説明

シートリフター及びシート

【課題】本発明は、両シートフレームをベース部材に対して円滑に昇降させることができ、シートを円滑に昇降させることができるシートリフター及びシートの提供を目的とする。
【解決手段】本発明のシートリフター1は、第1リンク部材4a〜第4リンク部材4dと、第1リンク部材4aと第2リンク部材4bとを連結した第1太陽ギア及び第2太陽ギアを有する連結部材とを備えている。第1リンク部材は、第1リンク本体41と、複数の第1遊星ギアを有する第1遊星ギア群と、遊星ギア操作部とを備えている。第2リンク部材は、第2リンク本体と、複数の第2遊星ギアを有する第2遊星ギア群とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のシートを昇降させるシートリフター及びシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、シートを昇降させる昇降機構部を備えたシートリフターは広く知られており、このようなシートリフターとして、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示されたものは、左右の両ベース部材とそのベース部材夫々の上方側に配設された左右の両シートフレームとの夫々に回動自在に連結されているとともに、軸(連結部材)を介して互いに連結された左右のリンクと、右側のベース部材に対して右側のシートフレームを昇降させる1つの昇降機構部とを備えたものとし、昇降機構部は、右側のシートフレームの内側の前後中央部に回動自在に取り付けられたセクタギアと、右側のリンクとセクタギアとを連結した連結ロッドと、セクタギアと噛合したセンタギアとを備えたものである。そして、このセンタギアを回動操作することにより、連結ロッドを介して右側のリンクを揺動させ、これにより、右側のベース部材に対して右側のシートフレームを昇降させ、又、その右側のシートフレームの昇降に伴い前記軸の端部で左側のシートフレームを上側に押し上げ又は下側に押し下げるようにして昇降させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−164439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたもののように、セクタギア、連結ロッド、及びセンタギアから構成した昇降機構部によって右側のシートフレームだけを昇降操作させて左側のシートフレームを軸の端部で押し上げ又は押し下げようにして昇降させているため、左側のシートフレームを昇降させ難く、その結果、シートを円滑に昇降させ難いという問題点がある。
【0005】
本発明は、両シートフレームをベース部材に対して円滑に昇降させることができ、シートを円滑に昇降させることができるシートリフター及びシートの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係るシートリフターは、シートにおける左右の何れか一方側に配設された第1ベース部材及び第1シートフレームに夫々回動自在に連結された第1リンクと、前記シートにおける他方側に配置された第2ベース部材及び第2シートフレームに夫々回動自在に連結されているとともに、連結部材を介して前記第1リンクに連動可能に連結された第2リンクと、前記第1及び第2シートフレームを第1及び第2ベース部材に対して昇降させる昇降機構部とを備えたシートリフターであって、前記昇降機構部は、前記第1シートフレームを前記第1ベース部材に対して昇降させる第1太陽ギア及び第1遊星ギア群を含む第1昇降機構部と、前記第1昇降機構部と連動し前記第2シートフレームを前記第2ベース部材に対して昇降させる第2太陽ギア及び第2遊星ギア群を含む第2昇降機構部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第1太陽ギア及び第1遊星ギア群を含む第1昇降機構部によって第1シートフレームを第1ベース部材に対して昇降させると、それに連動して第2太陽ギア及び第2遊星ギア群を含む第2昇降機構部によって第2シートフレームを第2ベース部材に対して昇降させることができる。これにより、第1及び第2シートフレームを第1及び第2ベース部材夫々に対して円滑に昇降させることができる。
【0008】
他の一態様では、前記シートリフターにおいて、前記第1太陽ギアは、前記連結部材の第1端に配設され、前記第1遊星ギア群は、前記第1太陽ギアに噛合した複数の第1遊星ギアを有し、前記第1リンクは、第1リンク本体と、前記第1太陽ギアを周回するように前記第1遊星ギア群を操作する遊星ギア操作部とを備え、前記第1リンク本体は、その第1端が前記第1ベース部材に連結され、その第2端が前記第1シートフレームに連結されているとともに、前記第1遊星ギア群と噛合した第1リンク内ギアを備え、前記第1リンク内ギアは、前記第1遊星ギア群が前記遊星ギア操作部の操作に伴って第1太陽ギアを周回するに際して同時にこの第1リンク内ギアを周回して前記第1リンク本体の第2端が第1シートフレームに対して回動して前記第1リンク本体の第1端を軸に揺動し得るように構成されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、第1リンクを揺動操作させる第1遊星ギア群及び第1太陽ギア等の部材を、第1リンク本体の第2端に配設でき、シートフレームをコンパクト化できるとともに、組み付け作業を容易なものにできる。
【0010】
他の一態様では、前記シートリフターにおいて、前記第1シートフレームは、第1フレーム内ギアを有する第1リンク用連結部を備え、前記第1遊星ギア群は、前記第1フレーム用内ギアに更に噛合してその第1フレーム用内ギアを周回し、前記第1リンク本体の第2端は、前記第1遊星ギア群が第1フレーム用内ギアを周回するに際して前記第1リンク連結部に対して回動し得るように前記第1リンク連結部と回動自在に連結され、前記第1太陽ギアは、前記第1遊星ギア群が当該第1太陽ギアを周回するに際して当該第1太陽ギアが自転し得るように前記第1シートフレームに対して回転可能とされ、前記第2太陽ギアは、前記連結部材の第2端に、前記第1太陽ギアの回転に連動して共に回転できるように配設され、前記第2シートフレームは、前記第2フレーム内ギアを有する第2リンク連結部を備え、前記第2遊星ギア群は、前記第2太陽ギア及び前記第2フレーム内ギア夫々に噛合した複数の第2遊星ギアを有し、前記第2リンクは、その第1端が第2ベース部材に連結され、その第2端に前記第2遊星ギア群と噛合した第2リンク内ギアが設けられているとともに、前記第2遊星ギア群が前記第2リンク内ギア及び前記第2フレーム内ギアを周回するに際して当該第2端が前記第2リンク連結部に対して回動し得るように前記第2リンク連結部に連結され、前記第2リンク内ギアは、前記第2太陽ギアの回転に伴う前記第2遊星ギア群の回転に際して前記第2遊星ギア群が前記第2フレーム内ギアと共にこの第2リンク内ギアを周回して前記第2リンクがその第1端を軸に揺動し得るように構成されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、第1リンクの揺動操作に伴う第1太陽ギアの回転に連動して回転する第2太陽ギアのその回転によって第2遊星ギア群を回転させ、その回転によって第2リンクを揺動させることができる。従って、第2リンクを、第1リンクの動きに合わせて円滑に可動させることができ、第1及び第2シートフレームを第1及び第2ベース部材に対して円滑に昇降させることができる。
【0012】
又、第2リンクを、第1太陽ギアに連動した第2太陽ギアの回転によって揺動させるため、第1太陽ギアと第2太陽ギアとを連結した連結軸を、回転力を伝達できればよいものにでき、連結軸を断面積の小さいものでもよいものにできる。従って、シートリフター全体の重量の軽量化を図ることができるとともに、例えばこのシートリフターを、運転席や助手席に適用した場合に、設置面積を小さくでき、その後部座席に座った着座者の足が連結軸に当たり難いものにできる。
【0013】
又、本発明の一態様に係るシートは、請求項1〜3の何れか一項に記載のシートリフターを備えていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、第1太陽ギア及び第1遊星ギア群を含む第1昇降機構部によって第1シートフレームを第1ベース部材に対して昇降させると、それに連動して第2太陽ギア及び第2遊星ギア群を含む第2昇降機構部によって第2シートフレームを第2ベース部材に対して昇降させることができる。これにより、第1及び第2シートフレームを第1及び第2ベース部材夫々に対して円滑に昇降させることができ、シート全体を円滑に昇降できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、両シートフレームをベース部材に対して円滑に昇降させることができ、シートを円滑に昇降させることができるシートリフター及びシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態の自動車用のシートリフターを組み付けた自動車用シートの一部の側面図である。
【図2】図1のベース部材を省略した自動車用シートの一部の分解斜視図である。
【図3】第1リンクと第1シートフレームの第1リンク用連結部との連結状態の側面図である。
【図4】図3の分解斜視図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】遊星ギア操作部の分解斜視図である。
【図7】(a)は、ローラを保持したローラ挟持部の側面図、(b)は、図7(a)のVII―VII線断面図、(c)は、図7(b)のVIII―VIII線断面図である。
【図8】ローラ挟持部と、レバー付勢バネと、ケーシングとの分解斜視図である。
【図9】操作レバーを操作していない状態のクラッチ板と、カムと、ローラとの位置関係を示す説明図である。
【図10】図9の状態から操作レバーを操作した状態のクラッチ板と、カムと、ローラとの位置関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の自動車用のシートリフターを組み付けた自動車用シートの一部の側面図、図2は、図1のベース部材を省略した自動車用シートの一部の分解斜視図である。尚、図中のX方向を前方側、Y方向を後方側とし、又、Z方向を左側、W方向を右側として説明す
る。
【0018】
この実施形態のシートリフター1は、自動車のシート、例えば自動車の運転席、補助席(この実施形態では補助席)に用いられている。この実施形態の自動車のシート100は、第1及び第2ベース部材2a、2bと、第1及び第2シートフレーム3a、3bと、シートリフター1とを備えている。
【0019】
第1及び第2ベース部材2a、2bは、互いに左右方向に間隔を隔てて左右対称に配設されており(図1では、第1ベース部材2aだけが現れ、第2ベース部材は現れていない)、略同一構成を採っている。以下に、第1ベース部材2aについて説明し、第2ベース部材の説明を省略する。
【0020】
第1ベース部材2aは、長尺状のロアレール11と、アッパーレール12とを備えている。ロアレール11は、その長手方向を前後方向に沿わせるようにして車体の床面に固定されている。
【0021】
アッパーレール12は、長尺状のアッパーレール本体13と、アッパーレール本体13に固定されたブラケット14a、14bとを備えている。アッパーレール本体13は、ロアレール11の上方側に長手方向に沿って移動可能に配設されている。
【0022】
尚、アッパーレール本体13とロアレール11とは、図示しないロック・ロック解除装置によって適宜ロックし、又、シート100の前方下部に設けられたロック解除操作部15の操作によってロック解除してアッパーレール本体13をロアレール11に対して前後方向に移動できるようになっている。
【0023】
ブラケット14a、14bは、前ブラケット14aと、後ブラケット14bとを備えている。前ブラケット14aは、下部側がアッパーレール本体13の前端部に固定され、上部側に、リンク取付部14cを備えている。
【0024】
後ブラケット14bは、下部側がアッパーレール本体13の後端部に固定され、上部側に、リンク取付部14dを備えている。
【0025】
第1シートフレーム3aは、シートフレームの一部をなす左下部シートフレーム片からなり、第1ベース部材2aの上方側に配設された第1フレーム本体31と、後述のシートリフター1の第1リンク部材4aと連結する第1リンク用連結部としての第1リンク用連結片32とを備えている。
【0026】
第1リンク用連結片32は、図4、図5に示すように、連結凸部33と、第1フレーム内ギア34とを備えている。連結凸部33は、第1リンク用連結片32の右側面から円形状に所定量だけ右方側に突設されている。
【0027】
第1フレーム内ギア34は、連結凸部33の径内側に設けられている。又、この実施形態では、歯数が38のものから構成されている。
【0028】
そして、この第1リンク用連結片32は、図1に示すように前後両端側が夫々、第1フレーム本体31にボルト等の固定部材を介して固定されている。
【0029】
第2シートフレーム3bは、図2に示すように、シートフレームの一部をなす右下部シートフレーム片からなり、第2ベース部材2bの上方側に配設された第2フレーム本体131と、第2リンク部材4bと連結する第2フレーム内ギア134(図4参照)を有する
第2リンク用連結部としての第2リンク用連結片132とを備えている。
【0030】
第2フレーム本体131は、上記第1シートフレーム3の第1フレーム本体31と左右対称な形状を有するものから構成され、第2リンク用連結片132は、上記第1リンク用連結片32と、左右対称な形状を有するものから構成されている。
【0031】
シートリフター1は、第1リンク部材4a〜第4リンク部材4dと、第1リンク部材4aと第2リンク部材4bとを連結した連結部材6と、第1シートフレーム3a及び第2シートフレーム3bを第1ベース部材2a及び第2ベース部材2bに対して昇降させる昇降機構部とを備えている。
【0032】
連結部材6は、図2に示すように連結軸61と、連結軸61の左端(第1端)に固定的に連結された第1太陽ギア62(図4に図示)と、連結軸61の右端(第2端)に固定的に連結された第2太陽ギア162(図4参照)とを備えている。
【0033】
第1太陽ギア62は、この実施形態では、歯数が16のものから構成されている。そして、この第1太陽ギア62は、図4、図5に示すように第1フレーム内ギア34の内側43に回転自在に配設されている。
【0034】
第2太陽ギア162は、第1太陽ギア62と同構成のものから構成されており、第2フレーム内ギア134の内側に、第1太陽ギア62と連動して共に回転するように配設されている。
【0035】
第1リンク4aは、図1に示すように第1ベース部材2aの後部と第1シートフレーム3aの後部との夫々に回動自在に連結されており、第1リンク本体41と、複数の第1遊星ギア44を有する第1遊星ギア群40(図4、図5参照)と、遊星ギア操作部5とを備えている。
【0036】
第1リンク本体41は、その下端側(第1端)が第1ベース部材2aの後ブラケット14bのリンク取付部14dに回動自在に連結されている。
【0037】
又、第1リンク本体41は、図4、図5に示すように、その上端側(第2端)に、第1リンク用連結片32の連結凸部33に回動自在に連結された第1フレーム連結部としての連結凹部42と、その連結凹部42の内周に形成された第1リンク内ギア43とを備えている。この実施形態の第1リンク内ギア43は、歯数が35から構成されている。
【0038】
連結凹部42は、第1リンク本体41の左側面から、上記連結凸部33が回動自在に嵌まり込む程度の大きさの円形状に所定深さで窪まされるようにして形成されている。
【0039】
そして、この連結凹部42と連結凸部33とが連結された状態で、第1リンク内ギア43と第1フレーム内ギア34とが左右に隣接するように配設される。
【0040】
第1遊星ギア44は、この実施形態では、同一構成を採る3つから構成されている。各第1遊星ギア44は、ギア部44aと、ギア部44aの両側に設けられた軸部44bとを備えている。
【0041】
ギア部44aは、軸方向の長さが、左右に並んだ上記第1リンク内ギア43と第1フレーム内ギア34とに同時に噛合可能な長さに形成されている。又、この実施形態では、歯数が10のものから構成されている。
【0042】
そして、これらの第1遊星ギア44は、第1リンク内ギア43と第1太陽ギア62との間、及び第1フレーム内ギア34と第1太陽ギア62との間に、周方向にほぼ等間隔に並べられるようにしてそれらのギア34、43、62夫々に噛合している。
【0043】
又、この状態で、第1遊星ギア44の軸部44bが、第1リンク本体41と第1リンク用連結片32との夫々の両側に配設された支持部材45a、45bに支持されている。
【0044】
詳しくは、第1リンク本体41の右方側(図4では左方側)に円板状の第1支持部材45aが、第1リンク用連結片32の左方側に円板状の第2支持部材45bが、夫々回動自在に配設されている。又、これらの第1支持部材45aと第2支持部材45bとは、夫々、周方向に等間隔に並設された3つの軸挿入孔45cを備えている。
【0045】
そして、第1遊星ギア44夫々の軸部44bの左端側は、第1支持部材45aの軸挿入孔45cに回動自在に入れられ、その軸部44bの右端側は、第2支持部材45bの軸挿入孔45cに回動自在に入れられている。
【0046】
又、第1支持部材45aと第2支持部材45bとは、第1遊星ギア44の軸部44bを支持した状態で、3つの連結ピン45dが、隣接する第1遊星ギア44の間に配設されて互いに回転不能に連結されている。
【0047】
遊星ギア操作部5は、図6に示すようにクラッチ装置51〜55と、操作レバー56とを備えている。クラッチ装置は、円板状のクラッチ板51と、カム53と、複数のローラ52を保持した保持部材54と、保持部材54を覆ったケーシング55とを備えている。
【0048】
クラッチ板51は、図4、図5に示すように、第1遊星ギア44の軸部44b夫々を回動自在に入れる3つの軸挿入孔51aを備えているとともに、右側面側(図5では、左側に現れている)、第1リンク本体連結部51bを備えている。
【0049】
第1リンク本体連結部51bは、右側面から円形状に所定量だけ右方に突設されている。そして、3つの軸挿入孔51a夫々に、第1遊星ギア44の軸部44bが回動自在に入れられるとともに、第1リンク本体連結部51bが、第1リンク本体の第1リンク用連結片32に設けられた受容凹部35に回動自在に嵌め入れられ、これにより、クラッチ板51が第1遊星ギア44と連結されているとともに、第1リンク用連結片32に回動自在に連結されている。
【0050】
又、クラッチ板51は、その左側面側に、収納凹部51c(図4に図示)を備えている。収納凹部51cは、左側面から、円形状に所定の深さで窪まされるようにして形成されている。
【0051】
保持部材54は、図6、図7に示すように弾性を有する合成樹脂製の円板状部54aを備えている。この実施形態では、円板状部54aは、全体がナイロン(登録商標)から構成されている。この円板状部54aは、クラッチ板51の収納凹部51cと対向する右側面側のクラッチ板対向面54bにおける中心部に、カム53を回転自在に保持した円筒状の保持軸54cを備えている。
【0052】
又、図7に示すように、上記クラッチ板対向面54bにおける保持軸54cの外周側に、上記ローラ52と、それらを保持した6つのローラ挟持部54d(図7に図示)とを備えている。
【0053】
ローラ52は、この実施形態では、6つから構成され、夫々は、円柱状のものからなる。
【0054】
ローラ挟持部54dは、周方向に沿って、等間隔に配設されており、各ローラ挟持部54dは、クラッチ板対向面54bからクラッチ板51側に突設された一対の挟持片54eを備えている。一対の挟持片54eは、ローラ52の略直径分の間隔だけ互いに隔てて配設されている。
【0055】
各挟持片54eにおける互いに対向する対向面は、ローラ52の外周と略同じ大きさの円弧面に形成されている。そして、ローラ挟持部54dは、これらの対向面に、ローラ52を回転自在に挟持している。
【0056】
又、保持部材54は、図6、図8に示すように円板状部54aから右側方側に突設された第1バネ係止部54gを有する突片54fを備えている。
【0057】
ケーシング55は、図6に示すように第1シートフレーム3aに固定されるフレーム固定部としての固定用孔55aを備えている。この実施形態では、固定用孔55aは、上記第1リンク用連結片32の固定用孔42aと重ね合って連通するように形成されている。
【0058】
そして、図1に示すようにケーシング55の固定用孔55aと第1リンク用連結片32の固定用孔42aとが連通した状態で、ボルト等の固定部材が通され、その固定部材が第1シートフレーム3aに固定されることにより、第1リンク用連結片32及びケーシング55が第1シートフレーム3aに固定的に取り付けられる。
【0059】
又、このケーシング55には、図6、図8に示すように第2バネ係止部55bが設けられている。そして、このケーシング55の中心部と上記保持部材54の中心部とが係止軸59を介して回動自在に取り付けられている。
【0060】
又、この取り付け状態で、図8に示すレバー付勢用バネ55dの両端部が夫々、保持部材54の第1バネ係止部54gとケーシング55の第2バネ係止部55bに係止されている。
【0061】
これにより、保持部材54がケーシング55に対して時計方向、反時計方向のいずれの方向に回動しても、レバー付勢用バネ55dが付勢力を蓄積してその蓄積された付勢力によってケーシング55に対して所定の位置に戻るようになっている。
【0062】
カム53は、図6、図9に示すように外周形状が略6角形状の金属製の板状体からなる。カム53の外周の6つの辺は、夫々、区画壁53aを構成し、この区画壁53aとクラッチ板51の収納凹部51cの内周壁51dとでローラ52を収納するローラ収納部52aを区画形成している。
【0063】
このように区画されたローラ収納部52aは、各区画壁53aの中央と収納凹部51cの内周壁51dとの距離が最も大きく、各区画壁53aの中央より側方側に漸次間隔が狭くなるように形成されており、各区画壁53aの中央部がローラ52を押圧しない非押圧部53dをなし、非押圧部53dの両側方部が夫々、ローラ52を押圧する第1ローラ押圧部53b、第2ローラ押圧部53fをなしている。
【0064】
尚、ローラ収納部52aのローラ52は、クラッチ板51の収納凹部51cの内周壁51dと非押圧部53dの間に配設された状態で、実際には両者間に若干の隙間が形成されるが、図9では、説明の都合上、隙間を表していない。
【0065】
又、カム53の中心部には、保持用孔53cが設けられている。そして、この保持用孔53cに保持部材54の保持軸54cが回動自在に挿入され、これにより、カム53が保
持部材54に回動自在に保持されている。
【0066】
そして、この保持された状態で、カム53は、保持部材54に対して所定位置に配置されるように付勢バネ50によって付勢されている。
【0067】
詳しくは、保持部材54には、図6、図7に示すようにバネ係止孔54jが設けられており、このバネ係止孔54jに、リング状の付勢バネ50の一端が係止されている。又、付勢バネ50の他端は、カム53の非押圧部53dと保持部材54に保持されたローラ52とが位置合わせされた図9に示す状態で、カム53に設けられたバネ係止孔53eに係止されている。
【0068】
この状態から、カム53が保持部材54に対して時計方向又は反時計方向に回動操作されると付勢バネ50が付勢力を蓄積し、そのカム53に加えられた回動操作力が除去されると、その蓄積された付勢力によって非押圧部53dとローラ52とが位置合わせされた図9に示す状態に戻るようになっている。
【0069】
操作レバー56は、図6に示すようにレバー本体57と、レバー本体57に固定的に取り付けられたレバー連結片58とを備えている。レバー本体57は、着座者等の操作者が把持する把持部57aを備えている。
【0070】
レバー連結片58は、2つの係止用突起58aを備えている。これらの係止用突起58aは、ケーシング55に設けられた円弧状の第1遊嵌溝55iに通された後、保持部材54に設けられた第2遊嵌溝54jに通され、更に、その第2遊嵌溝54jから、カム53に設けられたレバー係止用孔53dに係止されている。
【0071】
この第2遊嵌溝54jは、その長さが第1遊嵌溝55iよりも短く、又、レバー連結片58よりも長く、レバー連結片58が第2遊嵌溝54j内を僅かに移動可能とされている。
【0072】
そして、レバー連結片58がカム53に係止された状態で、図1に示すようにレバー本体57の把持部57aがほぼ水平状態になるように設定されている。尚、図1では、説明の都合上、レバー本体57を一点鎖線で表している。
【0073】
次に、第2リンク4bについて説明する。第2リンク4bは、第2ベース部材2bの後部(図2参照)と第2シートフレーム3bの後部との夫々に回動自在に連結されており、上記第1リンク4aと同様に、第2リンク本体141と、複数(この実施形態では3つ)の第2遊星ギア144を有する第2遊星ギア群とを備えている。ただし、この第2リンク4bには、上記第1リンク4aの遊星ギア操作部5に相当するものは、設けられていない。
【0074】
第2リンク本体141は、第1リンク4aの第1リンク本体41と同構成を採り、第2遊星ギア144は、第1リンク4aの第1遊星ギア44と同構成を採っている。
【0075】
詳しくは、第2リンク本体141は、その下端側(第1端)が第2ベース部材3bの後ブラケットに回動自在に連結され、その上端側(第2端)に、連結凹部142と、第2リンク内ギア143とを備えている(図4参照)。
【0076】
第2遊星ギア144は、夫々、第2リンク内ギア143と第2太陽ギア162との間、及び第2フレーム内ギア134と第2太陽ギア162との間に、周方向にほぼ等間隔に並べられるようにしてそれらのギア34、43、62夫々に噛合している(図4、図5参照
)。
【0077】
従って、第2リンク4bは、連結部材6、より詳しくは、第1太陽ギア62、連結軸61、及び第2太陽ギア162を介して第1リンク4aと連動可能に連結されている。
【0078】
第3リンク4cは、図1に示すように板状のものから構成され、第1ベース部材2aの前部と第1シートフレーム3の前部との夫々に回動自在に連結され、第3リンク4cと第1リンク4aと第1ベース部材2aと第1シートフレーム3とで平行リンク機構を構成している。
【0079】
また、第4リンク4dは、第3リンク4cと左右対称形状のものから構成され、第2ベース部材2aの前部と第2シートフレーム3bの前部との夫々に回動自在に連結され、第4リンク4dと第2リンク4bと第2ベース部材2aと第2シートフレーム3bとで平行リンク機構を構成している。
【0080】
次に、昇降機構部について説明する。昇降機構部は、第1シートフレーム3aを第1ベース部材2aに対して昇降操作する第1昇降機構部と、第2シートフレーム3bを第2ベース部材2bに対して昇降操作する第2昇降機構部とを備えている。
【0081】
第1昇降機構部は、上述の第1太陽ギア62と、第1リンク本体41と、第1遊星ギア群40と、遊星ギア操作部5とを含んで構成されている。
【0082】
一方、第2昇降機構部は、上述の第2太陽ギア162と、第2リンク本体141と、第2遊星ギア群とを含んで構成されている。
【0083】
次に、この実施形態のシートリフターの動作について説明する。
【0084】
まず、設定基準位置にある水平状態のレバー本体57の把持部57aを、図1の時計方向に回動操作する。これにより、図10に示すように、カム53がケーシング55及びクラッチ板51に対して僅かに回動し、その回動によって、ローラ52がカム53の第1ローラ押圧部53bとクラッチ板51の内周壁51dとに挟まれてカム53がクラッチ板51に対してロック状態になる。
【0085】
この状態で、更に、レバー本体57を同方向に回動操作すると、クラッチ板51が同方向に回動し、そのクラッチ板51の回動に伴って、第1遊星ギア44の軸部44bがクラッチ板軸挿入孔51aに押されることにより、第1遊星ギア44夫々が第1太陽ギア62、第1リンク内ギア43及び第1フレーム内ギア34夫々のギアと噛み合って、第1遊星ギア44夫々が第1太陽ギア62、第1リンク内ギア43及び第1フレーム内ギア34を周回する。
【0086】
この第1リンク内ギア43と第1フレーム内ギア34との周回に際して、第1リンク内ギア43が第1フレーム内ギア34よりも歯数が少ないため、第1リンク本体41の連結凹部42が第1リンク用連結片32の連結凸部33を反時計方向に回動する。これにより、第1リンク本体41は、下端を軸に反時計方向に揺動する。
【0087】
又、上記第1遊星ギア44夫々が第1太陽ギア62を周回するに際し、第1太陽ギア62が回転(自転)し、これに伴い第2太陽ギア162も回転する。そして、この第2太陽ギア162の回転に際して第2遊星ギア144夫々が回転して、第2リンク内ギア143及び第2フレーム内ギア134を周回する。
【0088】
そして、この周回に際して、同様に、第2リンク内ギア143が第2フレーム内ギア134よりも歯数が少ないため、第2リンク本体141の連結凹部142が第2リンク用連結片132の連結凸部133を、第1リンク本体41と連動して同方向に回動する。
【0089】
又、この第1リンク本体41と第2リンク本体141との揺動によって、第3リンク部材4cと第4リンク部材4dとが連動して揺動する。これにより、第1及び第2シートフレーム3a、3bが第1及び第2ベース部材2a、2bに対して所定量だけ上昇する。
【0090】
第1及び第2シートフレーム3a、3bを、更に上昇させる場合は、一旦、回動操作しているレバー本体57から手を離す。これにより、カム53が保持部材54を介してレバー付勢用バネ55dの付勢力によって図10の反時計方向に付勢される。
【0091】
その付勢力によって、カム53が反時計方向に回動し始めると、カム53の第1ローラ
押圧部53bとクラッチ板51の内周壁51dとに挟まれていたローラ52がロック解除状態になる。
【0092】
これにより、クラッチ板51はカム53と共に回動せずに、カム53だけが反時計方向に回動する。従って、ローラ52が、クラッチ板51とカム53の押圧部53bとの間でロックされるロック状態から当該ローラー52がクラッチ板51とカム53の非押圧部53dとの間に位置するロック解除状態との限られた範囲において、クラッチ板51とカム53とローラ52とがワンウェイ(一方向)クラッチを構成し、クラッチ板51が回動せず、又、第1遊星ギア44、第1リンク本体41も可動することがなく、第1及び第2シートフレーム3a、3bは第1及び第2ベース部材2a、2bに対して移動しない。
【0093】
一方、カム53の反時計方向への回動に際し、それに係止されたレバー本体57が共に同方向に回動し、把持部57aが水平状態の図1の元の状態に戻る。この状態から、再度、上記のように、レバー本体57が図1の時計方向に回動操作する。
【0094】
これにより、第1及び第2シートフレーム3a、3bを第1及び第2ベース部材2a、2bに対して更に所定量だけ上昇させることができる。更に第1及び第2シートフレーム3a、3bを第1及び第2ベース部材2a、2bに対して更に所定量だけ上昇させる場合は、上記操作を繰り返すことにより行なうことができる。
【0095】
この上昇した状態で、第1及び第2シートフレーム3a、3bに外部から荷重がかかった場合でも、その力によって第1遊星ギア44夫々が所定の方向に回転することがなく、第1及び第2シートフレーム3a、3bが下降するようなことがない。
【0096】
一方、上昇した第1及び第2シートフレーム3a、3bを下ろす場合は、水平状態のレバー本体57の把持部57aを、上記の上昇の場合とは逆に、図1の反時計方向に回動操作することにより行なうことができる。
【0097】
より詳しくは、レバー本体57の反時計方向への回動によって、カム53がケーシング55及びクラッチ板51に対して僅かに同方向に回動し、その回動によって、ローラ52がカム53の第2ローラ押圧部53fとクラッチ板51の内周壁51dとに挟まれてカム53がクラッチ板51に対してロック状態になる(図9参照)。
【0098】
この状態で、レバー本体57を更に同方向に回動操作すると、クラッチ板51も同方向に回動し、そのクラッチ板51の回動に伴って、第1遊星ギア44夫々が第1太陽ギア62、第1リンク内ギア43及び第1フレーム内ギア34を、上記の上昇の場合と反対方向に周回する。
【0099】
これにより、上述したと同様に、第1リンク本体41は、下端を軸に時計方向に揺動し、又、上記第1遊星ギア44夫々が第1太陽ギア62を周回するに際し、第1太陽ギア62が回転(自転)し、これに伴い第2太陽ギア162も回転する。そして、この第2太陽ギア162の回転に際して第2遊星ギア144夫々が回転して、第2リンク内ギア143及び第2フレーム内ギア134を、上記の上昇の場合と反対方向に周回する。
【0100】
そして、この周回に際して、同様に、第1リンク本体41と連動して同方向に回動する。又、この第1リンク本体41と第2リンク本体141との揺動によって、第3リンク部材4cと第4リンク部材4dとが連動して揺動する。これにより、第1及び第2シートフレーム3a、3bを第1及び第2ベース部材2a、2bに対して所定量だけ下降させることができる。
【0101】
以上のように構成されることにより、第1リンクを揺動操作させる第1遊星ギア及び第1太陽ギア等の部材を、第1リンク本体の第2端に配設でき、従来のように、シートフレームの内側に、セクタギア、連結ロッド、及びセンタギア等を配設せずに済み、シートフレームをコンパクト化できるとともに、組み付け作業を容易なものにできる。
【0102】
又、第1リンクの揺動操作に伴う第1太陽ギアの回転に連動して回転する第2太陽ギアのその回転によって第2遊星ギア群を回転操作して第2リンクを揺動させることができる。
【0103】
従って、第2リンクを、第1リンクの動きに合わせて可動させることができ、第1及び第2シートフレームを第1及び第2ベース部材に対して円滑に昇降させることができる。
【0104】
又、第2リンクを、第1太陽ギアに連動した第2太陽ギアの回転によって揺動させるため、第1太陽ギアと第2太陽ギアとを連結した連結軸を、回転力を伝達できればよいものにでき、連結軸を断面積の小さいものでもよいものにできる。従って、シートリフター全体の軽量化を図ることができる。又、設置面積の小さいものにでき、例えばこのシートリフターを、運転席や助手席に適用した場合に、その後部座席に座った着座者の足が連結軸に当たり難いものにできる。
【0105】
尚、上記実施形態では、連結部材6は、第2太陽ギア162を備えたものとし、第2リ
ンク4bは、第2遊星ギア144を有する第2遊星ギア群を備えたものとしたが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0106】
例えば、連結部材6は、第2太陽ギア162を有しないものとするとともに、第2リンク4bは、第2遊星ギア144を有しないものとし、第2リンク4bの上端と連結軸61の第2端とを回動自在に連結し、連結軸61の第1端の動きに伴う第2端の動きに連動して第2リンク4bの上端が可動するようにしてもよい。
【0107】
ただし、上記実施形態のように、連結部材6は、第2太陽ギア162を備えたものとし、第2リンク4bは、第2遊星ギア144を有する第2遊星ギア群を備えたものとすれば、第2リンク4bを第1リンク4aと同じ速度で確実に可動させることができ、第1シートフレームと第2シートフレームとを同じタイミングで同じ速度で確実に可動させることができるとともに、連結軸61を、回転伝達する機能を有するものにできる点で、上記実施形態のように構成しておくのが好ましい。
【0108】
又、本発明のシートリフターは、上記実施形態のように、自動車のシートに用いられる形態のものに限らず、例えば航空機、電車等の車両のシートに用いることができ、適宜変更できる。又、パワーシートにおいても利用可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 シートリフター
2a 第1ベース部材
2b 第2ベース部材
3a 第1シートフレーム
3b 第2シートフレーム
4a 第1リンク
4b 第2リンク
5 遊星ギア操作部
6 連結部材
32 第1リンク用連結片(第1リンク用連結部)
34 第1フレーム内ギア
41 第1リンク本体
43 第1リンク内ギア
44 第1遊星ギア
62 第1太陽ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートにおける左右の何れか一方側に配設された第1ベース部材及び第1シートフレームに夫々回動自在に連結された第1リンクと、前記シートにおける他方側に配置された第2ベース部材及び第2シートフレームに夫々回動自在に連結されているとともに、連結部材を介して前記第1リンクに連動可能に連結された第2リンクと、前記第1及び第2シートフレームを第1及び第2ベース部材に対して昇降させる昇降機構部とを備えたシートリフターであって、
前記昇降機構部は、前記第1シートフレームを前記第1ベース部材に対して昇降させる第1太陽ギア及び第1遊星ギア群を含む第1昇降機構部と、前記第1昇降機構部と連動し前記第2シートフレームを前記第2ベース部材に対して昇降させる第2太陽ギア及び第2遊星ギア群を含む第2昇降機構部とを備えていることを特徴とするシートリフター。
【請求項2】
前記第1太陽ギアは、前記連結部材の第1端に配設され、
前記第1遊星ギア群は、前記第1太陽ギアに噛合した複数の第1遊星ギアを有し、
前記第1リンクは、第1リンク本体と、前記第1太陽ギアを周回するように前記第1遊星ギア群を操作する遊星ギア操作部とを備え、
前記第1リンク本体は、その第1端が前記第1ベース部材に連結され、その第2端が前記第1シートフレームに連結されているとともに、前記第1遊星ギア群と噛合した第1リンク内ギアを備え、
前記第1リンク内ギアは、前記第1遊星ギア群が前記遊星ギア操作部の操作に伴って第1太陽ギアを周回するに際して同時にこの第1リンク内ギアを周回して前記第1リンク本体の第2端が第1シートフレームに対して回動して前記第1リンク本体の第1端を軸に揺動し得るように構成されていることを特徴とする請求項1記載のシートリフター。
【請求項3】
前記第1シートフレームは、第1フレーム内ギアを有する第1リンク用連結部を備え、
前記第1遊星ギア群は、前記第1フレーム用内ギアに更に噛合してその第1フレーム用内ギアを周回し、
前記第1リンク本体の第2端は、前記第1遊星ギア群が第1フレーム用内ギアを周回するに際して前記第1リンク連結部に対して回動し得るように前記第1リンク連結部と回動自在に連結され、
前記第1太陽ギアは、前記第1遊星ギア群が当該第1太陽ギアを周回するに際して当該第1太陽ギアが自転し得るように前記第1シートフレームに対して回転可能とされ、
前記第2太陽ギアは、前記連結部材の第2端に、前記第1太陽ギアの回転に連動して共に回転できるように配設され、
前記第2シートフレームは、前記第2フレーム内ギアを有する第2リンク連結部を備え、
前記第2遊星ギア群は、前記第2太陽ギア及び前記第2フレーム内ギア夫々に噛合した複数の第2遊星ギアを有し、
前記第2リンクは、その第1端が第2ベース部材に連結され、その第2端に前記第2遊星ギア群と噛合した第2リンク内ギアが設けられているとともに、前記第2遊星ギア群が前記第2リンク内ギア及び前記第2フレーム内ギアを周回するに際して当該第2端が前記第2リンク連結部に対して回動し得るように前記第2リンク連結部に連結され、
前記第2リンク内ギアは、前記第2太陽ギアの回転に伴う前記第2遊星ギア群の回転に際して前記第2遊星ギア群が前記第2フレーム内ギアと共にこの第2リンク内ギアを周回して前記第2リンクがその第1端を軸に揺動し得るように構成されていることを特徴とする請求項2記載のシートリフター。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のシートリフターを備えていることを特徴とするシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−71819(P2012−71819A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133034(P2011−133034)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000109738)デルタ工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】