説明

シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて発信源と少なくとも1つの受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報を転送するための方法及びデバイス、並びに、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて発信源と受信機との間の無線リンクを推定するための方法及びデバイス

【課題】シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて、発信源と少なくとも1つの受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報を転送するための方法を提供する。
【解決手段】発信源は、データを時間領域から周波数領域に拡散し、拡散されたデータの少なくとも一部を少なくとも1つのパイロット系列に置き換え、少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない拡散されたデータ、及び、拡散されたデータを置き換える少なくとも1つのパイロット系列を、サブキャリア上にマッピングし、直交周波数分割多重変調されたシンボルを形成するために、マッピングされたデータ及び少なくとも1つのマッピングされたパイロット系列に対して、直交周波数分割多重変調を実行し、直交周波数分割多重変調されたシンボルを受信機に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて発信源と受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報を転送するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
シングルキャリア直交周波数分割多重変調方式は、直交周波数分割多重タイプの多重化を用いるが、シングルキャリアのような包絡線を有する変調方式である。この変調方式は、時間領域又は周波数領域のいずれかにおいて実施することができ、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重とも呼ばれる。
【0003】
直交周波数分割多重に関する主な利点は、離散フーリエ変換プリコーディングが信号のシングルキャリア特性、すなわち低いピーク対平均電力比を復元することである。
【0004】
発信源と受信機との間の無線リンクの推定値を求められるようにするために、パイロット系列の送信が必要となる。一般的には、送信される信号のピーク対平均電力比構成を完全に劣化させることなくシングルキャリア直交周波数分割多重変調方式のデータにパイロット系列を散在させることはできないと考えられている。
【0005】
そのため、非特許文献1では、パイロット系列は全てのサブキャリア上にマッピングされ、パイロットシンボルとして参照される。このようなパイロットシンボルは、フレーム内に規則的に挿入される。この場合、チャネル推定を実行する古典的な方法は、パイロットシンボル位置においてチャネルを推定することであり、最終的には、2つのパイロットシンボル間の時間補間を実行することによって、全ての位置においてチャネルが推定される。
【0006】
この古典的な方法の欠点は、時間補間において現れる。データスループットを過度に低下させないために、挿入されるパイロットシンボルの数を制限しなければならない。たとえば、パイロット挿入レートが1/12である場合には、12個の直交周波数分割多重シンボル毎に1つのパイロットシンボルが挿入されることを意味する。これは、システムが、たとえばドップラー効果に起因する信号のチャネル変動に追従する能力を制限する。
【0007】
ナイキスト定理によれば、直交周波数分割多重レートが1/Tsである場合には、最大許容ドップラー周波数の限度は以下の式に等しい。
【0008】
【数1】

【0009】
この限度はパイロット構成そのものに起因しており、関連する推定方法には依らない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP TSG-RAN, "TR 25.814:"Physical Layer Aspects for Evolved UTRA", Version 7.1.0, 2006-09
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、シングルキャリア直交周波数分割多重変調方式の低いピーク対平均電力比構成を保持しながら、チャネル変動に良好に追従できるようにする方法及びデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的のために、本発明は、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて、発信源と少なくとも1つの受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報を転送するための方法に関する。
この方法は、発信源によって実行される以下のステップ:
− データを時間領域から周波数領域に拡散するステップと、
− 拡散されたデータの少なくとも一部を少なくとも1つのパイロット系列に置き換えるステップと、
− 少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない拡散されたデータ、及び、拡散されたデータを置き換える少なくとも1つのパイロット系列を、サブキャリア上にマッピングするステップと、
− 直交周波数分割多重変調されたシンボルを形成するために、マッピングされたデータ及び少なくとも1つのマッピングされたパイロット系列に対して、直交周波数分割多重変調を実行するステップと、
− 直交周波数分割多重変調されたシンボルを受信機に転送するステップと
を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて、発信源と少なくとも1つの受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報を転送するためのデバイスにも関する。
このデバイスは、発信源に含まれ、
− データを時間領域から周波数領域に拡散する手段と、
− 拡散されたデータの少なくとも一部を少なくとも1つのパイロット系列に置き換える手段と、
− 少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない拡散されたデータ、及び、拡散されたデータを置き換える少なくとも1つのパイロット系列を、サブキャリア上にマッピングする手段と、
− 直交周波数分割多重変調されたシンボルを形成するために、マッピングされたデータ及び少なくとも1つのマッピングされたパイロット系列に対して、直交周波数分割多重変調を実行する手段と、
− 直交周波数分割多重変調されたシンボルを受信機に転送する手段と
を備えることを特徴とする。
【0014】
したがって、データとパイロット系列が併合されるので、データスループットを低下させることなく、パイロット系列挿入の周期性を高めることができ、シングルキャリア直交周波数分割多重変調方式における低いピーク対平均電力比構成を保持しながら、チャネル変動及び/又は同期に対してさらに効率的に追従する。
【0015】
本発明者は、拡散されたデータの一部を少なくとも1つのパイロット系列に置き換えることによって、シングルキャリア直交周波数分割多重変調方式における低いピーク対平均電力比構成が保持されることを見出した。
【0016】
特定の特徴によれば、少なくとも1つのパイロット系列は、当該少なくとも1つのパイロット系列にわたって離散フーリエ変換を実行した後に得られる振幅の変動が制限されるという特徴を有する。
【0017】
したがって、ピーク対平均電力比が向上する。
【0018】
特定の特徴によれば、少なくとも1つのパイロット系列がサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされるか、又は、少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない拡散されたデータがサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされる。
【0019】
したがって、ピーク対平均電力比が向上する。
【0020】
本発明者は、時間次元におけるグローバル信号は、2つの多重化された信号、すなわち、データとパイロット系列の和に対応することを見出した。時間次元における補間は線形過程であるので、補間されたグローバル信号も2つの信号、すなわち、補間されたデータ信号と補間されたパイロット信号の和に対応する。
【0021】
時間次元内のデータに対して、補間が実行されずにx相位相変調コンスタレーションが用いられる場合には、サンプル周期毎に一定の振幅が得られ、補間後の最大ピークはこれらの時刻のちょうど中間に配置される。同じ現象は、整数のサンプリング周期だけシフトされる少なくとも1つのパイロット系列にわたって離散フーリエ変換を実行した後にも概ね一定の振幅が得られるという特性を有するパイロット系列の場合にも生じる。
【0022】
それゆえ、この場合、2つの信号が加算され、そのピークは同じ位置に配置される。パイロット系列、又は、少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない拡散されたデータを、サンプリング周期の半分だけ時間的にシフトすることによって、各信号のピークがインターリーブされる。これは、グローバル信号のピーク、すなわち、両者の和が低減されることを意味する。
【0023】
一定でないコンスタレーション、たとえば16直交振幅変調又は64直交振幅変調が用いられる場合には、振幅はサンプル周期毎にもはや一定ではない。しかしながら、それらのピークは依然として同じ位置、すなわち、これらの時刻のちょうど中間に配置されることになり、グローバル信号のピークは依然として、パイロット系列を修正することによって低減されることになる。
【0024】
特定の特徴によれば、少なくとも1つのパイロット系列は、Zadoff−Chu系列である。
【0025】
したがって、ピーク対平均電力比が向上する。
【0026】
特定の特徴によれば、この方法は、時間領域から周波数領域に拡散するのに先だって、
− 基本シンボルを形成するために、データを符号化して変調するステップと、
− 2つの基本シンボルのうちの1つに対して、所定の角度値のコンスタレーションシフトを実行するステップと
をさらに含む。
【0027】
したがって、ピーク対平均電力比が向上する。
【0028】
特定の特徴によれば、変調は4相位相変調であり、所定の値は45に等しい。
【0029】
したがって、ピーク対平均電力比が向上する。
【0030】
特定の特徴によれば、発信源は、直交周波数分割多重変調されたシンボルを転送するための1つのアンテナ又は複数のアンテナを有する。
【0031】
したがって、ピーク対平均電力比が向上する。
【0032】
特定の特徴によれば、この方法は、複数の連続したシングルキャリア直交周波数分割多重変調シンボルに対して実行される。
【0033】
また、本発明は、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて発信源と受信機との間の無線リンクを推定するための方法にも関する。
この方法は、受信機によって実行される以下のステップ:
− シンボルを受信するステップと、
− 受信されたシンボルを時間領域から周波数領域に変換するステップであって、当該受信されたシンボルはデータ及び少なくとも1つのパイロット系列によって形成され、データ及びパイロット系列はリンクのサブキャリア上にマッピングされている、変換するステップと、
− 少なくとも1つのパイロット系列がマッピングされたサブキャリア上、及び、データがマッピングされたサブキャリア上において、リンクを推定するステップと、
− 少なくとも1つのパイロット系列の各要素を、信頼性情報が0に設定された要素に置き換えるステップと、
− データがマッピングされたサブキャリア上、及び、要素がマッピングされた各サブキャリア上において、リンクの等化を実行するステップと
を含むことを特徴とする。
【0034】
また、本発明は、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて発信源と受信機との間の無線リンクを推定するためのデバイスにも関する。
このデバイスは、受信機に含まれ、
− シンボルを受信する手段と、
− 受信されたシンボルを時間領域から周波数領域に変換する手段であって、当該受信されたシンボルはデータ及び少なくとも1つのパイロット系列によって形成され、データ及びパイロット系列はリンクのサブキャリア上にマッピングされている、変換する手段と、
− 少なくとも1つのパイロット系列がマッピングされたサブキャリア上、及び、データがマッピングされたサブキャリア上において、リンクを推定する手段と、
− 少なくとも1つのパイロット系列の各要素を、信頼性情報が0に設定された要素に置き換える手段と、
− データがマッピングされたサブキャリア上、及び、要素がマッピングされた各サブキャリア上において、リンクの等化を実行する手段と
を備えることを特徴とする。
【0035】
したがって、通信の全体性能を過度に低下させることなく、無線リンクを推定するか、又は同期を実行することができる。少なくとも1つのパイロット系列の各要素を、信頼性情報が0に設定された要素に置き換えることにより、発信源において実行されるパンクチャリングによって、受信機における等化の性能は劣化しないか、又は過度には劣化しない。
【0036】
特定の特徴によれば、少なくとも1つのパイロット系列は、少なくとも1つのパイロット系列にわたって離散フーリエ変換を実行した後に得られる振幅の変動が制限されるという特性を有する。
【0037】
したがって、ピーク対平均電力比が向上する。
【0038】
特定の特徴によれば、少なくとも1つのパイロット系列がサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされるか、又は、少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない拡散されたデータがサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされる。
【0039】
したがって、ピーク対平均電力比が向上する。
【0040】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラム可能デバイス内に直接ロード可能であるコンピュータープログラムにも関する。このコンピュータープログラムは、プログラム可能デバイス上で実行されたときに本発明による方法のステップを実施するための命令又はコードの一部を含む、
【0041】
コンピュータープログラムに関連する特徴及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連して上記で記述されたのと同じであるので、ここでは繰り返さない。
【0042】
本発明の特徴は、一例の実施形態に関する以下の説明を読むことからさらに明らかになり、この説明は添付の図面を参照しながら提示される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明が実施される無線リンクを表す図である。
【図2】本発明が実施される発信源のアーキテクチャを表す図である。
【図3】発信源の無線インターフェースの構成要素のブロック図である。
【図4】本発明による、発信源のフレームビルダーのブロック図である。
【図5a】本発明による、パイロット系列とデータの併合の第1の例の図である。
【図5b】本発明による、パイロット系列とデータの併合の第2の例の図である。
【図6】本発明が実施される受信機のアーキテクチャを表す図である。
【図7】受信機の無線インターフェースの構成要素のブロック図である。
【図8】本発明による、発信源によって実行されるアルゴリズムの一例の図である。
【図9】本発明による、受信機によって実行されるアルゴリズムの一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、本発明が実施される無線リンクを表す図である。
【0045】
本発明は、発信源Srcによって転送される信号が受信機Recに対してブロードキャストされる例において開示される。発信源Srcは、衛星Stに含めることもできるし、陸上送信機Ttに含めることもできる。
【0046】
簡単にするために、図1には1つの衛星St及び1つの陸上送信機Stしか示されていないが、無線リンクはさらに多くの数の衛星St及び/又は陸上送信機Stを含むこともできる。
【0047】
簡単にするために、図1には1つの受信機Recしか示されていないが、さらに多くの数の受信機Recに信号がブロードキャストされる。
【0048】
受信機Recは、ビデオ信号のようなデータがブロードキャストされる移動電話とすることができる。
【0049】
発信源と1つの受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報は、シングルキャリア直交周波数分割多重方式(SC−OFDM)を用いて転送される。
【0050】
本発明によれば、発信源Srcは:
− データを時間領域から周波数領域に拡散し、
− 拡散されたデータの少なくとも一部を少なくとも1つのパイロット系列に置き換え、
− 少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられなかった拡散されたデータ、及び、拡散されたデータを置き換えた少なくとも1つのパイロット系列を、サブキャリア上にマッピングし、
− 直交周波数分割多重変調されたシンボルを形成するために、マッピングされたデータ及び少なくとも1つのマッピングされたパイロット系列に対して、直交周波数分割多重変調を実行し、
− 直交周波数分割多重変調されたシンボルを受信機に転送する。
【0051】
本発明によれば、受信機Recは:
− シンボルを受信し、
− 受信されたシンボルを時間領域から周波数領域に変換し、ただし、受信されたシンボルはデータ及び少なくとも1つのパイロット系列によって形成されており、データ及びパイロット系列はリンクのサブキャリア上にマッピングされており、
− 少なくとも1つのパイロット系列がマッピングされたサブキャリア、及び、データがマッピングされたサブキャリアにおいて、リンクを推定し、
− 少なくとも1つのパイロット系列の各要素を、信頼性情報が0に設定された要素に置き換え、
− データがマッピングされたサブキャリア上、及び、1つの要素がマッピングされた各サブキャリア上において、リンクの等化を実行する。
【0052】
図2は、本発明が実施される発信源のアーキテクチャを表す図である。
【0053】
発信源Srcは、たとえば、バス201によって互いに接続される構成要素と、図8において開示されるプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャを有する。
【0054】
発信源Srcは、専用の集積回路に基づくアーキテクチャを有することもできることに留意されたい。
【0055】
バス201は、プロセッサ200を、リードオンリーメモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、及び無線インターフェース205に接続する。
【0056】
メモリ203は、図8において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの変数及び命令を受信するように意図されるレジスタを含む。
【0057】
プロセッサ200は、無線インターフェース205の動作を制御する。
【0058】
リードオンリーメモリ202は、図8において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含み、この命令は発信源Srcが起動される際にランダムアクセスメモリ203に転送される。
【0059】
無線インターフェース205は、拡散されたデータをパンクチャリングする手段と、パンクチャリングされたデータを少なくとも1つのパイロット系列に置き換える手段と、データ及び本発明による少なくとも1つのパイロット系列を少なくとも1つの受信機Recに転送する手段とを備える。
【0060】
無線インターフェース205は、図3に開示される構成要素を備える。
【0061】
図3は、発信源の無線インターフェースの構成要素のブロック図を開示する。
【0062】
送信されるデータは、1組のデータ基本シンボルを与える符号化及び変調モジュール30によって、インターリーブされ、符号化され、データ基本シンボルとして編成される。
【0063】
実現形態の1つの変形では、符号化及び変調モジュール30は、2つのデータ基本シンボルのうちの1つに対して所定の角度値のコンスタレーションシフトを実行する。
【0064】
変調が4相位相変調である場合には、所定の値は45に等しい。
【0065】
その後、拡散されたデータシンボルで構成される拡散データブロックを形成するために、データ基本シンボルは、DFT(離散フーリエ変換)モジュール31によって周波数領域に拡散される。1つの変形形態では、DFTモジュールは、高速フーリエ変換モジュール又は任意の他の処理モジュールに置き換えられる。
【0066】
少なくとも1つの拡散データブロックが、フレームビルダー32によってパンクチャリングされる。
【0067】
フレームビルダー32は、拡散データブロックのパンクチャリングされた部分を、少なくとも1つのパイロット系列に置き換える。拡散データシンボルの残りの部分及び少なくとも1つのパイロット系列は、ハイブリッドブロックを形成するために、フレームビルダー32によって周波数帯域内のサブキャリア上にマッピングされる。フレームビルダー32は、図4を参照しながら、さらに詳細に開示される。
【0068】
1つ又は複数のアンテナを通して転送されるのに先だって、各ハイブリッドブロック及びパンクチャリングされていない各拡散データブロックは、SC−OFDMシンボルを形成するためにOFDM変調モジュール33によって処理される。
【0069】
発信源Srcのアンテナを通して送信する前に、図3には示されないオプションのサイクリックプレフィックス挿入モジュールを適用することもできる。
【0070】
SC−OFDMシンボルは、データ基本シンボルを第1の拡散モジュールによって時間領域から周波数領域に拡散し、拡散データシンボルをパンクチャリングするか又はパンクチャリングせず、ハイブリッドブロックを形成するために拡散データブロックのパンクチャリングされた部分を少なくとも1つのパイロット系列に置き換え、ハイブリッドブロック又はパンクチャリングされていない拡散データブロックを周波数帯域内のサブキャリア上にマッピングし、マッピングされたハイブリッドブロック又はパンクチャリングされずにマッピングされた拡散データブロックを、直交周波数分割多重モジュールを用いて変調することによって得られる。
【0071】
図4は、本発明による、発信源のフレームビルダーのブロック図を開示する。
【0072】
フレームビルダー32は、パイロット系列生成モジュール40を備える。パイロット系列は、そのような系列にわたってDFTを実行した後も概ね一定の振幅が得られるという特性を有する。すなわち、パイロット系列は、少なくとも1つのパイロット系列にわたって離散フーリエ変換を実行した後に得られる振幅の変動が制限されるという特性を有する。
【0073】
振幅が一定であるか、又は大きくても平均振幅値から+50%しか変動しない場合に、振幅の変動が制限されている。
【0074】
振幅は絶対値であり、2のべき乗ではないことに留意されたい。
【0075】
たとえば、パイロット系列は、Zadoff−Chu系列のような系列である。Zadoff−Chu系列は、3つの整数N、p、及びlによってパラメータ化される。
【0076】
Zadoff−Chu系列は以下の公式から導出される。
【0077】
【数2】

【0078】
ただし、Nは系列の長さであり、pは系列のインデックスであり、lは系列の(時間)シフトである。
【0079】
lが0に等しい場合には、その系列は根(p)系列として知られる。
【0080】
Zadoff−Chu系列は、完全な自己相関性、p及びlを変更することによる良好な相互相関性、並びに、時間次元及び周波数次元の両方における低い包絡線変動のような、幾つかの興味深い特徴を提供する。
【0081】
1つの変形形態では、少なくとも1つのパイロット系列は、ETSI ETS 300 401(第2版、1997年5月)又はETSI EN 300 401(V1.4.1、2006年6月)の文献「Radio broadcasting systems; Digital Audio Broadcasting (DAB) to mobile, portable and fixed receivers」において開示されるような系列である。
【0082】
本発明の特定の実現形態によれば、フレームビルダー32は、パイロット系列をサンプリング周期持続時間の半分だけシフトするための半周期シフトモジュール41を備える。
【0083】
本発明の特定の実現形態によれば、フレームビルダー32は、パイロット系列の代わりにデータをサンプリング周期持続時間の半分だけシフトするための、図4には示されない半周期シフトモジュールを備える。
【0084】
たとえば、Zadoff−Chu系列が用いられる場合には、半周期シフトモジュール41によって与えられる系列は以下のようになる。
【0085】
【数3】

【0086】
サンプル周期の半分の時間シフトは、周波数領域においては、−πk/Nに等しい位相勾配に対応する。
【0087】
ここで、半周期シフトモジュール41によって与えられる系列は以下のように表すこともできることに留意されたい。
【0088】
【数4】

【0089】
シフトされたパイロット系列は、拡散データシンボルの部分がパンクチャリングされなければマッピングされていたはずであるサブキャリア上に、置換モジュール42によってマッピングされる。
【0090】
フレームビルダー32はマルチプレクサ44を備えており、マルチプレクサは、置換モジュール42の出力と、たとえばNullデータとを多重化し、ハイブリッドブロック及びNullデータを、周波数帯域内に含まれるサブキャリア上にマッピングする。
【0091】
置換モジュール42とマルチプレクサ44は、制御部43によって制御される。
【0092】
フレームビルダー32は、拡散されたデータをパンクチャリングするパンクチャリングモジュール46を備える。
【0093】
パンクチャリングモジュール46の出力は、置換モジュール42に接続される。
【0094】
本発明は、たとえば、「A simple transmit diversity technique for wireless communications」と題する論文(IEEE J. Select. Areas Communications, vol. 16, pp. 1451-1458, October 1998)においてS. M. Almoutiによって提案されている2つ以上の送信アンテナを用いる伝送方式のような多入力多出力(MIMO)伝送方式においても適用可能である。
【0095】
異なるアンテナに対して、異なるZadoff−Chu系列を用いることもできる。アンテナが2つの場合、xkが周波数領域において規定されるパイロット系列である場合には、第2のアンテナはパイロット系列(−1)kkを送信する。ただし、kは第1のアンテナによって送信されるサブキャリアのインデックスであり、θは所定の定数値である。
【0096】
図5aは、本発明による、パイロット系列とデータの併合の第1の例を開示する。
【0097】
時間領域を表す水平軸上には、Sy1〜Sy16で示される複数のSC−OFDMシンボルが表されている。
【0098】
垂直軸は、SC−OFDMシンボルがマッピングされるサブキャリアSc1〜Sc11を表す。
【0099】
図5aは一例であり、11個のサブキャリアが示されている。本発明は、サブキャリアがこれよりも多くても、少なくても適用可能である。
【0100】
縦線のハッチングを施されている正方形は、所与のSC−OFDMシンボルについて、少なくとも1つのパイロット系列がマッピングされるサブキャリアを表す。
【0101】
他の正方形は、データがマッピングされるサブキャリアを表す。
【0102】
図5aの例では、連続的なパイロット系列が示されている。連続的なパイロット系列は、1フレーム内の全ての又は概ね全てのOFDMシンボルについて、所与の1組の周波数内に挿入される。この挿入は、周波数領域において規則的にすることもできるし、不規則にすることもできるが、時間領域においては規則的である。連続的なパイロット系列は、受信機段において受信機信号の周波数ドリフトを推定する際に、それゆえ、自動周波数制御を実行する際に、又は位相雑音を補正する際に有用である。
【0103】
図5aの例において、パイロット系列は、サブキャリアSc2、Sc7、及びSc10上に連続的にマッピングされる。
【0104】
ここで、SC−OFDMシンボルSy1〜Sy16のサブキャリアSc2、Sc7及びSc10上に、同一のパイロット系列をマッピングすることもできるし、SC−OFDMシンボルSy1〜Sy16のサブキャリアSc2、Sc7、及びSc10上に、異なるパイロット系列をマッピングすることもできることに留意されたい。
【0105】
図5bは、本発明による、パイロット系列とデータの併合の第2の例を開示する。
【0106】
時間領域を表す水平軸上には、Sy1〜Sy16で示される複数のSC−OFDMシンボルが表されている。
【0107】
垂直軸は、SC−OFDMシンボルがマッピングされるサブキャリアSc1〜Sc11を表す。
【0108】
図5bは一例であり、11個のサブキャリアが示されている。本発明は、サブキャリアがこれよりも多くても、少なくても適用可能である。
【0109】
縦線のハッチングを施されている正方形は、所与のSC−OFDMシンボルについて、少なくとも1つのパイロット系列がマッピングされるサブキャリアを表す。
【0110】
他の正方形は、データがマッピングされるサブキャリアを表す。
【0111】
図5bの例では、6個のSC−OFDMシンボル内の1つのSC−OFDMシンボルは、少なくとも1つのシフトされたパイロット系列で構成され、このパイロット系列は、SC−OFDMシンボルがマッピングされるサブキャリアの2つのうちの1つのサブキャリア上にマッピングされる。データは、他のサブキャリア上にマッピングされる。
【0112】
SC−OFDMシンボルSy1、Sy7、及びSy13は、散在するパイロット系列を含み、サブキャリアSc1、Sc3、SC5、Sc7、Sc9、及びSc11上にマッピングされる少なくとも1つのパイロット系列と、サブキャリアSc2、Sc4、Sc6、Sc8、及びSc10上にマッピングされるデータとで構成される。
【0113】
ここで、SC−OFDMシンボルSy1、Sy7、及びSy13のサブキャリアSc1、Sc3、SC5、Sc7、Sc9、及びSc11上には、同一のパイロット系列をマッピングすることもできるし、SC−OFDMシンボルSy1、Sy7、及びSy13のサブキャリアSc1、Sc3、SC5、Sc7、Sc9、及びSc11上には、異なるパイロット系列をマッピングすることもできることに留意されたい。
【0114】
SC−OFDMシンボルSy2〜Sy6、Sy8〜Sy12、及びSy14〜Sy16は、サブキャリアSc1〜Sc11上にマッピングされるデータで構成される。
【0115】
散在するパイロット系列を含むハイブリッドシンボルは、チャネル推定のために有用である。
【0116】
パイロット系列の挿入は、周波数領域及び/又は時間領域において、規則的にすることもできるし、不規則にすることもできる。
【0117】
ここで、図5aの第1の例と図5bの第2の例を組み合わせる場合にも、本発明は適用可能であることに留意されたい。
【0118】
図6は、本発明が実施される受信機のアーキテクチャを表す図である。
【0119】
受信機Recは、たとえば、バス601によって互いに接続される構成要素と、図9において開示されるプログラムによって制御されるプロセッサ600とに基づくアーキテクチャを有する。
【0120】
受信機Recは、専用の集積回路に基づくアーキテクチャを有することもできることに留意されたい。
【0121】
バス601は、プロセッサ600を、リードオンリーメモリROM602、ランダムアクセスメモリRAM603、及び無線インターフェース605に接続する。
【0122】
メモリ603は、図9において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの変数及び命令を受信するように意図されるレジスタを含む。
【0123】
プロセッサ600は、無線インターフェース605の動作を制御する。
【0124】
リードオンリーメモリ602は、図9において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含み、この命令は、受信機Recが起動される際にランダムアクセスメモリ603に転送される。
【0125】
無線インターフェース605は、本発明による、多重化されたデータ及びパイロット系列を受信機Recに転送する手段を備える。
【0126】
無線インターフェース605は、図7において開示されるような構成要素を備える。
【0127】
図7は、周波数領域における本発明の実施態様の一例を開示する。
【0128】
無線インターフェース605は同期モジュール701を備えており、同期モジュールは、無線インターフェース605のDFTモジュール700及びチャネル推定モジュール702を、受信されたシンボルに同期させる役割を果たす。
【0129】
DFTモジュール700は、受信されたシンボルを時間領域から周波数領域に変換し、受信拡散データykを生成する。ただし、kはサブキャリアのインデックスを表す。
【0130】
変換された受信シンボルは、チャネル推定モジュール702及び等化係数計算モジュール703に与えられる。
【0131】
チャネル推定モジュール702は、データがマッピングされたサブキャリア上での発信源Srcと受信機Recとの間のチャネルを推定するために、散在するパイロット系列位置において発信源Srcと受信機Recとの間のチャネルを推定し、データがマッピングされたサブキャリアのための補間を実行する。
【0132】
ここで、少なくとも1つのパイロット系列は、サンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされることに留意されたい。
【0133】
チャネル推定モジュール702の出力は、等化係数計算モジュール703に与えられる。
【0134】
等化係数計算モジュール703は、チャネル推定モジュール702によって与えられる信頼性情報を考慮に入れて、また本発明の特定の実現形態では、雑音+干渉電力推定モジュール704によって与えられる雑音+干渉電力の推定値も考慮に入れて、等化係数を求める。
【0135】
実現形態の1つの変形では、雑音+干渉電力推定モジュール704は存在しない。雑音+干渉電力は所定の値に設定されるか、又は、シンボルを転送するために発信源Srcによって用いられる変調及び/又は符号化率に従って規定される。
【0136】
係数gkは、通常は、所与のSC−OFDMシンボルの各サブキャリアについて求められる。ただし、kはサブキャリアのインデックスである。
【0137】
求められた係数は、Null化等化係数モジュール705に与えられる。
【0138】
Null化等化係数モジュール705は、パンクチャリングの逆演算、すなわちデパンクチャリングを実行する。データが抑制されたサブキャリアにおいて、「ゴースト」(または架空の、たとえば、0)シンボルが挿入され、対応する信頼性情報は0に設定される。これにより、等化モジュール706がデパンクチャリングを正確に取り扱えるようになる。ここで、デパンクチャリングは、逆拡散に先だって、すなわち、拡散されたシンボル上で実行されることに留意されたい。
【0139】
Null化等化係数モジュール705は、係数g’kを与える。
【0140】
たとえば、MMSE等化器703及び706の重要な事例を考えよう。インデックスkのサブキャリアの場合にhkに等しいチャネル周波数応答を仮定し、かつσ2に等しい雑音+干渉電力を仮定することによって、等化乗算係数は以下の式に等しくなる。
【0141】
【数5】

【0142】
ただし、上付き記号「^」は、インデックスkのサブキャリアのチャネル周波数応答hkの推定値、又は雑音+干渉分散の推定値を示す。サブキャリアに対してNull信頼性情報が設定される場合には、g’k=0であり、他の場合には、g’k=gkである。
【0143】
等化モジュール706は、受信拡散データykを係数g’kと乗算する。
【0144】
等化されたシンボルは、逆拡散モジュール707によって逆拡散される。
【0145】
逆拡散モジュール707の出力はフレームデマルチプレクサに接続され、フレームデマルチプレクサは、等化されて逆拡散されたシンボルを逆多重化する。
【0146】
フレームデマルチプレクサ708の出力は復号器709に接続され、復号器は少なくともデータのデインターリーブ及び復号を行う。
【0147】
図8は、本発明による、発信源によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【0148】
本アルゴリズムは、発信源Srcのプロセッサ200によって実行される。
【0149】
ステップS800において、プロセッサ200は、発信源Srcによってデータが転送されるべきであると通知される。
【0150】
次のステップS801において、プロセッサ200は、転送されるデータを処理するように指示する。
【0151】
転送されるデータはインターリーブされ、符号化され、データ基本シンボルとして編成される。
【0152】
実現形態の1つの変形では、2つのデータ基本シンボルのうちの1つに対して、所定の角度値のコンスタレーションシフトが実行される。
【0153】
変調が4相位相変調である場合には、所定の値は45に等しい。
【0154】
次のステップS802において、プロセッサ200は、DFTモジュールによって、データ基本シンボルを時間領域から周波数領域に拡散するように指示する。
【0155】
次のステップS803において、プロセッサ200は、データ基本シンボルをパンクチャリングするように指示する。周波数領域において拡散されたデータ基本シンボルがパンクチャリングされる。
【0156】
次のステップS804において、プロセッサ200は、少なくとも1つのパイロット系列を取得する。各パイロット系列は、そのような系列にわたってDFTを実行した後にも、概ね一定の振幅が得られるという特性を有する。
【0157】
本発明の特定の実現形態によれば、入手された各パイロット系列は、サンプリング周期持続時間の半分だけシフトされる。
【0158】
次のステップS805において、プロセッサ200は、拡散されたデータのパンクチャリングされた部分を少なくとも1つのパイロット系列に置き換える。パイロット系列は、パンクチャリングされたデータ部分がパンクチャリングされなかったならばマッピングされるはずであった、周波数帯域内に含まれるサブキャリア上にマッピングされる。
【0159】
次のステップS806において、ステップS805によって与えられた信号は、1つ又は複数のアンテナを通して転送されるのに先だってOFDM変調される。
【0160】
発信源Srcの1つ又は複数のアンテナを通して送信する前に、オプションのサイクリックプレフィックス挿入モジュールを適用することもできる。
【0161】
図9は、本発明による、受信機によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【0162】
本アルゴリズムは、受信機Recのプロセッサ600によって実行される。
【0163】
ステップS900において、プロセッサ600は、受信シンボルを表す信号で構成されるフレームが受信されたことを通知される。
【0164】
次のステップS901において、プロセッサ600は、受信シンボルを処理するように指示する。受信シンボルは、DFTによって時間領域から周波数領域に変換され、チャネル推定モジュールに与えられる。
【0165】
次のステップS902において、プロセッサ600は、受信フレーム内の少なくとも1つのパイロット系列の位置を取得する。
【0166】
次のステップS903において、プロセッサ600は、等化係数を与えるために、発信源Srcと受信機Recとの間のチャネルを推定するように指示する。
【0167】
このステップにおいて、チャネル推定モジュール702によって与えられる信頼性情報を考慮に入れて、また、本発明の特定の実現形態では、雑音+干渉電力推定モジュール704によって与えられる雑音+干渉電力の推定値も考慮に入れて、等化係数が求められる。
【0168】
次のステップS904において、プロセッサ600は、パイロット系列の位置にゴーストデータを挿入するように指示する。すなわち、発信源Srcにおいて実行されるデータのパンクチャリングと逆の演算を実行する。
【0169】
データがパンクチャリングされたサブキャリアにおいて、「ゴースト」(または架空の、たとえば、0)シンボルと呼ばれる要素が挿入され、対応する信頼性情報は0に設定される。これにより、デパンクチャリングを正確に取り扱えるようになる。
【0170】
次のステップS905において、プロセッサ600は、リンクを等化するように指示する。
【0171】
リンクの等化は、データがマッピングされるサブキャリア上において、及び、要素がマッピングされた各サブキャリア上において、実行される。
【0172】
次のステップS905において、プロセッサ600は、等化されたシンボルを逆拡散するように指示する。
【0173】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の本発明の実施形態に対して数多くの変更を行なうことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて、発信源と少なくとも1つの受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報を転送するための方法であって、
該方法は、前記発信源によって実行される以下のステップ:
− データを時間領域から周波数領域に拡散するステップと、
− 前記拡散されたデータの少なくとも一部を少なくとも1つのパイロット系列に置き換えるステップであって、該少なくとも1つのパイロット系列がサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされるか、又は、該少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない前記拡散されたデータがサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされる、置き換えるステップと、
− 前記少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない前記拡散されたデータ、及び、前記拡散されたデータを置き換える前記少なくとも1つのパイロット系列を、サブキャリア上にマッピングするステップと、
− 直交周波数分割多重変調されたシンボルを形成するために、前記マッピングされたデータ及び前記少なくとも1つのマッピングされたパイロット系列に対して、直交周波数分割多重変調を実行するステップと、
− 前記直交周波数分割多重変調されたシンボルを前記受信機に転送するステップと
を含むことを特徴とする、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて、発信源と少なくとも1つの受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報を転送するための方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのパイロット系列は、前記少なくとも1つのパイロット系列にわたって離散フーリエ変換を実行した後に得られる振幅の変動が制限されるという特性を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのパイロット系列は、Zadoff−Chu系列であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記時間領域から周波数領域に拡散するのに先だって、
− 基本シンボルを形成するために、データを符号化して変調するステップと、
− 2つの前記基本シンボルのうちの1つに対して、所定の角度値のコンスタレーションシフトを実行するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記変調は4相位相変調であり、前記所定の値は45に等しいことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記発信源は、前記直交周波数分割多重変調されたシンボルを転送するための1つのアンテナ又は複数のアンテナを有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
複数の連続したシングルキャリア直交周波数分割多重変調シンボルに対して実行されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて発信源と受信機との間の無線リンクを推定するための方法であって、
該方法は、前記受信機によって実行される以下のステップ:
− シンボルを受信するステップと、
− 前記受信されたシンボルを時間領域から周波数領域に変換するステップであって、前記受信されたシンボルはデータ及び少なくとも1つのパイロット系列によって形成され、該データ及び該パイロット系列は前記リンクのサブキャリア上にマッピングされており、前記少なくとも1つのパイロット系列がサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされるか、又は、前記データがサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされる、変換するステップと、
− 前記少なくとも1つのパイロット系列がマッピングされたサブキャリア上、及び、前記データがマッピングされたサブキャリア上において、前記リンクを推定するステップと、
− 前記少なくとも1つのパイロット系列の各要素を、信頼性情報が0に設定された要素に置き換えるステップと、
− 前記データがマッピングされた前記サブキャリア上、及び、前記要素がマッピングされた各サブキャリア上において、前記リンクの等化を実行するステップと
を含むことを特徴とする、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて発信源と受信機との間の無線リンクを推定するための方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパイロット系列は、前記少なくとも1つのパイロット系列にわたって離散フーリエ変換を実行した後に得られる振幅の変動が制限されるという特性を有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて、発信源と少なくとも1つの受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報を転送するためのデバイスであって、
該デバイスは、前記発信源に含まれ、
− データを時間領域から周波数領域に拡散する手段と、
− 前記拡散されたデータの少なくとも一部を少なくとも1つのパイロット系列に置き換える手段であって、該少なくとも1つのパイロット系列がサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされるか、又は、該少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない前記拡散されたデータがサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされる、置き換える手段と、
− 前記少なくとも1つのパイロット系列に置き換えられない前記拡散されたデータ、及び、前記拡散されたデータを置き換える前記少なくとも1つのパイロット系列を、サブキャリア上にマッピングする手段と、
− 直交周波数分割多重変調されたシンボルを形成するために、前記マッピングされたデータ及び前記少なくとも1つのマッピングされたパイロット系列に対して、直交周波数分割多重変調を実行する手段と、
− 前記直交周波数分割多重変調されたシンボルを前記受信機に転送する手段と
を備えることを特徴とする、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて、発信源と少なくとも1つの受信機との間の無線リンクを推定できるようにするデータ及び情報を転送するためのデバイス。
【請求項11】
シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて発信源と受信機との間の無線リンクを推定するためのデバイスであって、
該デバイスは、前記受信機に含まれ、
− シンボルを受信する手段と、
− 前記受信されたシンボルを時間領域から周波数領域に変換する手段であって、前記受信されたシンボルはデータ及び少なくとも1つのパイロット系列によって形成され、該データ及び該パイロット系列は前記リンクのサブキャリア上にマッピングされており、前記少なくとも1つのパイロット系列がサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされるか、又は、前記データがサンプリング周期の半分だけ時間的にシフトされる、変換する手段と、
− 前記少なくとも1つのパイロット系列がマッピングされたサブキャリア上、及び、前記データがマッピングされたサブキャリア上において、前記リンクを推定する手段と、
− 前記少なくとも1つのパイロット系列の各要素を、信頼性情報が0に設定された要素に置き換える手段と、
− 前記データがマッピングされた前記サブキャリア上、及び、前記要素がマッピングされた各サブキャリア上において、前記リンクの等化を実行する手段と
を備えることを特徴とする、シングルキャリア直交周波数分割多重方式を用いて発信源と受信機との間の無線リンクを推定するためのデバイス。
【請求項12】
プログラム可能デバイス内に直接ロード可能であるコンピュータープログラムであって、該コンピュータープログラムがプログラム可能デバイス上で実行されるときに、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令又はコードの一部を含む、コンピュータープログラム。
【請求項13】
プログラム可能デバイス内に直接ロード可能であるコンピュータープログラムであって、該コンピュータープログラムがプログラム可能デバイス上で実行されるときに、請求項8及び9のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令又はコードの一部を含む、コンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−5118(P2012−5118A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−129403(P2011−129403)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands