説明

シートカバー

【課題】利用者が好みの外観に変更できるシートカバーを提供する。
【解決手段】純正シート500に装着するシートカバー1,100,200において、純正シート500を覆うカバー本体20と、カバー本体20の外面21と異なる外面構成を有する変更部材30,130,231,232,233,30’と、カバー本体20の外面21に変更部材30,231,232,233,30’を固定する固定手段40,140,150,240,40’とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、自動車用シートに装着するシートカバーに関する。詳しくは、利用者が好みの外観に変更できるシートカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、シートカバーは、例えば、特許文献1の図6及び図8に示すように、所定の形状に裁断された表面部材同士を縫製することで、装着する自動車用シートの形状に略一致する袋形状に形成されている。
【0003】
従来、上記シートカバーの利用者は、好みの外観のシートカバーを、店頭に並んだ既成のシートカバーの中から選択し、自動車用シートに装着して利用していた。
しかし、利用者が選択できるシートカバーの種類は限られており、各利用者の嗜好に合った外観のシートカバーを提供することはできなかった。
【0004】
そこで、予め定めた様々な色や材質等の中から、利用者に好みのものを選択してもらい、注文制作することで、各利用者の嗜好に合った外観のシートカバーを提供していた。
【0005】
しかしながら、上述の注文制作する場合においては、店頭に並んだ既成のシートカバーの中から選択する場合に比べ、製作のコストが高く、また、注文から納品までに時間がかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−51550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、利用者が好みの外観に変更できるシートカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、自動車用シートに装着するシートカバーにおいて、自動車用シートを覆うカバー本体と、前記カバー本体の外面と異なる外面構成を有する変更部材と、前記カバー本体の外面に前記変更部材を固定する固定手段とを備えたことを特徴とする。
上記外面構成は、例えば、色、光沢の有無、材質、凹凸、柄等とすることができる。
【0009】
この発明により、前記カバー本体の外面と異なる外面構成を有する前記変更部材を、前記カバー本体の外面に、前記固定手段により固定することで、利用者がシートカバーを好みの外観の変更することができる。その結果、シートカバーの利用者の満足度をより向上することができる。
【0010】
この発明の態様として、前記カバー本体と、前記変更部材とを別体構成することができる。
この発明により、色、光沢の有無、材質、凹凸、柄等の外面構成が異なる様々な前記変更部材の中から好みの前記変更部材を選択して、前記カバー本体に対して前記固定手段で固定することで、様々な外観の前記シートカバーに変更することができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記固定手段を、前記カバー本体の外面と、前記変更部材の内面とを固定する構成とすることができる。
上記固定手段は、例えば、両面テープ、接着剤等、或いは、雌雄一対の面ファスナ等とすることができる。
【0012】
この発明により、前記カバー本体の外面と、前記変更部材の内面とを、前記固定手段で固定するだけで、容易に、好みの外観の前記シートカバーに変更することができる。
【0013】
また、この発明の態様として、前記固定手段を、前記カバー本体の外面に対して層状に取り付けると共に、前記カバー本体との間に前記変更部材の挿入を許容する層状固定手段で構成し、前記層状固定手段を、挿入した前記変更部材を外部から視認可能な視認可能材料で構成することができる。
上記層状固定手段は、例えば、透明な樹脂製シート、網状の布地等とすることができる。
【0014】
この発明により、前記カバー本体と前記層状固定手段との間に、色、光沢の有無、材質、凹凸、柄等の外面構成が異なる様々な前記変更部材を、自在に、挿入し、取り出すことができる。したがって、容易に、様々な外観の前記シートカバーに変更することができる。
【0015】
また、この発明の態様として、前記変更部材を、前記カバー本体に対して前記固定手段で取り外し可能に固定して一体構成することができる。
この発明により、前記固定手段で前記カバー本体に取り外し可能に固定している前記変更部材を、前記カバー本体から取り外すことで、固定した状態とは異なる外観の前記シートカバーに変更することができる。
【0016】
また、この発明の態様として、前記変更部材を、互いに異なる外面構成を有する複数の前記変更部材を、層状に重ね合わせ、前記固定手段により取り外し可能に固定する積層変更部材で構成することができる。
この発明により、前記積層変更部材を構成する前記変更部材の取り外す枚数を選択することで、様々な外観の前記シートカバーに変更することができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明により、利用者が好みの外観に変更できるシートカバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】カバー本体に変更部材を接着した状態のシートカバーの斜視図。
【図2】背もたれ部シートカバーのカバー本体の説明図。
【図3】背もたれ部シートカバーの変更部材の説明図。
【図4】カバー本体に変更部材を接着する前後の状態の説明図。
【図5】カバー本体に変更部材を接着する前の状態のシートカバーの斜視図。
【図6】第2実施形態のカバー本体に変更部材を接着した状態のシートカバーの斜視図。
【図7】第2実施形態のカバー本体と変更部材の説明図。
【図8】第2実施形態のカバー本体に変更部材を固定する前後の状態の説明図。
【図9】第2実施形態の変形例の説明図。
【図10】第2実施形態のカバー本体に変更部材を固定する前の状態のシートカバーの斜視図。
【図11】第3実施形態の純正シートに装着した状態のシートカバーの斜視図。
【図12】第3実施形態のカバー本体と変更部材の説明図。
【図13】第3実施形態のカバー本体から第1変更部材を剥がす前後の状態の説明図。
【図14】第3実施形態の第1変更部材を剥がした後の状態のシートカバーの斜視図。
【図15】他の実施形態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態のシートカバー1を、以下図1乃至図5と共に説明する。
図1は、自動車の純正シート500に装着した状態のシートカバー1の斜視図を示している。詳しくは、背もたれ部シートカバー10のカバー本体20に変更部材30を接着固定した状態のシートカバー1の斜視図を示している。
【0020】
また、図2は、背もたれ部シートカバー10のカバー本体20の説明図を示している。詳しくは、図2(a)は、カバー本体20の全体の斜視図を示し、図2(b)は、カバー本体20における、第1カバー本体部材25、変更部材30を接着固定する第2カバー本体部材26、及び、第3カバー本体部材27の斜視図を示している。
【0021】
また、図3は、背もたれ部シートカバー10の変更部材30の説明図を示している。詳しくは、図3(a)は、変更部材30の外面31の側から見た斜視図を示し、図3(b)は、変更部材30の内面32の側から見た斜視図を示し、図3(c)は、内面32に備えた両面テープ40の剥離紙42を途中まで剥離した状態の斜視図を示している。
【0022】
また、図4は、変更部材30をカバー本体20の第2カバー本体部材26に対して両面テープ40で接着固定する前後の状態の説明図を示している。詳しくは、図4(a)は、変更部材30を、カバー本体20の第2カバー本体部材26に対して接着固定する前の状態の斜視図を示し、図4(b)は、変更部材30を接着固定した後の状態の斜視図を示している。
また、図5は、背もたれ部シートカバー10のカバー本体20に変更部材30を接着固定する前の状態のシートカバー1の斜視図を示している。
【0023】
シートカバー1は、図1に示すように、純正シート500の背もたれ部510に装着する背もたれ部シートカバー10と、純正シート500の座部580に装着する座部シートカバー80と、純正シート500のヘッドレスト590に装着するヘッドレストカバー90とで構成している。
【0024】
さらに、背もたれ部シートカバー10は、図2に示す、純正シート500の背もたれ部510の全体を覆うカバー本体20と、図3に示す、カバー本体20の外面21に対して接着固定する変更部材30とで構成している。
【0025】
ここで、カバー本体20は、合成皮革とウレタンシートとを貼り合わせて、所定の形状に裁断した複数のカバー本体部材の端部同士を、合成皮革が外側となるように縫製することで、図2(a)に示すように、純正シート500の背もたれ部510の外面形状に略一致する袋形状に形成している。カバー本体20は、外面21を全て黒色の合成皮革で形成し、黒色の外観を有している。
【0026】
詳しくは、カバー本体20における乗員の背中等と接触する背もたれ面24の中央部分は、図2(b)に示すように、第1カバー本体部材25、変更部材30を接着固定する第2カバー本体部材26、及び、第3カバー本体部材27で構成している。
【0027】
第1カバー本体部材25は、略同一の形状に裁断した第1合成皮革25aと第1ウレタンシート25bとを貼り合せて構成している。同様に、第2カバー本体部材26は、略同一の形状に裁断した第2合成皮革26aと第2ウレタンシート26bとを貼り合せて構成し、第3カバー本体部材27は、略同一の形状に裁断した第3合成皮革27aと第3ウレタンシート27bとを貼り合せて構成している。
【0028】
さらに、第1カバー本体部材25と第2カバー本体部材26とは、第1合成皮革25a及び第2合成皮革26aを外側にして、第1カバー本体部材25の下端を内側に折り返した折返し部分25rと、第2カバー本体部材26の上端部分26uとを内側において縫い糸28で縫製することで連接している。
【0029】
同様に、第2カバー本体部材26と第3カバー本体部材27とは、第2合成皮革26a及び第3合成皮革27aを外側にして、第3カバー本体部材27の上端を内側に折り返した折返し部分27rと、第2カバー本体部材26の下端部分26dとを内側において縫い糸28で縫製することで連接している。
【0030】
また、変更部材30は、カバー本体20の外面21を構成する黒色の合成皮革と異なる、例えば、外面31が赤色の合成皮革で構成し、図3に示すように、外面31及び内面32を、上述の第2カバー本体部材26の外面である被接着面21aの形状と略一致する形状に形成している。また、変更部材30は、内面32に両面テープ40を備えている。
【0031】
両面テープ40は、図3(b)及び図3(c)に示すように、変更部材30の外面31及び内面32の形状と略一致する形状を有し、両面に接着剤を塗布した接着テープ41と、接着テープ41の外側の接着面41aを覆う剥離紙42とで一体構成している。そして、両面テープ40は、内側の接着面を上述の変更部材30の内面32に対して接着固定している。
【0032】
変更部材30は、両面テープ40の剥離紙42を剥がして、図4に示すように、上述の両面テープ40の外側の接着面41aを、カバー本体20の第2カバー本体部材26の被接着面21aに接着することで、カバー本体20に対して固定する。
【0033】
変更部材30をカバー本体20に接着固定することで、例えば、図5に示す、全体が黒色のシートカバー1を、図1に示すように、乗員の背中等と接触する背もたれ面24の一部を赤色に変更することができる。
【0034】
なお、上述の第1実施形態では、変更部材30の外面31は、赤色であるが、もちろんこれに限らず、カバー本体20の外面21と異なる様々な色を有していてもよい。
【0035】
また、上述の第1実施形態では、変更部材30の外面31は、カバー本体20の外面21と色が異なる構成であるが、もちろんこれに限らず、光沢の有無、材質、凹凸、柄等の外面構成が異なっていてもよい。
また、上述の第1実施形態において、両面テープ40に替えて、変更部材30の内面に直接接着剤を塗布し、その上から剥離紙を貼り付けた構成であってもよい。
【0036】
上述のシートカバー1の構成により、以下に述べる作用効果を奏する。
カバー本体20の外面21と異なる外面構成を有する変更部材30を、カバー本体20の外面21に、両面テープ40により接着固定することで、シートカバー1を、好みの外観に変更することができる。その結果、シートカバー1の利用者の満足度をより向上することができる。
【0037】
また、シートカバー1は、色、光沢の有無、材質、凹凸、柄等の外面構成が異なる様々な変更部材30の中から好みの変更部材30を選択して、カバー本体20に対して両面テープ40で接着固定することで、様々な外観に変更することができる。
【0038】
また、シートカバー1は、カバー本体20の外面21と、変更部材30の内面32とを、両面テープ40で接着固定するだけで、容易に、好みの外観に変更することができる。
【0039】
さらに、シートカバー1は、カバー本体20の外面21の任意の部分が汚たり、タバコの火等により穴が開いたときに当該部分の上から、適宜の形状及び表面構成を有する変更部材30を接着固定することで、当該部分を変更部材30で覆って隠すこともできる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態のシートカバー2を、以下図6乃至図8と共に説明する。なお、上述の第1実施形態と同じ構成については、同じ符号とし、説明を省略する。
【0040】
図6は、自動車の純正シート500に装着した状態のシートカバー100の斜視図を示している。詳しくは、背もたれ部シートカバー110のカバー本体20に変更部材130を挿入して固定した状態のシートカバー100の斜視図を示している。
【0041】
また、図7は、背もたれ部シートカバー110のカバー本体20、変更部材130、及び、透明な樹脂製シート140の説明図を示している。詳しくは、図7(a)は、カバー本体20における、第1カバー本体部材25、第2カバー本体部材26と樹脂製シート140、及び、第3カバー本体部材27の斜視図を示している。さらに、図7(b)は、変更部材130の外面131の側から見た斜視図を示し、図7(c)は、内面32の側から見た斜視図を示している。
【0042】
また、図8は、変更部材130を、カバー本体20の第2カバー本体部材26と、透明な樹脂製シート140との間に挿入して固定する前後の状態の説明図を示している。詳しくは、図8(a)は、変更部材130を、第2カバー本体部材26と、透明な樹脂製シート140との間に挿入して固定する前の状態の斜視図を示し、図8(b)は、変更部材130を、挿入して固定した後の状態の斜視図を示している。
【0043】
シートカバー100の背もたれ部シートカバー110は、図7(a)に示す、純正シート500の背もたれ部510の全体を覆うカバー本体20と、カバー本体20の第2カバー本体部材26に対して層状に取り付けた透明な樹脂製シート140と、図7(b)及び図7(c)に示す、第2カバー本体部材26と、透明な樹脂製シート140との間の被挿入部分121aに挿入して固定する変更部材130とで構成している。
【0044】
ここで、樹脂製シート140は、透明で軟質であり、第2カバー本体部材26の形状と略同一の形状に形成している。
さらに、第1カバー本体部材25と第2カバー本体部材26とは、第2カバー本体部材26の外面に樹脂製シート140を端を揃えて重ね合わせた状態で、第1カバー本体部材25の下端を内側に折り返した折返し部分25rと、第2カバー本体部材26の上端部分26u及び樹脂製シート140の上端部分140uとを、内側において、縫い糸28で縫製することで連接している。
【0045】
同様に、第2カバー本体部材26と第3カバー本体部材27とは、第2カバー本体部材26の外面に樹脂製シート140を端を揃えて重ね合わせた状態で、第3カバー本体部材27の上端を内側に折り返した折返し部分27rと、第2カバー本体部材26の下端部分26d及び樹脂製シート140の下端部分140dとを、内側において、縫い糸28で縫製することで連接している。
【0046】
また、変更部材130は、カバー本体20の外面21を構成する黒色の合成皮革と異なる、例えば、外面131が赤色の合成皮革で構成し、図7(b)及び図7(c)に示すように、外面131及び内面132を、上述の第2カバー本体部材26の形状と略一致する形状に形成している。なお、変更部材130には、両面テープ等の固定手段は特に設けない。
【0047】
上述の変更部材130を、図8に示すように、カバー本体20の第2カバー本体部材26と、透明な樹脂製シート140との間の被挿入部分121aに挿入することで、変更部材130をカバー本体20に固定する。
【0048】
なお、上述の透明な樹脂製フイルム140を、図9及び図10に示すように、第2カバー本体部材26の形状と略一致する形状を有する網状の布地150に置き換えて、変更部材130を、第2カバー本体部材26と、網状の布地150との間の被挿入部分181aに挿入してもよい。
【0049】
ここで、図9は、第2実施形態において、透明な樹脂製シート140を網状の布地150で置き換えた変形例の説明図を示している。詳しくは、図9(a)は、変更部材130を、第2カバー本体部材26と、網状の布地150との間に挿入して固定する前の状態の斜視図を示し、図9(b)は、変更部材130を、挿入して固定した後の状態の斜視図を示している。
【0050】
また、図10は、背もたれ部シートカバー110のカバー本体120に変更部材130を挿入して固定する前の状態のシートカバー100の斜視図を示している。
【0051】
変更部材130をカバー本体20に挿入して固定することで、例えば、図10に示す、全体が黒色のシートカバー100を、図6に示すように、乗員の背中等と接触する背もたれ面124の一部を赤色に変更することができる。
【0052】
なお、上述の第2実施形態では、変更部材130の外面131は、赤色であるが、もちろんこれに限らず、カバー本体20の外面21と異なる様々な色を有していてもよい。
【0053】
また、上述の第2実施形態では、変更部材130の外面131は、カバー本体20の外面21と色が異なる構成であるが、もちろんこれに限らず、光沢の有無、材質、凹凸、柄等の外面構成が異なっていてもよい。
【0054】
上述のシートカバー100の構成により、以下に述べる作用効果を奏する。
カバー本体20の外面21と異なる外面構成を有する変更部材130を、カバー本体20の外面21に、樹脂製シート140、又は、網状の布地150により固定することで、シートカバー100を、好みの外観に変更することができる。その結果、シートカバー100の利用者の満足度をより向上することができる。
【0055】
また、シートカバー100は、カバー本体20と樹脂製シート140又は網状の布地150との間に、色、光沢の有無、材質、凹凸、柄等の外面構成が異なる様々な変更部材130を、自在に、挿入し、取り出すことができる。したがって、容易に、様々な外観に変更することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態のシートカバー200を、以下図11乃至図14と共に説明する。なお、上述の第1実施形態と同じ構成については、同じ符号をとし、説明を省略する。
【0056】
図11は、自動車の純正シート500に装着した状態のシートカバー200の斜視図を示している。詳しくは、背もたれ部シートカバー210のカバー本体20から第1変更部材231を剥がす前の状態のシートカバー200の斜視図を示している。
【0057】
また、図12は、背もたれ部シートカバー210のカバー本体20と積層変更部材230の説明図を示している。詳しくは、図12(a)は、カバー本体20における、積層変更部材230を接着固定する第2カバー本体部材26、第1カバー本体部材25、及び、第3カバー本体部材27の斜視図を示している。
【0058】
さらに、図12(b)は、積層変更部材230の外面231aの側から見た斜視図を示し、図12(c)は、積層変更部材230の第1変更部材231及び第2変更部材232を途中まで剥離した状態の斜視図を示し、図12(d)は、内面233bの側から見た斜視図を示している。
【0059】
また、図13は、カバー本体20から第1変更部材231を剥がし取る前後の説明図を示している。詳しくは、図13(a)は、カバー本体20に積層変更部材230を接着固定して備えた状態の斜視図を示し、図13(b)は、カバー本体20から第1変更部材231を剥がす途中の状態の斜視図を示し、図13(c)は、第1変更部材231を剥がした後の状態の斜視図を示している。
【0060】
また、図14は、背もたれ部シートカバー210のカバー本体20から第1変更部材231を剥がした後の状態のシートカバー200の斜視図を示している。
シートカバー200の背もたれ部シートカバー210は、図12に示す、カバー本体20と積層変更部材230とで構成している。
【0061】
ここで、積層変更部材230を構成する第1変更部材231は、カバー本体20の外面21を構成する黒色の合成皮革と異なる、例えば、外面231aが赤色の合成皮革で構成し、図12(b)に示すように、外面231a及び内面231bを、第2カバー本体部材26の被接着面21aと略一致する形状に形成している。
【0062】
また、積層変更部材230を構成する第2変更部材232は、例えば、外面232aが青色の合成皮革で構成し、第1変更部材231と略一致する形状に形成している。
【0063】
さらに、積層変更部材230を構成する第3変更部材233は、例えば、外面233aが白色の合成皮革で構成し、第2変更部材232と略一致する形状に形成している。
【0064】
積層変更部材230は、上述の第1変更部材231、第2変更部材232、及び、第3変更部材233を重ね合せ、剥離可能な接着剤240で貼り合せて構成している。
【0065】
したがって、図11に示すような、第1変更部材231が最表面となる状態においては、変更第1部材231の外面231aが第1変更部材230の外面230aとなる。
【0066】
さらに、積層変更部材230は、第3変更部材233の内面233bを、カバー本体20の第2カバー本体部材26の外面である被接着面21aに接着剤240で接着固定することでカバー本体20に備えている。
【0067】
なお、第2変更部材232の外面232a、第3変更部材233の外面233a、及び、第2カバー本体部材26の外面である被接着面21aは、接着剤240の成分が染み込まないように剥離加工されている。
このため、例えば、第1変更部材231を第2変更部材232から剥がし取ったときに、接着剤240が第2変更部材232の外面232aに残らない。
【0068】
上述のように積層変更部材230を備えたカバー本体20から、例えば、図13に示すように、第1変更部材231を剥がし取ることで、シートカバー200における乗員の背中等と接触する背もたれ面224の一部を赤色から青色に変更可能である。
【0069】
第1変更部材231をカバー本体20から剥がし取ることで、図11に示す、全体が黒色で一部が赤色のシートカバー200を、図14に示すように、乗員の背中等と接触する背もたれ面224の一部を青色に変更することができる。
【0070】
なお、上述の第3実施形態では、積層変更部材230における第1変更部材231の外面231a、第2変更部材232の外面232a、及び、第3変更部材233aの外面233aは、夫々、赤色、青色、及び、白色であるが、もちろんこれに限らず、カバー本体20の外面21と異なる様々な色を有していてもよい。
【0071】
また、上述の第3実施形態では、積層変更部材230を構成する第1変更部材231の外面231a、第2変更部材232の外面232a、及び、第3変更部材233aの外面233aは、カバー本体20の外面21と色が異なる構成であるが、もちろんこれに限らず、材質、凹凸、柄等の外面構成が異なっていてもよい。
【0072】
上述のシートカバー200の構成により、以下に述べる作用効果を奏する。
カバー本体20の外面21と異なる外面構成を有する第1変更部材231,第2変更部材232,第3変更部材233を積層した積層変更部材230を、カバー本体20の外面21に、接着剤240により接着固定していることで、シートカバー200を、好みの外観に変更することができる。その結果、シートカバー200の利用者の満足度をより向上することができる。
【0073】
また、シートカバー200は、接着剤240でカバー本体20に取り外し可能に接着固定している積層変更部材230を構成する第1変更部材231、第2変更部材232、及び、第3変更部材233を、カバー本体20から取り外すことで、接着固定していた状態とは異なる外観に変更することができる。
【0074】
また、第3実施形態のシートカバー200は、積層変更部材230を構成する第1変更部材231、第2変更部材232、及び、第3変更部材233の取り外す枚数を選択することで、様々な外観に変更することができる。
【0075】
例えば、上述のように第1変更部材231のみをカバー本体20から剥がし取ることで、乗員の背中等と接触する背もたれ面224の一部を赤色から青色に変更でき、また、第1変更部材231及び第2変更部材232を剥がし取ることで、赤色から白色に変更できる。さらに、第1変更部材231、第2変更部材232、及び、第3変更部材233をカバー本体20から全て剥がし取ることで、背もたれ面224の全面を黒色に変更することができる。
【0076】
なお、上述の第1実施形態から第3実施形態において、変更部材30,130、及び、積層変更部材230は、全て第2カバー本体部材26の全面を覆う態様で固定しているが、様々な形状、大きさの変更部材30,130、又は、積層変更部材230を、カバー本体20の外面21の様々な場所に固定してもよい。
【0077】
例えば、変更部材30,130、又は、積層変更部材230を、背もたれ部シートカバー10の乗員の背中等が当接する背もたれ面24、又は、座部シートカバー80の乗員の臀部等が当接する座面84に固定してもよいし、背もたれ部シートカバー10のサイド部11b、又は、座部シートカバー80のサイド部81bに固定してもよい。
【0078】
また、変更部材30,130、又は、積層変更部材230を、シートカバー1の座部シートカバー80の正面81aに固定してもよいし、ヘッドレストカバー90の正面91aに固定してもよい。さらに、純正シートのアームレストを覆うアームレストカバーに固定してもよい。
【0079】
また、例えば、同一、又は、互いに異なった外面構成の変更部材30,130、又は、積層変更部材230を、カバー本体20の外面21の複数箇所に固定してもよい。
【0080】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
固定手段は、両面テープ40、樹脂製シート140、網状の布地150、及び、接着剤240に対応し、
以下同様に、
層状固定手段は、樹脂製シート140、及び、網状の布地150に対応し、
変更部材は、変更部材30,130,30’、第1変更部材231、第2変更部材232、及び、第3変更部材233に対応し、
自動車用シートは、純正シート500に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0081】
例えば、第1実施形態のシートカバー1において、両面テープ40に替えて、図15に示すように、縫い糸41’と、変更部材30’の周縁に沿って設けた縫い糸41’の通過を許容する通し孔42’とで構成する縫製手段40’を、カバー本体20に変更部材30’を固定する固定手段として用いてもよい。なお、図15において、第1実施形態のシートカバー1と同じ構成については、同じ符号とし、説明を省略する。
【0082】
また、例えば、第3実施形態のシートカバー200において、接着剤240に替えて、上述の縫い糸41’で、通し孔42’を有する積層変更部材をカバー本体20に固定してもよい。
【符号の説明】
【0083】
1,100,200…シートカバー
20…カバー本体
21…外面
30,130,30’…変更部材
32,231b,232b,233b,32’…内面
40…両面テープ
140…樹脂製シート
150…網状の布地
230…積層変更部材
231…第1変更部材
232…第2変更部材
233…第3変更部材
240…接着剤
40’…縫製手段
500…純正シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用シートに装着するシートカバーにおいて、
自動車用シートを覆うカバー本体と、
前記カバー本体の外面と異なる外面構成を有する変更部材と、
前記カバー本体の外面に前記変更部材を固定する固定手段とを備えた
シートカバー。
【請求項2】
前記カバー本体と、前記変更部材とを別体構成した
請求項1に記載のシートカバー。
【請求項3】
前記固定手段を、
前記カバー本体の外面と、前記変更部材の内面とを固定する構成とした
請求項2に記載のシートカバー。
【請求項4】
前記固定手段を、
前記カバー本体の外面に対して層状に取り付けると共に、前記カバー本体との間に前記変更部材の挿入を許容する層状固定手段で構成し、前記層状固定手段を、挿入した前記変更部材を外部から視認可能な視認可能材料で構成した
請求項2に記載のシートカバー。
【請求項5】
前記変更部材を、
前記カバー本体に対して前記固定手段で取り外し可能に固定して一体構成した
請求項1に記載のシートカバー。
【請求項6】
前記変更部材を、
互いに異なる外面構成を有する複数の前記変更部材を、層状に重ね合わせ、前記固定手段により取り外し可能に固定する積層変更部材で構成した
請求項5に記載のシートカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−487(P2013−487A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137103(P2011−137103)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(500564493)株式会社イレブンインターナショナル (8)