説明

シンボル画像生成装置、携帯型情報処理装置、印刷システム、シンボル画像の生成方法およびプログラム

【課題】 伝票への印刷サービスを実現するためのシンボル画像を容易に生成可能なシンボル画像生成装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】 宅配伝票Pの各項目に記載するための複数の記載事項をコード化したシンボル画像Bを生成する携帯電話50において、項目別に、記載事項を取得するコンテンツ取得手段520と、取得した記載事項に、項目毎に異なる識別子を付加する識別子付加手段530と、取得した記載事項を、識別子と共にコード化して、シンボル画像Bを生成するシンボル画像生成手段540と、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取得したコンテンツをコード化して、シンボル画像を生成するシンボル画像生成装置、携帯型情報処理装置、印刷システム、シンボル画像の生成方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
手書きによる記載を必要とする伝票用紙は多数存在するが、例えば、宅配物の配送を依頼する場合、利用者は、コンビニエンス・ストアや宅配会社の営業所に宅配物を直接持ち込んだり、電話やインターネットで自宅への集荷を依頼したりして(例えば、特許文献1参照)、宅配物に貼付する宅配伝票用紙に、手書きによる記載を行う。
【特許文献1】特開平10−245094号公報(第2−3頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば前者の場合、利用者は、宅配物を持ち込んだ先で宅配伝票用紙を受け取り、利用者の住所・氏名・電話番号、並びに配送先の住所・氏名・電話番号、その他、配送指定時日時、品名等の必要事項を住所録やメモなど見ながら記入しなければならず、配送先が複数の場合は、その配送先の数だけ宅配伝票用紙への記入が必要となる。このため、宅配伝票用紙の記入に時間がかかるといった問題があった。
【0004】
そこで、利用者の住所や氏名をコード化した2次元コード(シンボル画像)をイメージリーダで読み取り、その読み取ったデータをデコードして、宅配伝票用紙の所定位置に印刷するという宅配伝票印刷システムが提案されている。ところが、利用者がこの宅配伝票印刷システムを利用しようとする場合、当該システムにおいて、デコードしたテキストデータが何を示すデータであるのかを識別するための識別子を、「住所」や「氏名」のテキストデータに付加する必要があり、2次元コードの生成が面倒であった。また、2次元コードに識別子が含まれていない場合は、「住所」や「氏名」など、項目毎に2次元コードを生成してイメージリーダに読み取らせる必要があり、読み取り処理に時間がかかるといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑み、伝票への印刷サービスを実現するためのシンボル画像を容易に生成可能なシンボル画像生成装置、携帯型情報処理装置、印刷システム、シンボル画像の生成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシンボル画像生成装置は、伝票の各項目に記載するための複数の記載事項をコード化したシンボル画像を生成するシンボル画像生成装置において、項目別に、記載事項を取得するコンテンツ取得手段と、取得した記載事項に、項目毎に異なる識別子を付加する識別子付加手段と、取得した記載事項を、識別子と共にコード化して、シンボル画像を生成するシンボル画像生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のシンボル画像の生成方法は、伝票の各項目に記載するための複数の記載事項をコード化したシンボル画像の生成方法であって、項目別に、記載事項を取得するステップと、取得した記載事項に、項目毎に異なる識別子を付加するステップと、取得した記載事項を、識別子と共にコード化して、シンボル画像を生成するステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、伝票の各項目に記載するための記載事項(コンテンツ)を取得し、当該記載事項に、項目毎に異なる(各項目を特定するための)識別子を付加してコード化するため、ユーザは、項目別に記載事項を提供(入力)するだけで、容易にシンボル画像を生成することができる。また、この場合、少なくともシンボル画像の読み取り手段、シンボル画像のデコード手段、識別子の解読手段、並びに伝票への印刷手段を備えた装置を用いることで、各項目の記載事項が伝票の書式に合わせて適切な位置に印刷された伝票を生成することができ、ユーザは、伝票への手書き記入の手間を省くことができる。なお、「コンテンツ取得手段」および「記載事項を取得するステップ」は、キーボードやマウス等を用いてユーザが記載事項を入力又は指定することにより入力された記載事項を取得しても良いし、ネットワークを介したデータ受信や記録媒体の読み込みにより記載事項を取得するようにしても良い。また、この場合、記載事項を取得するための記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリスティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
【0009】
上記のシンボル画像生成装置において、生成したシンボル画像を表示する表示画面をさらに備えていることが好ましい。
【0010】
また、上記のシンボル画像の生成方法において、生成したシンボル画像を表示するステップをさらに実行することが好ましい。
【0011】
これらの構成によれば、生成したシンボル画像を表示するため、ユーザはその表示されたシンボル画像をイメージリーダ等に読み取らせることにより、記載事項を再現する(テキストデータとして出力する)ことができる。
【0012】
上記のシンボル画像生成装置において、生成したシンボル画像を、印刷媒体上に印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成手段をさらに備えていることが好ましい。
【0013】
また、上記のシンボル画像の生成方法において、生成したシンボル画像を、印刷媒体上に印刷するための印刷データを生成するステップをさらに実行することが好ましい。
【0014】
これらの構成によれば、シンボル画像を、印刷媒体上に印刷するための印刷データを生成するため、ユーザはその印刷された印刷媒体をイメージリーダ等に読み取らせることにより、記載事項を再現する(テキストデータとして出力する)ことができる。
【0015】
上記のシンボル画像生成装置において、伝票は、宅配物に貼付して用いる宅配伝票であり、コンテンツ取得手段は、少なくとも宅配物の配送先および/または配送元の、住所、氏名および電話番号の各項目への記載事項を取得することが好ましい。
【0016】
また、上記のシンボル画像の生成方法において、伝票は、宅配物に貼付して用いる宅配伝票であり、記載事項を取得するステップでは、少なくとも宅配物の配送先および/または配送元の、住所、氏名および電話番号の各項目への記載事項を取得することが好ましい。
【0017】
これらの構成によれば、宅配伝票に記載すべき配送先および/または配送元の、住所、氏名および電話番号等、項目別に記載事項を提供(入力)するだけで、容易にシンボル画像を生成することができる。また、当該シンボル画像を用いて、手書き入力が面倒な宅配伝票を迅速に生成することができる。
【0018】
上記のシンボル画像生成装置において、レコード毎に、住所、氏名および電話番号を関連づけて記憶する住所録データベースをさらに備え、コンテンツ取得手段は、住所録データベースの中から任意のレコードが指定されることによって、配送先および/または配送元の住所、氏名および電話番号を取得することが好ましい。
【0019】
また、上記のシンボル画像の生成方法において、記載事項を取得するステップでは、レコード毎に、住所、氏名および電話番号を関連づけて記憶する住所録データベースの中から任意のレコードが指定されることによって、配送先および/または配送元の住所、氏名、電話番号を取得することが好ましい。
【0020】
これらの構成によれば、ユーザは、住所録データベースの中から任意のレコードが指定されるだけで、配送先および/または配送元の住所、氏名および電話番号に関する記載事項の入力、若しくは記録媒体等を用いた記載事項の提供を必要としないため、さらに容易にシンボル画像を生成することができる。
【0021】
上記のシンボル画像生成装置において、コンテンツ取得手段は、配送先別に、宅配物の内容または品名に関する項目への記載事項を取得可能であることが好ましい。
【0022】
また、上記のシンボル画像の生成方法において、記載事項を取得するステップでは、配送先別に、宅配物の内容または品名に関する項目への記載事項を取得することが好ましい。
【0023】
これらの構成によれば、出力されたシンボル画像を用いることで、配送先や配送元に関する記載事項以外に、宅配物の内容または品名に関する記載事項を宅配伝票に印刷可能であるため、これらの項目の手書き入力の手間を省くことができる。
【0024】
上記のシンボル画像生成装置において、配送先別に取得した宅配物の内容または品名の履歴である配送履歴を記憶する配送履歴記憶手段をさらに備え、表示画面は、配送履歴の一覧を表示することが好ましい。
【0025】
また、上記のシンボル画像の生成方法において、配送先別に取得した宅配物の内容または品名の履歴である配送履歴を記憶するステップと、配送履歴の一覧を表示するステップと、をさらに実行することが好ましい。
【0026】
これらの構成によれば、配送履歴を記憶し、その一覧を表示可能とすることにより、例えばお歳暮やお中元などの贈り物の配送管理に利用することができる。
【0027】
本発明の携帯型情報処理装置は、上記のいずれか1項に記載のシンボル画像生成装置として機能することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯型情報処理装置を用いて、より手軽にシンボル画像を生成することができる。
【0029】
本発明の印刷システムは、上記のいずれか1項に記載のシンボル画像生成装置と、表示画面に表示、若しくは印刷媒体上に印刷されたシンボル画像を読み取る読み取り手段と、読み取り手段による読み取り結果をデコードするデコード手段と、デコード手段によるデコード結果に含まれる識別子を解読する解読手段と、解読手段の解読結果と、所定の伝票書式とに基づいて、デコード結果に含まれる各記載事項を伝票の各所定位置に印刷するための伝票印刷データを生成する伝票印刷データ生成手段と、伝票印刷データを伝票上に印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、上記に記載のシンボル画像生成装置で生成されたシンボル画像を読み取り、その読み取り結果をデコードしたデコード結果と、当該デコード結果に含まれる識別子の解読結果と、所定の伝票書式とに基づいて、各項目の記載事項が適切な位置に印刷された伝票を生成することができる。したがって、ユーザは、容易にシンボル画像を生成できると共に、伝票への手書き記入の手間を省くことができる。
【0031】
本発明のプログラムは、コンピュータに、上記のいずれか1項に記載のシンボル画像の生成方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、プログラムをコンピュータに実行させることで、伝票への印刷サービスを実現するためのシンボル画像を容易に生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の一実施形態に係るシンボル画像生成装置、携帯型情報処理装置、印刷システム、シンボル画像の生成方法およびプログラムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、伝票への印刷サービスを実現するためのシンボル画像の生成処理を、ユーザが容易に実行することを課題としたものである。そこで、以下、宅配伝票への印刷サービスを行う宅配伝票印刷システムに、本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る宅配伝票印刷システム10のシステム構成図である。同図に示すように、本実施形態の宅配伝票印刷システム10は、宅配伝票用紙P(宅配伝票)への印刷サービスを含む配送受付処理を行う配送受付端末20と、宅配伝票用紙Pへの記載事項をコード化したシンボル画像Bを生成・表示する携帯電話50と、によって構成されている。配送受付端末20は、シンボル画像Bの読み取りの他、宅配伝票用紙Pに印刷するための印刷データの生成や編集を行うパーソナルコンピュータ30(以下、「PC」と表記する)と、PC30からの印刷指示により宅配伝票用紙Pへの印刷を行う印刷装置40と、から成り、いずれも配送受付を担当するオペレータによって操作される。また、携帯電話50は、配送依頼者(宅配伝票の作成依頼者)が保有するものであり、当該配送依頼者の依頼に基づいて、オペレータが宅配伝票作成のための操作を行う。
【0035】
PC30は、装置本体31に、読み取ったシンボル画像Bのデコード結果等を表示するディスプレイ32と、データ入力および編集のためのキーボード33とを備え、コードを介してマウス34およびイメージリーダ35と接続されている。イメージリーダ35は、把持部位を有する装置本体36と、装置本体36から突出形成された突き当て部材37と、撮像対象物の撮像を指示する撮像ボタン38と、を備え、突き当て部材37の先端を、撮像対象物が表示または載置された対象物支持体に当接または近接させることによって撮像(画像の読み取り)を行う。本実施形態では、撮像対象物として、携帯電話50の表示画面52上に表示された2次元コード(例えばQRコード)等のシンボル画像Bを読み取る。
【0036】
印刷装置40は、サーマル方式で印刷を行うものであり、装置ケース41上に、印刷済みの宅配伝票用紙Pを排出する排出口42と、当該排出口42に臨み、宅配伝票用紙Pを手動カットするための切断板43と、を備え、ケーブル45を介してPC30と接続されている。
【0037】
宅配伝票用紙Pは、図8に示すように、長尺状の台紙Pa上に所定サイズのサーマルラベルLが等間隔で配置されたサーマル紙であり、巻回された状態で装置内部に収容されている。宅配伝票用紙Pの印刷は、1回の印刷指示によって、依頼主控用L1、受付店舗(配達局)控用L2および宅配物貼付用L3の3枚のラベルLが連続して印刷される。そして、台紙Paから宅配物貼付用のラベルL3が剥がされ、宅配物に貼付されることにより宅配伝票として利用される。
【0038】
なお、PC30が取得した記載事項をデータとして保存しておくなど、受付店舗控用のラベルL2を必要としない構成も考えられるが、そのような場合を考慮し、印刷装置40には、受付店舗控用のラベルL2を発行(印刷)するか否かの切り替え機能が搭載されることが好ましい。また、印刷装置40にレシート発行機能が搭載されている場合は、依頼主控用のラベルL1の発行に代えて、その内容が印刷されたレシートを発行する構成としても良い。これらの構成によれば、宅配伝票用紙Pの発行に要する時間を短縮することができる。
【0039】
また、印刷装置40は、サーマル紙に印刷を行う構成ではなく、依頼主控用、受付店舗(配達局)控用、宅配物貼付用など、複数枚の用紙が積層した複写式の宅配伝票用紙に印刷可能な構成としても良い。この場合は、複写用紙を一部ずつ手差し挿入できるよう、装置ケース41上に、当該複写用紙を挿入する挿入口と印刷済みの複写用紙を排出する排出口とを備え、ワイヤドット方式で複写印刷を行うことが好ましい。この構成によれば、従来から利用されている複写式の宅配伝票用紙を用いることができる。また、サーマル紙および複写用紙の両方に印刷可能なハイブリッドタイプとしても良い。この場合は、いずれの印刷媒体を用いるか(またはその印刷方式)をユーザが指定できるように構成されることが好ましい。さらに、印刷方式は、サーマル方式に限らず、インクジェット方式など、伝票の種類に応じて変更可能である。
【0040】
一方、携帯電話50は、ユーザによるキー入力またはメモリカードM(記録媒体)からのデータ読み取りによって、宅配伝票用紙Pの各項目に記載する記載事項(コンテンツ)を取得し、これに基づいてシンボル画像Bを生成するものであり、装置本体51上に、取得した記載事項、生成したシンボル画像Bの他、各種入力データやユーザへの操作指示を表示する表示画面52と、宅配伝票用紙Pへの記載事項等、各種データを入力するためのキー群53と、SDカード等のメモリカードMを挿入するメモリカードスロット54と、を備えている。
【0041】
また、携帯電話50は、アドレス帳機能を実現するための住所録データベース511(図2参照)を、装置内部の記憶装置(記憶手段510,図2参照)に記憶しており、ユーザは、当該住所録データベース511の中から任意のレコードを指定して、宅配物の配送先および配送元となる情報(郵便番号、電話番号、住所、氏名等のデータ)を入力できるようになっている。携帯電話50は、アドレス帳機能として、知人の住所や電話番号等の一覧を表示する「住所録メニュー」表示機能、並びに配送依頼者自身の情報を表示する「プロフィール」表示機能を有しており、例えば携帯電話50の保有者(本人)が配送依頼を行う場合、「住所録メニュー」の中から任意のレコードを配送先として指定し、さらに「プロフィール」を配送元として指定するだけで、「配送先郵便番号」、「配送先電話番号」、「配送先住所」、「配送先氏名」、並びに「配送元郵便番号」、「配送元電話番号」、「配送元住所」、「配送元氏名」といった複数の項目(配送先印刷欄91および配送元印刷欄92に印刷すべき記載事項,図8参照)の入力を容易に行うことができる。したがって、「プロフィール」も、住所録データベース511の1レコードとして取り扱う。なお、これらの項目は、当然キー群53を用いたテキスト入力によっても入力可能となっている。
【0042】
また、キー群53は、配送先や配送元以外の項目(例えば、宅配物の品名(内容)、配送形態(冷蔵配送等)、宅配物のサイズ(重量,大きさ等)、配送指定日時など宅配伝票用紙Pに記載すべき項目,図8参照)も入力可能となっており、携帯電話50は、入力された全ての項目の情報に基づいてシンボル画像Bを生成する。そして、生成したシンボル画像Bを表示画面52上に表示させて配送受付端末20を操作するオペレータに提示すると、オペレータはこれをイメージリーダ35で読み取る。
【0043】
なお、このように携帯電話50を用いる場合は、例えば携帯電話50のオンラインサービスを利用して所定の携帯サイトからシンボル画像生成のためのアプリケーション(プログラム)をダウンロードすることで、容易にシンボル画像Bの生成を行うための機能を搭載することが可能である。言い換えれば、当該アプリケーションダウンロードしておき、そのアプリケーションによって提供される入力書式にしたがって、宅配伝票用紙Pの各項目の記載事項を入力していくことで、各項目を識別するための識別子(図5および図6参照)に関する情報を含むシンボル画像Bを容易に生成することができるようになっている。なお、当該アプリケーションに基づくシンボル画像Bの生成処理については、後述のフローチャート(図3参照)にて説明する。また、元々携帯電話50にシンボル画像生成のためのプログラムが内蔵されている場合は、当然上記のアプリケーションをダウンロードする必要はない。
【0044】
なお、携帯電話50は、取得した記載事項に関するデータを、電子メール機能を用いて配送受付端末20に予約送信しておき、当該配送受付端末20に、予め宅配伝票用紙Pを印刷させておくことも可能である。この方法によれば、予約送信時に表示画面52に表示される予約番号をオペレータに提示するだけで、印刷済みの宅配伝票用紙Pを受け取ることが可能であるため、宅配伝票の作成依頼をより迅速に行うことができる。なお、当該予約送信の操作についても、後述のフローチャート(図3参照)にて説明する。
【0045】
次に、宅配伝票印刷システム10の制御構成について、図2の機能ブロック図を参照して説明する。携帯電話50は、記憶手段510、宅配伝票用紙Pへの記載事項に関するコンテンツを取得するコンテンツ取得手段520、取得した記載事項に項目別の識別子を付加する識別子付加手段530、識別子が付加された記載事項をコード化してシンボル画像Bを生成するシンボル画像生成手段540、シンボル画像Bを表示画面52に表示する表示手段550、を備えている。
【0046】
記憶手段510は、アドレス帳機能を実現するための住所録データベース511と、取得した記載事項(配送先氏名や宅配物の品名等)の履歴を、配送管理のために用いる配送履歴として記憶する配送履歴記憶手段512と、を有している。
【0047】
住所録データベース511は、上記のとおり「住所録メニュー」表示機能や「プロフィール」表示機能を実現するためのデータベースであり、キー群53を用いたデータ入力や、メモリカードMからのデータ読み出しによって、レコードの追加や修正が可能となっている。
【0048】
また、配送履歴記憶手段512は、取得した記載事項(ユーザが入力した入力データ)を配送履歴として記憶するものであり、当該配送履歴に基づいて、図9に示す配送履歴一覧を表示可能となっている。配送履歴一覧は、ユーザによる所定のキー操作によって表示画面52上で閲覧できるようになっており、同図に示すように「配送区分」や「データ保存日時」の他、取得した記載事項の中から「配送先氏名」および「品名」の項目を抽出して表示する。なお、「配送区分」は、入力データの保存先として指定されたメモリ領域(フォルダ)を指すものであり、予めユーザが作成しておくものである。なお、当該メモリ領域が区別されていない場合、当該「配送区分」欄はNULL値となる。また、「データ保存日時」は、入力データの保存を指示した日時を指す。なお、配送履歴一覧に含める項目は、図9に示す項目だけでなく、ユーザが選択できるように構成しても良い。また、入力データの保存先は、携帯電話50内部に含まれる記憶手段510ではなく、外部から挿入されるメモリカードMとしても良い。
【0049】
コンテンツ取得手段520は、キー群53を用いたデータ入力やメモリカードスロット54に装着されたメモリカードMから、記載事項に関するコンテンツを取得するものである。また、配送先および/または配送元として住所録データベース511内の任意のレコードが指定された場合は、そのレコード内の郵便番号、電話番号、住所および氏名等のデータを取得する。
【0050】
識別子付加手段530は、コンテンツ取得手段520によって取得した記載事項毎に、その記載事項を特定するための唯一性のある識別子を付加するものである。具体的には、図5に示すように、配送先の郵便番号は「A1」、配送先の電話番号は「B1」といった記号(文字)をダブルコーテーションマークで囲んだ識別子を、それぞれの記載事項を表すデータの直前に付加する。例えば、郵便番号「101−0000」が記載事項として入力された場合、「“A1”101−0000」のように、ハイフンを除いた7つの数字を、識別子「“A1”」に続けて記憶する。なお、ハイフンを除くのは、後述する伝票書式データDに、ハイフンが含まれているためである(図7参照)。
【0051】
また、宅配伝票用紙P上にマークとして情報が表示されるもの(例えば「割れもの」、「生もの」、「冷蔵配送」、「冷凍配送」などを指定する配送形態の項目など,図8の宅配情報印刷欄93参照)は、そのマーク位置を示す記号(数字)を、識別子に続けて記憶する。したがって、配送形態の項目については、例えば「生もの」および「冷蔵配送」の2つが指定される場合、「“F”2,3」のように、それぞれのマーク位置を示す数字がカンマで区切られて記憶される。また、配送指定日の項目については、日付を取得すると、「指定あり」であるとして、マーク位置を示す数字を省略し、4桁の数字で表される日付を「“H”1001」として記憶する。なお、「指定なし」の場合は、マーク位置を示す数字を「“H”2」として記憶する。
【0052】
なお、識別子の付加は、記載事項を表すデータの直前に限らず、直後であっても良い。すなわち、識別子と記載事項を表す情報とが何らかの関連づけが為された状態で、後述のシンボル画像Bが生成されれば良い。なお、識別子を付加した記載事項(以下、「識別子付き記載事項」と称する)、すなわちシンボル画像Bを生成するための情報は、ユーザによる所定のキー操作によって全て配送履歴記憶手段512に記憶しておくことができるようになっている。
【0053】
図2の機能ブロック図の説明に戻る。シンボル画像生成手段540は、コンテンツ取得手段520によって取得した記載事項に、識別子付加手段530によって識別子を付加した識別子付き記載事項に基づいて、シンボル画像Bを生成するものである。したがって、図5に示す識別子“A1”〜“K”に対応する全ての項目を記載事項として取得すると、各記載事項に識別子”“A1”〜“K”を付加した全ての識別子付き記載事項を、一括してコード化し(エンコードし)、シンボル画像Bを生成する。但し、識別子“K”の「宅配料金」については、ユーザによる入力は為されず、その他の項目の入力内容に基づいて、宅配料金を自動算出し、その算出結果を項目「宅配料金」の記載事項として取得する。これにより、ユーザは宅配料金を調べる手間を省くことができる。なお、宅配料金の算出に必要な項目(本実施形態の場合、配送元、配送先、宅配物のサイズ、および支払い先の項目)の記載事項が取得できない場合(ユーザによる入力が為されない場合)は、当該宅配料金の算出処理を省略し、シンボル画像Bに「宅配料金」に関する情報を含めない。
【0054】
表示手段550は、生成したシンボル画像B、並びに配送履歴記憶手段512に記憶されている配送履歴に基づく配送履歴一覧(図9参照)等を表示画面52上に表示するものである。配送履歴一覧の表示は、表示画面52上でカーソルキー等によりスクロール表示可能としても良いし、「配送区分」の中から1つの項目を指定して、その項目に含まれる内容のみを表示するようにしても良い。
【0055】
一方、配送受付端末20は、PC30内に、読み取り手段310、デコード手段320、記憶手段330、解読手段340、伝票印刷データ生成手段350および表示手段360を備え、印刷装置40内に印刷手段410を備えている。
【0056】
読み取り手段310は、携帯電話50の表示画面52上に表示されたシンボル画像Bを読み取るものであり、その主要部はイメージリーダ35(図1参照)で構成されている。また、デコード手段320は、イメージリーダ35で読み取ったシンボル画像Bの画像データをデコードするものであり、具体的には「“A1”101−0000」のように、識別子付き記載事項をテキストデータ化するものである。なお、イメージリーダ35がデコーダを内蔵している場合、当該デコード手段320はイメージリーダ35によって実現される。
【0057】
記憶手段330は、デコード手段320でデコードしたデコード結果に含まれる識別子を解読(識別)するための識別情報を記憶する識別情報記憶手段331と、宅配伝票の伝票書式を記憶する伝票書式記憶手段332と、を有している。識別情報とは、図6に示すように、複数の識別子と、各識別子に対応する項目とを関連づけて記憶したテーブルを指すものであり、後述する解読手段340が、「“A1”」を検出したとき、これに続くデータを「配送先郵便番号」として認識するための情報である。
【0058】
また、伝票書式記憶手段332は、図6に示すように、伝票書式として、各項目の印刷位置を記憶すると共に、図7に示すように、各欄D91〜D95の枠、欄名、マーク位置に続けて記載される選択肢等を印刷するための伝票書式データD(伝票フォーマット)を記憶している(同図は、依頼主控用ラベルL1の伝票書式データDを例示している)。印刷位置は、項目毎に、印刷開始位置、改行位置、印刷終了位置およびマーク位置のいずれか、若しくは2以上の情報が記憶されており、伝票書式データDと対応して、各項目の記載事項が、それぞれ適切な印刷欄および位置(印刷領域)に印刷されるようになっている。なお、伝票書式記憶手段332は、本システム10を利用する配送業者が取り扱う宅配伝票用紙Pの種類が複数存在する場合、複数の伝票書式を記憶する。また、伝票書式としては、各記載事項の文字サイズや文字種類、さらに文字色(カラー印刷の場合)に関する情報も記憶している。また、本実施形態では、空白ラベルL上に印刷欄や選択肢等も含めて印刷するため、これらを印刷するための伝票書式データDを記憶しているが、伝票書式データDがプリプリントされたラベル上に印刷を行う場合は、当該伝票書式データDを記憶させておく必要はない。
【0059】
解読手段340は、識別情報記憶手段331に記憶している識別情報に基づいて、デコード手段320でデコードしたデコード結果に含まれる識別子を解読するものである。また、伝票印刷データ生成手段350は、解読手段340の解読結果と、伝票書式記憶手段332に記憶されている伝票書式(各項目の印刷位置や伝票書式データD)に基づいて、印刷データを生成するものである。
【0060】
表示手段360は、ディスプレイ32上に、宅配伝票の印刷プレビュー(印刷済み宅配伝票用紙Pの状態,図8参照)等を表示するものである。なお、図2内には記載を省略したが、オペレータ又は配送依頼者(携帯電話50の保有者)が印刷プレビューを確認した際に、記載事項の修正が必要と判断した場合は、キーボード33やマウス34を用いて適宜編集ができるようになっている。したがって、表示手段360は、その編集操作や編集後のデータを確認するためにも用いられる。
【0061】
印刷手段410は、巻回された状態の宅配伝票用紙Pを収容する用紙収容部411と、宅配伝票用紙Pを用紙収容部411から繰り出し、排出口42(図1参照)に向けて搬送する搬送手段412と、サーマル方式の印刷ヘッド413と、を有している。そして、搬送手段412による宅配伝票用紙Pの搬送に同期して印刷ヘッド413を駆動して印刷を行い、さらに印刷終了後、印刷終了位置が排出口42に到達するまで(図8の印刷結果例の場合、宅配物貼付用のラベルL3の後端が装置外部に繰り出されるまで)宅配伝票用紙Pを搬送することで印刷処理を終了する。
【0062】
次に、図3のフローチャートを参照し、携帯電話50における伝票作成依頼処理(シンボル画像Bの表示処理、入力データの保存処理並びに配送依頼予約処理)について説明する。まず、ユーザによる所定のキー操作により、通常の電話として使用される通常モードから、伝票作成依頼モードにモード移行する(S01)。続いて、宅配伝票の種類を選択する(S02)。ここでは、宅配伝票印刷システム10で利用可能な複数種類の宅配伝票名(例えば、元払い用、着払い用、海外配送用など)の選択肢を表示画面52上に表示し、ユーザのキー操作によりいずれかの選択肢が選択可能となっている。なお、宅配伝票の種類が1種類のみであるときは、当該ステップ(S02)を省略しても良い。また、宅配伝票印刷システム10で複数の配送業者の宅配伝票が作成可能である場合は、まず配送業者を指定し、その後伝票種類を選択するといったステップを経ることが好ましい。
【0063】
続いて、所定の画面表示を行い、宅配伝票用紙Pへの記載事項に関するコンテンツを順次取得していく(S03)。例えば、配送先に関する情報(配送先印刷欄91(図8参照)に印刷する記載事項)から取得する場合、まず、表示画面52上に「配送先を指定してください」といったメッセージの他、「住所録データベースから指定する」又は「キー入力する」の選択肢を表示し、ユーザにより「住所録データベースから指定する」が選択された場合は、「アドレス帳表示」機能によりアドレス帳を表示する。さらに、その中から1のレコードが指定されると、そのレコードに含まれる郵便番号、電話番号、住所および氏名に関する情報を、「配送先郵便番号」、「配送先電話番号」、「配送先住所」および「配送先氏名」の項目として取得する。一方、「キー入力する」が選択された場合は、「配送先郵便番号」、「配送先電話番号」、「配送先住所」および「配送先氏名」の項目毎に、画面表示により入力を促すメッセージを表示する。この後、同様にして配送元に関する情報(配送元印刷欄92に印刷する記載事項)を取得し、さらに宅配情報印刷欄93および決済内容印刷欄94に印刷する記載事項を取得する。取得した記載事項には、記載事項毎に異なる識別子を付加してワークエリア(RAM)等に格納しておき、シンボル画像生成の際(S05)に利用する。なお、決済内容印刷欄94に印刷される「宅配料金」については、ユーザによる入力は不要となっており、その他の項目の入力が全て終了した時点で、自動的に宅配料金を算出し、当該算出結果に識別子“K”を付加したものを記載事項として取得する(図5参照)。また、ここで入力が省略された項目については、その項目の情報がシンボル画像Bに含まれないこととなるため、宅配伝票印刷時においてその記載事項は印刷されない(空欄となる)。
【0064】
このようにして、識別子“A1”〜“K”に対応するコンテンツ(記載事項)の取得を終了すると(S04:Yes)、ワークエリアから識別子付き記載事項を読み出し、それら1以上の識別子付き記載事項に基づいてシンボル画像Bを生成する(S05)。続いて生成したシンボル画像Bを表示画面52上に表示する(S06)。ユーザは、この表示画面52上に表示されたシンボル画像Bを、配送受付端末20を操作するオペレータに提示し、イメージリーダ35で撮像させることにより、宅配伝票の作成処理を開始させることができるが、シンボル画像Bの生成後、すぐに利用しない場合は、取得した記載事項(入力データ)を保存させておく必要がある。
【0065】
そこで、シンボル画像Bを表示する画面52上に、入力データの保存を指示するための「保存」ボタンを表示し、ユーザがその「保存」ボタンを選択した場合は(S07:Yes)、保存先を問い合わせるメッセージを表示し、保存先が指定されると(S08)、その保存先に入力データを保存する(S09)。なお、この「保存先」とは、「配送区分」(図9参照)に相当するメモリ領域を指すものであり、当該ステップ(S09)で保存されたデータに基づいて、図9に示す配送履歴一覧を生成・記憶する。また、配送履歴を表示し、任意のレコードが指定された場合は、そのレコードの配送履歴に基づいて、シンボル画像Bを生成することが可能となっている。したがって、配送履歴としては、限られた項目しか表示しないが、S09にて保存するデータは取得した全てのデータ(識別子付き記載事項)である。
【0066】
なお、入力データの保存が指定されなかった場合は(S07)、入力データを保存することなく、シンボル画像Bを画面52上に表示したままの状態となる。したがって、ユーザは、宅配伝票作成依頼モードから通常モードに移行するための操作を行わない限り、画面52上にシンボル画像Bを表示させておくことができる。但し、宅配伝票作成依頼モードにおいても、電話の受信並びに電子メールの受信は可能であるため、これらの機能に支障をきたすことはない。
【0067】
ところで、シンボル画像Bを表示する画面52上には、上記の「保存」ボタンの他、予約送信を行うための「予約」ボタンを表示している(したがって、S07〜S09とS10〜S12の工程が入れ替わる場合もある)。この「予約」ボタンが選択された場合は(S10:Yes)、携帯電話50の電子メール機能を用いて、取得した入力データを配送受付端末20に送信し、宅配伝票の印刷を予約しておくことができるようになっている。したがって、ここで「予約」ボタンが選択されると(S10:Yes)、携帯電話50に搭載されているGPS機能を利用して、携帯電話50を操作しているユーザから最も近い店舗(配送受付端末20)を検索し、その店舗に取得した入力データを送信する(S11)。
【0068】
さらに、表示画面52上には、予約送信を行った店舗名と予約番号を表示し(S12)、終了キーの押下等により処理を終了する。このように、予約送信を行っておくと、ユーザはその店舗に赴き、予約番号を伝えることですぐに宅配伝票を受け取ることが可能となる。また、入力データを保存しておけば、予約番号を忘れてしまった場合でも、その入力データを呼び出してシンボル画像Bを再度表示し、宅配伝票の作成依頼を行うことが可能である。このように、本例によれば、入力データを保存して、さらにそれを呼び出してシンボル画像Bを表示させることができるため、予め時間のあるときにコンテンツの入力操作を行っておくことができる。また、より急いでいる場合は、予約送信をしておくことで、迅速に宅配伝票を受け取ることが可能となる。
【0069】
なお、店舗名と共に、その店舗の連絡先(電話番号)や地図を併せて表示することが好ましい。また、携帯電話50にGPS機能が搭載されていない場合は、予約送信を行う店舗名を一覧表示し、その中からユーザが選択できるように構成することが好ましい。
【0070】
次に、図4のフローチャートを参照し、配送受付端末20における宅配伝票の作成処理について説明する。ここでは、予約送信が行われていない場合について説明する。まず、携帯電話50の保有者によるシンボル画像Bの提示により、イメージリーダ35を用いて、携帯電話50の表示画面52上に表示されたシンボル画像Bを読み取る(S21)。続いて、イメージリーダ35の読み取り結果である読み取りデータをデコードし(S22)、そのデコード結果の中に含まれる識別子(ダブルコーテーションマークに囲まれた記号)を、識別情報記憶手段331(図2参照)に記憶している識別情報(図6参照)に基づいて解読する(S23)。
【0071】
さらにその解読結果を、伝票書式記憶手段(図2参照)に記憶している伝票書式(各項目の印刷位置(図6参照)や伝票書式データD(図7参照))にしたがって展開し、ディスプレイ32上に表示するための表示データ(印刷プレビューデータ)、並びに宅配伝票用紙P上に印刷するための印刷データを生成する(S24)。このとき、宅配伝票用紙P上に印刷するための伝票番号(図8の伝票番号印刷欄95参照)を自動生成し、当該伝票番号を所定位置に配置させて、印刷データを生成する。
【0072】
ここで、表示データに基づいて印刷プレビューの画面表示を行い(S25)、オペレータにより宅配物のサイズ(宅配情報印刷欄93)や宅配料金(決済内容印刷欄94)の記載内容が適切であるか否かが確認される(S26)。ここで、これらの情報が不適切であるとオペレータが判断した場合は、オペレータのキー入力にしたがってデータ編集を行い(S27)、オペレータの印刷指示にしたがって(S28:Yes)、印刷処理を行う(S29)。また、オペレータによるデータ編集の操作が為されない場合(例えば、確認OKを意味するエンターキーが押下された場合)は(S26:Yes)、印刷指示(S28:Yes)を待って、印刷処理を行う(S29)。
【0073】
次に、図8を参照し、上記の印刷処理によって作成された宅配伝票用紙Pの印刷結果について説明する。上記のとおり、本実施形態では、台紙Pa上に等間隔で配置された空白ラベルに、図7に示す伝票書式データDと、図6に示す印刷位置にしたがって配置された各記載事項とを重畳して伝票印刷データを生成し、図8に示すような印刷結果を得ることができる。
【0074】
具体的には、「配送先郵便番号」、「配送先電話番号」、「配送先住所」および「配送先氏名」の項目の記載事項を、配送先印刷欄91の各所定位置(図6に示す印刷位置によって規定される印刷範囲)に印刷し、「配送元郵便番号」、「配送元電話番号」、「配送元住所」および「配送元氏名」の項目の記載事項を、配送元印刷欄92の各所定位置に印刷する。また、「品名」、「配送形態」、「サイズ」、「配送指定日」および「配送指定時間」の項目の記載事項を、宅配情報印刷欄93の各所定位置に印刷し、「支払い先」および「宅配料金」の項目の記載事項を、決済内容印刷欄94の各所定位置に印刷する。さらに、宅配伝票用紙Pの印刷データ作成時に自動作成された伝票番号を、伝票番号印刷欄95に印刷し、その伝票番号をコード化したバーコードを、バーコード印刷欄96に印刷する。
【0075】
以上、説明したとおり、本発明によれば、携帯電話50に宅配伝票用紙Pの各項目に記載するための記載事項(コンテンツ)を入力するだけで、当該記載事項に、項目毎に異なる(各項目を特定するための)識別子を付加してコード化したシンボル画像Bを容易に生成・表示させることができる。また、このシンボル画像Bを配送受付端末20のイメージリーダ35に読み取らせることで、各項目の記載事項が宅配伝票用紙Pの書式に合わせて適切な位置に印刷された宅配伝票を作成することができ、ユーザは、宅配伝票用紙Pへの手書き記入の手間を省くことができる。また、配送先および配送元の住所、氏名および電話番号に関する記載事項の入力は、住所録データベース511(図2参照)の中の任意のレコードの指定に代えることができるため、さらに容易にシンボル画像Bを生成することができる。
【0076】
また、携帯電話50では、シンボル画像Bを生成するために入力した入力データを保存し、これを読み出して表示画面52上に、配送履歴の一覧(図9参照)を表示することができるため、例えばお歳暮やお中元などの贈り物の配送管理に利用することができる。
【0077】
なお、上記では、コンテンツ取得手段520(図2参照)による記載事項の取得は、ユーザによるキー入力又はメモリカードMからのデータ読み取りによって行うものとしたが、保存しておいた入力データを呼び出し、適宜修正を加えて、シンボル画像Bを生成できるようにしても良い。この構成によれば、例えば前回と同じ配送先に宅配物だけを変えて配送するといった場合、前回の保存データを呼び出し、宅配物の品名のみを変更するだけで、容易にシンボル画像Bを生成することができる。
【0078】
また、上記では、1つのシンボル画像Bに、宅配伝票用紙Pに印刷する全ての記載事項に関する情報(識別子付き記載事項)を含めるものとしたが、配送先に関する情報のみを含めたシンボル画像、配送元に関する情報のみを含めたシンボル画像、といったように複数のシンボル画像Bに情報を分割し、イメージリーダ35に複数回読み取らせることで、宅配伝票の印刷を行うようにしても良い。この構成によれば、上記のように同じ配送先に配送を行うような場合、前回生成した配送先に関する情報に基づくシンボル画像Bを読み出し、全く編集せずにそのまま利用することが可能となる。
【0079】
また、上記では、農産物の臨時販売所など、配送受付端末20を極力簡易な構成とするべく、PC30と印刷装置40とで構成される場合を例示したが(図1参照)、PC30に代えてPOS端末(レジ端末)を用いても良い。また、PC30と印刷装置40とを同一の装置で構成するようにしても良い。さらに、PC30が取得した宅配伝票用紙Pへの記載事項に関するデータを、インターネット等のネットワークを介して配送業者のサーバシステムに送信し、配送管理に利用できるようにシステム構築することも可能である。
【0080】
また、上記では、携帯電話50の表示画面52上に表示されたシンボル画像Bをイメージリーダ35によって読み取るものとしたが、印刷出力されたシンボル画像Bを読み取るようにしても良い。この場合、配送依頼者は、自身のパーソナルコンピュータ等を用いて、シンボル画像Bを生成し、プリンタで印刷出力しておく必要がある。この場合も、上記の携帯電話50使用の場合と同様に、シンボル画像B生成のための所定のアプリケーションをWeb等からダウンロードし、そのアプリケーションによって提供される入力書式にしたがって、各項目を入力していくことで、シンボル画像Bを生成することが可能である。
【0081】
また、携帯電話50に代えて、PHS(Personal Handy-phone System)や、PDA(Personal Digital Assistant)など、携帯可能な情報端末(携帯型情報装置)のディスプレイ上にシンボル画像Bを表示させるようにしても良い。すなわち、シンボル画像Bを表示(出力)可能な情報端末であれば、本発明を適用可能である。また、シンボル画像Bとしては、図示したQRコード以外にも、Maxiコード、Veriコード、データマトリクス、PDF417等の2次元コードを利用可能である。
【0082】
また、上記の例に示した、配送受付端末20や携帯電話50の各部(各機能)、並びにシンボル画像B生成のための所定のアプリケーションをプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記録媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリスティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク、ハードディスク等を利用可能である。
【0083】
また、シンボル画像B生成のための所定のアプリケーションを宛名書きソフトに組み込んで提供することも可能である。この構成によれば、お中元やお歳暮等の贈答品の配送管理を、年賀状等の書簡(郵送物)の管理と一元的に行うことができる。
【0084】
また、上記の実施形態における宅配伝票印刷システム10の例によらず、システム構成や装置構成、伝票の構成等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態に係る宅配伝票印刷システムのシステム構成図である。
【図2】宅配伝票印刷システムの機能ブロック図である。
【図3】携帯電話の宅配伝票作成依頼処理を示すフローチャートである。
【図4】配送受付端末の宅配伝票作成処理を示すフローチャートである。
【図5】識別子と、これと関連づけられたコンテンツの一例を示す図である。
【図6】識別情報と、伝票書式(各コンテンツの印刷位置)を説明するための図である。
【図7】伝票書式データの一例を示す図である。
【図8】宅配伝票用紙の印刷結果例を示す図である。
【図9】配送履歴一覧の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
10 宅配伝票印刷システム 20 配送受付端末
30 PC 35 イメージリーダ
40 印刷装置 50 携帯電話
52 表示画面 53 キー群
54 メモリカードスロット 310 読み取り手段
320 デコード手段 330 記憶手段(PC)
340 解読手段 350 伝票印刷データ生成手段
410 印刷手段 510 記憶手段(携帯電話)
511 住所録データベース 512 配送履歴記憶手段
520 コンテンツ取得手段 530 識別子付加手段
540 シンボル画像生成手段 550 表示手段
B シンボル画像 L サーマルラベル
M メモリカード P 宅配伝票

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝票の各項目に記載するための複数の記載事項をコード化したシンボル画像を生成するシンボル画像生成装置において、
前記項目別に、前記記載事項を取得するコンテンツ取得手段と、
取得した前記記載事項に、前記項目毎に異なる識別子を付加する識別子付加手段と、
取得した前記記載事項を、前記識別子と共にコード化して、前記シンボル画像を生成するシンボル画像生成手段と、を備えたことを特徴とするシンボル画像生成装置。
【請求項2】
生成した前記シンボル画像を表示する表示画面をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のシンボル画像生成装置。
【請求項3】
生成した前記シンボル画像を、印刷媒体上に印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のシンボル画像生成装置。
【請求項4】
前記伝票は、宅配物に貼付して用いる宅配伝票であり、
前記コンテンツ取得手段は、少なくとも前記宅配物の配送先および/または配送元の、住所、氏名および電話番号の各項目への記載事項を取得することを特徴とする請求項1、2または3に記載のシンボル画像生成装置。
【請求項5】
レコード毎に、住所、氏名および電話番号を関連づけて記憶する住所録データベースをさらに備え、
前記コンテンツ取得手段は、前記住所録データベースの中から任意のレコードが指定されることによって、前記配送先および/または配送元の住所、氏名および電話番号を取得することを特徴とする請求項4に記載のシンボル画像生成装置。
【請求項6】
前記コンテンツ取得手段は、前記配送先別に、前記宅配物の内容または品名に関する項目への記載事項を取得可能であることを特徴とする請求項5に記載のシンボル画像生成装置。
【請求項7】
前記配送先別に取得した前記宅配物の内容または品名の履歴である配送履歴を記憶する配送履歴記憶手段をさらに備え、
前記表示画面は、前記配送履歴を表示することを特徴とする請求項6に記載のシンボル画像生成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシンボル画像生成装置として機能することを特徴とする携帯型情報処理装置。
【請求項9】
請求項2ないし7のいずれか1項に記載のシンボル画像生成装置と、
前記表示画面に表示、若しくは前記印刷媒体上に印刷された前記シンボル画像を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段による読み取り結果をデコードするデコード手段と、
前記デコード手段によるデコード結果に含まれる前記識別子を解読する解読手段と、
前記解読手段の解読結果と、所定の伝票書式とに基づいて、前記デコード結果に含まれる各記載事項を前記伝票の各所定位置に印刷するための伝票印刷データを生成する伝票印刷データ生成手段と、
前記伝票印刷データを前記伝票上に印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項10】
伝票の各項目に記載するための複数の記載事項をコード化したシンボル画像の生成方法であって、
前記項目別に、前記記載事項を取得するステップと、
取得した前記記載事項に、前記項目毎に異なる識別子を付加するステップと、
取得した前記記載事項を、前記識別子と共にコード化して、前記シンボル画像を生成するステップと、を実行することを特徴とするシンボル画像の生成方法。
【請求項11】
生成した前記シンボル画像を表示するステップをさらに実行することを特徴とする請求項10に記載のシンボル画像の生成方法。
【請求項12】
生成した前記シンボル画像を、印刷媒体上に印刷するための印刷データを生成するステップをさらに実行することを特徴とする請求項10または11に記載のシンボル画像の生成方法。
【請求項13】
前記伝票は、宅配物に貼付して用いる宅配伝票であり、
前記記載事項を取得するステップでは、少なくとも前記宅配物の配送先および/または配送元の、住所、氏名および電話番号の各項目への記載事項を取得することを特徴とする請求項10、11または12に記載のシンボル画像の生成方法。
【請求項14】
前記記載事項を取得するステップでは、レコード毎に、住所、氏名および電話番号を関連づけて記憶する住所録データベースの中から任意のレコードが指定されることによって、前記配送先および/または配送元の住所、氏名、電話番号を取得することを特徴とする請求項13に記載のシンボル画像の生成方法。
【請求項15】
前記記載事項を取得するステップでは、前記配送先別に、前記宅配物の内容または品名に関する項目への記載事項を取得することを特徴とする請求項14に記載のシンボル画像の生成方法。
【請求項16】
前記配送先別に取得した前記宅配物の内容または品名の履歴である配送履歴を記憶するステップと、
前記配送履歴を表示するステップと、をさらに実行することを特徴とする請求項15に記載のシンボル画像の生成方法。
【請求項17】
コンピュータに、請求項10ないし16のいずれか1項に記載のシンボル画像の生成方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−227685(P2006−227685A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37304(P2005−37304)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】