説明

シンクライアントシステム、セッション管理装置、セッション管理方法およびプログラム

【課題】新たなコンピュータを用意せず、仮想PCに対する接続要求にかかる負荷を軽減して性能の低下を防止することを可能とするシンクライアントシステム等を提供する。
【解決手段】マネージャサーバ10が、シンクライアント端末からの接続要求を受信する接続待受部と、接続要求に反応してシンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定してそのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理部104と、接続要求に反応して主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する負荷判定部103と、取得した負荷率が上限値を上回る場合に、仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる代理マネージャ作成部105とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシンクライアントシステム、セッション管理装置、セッション管理方法およびプログラムに関し、特に複数の仮想コンピュータのセッションを管理する際にかかる負荷を軽減することを可能とするシンクライアントシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
企業や公的機関などの組織内部におけるコンピュータネットワークの安全な運用のための技術として、シンクライアントシステムと呼ばれる技術がある。これは、データの入出力だけが可能で保存ができないシンクライアント(Thin Client)と呼ばれる端末からサーバにリモートアクセスし、アプリケーションソフトによるデータの処理およびデータファイルの保存を全てサーバの側で行うというものである。
【0003】
シンクライアントによる組織内ネットワークについては、サーバベース方式、ブレードPC方式、仮想PC方式などのような複数の方式が存在する。その中でも仮想PC(Personal Computer)は、サーバ内に各構成員の操作するPCを仮想的に生成して、各構成員はシンクライアント端末から各自の仮想PCにリモートアクセスして操作するという方式である。各構成員にとっては、組織内のどこからでも同一の操作環境を得ることができるというメリットがある。組織にとっては、データの一切をサーバ内で一元管理して情報漏洩のリスクを大きく減らすことができるというメリットがある。
【0004】
図14は、一般的なシンクライアントシステム901の構成について示す説明図である。シンクライアントシステム901は、ユーザが操作する多数のシンクライアント端末920a、920b、920c、…と、いずれもコンピュータ装置であるマネージャサーバ910および仮想PCサーバ920が、ネットワーク940を介して相互に接続されて構成される。
【0005】
仮想PCサーバ920は、内部に多数の仮想PC950a、950b、950c、…を生成して動作させることができる仮想PC管理基盤921を備える。シンクライアント端末920a、920b、920c、…は、ネットワーク940を介して仮想PCサーバ920に接続して、これらの仮想PC950a、950b、950c、…を操作することができる。
【0006】
シンクライアント端末920a、920b、920c、…は、ユーザが操作入力を行う入力手段と、操作入力の結果をユーザに提示する出力手段と、ネットワーク940に接続してデータの送受信を行う通信手段だけを持つコンピュータ端末であり、操作入力に対応する処理とデータの記憶は、仮想PCサーバ920内の仮想PC950a、950b、950c、…で行われる。
【0007】
マネージャサーバ910は、シンクライアント端末920a、920b、920c、…からの接続要求を受け付けて、いずれのシンクライアント端末がいずれの仮想PC950a、950b、950c、…に接続するかを決定して、接続要求元のシンクライアント端末に決定した先の仮想PCのIPアドレスを返却し、これによって両者を接続させる。以後、本明細書では、この動作をセッション管理という。
【0008】
このような仮想PC方式のシンクライアントシステムなどに関連して、次の技術文献が存在する。その中でも特許文献1には、NASヘッドシステム等で処理要求が集中する負荷分散装置について、同一の装置を(仮想コンピュータなどによって)複製してそこに処理を配分するという技術が記載されている。
【0009】
特許文献2には、複数の仮想マシンの間の起動時間のばらつきを抑制するため、当該仮想マシンを分散させて配置するという技術が記載されている。特許文献3には、利用者と端末をキーとして管理して、シンクライアントシステムでも従来のクライアント−サーバシステムと同等の操作を可能とするというセッション管理システムについて記載されている。特許文献4には、画像処理用のサーバで、負荷状態に応じて処理を行うサーバを切り替えるという技術が記載されている。
【0010】
特許文献5には、負荷の高いゲストOSを他のサーバに移行させるという技術が記載されている。特許文献6には、特許文献3と同様に、利用者と端末をキーとして管理して、シンクライアントシステムでも従来のクライアント−サーバシステムと同等の操作を可能とするというセッション管理システムについて記載されている。特許文献7には、アプリケーションの提供状況に応じて各サーバの負荷を分散するという技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−252111号公報
【特許文献2】再特WO2008146677号公報
【特許文献3】特開2007−334688号公報
【特許文献4】特開2008−262357号公報
【特許文献5】特開2009−223517号公報
【特許文献6】特開2009−301556号公報
【特許文献7】特開2010−146261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図14に示したシンクライアントシステム901では、シンクライアント端末920a、920b、920c、…が仮想PC950a、950b、950c、…に接続する際、必ずマネージャサーバ910による処理を経由する。そのため、たとえば朝の始業時など、多くのユーザからの接続要求が集中した場合、マネージャサーバ910に過大な負荷がかかり、シンクライアントシステム901全体の性能を低下させることとなる。また、これに伴うシステム管理者の業務にかかる負担を増加させることにもなる。
【0013】
この問題に対して、特許文献1では、負荷分散装置について同一の装置を(仮想コンピュータなどによって)複製することによって処理を解決している。しかしながら、その対象となる技術が仮想PC方式のシンクライアントシステムではないので、この技術を適用するために別の仮想コンピュータシステムなどを構築することとなり、そのためのコストがかかることとなる。特許文献2〜7に記載の技術は、そもそも接続要求にかかるマネージャサーバの負荷を軽減することを目的とはせず、またそのために適用可能な構成が記載されてもいない。
【0014】
本発明の目的は、新たなコンピュータもしくは仮想コンピュータを用意することなく、仮想PCに対する接続要求にかかる負荷を軽減して性能の低下を防止することを可能とするシンクライアントシステム、セッション管理装置、セッション管理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係るシンクライアントシステムは、ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末と、複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバと、シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバとが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムであって、マネージャサーバが、シンクライアント端末からの接続要求を受信する接続待受部と、接続要求に反応してシンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う仮想コンピュータ割当処理部と、接続要求に反応して主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する負荷判定部と、取得した負荷率が上限値を上回る場合に、仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる代理マネージャ作成部とを有することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明に係るセッション管理装置は、ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末および複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバとそれぞれ相互に接続され、シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバであって、シンクライアント端末からの接続要求を受信する接続待受部と、接続要求に反応してシンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う仮想コンピュータ割当処理部と、接続要求に反応して主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する負荷判定部と、取得した負荷率が上限値を上回る場合に、仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる代理マネージャ作成部とを有することを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明に係るセッション管理方法は、ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末と、複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバと、シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバとが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムにあって、シンクライアント端末からの接続要求をマネージャサーバの接続待受部が受信し、接続要求に反応してマネージャサーバの負荷判定部が主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較し、接続要求に反応してシンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理をマネージャサーバの仮想コンピュータ割当処理部が行い、取得した負荷率が上限値を上回る場合に、マネージャサーバの代理マネージャ作成部が仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させることを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明に係るセッション管理プログラムは、ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末と、複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバと、シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバとが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムにあって、マネージャサーバが備えるコンピュータに、シンクライアント端末からの接続要求を受信する手順、接続要求に反応して主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する手順、接続要求に反応してシンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う手順、および取得した負荷率が上限値を上回る場合に、仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる手順を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、上述したように、マネージャサーバの負荷率を検出して、この負荷率が高い場合に仮想PCを代理マネージャとして動作させて仮想コンピュータ割当処理を代行させるように構成したので、これによって、新たなコンピュータもしくは仮想コンピュータを用意することなく、仮想PCに対する接続要求にかかる負荷を軽減して性能の低下を防止することが可能であるという優れた特徴を持つシンクライアントシステム、セッション管理装置、セッション管理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシンクライアントシステムの構成を示す説明図である。
【図2】図1に示したマネージャサーバのより詳しい構成を示す説明図である。
【図3】図1に示したデータベースサーバのより詳しい構成を示す説明図である。
【図4】図3に示した紐付けテーブル、代理マネージャ候補テーブル、および負荷判定条件テーブルの各々の記憶内容の例について示す説明図である。
【図5】図1〜2に示したマネージャサーバの動作について示すフローチャートである。
【図6】図5の続きである。
【図7】図1に示したシンクライアントシステムの動作状態(動作開始時点の状態)について示す説明図である。
【図8】図1に示したシンクライアントシステムの動作状態(過大な負荷がかかるようになった状態)について示す説明図である。
【図9】図8の続きである。
【図10】図1に示したシンクライアントシステムの動作状態(負荷が低下した状態)について示す説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るシンクライアントシステムの構成を示す説明図である。
【図12】図11で示したマネージャサーバのより詳しい構成を示す説明図である。
【図13】図11で示したデータベースサーバのより詳しい構成を示す説明図である。
【図14】一般的なシンクライアントシステムの構成について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態の構成について添付図1〜3に基づいて説明する。
最初に、本実施形態の基本的な内容について説明し、その後でより具体的な内容について説明する。
本実施形態に係るシンクライアントシステム1は、ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末40a、40b、40c、…と、複数台の仮想コンピュータ(仮想PC60a、60b、60c、…)を内部に生成する仮想PCサーバ30と、シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する主演算制御手段11を備えるマネージャサーバ10とが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムである。マネージャサーバ10は、シンクライアント端末からの接続要求を受信する接続待受部102と、接続要求に反応してシンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う仮想コンピュータ割当処理部(仮想PC割当処理部104)と、接続要求に反応して主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する負荷判定部103と、取得した負荷率が上限値を上回る場合に、仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補70を仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャ71として機能させる代理マネージャ作成部105とを有する。
【0022】
また、マネージャサーバ10の負荷判定部103が、代理マネージャ71が機能している間に当該代理マネージャにかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを主演算制御手段11の負荷率と比較し、代理マネージャ71および主演算制御手段11のうち負荷率の低い方に仮想コンピュータ割当処理を行わせる機能を有する。
【0023】
そして、マネージャサーバ10の負荷判定部103が、負荷率を予め与えられた下限値と比較する機能を有すると共に、マネージャサーバが、代理マネージャが機能していてかつ負荷率が下限値を下回る場合に代理マネージャにおける仮想コンピュータ割当処理を停止させる代理マネージャ格納部106を有する。
【0024】
ここで、マネージャサーバ10の負荷判定部103は、代理マネージャと主演算制御手段の負荷率を比較する際、代理マネージャの負荷率にあらかじめ与えられた係数を乗算して主演算制御手段の負荷率と比較する。
【0025】
以上の構成を備えることにより、本実施形態のシンクライアントシステム1は、新たなコンピュータもしくは仮想コンピュータを用意することなく、仮想PCに対する接続要求にかかる負荷を軽減して性能の低下を防止することが可能となる。
以下、これをより詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシンクライアントシステム1の構成を示す説明図である。シンクライアントシステム1は、ユーザが操作する多数のシンクライアント端末40a、40b、40c、…と、いずれもコンピュータ装置であるマネージャサーバ10、データベースサーバ20、および仮想PCサーバ30が、ネットワーク50を介して相互に接続されて構成される。マネージャサーバ10、データベースサーバ20、および仮想PCサーバ30の物理的な区分はこの例に従う必要はなく、このうちの2台以上を1台のコンピュータに統合してもよい。
【0027】
仮想PCサーバ30は、内部に多数の仮想PC60a、60b、60c、…を生成して動作させる仮想PC管理基盤31を備える。シンクライアント端末40a、40b、40c、…はネットワーク50を介して仮想PCサーバ30に接続して、これらの仮想PC60a、60b、60c、…を操作することができる。図1には例として5台の仮想PC60a〜eを示しているが、もちろんこの台数には特に制限はない。
【0028】
シンクライアント端末40a、40b、40c、…は、ユーザが操作入力を行う入力手段と、処理の結果をユーザに提示する出力手段と、ネットワーク50に接続してデータの送受信を行う通信手段だけを持つコンピュータ端末であり、操作入力に対応する処理とデータの記憶は、仮想PCサーバ30内の仮想PC60a、60b、60c、…で行われる。
【0029】
マネージャサーバ10は、シンクライアント端末40a、40b、40c、…からの接続要求を受け付けて、いずれのシンクライアント端末がいずれの仮想PC60a、60b、60c、…に接続するかを決定して、決定した先の仮想PCのIPアドレスをシンクライアント端末に返して、要求元のシンクライアント端末をその仮想PCに接続させる。データベースサーバ20は、マネージャサーバ10がシンクライアント端末を仮想PCに接続する際に使用するデータを格納する。
【0030】
図2は、図1に示したマネージャサーバ10のより詳しい構成を示す説明図である。マネージャサーバ10は、一般的なコンピュータとしての構成を備えている。即ち、マネージャサーバ10は、コンピュータプログラムとして記述された各種処理を実行する主体である主演算制御手段(CPU: Central Processing Unit)11と、主演算制御手段11によって処理されるデータを記憶する記憶手段12と、ネットワーク50に接続して他のコンピュータとの間でデータ通信を行う通信手段13とを備える。
【0031】
主演算制御手段11は、セッション管理プログラムが動作することにより、設定情報読込部101、接続待受部102、負荷判定部103、仮想PC割当処理部104、代理マネージャ作成部105、代理マネージャ格納部106の各々として動作する。
【0032】
設定情報読込部101は、起動時に初期設定としてデータベースサーバ20から代理マネージャ候補テーブル212、および負荷判定条件テーブル213の内容を読み込んでコピーし、これらを各々代理マネージャ候補データ112および負荷判定条件データ113として記憶手段12に記憶する。接続待受部102は、シンクライアント端末40a、40b、40c、…からの接続要求を受信する。
【0033】
負荷判定部103は、主演算制御手段11にかかっている負荷を示す数値であるCPU使用率を取得して、これを負荷判定条件データ113(後述の負荷判定条件テーブル213)に記憶されている上限値213aおよび下限値213bと比較する。ここで、負荷判定部103は、コマンドやAPIによってCPU使用率を取得する。仮想PC割当処理部104は、接続待受部102が受信した接続要求に対して、割り当て可能な仮想PC60a、60b、60c、…を決定し、その仮想PCのIPアドレスを依頼元のシンクライアント端末40a、40b、40c、…に返す。
【0034】
代理マネージャ作成部105は、仮想PC60a、60b、60c、…の中で代理マネージャ割り当てが可能なものとして指定されている割り当て候補70に対して、仮想PC割当処理部104に相当する処理を割り当てて代理マネージャ71として動作させる処理を行う。代理マネージャ格納部106は、代理マネージャ71として動作していた割り当て候補70に割り当てられていたマネージャサーバ10の処理を、元のマネージャサーバ10に戻す処理を行う。
【0035】
ここでいう「割り当て候補70にマネージャサーバ10の処理を割り当てて代理マネージャ71として動作させる処理」とは、具体的には仮想PC60a、60b、60c、…のうちの1台である割り当て候補70上で、仮想PC割当処理部104と同一の動作をさせるソフトウェアであるマネージャサービスを実行するということである。また、割り当て候補70が代理マネージャ71として動作している間、負荷判定部103はその代理マネージャ71にかかっているCPU使用率を取得する機能も持つ。
【0036】
図3は、図1に示したデータベースサーバ20のより詳しい構成を示す説明図である。データベースサーバ20もまた、一般的なコンピュータとしての構成を備えている。即ち、データベースサーバ20は、マネージャサーバ10と同様の主演算制御手段21と、記憶手段22と、通信手段23とを備える。これらの各手段の役割は、マネージャサーバ10における同名の各手段と同一である。
【0037】
主演算制御手段21は、データベース管理プログラムが動作することにより、マネージャサーバ10からの指示によってデータの参照および更新などの処理を行うデータ管理部201として機能する。また記憶手段22には、データ管理部201の管理対象であるデータとして、紐付けテーブル211、代理マネージャ候補テーブル212、および負荷判定条件テーブル213が記憶されている。
【0038】
図4は、図3に示した紐付けテーブル211、代理マネージャ候補テーブル212、および負荷判定条件テーブル213の各々の記憶内容の例について示す説明図である。
【0039】
紐付けテーブル211は、仮想PC割当処理部104が処理の際に使用するデータであり、各ユーザのユーザ名211aと、当該ユーザが使用できる仮想PCの識別子を示す使用仮想PC名211bと、当該ユーザ(仮想PC)の現在の使用状況を「使用中」「未使用」の2値のいずれかで示す状態211cとが、各々紐付けされて記憶される。
【0040】
ここで、ユーザ名211aと使用仮想PC名211bは必ずしも一対一で対応する必要はないが、1人のユーザは同時に2台以上の仮想PCに接続することはできない。図4に示した例では、ユーザ名211a=「A」は使用仮想PC名211b=「1」および「2」に対応し、ユーザ名211a=「B」は使用仮想PC名211b=「2」と「5」に対応している。この場合、該当するユーザは対応するいずれの仮想PCを使用できるが、たとえばユーザ名211a=「B」が使用仮想PC名211b=「2」を使用している間は、ユーザ名211a=「A」がこの仮想PCに接続することはできない。
【0041】
また、各々の仮想PCには一意のIPアドレスが割り振られており、各々のシンクライアント端末40a、40b、40c、…は、マネージャサーバ10からIPアドレスの返却を受けて、このIPアドレスに接続することにより、割り当てられた仮想PC60a、60b、60c、…を使用することができる。
【0042】
代理マネージャ候補テーブル212は、代理マネージャ作成部105および代理マネージャ格納部106が処理の際に使用するデータであり、マネージャの処理の一部を委譲する候補となる仮想PC(割り当て候補70)の識別子を示す仮想PC名212bと、各代理マネージャ候補を一意に識別するID212aと、当該仮想PCの現在の代理マネージャとしての状況を「配分可」「配分不可」の2値のいずれかで示す配分状態212cとが、各々紐付けされて記憶される。本実施形態では、仮想PCのうちの1台が割り当て候補70となる。
【0043】
ID212aは、紐付けテーブル211の使用仮想PC名211bと同一の識別子で示される。配分状態212cは、当該仮想PCが現在代理マネージャ71として動作していれば「配分不可」、代理マネージャ71として動作していなければ「配分可」の値になる。
【0044】
負荷判定条件テーブル213は、負荷判定部103が負荷の状態を判定する基準となる閾値が記憶されている。より具体的には、主演算制御手段11の「CPU利用率」を負荷状態とし、負荷判定部103がこの負荷状態について判断する基準となる上限値213aと下限値213bとが記憶されている。負荷状態が上限値を越えた場合には、代理マネージャ作成部105がマネージャの処理の一部を仮想PCに委譲する動作を行う。負荷状態が下限値を越えた場合には、代理マネージャ格納部106が仮想PCに委譲していたマネージャの処理を仮想PCにマネージャサーバ10に戻す動作を行う。
【0045】
図1および図4に示された例では、ユーザとしてA〜Dの4人がいて、これに対して仮想PCサーバ30内に5台の仮想PC60a〜eが生成されている。図1でいう仮想PC60aを図4では「1」という識別子でいい、仮想PC60b〜eも同様に各々「2」〜「5」の識別子でいう。初期状態では、いずれのユーザ(仮想PC)も、状態211cは「未使用」である。
【0046】
また、それらの仮想PCの中で識別子「5」の仮想PC60eが割り当て候補70として仮想PC名212bで示されており、その配分状態212cの初期値は「配分可」である。そして上限値213aおよび下限値213bは、各々「50%」と「10%」である。
【0047】
図5〜6は、図1〜2に示したマネージャサーバ10の動作について示すフローチャートである(紙面の都合により2ページに分ける)。まず、マネージャサーバ10が動作を開始すると、設定情報読込部101がデータベースサーバ20から代理マネージャ候補テーブル212、および負荷判定条件テーブル213の内容を読み込んでコピーし、これらを各々代理マネージャ候補データ212aおよび負荷判定条件データ213aとして記憶手段12に記憶する(ステップS301)。そして、接続待受部102が、シンクライアント端末40a、40b、40c、…からの接続要求を待ち受ける状態となる(ステップS302)。
【0048】
接続待受部102が、シンクライアント端末40a、40b、40c、…からの接続要求を受信すると(ステップS302がイエス)、負荷判定部103が主演算制御手段11のCPU使用率を取得して、このCPU使用率が上限値213a以上であるか否かを判断する(ステップS303)。
【0049】
CPU使用率が上限値213a以上でない場合は(ステップS303がノー)、代理マネージャ作成部105が、代理マネージャ候補テーブル212で示されている割り当て候補70の配分状態212cが「配分可」であるか否かを確認する(ステップS304)。
【0050】
割り当て候補70が代理マネージャ71として動作している状態でない、即ち「配分可」であれば(ステップS304がノー)、そのまま仮想PC割当処理部104による仮想PC割り当ての処理に入る。即ち、仮想PC割当処理部104は、紐付けテーブル211を参照して、接続要求を行ったユーザをユーザ名211aの中から検索し、このユーザに割り当て可能な使用仮想PC名211bを検索し、この仮想PCの状態211cが「未使用」であることを確認する(ステップS305)。
【0051】
その上で、仮想PC割当処理部104は、このユーザに割り当て可能でかつ「未使用」である仮想PCが複数台存在する場合はそれらの中から任意の方法で1台を選択し、該仮想PCの状態211cを「使用中」に変更して、該仮想PCのIPアドレス211dを接続要求元のシンクライアント端末に返却して(ステップS306)、ステップS302からの処理に戻る。
【0052】
CPU使用率が上限値213a以上であった場合(ステップS303がイエス)、即ち接続要求多重度が高くなってマネージャサーバ10の主演算制御手段11が高負荷状態となった場合には、これに引き続いて代理マネージャ作成部105が、代理マネージャ候補テーブル212で示されている割り当て候補70の配分状態212cが「配分不可」である、即ち代理マネージャ71として既に動作している割り当て候補70が存在する否かを確認する(ステップS307)。
【0053】
ここで、代理マネージャ71が既に動作している場合(ステップS307がノー)、代理マネージャ作成部105による代理マネージャ割り当ての処理に入る。即ち、代理マネージャ作成部105は代理マネージャ候補テーブル212で示されている割り当て候補70の中からいずれか1つを決定し(ステップS308)、この割り当て候補70の配分状態212cを「配分不可」として、その上でこの割り当て候補70でマネージャサービスを起動して、これを代理マネージャ71として機能させて(ステップS309)、ステップS310からの処理に進む。
【0054】
代理マネージャ71が動作している場合(ステップS307がイエス)、負荷判定部103は主演算制御手段11とその代理マネージャ71の各々のCPU使用率を取得し、いずれのCPU使用率が高いかについて判断する(ステップS310)。図5では「主演算制御手段11側が高い」状態をイエスとする。
【0055】
主演算制御手段11のCPU使用率は、負荷判定部103がOS(Operating System)の機能、たとえば米国マイクロソフトコーポレーションのウィンドウズシリーズ(ウィンドウズは登録商標)の標準的機能として用意されているAPI(Application Programming Interface)を利用して取得することができる。代理マネージャ71のCPU使用率は、負荷判定部103が仮想PC管理基盤31に照会して取得することができる。また、代理マネージャ71の側にCPU使用率を計算するエージェントプログラムを配置し、負荷判定部103からこのエージェントにCPU使用率を照会してもよい。
【0056】
ここで主演算制御手段11は物理的なコンピュータのCPUであり、代理マネージャ71は仮想PCである。即ち、動作主体が異なるので、この両者でCPU使用率を単純に比較することは本来なら不可能である。この場合は、両者の差分を解消するために、代理マネージャ71のCPU使用率にあらかじめ与えられた係数を乗算して、これを主演算制御手段11のCPU使用率と比較する。この係数は、たとえば両者のハードウェア処理能力の比率から算出されたものであってもよい。あるいは、システム管理者がシンクライアントシステム1を設計する際に、負荷を適切に分散させることができるように任意に設定した係数であってもよい。
【0057】
主演算制御手段11の方がCPU使用率が高ければ(ステップS310がイエス)、そのままマネージャサーバ10の仮想PC割当処理部104による仮想PC割り当ての処理に入る。即ち、仮想PC割当処理部104は、紐付けテーブル211を参照して、接続要求を行ったユーザをユーザ名211aの中から検索し、このユーザに割り当て可能な使用仮想PC名211bを検索し、この仮想PCの状態211cが「未使用」であることを確認する(ステップS311)。
【0058】
その上で、仮想PC割当処理部104は、このユーザに割り当て可能でかつ「未使用」である仮想PCが複数台存在する場合はそれらの中から任意の方法で1台を選択し、該仮想PCの状態211cを「使用中」に変更して、該仮想PCのIPアドレス211dを接続要求元のシンクライアント端末に返却して(ステップS312)、ステップS302からの処理に戻る。
【0059】
代理マネージャ71の方がCPU使用率が高ければ(ステップS310がノー)、代理マネージャ71が上記ステップS311〜312と(仮想PC割当処理部104と)同一の仮想PC割り当ての処理を行う。即ち、代理マネージャ71は、紐付けテーブル211を参照して、接続要求を行ったユーザをユーザ名211aの中から検索し、このユーザに割り当て可能な使用仮想PC名211bを検索し、この仮想PCの状態211cが「未使用」であることを確認する(ステップS313)。
【0060】
その上で、代理マネージャ71は、このユーザに割り当て可能でかつ「未使用」である仮想PCが複数台存在する場合はそれらの中から任意の方法で1台を選択し、該仮想PCの状態211cを「使用中」に変更して、該仮想PCのIPアドレス211dを接続要求元のシンクライアント端末に返却して(ステップS314)、ステップS302からの処理に戻る。
【0061】
ステップS303で、主演算制御手段11のCPU使用率が下限値213bを下回る低負荷状態であり、かつ代理マネージャ71が動作している状態であれば(ステップS303がノー、かつステップS304がイエス)、代理マネージャ格納部106による代理マネージャ格納の処理に入る。即ち、代理マネージャ格納部106は、現在代理マネージャ71で動作しているマネージャサービスの動作を停止して、配分状態212cを「配分可」に戻す(ステップS315)。その上で、前述のステップS305からの仮想PC割当処理部104による仮想PC割り当ての処理に入る。
【0062】
図7〜10は、図1に示したシンクライアントシステム1の動作状態について示す説明図である。図7〜10は、図1〜3に示したシンクライアントシステム1の構成の中で、動作のメインとなる部分のみを観念的に示している。特にデータベースサーバ20に記憶されている紐付けテーブル211および代理マネージャ候補テーブル212の記憶内容の変化を示している。なお、負荷判定条件テーブル213の記憶内容は動作中に変化することはない。
【0063】
図7は、図1に示したシンクライアントシステム1の動作開始時点の状態を示す。より具体的には、ユーザ名211a=「A」のユーザ(以後ユーザAという、他のユーザも同様)が、シンクライアント端末40aを操作して、マネージャサーバ10に接続要求をした(ステップA1)という状態である。この状態では、他のユーザはまだシンクライアントシステム1を操作していない。
【0064】
この場合、この状態ではCPU使用率が上限値213aを上回らず、また代理マネージャ71が動作していないので、マネージャサーバ10はデータベースサーバ20を検索して(ステップA2)、図5〜6のステップS305〜306に示した処理によって、使用仮想PC名211b=「1」(以後仮想PC1という、他の仮想PCも同様)をこのユーザに使用させるよう決定し、これに対応するIPアドレス211dをシンクライアント端末40aに返却する(ステップA3)。シンクライアント端末40aは、このIPアドレス211dによって仮想PCサーバ30にアクセスして、仮想PC1に接続してこれを使用する(ステップA4)。
【0065】
図8および図9は、図7の動作の後、ユーザB、ユーザC…が図7の例と同様の動作で次々とシンクライアント端末40b、40c、…からマネージャサーバ10に接続要求して、マネージャサーバ10に過大な負荷がかかるようになった状態の例を示している(ステップB1)。この例では、シンクライアント端末40cを操作するユーザCが接続要求をしたものとする。
【0066】
この場合、CPU使用率が上限値213aを上回ったことが負荷判定部103によって検出され(ステップB2)、かつこの時点では代理マネージャ71が動作していないので、マネージャサーバ10はデータベースサーバ20を検索および更新して(ステップB3)、図5〜6のステップS308〜309に示した処理によって、割り当て候補70として指定されている仮想PC5の配分状態212cを「配分不可」として、この仮想PC5を代理マネージャ71として動作させる(ステップB4)。
【0067】
その上で、マネージャサーバ10は代理マネージャ71にシンクライアント端末40cを操作するユーザCからの接続要求(ステップC1)を転送する(ステップC2)。代理マネージャ71はデータベースサーバ20を検索して(ステップC3)、図5〜6のステップS313〜314に示した処理によって、ユーザCに対応する仮想PC3を使用させるよう決定し、これに対応するIPアドレス211dをシンクライアント端末40cに返却する(ステップC4)。
【0068】
シンクライアント端末40cは、このIPアドレス211dによって仮想PCサーバ30にアクセスして、仮想PC3に接続してこれを使用する(ステップC5)。仮想PC5が代理マネージャ71として動作している間、この仮想PC5はユーザからの接続要求に対して配分される対象からは除外される。
【0069】
図10は、その後シンクライアントシステム1を操作するユーザの数が減少して、マネージャサーバ10および代理マネージャ71に対する負荷が低下した状態の例を示している。
【0070】
ここで、シンクライアント端末40aがマネージャサーバ10に接続要求をした(ステップD1)場合、CPU使用率が下限値213bを下回ったことが負荷判定部103によって検出され(ステップD2)、データベースサーバ20から代理マネージャ71を検索して(ステップD3)、図5〜6のステップS315に示した処理によって、仮想PC5の代理マネージャ71としての動作が停止され(ステップD4)、配分状態212cは「配分可」に戻る(ステップD5)。
【0071】
その上で、マネージャサーバ10は図5〜6のステップS305〜306に示した処理によって、データベースサーバ20を検索して使用させる仮想PCを決定し(ステップD6)、これに対応するIPアドレス211dをシンクライアント端末40aに返却する(ステップD7)。シンクライアント端末は、このIPアドレス211dによって仮想PCサーバ30にアクセスして、決定された仮想PCに接続してこれを使用する(ステップD8)。
【0072】
(第1の実施形態の全体的な動作)
次に、上記の実施形態の全体的な動作について説明する。本実施形態に係るセッション管理方法は、ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末40a、40b、40c、…と、複数台の仮想コンピュータ(仮想PC60a、60b、60c、…)を内部に生成する仮想PCサーバ30と、シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する主演算制御手段11を備えるマネージャサーバ10とが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステム1にあって、シンクライアント端末からの接続要求をマネージャサーバの接続待受部が受信し(図5〜6・ステップS302)、接続要求に反応してマネージャサーバの負荷判定部が主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較し(図5〜6・ステップS303)、接続要求に反応してシンクライアント端末が接続する仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスをシンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理をマネージャサーバの仮想コンピュータ割当処理部が行い(図5〜6・ステップS305〜306)、取得した負荷率が上限値を上回る場合に、マネージャサーバの代理マネージャ作成部が仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる(図5〜6・ステップS308〜309)。
【0073】
ここで、上記各動作ステップについては、これをコンピュータで実行可能にプログラム化し、これらを前記各ステップを直接実行するコンピュータであるマネージャサーバ10に実行させるようにしてもよい。本プログラムは、非一時的な記録媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリ等に記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
この動作により、本実施形態は以下のような効果を奏する。
【0074】
本実施形態によれば、複数の仮想PCを管理しているシンクライアントシステムで、複数のユーザからの接続要求が多発してマネージャの負荷が上昇しても、負荷を分散することができ処理性能の低下を防止することができる。このために、仮想PCサーバ内に構築された仮想PCを代理マネージャとして動作させるので、新たなコンピュータもしくは仮想コンピュータを用意する必要はない。
【0075】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、前述した第1の実施形態の構成に加えて、マネージャサーバ410の代理マネージャ作成部506が、仮想コンピュータの中で予め決められた複数台の割り当て候補を複数台の代理マネージャ471として機能させる機能を有すると共に、代理マネージャ471が、他の代理マネージャと自らとの間で負荷率を比較して負荷率の低い方に仮想コンピュータ割当処理を行わせる機能を有するものとした。
【0076】
これによって、本実施形態のシンクライアントシステム401は、前述した第1の実施形態の効果に加えて、さらに急激な仮想PCの利用台数の増減が生じた場合にも柔軟に対応できるようになる。
以下、これをより詳細に説明する。
【0077】
図11は、本発明の第2の実施形態に係るシンクライアントシステム401の構成を示す説明図である。シンクライアントシステム401は、図1で示した第1の実施形態に係るシンクライアントシステム1の、マネージャサーバ10およびデータベースサーバ20が、各々別のマネージャサーバ410およびデータベースサーバ420に置換されている。その他の要素は、シンクライアントシステム1と同一である。
【0078】
図12は、図11で示したマネージャサーバ410のより詳しい構成を示す説明図である。マネージャサーバ410は、図2で示した第1の実施形態に係るマネージャサーバ10と比べて、代理マネージャ作成部105および代理マネージャ格納部106が、各々別の代理マネージャ作成部505および代理マネージャ格納部506に置換されている。その他の要素は、マネージャサーバ10と同一である。
【0079】
図13は、図11で示したデータベースサーバ420のより詳しい構成を示す説明図である。データベースサーバ420は、図3で示した第1の実施形態に係るデータベースサーバ20と比べて、代理マネージャ候補テーブル212が別の代理マネージャ候補テーブル612に置換されている。その他の要素は、データベースサーバ20と同一である。
【0080】
第1の実施形態では仮想PCのうちの1台が割り当て候補70とされていたが、本実施形態では複数台の仮想PCが割り当て候補70となる。そのため、代理マネージャ候補テーブル612で記憶されるデータの項目は、代理マネージャ候補テーブル212のデータ項目である仮想PC名212b、ID212a、配分状態212cに加えて、さらに複数台の仮想PCが代理マネージャ471として動作する際の優先順位を示す順位612dが追加されている。
【0081】
代理マネージャ471は、仮想PC割当処理部104と同等の動作を行う機能の他に、順位612が自らより下位の代理マネージャ471に対して負荷判定部103と同等にCPU利用率を取得する機能を有する。
【0082】
代理マネージャ作成部505は、マネージャサーバ10のCPU利用率が高い場合、まず代理マネージャ471を1台作成する(この場合は最も順位612dの高い仮想PC5が代理マネージャ471となる)が、それでもまだ代理マネージャ471が自らのCPU利用率が高いと判定した場合、さらにもう1台代理マネージャ471を作成する(この場合は順位612dが2番目に高い仮想PC4が代理マネージャ471となる)。
【0083】
そして、代理マネージャ471である仮想PC5は、仮想PC4と自らのCPU利用率を取得してこれらを比較して、自らと仮想PC4との間で仮想PCの割当て処理を配分する。
【0084】
即ち、本実施例のシンクライアントシステム401は、複数台の代理マネージャを作成して、シンクライアント端末から接続を受付けるマネージャから複数の代理マネージャをネストしながら仮想PCの割当てに係る負荷を分散することができる。これによって、多くの仮想PCを有する環境で急激な仮想PCの利用台数の増減が生じた場合にも、柔軟に対応することができる。
【0085】
これまで本発明について図面に示した特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができる。
【0086】
上述した実施形態について、その新規な技術内容の要点をまとめると、以下のようになる。なお、上記実施形態の一部または全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0087】
(付記1) ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末と、複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバと、前記シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバとが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムであって、
前記マネージャサーバが、
前記シンクライアント端末からの接続要求を受信する接続待受部と、
前記接続要求に反応して前記シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う仮想コンピュータ割当処理部と、
前記接続要求に反応して前記主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する負荷判定部と、
取得した前記負荷率が前記上限値を上回る場合に、前記仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を前記仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる代理マネージャ作成部と
を有することを特徴とするシンクライアントシステム。
【0088】
(付記2) 前記マネージャサーバの前記負荷判定部が、前記代理マネージャが機能している間に当該代理マネージャにかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを前記主演算制御手段の前記負荷率と比較し、前記代理マネージャおよび前記主演算制御手段のうち前記負荷率の低い方に前記仮想コンピュータ割当処理を行わせる機能を有することを特徴とする、付記1に記載のシンクライアントシステム。
【0089】
(付記3) 前記マネージャサーバの前記負荷判定部が、前記負荷率を予め与えられた下限値と比較する機能を有すると共に、
前記マネージャサーバが、前記代理マネージャが機能していてかつ前記負荷率が前記下限値を下回る場合に前記代理マネージャにおける前記仮想コンピュータ割当処理を停止させる代理マネージャ格納部を有することを特徴とする、付記2に記載のシンクライアントシステム。
【0090】
(付記4) 前記マネージャサーバの前記代理マネージャ作成部が、前記仮想コンピュータの中で予め決められた複数台の前記割り当て候補を複数台の前記代理マネージャとして機能させる機能を有すると共に、
前記代理マネージャが、他の前記代理マネージャと自らとの間で前記負荷率を比較して前記負荷率の低い方に前記仮想コンピュータ割当処理を行わせる機能を有することを特徴とする、付記2に記載のシンクライアントシステム。
【0091】
(付記5) 前記マネージャサーバの前記負荷判定部が、前記代理マネージャと前記主演算制御手段との間で前記負荷率を比較する際、前記代理マネージャの前記負荷率にあらかじめ与えられた係数を乗算して前記主演算制御手段の前記負荷率と比較することを特徴とする、付記2に記載のシンクライアントシステム。
【0092】
(付記6) ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末および複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバとそれぞれ相互に接続され、前記シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバであって、
前記シンクライアント端末からの接続要求を受信する接続待受部と、
前記接続要求に反応して前記シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う仮想コンピュータ割当処理部と、
前記接続要求に反応して前記主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する負荷判定部と、
取得した前記負荷率が前記上限値を上回る場合に、前記仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を前記仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる代理マネージャ作成部と
を有することを特徴とするマネージャサーバ。
【0093】
(付記7) ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末と、複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバと、前記シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバとが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムにあって、
前記シンクライアント端末からの接続要求を前記マネージャサーバの接続待受部が受信し、
前記接続要求に反応して前記マネージャサーバの負荷判定部が前記主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較し、
前記接続要求に反応して前記シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を前記マネージャサーバの仮想コンピュータ割当処理部が行い、
取得した前記負荷率が前記上限値を上回る場合に、前記マネージャサーバの代理マネージャ作成部が前記仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を前記仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる
ことを特徴とするセッション管理方法。
【0094】
(付記8) ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末と、複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバと、前記シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバとが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムにあって、
前記マネージャサーバが備えるコンピュータに、
前記シンクライアント端末からの接続要求を受信する手順、
前記接続要求に反応して前記主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する手順、
前記接続要求に反応して前記シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う手順、
および取得した前記負荷率が前記上限値を上回る場合に、前記仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を前記仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる手順
を実行させることを特徴とするセッション管理プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、仮想PC方式のシンクライアントシステムに適用できる。特に、数百〜数千台に及ぶ仮想PCが構築される大規模なシンクライアントシステムに適している。
【符号の説明】
【0096】
1、401 シンクライアントシステム
10、410 マネージャサーバ
11、21 主演算制御手段
12、22 記憶手段
13、23 通信手段
20、420 データベースサーバ
30 仮想PCサーバ
31 仮想PC管理基盤
40a、40b、40c シンクライアント端末
50 ネットワーク
60a、60b、60c 仮想PC
70 割り当て候補
71、471 代理マネージャ
101 設定情報読込部
102 接続待受部
103 負荷判定部
104 仮想PC割当処理部
105、505 代理マネージャ作成部
106、506 代理マネージャ格納部
112 代理マネージャ候補データ
113 負荷判定条件データ
201 データ管理部
211 紐付けテーブル
212、612 代理マネージャ候補テーブル
213 負荷判定条件テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末と、複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバと、前記シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバとが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムであって、
前記マネージャサーバが、
前記シンクライアント端末からの接続要求を受信する接続待受部と、
前記接続要求に反応して前記シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う仮想コンピュータ割当処理部と、
前記接続要求に反応して前記主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する負荷判定部と、
取得した前記負荷率が前記上限値を上回る場合に、前記仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を前記仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる代理マネージャ作成部と
を有することを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項2】
前記マネージャサーバの前記負荷判定部が、前記代理マネージャが機能している間に当該代理マネージャにかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを前記主演算制御手段の前記負荷率と比較し、前記代理マネージャおよび前記主演算制御手段のうち前記負荷率の低い方に前記仮想コンピュータ割当処理を行わせる機能を有することを特徴とする、請求項1に記載のシンクライアントシステム。
【請求項3】
前記マネージャサーバの前記負荷判定部が、前記負荷率を予め与えられた下限値と比較する機能を有すると共に、
前記マネージャサーバが、前記代理マネージャが機能していてかつ前記負荷率が前記下限値を下回る場合に前記代理マネージャにおける前記仮想コンピュータ割当処理を停止させる代理マネージャ格納部を有することを特徴とする、請求項2に記載のシンクライアントシステム。
【請求項4】
前記マネージャサーバの前記代理マネージャ作成部が、前記仮想コンピュータの中で予め決められた複数台の前記割り当て候補を複数台の前記代理マネージャとして機能させる機能を有すると共に、
前記代理マネージャが、他の前記代理マネージャと自らとの間で前記負荷率を比較して前記負荷率の低い方に前記仮想コンピュータ割当処理を行わせる機能を有することを特徴とする、請求項2に記載のシンクライアントシステム。
【請求項5】
前記マネージャサーバの前記負荷判定部が、前記代理マネージャと前記主演算制御手段との間で前記負荷率を比較する際、前記代理マネージャの前記負荷率にあらかじめ与えられた係数を乗算して前記主演算制御手段の前記負荷率と比較することを特徴とする、請求項2に記載のシンクライアントシステム。
【請求項6】
ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末および複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバとそれぞれ相互に接続され、前記シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバであって、
前記シンクライアント端末からの接続要求を受信する接続待受部と、
前記接続要求に反応して前記シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う仮想コンピュータ割当処理部と、
前記接続要求に反応して前記主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する負荷判定部と、
取得した前記負荷率が前記上限値を上回る場合に、前記仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を前記仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる代理マネージャ作成部と
を有することを特徴とするマネージャサーバ。
【請求項7】
ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末と、複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバと、前記シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバとが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムにあって、
前記シンクライアント端末からの接続要求を前記マネージャサーバの接続待受部が受信し、
前記接続要求に反応して前記マネージャサーバの負荷判定部が前記主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較し、
前記接続要求に反応して前記シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を前記マネージャサーバの仮想コンピュータ割当処理部が行い、
取得した前記負荷率が前記上限値を上回る場合に、前記マネージャサーバの代理マネージャ作成部が前記仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を前記仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる
ことを特徴とするセッション管理方法。
【請求項8】
ユーザが操作する複数台のシンクライアント端末と、複数台の仮想コンピュータを内部に生成する仮想PCサーバと、前記シンクライアント端末からの接続要求に応じて当該シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定すると共に当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する主演算制御手段を備えるマネージャサーバとが相互に接続されて構成されるシンクライアントシステムにあって、
前記マネージャサーバが備えるコンピュータに、
前記シンクライアント端末からの接続要求を受信する手順、
前記接続要求に反応して前記主演算制御手段にかかっている負荷を示す負荷率を取得してこれを予め与えられた上限値と比較する手順、
前記接続要求に反応して前記シンクライアント端末が接続する前記仮想コンピュータを決定して当該仮想コンピュータのIPアドレスを前記シンクライアント端末に返信する仮想コンピュータ割当処理を行う手順、
および取得した前記負荷率が前記上限値を上回る場合に、前記仮想コンピュータの中で予め決められた割り当て候補を前記仮想コンピュータ割当処理と同等の処理を行う代理マネージャとして機能させる手順
を実行させることを特徴とするセッション管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−221137(P2012−221137A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85085(P2011−85085)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】