説明

シンクロ分析器の保存及び注入機構

【課題】 液体混合の効率を向上できるシンクロ分析器の保存及び注入機構を提供する。
【解決手段】 回転盤装置は10、駆動ユニット11と受け台12とを有する。受け台12は、駆動ユニット11に連結されている。若干の保存注入ユニット20は、それぞれ保存筒22と作用ユニット23とを有する。保存筒22は、一定の距離で受け台12の周辺上に連接され、その中に液体を収納するための収納室221を有し、保存筒22の底縁に外界と収納室221に繋がる注入孔222を有する。作用ユニット23は、収納室221内に位置付けられている。回転盤装置10により各保存注入ユニット20を動かして回転させ、一つの所定の保存注入ユニット20を所定の位置に置き、所定の位置における作用ユニット23を移動させ、収納室221内の液体を注入孔222から押し出すことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクロ分析器に関し、詳しく言えば、シンクロ分析器の保存及び注入機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、多種の液体を混合して所要の製品を完成させるか、混合後の状態を検査する場合、伝統的な方法として、人の手で各種の液体を汲み取り、容器に入れて、容器を振動させて、各種の混合液体を調合する。しかし、人の手で汲み取る方法はあまりにも遅すぎるため、その代わりに、シンクロ分析器が普遍的に使用されている。現今のシンクロ分析器は、通常、若干の容器により各種の異なる液体を保存し、移動可能な注入器により各種の液体を汲み取って、調合用の容器に注入する。詳しく言えば、シンクロ分析器は、注入器により第一種の液体を汲み取り、そののち、注入器を調合用の容器の上に移動させ、注入器内の液体を調合用の容器内に注入し、続いて、洗浄液体を注入器内に流し、そして、洗浄液体を収集容器内に注入することで、洗浄液体で注入器を洗浄し、そののち、注入器を移動させて第二種の液体を汲み取り、そして、第二種の液体を調合用の容器に注入し、続いて、注入器により第三種、第四種の液体を汲み取る作業と注入が完了するたびに実行しなければならない洗浄作業とを繰り返すことで、多種の液体を調合するステップを完成させるものである。しかし、このようなシンクロ分析器は、単一の注入器だけで汲み取りと注入の作業を実行するため、注入が完了するたびに洗浄のステップを進めることが必要である。したがって、汲み取りと注入により調合を作業する過程があまりにも長すぎるだけではなく、洗浄作業に必要なユニットと洗浄ステップがかなり複雑である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の問題点に鑑みて、本発明の主な目的は、液体混合の効率を増進することが可能であるシンクロ分析器の保存及び注入機構を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、ユニットが比較的に単純であるシンクロ分析器の保存及び注入機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するために、本発明によるシンクロ分析器の保存及び注入機構は、回転盤装置と、若干の保存注入ユニットとを備える。回転盤装置は、駆動ユニットと受け台とを有し、そのうちの受け台が駆動ユニットに連結されることで、駆動ユニットの駆動を受けて回転可能である。若干の保存注入ユニットは、それぞれ保存筒と作用ユニットとを有し、そのうちの各保存筒が一定の距離で受け台の周辺上に連接され、その中に液体を収納するための収納室を有し、かつ保存筒の底縁に外界と収納室に繋がる注入孔を有し、作用ユニットが保存筒の収納室内に位置付けられ、収納室内で往復移動することが可能である。それによって、回転盤装置により各保存注入ユニットを動かして回転させ、そのうちの一つの所定の保存注入ユニットを所定の位置に置き、そして、所定の位置における作用ユニットを移動させ、収納室内の液体を注入孔から押し出すことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明の特徴と目的を実施例と図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例の平面を示す模式図である。
図2は、図1に示す実施例の側面を示す模式図である。
図3は、図1に示す実施例の作動を示す模式図である。
図4は、図1に示す実施例の作動を示す模式図である。
【0006】
図1と図2に示すように、本発明の一実施例によるシンクロ分析器の保存及び注入機構100は、回転盤装置10と、若干の保存注入ユニット20とを備える。
回転盤装置10は、駆動ユニット11と、受け台12とを有する。駆動ユニット11は、モーター本体111と、回転軸112とを有し、そのうちのモーター本体111が平台に装着され、回転軸112がモーター本体111に固定されることで、モーター本体111の駆動により回転軸112を動かして回転させることが可能であり、受け台12は円盤状を呈し、その円心の位置で回転軸112と連結され、かつ受け台12の周辺に若干の収納区域121が設けられている。
【0007】
保存注入ユニット20は、連結部21と、保存筒22と、作用ユニット23とを有する。連結部21は、フレーム台であり、その一側が回転盤装置10の収納区域121に固定される。保存筒22は、連結部21の他側に連接されることで、受け台12の周辺上に位置し、かつ保存筒22の中に液体を収納するための収納室221を有し、かつ保存筒22の底縁に外界と収納室221に繋がる注入孔222を有する。作用ユニット23は、ピストンであり、保存筒22の収納室221中に装着され、外力の駆動により収納室221の中において上下に往復移動することが可能である。また、作用ユニット23は、周縁が収納室221の内壁に密着する。したがって、作用ユニット23が作動しないと、収納室221内の液体が勝手に注入孔222から流出することはない。
【0008】
以上は、本発明の一実施例における部品及びその構造関係についての説明である。以下、本実施例の作動方法について説明する。
図3と図4に示すように、まず各保存注入ユニット20の収納室221内に各種の異なる液体をいっぱいになるまで注ぎ、保存注入ユニット20ごとに異なる液体を入れる。何種かの液体を所定の容量で調合容器30に注入する場合、まず調合容器30を所定の位置に移動させ、所定の位置をちょうどシンクロ分析器の保存及び注入機構100の一側かつ一つの保存注入ユニット20の下方に設定し、そののち、駆動ユニット11により受け台12を動かして回転させることで、所定の液体が入っている一つの保存注入ユニット20を調合容器30の上方まで回転させ、続いて、保存注射ユニット20の作用ユニット23を収納室221内で下へ押し出すことで、収納室221内の所定の容量の液体を注入孔222から流出させ、下方の調合容器30内に流入させ、そののち、駆動ユニット11により受け台12を動かして回転させ、ほかの一つの保存注入ユニット20を調合容器30の上方まで動かして、続いて、作用ユニット23の作動により保存注入ユニット20内の液体を調合容器30内に注入する。そうすると、駆動ユニット11の駆動によりいくつかの所定の保存注入ユニット20内の液体を調合容器30内に注入し、最後に、ほかの機構により調合容器30を振動させることで、調合容器30内の各種の液体を均質に混合することが可能である。
【0009】
本発明は、複数個の独立の保存注入ユニットにより異なる液体を収納し、保存注入ユニットが回転盤装置により駆動され、そのうちの一つの保存注入ユニットが液体を調合容器に注入し終わると、再び回転盤装置により駆動され、次の異なる液体が入っている保存注入ユニットが所定の位置まで移動されて注入の動作を進行させ、このようなステップを繰り返すことで、もっとも速いスピードで各種の適量の液体を同じ調合容器に注入することが可能である。したがって、注入筒を洗浄するステップ及びそれに必要な部品を省き、効率を確実に高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例によるシンクロ分析器の保存及び注入機構の平面を示す模式図である。
【図2】図1に示す実施例の側面を示す模式図である。
【図3】図1に示す実施例の作動を示す模式図である。
【図4】図1に示す実施例の作動を示す模式図である。
【符号の説明】
【0011】
10 回転盤装置、11 駆動ユニット、12 受け台、20 保存注入ユニット、21 連結部、22 保存筒、23 作用ユニット、30 調合容器、100 シンクロ分析器の保存及び注入機構、111 モーター本体、112 回転軸、121 収納区域、221 収納室、222 注入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ユニットと受け台とを有し、受け台が駆動ユニットに連結されることで、駆動ユニットの駆動を受けて回転可能である回転盤装置と、
それぞれ保存筒と作用ユニットとを有し、各保存筒が一定の距離で受け台の周辺上に連接され、その中に液体を収納するための収納室を有し、保存筒の底縁に外界と収納室に繋がる注入孔を有し、作用ユニットが保存筒の収納室内に位置付けられ、収納室内で往復移動を可能にする若干の保存注入ユニットと、
を備えることで、回転盤装置により各保存注入ユニットを動かして回転させ、一つの所定の保存注入ユニットを所定の位置に置き、所定の位置における作用ユニットを移動させ、収納室内の液体を注入孔から押し出すことが可能であることを特徴とするシンクロ分析器の保存及び注入機構。
【請求項2】
駆動ユニットは、モーター本体と回転軸とを有し、モーター本体が平台に装着され、回転軸がモーター本体に固定されることで、モーター本体の駆動により回転軸を動かして回転させることが可能であり、受け台は回転軸に連結され、モーター本体の駆動を受けて回転することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のシンクロ分析器の保存及び注入機構。
【請求項3】
受け台は、円盤状を呈し、円心の位置で駆動ユニットと連結され、受け台の周辺に一定の距離で若干の収納区域が設けられ、各保存筒は各収納区域の中に連接されることを特徴とする請求項1に記載のシンクロ分析器の保存及び注入機構。
【請求項4】
各保存注入ユニットは、各保存筒を受け台の周辺に連接するための連結部を有することを特徴とする請求項1に記載のシンクロ分析器の保存及び注入機構。
【請求項5】
連結部は、フレーム台であり、一側が受け台の周辺上に固定され、他側が保存筒に連接されることを特徴とする請求項4に記載のシンクロ分析器の保存及び注入機構。
【請求項6】
作用ユニットは、ピストンであり、周縁が収納室の内壁に密着することを特徴とする請求項1に記載のシンクロ分析器の保存及び注入機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−220604(P2006−220604A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36107(P2005−36107)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(505054357)高僑自動化科技股▲分▼有限公司 (10)
【Fターム(参考)】