、図6(b)に示した状態では、ユーザがサービス情報14の参照を要求した場合、サービス情報ログ取得部203は、図6(c)のように、シンクライアントサーバ3からサービス情報14を取得すると共に、サービス情報14と連続するサービス情報15を取得する。サービス情報14、15の参照が終了される際、新規用バッファ206にはサービス情報31、32が存在する。バッファ制御部205は、図6(d)のように、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報を全て破棄し、新規用バッファ206からサービス情報31、32を参照用バッファ207に移動させる。
【0052】
次に、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報と新規用バッファ206に記憶されているサービス情報との連続性が無く、新規用バッファ206、参照用バッファ207に空き領域がない場合のバッファリング制御方法について説明する。この説明では、図7(a)に示すように、参照用バッファ207にサービス情報11〜15が記憶され、サービス情報14、15が参照中であるものとする。また、新規用バッファ206には、サービス情報20〜24が記憶されているものとする。このとき、ユーザがサービス情報16〜18の参照を要求すると、図3に示したサービス情報ログ表示部204によってシンクライアントサーバ3からサービス情報16〜18が取得される。
【0053】
取得されたサービス情報16〜18は、バッファ制御部205によって参照用バッファ207に記憶される。このとき、図7(b)のように、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報のうち、ユーザが参照を要求したサービス情報16〜18と通し番号の相違が最も大きいサービス情報11を含み、サービス情報16〜18と同じデータ量を有するサービス情報11〜13が破棄される。
【0054】
このような本実施形態によれば、連続して参照される可能性が低いサービス情報が受信された場合、このサービス情報を参照用バッファ207に記憶させることを回避し、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報に続いて参照される可能性の高いサービス情報が保存される記憶領域を確保することができる。
(3)参照用バッファに記憶されているサービス情報と新規用バッファに記憶されているサービス情報との間に連続性がある場合
【0055】
次に、新規用バッファ206に記憶されているサービス情報の参照が要求された場合のバッファリング制御方法について説明する。
図8(a)のように、新規用バッファ206にサービス情報16〜18が記憶されていて、参照用バッファ307にサービス情報11〜15が記憶されている場合、バッファ制御部205は、サービス情報に連続性があると判定する。ユーザが新規用バッファ206にすでに記憶されているサービス情報16を参照しようとした場合、図3に示したGUI機能を用いてユーザがシンクライアント携帯端末を操作する。バッファ制御部205は、ユーザの操作によってサービス情報16の参照が要求されたことを検出する。
このとき、バッファ制御部205は、図8(b)に示すように、参照用バッファ207において、サービス情報16と最も連続性が低いサービス情報である、最も古いサービス情報11を破棄し、新規用バッファ206から参照用バッファ207にサービス情報16を移動させる。
【0056】
また、図9(a)のように、新規用バッファ206にサービス情報16〜20が記憶されていて、これ以上のサービス情報を記憶する余地がない場合にも、ユーザがサービス情報16を参照しようとした場合、図9(b)に示すように、参照用バッファ207において最も古いサービス情報11を破棄し、新規用バッファ206から参照用バッファ207にサービス情報16を移動させる。
このような本実施形態によれば、シンクライアント携帯端末が受信できなかったサービス情報の再送信を要求し、シンクライアントサーバ4が要求に応じてサービス情報を再送信することを防ぐことができる。このため、シンクライアント携帯端末4とシンクライアントサーバ3との間の通信の回数を抑えることができる。
【0057】
(III)新規用バッファ及び参照用バッファに記憶されていないサービス情報の参照が要求された場合
次に、ユーザが新規用バッファ及び参照用バッファ207に記憶されていないサービス情報の参照を要求した場合のバッファリング制御方法を説明する。このような場合、バッファ制御部205は、図3に示したネットワーク機能208によりシンクライアントサーバ3と通信する。そして、図3に示したサービス情報ログ取得部203によってサービス情報を取得し、参照用バッファ207に記憶させる。
【0058】
このとき、新規用バッファ206は新規サービス情報の参照に利用されるバッファであるため、サービスログ参照開始時に新規サービス情報が受信されていない限りサービス情報が記憶されていない。
ユーザによって参照が要求されたサービス情報を直ちに表示させるため、シンクライアント携帯端末4では、シンクライアントサーバ3から取得したサービス情報を参照用バッファ207に記憶させる。このため、図3に示したバッファ制御部205は、参照用バッファ207にすでに記憶されているサービス情報のうち最新のサービス情報を新規用バッファ206の空き領域に移動させる。
【0059】
例えば、図10(a)のように、参照用バッファ207にサービス情報11〜15が記憶されていて、これ以上のサービス情報を記憶できない状態にあるものとする。このような状態で、図10(b)に示すように、サービス情報11より前のサービス情報10、9、8が取得された場合、サービス情報10、9、8を記憶するため、バッファ制御部205は、すでに参照用バッファ207に記憶されているサービス情報のうち、通し番号が大きいサービス情報からサービス情報10、9、8のデータ量に一致するデータ量のサービス情報13、14、15を新規用バッファ206に移動させる。
なお、新規用バッファ206に空き領域がなく、シンクライアントサーバ3からサービス情報がさらに取得されると、参照用バッファ207のうち、ユーザが参照しようとしているサービス情報と、通し番号の相違が大きいサービス情報が順に破棄される。
【0060】
例えば、図10(c)のように、参照用バッファ207にサービス情報6〜10が記憶され、新規用バッファ206にサービス情報11〜15がすでに記憶されている場合、サービス情報ログ取得部203がサービス情報3〜5を取得したとする。このとき、新規用バッファ206には、サービス情報をさらに記憶できる空き領域がない。このため、バッファ制御部205は、図10(d)のように、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報6〜10から、サービス情報3〜5と通し番号が最も遠いサービス情報10を含み、サービス情報3〜5と同じデータ量を持つサービス情報8〜10を破棄する。このような制御は、新規用バッファ206に空き領域がある場合と異なる制御である。
このような本実施形態によれば、参照が要求されたサービス情報に続いて参照される可能性の低いサービス情報を優先して削除することができる。このため、シンクライアント携帯端末4とシンクライアントサーバ3との間の通信の回数を抑えることができる。
【0061】
(IV)参照用バッファに記憶されているサービス情報と参照用バッファに記憶されていないサービス情報との参照が要求された場合
(III)で説明したように、本実施形態では、新規用バッファ206及び参照用バッファ207に記憶されていないサービス情報の参照が要求された場合、図2、3に示したシンクライアント携帯端末4は、シンクライアントサーバ3に参照が要求されたサービス情報の送信を要求する。また、(II)の「(3)」で説明したように、新規用バッファ206に記憶されているサービス情報の参照が要求された場合、シンクライアント携帯端末4は、新規用バッファ206に記憶されているサービス情報を参照用バッファ207に移動させる。
【0062】
例えば、図11(a)のように、新規用バッファ206にサービス情報20〜24が記憶されていて、参照用バッファ207にサービス情報14〜18が記憶されている場合において、ユーザがサービス情報19〜21の参照を要求したとする。このとき、本実施形態では、図3に示したバッファ制御部205が、ネットワーク機能208を介してサービス情報19の送信をシンクライアントサーバに要求する。要求に応じて送信されたサービス情報19は、参照用バッファ207に記憶される。
【0063】
また、バッファ制御部205は、新規用バッファ206に記憶されているサービス情報20、21を、参照用バッファ207に移動させる。サービス情報19の記憶及びサービス情報20、21の移動により、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報のうち、ユーザが参照を要求したサービス情報19〜21と通し番号の相違が大きいサービス情報14を含む、サービス情報19〜21と同じデータ量を持つサービス情報14〜16が参照用バッファ207において廃棄される。
【0064】
(V)サービス情報の参照を終了する場合
次に、サービス情報の参照を終了する場合について説明する。
新規用バッファ206に最新のサービス情報が記憶されている状態でサービス情報の参照を終了する場合、本実施形態では、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報を全て廃棄する。そして、次回のサービス情報参照時には、新規用バッファ206に記憶されているサービス情報が、参照用バッファ207に移動される。
【0065】
また、本実施形態では、サービス情報の参照終了時に新規用バッファ206に記憶されているサービス情報がない場合に限り、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報を廃棄することなく、次回のサービス情報参照時にも参照用バッファ207に記憶しておく。
例えば、図12(a)のように、新規用バッファ206にサービス情報20〜24が記憶されていて、参照用バッファ207にサービス情報14〜18が記憶されている場合、サービス情報の参照が終了されたものとする。このとき、本実施形態では、図12(b)のように、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報14〜18が全て廃棄される。
【0066】
また、例えば、図12(c)のように、新規用バッファ206にサービス情報が記憶されていない状態でサービス情報の参照が終了されたものとする。このとき、本実施形態では、図12(d)のように、参照用バッファ207に記憶されているサービス情報14〜18を削除することなく、記憶された状態のままにする。削除されなかったサービス情報14〜18は、次回のサービス情報参照時にも引き続き参照用バッファ207に記憶されている。
以上説明した本実施形態では、新規用バッファ206及び参照用バッファ207を、その両方が共にサービス情報が記憶されていない状態になった場合等のタイミングで、その機能を入れ替えることが可能である。
【0067】
図13〜15は、以上説明したバッファリング制御方法を説明するためのフローチャートである。このうち、図13は、新規データが受信された場合の、バッファリング制御方法を説明するためのフローチャートである。
図13に示したように、本実施形態では、シンクライアント携帯端末に新規サービス情報が受信される(ステップS131)。このとき、バッファ制御部は、参照用バッファに記憶されているサービス情報の参照中であるか否か判断する(ステップS132)。ステップS132において、サービス情報が参照中でないと判断された場合(ステップS132:No)、参照用バッファ(図13〜図15においては「参」と記す)に空き領域(図13〜図15においては「空き」と記す)があるか否か判断される(ステップS139)。参照用バッファに空き領域があれば(ステップS139:Yes)、この空き領域に新規サービス情報が記憶される(ステップS141)。また、参照用バッファに空き領域がない場合(ステップS139:No)、参照用バッファに記憶されているサービス情報のうち、最も古いサービス情報(通し番号が最も小さいサービス情報)が廃棄され(ステップS140)、廃棄されたサービス情報が記憶されていた記憶領域に新規サービス情報が記憶される(ステップS141)。
【0068】
一方、ステップS132において、サービス情報の参照中であると判断された場合(ステップS132:Yes)、新規サービス情報と参照用バッファに保存されているサービス情報との間に連続性があるか否か判断される(ステップS133)。なお、本実施形態でいう「サービス情報の間に連続性がある」とは、一のサービス情報の通し番号と、他のサービス情報の通し番号が連続している状態をいう。また、「サービス情報の間に連続性がない」とは、一のサービス情報の通し番号と、他のサービス情報の通し番号が連続していない状態をいう。
【0069】
ステップS133において、連続性がないと判断された場合(ステップS133:No)、新規用バッファに空き領域があるか否かが判断される(ステップS136)。新規用バッファに空き領域がない場合(ステップS136:No)、新規用バッファに記憶されているサービス情報のうち、一番古いサービス情報が廃棄され(ステップS137)、廃棄されたサービス情報が記憶されていた記憶領域に新規サービス情報が記憶される(ステップS138)。
また、新規用バッファに空き領域がある場合(ステップS136:Yes)、新規サービス情報は、新規用バッファ(図13中に「新」と記す)の空き領域に記憶される(ステップS138)。
【0070】
また、ステップS133において、サービス情報に連続性があると判断された場合(ステップS133:Yes)、参照用バッファに空き領域があるか否かが判断される(ステップS134)。参照用バッファに空き領域がなければ、新規用バッファに空き領域があるか否かが判断される(ステップS136)。
ステップS134において、参照用バッファに空き領域があると判断された場合(ステップS134:Yes)、新規サービス情報は、参照用バッファの空き領域に記憶される(ステップS135)。
【0071】
図14は、参照用バッファに記憶されていないサービス情報の参照が要求された場合のバッファリング制御方法を説明するためのフローチャートである。
図14に示したように、本実施形態では、参照用バッファに記憶されていないサービス情報の参照が要求された場合(ステップS142)、先ず、要求されたサービス情報が、参照用バッファに記憶されているサービス情報のうち、最も新しいサービス情報(図14中に、最新サービス情報と記す)より古いサービス情報であるか、新しいサービス情報であるかが判断される。
【0072】
最新サービス情報よりも古いサービス情報の参照が要求された場合(ステップS143)、バッファ制御部により、参照用バッファに空き領域があるか否かが判断される(ステップS144)。参照用バッファに空き領域がない場合(ステップS144:No)、参照用バッファに記憶されているサービス情報のうち、最も古い(通し番号が小さい)サービス情報が廃棄され、参照が要求されたサービス情報がシンクライアントサーバから取得される(ステップS147)。
【0073】
また、ステップS144において、参照用バッファに空き領域があると判定された場合(ステップS144:Yes)、参照が要求されたサービス情報(図14中に「新」と記す)と参照用バッファに記憶されているサービス情報との間に連続性があるか否か判断される(ステップS145)。連続性がないと判断された場合には(ステップS145:No)、ステップS147においてサービス情報が廃棄され、参照が要求されたサービス情報がシンクライアントサーバから取得される。
【0074】
一方、新規用バッファに記憶されているサービス情報と参照用バッファに記憶されているサービス情報との間に連続性があると判断された場合(ステップS145:Yes)、参照用バッファに記憶されているサービス情報のうち、より新しいサービス情報を新規用バッファに移動され、参照が要求されたサービス情報がシンクライアントサーバから取得される(ステップS146)。
【0075】
また、参照用バッファに記憶されている最新サービス情報よりも新しいサービス情報の参照が要求された場合(ステップS148)、バッファ制御部は、参照用バッファに空き領域があるか否か判断する(ステップS149)。参照用バッファに空き領域がない場合(ステップS149:No)、新規用バッファに何らかのサービス情報が記憶されているか否かが判断される(ステップS154)。新規用バッファに記憶されているサービス情報がない場合(ステップS154:No)、参照用バッファに記憶されているサービス情報のうち、最も古いサービス情報が新規用バッファに移動され、参照が要求されたサービス情報がシンクライアントサーバから取得される(ステップS157)。
【0076】
また。ステップS154において、新規用バッファに記憶されているサービス情報があると判断された場合(ステップS154:Yes)、参照用バッファに記憶されているサービス情報と、新規用バッファに記憶されているサービス情報との間に連続性があるか否かが判断される(ステップS155)。この結果、連続性があると判断された場合(ステップS155:Yes)、参照用バッファに記憶されているサービス情報のうち、最も古いサービス情報が廃棄され、参照が要求されたサービス情報がシンクライアントサーバから取得される(ステップS156)。
【0077】
また、ステップS149において、参照用バッファに空き領域があると判断された場合(ステップS149:Yes)、新規用バッファに何らかのサービス情報が記憶されているか否かが判断される(ステップS150)。新規用バッファに記憶されているサービス情報がない場合(ステップS150:No)、参照が要求されたサービス情報がシンクライアントサーバから取得される(ステップS153)。
【0078】
また、ステップS150において、新規用バッファに記憶されているサービス情報があると判断された場合(ステップS150:Yes)、続いて参照用バッファに記憶されているサービス情報と新規用バッファに記憶されているサービス情報との間に連続性があるか否かが判断される(ステップS151)。ステップS151において、連続性がないと判断された場合(ステップS151:No)、ステップS153において、参照が要求されたサービス情報がシンクライアントサーバから取得される。
さらに、ステップ151において、参照用バッファに記憶されているサービス情報と新規用バッファに記憶されているサービス情報との間に連続性があると判断された場合(ステップS151:Yes)、参照が要求されたサービス情報が、新規用バッファから参照用バッファに移動される(ステップS152)。
【0079】
図15は、サービス情報の参照が終了された際のバッファリング制御方法を説明するためのフローチャートである。図15に示したように、本実施形態では、サービス情報の参照が終了されると(ステップS161)、新規用バッファに記憶されているサービス情報がないか否かが判断される(ステップS162)。判断の結果、新規用バッファ(図15中に「新」と記す)にサービス情報が記憶されていない場合(ステップS164:No)、参照用バッファに記憶されているサービス情報が全て廃棄され、サービス情報が廃棄された側のバッファを新規用バッファに、それまで新規用バッファとして機能していたバッファを参照用バッファとし(ステップS164)、処理が終了される。
また、ステップS162において、新規用バッファにサービス情報が記憶されていないと判断された場合(ステップS162:Yes)、そのまま処理が終了される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上説明した本発明は、シンクライアント端末装置を含むシンクライアントシステムに適用でき、特に、バッファの容量が厳しく制限される携帯用のシンクライアント端末に適用した場合に高い効果を奏する。
【符号の説明】
【0081】
3 シンクライアントサーバ
4 シンクライアント携帯端末
201 サービス情報ログ記録部
202 サービス用プログラム
203 サービス情報ログ取得部
204 サービス情報ログ表示部
205 バッファ制御部
206 新規用バッファ
207 参照用バッファ
208 ネットワーク機能
209 GUI機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、当該サーバ装置から送信されたデータを受信し、受信された前記データを表示するシンクライアント端末装置と、を含むシンクライアントシステムであって、
前記サーバ装置は、前記シンクライアント端末装置に送信される複数のデータと、当該複数のデータの連続性を示す情報を含むサービス情報ログとが記憶される記憶手段を備え、
前記シンクライアント端末装置は、
受信されたデータをユーザに参照させるため、受信された前記データを表示するデータ表示手段と、
受信された前記データのうち、前記データ表示手段に表示するための参照データが記憶される参照用バッファと、前記データ表示手段に表示されない新規データが記憶される新規用バッファと、を含むバッファと、
前記参照データ表示手段によって表示されている前記データがあるか否か、前記複数のデータの連続性、及び前記参照用バッファ、前記新規用バッファにおける記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信された前記データを前記参照用バッファ、または前記新規用バッファに記憶するバッファ制御手段と、
を有することを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項2】
サーバ装置から送信されたデータを受信し、受信された前記データを表示するシンクライアント端末装置であって、
受信されたデータをユーザに参照させるため、受信された前記データを表示するデータ表示手段と、
受信された前記データのうち、前記データ表示手段に表示するための参照データが記憶される参照用バッファと、前記データ表示手段に表示されない新規データが記憶される新規用バッファと、を含むバッファと、
前記参照データ表示手段によって表示されている前記データがあるか否か、前記複数のデータの連続性、及び前記参照用バッファ、前記新規用バッファにおける記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信された前記データを前記参照用バッファ、または前記新規用バッファに記憶するバッファ制御手段と、
を有することを特徴とするシンクライアント端末装置。
【請求項3】
前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記参照用バッファに前記データを記憶できる空き領域がある場合、
前記バッファ制御手段は、
前記サービス情報ログにより前記参照用バッファに記憶されている前記データと連続すると判断される前記データが受信された場合、当該データを、前記参照用バッファに記憶させることを特徴とする請求項2に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項4】
前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記参照用バッファに前記データを記憶できる空き領域がない場合、
前記バッファ制御手段は、
前記サービス情報ログにより前記参照用バッファに記憶されている前記データと連続すると判断される前記データが受信された場合、当該データを、前記新規用バッファに記憶させることを特徴とする請求項2に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項5】
前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記参照用バッファに前記データを記憶できる空き容量がある場合、
前記バッファ制御手段は、
前記サービス情報ログにより前記参照用バッファに記憶されている前記データと連続しないと判断される前記データが受信された場合、当該データを、前記新規用バッファに記憶させることを特徴とする請求項2に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項6】
前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記サービス情報ログにより前記新規用バッファに記憶されているデータと前記参照用バッファに記憶されているデータとの間に連続性がないと判断される場合、
前記バッファ制御手段は、
前記データ表示手段における前記データの表示終了後、前記参照用バッファに記憶されているデータを廃棄すると共に、前記新規用バッファに記憶されているデータを前記参照用バッファに移動させることを特徴とする請求項2に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項7】
前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記新規用バッファに記憶されている前記データの参照が要求された場合、
前記バッファ制御手段は、
前記参照用バッファに記憶されている前記データのうち、参照が要求された前記データとの間でより連続性が低い前記データが記憶されている記憶領域に、参照が要求された前記データを移動させることを特徴とする請求項2に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項8】
前記サーバ装置から、参照が要求されたデータを取得するデータ取得手段をさらに備え、
前記データ表示手段に表示されているデータがあって、前記新規用バッファに記憶されていない前記データの参照が要求された場合、
前記データ取得手段は、前記サーバ装置から参照が要求されたデータを取得し、
前記バッファ制御手段は、前記データ取得手段によって取得されたデータを、前記参照用バッファに記憶させることを特徴とする請求項2に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項9】
前記サービス情報ログにより前記参照用バッファに記憶されているデータと連続すると判断されるデータの参照が要求され、かつ、前記サービス情報ログにより前記新規用バッファに記憶されているデータと前記参照用バッファに記憶されているデータとの間に連続性がないと判断される場合、
前記データ取得手段は、前記サーバ装置から参照が要求されたデータと共に、当該データと連続するデータを取得することを特徴とする請求項8に記載のシンクライアント端末装置。
【請求項10】
サーバ装置から受信されたデータをユーザに参照させるために表示するデータ表示手段と、受信された前記データのうち、前記データ表示手段に表示するための参照データが記憶される参照用バッファと、前記データ表示手段に表示されない新規データが記憶される新規用バッファと、を含むバッファと、を備えるシンクライアント端末装置において実行されるデータのバッファリング制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記データ表示手段によって前記データが表示中であるか否かを判定する判定機能と、
前記複数のデータの連続性を判定する連続性判定機能と、
前記参照データ表示手段によって表示されている前記データがあるか否か、前記複数のデータの連続性、及び前記参照用バッファ、前記新規用バッファにおける記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信された前記データを前記参照用バッファ、または前記新規用バッファに記憶させる記憶機能と、
を実現させることを特徴とするバッファリング制御プログラム。
【請求項11】
サーバ装置から受信されたデータをユーザに参照させるために表示するデータ表示手段と、受信された前記データのうち、前記データ表示手段に表示するための参照データが記憶される参照用バッファと、前記データ表示手段に表示されない新規データが記憶される新規用バッファと、を含むバッファと、を備えるシンクライアント端末装置において実行されるデータのバッファリング制御方法であって、
前記データ表示手段によって前記データが表示中であるか否かを判定する判定ステップと、
前記複数のデータの連続性を判定する連続性判定ステップと、
前記参照データ表示手段によって表示されている前記データがあるか否か、前記複数のデータの連続性、及び前記参照用バッファ、前記新規用バッファにおける記憶領域の状態の少なくとも1つに基づいて、受信された前記データを前記参照用バッファ、または前記新規用バッファに記憶させる記憶ステップと、
を含むことを特徴とするバッファリング制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−243159(P2011−243159A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117303(P2010−117303)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】