シート収納・運搬具
【課題】 害虫駆除用の燻蒸シートを収納し、運搬する用具として、運搬時の保形性を良好にするとともに小型化を図り、シートの出し入れが容易に行えるようにする。
【解決手段】 矩形状の本体部2の周囲四辺にマチ3を介して四枚のカバー片4を連接し、マチ3の部分でカバー片4を内側に折り曲げると少なくとも隣接するカバー片4に対してその一部が重ね合わせられるようにするとともに、重合する部分に面ファスナ10a、10bを設け、また本体部2の外面側の所定箇所に肩掛けベルト7を設ける。本体部2の内面側にシートSを配設して、その周囲を各カバー片4で覆うことで収納体13とし、この収納体13を長手方向に対して三つ折り、または二つ折りして固定できるようにする。
【解決手段】 矩形状の本体部2の周囲四辺にマチ3を介して四枚のカバー片4を連接し、マチ3の部分でカバー片4を内側に折り曲げると少なくとも隣接するカバー片4に対してその一部が重ね合わせられるようにするとともに、重合する部分に面ファスナ10a、10bを設け、また本体部2の外面側の所定箇所に肩掛けベルト7を設ける。本体部2の内面側にシートSを配設して、その周囲を各カバー片4で覆うことで収納体13とし、この収納体13を長手方向に対して三つ折り、または二つ折りして固定できるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば松食い虫等の害虫により被害のあった松の枯れ木を燻蒸して害虫を駆除するための燻蒸用シートを枯れ木の伐採現場まで運搬するのに便利なシート収納・運搬具に関する。
【背景技術】
【0002】
松食い虫等の害虫によって枯死した松が伐採されると、伐採現場において、伐採材に生息する害虫などが拡散しないよう、所定量の伐採材をまとめてこれを所定サイズに裁断した燻蒸シートで覆い、内部を薬剤で燻蒸することにより、害虫を駆除する。燻蒸シートとしては、通常、幅4〜5m、長さ30m程度の大きなサイズのシートを伐採現場まで運搬し、現場で必要なサイズに裁断して使用することにより数回の作業を連続して行えるようにされている。
【0003】
運搬初期のシートの重量は10〜15kg程度にも達するため、紙管等に巻いたロール状のシートを担いで燻蒸処理現場まで運搬することは骨の折れる作業であった。
燻蒸用シートを枯れ木の伐採現場まで運搬する運搬用具として、布製等の収納本体の背面部にシートの左右のずれを規制する幅規制部材を設け、左右の幅規制部材の中間部の一定領域を開放部として開放するとともに、幅規制部材の長さ方向の端部を背面部に連結することで、収納本体の背面部に燻蒸用シートを収納できる空間部を形成し、この空間部内に折り畳んだシートを収容して、収納本体の外側面に設けられた肩掛けベルトによって担いで運搬できるようにした技術(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−23892号公報
【特許文献2】特開2010−22299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術の場合、従来のように燻蒸用シートを紙管等に巻いたロール状のものを肩に担いで運搬する方法に較べて、運搬性は良好なものの、保形性やコンパクト性に更に改良の余地があった。
また、背面部の空間部に燻蒸用シートを収納したり取り出したりする際も、幅規制部材が背面部に固定されており、しかも、左右の幅規制部材で挟まれる狭い開放部を通して燻蒸用シートを出し入れしなければならないため、収納、取出しに労を要するという問題もあった。
【0006】
そこで本発明は、折り畳んだシートを収納し、運搬する用具として、運搬時の保形性を良好にするとともに、更なる小型化を図り、しかも、シートの出し入れが容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、折り畳んだシートを収容する矩形状の本体部と、該本体部の外面側の所定箇所に設けられた肩掛けベルトを備え、前記本体部の周囲四辺にはそれぞれカバー片が備えられており、前記カバー片は内側に折り曲げると少なくとも隣接するカバー片に対してその一部が重ね合わせ可能であり、前記カバー片の所定箇所に、重ね合わせたカバー片同士を係止する面ファスナを取り付け、本体部の内面側に配置される前記シートを折り曲げた各カバー片で覆い、カバー片の面ファスナを係合させることでシートが収納される収納体とし、この収納体を複数折りに折り畳んで固定できるようにした。
【0008】
そして、矩形状の本体部の内面側に折り畳んだシートを配置し、このシートの周囲を、各辺の四枚のカバー片で覆って面ファスナで固定するようにすれば、シートを収納する空間部を大きく開放できるため作業が極めて容易になる。
また、収納体を複数折りに折り畳んで固定することで、小型化が図れるとともに、運搬時の保形性を良好にできる。
【0009】
本発明においては、前記本体部の周囲四辺に備えられる各カバー片は、マチを介して連接されていることが好ましい。ここで、マチのマチ幅は、折り畳んだシートの厚み程度にしておけば好適である。また、マチは、本体部の四辺それぞれに独立して設けられてもよいし、四辺のマチが接続するように設けられてもよい。四辺のマチが接続する場合は、本体部とマチとで浅い箱状となるため、本体部に配置される折り畳んだシートがずれにくい効果を奏する。
【0010】
また本発明では、前記収納体が折り畳まれる際、折り曲げ箇所に対応するマチに、マチの一部が部分的に切り欠かれる切欠き部を設けることが好ましい。
このような切欠き部を設けることにより、収納体の折り畳みが容易となり、また折り曲げ箇所のマチにしわ等が発生しないため綺麗に折り曲げることができる。
【0011】
また本発明では、前記本体部の肩掛けベルトが設けられる箇所に、背板を内蔵することが好ましい。
このように、背板を内蔵することにより、運搬時に安定した状態を保つことができる。
ここで、背板としては、剛性を有するもので運搬中の収納体の保形性が崩れるのを防止できるものであればよい。
【0012】
また本発明では、カバー片に、収納体を折り畳むことによって重合するカバー片の対向面同士の少なくとも一部を係止する面ファスナが設けられていること好ましい。
このように、収納体を折り畳んだ際、重合するカバー片の対向面同士の少なくとも一部を面ファスナで係止することにより、運搬中に重合状態がずれて折り畳みの形状が崩れることがなく、保形性が良好となる。
【0013】
また本発明では、前記収納体の折り畳みを、三つ折りとすることが好ましい。このように三つ折りにすることで、二つ折りに較べて一層の小型化が図れる。
【発明の効果】
【0014】
折り畳んだシートを収容する矩形状の本体部の周囲四辺に、カバー片を設け、本体部の内面側に配置されるシートの周囲をカバー片で覆って固定できるようにすることで、収納空間部内へのシートの出し入れを容易に行うことができ、また収納体を折り畳んで固定することで、コンパクト化が図られ、保形性も向上する。特に、三つ折りにした場合などには、一層の小型化が可能であり、山間部等の狭い山道においても移動が容易となる。
また、マチを介してカバー片が本体部に連接されると、本体部の内面側に配置されるシートがずれにくく、形が安定する。
加えて、折り曲げ箇所に対応するマチに切欠き部を設けることで、収納体を折り畳む際、折り曲げが容易となり、本体部の所定箇所に背板を内蔵することで、保形性に優れ、楽に背負って運搬できるようになる。
さらに、カバー片に、収納体を折り畳むことによって重合するカバー片の対向面同士を係止する面ファスナを設けることにより、運搬時の保形性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る三つ折り用のシート収納・運搬具の展開したものを内面側から見た説明図である。
【図2】本発明に係る三つ折り用のシート収納・運搬具の展開したものを外面側から見た説明図である。
【図3】本シート収納・運搬具に折り畳んだシートを収納する直前の状態を示す説明図である。
【図4】本シート収納・運搬具に折り畳んだシートを載せた状態を示す説明図である。
【図5】本体部の短辺側のカバー片を折り曲げて折り畳んだシートの一部を覆った状態の説明図である。
【図6】本体部の長辺側のカバー片を折り曲げて折り畳んだシートの一部を覆った状態の説明図である。
【図7】収納体を長さ方向に1/3折り畳んだ状態の説明図である。
【図8】収納体の残り1/3を折り畳んだ状態の説明図である。
【図9】本シート収納・運搬具を背負った状態の説明図である。
【図10】二つ折り構造のシート収納・運搬具を展開したものを内面側から見た説明図である。
【図11】二つ折り構造のシート収納・運搬具を展開したものを外面側から見た説明図である。
【図12】二つ折り構造のシート収納・運搬具に折り畳んだシートを載せてカバー片で覆った状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
本発明に係るシート収納・運搬具は、例えば10〜15kg程度の重量のある燻蒸用シートを山などの伐採箇所に運搬するにあたり、運搬時の保形性が良好でコンパクト化が図られ、しかも、シートの出し入れを容易に行うことのできる収納・運搬具として構成されている。
【0017】
すなわち、このような燻蒸用シートとしては、例えば松食い虫等の害虫によって枯死した松が伐採されると、伐採現場において、伐採材に生息する害虫などが拡散しないよう所定量の伐採材をまとめ、所定サイズに裁断した燻蒸シートで覆い、内部を薬剤で燻蒸することにより、害虫を駆除できるようなシートとして構成される。通常、幅4〜5m、長さ30m程度の大きなサイズのシートを用意して現場まで運搬し、現場で必要なサイズに裁断して使用することにより数回の作業を連続して行えるようにされている。
【0018】
本発明のシート収納・運搬具1は、図1、図2に示すように、折り畳んだシートを収容する矩形状の本体部2と、この本体部2の周囲四辺にそれぞれカバー片4を備えており、これら本体部2やカバー片4は、通常のバッグやリュックサック等に使用される折り曲げ可能で引裂き強度等に優れた材料(例えば、帆布や各種シート類等)から構成されている。
以下の説明では、図1に示す展開状態のシート収納・運搬具1の上面を内面側と称し、その裏側の図2に示す展開状態の上面を外面側と称する。
なお、以下の説明における「シートS」は、「長尺のシートを折り畳んだもの」であり、「シートSの厚さ」はシート自体の厚さではなく、シートを折り畳んだ折り畳み厚み」のことを指す。
【0019】
前記本体部2は、長手方向に対して中間部の折り曲げ線x、yによって3つの領域A、B、Cに区分けすることが可能であり、本体部2の外面側には、図2に示すように、領域Aの片側端部寄りに、最終的な荷姿に固定する固定具の一部品である固定ベルト5が設けられ、領域Aの中央部分に収納部6が設けられており、B領域に肩掛けベルト7が設けられている。肩掛けベルト7が設けられているB領域には、背板(不図示)が内蔵されていると、保形性が良く背負いやすい。
そして、固定ベルト5の両端部には、ベルト雌連結具5mが取り付けられ、このベルト雌連結具5mに係脱自在な左右一対のベルト雄連結具5tが、領域Bの幅方向両端部の折り曲げ線y近傍に設けられている。
【0020】
また、領域Aの折り曲げ線xの近傍の幅方向両端部には、左右一対の雌連結具8mが設けられるとともに、領域Bの折り曲げ線x近傍の幅方向両端部には、左右一対の雄連結具8tが設けられ、雌連結具8mと雄連結具8tは係脱自在にされている。
そして、これら固定ベルト5と、ベルト雌雄連結具5m、5tと、その他の雌雄連結具8m、8tと、後述するカバー片4の面ファスナ11a、11bによって、後述する収納体13を折り畳んで最終的な荷姿に固定するための固定具が構成されている。
【0021】
また、本体部2の長手方向の両端部には、図2に示すような把手9を設けており、後述する収納体13を折り畳む作業を楽に行えるようにしている。
なお、前記収納部6は、ファスナfによって開閉自在な収納部と、その表面にメッシュ部材Mで形成されるポケット部を備えている。
【0022】
カバー片4は、マチ3を介して本体部2に連接されると、後述するシートSの厚みをカバーすることができるため、保形性に優れ好ましい。マチ3は、収納されるシートSの厚みとほぼ同一程度の幅とされる。マチ3は、本体部の四辺にそれぞれ独立して設けられていてもよいし、四辺のマチ3が接続するように設けられてもよい。四辺のマチ3が接続するように設けられている場合は、本体部2とマチ3とで箱状となるため、シートSがずれにくい効果を奏する。本実施例では、四辺のマチ3のうち、隣接するマチ3の端部同士が接続された状態で本体部2の周縁部に連結され、マチ3が、内面側の上方に立ち上がった状態(すなわち浅い箱状)になるようにされている。
【0023】
そして、このマチ3のうち、折り曲げ線x、yに対応する箇所には、部分的に切り欠かれた切欠き部3x、3yが設けられることが好ましい。そして、本実施例では、後述する収納体を折り曲げる際、最初に折り曲げる箇所に対応する切欠き部3yの切欠き長さより、二番目に折り曲げる箇所に対応する切欠き部3xの切欠き長さの方が長くなるようにしている。
この切欠き部3x、3yの長さは、収納体13を三つ折りにする際の折り曲げ厚みと同等であればよい。例えば、シートSの厚みが5cmの場合、最初に折り曲げる箇所に対応する切欠き部3yの長さは8〜15cm、二番目に折り曲げる箇所に対応する切欠き部3xの長さは12〜20cmが好適である。このような切欠き部3x、3yを設けると、収納体を折り曲げる際に、折り畳み箇所にマチの生地が集中しないため、折り畳みをスムーズに行わせるのに効果的である。
【0024】
前記カバー片4は、本体部2の長辺側の長辺側カバー片4aと本体部2の短辺側の短辺側カバー片4bから構成されており、長辺側カバー片4aの内面側の両側端部寄りには、図1に示すように、カバー片4同士を結合するための面ファスナ10aが取り付けられ、この面ファスナ10aが、以下に述べる短辺側カバー片4bの外面側の面ファスナ10b(図2)と係脱自在にされている。
【0025】
短辺側カバー片4bの外面側には、図2に示すように、前記した面ファスナ10bが取り付けられ、短辺側カバー片4bと長辺側カバー片4aを共に内面側に向けて折り曲げると、隣接するカバー片4の面ファスナ10a、10b部分が重なり合うようにしている。
【0026】
また、長辺側カバー片4aの外面側には、図2に示すように、本体部2の領域B、Cに対応する箇所にそれぞれ面ファスナ11a、11bを設けており、後述する収納体13を長手方向に折り畳んだ際に、これら面ファスナ11a、11b同士が係着するようにしている。
そして、前記したように、これら面ファスナ11a、11bも、収納体13を折り畳んで最終的な荷姿にする際にその姿勢を固定する固定具の一部品である。
【0027】
更に、長辺側カバー片4aの長手方向の中央部には、外側に向けて延出する一対の締結具12a、12bが設けられており、両者は締結自在にされている。
【0028】
以上のようなシート収納・運搬具1の作用等について説明する。
図3に示すように、シート収納・運搬具1の内面側を上向きにして広げ、本体部2のサイズとほぼ同一のサイズに折り畳んだシートSを本体部2上に配置し、図4のようにセットする。この際、図示しないが、シートSは本体部2とマチ3とによって包み込まれた状態となることが好ましい。
【0029】
次いで、図5に示すように、短辺側カバー片4bを折り曲げてシートSの上面に被せ、更に、図6に示すように、長辺側カバー片4aをシートSに向けて折り曲げてシートSや短辺側カバー片4bの上に被せ、面ファスナ10a、10b同士を係着させ、締結具12a、12bを締結する。すると、図6に示すようなシートSが包み込まれた収納体13が形成される。
【0030】
次に、図7に示すように、把手9を利用して折り曲げ線y部分で本体部2の領域Cを領域Bの上に被せるように折り畳み、面ファスナ11a、11b同士を係着させる。
この際、マチ3の切欠き部3yによって折り曲げ線y部分で綺麗に折り畳むことができ、しかも把手9を利用することにより、シートSの折り畳みに力が必要な場合でも、比較的楽に折り畳むことができる。
【0031】
その後、図8に示すように、折り曲げ線x部分で本体部2の領域Aを領域Cの上に被せるように折り畳む。この際も、最初の折り畳みと同様に、マチ3の切欠き部3xにより、折り曲げ線x部分で綺麗に折り畳むことができる。最後に、固定ベルト5の雌雄の連結具5m、5tや、その他の雌雄の連結具8m、8tを連結することで最終的な荷姿となる。
【0032】
以上のような折り畳みが完了した収納体13を肩掛けベルト7を介して背負った状態は、図9の通りであり、収納体13を二つ折りにする場合に較べて、一層の小型化が図られるとともに、全体の保形性が良い。特に、図9に示す状態で運搬中、収納体13の折り畳みの中間層となる領域Cの部分と、人体の背中に当接する領域Bの部分とが、面ファスナ11a、11bで係着されているため、領域Cの部分がずり落ちるような不具合がなく、保形性は極めて良好である。
【0033】
次に、本体部2を二つ折りにする場合の構成について、図10乃至図12に基づいて簡単に説明する。なお、この場合も、前記と同様な部品等には同一の番号を付す。
このシート収納・運搬具1も、矩形状の本体部2と、この本体部2の周囲四辺に四枚のカバー片4を備えており、前記本体部2は、長手方向に対して中央部の折り曲げ線zによって二つ折り可能とされる。前述の三つ折りと同様に、カバー片4はマチ3を介して本体部2に連接されることが好ましい。一方側の領域には、背板が内蔵されることが好ましく、背板が内蔵された本体部2の外面側には、図11に示すように、肩掛けベルト7が設けられている。
【0034】
そして、この場合の三つ折り構造との違いは、長辺側カバー片4aの外面側に設けられる面ファスナ14a、14b、15a、15bであり、三つ折り構造の面ファスナ11a、11bの位置とは異ならせている。
また、マチ3の切欠き部3zは、長手方向中間部の折り曲げ線zに対応する位置に設けている。
【0035】
そして、図12に示すようなシートSを収納した収納体13を二つ折りにした際に、各面ファスナ14a、14b、15a、15b同士を係着させ、最終的な荷姿に折り畳んだ際、保形性が良好になるようにしている。
【0036】
以上のような三つ折りや二つ折りの構造において、シート収納・運搬具1からシートSを取り出したり、収納したりする場合に、各カバー片4を大きく開いて作業できるため、作業が容易であり、しかも、より小型化することが可能で、更に、最終的な荷姿の保形性を良好にできるため、運搬がより便利となる。
【0037】
なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、収納・運搬具の材質等は任意である。
また、カバー片4について、折り曲げた際に長辺側カバー片4aが上になるような構成で説明したが、もちろん、短辺側カバー辺4bが上になるように折り曲げる構成でも差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
例えば松食い虫等の害虫駆除用の燻蒸シートを伐採現場まで運搬する際、全体がコンパクトに纏まって、運搬時の保形性も良好なため、今後の広い普及が期待される。
【符号の説明】
【0039】
1…シート収納・運搬具、2…本体部、3…マチ、3x、3y、3z…切欠き部、4…カバー片、7…肩掛けベルト、10a、10b…面ファスナ、11a、11b、14a、14b、15a、15b…固定具としての面ファスナ、13…収納体、S…シート。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば松食い虫等の害虫により被害のあった松の枯れ木を燻蒸して害虫を駆除するための燻蒸用シートを枯れ木の伐採現場まで運搬するのに便利なシート収納・運搬具に関する。
【背景技術】
【0002】
松食い虫等の害虫によって枯死した松が伐採されると、伐採現場において、伐採材に生息する害虫などが拡散しないよう、所定量の伐採材をまとめてこれを所定サイズに裁断した燻蒸シートで覆い、内部を薬剤で燻蒸することにより、害虫を駆除する。燻蒸シートとしては、通常、幅4〜5m、長さ30m程度の大きなサイズのシートを伐採現場まで運搬し、現場で必要なサイズに裁断して使用することにより数回の作業を連続して行えるようにされている。
【0003】
運搬初期のシートの重量は10〜15kg程度にも達するため、紙管等に巻いたロール状のシートを担いで燻蒸処理現場まで運搬することは骨の折れる作業であった。
燻蒸用シートを枯れ木の伐採現場まで運搬する運搬用具として、布製等の収納本体の背面部にシートの左右のずれを規制する幅規制部材を設け、左右の幅規制部材の中間部の一定領域を開放部として開放するとともに、幅規制部材の長さ方向の端部を背面部に連結することで、収納本体の背面部に燻蒸用シートを収納できる空間部を形成し、この空間部内に折り畳んだシートを収容して、収納本体の外側面に設けられた肩掛けベルトによって担いで運搬できるようにした技術(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−23892号公報
【特許文献2】特開2010−22299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術の場合、従来のように燻蒸用シートを紙管等に巻いたロール状のものを肩に担いで運搬する方法に較べて、運搬性は良好なものの、保形性やコンパクト性に更に改良の余地があった。
また、背面部の空間部に燻蒸用シートを収納したり取り出したりする際も、幅規制部材が背面部に固定されており、しかも、左右の幅規制部材で挟まれる狭い開放部を通して燻蒸用シートを出し入れしなければならないため、収納、取出しに労を要するという問題もあった。
【0006】
そこで本発明は、折り畳んだシートを収納し、運搬する用具として、運搬時の保形性を良好にするとともに、更なる小型化を図り、しかも、シートの出し入れが容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、折り畳んだシートを収容する矩形状の本体部と、該本体部の外面側の所定箇所に設けられた肩掛けベルトを備え、前記本体部の周囲四辺にはそれぞれカバー片が備えられており、前記カバー片は内側に折り曲げると少なくとも隣接するカバー片に対してその一部が重ね合わせ可能であり、前記カバー片の所定箇所に、重ね合わせたカバー片同士を係止する面ファスナを取り付け、本体部の内面側に配置される前記シートを折り曲げた各カバー片で覆い、カバー片の面ファスナを係合させることでシートが収納される収納体とし、この収納体を複数折りに折り畳んで固定できるようにした。
【0008】
そして、矩形状の本体部の内面側に折り畳んだシートを配置し、このシートの周囲を、各辺の四枚のカバー片で覆って面ファスナで固定するようにすれば、シートを収納する空間部を大きく開放できるため作業が極めて容易になる。
また、収納体を複数折りに折り畳んで固定することで、小型化が図れるとともに、運搬時の保形性を良好にできる。
【0009】
本発明においては、前記本体部の周囲四辺に備えられる各カバー片は、マチを介して連接されていることが好ましい。ここで、マチのマチ幅は、折り畳んだシートの厚み程度にしておけば好適である。また、マチは、本体部の四辺それぞれに独立して設けられてもよいし、四辺のマチが接続するように設けられてもよい。四辺のマチが接続する場合は、本体部とマチとで浅い箱状となるため、本体部に配置される折り畳んだシートがずれにくい効果を奏する。
【0010】
また本発明では、前記収納体が折り畳まれる際、折り曲げ箇所に対応するマチに、マチの一部が部分的に切り欠かれる切欠き部を設けることが好ましい。
このような切欠き部を設けることにより、収納体の折り畳みが容易となり、また折り曲げ箇所のマチにしわ等が発生しないため綺麗に折り曲げることができる。
【0011】
また本発明では、前記本体部の肩掛けベルトが設けられる箇所に、背板を内蔵することが好ましい。
このように、背板を内蔵することにより、運搬時に安定した状態を保つことができる。
ここで、背板としては、剛性を有するもので運搬中の収納体の保形性が崩れるのを防止できるものであればよい。
【0012】
また本発明では、カバー片に、収納体を折り畳むことによって重合するカバー片の対向面同士の少なくとも一部を係止する面ファスナが設けられていること好ましい。
このように、収納体を折り畳んだ際、重合するカバー片の対向面同士の少なくとも一部を面ファスナで係止することにより、運搬中に重合状態がずれて折り畳みの形状が崩れることがなく、保形性が良好となる。
【0013】
また本発明では、前記収納体の折り畳みを、三つ折りとすることが好ましい。このように三つ折りにすることで、二つ折りに較べて一層の小型化が図れる。
【発明の効果】
【0014】
折り畳んだシートを収容する矩形状の本体部の周囲四辺に、カバー片を設け、本体部の内面側に配置されるシートの周囲をカバー片で覆って固定できるようにすることで、収納空間部内へのシートの出し入れを容易に行うことができ、また収納体を折り畳んで固定することで、コンパクト化が図られ、保形性も向上する。特に、三つ折りにした場合などには、一層の小型化が可能であり、山間部等の狭い山道においても移動が容易となる。
また、マチを介してカバー片が本体部に連接されると、本体部の内面側に配置されるシートがずれにくく、形が安定する。
加えて、折り曲げ箇所に対応するマチに切欠き部を設けることで、収納体を折り畳む際、折り曲げが容易となり、本体部の所定箇所に背板を内蔵することで、保形性に優れ、楽に背負って運搬できるようになる。
さらに、カバー片に、収納体を折り畳むことによって重合するカバー片の対向面同士を係止する面ファスナを設けることにより、運搬時の保形性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る三つ折り用のシート収納・運搬具の展開したものを内面側から見た説明図である。
【図2】本発明に係る三つ折り用のシート収納・運搬具の展開したものを外面側から見た説明図である。
【図3】本シート収納・運搬具に折り畳んだシートを収納する直前の状態を示す説明図である。
【図4】本シート収納・運搬具に折り畳んだシートを載せた状態を示す説明図である。
【図5】本体部の短辺側のカバー片を折り曲げて折り畳んだシートの一部を覆った状態の説明図である。
【図6】本体部の長辺側のカバー片を折り曲げて折り畳んだシートの一部を覆った状態の説明図である。
【図7】収納体を長さ方向に1/3折り畳んだ状態の説明図である。
【図8】収納体の残り1/3を折り畳んだ状態の説明図である。
【図9】本シート収納・運搬具を背負った状態の説明図である。
【図10】二つ折り構造のシート収納・運搬具を展開したものを内面側から見た説明図である。
【図11】二つ折り構造のシート収納・運搬具を展開したものを外面側から見た説明図である。
【図12】二つ折り構造のシート収納・運搬具に折り畳んだシートを載せてカバー片で覆った状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
本発明に係るシート収納・運搬具は、例えば10〜15kg程度の重量のある燻蒸用シートを山などの伐採箇所に運搬するにあたり、運搬時の保形性が良好でコンパクト化が図られ、しかも、シートの出し入れを容易に行うことのできる収納・運搬具として構成されている。
【0017】
すなわち、このような燻蒸用シートとしては、例えば松食い虫等の害虫によって枯死した松が伐採されると、伐採現場において、伐採材に生息する害虫などが拡散しないよう所定量の伐採材をまとめ、所定サイズに裁断した燻蒸シートで覆い、内部を薬剤で燻蒸することにより、害虫を駆除できるようなシートとして構成される。通常、幅4〜5m、長さ30m程度の大きなサイズのシートを用意して現場まで運搬し、現場で必要なサイズに裁断して使用することにより数回の作業を連続して行えるようにされている。
【0018】
本発明のシート収納・運搬具1は、図1、図2に示すように、折り畳んだシートを収容する矩形状の本体部2と、この本体部2の周囲四辺にそれぞれカバー片4を備えており、これら本体部2やカバー片4は、通常のバッグやリュックサック等に使用される折り曲げ可能で引裂き強度等に優れた材料(例えば、帆布や各種シート類等)から構成されている。
以下の説明では、図1に示す展開状態のシート収納・運搬具1の上面を内面側と称し、その裏側の図2に示す展開状態の上面を外面側と称する。
なお、以下の説明における「シートS」は、「長尺のシートを折り畳んだもの」であり、「シートSの厚さ」はシート自体の厚さではなく、シートを折り畳んだ折り畳み厚み」のことを指す。
【0019】
前記本体部2は、長手方向に対して中間部の折り曲げ線x、yによって3つの領域A、B、Cに区分けすることが可能であり、本体部2の外面側には、図2に示すように、領域Aの片側端部寄りに、最終的な荷姿に固定する固定具の一部品である固定ベルト5が設けられ、領域Aの中央部分に収納部6が設けられており、B領域に肩掛けベルト7が設けられている。肩掛けベルト7が設けられているB領域には、背板(不図示)が内蔵されていると、保形性が良く背負いやすい。
そして、固定ベルト5の両端部には、ベルト雌連結具5mが取り付けられ、このベルト雌連結具5mに係脱自在な左右一対のベルト雄連結具5tが、領域Bの幅方向両端部の折り曲げ線y近傍に設けられている。
【0020】
また、領域Aの折り曲げ線xの近傍の幅方向両端部には、左右一対の雌連結具8mが設けられるとともに、領域Bの折り曲げ線x近傍の幅方向両端部には、左右一対の雄連結具8tが設けられ、雌連結具8mと雄連結具8tは係脱自在にされている。
そして、これら固定ベルト5と、ベルト雌雄連結具5m、5tと、その他の雌雄連結具8m、8tと、後述するカバー片4の面ファスナ11a、11bによって、後述する収納体13を折り畳んで最終的な荷姿に固定するための固定具が構成されている。
【0021】
また、本体部2の長手方向の両端部には、図2に示すような把手9を設けており、後述する収納体13を折り畳む作業を楽に行えるようにしている。
なお、前記収納部6は、ファスナfによって開閉自在な収納部と、その表面にメッシュ部材Mで形成されるポケット部を備えている。
【0022】
カバー片4は、マチ3を介して本体部2に連接されると、後述するシートSの厚みをカバーすることができるため、保形性に優れ好ましい。マチ3は、収納されるシートSの厚みとほぼ同一程度の幅とされる。マチ3は、本体部の四辺にそれぞれ独立して設けられていてもよいし、四辺のマチ3が接続するように設けられてもよい。四辺のマチ3が接続するように設けられている場合は、本体部2とマチ3とで箱状となるため、シートSがずれにくい効果を奏する。本実施例では、四辺のマチ3のうち、隣接するマチ3の端部同士が接続された状態で本体部2の周縁部に連結され、マチ3が、内面側の上方に立ち上がった状態(すなわち浅い箱状)になるようにされている。
【0023】
そして、このマチ3のうち、折り曲げ線x、yに対応する箇所には、部分的に切り欠かれた切欠き部3x、3yが設けられることが好ましい。そして、本実施例では、後述する収納体を折り曲げる際、最初に折り曲げる箇所に対応する切欠き部3yの切欠き長さより、二番目に折り曲げる箇所に対応する切欠き部3xの切欠き長さの方が長くなるようにしている。
この切欠き部3x、3yの長さは、収納体13を三つ折りにする際の折り曲げ厚みと同等であればよい。例えば、シートSの厚みが5cmの場合、最初に折り曲げる箇所に対応する切欠き部3yの長さは8〜15cm、二番目に折り曲げる箇所に対応する切欠き部3xの長さは12〜20cmが好適である。このような切欠き部3x、3yを設けると、収納体を折り曲げる際に、折り畳み箇所にマチの生地が集中しないため、折り畳みをスムーズに行わせるのに効果的である。
【0024】
前記カバー片4は、本体部2の長辺側の長辺側カバー片4aと本体部2の短辺側の短辺側カバー片4bから構成されており、長辺側カバー片4aの内面側の両側端部寄りには、図1に示すように、カバー片4同士を結合するための面ファスナ10aが取り付けられ、この面ファスナ10aが、以下に述べる短辺側カバー片4bの外面側の面ファスナ10b(図2)と係脱自在にされている。
【0025】
短辺側カバー片4bの外面側には、図2に示すように、前記した面ファスナ10bが取り付けられ、短辺側カバー片4bと長辺側カバー片4aを共に内面側に向けて折り曲げると、隣接するカバー片4の面ファスナ10a、10b部分が重なり合うようにしている。
【0026】
また、長辺側カバー片4aの外面側には、図2に示すように、本体部2の領域B、Cに対応する箇所にそれぞれ面ファスナ11a、11bを設けており、後述する収納体13を長手方向に折り畳んだ際に、これら面ファスナ11a、11b同士が係着するようにしている。
そして、前記したように、これら面ファスナ11a、11bも、収納体13を折り畳んで最終的な荷姿にする際にその姿勢を固定する固定具の一部品である。
【0027】
更に、長辺側カバー片4aの長手方向の中央部には、外側に向けて延出する一対の締結具12a、12bが設けられており、両者は締結自在にされている。
【0028】
以上のようなシート収納・運搬具1の作用等について説明する。
図3に示すように、シート収納・運搬具1の内面側を上向きにして広げ、本体部2のサイズとほぼ同一のサイズに折り畳んだシートSを本体部2上に配置し、図4のようにセットする。この際、図示しないが、シートSは本体部2とマチ3とによって包み込まれた状態となることが好ましい。
【0029】
次いで、図5に示すように、短辺側カバー片4bを折り曲げてシートSの上面に被せ、更に、図6に示すように、長辺側カバー片4aをシートSに向けて折り曲げてシートSや短辺側カバー片4bの上に被せ、面ファスナ10a、10b同士を係着させ、締結具12a、12bを締結する。すると、図6に示すようなシートSが包み込まれた収納体13が形成される。
【0030】
次に、図7に示すように、把手9を利用して折り曲げ線y部分で本体部2の領域Cを領域Bの上に被せるように折り畳み、面ファスナ11a、11b同士を係着させる。
この際、マチ3の切欠き部3yによって折り曲げ線y部分で綺麗に折り畳むことができ、しかも把手9を利用することにより、シートSの折り畳みに力が必要な場合でも、比較的楽に折り畳むことができる。
【0031】
その後、図8に示すように、折り曲げ線x部分で本体部2の領域Aを領域Cの上に被せるように折り畳む。この際も、最初の折り畳みと同様に、マチ3の切欠き部3xにより、折り曲げ線x部分で綺麗に折り畳むことができる。最後に、固定ベルト5の雌雄の連結具5m、5tや、その他の雌雄の連結具8m、8tを連結することで最終的な荷姿となる。
【0032】
以上のような折り畳みが完了した収納体13を肩掛けベルト7を介して背負った状態は、図9の通りであり、収納体13を二つ折りにする場合に較べて、一層の小型化が図られるとともに、全体の保形性が良い。特に、図9に示す状態で運搬中、収納体13の折り畳みの中間層となる領域Cの部分と、人体の背中に当接する領域Bの部分とが、面ファスナ11a、11bで係着されているため、領域Cの部分がずり落ちるような不具合がなく、保形性は極めて良好である。
【0033】
次に、本体部2を二つ折りにする場合の構成について、図10乃至図12に基づいて簡単に説明する。なお、この場合も、前記と同様な部品等には同一の番号を付す。
このシート収納・運搬具1も、矩形状の本体部2と、この本体部2の周囲四辺に四枚のカバー片4を備えており、前記本体部2は、長手方向に対して中央部の折り曲げ線zによって二つ折り可能とされる。前述の三つ折りと同様に、カバー片4はマチ3を介して本体部2に連接されることが好ましい。一方側の領域には、背板が内蔵されることが好ましく、背板が内蔵された本体部2の外面側には、図11に示すように、肩掛けベルト7が設けられている。
【0034】
そして、この場合の三つ折り構造との違いは、長辺側カバー片4aの外面側に設けられる面ファスナ14a、14b、15a、15bであり、三つ折り構造の面ファスナ11a、11bの位置とは異ならせている。
また、マチ3の切欠き部3zは、長手方向中間部の折り曲げ線zに対応する位置に設けている。
【0035】
そして、図12に示すようなシートSを収納した収納体13を二つ折りにした際に、各面ファスナ14a、14b、15a、15b同士を係着させ、最終的な荷姿に折り畳んだ際、保形性が良好になるようにしている。
【0036】
以上のような三つ折りや二つ折りの構造において、シート収納・運搬具1からシートSを取り出したり、収納したりする場合に、各カバー片4を大きく開いて作業できるため、作業が容易であり、しかも、より小型化することが可能で、更に、最終的な荷姿の保形性を良好にできるため、運搬がより便利となる。
【0037】
なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、収納・運搬具の材質等は任意である。
また、カバー片4について、折り曲げた際に長辺側カバー片4aが上になるような構成で説明したが、もちろん、短辺側カバー辺4bが上になるように折り曲げる構成でも差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
例えば松食い虫等の害虫駆除用の燻蒸シートを伐採現場まで運搬する際、全体がコンパクトに纏まって、運搬時の保形性も良好なため、今後の広い普及が期待される。
【符号の説明】
【0039】
1…シート収納・運搬具、2…本体部、3…マチ、3x、3y、3z…切欠き部、4…カバー片、7…肩掛けベルト、10a、10b…面ファスナ、11a、11b、14a、14b、15a、15b…固定具としての面ファスナ、13…収納体、S…シート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳んだシートを収容する矩形状の本体部と、該本体部の外面側の所定箇所に設けられた肩掛けベルトを備え、前記本体部の周囲四辺にはそれぞれカバー片が備えられており、前記カバー片は内側に折り曲げると少なくとも隣接するカバー片に対してその一部が重ね合わせ可能であり、前記カバー片の所定箇所には、重ね合わせたカバー片同士を係止する面ファスナが取り付けられ、本体部の内面側に配置されるシートを内側に折り曲げた各カバー片で覆い、カバー片の面ファスナを係合させることで前記シートが収納される収納体とし、この収納体を折り畳んで固定できるようにされることを特徴とするシート収納・運搬具。
【請求項2】
前記本体部の周囲四辺に備えられる前記カバー片は、マチを介して本体部に連接されていることを特徴とする請求項1に記載のシート収納・運搬具。
【請求項3】
前記収納体が折り畳まれる際、折り曲げ箇所に対応するマチには、マチの一部が部分的に切り欠かれる切欠き部が設けられることを特徴とする請求項2に記載のシート収納・運搬具。
【請求項4】
前記本体部の肩掛けベルトが設けられる箇所には、背板が内蔵されることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のシート収納・運搬具。
【請求項5】
前記カバー片には、収納体を折り畳むことによって重合するカバー片の対向面同士の少なくとも一部を係止する面ファスナが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシート収納・運搬具。
【請求項6】
前記収納体の折り畳みは、三つ折りであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のシート収納。運搬具。
【請求項1】
折り畳んだシートを収容する矩形状の本体部と、該本体部の外面側の所定箇所に設けられた肩掛けベルトを備え、前記本体部の周囲四辺にはそれぞれカバー片が備えられており、前記カバー片は内側に折り曲げると少なくとも隣接するカバー片に対してその一部が重ね合わせ可能であり、前記カバー片の所定箇所には、重ね合わせたカバー片同士を係止する面ファスナが取り付けられ、本体部の内面側に配置されるシートを内側に折り曲げた各カバー片で覆い、カバー片の面ファスナを係合させることで前記シートが収納される収納体とし、この収納体を折り畳んで固定できるようにされることを特徴とするシート収納・運搬具。
【請求項2】
前記本体部の周囲四辺に備えられる前記カバー片は、マチを介して本体部に連接されていることを特徴とする請求項1に記載のシート収納・運搬具。
【請求項3】
前記収納体が折り畳まれる際、折り曲げ箇所に対応するマチには、マチの一部が部分的に切り欠かれる切欠き部が設けられることを特徴とする請求項2に記載のシート収納・運搬具。
【請求項4】
前記本体部の肩掛けベルトが設けられる箇所には、背板が内蔵されることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のシート収納・運搬具。
【請求項5】
前記カバー片には、収納体を折り畳むことによって重合するカバー片の対向面同士の少なくとも一部を係止する面ファスナが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシート収納・運搬具。
【請求項6】
前記収納体の折り畳みは、三つ折りであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のシート収納。運搬具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−80842(P2012−80842A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231153(P2010−231153)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
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