説明

シートハウス

【課題】骨組み構造体を補強することで風雨や降雪によって押し潰されないようにできるし、安価なシートハウスとする。
【解決手段】複数の門型フレーム1を間隔を置いて設置して骨組み構造体3とし、この骨組み構造体3の左右両側部に補強フレーム10を左右対称にそれぞれ連結し、その左右の補強フレーム10間に亘って第1の補強部材5と第2の補強部材6を連結して骨組み構造体3を補強し、前記第1の補強部材5は門型フレーム1の外向き力が作用する第1中間地点B,B′と同一高さで、第2の補強部材6は門型フレーム1の内向き力が作用する第2中間地点A,A′と同一高さとして風雨や降雪によって押し潰しされないシートハウスとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜、果物、花などの植物を栽培するための温室等として利用されるシートハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から一般的に知られているシートハウスとしては、例えば図1に示すように、左右の縦部1a,1aと横部1bで、半円型状でアーチ状の門型フレーム1を約60cm間隔で複数配列し、その各門型フレーム1の縦部1aと横部1bを複数本の直線のパイプ2でそれぞれ結合してハウス状の骨組み構造体3とし、その骨組み構造体3にシート(図示せず)を張設して取付けて覆うようにしたものが存在する。
このようなシートハウスは、台風による風雨や降雪に対して弱く、風雨や降雪によって押し潰されることがある。
【0003】
前述の風雨や降雪によるシートハウスの押し潰しを防止するためには、図2に示すようにシートハウス内部に柱状の支持部材4を設置して支えることが考えられるが、十分な押し潰し防止効果が期待できないばかりか、その柱状の支持部材4がシートハウス内での作業時に邪魔になり、内部作業に支障をきたすことがある。
【0004】
このようなことから、特許文献1〜11には、融雪装置、除雪シート、積雪防止装置等が開示されている。
これらの装置を前述した従来のシートハウスに適用すれば降雪による押し潰されることを防止することが可能である。
【0005】
【特許文献1】特開2000−245268
【特許文献2】特開2000−245267
【特許文献3】特開2000−157071
【特許文献4】特開2002−153144
【特許文献5】特開2000−139237
【特許文献6】特開平10−292672
【特許文献7】特開平9−13742
【特許文献8】特開平8−312199
【特許文献9】特開平7−207634
【特許文献10】特開平5−176638
【特許文献11】特開平5−123061
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した融雪装置、積雪防止装置は高価であると共に、維持管理費用も高く、簡易なシートハウスに適用することはコスト的に無理である。
また、前述した除雪シートも高価で、簡易なシートハウスに適用することはコスト的に無理があるし、その除雪シートを取付けたり、外したりする作業が面倒である。
【0007】
このために、前述した融雪装置、積雪防止装置、除雪シートを用いてシートハウスの押し潰しを防止することは事実上できず、従来のシートハウスの構造では近年の異常気象による夏場の風雨災害、冬場の大雪等々、シートハウスを多く利用している農業等従事者のシートハウスを押し潰されないように維持する苦労は甚大で、風雨や降雪によって押し潰されないと共に、安価なシートハウスの開発が要望されている。
【0008】
本発明の目的は、骨組み構造体を補強することで、風雨や降雪によって押し潰されないようにできると共に、安価なシートハウスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、前述のことに鑑みシートハウスの骨組み構造体の強度について研究、実験した結果、次のことを見出し本発明に到った。
図3に示すように、前述した図1に示す骨組み構造体3を構成する半円型状でアーチ状の門型フレーム1のみで上部荷重Fを加えてみた。
結果は図3で一点鎖線で示すように、門型フレーム1の左右の第1中間地点B,B′が外側に膨らみ始め、それに伴い門型フレーム1の頂点Cが下がり始め、臨界点を超えた時点で図3に二点鎖線で示すように完全に内側に押し潰されてしまった。
このことから、上部荷重Fによって門型フレーム1の左右の第1中間地点B,B′に外側に向かう力が作用し、その左右の第1中間地点B,B′が、まず第1の重要地点であることが判明した。この第1中間地点B,B′は門型フレーム1の全高(地面から頂部Cまでの距離)の5〜6割の高さであった。
【0010】
前述のことから、門型フレーム1の左右の第1中間地点B,B′間に亘って第1の補強部材を連結し、この第1の補強部材で上部荷重Fによる外側に向かう力を支持することで、門型フレーム1の外側への膨らみを防止できることを見出した。
【0011】
次に、図4に示すように、門型フレーム1の第1中間地点B,B′間に亘って第1の補強部材5を連結した状態で、前述と同様に上部荷重Fを加えてみた。
結果は、図4に一点鎖線で示すように門型フレーム1の左右の第1中間地点B,B′と頂点Cとの間の左右の第2中間地点A,A′に内側への応力が集中し、その第2中間地点A,A′が内側に押し潰される結果が得られた。
このことから、上部荷重Fによって門型フレーム1の左右の第2中間地点A,A′に内側に向かう力が作用し、その左右の第2中間地点A,A′が第2の重要地点であることが判明した。この第2中間地点A,A′は門型フレーム1の全高の7〜8割の高さであった。
【0012】
前述のことから、図5に示すように、門型フレーム1の左右の第1中間地点B,B′間に亘って第1の補強部材5を連結して外側に向かう力を支持し、その門型フレーム1の左右の第2中間地点A,A′間に亘って第2の補強部材6を連結して内側に向かう力を支持することで、上部荷重による門型フレーム1の押し潰しを低減できることを見出した。
【0013】
前述の第1の補強部材5は外向きの力を支持するのであるから、引張力が作用し、この第1の補強部材5は引張力に対して強いものであることが好ましい。
例えば、ワイヤロープ等のワイヤー状部材7とターンバックル8で第1の補強部材5とし、そのターンバックル8でワイヤー状部材7を緊張させて引張力を支持するものとする。
また、第2の補強部材6は内向きの力を支持するのであるから、圧縮力が作用し、この第2の補強部材6は圧縮力に対して強いものであることが好ましい。
例えば、パイプ状梁材とする。
【0014】
本発明者は、前述の研究、実験の結果、見出したことに基づき、さらに研究、実験した結果、隣接した複数の門型フレーム間に亘って補強フレームを連結することで、骨組み構造体の押し潰しを低減できることを見出し、これらのことを組み合わせることで本発明に到った。
【0015】
第1の発明は、門型フレーム1を間隔を置いて複数配列して骨組み構造体3とし、この骨組み構造体3にシート29を張設して取付け、
前記骨組み構造体3の左右側部に補強フレーム10をそれぞれ設け、この補強フレーム10を各門型フレーム1に連結して補強し、
前記左右に相対向した補強フレーム10における前記門型フレーム1の外向き力が作用する第1中間地点B,B′と同一高さ位置間に亘って第1の補強部材5を連結して外向き力を支持し、
前記左右に相対向した補強フレーム10における前記門型フレーム1の内向き力が作用する第2中間地点A,A′と同一高さ位置間に亘って第2の補強部材6を連結して内向き力を支持するようにしたことを特徴とするシートハウスである。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、門型フレーム1と補強フレーム10を、それぞれパイプで作製し、
その門型フレーム1のパイプと補強フレーム10のパイプをパイプ連結治具23で連結し、
前記パイプ連結治具23は、第1パイプ保持具24と第2パイプ保持具25を連結プレート26の一端部26bと他端部26cにそれぞれ固着して取付け、その連結プレート26は中間部を境としてねじれ変形して一側部26bと他端部26cの向きが異なり、第1パイプ保持具24で保持したパイプ20の向きと第2パイプ保持具25で保持したパイプ20の向きが相違しているシートハウスである。
【0017】
第3の発明は、門型フレーム1を前後方向に間隔を置いて複数配列して平面形状が矩形状の骨組み構造体3とし、この骨組み構造体3にシート29を張設して取付け、
前記骨組み構造体3の内側部に、その対角線方向に相対向したコーナー部間に向けて第1の補強フレーム30と第2の補強フレーム40ををそれぞれ設け、この第1の補強フレーム30と第2の補強フレーム40における長手方向の中間部分30b,40bは水平で、門型フレーム1の頂部Cの下方でX字状に交差し、
前記各中間部分30b,40bは門型フレーム1の第2中間地点A,A′と同一高さであることを特徴とするシートハウスである。
【0018】
第4の発明は、第3の発明において、門型フレーム1と第1・第2の補強フレーム30,40を、それぞれパイプで作製し、
その門型フレーム1のパイプと第1・第2の補強フレーム30,40のパイプをパイプ連結治具23で連結し、
前記パイプ連結治具23は、第1パイプ保持具24と第2パイプ保持具25を連結プレート26の一端部26bと他端部26cにそれぞれ固着して取付け、その連結プレート26は中間部を境としてねじれ変形して一側部26bと他端部26cの向きが異なり、第1パイプ保持具24で保持したパイプ20の向きと第2パイプ保持具25で保持したパイプ20の向きが相違しているシートハウスである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、骨組み構造体3に作用する外向きの力を、左右の補強フレーム10を介して第1の補強部材5で支持できるし、内向き力は、左右の補強フレーム10を介して第2の補強部材6で支持できる。
したがって、骨組み構造体3を補強することができるので、風雨や降雪によって押し潰しされないシートハウスとすることができる。
また、左右の補強フレーム10と第1・第2の補強部材5,6を用いれば良いし、その第1・第2の補強部材5,6を門型フレーム1の数よりも少なくすることが可能であるから、安価なシートハウスとすることができる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、門型フレーム1と補強フレーム10を簡単に連結できると共に、シート29と補強フレーム10のパイプとの間の間隔を大きくしてシート29の風雨による揺れ動きや積雪によるたわみによってシート29がパイプに接して損傷することを防止できる。
【0021】
請求項3に係る発明によれば、骨組み構造体3に作用する外向きの力を、第1・第2のの補強フレーム30,40で支持できるし、内向き力は、第1・第2の補強フレーム30,40の中間部分30b,40bで支持できる。
したがって、骨組み構造体3を補強することができるので、風雨や降雪によって押し潰しされないシートハウスとすることができる。
また、第1・第2の補強フレーム30,40を用いれば良いから、安価なシートハウスとすることができる。
【0022】
請求項4に係る発明によれば、門型フレーム1と第1・第2の補強フレーム30,40を簡単に連結できると共に、シート29と第1・第2の補強フレーム30,40のパイプとの間の間隔を大きくしてシート29の風雨による揺れ動きや積雪によるたわみによってシート29がパイプに接して損傷することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の第1の実施の形態を図6、図7、図8に基づいて説明する。なお、前述の図1〜図5に示した部材と同一部材は符号を同一とする。
図6に示すように、門型フレーム1を前後方向に間隔を置いて複数配列し、各門型フレーム1の左右の縦部1a間及び横部1bの頂点C間に亘ってパイプ2を連結して骨組み構造体3とする。この骨組み構造体3はシートハウスの大きさ等に合わせて設置する。なお、パイプ2はなくとも良い。
前記骨組み構造体3の左右両側部の内側部、つまり隣接した複数の門型フレーム1の左右両側部の内側部間に亘って補強フレーム10をそれぞれ連結する。
この補強フレーム10は、その最上部10aが前述の門型フレーム1の第2中間地点A,A′と同一高さで、最下部10bが門型フレーム1の縦部1aの下端部と同一高さとなるように垂直に対して斜めとなっている。例えば、円弧形状としてある。
この実施の形態では隣接した補強フレーム10の最上部10aは山型形状に一体的に連結されている。
図6においては、骨組み構造体3の左右一側部のみを図示し、左右他側部は図示していないが、骨組み構造体3の左右両側部に左右対称となるように補強フレーム10がそれぞれ連結してある。
【0024】
図7と図8に示すように、左右に相対向した補強フレーム10の最上部10a間(つまり、門型フレーム1の第2中間地点A,A′と同一高さの部分間)に、前述の第2の補強部材6を連結し、門型フレーム1の第1中間地点B,Bと同一高さの部分間(つまり、上部荷重によって外側に膨らみ始める部分間)に、前述の第1の補強部材5を連結する。
【0025】
このようにすることで、複数の門型フレーム1に上部荷重によって作用する外向きの力が、左右の補強フレーム10と第1の補強部材5で支持され、内向きの力が左右の補強フレーム10と第2の補強部材6で支持される。
また、複数の門型フレーム1に対して第1の補強部材5、第2の補強部材6が1つで良く、コストが安い。
【0026】
この実施の形態では、前記門型フレーム1は図8に示すように左右一対のパイプ20をパイプ継手21で連結して半円型状でアーチ状としてある。
前記パイプ20によって補強フレーム10とし、その2本のパイプ20を3又形状のパイプ継手22で連結して前述の山型形状の補強フレーム10とし、そのパイプ継手22に第2の補強部材6を嵌合して連結してある。
つまり3又形状のパイプ継手22は3つの筒状部を有している。
そして、門型フレーム1のパイプ20と補強フレーム10のパイプ20は図9に示すようにパイプ連結治具23で連結されている。
【0027】
前記パイプ連結治具23は図9、図10に示すように、第1パイプ保持具24と第2パイプ保持具25を連結プレート26で連結したもので、その連結プレート26の長さによって第1・第2パイプ保持具24,25の間隔が変化し、その連結プレート26のねじれ角度で第1・第2パイプ保持具24,25の向きが異なり、2つのパイプ20の交差する角度が異なる。
【0028】
前記第1・第2パイプ保持具24,25は円形に折り曲げたプレート24a,25aの両端片24b,25bに孔24c,25cを形成した形状で、そのプレート24a,25aの円形部にパイプ20を挿通し、両端片24b,25bをボルトで締め付けることでパイプ20の外周面に圧着するようにしてある。
前記連結プレート26は長手方向の両端部に孔26aがそれぞれ形成されていると共に、長手方向中間部を境としてねじれ変形成して一側部26bと他側部26cが異なる向きとなって孔26aの向きが相違している。
そして、孔24cと孔26a及び孔25cと孔26aに亘ってボルト27をそれぞれ挿通してナット28をそれぞれ螺合して締め付けることで連結プレート26の一側部26b、他側部26cに第1パイプ保持具24、第2パイプ保持具25がそれぞれ固着される。
【0029】
このようであるから、連結プレート26の一側部26bに固着した第1パイプ保持具24の向きと、その他側部26cに固着した第2パイプ保持具25の向きが異なり、その第1パイプ保持具24で保持したパイプ20の向きと第2パイプ保持具25で保持したパイプ20の向きが相違し、門型フレーム1のパイプ20と補強フレーム10のパイプ20を交差するようにして連結できる。
したがって、複数の門型フレーム1の左右側部に亘って補強フレーム10を斜めに連結することができる。例えば、門型フレーム1を垂直に設置し、補強フレーム10を垂直に対して斜めに連結できる。
【0030】
また、門型フレーム1のパイプ20と補強フレーム10のパイプ20とが連結プレート26の長さ(孔26aの間隔)に相当するだけ離隔し、門型フレーム1のパイプ20の外側面に張設して取付けしたシート29と補強フレーム10のパイプ20との間の間隔を大きくできるので、そのシート29が風などでパタパタと波状に揺れ動いた時や積雪でたわんだ時にパイプ20と干渉しないようにできるから、そのシート29の損傷を防止できる。
つまり、通常一般のパイプ連結治具でパイプ20相互を連結すると、パイプ20相互が接近してシート29が前述のように揺れ動いた時や積雪でたわんだ時に補強フレーム10のパイプ20と干渉して損傷することがある。
【0031】
前記補強フレーム10は図11に示すように、複数の補強フレーム10を重ねて連結しても良い。
また、補強フレーム10の形状は図12に示すように三角形状でも良いし、正方形、長方形の角がない山型であっても良い。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図13と図14に示すように、複数の門型フレーム1を前後方向に間隔をおいて配列し、その左右の縦部1a間と横部1bの頂点C間に亘ってパイプ2をそれぞれ連結して骨組み構造体3とする。このパイプ2はなくとも良い。
前記骨組み構造体3の平面形状は、左右一側方の前端部3aと左右他側方の前端部3bと左右一側方の後端部3cと左右他側方の後端部3dの4つのコーナー部を有する矩形状である。
前記骨組み構造体3の対角線方向に相対向した2つのコーナー部間に亘って第1の補強フレーム30と第2の補強フレーム40が平面X字状に交差して設けてある。この第1・第2の補強フレーム30,40は骨組み構造体3の内側部に設けてある。
【0033】
前記第1・第2の補強フレーム30,40は、長手方向の両端部が低く、長手方向中間部が高いほぼ円弧山形状で、その門型フレーム1の頂部Cを境とした左右の中間部30a,40aが最も高い部分である。
この最も高い部分は門型フレーム1の第2中間地点A,A′と同一高さである。
前記第1の補強フレーム30の左右の中間部30a,30a間の中間部分30b、第2の補強フレーム40の左右の中間部40a,40a間の中間部分40bは直線状で、かつ水平である。
そして、この第1の補強フレーム30の中間部分30bと第2の補強フレーム40の中間部分40bがX字状に交差している。
【0034】
前記第1・第2の補強フレーム30,40の前述の中間部分30b,40b以外の部分が門型フレーム1にそれぞれ連結してある。なお、いずれかの門型フレーム1における前述の第1中間地点B,B′に連結する。
例えば、複数の門型フレーム1における前後方向中央部の門型フレーム1が前述の中間部分30b,40bの交差部の上方に位置し、この門型フレーム1と第1・第2の補強フレーム30,40は連結されていない。
そして、複数の門型フレーム1における前方寄りの複数の門型フレーム1に、第1の補強フレーム30の前方部分30cと第2の補強フレーム40の前方部分40cが連結されている。
前記複数の門型フレーム1における後方寄りの複数の門型フレーム1に、第1の補強フレーム30の後方部分30dと第2の補強フレーム40の後方部分40dが連結されている。
【0035】
このようであるから、骨組み構造体3に作用する外向きの力は、第1・第2の補強フレーム30,40に引張力として作用するので、その第1・第2の補強フレーム30,40で外向きの力を支持できる。
また、骨組み構造体3に作用する内向きの力は、前述の第1・第2の補強フレーム30,40の中間部分30b,40bに圧縮力として作用するので、その第1・第2の連結フレーム30,40で内向きの力を支持できる。
【0036】
しかも、第1・第2の連結フレーム30,40の中間部分30b,40bは水平であるから圧縮力を効率良く支持できる。つまり、中間部分30b,40bが斜めであったり、湾曲していると圧縮力で変形し易い。
【0037】
前記第1の補強フレーム30、第2の補強フレーム40は長手方向全長に亘って一体的に連続したパイプ形状でも良いし、複数のパイプを連結したパイプ形状でも良い。例えば、前方部分30c,40cと後方部分30d,40dと中間部分30b,40bに三分割し、それらをパイプ継手31,41で連結したパイプ形状とする。このようにすれば、パイプ継手31,41を長手方向中間部を境としてく字形状とすることで前方部分30c,40c、後方部分30d,40dが円弧形状で、中間部分30b,40bを直線状にすることができるので、第1・第2の補強フレーム30,40を簡単に作製できる。
【0038】
次に、門型フレーム1と第1・第2の補強フレーム30,40の連結について説明する。
前記門型フレーム1は前述の第1の実施の形態と同様に、パイプ20をパイプ継手21で連結したもので、第1・第2の補強フレーム30,40はそのパイプ20を用いている。
前記パイプ20は図15に示すように前述したパイプ連結治具23で連結され、シート29と第1・第2の補強フレーム30,40のパイプ20との間隔が大きくしてある。
【0039】
前記第1・第2の連結フレーム30,40の中間部分30b,40b、前方部分30c,40c、後方部分30d,40dは図16に示すように、パイプ20と同一径のパイプで、パイプ継手31,41で連結されている。
なお、図13と図14とにはパイプ連結治具23の図示が省略してあります。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】シートハウスの構造を示した斜視図である。
【図2】従来のシートハウス内部で柱状の支柱部材で支える道具を示した断面図である。
【図3】門型フレームのみで上部荷重を加えた場合の門型フレームの変形状態を示した正面図である。
【図4】門型フレームにワイヤー状部材を施して上部荷重を加えた場合の門型フレームの変形状態を示した正面図である。
【図5】ワイヤー状部材の他、パイプ状梁材も施した門型フレームの正面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を示す側面部に山型に補強フレームを施した状態を示した斜視図である。
【図7】補強フレームと第1・第2の補強部材の連結状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図9】パイプ連結治具によるパイプ連結部の斜視図である。
【図10】パイプ連結治具の分解斜視図である。
【図11】側面部に山型に補強フレームを重ねて施した状態を示した斜視図である。
【図12】側面部に三角形状の山型に補強フレームを施した状態を示した斜視図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態を示すシートハウスの平面図である。
【図14】シートハウスを前部から見た透視図である。
【図15】パイプ連結治具によるパイプ連結部の斜視図である。
【図16】第1・第2の補強フレームにおける交差部の斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1…門型フレーム、3…骨組み構造体、5…第1の補強部材、6…第2の補強部材、10…補強フレーム、20…パイプ、23…パイプ連結治具、24…第1パイプ保持具、25…第2パイプ保持具、26…連結プレート、30…第1の補強フレーム、40…第2の補強フレーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
門型フレーム1を間隔を置いて複数配列して骨組み構造体3とし、この骨組み構造体3にシート29を張設して取付け、
前記骨組み構造体3の左右側部に補強フレーム10をそれぞれ設け、この補強フレーム10を各門型フレーム1に連結して補強し、
前記左右に相対向した補強フレーム10における前記門型フレーム1の外向き力が作用する第1中間地点B,B′と同一高さ位置間に亘って第1の補強部材5を連結して外向き力を支持し、
前記左右に相対向した補強フレーム10における前記門型フレーム1の内向き力が作用する第2中間地点A,A′と同一高さ位置間に亘って第2の補強部材6を連結して内向き力を支持するようにしたことを特徴とするシートハウス。
【請求項2】
門型フレーム1と補強フレーム10を、それぞれパイプで作製し、
その門型フレーム1のパイプと補強フレーム10のパイプをパイプ連結治具23で連結し、
前記パイプ連結治具23は、第1パイプ保持具24と第2パイプ保持具25を連結プレート26の一端部26bと他端部26cにそれぞれ固着して取付け、その連結プレート26は中間部を境としてねじれ変形して一側部26bと他端部26cの向きが異なり、第1パイプ保持具24で保持したパイプ20の向きと第2パイプ保持具25で保持したパイプ20の向きが相違している請求項1記載のシートハウス。
【請求項3】
門型フレーム1を前後方向に間隔を置いて複数配列して平面形状が矩形状の骨組み構造体3とし、この骨組み構造体3にシート29を張設して取付け、
前記骨組み構造体3の内側部に、その対角線方向に相対向したコーナー部間に向けて第1の補強フレーム30と第2の補強フレーム40ををそれぞれ設け、この第1の補強フレーム30と第2の補強フレーム40における長手方向の中間部分30b,40bは水平で、門型フレーム1の頂部Cの下方でX字状に交差し、
前記各中間部分30b,40bは門型フレーム1の第2中間地点A,A′と同一高さであることを特徴とするシートハウス。
【請求項4】
門型フレーム1と第1・第2の補強フレーム30,40を、それぞれパイプで作製し、
その門型フレーム1のパイプと第1・第2の補強フレーム30,40のパイプをパイプ連結治具23で連結し、
前記パイプ連結治具23は、第1パイプ保持具24と第2パイプ保持具25を連結プレート26の一端部26bと他端部26cにそれぞれ固着して取付け、その連結プレート26は中間部を境としてねじれ変形して一側部26bと他端部26cの向きが異なり、第1パイプ保持具24で保持したパイプ20の向きと第2パイプ保持具25で保持したパイプ20の向きが相違している請求項3記載のシートハウス。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−296409(P2006−296409A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187768(P2005−187768)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(505149468)
【Fターム(参考)】