説明

シンクライアントシステムのプログラム実行方法、携帯端末、およびサーバ装置

【課題】携帯端末のリソースを効率的に使用して多種多様なプログラムを利用可能とする技術を提供する。
【解決手段】携帯端末1は、サービスエリア5内に移動すると、中継装置2とシンクライアント接続し、アプリケーションを中継装置2から取得して記憶する。中継装置2は、アプリケーションを携帯端末1に送信すると共に、シンクライアント接続を介して携帯端末1から受信した指示に従いアプリケーションを実行・操作する。携帯端末1は、サービスエリア5外に移動すると、シンクライアント接続を切断し、中継装置2からのオンライン引継情報に従いアプリケーションを実行して作業を引き継ぐと共に、中継装置2から取得した保存中のアプリケーションのうち、実行中でないものを削除する。中継装置2は、実行中のアプリケーションの指定及び作業状態を含むオンライン引継情報を生成して携帯端末1に送信すると共に、実行中のアプリケーションを終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアントシステムに関し、特に、クライアント端末として機能する携帯端末を含むシンクライアントシステムのプログラム実行技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯端末の使い勝手を向上させることのできる技術が開示されている。この技術において、携帯端末は、電気製品、書籍、食品等に貼り付けられたRFIDタグ等の記憶媒体からIDを読み取り、このIDに対応付けられて予め登録されているアプリケーションを実行する。ここで、このIDに対応付けられたアプリケーションが登録されていない場合、携帯端末は、サーバ装置(ID照合センタ)からこのIDに対応付けられているアプリケーションをダウンロードして登録し、実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−269565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、常にアプリケーションの実行を携帯端末が行っている。また、多種多様なアプリケーションの実行に先立ち、これらのアプリケーションをIDに対応付けて予め携帯端末に登録しておかなければならない。このため、携帯端末には、多種多様なアプリケーションをいつでも展開できるだけのリソース(メモリの容量、CPUの処理能力等)が要求される。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、携帯端末のリソースを効率的に使用して多種多様なプログラムを利用可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、シンクライアントシステムのクライアント端末として機能する携帯端末が、シンクライアントシステムのサーバとして機能するサーバ装置のサービスエリア外からサービスエリア内に移動した場合に、携帯端末は、サーバ装置との間にシンクライアント接続を確立するともに、サーバ装置からプログラムを取得して記憶する。一方、サーバ装置は、携帯端末のために実行可能なプログラムを携帯端末に送信するとともに、シンクライアント接続を介して携帯端末から受け付けた指示に従いプログラムを実行する。
【0007】
また、携帯端末がサーバ装置のサービスエリア内からサービスエリア外に移動した場合に、携帯端末は、シンクライアント接続を切断するとともに、サーバ装置からオンライン引継情報を受信し、このオンライン引継情報に基づいて、プログラムを実行して作業状態を引き継ぐ。また、サーバ装置から取得して記憶しておいたプログラムのうち、このオンライン引継情報で指定されているプログラム以外のプログラムを削除する。一方、サーバ装置は、シンクライアント接続を介して携帯端末から受け付けた指示に従い実行中のプログラムの指定および作業状態を含むオンライン引継情報を生成して、このオンライン引継情報を携帯端末に送信するとともに、実行中のプログラムを終了する。
【0008】
例えば、本発明は、シンクライアントシステムのクライアント端末として機能する携帯端末であって、
自携帯端末が、前記シンクライアントシステムのサーバとして機能するサーバ装置のサービスエリアに位置しているか否かを監視するエリア監視手段と、
前記エリア監視手段により自携帯端末が前記サーバ装置のサービスエリア外からサービスエリア内に移動したことを検出された場合に、前記サーバ装置との間にシンクライアント接続を確立し、前記エリア監視手段により自携帯端末が前記サーバ装置のサービスエリア内からサービスエリア外に移動したことを検出された場合に、当該シンクライアント接続を切断するシンクライアント接続制御手段と、
前記エリア監視手段により自携帯端末が前記サーバ装置のサービスエリア外からサービスエリア内に移動したことを検出された場合に、前記シンクライアント接続を介して前記サーバ装置に実行させることが可能なプログラムを前記サーバ装置から取得するプログラム取得手段と、
前記プログラム取得手段により取得されたプログラムを記憶する取得プログラム記憶手段と、
前記エリア監視手段により自携帯端末が前記サーバ装置のサービスエリア内からサービスエリア外に移動したことを検出された場合に、前記サーバ装置で実行中のプログラムの指定および作業状態を含むオンライン引継情報を前記サーバ装置から受信して、当該オンライン引継情報に基づいて、前記シンクライアント接続を介して前記サーバ装置に実行させていたプログラムを実行し、作業状態を引き継ぐオンライン引継手段と、
前記取得プログラム記憶手段から、前記オンライン引継手段により実行されているプログラム以外のプログラムを削除する取得プログラム削除手段と、を有する。
【0009】
また、本発明は、シンクライアントシステムのサーバとして機能するサーバ装置であって、
前記シンクライアントシステムのクライアント端末として機能する携帯端末に、シンクライアント接続を介して当該携帯端末のために実行可能なプログラムを、当該携帯端末に送信するプログラム送信手段と、
前記携帯端末との間に確立されている前記シンクライアント接続の切断に際して、当該シンクライアント接続を介して受け付けた前記携帯端末の指示に従い実行中のプログラムの指定および作業状態を含むオンライン引継情報を生成し、当該オンライン引継情報を前記携帯端末に送信するオンライン引継情報送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明において、携帯端末は、サーバ装置のサービスエリア内にいる場合には、サーバ装置にシンクライアント接続してサーバ装置のリソースを利用し、サーバ装置のサービスエリア外に移動した場合には、サーバ装置に実行させていたプログラムの作業状態を引き継いで、このプログラムの実行をオフラインで継続するとともに、サーバ装置から取得したプログラムのうち、この作業状態を引き継いだプログラム以外のすべてのプログラムを削除する。このため、携帯端末のリソースを効率的に使用して多種多様なプログラムを利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1(A)は、本発明の一実施の形態に係るシンクライアントシステムの概略構成図であり、図1(B)は、図1(A)に示すシンクライアントシステムの変形例の概略構成図である。
【図2】図2は、本発明の一実施の形態に係るシンクライアントシステムにおいて、携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5外からサービスエリア5内に移動した場合の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図3】図3は、本発明の一実施の形態に係るシンクライアントシステムにおいて、携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5内からサービスエリア5外に移動した場合の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図4】図4は、携帯端末1の概略機能構成図である。
【図5】図5は、携帯端末1の動作を説明するためのフロー図である。
【図6】図6は、中継装置2の概略機能構成図である。
【図7】図7は、中継装置2の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1(A)は、本発明の一実施の形態に係るシンクライアントシステムの概略構成図である。
【0014】
図示するように、本実施の形態に係るシンクライアントシステムは、クライアント端末として機能する携帯端末1、およびサーバとして機能する中継装置2を備えて構成されている。
【0015】
携帯端末1は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により中継装置2にシンクライアント接続(リモートデスクトップ接続)し、中継装置2が提供する各種アプリケーションの実行環境(デスクトップ環境)を利用する。また、携帯端末1は、3G(第3世代携帯電話)、Wi−Fi(登録商標)等の無線通信により無線基地局4を介してネットワーク3に接続する。
【0016】
中継装置2は、自中継装置2にシンクライアント接続された携帯端末1に対して、各種アプリケーションの実行環境を提供する。また、中継装置2は、ネットワーク3に接続されており、近距離無線通信により接続された携帯端末1とネットワーク3との間のデータ送受信を中継する。さらに、中継装置2は、ファイルサーバとしての機能を有しており、シンクライアント接続を介して携帯端末1のために実行可能なすべてのアプリケーションを、携帯端末1に送信する。
【0017】
なお、図1(A)において、符号6は中継装置2の通信エリアである。携帯端末1は、この通信エリア6内に位置している場合にのみ、近距離無線通信により中継装置2との通信が可能となる。また、符号5は中継装置2のサービスエリアであり、通信エリア6より狭く設定されている。携帯端末1は、このサービスエリア5内に位置している場合にのみ、中継装置2にシンクライアント接続して、中継装置2が提供する各種アプリケーションの実行環境を利用できる。
【0018】
図2は、本実施の形態に係るシンクライアントシステムにおいて、携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5外からサービスエリア5内に移動してきた場合の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0019】
まず、携帯端末1は、中継装置2のサービスエリア5内に移動したことを検知すると(S100)、中継装置2にアプリケーションのダウンロード要求を送信する(S101)。これを受けて、中継装置2は、シンクライアント接続を介して携帯端末1のために実行可能なすべてのアプリケーション(中継装置2が提供するデスクトップ環境上で実行可能なすべてのアプリケーション)を、携帯端末1に送信する(S102)。そして、携帯端末1は、中継装置2から取得したこれらのアプリケーションを記憶する(S103)。
【0020】
つぎに、携帯端末1は、自携帯端末1で実行中のアプリケーションの有無を確認する(S104)。なお、携帯端末1は、予め中継装置2にシンクライアント接続し、何れかのアプリケーションを実行しているものとする。そして、自携帯端末1で実行中のアプリケーションが存在するならば、このアプリケーションの指定および作業状態(このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアの内容)を含むオフライン引継情報を生成する(S105)。それから、実行中のアプリケーションを終了する(S106)。
【0021】
つぎに、携帯端末1は、中継装置2にシンクライアント接続要求を送信する。このとき、オフライン引継情報があるならば、このオフライン引継情報を、シンクライアント接続要求に付加して中継装置2に送信する(S107)。
【0022】
これを受けて、中継装置2は、シンクライアントシステムのサーバ機能を有効にして、携帯端末1に提供するデスクトップ環境を生成する。このとき、シンクライアント接続要求にオフライン引継情報が付加されているならば、このオフライン引継情報で指定されているアプリケーションをデスクトップ環境上で実行するとともに、このオフライン引継情報に含まれている作業状態を、このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアに展開する。これにより、携帯端末1が中継装置2にシンクライアント接続要求を送信する直前まで実行していたアプリケーションの作業状態(携帯端末1のオフラインでのデスクトップ環境)を再現する(S108)。
【0023】
つぎに、中継装置2は、携帯端末1にシンクライアント接続応答を送信する(S109)。これにより、携帯端末1と中継装置2との間にシンクライアント接続が確立され(S110)、このシンクライアント接続を介して、つぎの処理が繰り返し実行される。すなわち、中継装置2は、デスクトップ画面データを携帯端末1に送信して、デスクトップ画面に対する操作情報を携帯端末1から受信する。そして、受信した操作情報に従い各種アプリケーションを実行・操作して、デスクトップ画面を更新すべく、デスクトップ画面データを携帯端末1に逐次送信する。一方、携帯端末1は、中継装置2からデスクトップ画面データを受信してデスクトップ画面を表示して、このデスクトップ画面に対する操作を操作者より受け付ける。そして、操作情報を中継装置2に送信する。
【0024】
図3は、本実施の形態に係るシンクライアントシステムにおいて、携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5内からサービスエリア5外に移動した場合の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0025】
携帯端末1と中継装置2との間にシンクライアント接続が確立している状態において(S200)、携帯端末1は、中継装置2のサービスエリア5外に移動したことを検知すると(S201)、中継装置2にシンクライアント切断要求を送信する(S202)。
【0026】
これを受けて、中継装置2は、シンクライアント接続を介して携帯端末1に提供するデスクトップ環境上で実行中のアプリケーションの有無を確認する(S203)。そして、このデスクトップ環境上で実行中のアプリケーションが存在するならば、このアプリケーションの指定および作業状態(このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアの内容)を含むオンライン引継情報を生成する(S204)。
【0027】
それから、中継装置2は、携帯端末1にシンクライアント切断応答を送信する。このとき、オンライン引継情報があるならば、このオンライン引継情報を、シンクライアント切断応答に付加して携帯端末1に送信する(S205)。これにより、携帯端末1と中継装置2との間のシンクライアント接続が切断され、中継装置2は、携帯端末1に提供するデスクトップ環境の生成(このデスクトップ環境上で実行中のアプリケーションの処理を含む)を終了する(S206)。
【0028】
一方、携帯端末1は、中継装置2からシンクライアント切断応答を受信すると、このシンクライアント切断応答にオンライン引継情報が付加されているか否かを確認する。そして、オンライン引継情報が付加されているならば、予め中継装置2からダウンロードして保存しておいたアプリケーションのなかから、このオンライン引継情報で指定されているアプリケーションを特定して実行するとともに、このオンライン引継情報に含まれている作業状態を、このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアに展開する。これにより、携帯端末1がシンクライアント接続を介して中継装置2から享受していたデスクトップ環境(携帯端末1のオンラインでのデスクトップ環境)を再現する(S207)。
【0029】
その後、携帯端末1は、予め中継装置2からダウンロードして保存しておいたアプリケーションのうち、実行中のアプリケーション以外のアプリケーションをすべて削除する(S208)。
【0030】
つぎに、本実施の形態に係るシンクライアントシステムを構成する携帯端末1および中継装置2の詳細を説明する。
【0031】
まず、携帯端末1の詳細を説明する。
【0032】
図4は、携帯端末1の概略機能構成図である。
【0033】
図示するように、携帯端末1は、無線インターフェース部101と、近距離無線インターフェース部102と、ユーザインターフェース部103と、携帯電話機能部104と、アプリケーション記憶部105と、アプリケーション実行部106と、エリア監視部107と、シンクライアント接続制御部108と、シンクライアント用クライアント処理部109と、アプリケーション管理部110と、オンライン引継処理部111と、オフライン引継情報生成部112と、を備えている。
【0034】
無線インターフェース部101は、3G、Wi−Fi等の無線通信により無線基地局4に接続するためのインターフェースである。
【0035】
近距離無線インターフェース部102は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により中継装置2に接続するためのインターフェースである。
【0036】
ユーザインターフェース部103は、ディスプレイ、スピーカ等の出力装置、および、操作パネル等の入力装置を備え、出力装置にデスクトップ画面等の情報を出力するとともに、入力装置を介して操作者から操作を受け付ける。
【0037】
携帯電話機能部104は、携帯電話としての機能を実現する処理部であり、無線インターフェース部101を介して相手装置との間に通話路を確立する。そして、この通話路を介して相手装置から受信した通話相手の通話データをユーザインターフェース部103に出力するとともに、ユーザインターフェース部103から受け取った操作者の通話データを、この通話路を介して相手装置に送信する。
【0038】
アプリケーション記憶部105には、後述するアプリケーション管理部110により中継装置2から取得したアプリケーションを含む各種アプリケーション(グループウェア、ワープロソフト、プレゼンテーションソフト、テレビ会議ソフト、ストリーミング再生ソフト等)が記憶される。
【0039】
アプリケーション実行部106は、ユーザインターフェース部103を介して受け付けた操作者の指示、あるいはオンライン引継処理部111の指示に従い、アプリケーション記憶部105に記憶されているアプリケーションを実行する。
【0040】
エリア監視部107は、中継装置2から送信される電波信号(例えばビーコン信号)の近距離無線インターフェース部102における受信強度に基づいて、自携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5に位置しているか否かを監視する。上述したように、中継装置2のサービスエリア5は、中継装置2の通信エリア6より狭く設定されているため、自携帯端末1がサービスエリア5内に位置していると判断される電波信号の受信強度のしきい値は、自携帯端末1が通信エリア6に位置していると判断される電波信号の受信強度のしきい値より高い。
【0041】
シンクライアント接続制御部108は、自携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5外からサービスエリア5内に移動したことをエリア監視部107により検出された場合に、中継装置2にシンクライアント接続要求を送信して、中継装置2との間にシンクライアント接続を確立する。また、自携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5内からサービスエリア5外に移動したことをエリア監視部107により検出された場合に、中継装置2にシンクライアント切断要求を送信して、中継装置2との間に確立されているシンクライアント接続を切断する。
【0042】
シンクライアント用クライアント処理部109は、シンクライアントシステムのクライアント端末としての機能を実現する処理部であり、シンクライアント接続を介して中継装置2からデスクトップ画面データを受信してユーザインターフェース部103に出力するとともに、ユーザインターフェース部103を介して操作者から、デスクトップ画面に対する操作を受け付け、シンクライアント接続を介して中継装置2に操作情報を送信する。
【0043】
アプリケーション管理部110は、自携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5外からサービスエリア5内に移動したことをエリア監視部107により検出された場合に、アプリケーションのダウンロード要求を中継装置2に送信し、中継装置2からアプリケーションを取得してアプリケーション記憶部105に記憶する。また、自携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5内からサービスエリア5外に移動したことをエリア監視部107により検出された場合に、中継装置2から取得したアプリケーションのうち、後述するオンライン引継処理部111により中継装置2から実行を引き継いだアプリケーション以外のアプリケーションを、アプリケーション記憶部105から削除する。
【0044】
オンライン引継処理部111は、シンクライアント切断要求に対する応答としてシンクライアント接続制御部108が中継装置2から受信したシンクライアント切断応答にオンライン引継情報が付加されている場合、アプリケーション記憶部105に記憶されているアプリケーションのなかから、このオンライン引継情報で指定されたアプリケーションを特定してアプリケーション実行部106に実行させるとともに、このオンライン引継情報に含まれている作業状態を、このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアに展開する。これにより、携帯端末1がシンクライアント接続を介して中継装置2に実行させていたアプリケーションの作業状態を復元する。
【0045】
オフライン引継情報生成部112は、シンクライアント接続制御部108による中継装置2へのシンクライアント接続要求の送信に先立ち、アプリケーション実行部106が実行中のアプリケーションの有無を確認する。そして、実行中のアプリケーションが存在するならば、このアプリケーションの指定および作業状態(このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアの内容)を含むオフライン引継情報を生成し、このオフライン引継情報をシンクライアント接続制御部108に渡す。
【0046】
図5は、携帯端末1の動作を説明するためのフロー図である。なお、このフローは、携帯端末1に電源が投入され、近距離無線インターフェース部102の機能が利用可能な状態になると開始する。
【0047】
まず、エリア監視部107は、自携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5外からサービスエリア5内に移動したことを検出すると(S300でYES)、その旨をアプリケーション管理部110およびシンクライアント接続制御部108に通知する。
【0048】
これを受けて、アプリケーション管理部110は、近距離無線インターフェース部102を介して中継装置2に、アプリケーションのダウンロード要求を送信する(S301)。そして、アプリケーション管理部110は、近距離無線インターフェース部102を介して中継装置2からアプリケーションを取得し、取得したアプリケーションをアプリケーション記憶部105に記憶する(S302)。
【0049】
シンクライアント接続制御部108は、オフライン引継情報生成部112にオフライン引継情報の生成を依頼する。これを受けて、オフライン引継情報生成部112は、アプリケーション実行部106で実行中のアプリケーションが存在するか否かを確認する(S303)。
【0050】
実行中のアプリケーションが存在しない場合(S303でNO)、オフライン引継情報生成部112は、オフライン引継情報なしをシンクライアント接続制御部108に通知する。これを受けて、シンクライアント接続制御部108は、近距離無線インターフェース部102を介して中継装置2に、シンクライアント接続要求を送信する(S304)。その後、S308に進む。
【0051】
一方、実行中のアプリケーションが存在する場合(S303でYES)、オフライン引継情報生成部112は、このアプリケーションの指定および作業状態(このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアの内容)を含むオフライン引継情報を生成する(S305)。それから、オフライン引継情報生成部112は、シンクライアント接続制御部108にオフライン引継情報を渡すとともに、アプリケーション実行部106に、実行中のアプリケーションを終了させる(S306)。シンクライアント接続制御部108は、近距離無線インターフェース部102を介して中継装置2に、渡されたオフライン引継情報を付加したシンクライアント接続要求を送信する(S307)。その後、S308に進む。
【0052】
S308において、シンクライアント接続制御部108は、近距離無線インターフェース部102を介して中継装置2からシンクライアント接続応答を受信して、中継装置2との間にシンクライアント接続を確立する。これにより、シンクライアント用クライアント処理部109は、シンクライアントシステムのクライアント端末としての処理を開始する(S309)。具体的には、シンクライアント接続を介して中継装置2からデスクトップ画面データを受信し、このデスクトップ画面データをユーザインターフェース部103に出力するとともに、ユーザインターフェース部103を介して操作者から操作を受け付け、シンクライアント接続を介して中継装置2に操作情報を送信する。
【0053】
また、エリア監視部107は、自携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5内からサービスエリア5外に移動したことを検出すると(S320でYES)、その旨をアプリケーション管理部110およびシンクライアント接続制御部108に通知する。
【0054】
これを受けて、シンクライアント接続制御部108は、近距離無線インターフェース部102を介して中継装置2にシンクライアント切断要求を送信する(S321)。その後、シンクライアント接続制御部108は、近距離無線インターフェース部102を介して中継装置2からシンクライアント切断応答を受信して(S322)、中継装置2との間に確立しているシンクライアント接続を切断する。これにより、シンクライアント用クライアント処理部109は、シンクライアントシステムのクライアント端末としての処理を終了する(S323)。
【0055】
つぎに、シンクライアント接続制御部108は、中継装置2から受信したシンクライアント切断応答にオンライン引継情報が付加されているか否かを調べる(S324)。シンクライアント切断応答にオンライン引継情報が付加されていない場合(S324でNO)、シンクライアント接続制御部108は、その旨をアプリケーション管理部110に通知する。これを受けて、アプリケーション管理部110は、S302において中継装置2から取得してアプリケーション記憶部105に記憶しておいたアプリケーションをすべて削除する(S325)。
【0056】
一方、シンクライアント切断応答にオンライン引継情報が付加されている場合(S324でYES)、シンクライアント接続制御部108は、オンライン引継処理部111に、このオンライン引継情報を渡して、アプリケーションの引継を指示する。これを受けて、オンライン引継処理部111は、アプリケーション記憶部105に記憶されているアプリケーションのなかから、このオンライン引継情報で指定されているアプリケーションを特定してアプリケーション実行部106に実行させるとともに、このオンライン引継情報に含まれている作業状態を、このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアに展開する。これにより、携帯端末1がシンクライアント接続を介して中継装置2に実行させていたアプリケーションの作業状態を復元する(S326)。
【0057】
つぎに、オンライン引継処理部111は、このオンライン引継情報で指定されているアプリケーションをアプリケーション管理部110に通知する。これを受けて、アプリケーション管理部110は、S302において中継装置2から取得してアプリケーション記憶部105に記憶しておいたアプリケーションのうち、通知されたアプリケーション以外をすべて削除する(S327)。
【0058】
つぎに、中継装置2の詳細を説明する。
【0059】
図6は、中継装置2の概略機能構成図である。
【0060】
図示するように、中継装置2は、近距離無線インターフェース部201と、ネットワークインターフェース部202と、アプリケーション記憶部203と、アプリケーション送信部204と、シンクライアント接続制御部205と、シンクライアント用サーバ処理部206と、オフライン引継処理部207と、オンライン引継情報生成部208と、を備えている。
【0061】
近距離無線インターフェース部201は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により携帯端末1と接続するためのインターフェースである。
【0062】
ネットワークインターフェース部202は、ネットワーク3に接続するためのインターフェースである。
【0063】
アプリケーション記憶部203には、後述するシンクライアント用サーバ処理部206で実行可能な各種アプリケーション(グループウェア、ワープロソフト、プレゼンテーションソフト、テレビ会議ソフト、ストリーミング再生ソフト等)が記憶されている。
【0064】
アプリケーション送信部204は、近距離無線インターフェース部201を介して携帯端末1より受信したダウンロード要求に従い、アプリケーション記憶部203に記憶されているすべてのアプリケーションを、近距離無線インターフェース部201を介して携帯端末1に送信する。
【0065】
シンクライアント接続制御部205は、近距離無線インターフェース部201を介して、携帯端末1より受信したシンクライアント接続要求に対するシンクライアント接続応答を送信して、携帯端末1との間にシンクライアント接続を確立する。また、近距離無線インターフェース部201を介して、携帯端末1より受信したシンクライアント切断要求に対するシンクライアント切断応答を送信して、携帯端末1との間に確立されているシンクライアント接続を切断する。
【0066】
シンクライアント用サーバ処理部206は、シンクライアントシステムのサーバとしての機能を実現する処理部であり、シンクライアント接続を介して携帯端末1に、アプリケーション記憶部203に記憶されている各種アプリケーションの実行環境(デスクトップ環境)を提供する。すなわち、シンクライアント接続を介して携帯端末1から操作情報を受信して、この操作情報に従い、アプリケーション記憶部203に記憶されているアプリケーションを実行・操作する。そして、その処理結果が反映されたデスクトップ画面データを生成し、このデスクトップ画面データを、シンクライアント接続を介して携帯端末1に送信する。
【0067】
オフライン引継処理部207は、シンクライアント接続制御部205が携帯端末1から受信したシンクライアント接続要求にオフライン引継情報が付加されている場合、アプリケーション記憶部203に記憶されているアプリケーションのなかから、このオフライン引継情報で指定されたアプリケーションを特定してシンクライアント用サーバ処理部206に実行させるとともに、このオフライン引継情報に含まれている作業状態を、このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアに展開する。これにより、携帯端末1がシンクライアント接続前(オフライン)に実行していたアプリケーションの作業状態を、シンクライアント接続を介して携帯端末1に提供するデスクトップ環境上に復元する。
【0068】
オンライン引継情報生成部208は、シンクライアント接続制御部205による携帯端末1へのシンクライアント切断応答の送信に先立ち、シンクライアント用サーバ処理部206で実行中のアプリケーションの有無を確認する。そして、実行中のアプリケーションが存在するならば、このアプリケーションの指定および作業状態(このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアの内容)を含むオンライン引継情報を生成し、このオンライン引継情報をシンクライアント接続制御部205に渡す。
【0069】
図7は、中継装置2の動作を説明するためのフロー図である。
【0070】
アプリケーション送信部204は、近距離無線インターフェース部201を介して携帯端末1からアプリケーションのダウンロード要求を受信すると(S400でYES)、アプリケーション記憶部203に記憶されているアプリケーションをすべて読み出し、近距離無線インターフェース部201を介して携帯端末1にこれらのアプリケーションを送信する(S401)。
【0071】
また、シンクライアント接続制御部205は、近距離無線インターフェース部201を介して携帯端末1からシンクライアント接続要求を受信すると(S410でYES)、このシンクライアント接続要求にオフライン引継情報が付加されているか否かを確認する(S411)。オフライン引継情報が付加されていないならば(S411でNO)、S413に進む。一方、オフライン引継情報が付加されているならば(S411でYES)、シンクライアント接続制御部205は、オフライン引継処理部207に、このオフライン引継情報を渡してアプリケーションの引継を指示する。これを受けて、オフライン引継処理部207は、アプリケーション記憶部203に記憶されているアプリケーションのなかから、このオフライン引継情報で指定されているアプリケーションを特定し、このアプリケーションをシンクライアント用サーバ処理部206に実行させるとともに、このオフライン引継情報に含まれている作業状態を、このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアに展開する。これにより、携帯端末1がシンクライアント接続前に実行していたアプリケーションの作業状態を、シンクライアント接続を介して携帯端末1に提供するデスクトップ環境上に復元する(S412)。その後、S413に進む。
【0072】
S413において、シンクライアント接続制御部205は、近距離無線インターフェース部201を介して携帯端末1にシンクライアント接続応答を送信して、携帯端末1との間にシンクライアント接続を確立する。これにより、シンクライアント用サーバ処理部206は、シンクライアントシステムのサーバとしての処理を開始する(S414)。具体的には、シンクライアント接続を介して携帯端末1から操作情報を受信して、この操作情報に従い、アプリケーション記憶部203に記憶されているアプリケーションを実行・操作する。そして、その処理結果が反映されたデスクトップ画面データを生成し、シンクライアント接続を介して携帯端末1に、このデスクトップ画面データを送信する。
【0073】
また、シンクライアント接続制御部205は、近距離無線インターフェース部201を介して携帯端末1からシンクライアント切断要求を受信すると(S420でYES)、オンライン引継情報の生成をオンライン引継情報生成部208に依頼する。これを受けて、オンライン引継情報生成部208は、シンクライアント用サーバ処理部206で実行中のアプリケーションが存在するか否かを確認する(S421)。
【0074】
実行中のアプリケーションが存在しない場合(S421でNO)、オンライン引継情報生成部208は、オンライン引継情報なしをシンクライアント接続制御部205に通知する。これを受けて、シンクライアント接続制御部205は、近距離無線インターフェース部201を介して携帯端末1にシンクライアント切断応答を送信して(S422)、携帯端末1との間に確立しているシンクライアント接続を切断する。これにより、シンクライアント用サーバ処理部206は、シンクライアントシステムのサーバとしての処理を終了する(S426)。
【0075】
一方、実行中のアプリケーションが存在する場合(S421でYES)、オンライン引継情報生成部208は、このアプリケーションの指定および作業状態(このアプリケーションのためにメモリ等に確保されたワークエリアの内容)を含むオンライン引継情報を生成する(S423)。それから、オンライン引継情報生成部208は、このオンライン引継情報をシンクライアント接続制御部205に渡すとともに、シンクライアント用サーバ処理部206に、実行中のアプリケーションを終了させる(S424)。これを受けて、シンクライアント接続制御部205は、近距離無線インターフェース部201を介して携帯端末1に、オンライン引継情報が付加されたシンクライアント切断応答を送信し(S425)、携帯端末1との間に確立しているシンクライアント接続を切断する。これにより、シンクライアント用サーバ処理部206は、シンクライアントシステムのサーバとしての処理を終了する(S426)。
【0076】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0077】
本実施の形態において、携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5外からサービスエリア5内に移動した場合、携帯端末1は、中継装置2との間にシンクライアント接続を確立するともに、中継装置2からアプリケーションを取得して記憶する。一方、中継装置2は、シンクライアント接続を介して携帯端末1のために実行可能なすべてのアプリケーションを携帯端末1に送信するとともに、シンクライアント接続を介して受け付けた携帯端末1の操作情報に従いアプリケーションを実行・操作する。
【0078】
また、携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5内からサービスエリア5外に移動した場合に、携帯端末1は、シンクライアント接続を切断するとともに、中継装置2からオンライン引継情報を受信し、このオンライン引継情報に基づいて、アプリケーションを実行し、作業状態を引き継ぐ。また、中継装置2から取得して記憶しておいたアプリケーションのうち、このオンライン引継情報で指定されているアプリケーション以外のアプリケーションを削除する。一方、中継装置2は、シンクライアント接続を介して受け付けた携帯端末1の操作情報に従って実行しているアプリケーションの指定および作業状態を含むオンライン引継情報を生成して、このオンライン引継情報を携帯端末1に送信するとともに、実行中のアプリケーションを終了する。
【0079】
このように、携帯端末1は、中継装置2のサービスエリア5内にいる場合には、中継装置2にシンクライアント接続し、中継装置2のリソースを利用することにより、携帯端末1のCPUの負荷等を軽減することができる。また、携帯端末1は、中継装置2のサービスエリア5外に移動した場合には、中継装置2に実行させていたアプリケーションの作業状態を引き継いで、このアプリケーションの実行をオフラインで継続するとともに、中継装置2から取得したアプリケーションのうち、この作業状態を引き継いだアプリケーション以外のすべてのアプリケーションを削除することにより、携帯端末1のメモリの消費等を低減することができる。このため、本実施の形態によれば、携帯端末1のリソースを効率的に使用して多種多様なアプリケーションを利用することができる。
【0080】
また、本実施の形態において、携帯端末1は、中継装置2のサービスエリア5内に移動した場合、実行中のアプリケーションの指定および作業状態を含むオフライン引継情報を生成して、このオフライン引継情報を中継装置2に送信する。一方、中継装置2は、シンクライアント接続の確立に際して、アプリケーションの指定および作業状態を含むオフライン引継情報を携帯端末1から受信し、このオフライン引継情報に基づいて、携帯端末1が実行していたアプリケーションを実行し、作業状態を引き継ぐ。このように、本実施の形態によれば、シンクライアント接続の確立前後でアプリケーションの作業状態を携帯端末1および中継装置2間で引き継ぐことがきるので、シンクライアントシステムの使い勝手が向上する。
【0081】
また、本実施の形態において、携帯端末1は、中継装置2から送信される電波信号の信号強度に基づいて、自携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5に位置しているか否かを監視する。ここで、中継装置2のサービスエリア5は、中継装置2の通信エリア6より狭く設定されている。このため、携帯端末1は、中継装置2のサービスエリア5外に移動した場合でも、通信エリア6内であれば、中継装置2と確実に情報のやり取りを行うことができる。
【0082】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0083】
例えば、上記の実施の形態では、携帯端末1および中継装置2間を近距離無線通信により接続しているが、無線LAN等の一般的な無線通信により接続するものでもよい。
【0084】
また、上記の実施の形態では、無線通信により携帯端末1と接続して携帯端末1およびネットワーク3間を中継する中継装置2に、シンクライアントシステムのサーバとしての機能を持たせている。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、図1(B)に示すように、シンクライアントシステムのサーバとして機能するサーバ装置2Aを、無線通信により携帯端末1と接続する一般的な中継装置2Bとは別に設けて、サーバ装置2Aおよび中継装置2B間をネットワーク3で接続するようにしてもよい。この場合、サーバ装置2Aは、図6に示す中継装置2から近距離無線インターフェース部201を省略し、アプリケーション送信部204およびシンクライアント接続制御部205をネットワークインターフェース部202に接続した構成になる。
【0085】
また、上記の実施の形態において、携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5外からサービスエリア5内に移動した際に、携帯端末1が中継装置2からアプリケーションを取得しているが、本発明はこれに限定されない。携帯端末1が中継装置2のサービスエリア5内からサービスエリア5外に移動した際に、中継装置2で実行していたアプリケーションをオンライン引継情報とともに、中継装置2が携帯端末1に送信することで、携帯端末1が中継装置2からアプリケーションを取得するようにしてもよい。
【0086】
また、上記の実施の形態において、図4に示す携帯端末1および図6に示す中継装置2の機能構成は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。もしくは、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)、無線アダプタ等の通信インターフェースを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0087】
1:携帯端末、2:中継装置、3:ネットワーク、4:無線基地局、5:サービスエリア、6:通信エリア、101:無線インターフェース部、102:近距離無線インターフェース部、103:ユーザインターフェース部、104:携帯電話機能部、105:アプリケーション記憶部、106:アプリケーション実行部、107:エリア監視部、108:シンクライアント接続制御部、109:シンクライアント用クライアント処理部、110:アプリケーション管理部、111:オンライン引継処理部、112:オフライン引継情報生成部、201:近距離無線インターフェース部、202:ネットワークインターフェース部、203:アプリケーション記憶部、204:アプリケーション送信部、205:シンクライアント接続制御部、206:シンクライアント用サーバ処理部、207:オフライン引継処理部、208:オンライン引継情報生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクライアントシステムのプログラム実行方法であって、
前記シンクライアントシステムのクライアント端末として機能する携帯端末が、前記シンクライアントシステムのサーバとして機能するサーバ装置のサービスエリア外からサービスエリア内に移動した場合に、
前記携帯端末は、前記サーバ装置との間にシンクライアント接続を確立するともに、前記サーバ装置からプログラムを取得して記憶し、
前記サーバ装置は、前記携帯端末のために実行可能な前記プログラムを前記携帯端末に送信するとともに、前記シンクライアント接続を介して前記携帯端末から受け付けた指示に従いプログラムを実行し、
前記携帯端末が、前記サーバ装置のサービスエリア内からサービスエリア外に移動した場合に、
前記携帯端末は、前記シンクライアント接続を切断するとともに、前記サーバ装置からオンライン引継情報を受信し、当該オンライン引継情報に基づいて、プログラムを実行して作業状態を引き継ぎ、かつ前記サーバ装置から取得して記憶しておいたプログラムのうち、当該オンライン引継情報で指定されているプログラム以外のプログラムを削除し、
前記サーバ装置は、前記シンクライアント接続を介して前記携帯端末から受け付けた前記指示に従い実行中のプログラムの指定および作業状態を含む前記オンライン引継情報を生成して、当該オンライン引継情報を前記携帯端末に送信するとともに、当該実行中のプログラムを終了する
ことを特徴とするシンクライアントシステムのプログラム実行方法。
【請求項2】
シンクライアントシステムのクライアント端末として機能する携帯端末であって、
自携帯端末が、前記シンクライアントシステムのサーバとして機能するサーバ装置のサービスエリアに位置しているか否かを監視するエリア監視手段と、
前記エリア監視手段により自携帯端末が前記サーバ装置のサービスエリア外からサービスエリア内に移動したことを検出された場合に、前記サーバ装置との間にシンクライアント接続を確立し、前記エリア監視手段により自携帯端末が前記サーバ装置のサービスエリア内からサービスエリア外に移動したことを検出された場合に、当該シンクライアント接続を切断するシンクライアント接続制御手段と、
前記エリア監視手段により自携帯端末が前記サーバ装置のサービスエリア外からサービスエリア内に移動したことを検出された場合に、前記シンクライアント接続を介して前記サーバ装置に実行させることが可能なプログラムを前記サーバ装置から取得するプログラム取得手段と、
前記プログラム取得手段により取得されたプログラムを記憶する取得プログラム記憶手段と、
前記エリア監視手段により自携帯端末が前記サーバ装置のサービスエリア内からサービスエリア外に移動したことを検出された場合に、前記サーバ装置で実行中のプログラムの指定および作業状態を含むオンライン引継情報を前記サーバ装置から受信して、当該オンライン引継情報に基づいて、前記シンクライアント接続を介して前記サーバ装置に実行させていたプログラムを実行し、作業状態を引き継ぐオンライン引継手段と、
前記取得プログラム記憶手段から、前記オンライン引継手段により実行されているプログラム以外のプログラムを削除する取得プログラム削除手段と、を有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末であって、
前記エリア監視手段により自携帯端末が前記サーバ装置のサービスエリア外からサービスエリア内に移動したことを検出された場合に、実行中のプログラムの指定および作業状態を含むオフライン引継情報を生成し、当該オフライン引継情報を前記サーバ装置に送信するオフライン引継情報送信手段を、さらに有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
シンクライアントシステムのサーバとして機能するサーバ装置であって、
前記シンクライアントシステムのクライアント端末として機能する携帯端末に、シンクライアント接続を介して当該携帯端末のために実行可能なプログラムを、当該携帯端末に送信するプログラム送信手段と、
前記携帯端末との間に確立されている前記シンクライアント接続の切断に際して、当該シンクライアント接続を介して前記携帯端末から受け付けた指示に従い、実行中のプログラムの指定および作業状態を含むオンライン引継情報を生成し、当該オンライン引継情報を前記携帯端末に送信するオンライン引継情報送信手段と、を有する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のサーバ装置であって、
前記シンクライアント接続の確立に際して、前記携帯端末で実行中のプログラムの指定および作業状態を含むオフライン引継情報を前記携帯端末から受信して、当該オフライン引継情報に基づいて、前記携帯端末が実行していた前記プログラムを実行し、作業状態を引き継ぐオフライン引継手段をさらに有する
ことを特徴とするサーバ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−41351(P2013−41351A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176558(P2011−176558)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】