説明

シートホルダー

【課題】シート状部材の取付が簡単で、しかも確実に保持することかできるシートホルダーを提供する。
【解決手段】本発明に係るシートホルダーは、重ね合わされた一対のシート状のカバー1と、両カバー1の間に配置され、一方向に延びるスリット21が形成された保持具2と、を備え、保持具2は、スリット21が両カバー1に覆われた状態に配置され、スリット21を挟むいずれか一方の端部23が両カバー1の一端部に固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙等のシート状の部材を保持するシートホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙などのシート状部材を保持しておくシートホルダーとして、種々のものが提案されている。例えば、特許文献1には、一方向に延びるスリットが形成された取付金具を、ファイル本体の背表紙に揺動自在に取り付けたファイルが開示されている。このファイルでは、シート状部材をスリットに通し、二つ折りにした状態で保持するようになっている。
【特許文献1】実開昭51−114111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記ファイルでは、取付金具がファイル本体の背表紙に揺動自在に取り付けられているため、ファイル本体とは別に意図せず動くことがあり、シート状部材がスリットから抜け落ちてしまうおそれがある。また、取付金具が動きやすいことから、シート状部材の取付時にファイル本体のみならず、取付金具も動かないように、手などで保持しておく必要があり、シート状部材の取付が容易ではなかった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、シート状部材の取付が簡単で、しかも確実に保持することかできるシートホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るシートホルダーは、上記問題を解決するためになされたものであり、重ね合わされた一対のシート状のカバーと、前記両カバーの間に配置され、一方向に延びるスリットが形成された保持具と、を備え、前記保持具は、前記スリットが前記両カバーに覆われた状態で配置され、前記スリットを挟むいずれか一方の端部が前記両カバーの一端部に固着されている。
【0006】
この構成によれば、紙等のシート状部材を保持具のスリットに通し、このスリットにおいて2つ折りにすれば、一対のカバーの間にシート状部材を簡単に保持することができる。ここで、保持具は、両カバーに固着されているため、カバーを手などで固定すれば、保持具が簡単に動くことはなく、シート状部材を容易にスリットに通すことができ、取付を簡単に行うことができる。また、保持具のスリットは、両カバーに覆われるとともに、このスリットの近傍で保持具がカバーに固着されているので、少なくともスリットが形成された領域では、保持具はカバーに押圧された状態になる。したがって、挟まれたシート状部材は両カバーによってよって押圧されるため、シート状部材の保持具からの脱落を確実に防止することができる。
【0007】
上記シートホルダーにおいて、各カバーには、スリットと平行に延びる折り目を形成することが好ましい。例えば、シート状部材に記載のメモを読んだり、書き込みをするときに、このような折り目を形成しておくと、カバーを容易に開くことができ、また開いた位置でカバーを保持することができるため、有利である。
【0008】
また、上記折り目は、スリットに沿って延びるように形成することが好ましい。この位置に折り目を形成すると、カバーによるスリット領域への押圧力と、折り目によるカバーを開くときの容易さを両立することができる。
【0009】
カバーの形状は、特には限定されないが、例えば、矩形状に形成し、保持具が、カバーの一端部を構成する一辺に沿って延びるように構成することができる。
【0010】
また、一対のカバーは、別体として形成することもできるが、一端部において互いに連結されて一体化するように形成することもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るシートホルダーによれば、シート状部材の取付が簡単で、しかも確実に保持することかできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るシートホルダーの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1はシートホルダーの平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、このシートホルダーは、紙などのシート状部材Pを保持するためのものであり、2つ折りにされた矩形状のカバー1と、このカバー1に挟まれるように配置された細長い矩形状の保持具2とを備えている。カバー1及び保持具2はともにプラスチック樹脂で形成されているが、カバー1は、内部が視認できるように、透明のプラスチック樹脂で形成されている。また、保持具2には、長手方向に沿って延びるスリット21が形成されており、このスリット21にシート状部材Pが通され、2つ折りで保持されるようになっている。
【0014】
カバー1と保持具2とは、次のように固着されている。すなわち、保持具2においてスリット21と平行に延びる一方の端縁22が、カバー1の折り目11に当接するように配置されている。そして、スリット21から、一方の端縁22までの領域Dにおいて、保持具2が熱融着などによってカバー1に固着されている。本実施形態では、保持具2の一方の端部(領域D)23にスリットと平行に複数の矩形状の孔24が形成されている。そして、カバー1において各孔24を介して対向する部分がスポット融着されている。これにより各孔24を介してカバー1同士が固着され、保持具2がカバー1に固定される。
【0015】
次に、上記のように構成されたシートホルダーの使用方法について図3を参照しつつ説明する。まず、保持対象となるシート状部材Pを準備する。複数ある場合には、これらを重ねておく。そして、このシート状部材Pを二つ折りにして折り目を形成した状態で、カバー1を開き、シート状部材Pの端部を保持具2のスリット21に通していく。その後、シート状部材Pの折り目がスリット21と一致するところに、シート状部材Pを位置決めし、その折り目で二つ折りにされた状態にしてカバー1を閉じる。こうして、シート状部材Pの取付が完了する。
【0016】
以上のように、本実施形態によれば、シート状部材Pを保持具2のスリット21に通して2つ折りにすれば、シート状部材Pを簡単に保持することができる。このとき、保持具2は、カバー1に固着されているため、カバー1を手などで固定すれば、保持具2が簡単に動くことはなく、シート状部材Pを容易にスリット21に通すことができ、取付を簡単にすることができる。
【0017】
また、保持具2のスリット21は、カバー1に覆われるとともに、このスリット21の近傍で保持具2がカバー1に固着されているので、図4の矢印Tに示すように、少なくともスリット21が形成された領域においては、保持具2はカバー1によって押圧されるように挟まれる。したがって、挟まれたシート状部材Pは、カバー1によって押圧されるため、保持具2からの抜け落ちを確実に防止することができる。
【0018】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0019】
例えば、カバー1を開いたときに、シート状部材Pに記載のメモを見やすくしたり、書き込みを容易にするためには、図5に示すように、スリット21と平行にカバー1に折り目12を形成しておくことが好ましい。これにより、カバー1を、開いた位置で容易に保持することができる。また、この折り目12は、例えば、カバー1に微少な溝を形成することで構成することができる。
【0020】
なお、この折り目12を設ける位置については、図5に示すように、スリット21上を通るように形成することが好ましい。これは、折り目12をスリット12に沿って形成すると、カバー1が折り目12に沿って開いても、少なくともスリット21の一部は、カバー1によって覆われている。そのため、スリット領域への押圧力を保持することができ、シート状部材Pの抜け落ちを確実に防止することができる。さらに、図6に示すように、カバー1を折り目12に沿って開いた状態では、スリット21の一部が露出するため、シート状部材Pを容易に取り付けることができる。
【0021】
上記実施形態では、カバー1を二つ折りにして、その間に保持具2を固着しているが、二枚のカバーを重ね合わせ、その間に保持具2を固着することもできる。
【0022】
本発明に係るシートホルダーは、種々の用途に用いることができる。例えば、紙だけでなく、フィルムを保持することもでき、2つ折り可能なシート状部材であれば、特に限定することなく、用いることができる。また、シート状部材として、例えば、ゴルフのスコアカードを2つ折りにして本発明のシートホルダーに取り付けることができる。スコアカードは、プレイ中に携帯し、頻繁に参照したり、書き込むため、本発明のように、シート状部材が抜け落ちにくく、またカバーが開きやすいシートホルダーは、特に適している。
【0023】
また、上記実施形態では、カバー1を矩形状に形成しているが、スリット21が覆われた状態で、保持具2を固着できるのであれば、シート状部材に合わせて種々の形状にすることもできる。
【0024】
また、上記実施形態では、保持具2をスポット融着によって固着しているが、これに限定されるものではなく、保持具2におけるスリット21と一方の端縁22との間の領域Dで、カバー1と保持具2とが固着されていれば、その方法は特には限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るシートホルダーの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のシートホルダーの使用状態を示す斜視図である。
【図4】図1のシートホルダーの使用状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係るシートホルダーの他の例を示す平面図である。
【図6】本発明に係るシートホルダーの他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 カバー
12 折り目
2 保持具
21 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わされた一対のシート状のカバーと、
前記両カバーの間に配置され、一方向に延びるスリットが形成された保持具と、を備え、
前記保持具は、前記スリットが前記両カバーに覆われた状態に配置され、前記スリットを挟むいずれか一方の端部が前記両カバーの一端部に固着されている、シートホルダー。
【請求項2】
前記各カバーの少なくとも一方には、前記スリットと平行に延びる折り目が形成されている、請求項1に記載のシートホルダー。
【請求項3】
前記折り目は、前記スリットに沿って延びている、請求項2に記載のシートホルダー。
【請求項4】
前記カバーは、矩形状に形成され、
前記保持具は、前記カバーの一端部を構成する一辺に沿って延びている、請求項1から3のいずれかに記載のシートホルダー。
【請求項5】
前記一対のカバーは、前記一端部において互いに連結されて一体化されている、請求項1から4のいずれかに記載のシートホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−119904(P2008−119904A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−304581(P2006−304581)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(390006921)ナカバヤシ株式会社 (58)
【Fターム(参考)】